説明

数値制御発振器

【課題】回路規模、消費電力、スプリアス抑圧を実現した数値制御発振器を提供する。
【解決手段】
第1の位相振幅変換器212の出力にノイズ発生器113で発生させたノイズを付加して第2の再量子化器116で再量子化した位相データと、第2の位相振幅変換器213から出力されたノイズを付加していない位相データとをセレクタ217に入力し、スプリアスの発生の有無に基づいて、セレクタ217により位相データを選択的に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送機器や双方向受信機等に使用する変復調装置における数値制御発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、数値制御発振器は、デジタルケーブルテレビ放送機器における送受信機や、デジタルケーブルテレビセットトップボックスにおける送受信機等に用いられている。
【0003】
具体的には、位相データの積分器と、該積分器で算出された位相に対応した正弦波振幅値を出力するメモリとを備え、位相に対して振幅のビット幅が少ない場合には位相の変化に対して振幅の変化が少ないことを利用し、位相が変化しても振幅が同じ場合はROMに記録せず、振幅が変化した場合のみを記録してメモリ量を少なくしている。
【0004】
さらに、位相方向のビット幅を切り捨てることでメモリのアドレス量を減らす方式と比較し、位相方向のビット幅を切り捨てないことで量子化誤差によるスプリアス低減を実現していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−153376号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、ROMとは別に複数の比較器が必要となり、回路規模や消費電力が増大するという問題があった。また、サンプリング周波数に対して出力正弦波の周波数を除したものが整数でない場合には、サンプリング周波数と出力正弦波の周波数に比例したスプリアスが出現してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回路規模、消費電力、スプリアス抑圧を実現した数値制御発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の数値制御発振器は、周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを再量子化する第1の再量子化器と、
前記第1の再量子化器で再量子化された位相データを入力とし、位相に対応した振幅データを出力する位相振幅変換器と、
ノイズを発生させるノイズ発生器と、
前記位相振幅変換器の出力と前記ノイズ発生器の出力との加算又は減算を行う演算器と、
前記演算器の演算結果を入力とし、ビット切り捨て処理を行う第2の再量子化器とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを再量子化する第1の再量子化器と、
前記第1の再量子化器で再量子化された位相データを入力とし、位相に対応した振幅データを出力する第1の位相振幅変換器と、
前記第1の再量子化器で再量子化された位相データに対応した振幅データを前記第1の位相振幅変換器より少ないビット幅で出力する第2の位相振幅変換器と、
ノイズを発生させるノイズ発生器と、
前記第1の位相振幅変換器の出力と前記ノイズ発生器の出力との加算又は減算を行う演算器と、
前記演算器の演算結果を入力とし、ビット切り捨て処理を行う第2の再量子化器と、
前記積分器で生成された位相データ及び前記第1の再量子化器で再量子化された位相データのうち少なくとも一方を入力とし、該位相データに基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器と、
前記第2の再量子化器の出力と前記第2の位相振幅変換器の出力とを、前記周波数検出器で生成された制御信号に基づいて選択的に出力するセレクタとを備えたことを特徴とするものであってもよい。
【0009】
また、本発明は、周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数をオフセットするためのオフセット値を設定するオフセット設定器と、
前記周波数設定器の出力と前記オフセット設定器の出力との加算又は減算を行う演算器と、
前記周波数設定器の出力と前記演算器の出力とを選択的に出力するセレクタと、
前記セレクタから出力された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを入力とし、該位相データの積分結果に基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器と、
前記積分器で生成された位相データに対応した振幅データを出力する位相振幅変換器とを備え、
前記セレクタは、前記周波数検出器で生成された制御信号に基づいて前記周波数設定器の出力と前記演算器の出力とを選択的に出力するように構成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0010】
また、本発明は、周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを入力とし、該位相データの積分結果に基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器と、
前記積分器で生成された位相データに対応した振幅データを出力する位相振幅変換器とを備え、
