説明

故人情報表示装置

【課題】忘れられることなく日々新たな気持で仏壇などにお参りするのに適した表示形態によって表示を行うことのできる電子式位牌を提案すること。
【解決手段】電子式位牌1は、予め定めたお参り時間帯になると液晶表示器5が駆動されて故人の戒名などの位牌情報を表示した状態に切り替わる。家族がお参りすると人感センサー8による検知信号によって表示画面が切り替わり、音声を伴う動画などの表示になる。また、お参りカウンター14によってお参りカウント値がインクリメントされる。お参り時に表示画面を切り替えて毎日異なる情報を表示し、お参り回数をカウントすることにより、毎日のお参りを忘れないように、また、飽きないように行わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示器などの表示器に戒名、遺影などを表示して、位牌、遺影などとして用いることのできる故人情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示器に故人情報を表示するようにした表示装置としては各種のものが提案されている。たとえば、特許文献1においては、故人の写真、経歴、生前の様子などの情報を表示可能な表示装置を位牌に取り付けて用いることが提案されている。特許文献2には、故人の経歴、生前の様子などを記録可能な電子回路が組み込まれた位牌に表示装置を接続して故人情報を必要に応じて再生表示可能としたマルチメディア位牌が提案されている。特許文献3には、故人の命日などが到来すると、扉が開き画面上に故人の遺影などを表示する故事記念日時の報知装置が提案されている。また、位牌に限らず、仏壇全体を情報処理装置から構成し、その表示画面に仏壇画像を表示することが特許文献4に開示されている。
【0003】
このように、従来における電子式の位牌、電子式の仏壇は、印刷あるいは刻印されている戒名などの情報、あるいは、各様式の仏壇を、表示画面に画像情報として表示しており、カレンダー機能を用いて命日などを表示できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3123860号公報
【特許文献2】特開平09−154709号公報
【特許文献3】実用新案登録第3008550号公報
【特許文献4】特許第2921421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来において提案されている電子式の位牌、仏壇は、必要に応じて故人の画像などを表示するか、あるいは、常に決まった固定情報が表示画面に表示されているのみである。仏壇、位牌への毎日のお勤めにおいて、都度、故人の画像を表示するための操作を行うことは煩雑である。また、戒名のみの固定情報が表示されているのみでは毎日のお勤め(お参り)に変化を付けることができず、お勤めが惰性に流され忘れられやすく、先祖への想いを新たにし、祈りの意味を考えるなどの信心を喚起するには不向きである。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、忘れられることなく日々新たな気持で仏壇などにお参りするのに適した表示形態によって表示を行うことのできる故人情報表示装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の故人情報表示装置は、
故人情報を含む予め設定した設定情報を記憶保持している故人情報メモリーと、
前記設定情報を表示するための表示器と、
計時手段と、
前記表示器への接近物を検出する人感センサーと、
前記計時手段に基づく時刻情報および前記人感センサーの検出信号に基づき、前記表示器を制御するコントローラーとを有しており、
前記コントローラーは、
前記計時手段に基づき、前記表示器を予め設定されたオン期間のみ駆動可能状態に切り替えるオンオフ切り替え手段と、
前記オン期間において、前記人感センサーによって接近物が検出されると、前記表示器を駆動して少なくとも所定時間は前記設定情報の一部の設定表示情報を表示させる表示制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の故人情報表示装置は、たとえば、朝の6時からの2時間のオン期間だけ液晶表示器などの表示器が駆動可能状態に切り替わる。このオン期間において、人がお勤めをするために表示器に向かうと人感センサーによって人が表示器に接近したことが検出されて、表示器に設定情報が表示される。たとえば、戒名、命日などの位牌情報、遺影などが表示される。また、設定時間帯であるオン期間(お参り時間帯あるいはお勤め時間帯)に人が通ると表示器が駆動されて位牌情報などが表示されるので、お参り時間帯あるいはお勤め時間帯であることを喚起させることができ、毎日のお勤めを疎かにすることを戒める作用効果も得られる。
【0009】
ここで、オン期間(お参り時間帯等)において、例えば、表示器に静止画を表示し、人がお参りするときには画面を動画に切り替えることが望ましい。この場合の故人情報表示装置の前記表示制御手段は、
前記オンオフ切り替え手段によって前記表示器が駆動可能状態に切り替わると、前記表示器を非駆動状態から駆動状態に切り替えて、前記設定情報における第1設定情報を前記表示器に表示させ、
前記人感センサーによって接近物が検出されると、前記設定情報における第2設定情報を前記表示器に表示させ、
