説明

放電管の支持構造、支持部材、放電管、口金、照明装置、表示装置、及びテレビ受信装置

【課題】放電管の軸線方向への移動を規制する。
【解決手段】ガラス管34の両端部に略筒状をなす口金36が外嵌された形態の放電管15は、略平板状をなすシャーシ13の正面側に設けた複数対の中継コネクタ14(支持部材)により、支持される。放電管15を中継コネクタ14に支持した状態では、中継コネクタ14に設けたストッパ26に対して口金36が係止することにより、放電管15が中継コネクタ14に対して軸方向に移動することが規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電管の支持構造、支持部材、放電管、口金、照明装置、表示装置、及びテレビ受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶表示装置のバックライトとして機能する照明装置の一例が開示されている。これは、略平板状のシャーシに接続金具を取り付け、この接続金具に複数本の細長い放電管の端部を取り付けるとともに、同じく接続金具に電源基板を取り付けた構造になり、放電管の端部から突出させたアウタリードは接続金具を介して電源基板に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−294592公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アウタリードは放電管の端部から同軸状に突出した形態であるため、接続金具に対して軸方向に位置ずれしたときに、アウタリードの突出端が他部材(例えば、シャーシの周壁等)と干渉することが懸念される。アウタリードは、電気的接続手段として重要であるが、細長く強度的に弱い部材であるため、他部材との干渉を回避することが好ましい。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放電管の軸線方向への移動を規制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、本発明の放電管の支持構造は、略平板状をなすシャーシの正面側に設けた複数対の支持部材により、ガラス管の両端部に略筒状をなす口金が外嵌された形態の複数本の放電管を支持するための支持構造であって、前記対をなす支持部材のうち少なくとも一方の支持部材には、前記口金を係止させることで前記放電管の軸線方向への移動を規制可能なストッパが設けられているところに特徴を有する。
【0006】
本発明によると、放電管を支持部材に支持した状態では、口金がストッパに係止するので、放電管が支持部材に対して軸方向に移動する虞はない。
【0007】
上記本発明の放電管の支持構造において、前記放電管が、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させた形態となっており、前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片が、前記アウタリードに接続されているものにおいて、前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁に係止可能な位置に配置されているものとすることができる。
【0008】
この場合、ストッパは口金の端縁に係止するので、口金の外周にストッパを係止させるための孔を形成せずに済み、加工コストを低減できるとともに、口金の強度低下を回避できる。
また、ストッパが口金における導電片側の端縁に係止する構造の場合、口金の周方向の向きによっては、口金の端縁から延出している導電片が邪魔になって、口金の端縁とストッパとが係止できなくなることが懸念されるが、本発明では、ストッパが導電片とは反対側の端縁に係止するようになっているので、口金とストッパとを確実に係止させることができる。
【0009】
上記本発明の放電管の支持構造において、前記導電片には、前記アウタリードに対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部が形成されているものとすることができる。
【0010】
この場合、導電片は、アウタリードを全周に亘って包囲する筒状部を備えているので、導電片がアウタリードから外れることがなく、導電片とアウタリードとを確実に接続させることができる。
【0011】
上記本発明の放電管の支持構造において、前記口金の内径が、前記ガラス管の外径よりも大径とされており、前記口金に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記口金が前記ガラス管に対して略同心状に保持されているものとすることができる。
【0012】
口金とストッパとの係止代は、ガラス管の外径と口金の外径との寸法差に相当するのであるが、本発明では、弾性保持片によって口金をガラス管に対して同心状に保持するようにしているので、口金を大きくしてその内径とガラス管の外径との寸法差を大きく確保することが可能となっている。これにより、口金とストッパとの係止代を増大させ、放電管の移動を確実に規制することができる。
【0013】
上記本発明の放電管の支持構造において、前記ストッパには、前記ストッパに前記口金を係止させた状態において前記ガラス管の外周が当接または近接する凹部が形成され、前記支持部材には、前記放電管を前記凹部側へ押圧可能な弾性押圧片が設けられているものとすることができる。
【0014】
この場合、弾性押圧片が放電管を凹部側へ押圧するようになっているので、凹部の深さが浅くても放電管が凹部から外れる虞がなく、口金をストッパに対して確実に係止させておくことができる。凹部を浅くすることは、凹部の深さ方向におけるストッパの寸法を小さくすることを意味するので、その分、支持部材の材料コストを低減することができる。
【0015】
上記本発明の放電管の支持構造において、前記支持部材が、合成樹脂製のホルダ内に接続金具を組み付けた形態となっており、前記ストッパが前記ホルダに形成されているものとすることができる。
【0016】
この場合、ストッパを合成樹脂製のホルダに形成しているので、接続金具にストッパを形成する必要がなく、その分、接続金具の製造に要する材料が少なくて済む。一般に合成樹脂が金属に比べて材料費が安価であるということに鑑みると、本発明によれば、支持部材の材料コストを低減することができる。
【0017】
上記本発明の放電管の支持構造において、前記支持部材が、前記口金に対して導通可能に接触可能な接続金具を備えており、前記接続金具に前記ストッパが一体に形成されているものとすることができる。
【0018】
この場合、口金との導通手段である接続金具とストッパとが一体に形成されているので、接続金具とは別部品のストッパを設けたものと比較すると、本発明では、部品点数が少なくて済む。
【0019】
次に、上記の目的を達成するための手段として、本発明の支持部材は、略平板状をなすシャーシの正面側に設けられ、ガラス管の両端部に略筒状をなす口金が外嵌された形態の複数本の放電管を支持するための支持部材であって、前記口金を係止させることで前記放電管の軸線方向への移動を規制可能なストッパを備えているところに特徴を有する。
【0020】
本発明によると、放電管を支持部材に支持した状態では、口金がストッパに係止するので、放電管が支持部材に対して軸方向に移動する虞はない。
【0021】