前記周波数設定器は、前記周波数検出器で生成された制御信号に基づいて、前記設定した周波数を予め設定した範囲及び速度で掃引するか否かを切り替えるように構成されていることを特徴とするものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、位相振幅変換器に入力する位相アドレスを再量子化によって削減することで、位相振幅変換器の回路規模や消費電力の増大を抑制する上で有利となる。
【0012】
また、位相振幅変換器の出力ビット幅を希望するビット幅より大きいビット幅で振幅値を出力し、ノイズ付加後に希望するビット幅に再量子化するようにしたから、再量子化に起因する位相アドレス再量子化誤差を拡散してスプリアスを抑圧することができる。
【0013】
さらに、位相積分器の出力値である位相アドレスや位相アドレスを再量子化した後の出力値を観測しておき、その変化の割合に基づいて再量子化誤差の発生量を判別し、ノイズ付加及び位相振幅変換器の出力振幅ビット幅を制御することで、回路規模及び消費電力を削減し且つスプリアスを抑圧した数値制御発振器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0015】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。図1において、110は周波数設定器であり、位相積分器111に対して整数の周波数fcを設定するものである。
【0016】
前記位相積分器111は、2nのビット幅(nは自然数)を持ち、サンプリング周波数fsのタイミングで周波数設定器110の出力である周波数fcを積分して位相データを生成するものであり、生成された位相データは第1の再量子化器115に出力される。
【0017】
前記第1の再量子化器115は、前記位相積分器111の出力である位相データを再量子化するものであり、具体的には、2mビット切り捨て(mは自然数)を行う。再量子化後のデータは位相振幅変換器112に出力される。
【0018】
このようなビット幅の切り捨てを行うことにより、後段の位相振幅変換器112の回路面積を低減することができる。しかしながら、第1の再量子化器115における再量子化によって誤差が発生するため、この誤差を拡散させる必要がある。
【0019】
前記位相振幅変換器112は、ビット幅の切り捨てが行われた位相データを入力とし、位相に対応した振幅データを生成するものである。生成された振幅データは加算器114(演算器)に出力される。
【0020】
前記加算器114は、前記位相振幅変換器112の出力と、ランダムデータを1ビット発生させるノイズ発生器113の出力とを入力とし、両出力を加算して第2の再量子化器116に出力するものである。
【0021】
前記第2の再量子化器116は、前記加算器114の出力データを再量子化するものであり、具体的には、1ビット切り捨てを行う。
【0022】
このような処理を行うことで、前記位相積分器111の出力が第1の再量子化器115で再量子化されたときに発生した誤差を拡散した10ビット振幅の正弦波を出力することができるようになっている。
【0023】
なお、本実施形態1においては、位相振幅変換器112のビット幅を2nのビット幅としたが、この形態に限定するものではなく、システムに応じて変更するようにしても構わない。この点は、以下の実施形態についても同様である。
【0024】
<実施形態2>
図2は、本発明の実施形態2に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。前記実施形態1との違いは、位相データの積分結果に基づいて周波数検出を行う周波数検出器118を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0025】
図2に示すように、位相積分器111で生成された位相データは、第1の再量子化器115に出力される一方、周波数検出器118に出力される。
【0026】
前記周波数検出器118は、位相データの積分結果に基づいて周波数検出を行うものであり、検出結果に基づく制御信号がノイズ発生器113に出力される。
【0027】
前記周波数設定器110によって設定された周波数fcとサンプリング周波数fsとの関係を検出して、簡単な整数比となる場合、具体的には、前記位相積分器111が、前記周波数設定器110の出力を累積加算する際に、ビット幅の上限を超えてwrap処理(ビット幅を超えて桁上がりしたものを切り捨てる)する際に、信号を出力し、その信号が出力された際の前記位相積分器111の出力が常に一定あるいは、設定した閾値の範囲内であることを検出し、すなわち、高調波成分歪みを除去する必要がない場合には、ノイズ発生器113の出力を停止するような制御信号を出力している。
【0028】
前記ノイズ発生器113は、前記周波数検出器118からの制御信号に基づいて、ノイズの発生又は停止が制御されるようになっている。すなわち、高調波成分歪みを除去する必要がない場合には、ノイズの発生を停止するようにしている。
【0029】
これにより、ノイズ発生器113から付加されるノイズ成分によって正弦波出力のノイズフロアが上昇することを抑えることができる。
【0030】
<実施形態3>
図3は、本発明の実施形態3に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。前記実施形態1との違いは、主に位相振幅変換器を2つ設けるようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0031】
図3に示すように、第1の再量子化器115で再量子化されたデータは第1の位相振幅変換器212、第2の位相振幅変換器213、及び周波数検出器218に出力される。
【0032】