前記所定時間経過時点および前記人感センサーによって接近物が検出されなくなった時点のうちの遅い時点を経過すると、前記表示器の表示を前記第2設定情報から前記第1設定情報に戻すことを特徴としている。
【0010】
また、前記表示器の表示部を覆っている開閉扉を有している場合には、開閉扉に連動させて表示器の表示形態を切り替えることが望ましい。この場合の前記コントローラーの前記表示制御手段は、
前記表示器が前記駆動可能状態に切り替わり、かつ、前記開閉扉が開くと、前記表示器を非駆動状態から駆動状態に切り替えて、前記第1設定情報を表示させ、
前記第1設定情報の表示状態において前記人感センサーによって接近物が検出されると、前記表示器の表示を前記第1設定情報から前記第2設定情報に切り替え、
前記開閉扉が開いており、かつ、前記所定時間経過時点および前記人感センサーによって接近物が検出されなくなった時点のうちの遅い時点を経過すると、前記表示器の表示を前記第2設定情報から前記第1設定情報に戻し、
前記開閉扉が閉じると、前記表示器を駆動状態から非駆動状態に戻すことを特徴としている。
【0011】
本発明の故人情報表示装置の前記コントローラーは、前記人感センサーによる接近物が検出される毎に、または、前記表示器が駆動されて前記設定情報が表示される毎に、お参りカウント値に「1」を加算するお参りカウント手段を備えていることを特徴としている。お参りの回数をカウントし、たとえば、その結果として得られるお参りカウント値を表示器に表示することにより、毎日のお参りを促進させる作用効果が得られる。
【0012】
また、本発明においては、スピーカーを組み込み、前記設定情報に音情報も含めておき、前記コントローラーは、前記設定情報の表示時に前記スピーカーを駆動して前記音情報を出力させるスピーカー駆動制御手段を備えていることが望ましい。このようにすれば、お参りの際に、スピーカーを介して、BGMなどの音楽、故人の生前の声、経、一日一言などを流すことができる。
【0013】
さらに、本発明においては、有線あるいは無線による通信手段を有し、前記コントローラーは、前記通信手段を介して、前記お参りカウント手段による前記お参りカウント値を含む情報を予め定めた通信先に送信すると共に、当該通信先から情報を受信する送受信制御手段と、受信情報に基づき前記設定情報の一部を更新する設定情報更新手段とを備えていることが望ましい。このようにすれば、毎日のお勤めを奨励することができ、たとえば、毎日のお参りの際に、宗派の本山からのお言葉、教えなどを画像表示あるいは音声出力することにより、毎日のお勤めに変化を持たせることができる。
【0014】
次に、故人情報表示装置を老人、介護を必要とする人などの安否を確認するための通信端末として利用することができる。このために、本発明の故人情報表示装置は、
安否確認要請の通信先が記憶保持されている登録者メモリーを有しており、
前記コントローラーは、前記お参りカウント値の更新が予め設定された設定期間を超える期間に亘って行われなかった場合に、前記通信手段を介して、前記登録者メモリーに記憶保持されている前記通信先に、安否確認を要請する要請信号を送信する安否確認要請手段を備えていることを特徴としている。
【0015】
例えば、3日以上に亘ってお参りが行われない場合には、登録者が起き上がることができない等の異常が発生したものと看做すことができるので、予め定めた通信先に要請信号を送信して、安否を確認させることが望ましい。
【0016】
お参りカウント値を利用する代わりに、カメラを用いて顔認証を行うようにすることもできる。この場合、本発明の故人情報表示装置は、
顔認証対象の登録者の顔画像および当該登録者の安否確認要請の通信先が記憶保持されている登録者メモリーと、
前記人感センサーによる検出領域内に入った接近物を撮影可能なカメラとを有し、
前記コントローラーは、
前記カメラによって撮影された撮影画像を前記登録者メモリーに記憶保持されている前記顔画像と照合して顔認証を行う顔認証手段と、
予め設定された設定期間を超える期間に亘って前記顔認証が行われなかった場合に、前記通信手段を介して、前記通信先に、安否確認を要請する要請信号を送信する安否確認要請手段とを備えており、
前記カメラによる撮影は、前記オン期間において前記人感センサーによって接近物が検出された時点、または、前記開閉扉が開けられた時点において行われることを特徴としている。
【0017】
顔認証を行う場合には、複数の登録者の安否を個別に判断することが可能である。例えば、登録者が2人の場合に、一方の登録者の顔認証が所定日数以上に亘って行われなかった場合に、当該登録者の安否確認が必要であると判断することができる。
【0018】
また、本発明の故人情報表示装置において、カメラを備えている場合には、撮影画像から体温を測定して登録者の健康状態を判断することも可能である。この場合の故人情報表示装置は、
前記登録者メモリーには、前記登録者の正常時の体温が記憶保持されており、
前記コントローラーは、
前記顔認証手段によって前記登録者であると認証された場合に、前記カメラによって撮影された撮影画像に基づき前記接近物の表面温度を測定する温度測定手段を備え、
前記安否確認要請手段は、測定された前記表面温度が前記登録者メモリーに記憶保持されている前記体温に対して許容誤差を超える場合に、前記通信先に、前記要請信号を送信することを特徴としている。