上記本発明の支持部材において、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させているとともに、前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片を前記アウタリードに接続させた形態の放電管を支持する支持部材であって、前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁に係止可能な位置に配置されているものとすることができる。
【0022】
ストッパは口金の端縁に係止するので、口金の外周にストッパを係止させるための孔を形成せずに済み、加工コストを低減できるとともに、口金の強度低下を回避できる。
また、ストッパが口金における導電片側の端縁に係止する構造の場合、口金の周方向の向きによっては、口金の端縁から延出している導電片が邪魔になって、口金の端縁とストッパとが係止できなくなることが懸念されるが、本発明では、ストッパが導電片とは反対側の端縁に係止するようになっているので、口金とストッパとを確実に係止させることができる。
【0023】
上記本発明の支持部材において、前記ストッパには、前記ストッパに前記口金を係止させた状態において前記ガラス管の外周が当接または近接する凹部が形成され、前記放電管を前記凹部側へ押圧可能な弾性押圧片を備えているものとすることができる。
【0024】
この場合、弾性押圧片が放電管を凹部側へ押圧するようになっているので、凹部の深さが浅くても放電管が凹部から外れる虞がなく、口金をストッパに対して確実に係止させておくことができる。凹部を浅くすることは、凹部の深さ方向におけるストッパの寸法を小さくすることを意味するので、その分、支持部材の材料コストを低減することができる。
【0025】
上記本発明の支持部材において、合成樹脂製のホルダと、前記ホルダ内に組み付けた接続金具とを備えており、前記ストッパが前記ホルダに形成されているものとすることができる。
【0026】
この場合、ストッパを合成樹脂製のホルダに形成しているので、接続金具にストッパを形成する必要がなく、その分、接続金具の製造に要する材料が少なくて済む。一般に合成樹脂が金属に比べて材料費が安価であるということに鑑みると、本発明によれば、支持部材の材料コストを低減することができる。
【0027】
上記本発明の支持部材において、前記口金に対して導通可能に接触可能な接続金具を備えており、前記接続金具に前記ストッパが一体に形成されているものとすることができる。
【0028】
この場合、口金との導通手段である接続金具とストッパとが一体に形成されているので、接続金具とは別部品のストッパを設けたものと比較すると、本発明では、部品点数が少なくて済む。
【0029】
次に、上記の目的を達成するための手段として、本発明の放電管は、ガラス管の両端部に略筒状をなす口金が外嵌された形態であって、略平板状をなすシャーシの正面側に設けた支持部材により支持される放電管において、前記口金が、前記支持部材に設けたストッパに対して係止可能とされ、前記ストッパに対して前記口金を係止させることで、軸線方向への移動を規制されるようになっているところに特徴を有する。
【0030】
本発明によると、放電管を支持部材に支持した状態では、口金がストッパに係止するので、放電管が支持部材に対して軸方向に移動する虞はない。
【0031】
上記本発明の放電管において、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させ、前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片を、前記アウタリードに接続させているものであって、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁が、前記ストッパに対して係止可能とされているものとすることができる。
【0032】
この場合、ストッパは口金の端縁に係止するので、口金の外周にストッパを係止させるための孔を形成せずに済み、加工コストを低減できるとともに、口金の強度低下を回避できる。
また、ストッパが口金における導電片側の端縁に係止する構造の場合、口金の周方向の向きによっては、口金の端縁から延出している導電片が邪魔になって、口金の端縁とストッパとが係止できなくなることが懸念されるが、本発明では、ストッパが導電片とは反対側の端縁に係止するようになっているので、口金とストッパとを確実に係止させることができる。
【0033】
上記本発明の放電管において、前記導電片には、前記アウタリードに対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部が形成されているものとすることができる。
【0034】
この場合、導電片は、アウタリードを全周に亘って包囲する筒状部を備えているので、導電片がアウタリードから外れることがなく、導電片とアウタリードとを確実に接続させることができる。
【0035】
上記本発明の放電管において、前記口金の内径が、前記ガラス管の外径よりも大径とされており、前記口金に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記口金が前記ガラス管に対して略同心状に保持されているものとすることができる。
【0036】
口金とストッパとの係止代は、ガラス管の外径と口金の外径との寸法差に相当するのであるが、本発明では、弾性保持片によって口金をガラス管に対して同心状に保持するようにしているので、口金を大きくしてその内径とガラス管の外径との寸法差を大きく確保することが可能となっている。これにより、口金とストッパとの係止代を増大させ、放電管の移動を確実に規制することができる。
【0037】
次に、上記の目的を達成するための手段として、本発明の口金は、略平板状のシャーシの正面側に設けた支持部材により支持される放電管を構成するものであって、前記放電管を構成するガラス管の両端部に外嵌される略筒状の口金において、前記支持部材に設けたストッパに対して係止可能とされており、前記ストッパに係止することで、前記放電管の軸線方向への移動を規制するようになっているところに特徴を有する。
【0038】
本発明によると、放電管を支持部材に支持した状態では、口金がストッパに係止するので、放電管が支持部材に対して軸方向に移動する虞はない。
【0039】
上記本発明の口金において、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させた形態の前記放電管を構成する口金であって、前記ガラス管に外嵌される筒状の本体と、前記本体における一方の端縁から前記アウタリード側へ延出して前記アウタリードに接続される導電片とを備えており、前記本体における前記導電片とは反対側の端縁が、前記ストッパに対して係止可能とされているものとすることができる。
【0040】
ストッパは口金の本体の端縁に係止するので、本体の外周にストッパを係止させるための孔を形成せずに済み、加工コストを低減できるとともに、本体の強度低下を回避できる。
また、ストッパが本体における導電片側の端縁に係止する構造の場合、口金の周方向の向きによっては、本体の端縁から延出している導電片が邪魔になって、本体の端縁とストッパとが係止できなくなることが懸念されるが、本発明では、ストッパが導電片とは反対側の端縁に係止するようになっているので、本体とストッパとを確実に係止させることができる。
【0041】