なお、前記第1の再量子化器115における再量子化により位相データのビット幅を切り捨てることで、後段の第1及び第2の位相振幅変換器212,213の回路面積を削減することができるが、再量子化による誤差が発生するため、この誤差を拡散させる必要がある。
【0033】
前記第1の位相振幅変換器212は、サンプリング周波数fsに対して、2n-m個のデータで最小周波数(周波数分解能)の1周期を表現でき、振幅値を11ビット(−1024から+1023)で正弦波を表現できるようにするものである。ここで生成された正弦波出力周波数faは加算器114に出力される。
【0034】
前記第2の位相振幅変換器213は、サンプリング周波数fsに対して、2n-m個のデータで最小周波数(周波数分解能)の1周期を表現でき、振幅値を10ビット(−512から+511)で正弦波を表現できるようにするものである。ここで生成された正弦波出力周波数fbはセレクタ217に出力される。
【0035】
ここで、第1の位相振幅変換器212の正弦波出力周波数faと、第2の位相振幅変換器213の正弦波出力周波数fbは、それぞれ(1)式、(2)式により計算される。
【0036】
fa=fs×fc/2n ・・・(1)
fb=fs×fc/2n ・・・(2)
前記加算器114は、前記第1の位相振幅変換器212の出力と、ランダムデータを1ビット発生させるノイズ発生器113の出力とを入力とし、両出力を加算して第2の再量子化器116に出力するものである。
【0037】
なお、前記ノイズ発生器113の出力は、任意次数のPN(Pseudo Noise)パターンとすることができ、出力ビット幅はシステムに応じて変更することができる。
【0038】
前記第2の再量子化器116は、前記加算器114の出力データを再量子化するものであり、具体的には、1ビット切り捨てを行う。再量子化されたデータは、セレクタ217に出力される。
【0039】
このような処理を行うことで、前記位相積分器111の出力が第1の再量子化器115で再量子化されたときに発生した誤差を拡散した10ビット振幅の正弦波を出力することができるようになっている。
【0040】
前記周波数検出器218は、位相データに基づいて周波数検出を行うものであり、検出結果に基づく制御信号がセレクタ217に出力される。
【0041】
例えば、図4に示すように、前記周波数検出器218は、位相積分器111の出力及び第1の再量子化器115の出力のうち少なくとも一方の値が、位相積分器111の桁あふれ周期の間隔で同様の波形、すなわち、周期内の任意の1点又は複数の点において次の桁あふれ周期内の任意の1点又は複数の点が一致するか、設定した閾値以内の誤差である場合に、第1の再量子化器115による誤差及び位相積分器111による位相変調が発生しない状態であると判断する。そして、セレクタ217に対して第2の位相振幅変換器213の出力を選択するような制御信号を出力している。
【0042】
また、図5に示すように、前記周波数検出器218において、位相積分器111の出力及び第1の再量子化器115の出力のうち少なくとも一方の値が、位相積分器111の桁あふれ周期の間隔で同様の波形とならずに、設定した閾値以内の誤差以上である場合に、第1の再量子化器115による誤差及び位相積分器111による位相変調が発生する状態であると判断する。そして、セレクタ217に対して第2の再量子化器116の出力を選択するような制御信号を出力することで、スプリアスの少ない正弦波出力を得ることができる。
【0043】
前記セレクタ217は、入力された第2の位相振幅変換器213の出力データと第2の再量子化器116の出力データとを、周波数検出器218からの制御信号に基づいて選択的に出力するものである。
【0044】
このような処理を行うことで、スプリアスが少なく、ノイズフロアの低い正弦波出力を得ることができるようになっている。
【0045】
なお、第1の再量子化器115を設けない回路構成とした場合には、周波数検出器218への入力を位相積分器111の出力のみとすればよい。
【0046】
なお、第1及び第2の位相振幅変換器212,213のビット幅は、システムに応じてそれぞれ変更することができる。
【0047】
<実施形態4>
図6は、本発明の実施形態4に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。図6において、310は周波数fcを設定する周波数設定器であり、設定された周波数fcは加算器314とセレクタ317とにそれぞれ出力される。
【0048】
320は前記周波数設定器310で設定された値にオフセットを与えるためのオフセット設定器であり、そのオフセット値が加算器314に出力される。
【0049】
前記加算器314は、入力された前記周波数設定器310の出力と前記オフセット設定器320の出力とを加算するものであり、その加算値がセレクタ317に出力される。
【0050】
前記セレクタ317は、入力された前記周波数設定器310の出力と前記加算器314の出力とを、後述する周波数検出器315からの制御信号に基づいて選択的に位相積分器311に出力するものである。
【0051】
前記位相積分器311は、2nのビット幅を持ち、サンプリング周波数fsのタイミングでセレクタ117の出力である周波数fcを積分して位相データを生成するものであり、生成された位相データは位相振幅変換器312に出力される一方、周波数検出器315に出力される。
【0052】
前記位相振幅変換器312は、位相データに対応した正弦波の振幅データを生成するものであり、歪みの少ない正弦波を出力することができるようになっている。
【0053】
前記周波数検出器315は、位相データの積分結果に基づいて周波数検出を行うものであり、検出結果に基づく制御信号がセレクタ317に出力される。