【0019】
次に、本発明の故人情報表示装置は位牌として用いることができる。この場合には、自立式の装置架台に表示器などを組み込み、前記故人情報には少なくとも戒名を含めておけば、お勤めあるいはお参り時間帯であるオン期間に、戒名を含む位牌情報を表示できる。
【0020】
次に、本発明において、設定情報の変更、オン期間の変更を行うことができるようにするためには、入力操作部を配置し、前記コントローラーは、前記入力手段を介して入力される入力指令に基づき、前記設定情報の設定および変更の処理、前記設定情報のうち前記表示器に表示される表示情報の設定および変更の処理、および、前記オン期間の設定および変更の処理のうち、少なくとも一つの処理を行う設定・変更手段を備えていることが望ましい。
【0021】
また、表示器、スピーカーによる表示用あるいは出力用のコンテンツとしては各種のものが考えられる。たとえば、前記設定情報には、音楽、経のテキストおよび音声、一日一言のテキスト、過去帳、先祖の各命日、並びに、家族の記念日のうち、少なくとも一つが含まれる。また、前記故人情報には、前記戒名に加えて、命日、遺影、経歴、生前の動画および静止画、並びに、音声のうち、少なくとも一つが含まれる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の故人情報表示装置は、予め設定したオン期間において人が接近した場合にのみ表示器が駆動されて故人情報などの設定情報が表示される。したがって、必要な時間帯にのみ表示を行うことができると共に、人の接近に伴う表示器の表示開始動作によって今の時間帯がお参りあるいはお勤め時間帯(オン期間)であることを知らしめることができる。また、お参りカウント機能が備わっている場合には、カウント値を表示する等することによって、毎日のお勤めを忘れることなく行わせる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用した電子式位牌の外観斜視図である。
【図2】図1の電子式位牌の制御系を示す概略ブロック図である。
【図3】図1の電子式位牌の一日の動作を示す概略フローチャートである。
【図4】図1の電子式位牌のオン期間(お参りあるいはお勤め時間帯)における動作を示す概略フローチャートである。
【図5】表示切り替え動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】表示切り替え動作の別の例を示すフローチャートである。
【図7】図1の電子式位牌の入力操作時の割り込み動作を示す概略フローチャートである。
【図8】本発明を適用した電子式仏壇の正面図である。
【図9】図8の電子式仏壇の制御系を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した故人情報表示装置の実施の形態を説明する。
【0025】
[実施の形態1]
(外観形状)
図1は本発明の実施の形態1に係る電子式位牌を示す外観斜視図である。本例の電子式位牌1は自立式の位牌架台2を備えており、この位牌架台2は横長の扁平な支持板3と、この支持板3の上面に垂直に取り付けられている矩形枠4とを備えている。矩形枠4には矩形輪郭の液晶表示器5が装着されており、その表示面5aが矩形枠4の前面から前方に露出している。液晶表示器5の背面側の部分にはコントロールボックス6が取り付けられており、このコントロールボックス6の背面側の部位が矩形枠4の背面から突出している。
【0026】
矩形枠4の左右の垂直な縦枠部分4L、4Rには、図において破線で示すように、左右のスピーカー7L、7Rが内蔵されており、矩形枠4の水平な上枠部分4Uの中央には人感センサー8が内蔵されており、その感知部が上枠部分4Uの前面に露出している。人感センサー8の横方位置にはリモコン受光部9aが配置されており、入力手段としてのリモートコントローラー9を操作することによって発生する光信号を受光可能となっている。入力手段としては、リモートコントローラー9の代わりに、支持板3の一方の端部の上面部分に、図において想像線で示すように、入力操作部9bを配置することも可能である。
【0027】
(制御系)
図2は電子式位牌1の制御系を示す概略ブロック図である。電子式位牌1の制御系はコントロールボックス6に内蔵されており、マイクロコンピュータを備えたコントローラー10を中心に構成されている。コントローラー10には水晶発振子、分周回路などを備えた計時手段21が接続されている。また、故人情報を含む予め設定した設定情報を記憶保持している故人情報メモリー22が接続されている。故人情報メモリー22として、例えば、着脱可能な可搬式のメモリーチップを用いることができる。さらに、有線あるいは無線による通信モジュール(通信手段)23が接続されている。
【0028】
コントローラー10は、そのROM内に予め格納されている制御プログラムを実行することにより次の手段として機能する。
(a)計時手段21に基づき、液晶表示器5を予め設定されたオン期間(お参り時間帯あるいはお勤め時間帯)のみ駆動可能状態に切り替えるオンオフ切り替え手段11
(b)オン期間において人感センサー8によって接近物が検出されるとLCDドライバー24を介して液晶表示器5を駆動して設定情報を表示する表示制御手段12
(c)設定情報の表示時にドライバー25L、25Rを介して左右のスピーカー7L、7Rを駆動して音情報を出力させるスピーカー駆動制御手段13