上記本発明の口金において、前記導電片には、前記アウタリードに対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部が形成されているものとすることができる。
【0042】
この場合、導電片は、アウタリードを全周に亘って包囲する筒状部を備えているので、導電片がアウタリードから外れることがなく、導電片とアウタリードとを確実に接続させることができる。
【0043】
上記本発明の口金において、内径が前記ガラス管の外径よりも大径であって、前記ガラス管に外嵌される筒状の本体を有し、前記本体に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記ガラス管に対して略同心状に保持されているものとすることができる。
【0044】
口金とストッパとの係止代は、ガラス管の外径と口金の本体の外径との寸法差に相当するのであるが、本発明では、弾性保持片によって本体をガラス管に対して同心状に保持するようにしているので、本体を大きくしてその内径とガラス管の外径との寸法差を大きく確保することが可能となっている。これにより、口金とストッパとの係止代を増大させ、放電管の移動を確実に規制することができる。
【0045】
また、本発明の表示装置用の照明装置は、シャーシと、本発明に係る支持部材と、本発明に係る放電管と、前記シャーシの背面側に設けられて前記放電管に電力を供給する電源とを備えているところに特徴を有する。
【0046】
また、本発明の表示装置は、上述した照明装置と、その照明装置の正面側に配置される表示パネルとを備えているところに特徴を有する。
【0047】
また、本発明の受信装置は、上述した表示装置を備えているところに特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態1のテレビ受信機の分解斜視図
【図2】表示装置の水平断面図
【図3】照明装置を正面側から見た斜視図
【図4】照明装置の正面図
【図5】中継コネクタの斜視図
【図6】中継コネクタと放電管の接続構造をあらわす部分拡大正面図
【図7】中継コネクタの側面図
【図8】放電管の口金がストッパと係止可能な様子をあらわす断面図
【図9】中継コネクタと電源基板の接続構造をあらわす断面図
【図10】放電管の斜視図
【図11】口金の背面図
【図12】口金の平面図
【図13】口金の側面図
【図14】照明装置を背面側から見た斜視図
【図15】実施形態2における照明装置の正面図
【図16】照明装置において放電管を外した状態をあらわす正面図
【図17】照明装置の背面図
【図18】アース部材の斜視図
【図19】アース端子の斜視図
【図20】放電管の口金がストッパと係止可能な様子をあらわす断面図
【図21】アース端子と放電管の接続構造をあらわす部分拡大正面図
【図22】口金の一変形例を示す斜視図
【図23】図22の側面図
【図24】アース端子の斜視図
【図25】図24のアース端子を用いた場合の口金との接続態様をあらわす断面図
【発明を実施するための形態】
【0049】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図14を参照して説明する。
【0050】
[表示装置Dの概要]
表示装置Dは、全体として横長の方形をなし、図2に示すように、表示パネル11と照明装置10とを備えて構成され、いわゆる液晶表示装置と称されるものである。表示パネル11は照明装置10の正面側に配置され、照明装置10はバックライトとして背面側から表示パネル11を照射する。この表示装置Dは、テレビ受信装置に適用することができる。テレビ受信装置は、図1に示すように、表示装置Dと、表示装置Dを挟むようにして収容する表裏両キャビネットCa,Cbと、後述する電源基板16(本発明の構成要件である電源)とは別の電源Pと、チューナーTと、スタンドSとを備えて構成される。尚、図2は表示装置Dを模式的にあらわしたものであるため、中継コネクタ14(本発明の構成要件である支持部材)や基板コネクタ18等の形状については、他の図面の形状と一部異なっている。
表示パネル11は、透明なTFT基板と透明なCF基板との隙間に、電圧印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶を封入した周知構造のものであり、TFT基板には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)が設けられ、CF基板には、赤(R),緑(G),青(B)の三原色の画素をマトリックス状に配置したカラーフィルターが設けられている。
【0051】
[照明装置10の概要]
照明装置10は、ランプユニット12と電源基板16とを備えて構成される。ランプユニット12は、全体として横長方形の板状をなして反射板として機能する金属製のシャーシ13と、シャーシ13の正面側に水平な姿勢で上下方向に並列するように配置される複数本の放電管15と、シャーシ13の左右両側縁に沿って各放電管15と対応するように上下に並べて配置された複数の中継コネクタ14とを備えている。電源基板16は、シャーシ13の裏面側に配置されていて、中継コネクタ14を介すことにより放電管15に対して電力供給を行う。
シャーシ13には、各放電管15と同じ高さであって放電管15の端部と対応する位置を正面から背面へ貫通させた形態の略方形をなす複数の取付孔13Hが上下方向に並ぶように形成され、各取付孔13Hには、夫々、中継コネクタ14が貫通して取り付けられている。
【0052】
[中継コネクタ14]
中継コネクタ14は、合成樹脂製のホルダ20と、ホルダ20内に収容した金属製(例えば、ステンレス製)の中継端子31(本発明の構成要件である接続金具)とから構成される。
ホルダ20は、全体としてブロック状をなす箱状部21と、箱状部21の背面から後方へ突出する壁部22とから構成される。
箱状部21には、その正面から側面(シャーシ13の側縁部とは反対側の側面)に亘って開口する収容室23が形成されている。収容室23の開口部のうち正面側の開口部は、正面側から放電管15の端部(口金36)を嵌入させるための受入口24となっており、側面側の開口部は、放電管15の端部を収容室23に収容した状態においてガラス管34との干渉を回避するための逃がし口25となっている。この逃がし口25には、その開口縁を内側へ板状に張り出させた形態のストッパ26が形成され、このストッパ26により逃がし口25の開口形状は略U字形に狭められている。この略U字形をなす逃がし口25の上下方向の間隔は、口金36の本体37の内径よりも小さく且つ放電管15のガラス管34の外径と同じかそれよりも僅かに大きい寸法となっている。逃がし口25の開口縁における奥端部は半円形の凹部27となっており、この凹部27の曲率半径はガラス管34の外周の曲率半径と同じかそれよりも僅かに大きい寸法となっている。また、逃がし口25の開口縁における凹部27よりも正面側の領域は、上下一対のガイド部28となっている。
また、箱状部21には、箱状部21のうち逃がし口25が開口している外側面からシャーシ13と平行に突出する張出部29が形成されている。この張出部29は、シャーシ13の正面と逃がし口25との間を仕切るような形態となっている。箱状部21の外面(上面と下面)には上下一対の抜止め突起30が形成されている。
【0053】