【0054】
具体的には、周波数設定器310によって設定された周波数fcとサンプリング周波数fsとの関係を検出して、簡単な整数比とならない場合には、セレクタ317において加算器314からの出力を選択出力するような制御信号を出力している。これにより、サンプリング周波数fsと出力周波数fcに依存する歪みを除去することができる。
【0055】
また、前記周波数検出器315は、周波数設定器310の出力する値が更新された場合にだけ周波数を検出するようにすれば、周波数検出をする必要がない場合に動作を止めることができる。
【0056】
<実施形態5>
図7は、本発明の実施形態5に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。図7において、410は後述する周波数検出器415からの制御信号に基づいて周波数fcを設定する周波数設定器であり、設定された周波数fcは位相積分器411に出力される。
【0057】
前記位相積分器411は、2nのビット幅を持ち、サンプリング周波数fsのタイミングで周波数設定器410の出力である周波数fcを積分して位相データを生成するものであり、生成された位相データは位相振幅変換器412に出力される一方、周波数検出器415に出力される。
【0058】
前記位相振幅変換器412は、位相データに対応した正弦波の振幅データを生成するものであり、歪みの少ない正弦波を出力することができるようになっている。
【0059】
前記周波数検出器415は、位相データの積分結果に基づいて周波数検出を行うものであり、検出結果に基づく制御信号が周波数設定器410に出力される。
【0060】
具体的には、周波数設定器410によって設定された周波数fcとサンプリング周波数fsとの関係を検出して、簡単な整数比とならない場合には、周波数設定器410の出力を予め設定した範囲内で且つ予め設定した速度で掃引するように制御する制御信号を出力している。これにより、サンプリング周波数fsと出力周波数fcに依存する歪みを除去することができる。
【0061】
また、前記周波数検出器415は、周波数設定器410の出力する値が更新された場合にだけ周波数を検出するようにすれば、周波数検出をする必要がない場合に動作を止めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上説明したように、本発明は、回路規模、消費電力、スプリアス抑圧を実現した数値制御発振器を提供できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態1に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態2に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態3に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。
【図4】位相積分器における位相変調、量子化誤差が発生しない場合を示す図である。
【図5】位相積分器における位相変調、量子化誤差が発生する場合を示す図である。
【図6】本実施形態4に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態5に係る数値制御発振器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
110 周波数設定器
111 位相積分器
112 位相振幅変換器
113 ノイズ発生器
114 加算器(演算器)
115 第1の再量子化器
116 第2の再量子化器
117 セレクタ
118 周波数検出器
212 第1の位相振幅変換器
213 第2の位相振幅変換器
320 オフセット設定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを再量子化する第1の再量子化器と、
前記第1の再量子化器で再量子化された位相データを入力とし、位相に対応した振幅データを出力する位相振幅変換器と、
ノイズを発生させるノイズ発生器と、
前記位相振幅変換器の出力と前記ノイズ発生器の出力との加算又は減算を行う演算器と、
前記演算器の演算結果を入力とし、ビット切り捨て処理を行う第2の再量子化器とを備えたことを特徴とする数値制御発振器。
【請求項2】
請求項1に記載された数値制御発振器において、
前記積分器で生成された位相データを入力とし、該位相データの積分結果に基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器をさらに備え、
前記ノイズ発生器は、前記周波数検出器で生成された制御信号を入力とし、該制御信号に基づいてノイズの発生又は停止を制御するように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項3】
請求項1に記載された数値制御発振器において、
前記位相振幅変換器の出力ビット幅がnビット(nは自然数)の場合、前記ノイズ発生器で発生させるノイズのビット幅を1ビットとし、且つ前記第2の再量子化器で切り捨てるビット幅を1ビットとすることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項4】
周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを再量子化する第1の再量子化器と、
前記第1の再量子化器で再量子化された位相データを入力とし、位相に対応した振幅データを出力する第1の位相振幅変換器と、