(d)人感センサー8により接近物が検出される毎に、または、液晶表示器5が駆動されて設定情報が表示される毎に、お参りカウント値Nに「1」を加算するお参りカウンター14(お参りカウント手段)
(e)通信モジュール23を介して、お参りカウント値Nを含む情報を予め定めた通信先、たとえば宗派の本山に設置されている管理コンピューター(図示せず)に送信すると共に、当該管理コンピューター(通信先)から情報を受信する通信制御手段15
(f)リモートコントローラー9からの入力指令あるいは通信先からの受信情報に基づき、設定情報の設定、変更、更新、ならびに、液晶表示器5に表示される表示情報を指定する設定・変更手段16
【0029】
(表示・出力用コンテンツ:故人情報メモリーの設定情報)
ここで、故人情報メモリー22に記憶保持される設定情報には故人情報が含まれており、故人情報には、故人の戒名、命日、生前の氏名、遺影、経歴、生前の動画および静止画、並びに、音声が含まれている。戒名、命日、生前の氏名であってもよい。また、設定情報には、音楽、経のテキストおよび音声、一日一言のテキスト、過去帳、先祖の各命日、並びに、家族の記念日などの情報が含まれている。
【0030】
(動作例)
図3は電子式位牌1における一日の間の動作例を示す概略フローチャートである。液晶表示器5は通常はオフ状態にあり、事前に設定されたオン期間には電力が供給されて駆動可能な状態に切り替わる。たとえば、朝の6時からの2時間がお参り時間帯あるいはお勤め時間帯(オン期間)であるとする。コントローラー10のオンオフ切り替え手段11は、朝6時になると、オフ状態の液晶表示器5に駆動電力の供給を開始して駆動可能な状態に切り替える(ステップST1、ST2)。本例では、予め設定されている静止画像(第1設定情報)を液晶表示器5の表示画面5aに表示する。たとえば、故人の戒名、命日、生前の氏名などを表示して、通常の位牌と同様な位牌情報を継続表示する。この液晶表示器5による位牌情報の表示開始によって、毎日のお勤め時間帯あるいはお参り時間帯になったことを家族が知ることができる。この表示画面5aに後述のお参りカウント値Nを表示することも可能である(第1設定情報にお参りカウント値を含めることが可能である。)。
【0031】
2時間のお参り時間帯あるいはお勤め時間帯が終了すると、オンオフ切り替え手段11は液晶表示器5に対する駆動電力の供給を止めてオフ状態に戻し、位牌情報の表示が消える(ステップST3、ST4)。このように、必要時間帯にのみ液晶表示器5が駆動可能状態になり、それ以外はオフ状態に保持されるので、省電力化を図ることができ、液晶表示器5の耐用年数も延ばすことができる。
【0032】
図4はお参り時間帯(あるいはお勤め時間帯:オン期間)における動作例を示す概略フローチャートである。液晶表示器5には位牌情報が表示された状態にある(ステップST11)。この状態では、人感センサー8によって人の接近が一定のサンプリング周期で監視されている(ステップST12)。家族がお参りのために電子式位牌1に向かうと、人感センサー8によって人の接近が検知され、表示制御手段12によって表示情報が切り替わる(ステップST13)。たとえば、位牌情報の表示画像に重ねて、予め設定されている一日一言がテキスト表示され、スピーカー駆動制御手段13によって、テキスト表示された一日一言の音読情報が出力される(第2設定情報の表示)。または、一日一言の代わりに、BGMあるいはお教の一節がスピーカー7L、7Rから出力される。
【0033】
また、通信モジュール23を介して毎日、宗派の本山の側から一日一言、説教などを受信して故人情報メモリー22に記憶保持する更新動作を行っている場合には、その日に受信した受信情報を表示および出力することも可能である。
【0034】
このように、家族がお参りすると、表示内容が音声出力を伴った表示画像に切り替わる。また、表示内容を毎日変更することができる。よって、日々新たな気持でお勤めを行うことができる。さらには、お参り時間帯において、近くを家族が通ると、人感センサー8の検知信号によって表示が切り替わるので、お勤めを忘れている場合には、表示切り替えによってお勤めを行うことが促される。よって、毎日の勤めを忘れてしまうことを防止するのに有効である。
【0035】
お参りが終わり、家族が電子式位牌1から立ち去ると、人感センサー8がオフに切り替わる(ステップST14)。この後は、一定期間経過後に液晶表示器5の表示内容を元の位牌情報の表示画面(第1設定情報の表示画面)に戻す(ステップST15、ST17)。また、表示画面を戻す前に、お参りカウンター14のお参りカウント値Nが「1」だけインクリメントされる。(ステップST16)。このお参りカウント値Nは故人情報メモリー22に記憶保持され、毎日更新される。たとえば、お参り時間帯が終了した時点で更新される。通信モジュール23を介して、一定期間、たとえば1か月毎に、宗派の本山の側に送信することもできる。このようなお参りカウント値Nをカウントすることによって、お参りを家族に奨励することができる。
【0036】
お参り時間帯の2時間の間は、以上のような人感センサー8による表示切り替え動作、お参りカウント値Nのカウントアップ動作を行う。なお、人感センサー8による感知時間が短い場合、たとえば、お参りすることなく近くを通りすぎた場合に、お参りカウント値Nのカウントアップ動作を行わないようにするためには、感知時間が設定時間を超えた場合にのみお参りカウント値Nのカウントアップ動作を行うようにすればよい。