中継端子31は、ホルダ20の内部に保持されている。中継端子31は、所定形状に打ち抜いた金属板材を曲げ加工したものであって、湾曲した板片からなる上下対称な一対の弾性押圧片32と、背面側へ平板状に突出する基板用接続部33とを備えている。一対の弾性押圧片32は、上下方向へ互いに離間する方向への弾性撓みを許容された状態で収容室23内に収容されており、一対の弾性押圧片32の上下方向の間隔は、ストッパ26の凹部27よりも正面側の位置において最小となっている。弾性押圧片32が弾性撓みしていない自由状態における弾性押圧片32間の最小間隔は、放電管15の口金36の本体37の外径よりも小さい寸法となっている。一方、基板用接続部33は、箱状部21の背面からホルダ20外へ露出し、壁部22に沿って後方へ突出している。
【0054】
かかる中継コネクタ14をシャーシ13に組み付ける際には、シャーシ13の正面側から取付孔13Hにホルダ20の壁部22を差し込み、箱状部21の外面をシャーシ13の正面における取付孔13Hの開口縁部に当接させるとともに、抜止め突起30を、シャーシ13の背面における取付孔13Hの開口縁部に係止させる。これにより、シャーシ13が箱状部21の外面と抜止め突起30とによって前後から挟まれ、もって、ホルダ20がシャーシ13に対して組み付け方向(取付孔13Hの貫通方向)への移動を規制された状態に固定され、中継コネクタ14がシャーシ13に組み付けられる。中継コネクタ14がシャーシ13に組み付けられた状態では、ホルダ20の前端側部分を構成する箱状部21が、シャーシ13の正面側へ突出(露出)しているとともに、ホルダ20の後端側である壁部22がシャーシ13の背面側へ突出(露出)している。
【0055】
[放電管15]
放電管15は、冷陰極線管からなり、全体として細長く円形断面の直線状のガラス管34と、ガラス管34の両端からガラス管34と同軸状に且つ直線状に突出する円形断面の細長い金属製(例えば、ニッケル系、或いはコバルト系の金属)のアウタリード35と、ガラス管34の両端部に取り付けられる口金36とから構成される。ガラス管34の内部には水銀が封入され、ガラス管34の両端部は、加熱して溶融させることで概ね半球状に形成されている。そして、アウタリード35は、この半球部を貫通している。
【0056】
口金36は、所定の形状に打ち抜かれた金属製(例えば、ステンレス製)の板材に曲げ加工や叩き出し加工を施すことによって形成された単一部品である。口金36は、1つの本体37と1片の導電片40とを備えている。本体37は、全体としてガラス管34と同心の円筒形をなし、本体37の内径はガラス管34の外径よりも少し大きい寸法に設定されている。
【0057】
本体37には、その一部をスリット状に切欠することによって三対の弾性保持片38A,38Bが周方向において等角度のピッチで配置されるように形成されている。
対をなす弾性保持片38A,38Bのうち一方の第1弾性保持片38Aは、全体として後方へ(詳しくは、やや径方向内向きへ斜め方向に)片持ち状に延出した形態であって、その基端(前端)を支点として径方向に弾性撓みし得るようになっている。第1弾性保持片38Aの延出端部(後端部)には、径方向外側へ斜めに曲げられた屈曲部39が形成され、この屈曲部39の曲げの外側の面(つまり、内側に臨む面)はガラス管34の外周面に当接する接点となっている。この3本の第1弾性押圧片38Aの接点を結ぶ仮想円は、本体37と同心の円形であり、この仮想円の径寸法は、第1弾性保持片38Aが弾性撓みしていない自由状態のときにガラス管34の外径よりも小さい寸法となっている。
【0058】
対をなす弾性保持片38A,38Bのうち他方の第2弾性保持片38Bは、第1弾性保持片38Aに対して周方向に隣り合うように配置され、全体として第1弾性保持片38Aと逆に前方へ(詳しくは、やや径方向内向きへ斜め方向に)片持ち状に延出した形態となっていて、その基端(後端)を支点として径方向に弾性撓みし得るようになっている。第2弾性保持片38Bの延出端はガラス管34の外周面に当接する接点となっており、この3片の第2弾性保持片38Bの接点を結ぶ仮想円は、本体37と同心の円形であり、この仮想円の径寸法は、第2弾性保持片38Bが弾性撓みしていない自由状態のときにガラス管34の外径よりも小さい寸法となっている。
【0059】
本体37には、その前端縁から前方へ片持ち状に突出する一対の保護片が形成されている。一対の保護片は、周方向に間隔を空けて配置され、本体37に対して面一状をなして直線的に延出している。そして、この一対の保護片の間から導電片40が前方へ片持ち状に延出している。導電片40は、本体37の前端に連なる細長部41と、細長部41の前端(延出端)から更に前方へ突出する筒状部42とからなる。
細長部41は、本体37に対して面一状であって本体37からその軸線と平行に延出する基端部41aと、基端部41aの延出端から本体37の軸線に向かって径方向内向きに延出する中間部41bと、中間部41bの延出端から本体37の軸線と平行に延出する先端部41cとからなり、先端部41cの延出端に筒状部42が連なっている。細長部41の幅寸法は細長部41の長さ寸法に対して充分に小さく、したがって、細長部41は、本体37の径方向への弾性変形、径方向と交差する方向(細長部41の長さ方向と交差する方向)への弾性変形、及び細長部41自身を軸とする弾性的な捻れ変形が可能となっている。
筒状部42は、細長部41の延出端から横方向へ張り出した部分を円筒状に曲げ加工したものであり、軸線は概ね本体37と同軸状に配置されている。かかる筒状部42は、細長部41を弾性撓みさせつつ、口金36の軸方向及び径方向へ変位し得るようになっている。
【0060】
[口金36とガラス管34の組み付け]
次に、口金36をガラス管34に組み付ける工程を説明する。
組付けに際しては、ガラス管34と口金36を、夫々、把持装置(図示せず)で保持した状態で、口金36とガラス管34とを相対的に同軸状に接近させ、本体37をガラス管34に外嵌させる。本体37が外嵌され始めると、三対の弾性保持片38A,38Bの延出端部の接点がガラス管34の外周に対して弾性的に当接し、組付けが進むのに伴なって接点がガラス管34の外周面上を摺接する。そして、本体37を貫通したアウタリード35の先端が、筒状部42の中空内に進入し始める。この後、双方の把持装置が所定の組付け位置に達すると、口金36とガラス管34とが軸線方向において正規の組付け位置に位置決めされ、アウタリード35の先端部が筒状部42で全周に亘って包囲された状態となる。このとき、アウタリード35の先端部は、筒状部42の先端から大きく突出することがなく、筒状部42から僅かに突出するか、筒状部42の先端とほぼ同じ位置、若しくは筒状部42の内部に位置する。
この後は、筒状部42に対して縮径変形させるようにカシメ付けが行われ、カシメ付けられた筒状部42とアウタリード35のとが溶接によって電気的導通可能に固着されて、口金36とガラス管34とが一体化される。以上により、組付けが完了し、放電管15が完成する。
口金36とガラス管34が組み付けられた状態では、三対の弾性保持片38A,38Bによる弾性的な保持作用により本体37がガラス管34に対してほぼ同心状に保持され、ガラス管34の外周と本体37の内周との間には、ほぼ全周に亘って隙間(空気層)が確保される。
【0061】
なお、図22及び図23に示すように、筒状部42をU字状の接続部42aとすることができる。この場合、口金36に対してガラス管34を嵌め込んだ後、U字状の接続部42aをアウタリード35に沿って曲げ加工することで、これらアウタリード35と接続部42aとの電気的接続が可能となる。このようなU字状の接続部42aを曲げ加工する態様によれば、アウタリード35に対する電気的接続性が一層良好なものとなる。