前記第1の再量子化器で再量子化された位相データに対応した振幅データを前記第1の位相振幅変換器より少ないビット幅で出力する第2の位相振幅変換器と、
ノイズを発生させるノイズ発生器と、
前記第1の位相振幅変換器の出力と前記ノイズ発生器の出力との加算又は減算を行う演算器と、
前記演算器の演算結果を入力とし、ビット切り捨て処理を行う第2の再量子化器と、
前記積分器で生成された位相データ及び前記第1の再量子化器で再量子化された位相データのうち少なくとも一方を入力とし、該位相データに基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器と、
前記第2の再量子化器の出力と前記第2の位相振幅変換器の出力とを、前記周波数検出器で生成された制御信号に基づいて選択的に出力するセレクタとを備えたことを特徴とする数値制御発振器。
【請求項5】
請求項4に記載された数値制御発振器において、
前記第1の位相振幅変換器の出力ビット幅がnビット(nは自然数)の場合、前記ノイズ発生器で発生させるノイズのビット幅を1ビットとし、且つ前記第2の再量子化器で切り捨てるビット幅を1ビットとすることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項6】
請求項1乃至5のうち何れか1項に記載された数値制御発振器において、
前記ノイズ発生器の出力をPN(Pseudo Noise)パターンとすることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項7】
請求項2に記載された数値制御発振器において、
前記周波数検出器は、前記周波数設定器によって設定された周波数とサンプリング周波数との関係を検出して該検出結果が整数比となる場合に、前記ノイズ発生器の出力を停止する制御信号を生成するように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項8】
請求項4に記載された数値制御発振器において、
前記周波数検出器は、
前記積分器の出力及び前記第1の再量子化器の出力のうち少なくとも一方の値が、該積分器の桁あふれ周期の間隔で常に一定であるか、又は設定した閾値の範囲内である場合に、前記セレクタにおいて前記第2の位相振幅変換器の出力を選択する制御信号を生成する一方、
前記積分器の出力及び前記第1の再量子化器の出力のうち少なくとも一方の値が、該積分器の桁あふれ周期の間隔で一定でなく、又は設定した閾値の範囲外である場合に、前記セレクタにおいて前記第2の再量子化器の出力を選択する制御信号を生成するように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項9】
周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数をオフセットするためのオフセット値を設定するオフセット設定器と、
前記周波数設定器の出力と前記オフセット設定器の出力との加算又は減算を行う演算器と、
前記周波数設定器の出力と前記演算器の出力とを選択的に出力するセレクタと、
前記セレクタから出力された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを入力とし、該位相データの積分結果に基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器と、
前記積分器で生成された位相データに対応した振幅データを出力する位相振幅変換器とを備え、
前記セレクタは、前記周波数検出器で生成された制御信号に基づいて前記周波数設定器の出力と前記演算器の出力とを選択的に出力するように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項10】
請求項9に記載された数値制御発振器において、
前記周波数検出器は、前記周波数設定器によって設定された周波数とサンプリング周波数との関係を検出して該検出結果が整数比とならない場合に、前記セレクタにおいて前記演算器の出力を選択する制御信号を生成するように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項11】
周波数を設定する周波数設定器と、
前記周波数設定器で設定された周波数を積分して位相データを生成する積分器と、
前記積分器で生成された位相データを入力とし、該位相データの積分結果に基づいて検出した周波数に応じた制御信号を生成する周波数検出器と、
前記積分器で生成された位相データに対応した振幅データを出力する位相振幅変換器とを備え、
前記周波数設定器は、前記周波数検出器で生成された制御信号に基づいて、前記設定する周波数を予め設定した範囲及び速度で掃引するか否かを切り替えるように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。
【請求項12】
請求項11に記載された数値制御発振器において、
前記周波数検出器は、前記周波数設定器によって設定された周波数とサンプリング周波数との関係を検出して該検出結果が整数比とならない場合に、該周波数設定器の出力を予め設定した範囲内で且つ予め設定した速度で掃引するように制御する制御信号を生成するように構成されていることを特徴とする数値制御発振器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−151015(P2007−151015A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345900(P2005−345900)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)