【0037】
図5は、上記のステップST13におけるコンテンツの表示動作を示すフローチャートである。人感センサー8がオンした後は、まず、歴表示が例えば10秒間行われ(ST131)、これと同時に、お教あるいはBGMが流れ始める。お教あるいはBGMは人感センサー8がオフして表示が消えるまで継続する(ST132)。歴表示後は、位牌画像の表示が10秒間行われ(ST133)、次に、遺影画像(1枚あるいは複数枚)が表示される(ST134)。複数枚表示する場合には、それぞれの遺影画像を2〜10秒ずつ表示して順次に切り替える。この後は、一日一言が10秒間表示され(ST135)、次に過去帳情報(命日等)が10秒間表示される(ST136)。これらの表示が繰り返し行われる(ST137)。
【0038】
図6は、上記のステップST13におけるコンテンツの表示動作の別の例を示すフローチャートである。この場合には、人感センサー8がオンした後に、まず、お参りカウンター14のカウント値(今までのお参り回数の積算値)Nが表示される(ST141)。この後においては、無線LAN接続画面、たとえば、Wi−Fi接続待機画面に切り替わる(ST142)。たとえば、接続の可否をリモートコントローラー9により選択させる。接続しない旨の入力があると、表示が、故人情報表示画面(ST131以降のステップ)に移行する。
【0039】
接続が選択されると、無線LANのアクセスポイント、サーバーを経由して、たとえば宗派本部などに設置されている本部管理サーバーに接続される。この後は、宗派本部よりのライブ映像、音声が流れる(ST143)。リモートコントローラー9の操作によって無線LAN接続が遮断される(ST144)。この後は、表示が故人情報表示画面(ST131以降のステップ)に移る。
【0040】
一方、図7はリモートコントローラー9からの入力操作による割り込み動作の一例を示す概略フローチャートである。コントローラー10は、リモートコントローラー9からの入力指令の有無を監視している。例えば、メニュー表示指令の入力を監視している(ステップST21)。メニュー表示指令が入力されると、液晶表示器5の表示画面5aにはメニュー一覧が表示される。たとえば、メニュー表示指令の場合には、2時間のお参り時間帯、それ以外の時間帯の有無に拘わりなく液晶表示器5が駆動されてメニュー一覧が表示される(ステップST22)。
【0041】
表示されるメニュー一覧には、位牌情報、家族の記念日、過去張、祖先の各命日などの項目が表示される。これらの一つが選択入力されると、対応する情報が故人情報メモリー22から呼び出されて液晶表示器5の表示画面5aに表示される(ステップST23、ST24)。これにより、お参り時間帯以外であっても、お参りしたい時にお参りをすることができる。また、家族の記念日の確認、祖先の情報(過去帳など)を確認することができる。一定時間表示した後は表示を消し、お参り時間帯の場合には、位牌情報の表示画面に戻ることになる(ステップST25)。
【0042】
ここで、お参り時間帯以外において位牌情報の表示要求がなされて位牌情報が表示された場合にはお参りカウンター14によってお参りカウント値Nのインクリメントが行われる。
【0043】
なお、メニュー一覧が表示された後に入力がない場合には予め定めた時間が経過した後に表示を消し、お参り時間帯の場合には、位牌情報の表示画面に戻ることになる(ステップST26)。
【0044】
このように、本例の電子式位牌1は、予め定めたお参り時間帯になると液晶表示器5が駆動されて故人の戒名などの位牌情報を表示した状態に切り替わる。家族がお参りすると人感センサー8による検知信号によって表示画面が切り替わり、音声を伴う動画などの表示になる。また、お参りカウンター14によってお参りカウント値がインクリメントされる。お参り時に表示画面を切り替えて毎日異なる情報を表示し、お参り回数をカウントすることにより、毎日のお参りを忘れないように、また、飽きないように行わせることができる。
【0045】
[実施の形態2]
図8は本発明の実施の形態2に係る電子式仏壇を示す正面図である。本例の電子式仏壇100の基本構成、基本機能および基本動作は上記の電子式位牌1と同様である。大きく相違する点は、開閉扉が備わっている点と、登録者の安否確認機能が備わっている点である。
【0046】
詳しく説明すると、電子式仏壇100は自立式の架台102を備えており、この架台102の前面には左右に開閉可能な開閉扉103、104が取り付けられている。開閉扉103、104を開くと、架台102に取り付けた縦長の矩形輪郭の液晶表示器105の表示面105aが露出するようになっている。架台102における液晶表示器5の背面側の部分にはコントロールボックス(図示せず)が取り付けられている。
【0047】
本例の電子式仏壇100も、架台102の内部にスピーカー(図示せず)が内蔵されている。また、架台102の水平な上枠部分102Uの中央には内蔵カメラの撮像レンズ(対物レンズ)131aが露出している。さらに、この隣接位置には、人感センサーの感知部108aおよびリモコン受光部109aが配置されている。入力手段としてのリモートコントローラー109を操作することによって発生する光信号を受光可能となっている。入力手段としては、リモートコントローラー109の代わりに、架台102の表面に入力操作盤を配置してもよい。勿論、リモートコントローラー109および入力操作盤の双方が備わっていても良い。