【0062】
[中継コネクタ14に対する放電管15の取付]
上記のようにして製造された放電管15は、中継コネクタ14に取り付けられる。取付けに際しては、放電管15を水平に向けた状態でシャーシ13の正面に接近させ、ガラス管34の両端部と口金36を中継コネクタ14の収容室23に対して正面側から嵌め込む。このとき、一対の弾性押圧片32が、口金36の本体37によって上下に拡開するように弾性撓みさせられ、本体37が一対の弾性押圧片32の最小間隔部分を通過した後は、両弾性押圧片32が、その弾性復元力によって本体37を収容室23の奥側へ引き込み、本体37を収納室23の底部に当接させ、これにより、放電管15の取付けが完了する。
【0063】
取り付けられた放電管15は、その両端部において一対の弾性押圧片32に保持され、中継端子31とこの中継端子31の取付け母体であるホルダ20を介してシャーシ13に取り付けられる。この状態では、放電管15の重量は、中継コネクタ14を介してシャーシ13に作用するだけであり、アウタリード35に対して放電管15の重量が負荷として作用することはない。
【0064】
また、一対の弾性押圧片32が本体37の外周面に弾性的に接触し、これにより、アウタリード35が口金36を介して中継端子31に電気的導通可能に接続される。さらに、一対の弾性押圧片32の弾性復元力により、ガラス管34がストッパ26の凹部27に押し付けられた状態に保持されており、放電管15の軸方向に見たときには、本体37の一部がストッパ26と重なるように位置する。つまり、本体37における導電片40とは反対側の端縁の一部がストッパ26に対して軸線方向に接近して対向する状態となる。
【0065】
また、ホルダ20の外面のうちシャーシ13の板面と直角であって収容室23の逃がし口25が開口する外面には、シャーシ13と逃がし口25との間の部分をシャーシ13の板面に沿って突出させた形態の張出部29が形成されているので、収容室23の内部からシャーシ13の正面に至る沿面距離が長くなっている。したがって、収容室23内の放電管15からホルダ20外のシャーシ13へのリークが防止される。
【0066】
[電源基板16の概要]
電源基板16は、背面(シャーシ13と反対側の面)に回路が形成された回路基板17と、回路基板17の背面に実装された電子部品19と、回路基板17の背面に取り付けられた複数の基板コネクタ18を備えている。
回路基板17は、全体として縦長の方形をなし、紙基材フェノール樹脂銅張積層板(紙フェノールと称される)が用いられている。回路基板17には、縦長の方形をなす複数の嵌合孔17Hが正面側から背面側へ貫通するように形成されている。複数の嵌合孔17Hは、上記した中継端子31(中継コネクタ14)と対応するように、回路基板17の左右両側の側縁部に沿って上下に並ぶように配置されている。基板コネクタ18は、合成樹脂製のハウジングと、ハウジング内に全体が収容された金属製(例えば、洋白合金製)の出力端子(図示せず)とを備えて構成され、各嵌合孔17Hと対応するように、回路基板17の左右両側縁に沿って配置されている。ハウジングの外面には、嵌合孔17Hと対応する嵌合空間(図示せず)が形成され、嵌合空間内に出力端子の一部が臨んでいる。
【0067】
電源基板16は、回路基板17がシャーシ13と平行となる向きで背面側からシャーシ13に接近させて組み付けられている。組付けに際しては、中継コネクタ14の壁部22及びこの壁部22に沿って配置されている基板用接続部33が、回路基板17の嵌合孔17Hを貫通して基板コネクタ18の嵌合凹部27に差し込まれる。これにより、中継コネクタ14と基板コネクタ18が嵌合され、中継端子31と出力端子が導通可能に接続される。
【0068】
[実施形態の作用・効果]
本実施形態においては、放電管15を中継コネクタ14に支持した状態で、口金36がストッパ26に係止するようになっているので、放電管15が中継コネクタ14に対して軸線方向に移動する虞はない。即ち、放電管15に対して右方向への移動力が付与された場合には、放電管15の左側の端部に組み付けられている口金36がストッパ26に対して左側から引っ掛かるので、放電管15の右方への移動が規制される。放電管15に対して左方向への移動力が付与された場合には、放電管15の右側の端部において口金36がストッパ26に対して右側から係止するので、放電管15の左方への移動が規制される。このように放電管15は、その軸線に沿った左右いずれの方向への移動も規制されているので、アウタリード35の先端が収容室23における逃がし口25とは反対側の壁部22に突き当たる虞がない。
【0069】
また、ストッパ26は口金36の端縁に係止するので、口金36の外周にストッパ26を係止させるための孔を形成せずに済み、加工コストを低減できるとともに、口金36の強度低下を回避できる。
また、ストッパ26が口金36における導電片40側の端縁に係止する構造の場合、口金36の周方向の向きによっては、口金36の端縁から延出している導電片40が邪魔になって、口金36の端縁とストッパ26とが係止できなくなることが懸念されるが、本実施形態1では、ストッパ26が導電片40とは反対側の端縁に係止するようになっているので、導電片40に邪魔されて口金36とストッパ26とが係止できなくなる、という虞がなく、口金36とストッパ26とを確実に係止させることができる。
【0070】
また、導電片40には、アウタリード35に対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部42が形成されているので、導電片40がアウタリード35から外れることがない。したがって、筒状部42をカシメ付ける際に、筒状部42がアウタリード35から外れることがなく、導電片40とアウタリード35とを確実に接続させることができる。
【0071】
また、口金36とストッパ26との係止代は、ガラス管34の外径と口金36の外径との寸法差に相当するのであるが、本実施形態では、弾性保持片38A,38Bによって口金36をガラス管34に対して同心状に保持するようにしているので、口金36を大きくしてその内径とガラス管34の外径との寸法差を大きく確保することが可能となっている。これにより、口金36とストッパ26との係止代を増大させ、放電管15の移動を確実に規制することができる。
【0072】
また、ストッパ26には、ストッパ26に口金36を係止させた状態においてガラス管34の外周を当接または近接させる凹部27が形成され、中継コネクタ14には、放電管15を凹部27側へ押圧可能な一対の弾性押圧片32が設けられているのであるが、この一対の弾性押圧片32は、斜め上方及び斜め下方から上下対称に放電管15を凹部27側へ押圧しているので、ガラス管34が凹部27から外れる虞がなく、口金36をストッパ26に対して確実に係止させておくことができる。
【0073】
また、中継コネクタ14は、合成樹脂製のホルダ20内に中継端子31を組み付けた形態となっているのであるが、本実施形態1では、ストッパ26を合成樹脂製のホルダ20に形成しているので、中継端子31にストッパを形成する必要がなく、その分、中継端子31の製造に要する材料が少なくて済む。一般に合成樹脂が金属に比べて材料費が安価であるということに鑑みると、本実施形態によれば、中継コネクタ14の材料コストを低減することができる。
【0074】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図15ないし図21を参照して説明する。本実施形態2は、放電管15を支持するための手段を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0075】
[アース部材50の概要]
上記実施形態1では、放電管15の両端部を、ホルダ20と中継端子31からなる中継コネクタ14によって支持したが、本実施形態2では、放電管15の両端部のうち一方の端部は、実施形態1と同じ中継コネクタ14で支持するのに対し、放電管15の他方の端部については、アース部材50(本発明の構成要件である支持部材)によって支持している。
【0076】
アース部材50は、シャーシ13の一方の側縁部に沿って取り付けた細長い支持板51と、この支持板51の正面に導通可能に取り付けられた複数のアース端子52(本発明の構成要件である接続端子)とから構成される。支持板51には、各アース端子52と対応して3つずつの取付孔51Hが貫通して形成されている。なお、支持板51は、基板や金属板によって構成されている。
一方、アース端子52は、所定形状に打ち抜いた金属製(例えば、洋白合金)の板材に曲げ加工を施したものであって、ベース部53と、ベース部53の上下両縁部から正面側へ延出する上下対称な一対の弾性押圧片54と、ベース部53の一方の側縁部から正面側へ延出するストッパ55とを備えて構成される。
一対の弾性押圧片54は、ストッパ55とは反対側の側縁部に配置され、相手側の弾性押圧片54側へ膨らむように湾曲した形状をなしている。弾性押圧片54は、その間隔を拡開するように弾性撓みすることが可能であり、弾性押圧片54が弾性撓みしていない状態における一対の弾性押圧片54の最小間隔は、放電管15のガラス管34の外径よりも小さい寸法となっている。
【0077】
ストッパ55は、ベース部53から放電管15の軸線と直角に立ち上がっており、ストッパ55には略円弧状に凹んだ形態の凹部56が形成されている。実施形態1の中継コネクタ14では、ストッパ26の凹部27の上下両側に一対のガイド部28が立ち上がっていたが、本実施形態2では、凹部56の上下両側におけるベース部53からの立ち上がり寸法は小さく抑えられており、実施形態1のガイド部28に相当する手段は設けられていない。したがって、ガイド部を設けたものと比較すると、アース端子52に必要な金属材料は少なくなっている。
【0078】
さらに、ベース部53には、3片の脚部57が一体形成されている。3片のうち2片の脚部57は、弾性押圧片54とストッパ55との間であって、ベース部53の上下両縁部から弾性押圧片54及びストッパ55とは反対側(裏面側)へ突出しており、残りの1片の脚部57は、ベース部53におけるストッパ55とは反対側の側縁における両弾性押圧片54の中間位置から弾性押圧片54及びストッパ55とは反対側(裏面側)へ突出している。
【0079】
かかるアース端子52は、合成樹脂製のハウジング等の部材には収容されておらず、剥き出しの状態のままで、脚部57を取付孔51Hに貫通させて半田付け等により支持板51に対して導通可能に固着されている。これにより、1枚の支持板51に取り付けられた複数のアース端子52は、支持板51を介して互いに導通可能に接続されていることになる。また、アース部材50には電源基板は接続されておらず、支持板51はシャーシに対して導通可能に接続されている。
【0080】
[アース端子52に対する放電管15の取付]
放電管15をアース端子52に取り付ける際には、放電管15を水平に向けた状態でシャーシ13の正面に接近させ、ガラス管34の端部と口金36を上下一対の弾性押圧片54の間に正面側から嵌め込む。このとき、一対の弾性押圧片54が、口金36の本体37によって上下に拡開するように弾性撓みさせられ、本体37が一対の弾性押圧片54の最小間隔部分を通過した後は、両弾性押圧片54が、その弾性復元力によって本体37をベース部53側に引き込み、本体37をベース部53に当接させ、これにより、放電管15の取付けが完了する。尚、放電管15の反対側の端部は、上記実施形態1と同様にして中継コネクタ14に取り付けられる。
【0081】
取り付けられた放電管15は、その両端部において中継コネクタ14とアース部材50とによって支持される。一対の弾性押圧片32,54が口金36の本体37の外周面に弾性的に接触するので、アウタリード35が口金36を介して中継端子31とアース端子52に電気的導通可能に接続される。さらに、一対の弾性押圧片54の弾性復元力により、ガラス管34がストッパ26,55の凹部27,56に押し付けられた状態に保持されており、放電管15の軸方向に見たときには、本体37の一部がストッパ26,55と重なるように位置する。つまり、本体37における導電片40とは反対側の端縁の一部がストッパ26,55に対して軸線方向に接近して対向する状態となる。
【0082】
なお、図24及び図25に示すように、アース端子52に対してプロテクト部551を設けるものとしても良い。このプロテクト部551は、弾性押圧片規制部552と支持板当接部553とを備え、アース端子52が支持板51に取り付けられ、固定されたときに、支持板当接部553は支持板51に当接又は近接した状態となる。そして、弾性押圧片54にそれを押し広げる何らかの外力が加わった場合、押し広げられる過程において、まず弾性押圧片規制部553に当接する。その後、それ以上の負荷が加わった場合、支持板当接部553はプロテクト部551が倒れないように支持する役割を担うものとされている。なお、プロテクト部551は弾性押圧片54の根元から繋がっており、支持板当接部553を機能させるには、支持板当接部553をその繋がった部分よりも外側に構成させる必要がある。また、支持板当接部553をより外側に構成させることで一層効果を発揮することが可能とされている。
【0083】
[実施形態の作用・効果]
本実施形態2においては、放電管15を中継コネクタ14とアース部材50に支持した状態で、放電管15の両端の口金36がホルダ20のストッパ26とアース端子52のストッパ55にと係止するようになっているので、放電管15が中継コネクタ14に対して軸線方向に移動する虞はない。
即ち、放電管15に対して中継コネクタ14側からアース部材50側への移動力が付与された場合には、放電管15の中継コネクタ14側の端部に組み付けられている口金36がホルダ20のストッパ26に係止することにより、放電管15のアース部材50側への移動が規制される。放電管15に対してアース部材50側から中継コネクタ14側への移動力が付与された場合には、放電管15のアース部材50側の端部において口金36がアース端子52のストッパ55に係止するので、放電管15の中継コネクタ14側への移動が規制される。このように放電管15は、その軸線に沿った左右いずれの方向への移動も規制されているので、アウタリード35の先端が、収容室23における逃がし口25とは反対側の壁部や、シャーシ13の側壁に突き当たる虞がない。
【0084】
また、アース端子50のストッパ55には、ストッパ55に口金36を係止させた状態においてガラス管34の外周を当接または近接させる凹部56が形成され、アース端子52には、放電管15を凹部56側へ押圧可能な一対の弾性押圧片54が設けられているのであるが、この一対の弾性押圧片54は、斜め上方及び斜め下方から上下対称に放電管15を凹部56側へ押圧しているので、ガラス管34が凹部56から外れる虞がなく、口金3をストッパ55に対して確実に係止させておくことができる。