【0048】
(制御系)
図9は電子式仏壇100の制御系を示す概略ブロック図である。電子式仏壇100の制御系はコントロールボックスに内蔵されており、マイクロコンピュータを備えたコントローラー110を中心に構成されている。コントローラー110には水晶発振子、分周回路などを備えた計時手段121が接続されている。また、故人情報を含む予め設定した設定情報を記憶保持している故人情報メモリー122と、安否確認対象の登録者情報を記憶保持している登録者メモリー133とが接続されている。故人情報メモリー122として、例えば、着脱可能な可搬式のメモリーチップを用いることができる。登録者情報には、カメラによる顔認証対象の登録者の顔画像、登録者の正常時の体温、および、登録者の安否確認要請の通信先が含まれている。さらに、コントローラー110には、開閉扉103、104の開閉を検出するセンサー132、CCDカメラ131、人感センサー108、リモコン受光部109a、有線あるいは無線による通信モジュール(通信手段)123などが接続されている。
【0049】
コントローラー110は、そのROM内に予め格納されている制御プログラムを実行することにより次の手段として機能する。
(a)計時手段121に基づき、液晶表示器105を予め設定されたオン期間(お参り時間帯あるいはお勤め時間帯)のみ駆動可能状態に切り替えるオンオフ切り替え手段111
(b)オン期間において、人感センサー108および開閉扉のセンサー132からの出力に基づき、LCDドライバー124を介して液晶表示器105を駆動制御する表示制御手段112
(c)設定情報の表示時にドライバー125L、125Rを介して左右のスピーカー107L、107Rを駆動して音情報を出力させるスピーカー駆動制御手段113
(d)人感センサー108により接近物が検出される毎に、または、液晶表示器105が駆動されて設定情報が表示される毎に、お参りカウント値Nに「1」を加算するお参りカウンター114(お参りカウント手段)
(e)通信モジュール123を介して、お参りカウント値Nを含む情報を予め定めた通信先、たとえば宗派の本山に設置されている管理コンピューター140に送信すると共に、当該管理コンピューター140(通信先)から情報を受信する通信制御手段115
(f)リモートコントローラー109からの入力指令あるいは通信先からの受信情報に基づき、設定情報の設定、変更、更新、ならびに、液晶表示器105に表示される表示情報を指定する設定・変更手段116
【0050】
上記機能に加えて、コントローラー110は次の機能も備わっている。
(g)カメラ131によって撮影された撮影画像を登録者メモリー133に記憶保持されている顔画像と照合して顔認証を行う顔認証手段134
(h)顔認証手段134によって登録者であると認証された場合に、カメラによって撮影された撮影画像に基づき撮影対象の表面温度(体温)を測定する温度測定手段135(サーモグラフィ)
(i)予め設定された期間(例えば3日間)を超える期間に亘って顔認証が行われなかった場合に、通信制御手段115、通信モジュール123を介して、登録者メモリー133に記憶保持されている通信先141に安否確認を要請する要請信号を送信する安否確認要請手段136
【0051】
ここで、液表表示器105の表示制御手段112は、オンオフ切り替え手段111によって液晶表示器105が駆動可能状態に切り替わり、かつ、開閉扉103、104が開くと、液晶表示器105を非駆動状態から駆動状態に切り替えて、第1設定情報を表示させる。開閉扉が開いた後に、第1設定情報の表示状態において人感センサー108によって接近物が検出されると、液晶表示器の表示を第1設定情報から第2設定情報に切り替える。また、第2設定情報の表示状態において、開閉扉103、104が開いており、かつ、予め設定した設定時間(例えば5分間)が経過した時点および人感センサー108によって接近物が検出されなくなった時点のうちの遅い時点の後に、液晶表示器105の表示を第2設定情報から第1設定情報に戻す。また、第1設定情報の表示状態において、開閉扉103、104が閉じると、設定時間の経過あるいは人感センサー108の出力の有無に拘わらず、液晶表示器105を駆動状態から非駆動状態に戻すようになっている。
【0052】
また、安否確認要請手段136は、温度測定手段135によって測定された体温が登録者メモリー133に記憶保持されている体温に対して許容差を超える値であるとき、例えば、正常体温に対して2℃以上高い場合にも、通信制御手段115、通信モジュール123を介して、登録者メモリー133に記憶保持されている通信先141に安否確認を要請する要請信号を送信するようになっている。
【0053】
本例の電子式仏壇100においては、開閉扉103、104が備わっており、これらを開くと、液晶表示器105が表示状態に切り替わり、開閉扉103、104を閉じると非表示状態(節電状態)に切り替わる。また、開閉扉103、104を開いた状態において、人感センサー108によってお参りする人が検出されると表示を第2設定情報に切り替えて動画などを表示する。お参りが終わって人が電子式仏壇100から離れると、人感センサー108の出力に基づき第2設定情報の表示が第1設置情報の表示(静止画像表示)に戻る。このように必要時間帯のみ画面表示を行うことができる。
【0054】
また、カメラ131による撮影画像を用いて顔認証および体温測定を行い、顔認証が所定期間以上、例えば3日以上に亘って行われなかった場合には、登録先に安否確認の要請を行うようにしている。また、測定した体温が高温の場合にも登録先に安否確認の要請を行うようにしている。このように、毎日の習慣となっている仏壇を拝むという行動を利用して安否確認を行っているので、別途、安否確認用のシステムを設置する必要がなく、しかも、精度良く安否確認の要否を判断することが可能であり、極めて便利である。なお、体温が正常時の温度よりも低い場合においても安否確認の要請を行うようにしてもよい。
【0055】
(その他の実施の形態)
上記の電子式仏壇100では安否確認の要請を、顔認証および体温に基づき行っている。安否確認が必要な対象者(登録者)が一人である場合などにおいては、お参りカウント値の更新の有無に基づき安否確認の要請を行うことが可能である。このようにすれば、カメラ、顔認証機能、体温測定機能が不要になり、システム構成を簡素化できる。
【0056】
例えば、図2において破線で示すように、実施の形態1の電子式位牌1において、安否確認要請の通信先が記憶保持されている登録者メモリー33を設け、コントローラー10は安否確認要請手段36を備えた構成を採用する。安否確認要請手段36は、お参りカウント値Nの更新が予め設定された設定期間を超える期間、例えば3日間を超える期間以上に亘って行われなかった場合に、通信制御手段15、通信モジュール23を介して、登録者メモリー33に記憶保持されている通信先に、安否確認を要請する要請信号を送信する。
【符号の説明】
【0057】
1 電子式位牌
2 位牌架台
3 支持板
4 矩形枠
5 液晶表示器
5a 表示画面
6 コントロールボックス
7L、7R スピーカー
8 人感センサー
9 リモートコントローラー
10 コントローラー
11 オンオフ切り替え手段
12 表示制御手段
13 スピーカー駆動制御手段
14 お参りカウンター
15 通信制御手段
16 設定・変更手段
21 計時手段
22 故人情報メモリー
23 通信モジュール
24 LCDドライバー
25L、25R ドライバー
33 登録者メモリー
36 安否確認要請手段
100 電子式仏壇
102 架台
103、104 開閉扉
105 液晶表示器
105a 表示画面
107L、107R スピーカー
108 人感センサー
109 リモートコントローラー
110 コントローラー
111 オンオフ切り替え手段
112 表示制御手段
113 スピーカー駆動制御手段
114 お参りカウンター
115 通信制御手段
116 設定・変更手段
121 計時手段
122 故人情報メモリー
123 通信モジュール
124 LCDドライバー
125L、125R ドライバー
131 カメラ
132 センサー
133 登録者メモリー
134 顔認証手段
135 温度測定手段
136 安否確認要請手段
140 管理コンピューター(通信先)
141 通信先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
故人情報を含む予め設定した設定情報を記憶保持している故人情報メモリーと、
前記設定情報を表示するための表示器と、
計時手段と、
前記表示器への接近物を検出する人感センサーと、
前記計時手段に基づく時刻情報および前記人感センサーの検出信号に基づき、前記表示器を制御するコントローラーとを有しており、
前記コントローラーは、
前記計時手段に基づき、前記表示器を予め設定されたオン期間のみ駆動可能状態に切り替えるオンオフ切り替え手段と、
前記オン期間において前記人感センサーによって接近物が検出されると、前記表示器を駆動して少なくとも所定時間は前記設定情報のうちの一部の設定表示情報を表示させる表示制御手段とを備えていることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示制御手段は、
前記オンオフ切り替え手段によって前記表示器が駆動可能状態に切り替わると、前記表示器を非駆動状態から駆動状態に切り替えて、前記設定情報における第1設定情報を前記表示器に表示させ、
前記人感センサーによって接近物が検出されると、前記設定情報における第2設定情報を前記表示器に表示させ、
前記所定時間経過時点および前記人感センサーによって接近物が検出されなくなった時点のうちの遅い時点を経過すると、前記表示器の表示を前記第2設定情報から前記第1設定情報に戻すことを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記表示器の表示部を覆っている開閉扉を有し、
前記コントローラーの前記表示制御手段は、
前記表示器が前記駆動可能状態に切り替わり、かつ、前記開閉扉が開くと、前記表示器を非駆動状態から駆動状態に切り替えて、前記第1設定情報を表示させ、
前記第1設定情報の表示状態において前記人感センサーによって接近物が検出されると、前記表示器の表示を前記第1設定情報から前記第2設定情報に切り替え、
前記開閉扉が開いており、かつ、前記所定時間経過時点および前記人感センサーによって接近物が検出されなくなった時点のうちの遅い時点を経過すると、前記表示器の表示を前記第2設定情報から前記第1設定情報に戻し、