また、アース部材50においては、ストッパ55が、口金36との導通手段であるアース端子52と一体に形成されているので、アース端子とは別部品のストッパを設けたものと比較すると、本実施形態2では、部品点数が少なくて済んでいる。
【0085】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)口金におけるストッパの係止箇所は、口金の軸方向における端縁に限らず、口金の軸方向における略中央位置に形成した係止部にストッパを係止させてもよい。
(2)1つの口金に対して2つのストッパを係止させてもよい。この場合、ストッパが口金に対して軸線方向に挟むように係止させる構造とすれば、放電管の両端部のうち一方の端部に外嵌されている口金のみにストッパを係止させればよい。勿論、放電管の両端の口金の双方に対して、夫々、2つのストッパが係止する構造であってもよい。
(3)ストッパに対する口金の係止方向は、軸線方向において中央から端部に向かう方向であってもよい。
(4)ストッパは、周方向に連続した円弧形に限らず、周方向に点在する形態であってもよい。
(5)口金に弾性保持片を形成せずに、口金自体をガラス管の外径に弾性的に外嵌させてもよい。この場合、口金とストッパとの係止代は、口金の板厚に相当する寸法となる。
(6)ストッパの凹部の曲率半径は、放電管のガラス管の外周の曲率半径と略同寸法に限らず、ガラス管の外周の曲率半径より大きくてもよい。
(7)弾性押圧片は、1片だけであってもよい。この場合、弾性押圧片は放電管を挟んで凹部と対向するように配置される。
(8)弾性押圧片は、口金に当接せず、放電管のガラス管に当接する形態であってもよい。この場合、口金に対して導通可能に接触する手段を、弾性押圧片とは別に設ければよい。
(9)凹部は、円弧状に限らず、楕円形、台形、三角形等の非円形であってもよい。
(10)ホルダにストッパを形成せず、ホルダに組み付けられている接続金具にストッパを形成してもよい。
(11)導電片におけるアウタリードとの接続部分は、アウタリードを全周に亘って包囲する筒形状に限らず、略U字状や略V字状であってもよい。また、導電片の板状の先端部をアウタリードの外周に当接させてもよく、この場合、導電片の板状の先端部に形成した溝を、アウタリードを嵌合させてもよい。
(12)表示装置の表示パネルは、スイッチング素子がTFTであるものに限らず、スイッチング素子がMIM(Metal Insulator Metal) 等、TFT以外のものであってもよい。
(13)表示装置としては、液晶表示装置に限らず、表示パネルの背面側に照明装置を必要する種々の表示装置が含まれる。
(14)中継コネクタにおける電源基板との接続部は、突出形態に限らず、凹んだ形態としてもよい。この場合、電源基板における中継コネクタとの接続部は、突出した形態となる。
(15)電源としては、回路基板に電子部品を実装した電源基板に限らず、回路基板を用いずに、電子部品を配線で繋いだものも含まれる。
(16)回路基板に基板コネクタを設けず、中継コネクタをケーブルを介して電源(電源基板)に接続してもよい。
(17)電源は、回路基板におけるシャーシ側の正面に基板コネクタを実装した形態であってもよい。
(18)口金の材料として、ステンレス以外の金属を用いてもよく、金属以外の導電性樹脂や導電性ゴムを用いてもよい。
(19)ガラス管から突出するアウタリードは、ガラス管と同軸の位置に限らず、ガラス管の軸線に対して径方向に偏心した位置に配置してもよい。
(20)ガラス管から直線状に突出するアウタリードは、ガラス管の軸心と平行に限らず、ガラス管の軸心に対して斜め方向であってもよい。
(21)アウタリードは、屈曲した形態であってもよい。
(22)放電管としては、冷陰極線管に限らず、熱陰極線管、キセノン管、蛍光灯等を用いてもよい。
(23)口金の本体は、円筒形に限らず、リング形や略C字形のものであってもよい。
(24)弾性保持片の数は、三対に限らず、二対以下や四対片以上でもよい。また、対を構成しない単独の弾性保持片を周方向に間隔を空けて配置してもよい。
(25)弾性保持片は、前方又は後方へ片持ち状に延出する形態に限らず、前後両端が本体に支持された両端支持形態としてもよい。
(26)筒状部とアウタリードは半田付けによって導通可能に接続してもよい。
(27)中継端子の材料として、ステンレス以外の金属を用いてもよい。
(28)出力端子の材料として、洋白以外の金属を用いてもよい。
(29)実施形態2のアース端子の材料として、洋白以外の金属を用いてもよい。
【符号の説明】
【0086】
D…表示装置、10…照明装置、13…シャーシ、14…中継コネクタ(支持部材)、15…放電管、20…ホルダ、26…ストッパ、27…凹部、31…中継端子(接続端子)、32…弾性押圧片、34…ガラス管、35…アウタリード、36…口金、37…本体、38A,38B…弾性保持片、40…導電片、42…筒状部、50…アース部材(支持部材)、52…アース端子(接続端子)、54…弾性押圧片、55…ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシに対して、前記シャーシに設けた支持部材により、ガラス管の端部に略筒状をなす口金が外嵌された形態の放電管を支持するための支持構造であって、
前記支持部材には、前記口金を係止させることで前記放電管の軸線方向への移動を規制可能なストッパが設けられており、
前記放電管が、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させた形態とされ、前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片が、前記アウタリードに接続されており、
前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁を係止可能とされていることを特徴とする放電管の支持構造。
【請求項2】
前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁に係止可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の放電管の支持構造。
【請求項3】
前記導電片には、前記アウタリードに対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放電管の支持構造。
【請求項4】
前記口金の内径が、前記ガラス管の外径よりも大径とされており、
前記口金に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記口金が前記ガラス管に対して略同心状に保持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の放電管の支持構造。
【請求項5】
前記ストッパには、前記ストッパに前記口金を係止させた状態において前記ガラス管の外周が当接または近接する凹部が形成され、
前記支持部材には、前記放電管を前記凹部側へ押圧可能な弾性押圧片が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放電管の支持構造。
【請求項6】
前記支持部材が、合成樹脂製のホルダ内に接続金具を組み付けた形態となっており、
前記ストッパが前記ホルダに形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の放電管の支持構造。