前記開閉扉が閉じると、前記表示器を駆動状態から非駆動状態に戻すことを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記コントローラーは、前記人感センサーにより接近物が検出される毎に、または、前記表示器が駆動されて前記設定表示情報が表示される毎に、お参りカウント値に「1」を加算するお参りカウント手段を備えていることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記設定表示情報には、それまでの前記お参りカウント値が含まれていることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
スピーカーを有し、
前記設定情報には音情報も含まれており、
前記コントローラーは、前記第2設定情報の表示時に前記スピーカーを駆動して前記音情報を出力させるスピーカー駆動制御手段を備えていることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項7】
請求項4、5または6において、
有線あるいは無線による通信手段を有しており、
前記コントローラーは、前記通信手段を介して、前記お参りカウント手段による前記お参りカウント値を含む情報を予め定めた通信先に送信すると共に、当該通信先から情報を受信する送受信制御手段と、受信情報に基づき前記設定情報の一部を更新する設定情報更新手段とを有していることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
安否確認要請の通信先が記憶保持されている登録者メモリーを有しており、
前記コントローラーは、前記お参りカウント値の更新が予め設定された設定期間を超える期間に亘って行われなかった場合に、前記通信手段を介して、前記登録者メモリーに記憶保持されている前記通信先に、安否確認を要請する要請信号を送信する安否確認要請手段を備えていることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項9】
請求項7において、
顔認証対象の登録者の顔画像および当該登録者の安否確認要請の通信先が記憶保持されている登録者メモリーと、
前記人感センサーによる検出領域内に入った接近物を撮影可能なカメラとを有し、
前記コントローラーは、
前記カメラによって撮影された撮影画像を前記登録者メモリーに記憶保持されている前記顔画像と照合して顔認証を行う顔認証手段と、
予め設定された設定期間を超える期間に亘って前記顔認証が行われなかった場合に、前記通信手段を介して、前記登録者メモリーに記憶保持されている前記通信先に、安否確認を要請する要請信号を送信する安否確認要請手段とを備えており、
前記カメラによる撮影は、前記オン期間において前記人感センサーによって接近物が検出された時点、または、前記開閉扉が開けられた時点において行われることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記登録者メモリーには、前記登録者の正常時の体温が記憶保持されており、
前記コントローラーは、
前記顔認証手段によって前記登録者であると認証された場合に、前記カメラによって撮影された撮影画像に基づき前記接近物の表面温度を測定する温度測定手段を備え、
前記安否確認要請手段は、測定された前記表面温度が前記登録者メモリーに記憶保持されている前記体温に対して許容誤差を超える場合に、前記通信先に、前記要請信号を送信することを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちのいずれかの項において、
自立式の装置架台を有しており、
前記故人情報には少なくとも戒名が含まれており、
位牌として用いることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のうちのいずれかの項において、
入力手段を有しており、
前記コントローラーは、前記入力手段を介して入力される入力指令に基づき、前記設定情報の設定および変更の処理、前記設定情報のうち前記表示器に表示される表示情報の設定および変更の処理、および、前記オン期間の設定および変更の処理のうち、少なくとも一つの処理を行う設定・変更手段を備えていることを特徴とする故人情報表示装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のうちのいずれかの項において、
前記設定情報には、音楽、経のテキストおよび音声、一日一言のテキスト、過去帳、先祖の各命日、並びに、家族の記念日のうち、少なくとも一つが含まれており、
前記故人情報には、前記戒名に加えて、命日、遺影、経歴、生前の動画および静止画、並びに、音声のうち、少なくとも一つが含まれていることを特徴とする故人情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−56244(P2011−56244A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132034(P2010−132034)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(509040879)株式会社デザイン計画 (2)