【請求項7】
前記支持部材が、前記口金に対して導通可能に接触可能な接続金具を備えており、
前記接続金具に前記ストッパが一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の放電管の支持構造。
【請求項8】
シャーシに設けられ、ガラス管の端部に略筒状をなす口金が外嵌された形態を有し、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させているとともに、前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片を前記アウタリードに接続させた形態の放電管を支持する支持部材であって、
前記口金を係止させることで前記放電管の軸線方向への移動を規制可能なストッパを備え、
前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁を係止可能とされていることを特徴とする支持部材。
【請求項9】
前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁に係止可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の支持部材。
【請求項10】
前記ストッパには、前記ストッパに前記口金を係止させた状態において前記ガラス管の外周が当接または近接する凹部が形成され、
前記放電管を前記凹部側へ押圧可能な弾性押圧片を備えていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の支持部材。
【請求項11】
合成樹脂製のホルダと、前記ホルダ内に組み付けた接続金具とを備えており、
前記ストッパが前記ホルダに形成されていることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項12】
前記口金に対して導通可能に接触可能な接続金具を備えており、
前記接続金具に前記ストッパが一体に形成されていることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項13】
ガラス管の端部に略筒状をなす口金が外嵌された形態であって、シャーシに設けた支持部材により支持される放電管において、
前記口金が、前記ガラス管の軸線方向への移動が規制されるように、前記支持部材に設けたストッパに対して係止可能とされており、
前記ガラス管の端部からアウタリードが軸方向に突出され、
前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片が、前記アウタリードに接続されており、
前記口金における前記導電片とは反対側の端縁が、前記ストッパに対して係止可能とされていることを特徴とする放電管。
【請求項14】
前記導電片には、前記アウタリードに対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の放電管。
【請求項15】
前記口金の内径が、前記ガラス管の外径よりも大径とされており、
前記口金に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記口金が前記ガラス管に対して略同心状に保持されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の放電管。
【請求項16】
シャーシに設けた支持部材により支持される放電管を構成するものであって、前記放電管を構成するガラス管の端部に外嵌される略筒状の口金において、
前記放電管が、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させた形態をなすものであって、
前記ガラス管に外嵌される筒状の本体と、前記本体における一方の端縁から前記アウタリード側へ延出して前記アウタリードに接続される導電片とを備え、
前記本体における前記導電片とは反対側の端縁が、前記ガラス管の軸線方向への移動が規制されるように、前記支持部材に設けたストッパに対して係止可能とされていることを特徴とする口金。
【請求項17】
前記導電片には、前記アウタリードに対して全周に亘って包囲するように接続される筒状部が形成されていることを特徴とする請求項16に記載の口金。
【請求項18】
内径が前記ガラス管の外径よりも大径であって、前記ガラス管に外嵌される筒状の本体を有し、
前記本体に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記ガラス管に対して略同心状に保持されていることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の口金。
【請求項19】
ガラス管と、前記ガラス管の少なくとも一方の端部に外嵌された略筒状の口金と、を備える少なくとも1つの放電管と、
前記放電管を支持するための少なくとも1つの支持部材を備えたシャーシと、
を備え、
前記支持部材には、前記口金を係止することで前記放電管の軸線方向への移動を規制可能なストッパが設けられており、
前記放電管が、前記ガラス管の端部からアウタリードを軸方向に突出させた形態とされるとともに、前記口金の一方の端縁から前記アウタリード側へ延出した導電片が、前記アウタリードに接続されているものとされ、
前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁を係止可能とされていることを特徴とする照明装置。
【請求項20】
前記ストッパが、前記口金における前記導電片とは反対側の端縁に係止可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項19に記載の照明装置。
【請求項21】
前記口金の内径が、前記ガラス管の外径よりも大径とされており、
前記口金に形成した弾性保持片を前記ガラス管の外周に当接させることで、前記口金が前記ガラス管に対して略同心状に保持されていることを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の照明装置。
【請求項22】
前記ストッパには、前記ストッパに前記口金を係止させた状態において前記ガラス管の外周が当接または近接する凹部が形成され、
前記支持部材には、前記放電管を前記凹部側へ押圧可能な弾性押圧片が設けられていることを特徴とする請求項19ないし請求項21のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項23】
請求項19ないし請求項22のいずれか1項に記載された照明装置と、
前記照明装置の正面側に配置される表示パネルとを備えている表示装置。
【請求項24】
請求項23に記載された表示装置を備えているテレビ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−283470(P2009−283470A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195599(P2009−195599)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【分割の表示】特願2008−546882(P2008−546882)の分割
【原出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】