説明

文書ファイル出力装置、文書ファイル出力方法、及びコンピュータプログラム

【課題】1又は複数枚毎に異なる文書であるはずの原稿を連続して読み取らせた場合でも、印刷設定の違いに応じて各文書を適切に異なるファイルとして保存することができる文書ファイル出力装置、文書ファイル出力方法及びコンピュータを前記文書ファイル出力装置として動作させるコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る文書ファイル出力装置は、取得した画像データから各原稿の印刷設定、例えば割り付け、原稿サイズの違い、枠組印刷の有無、縮小印刷の有無、カラー/モノクロ設定、又は画像埋め込みなどを夫々特定し、印刷設定が変化した原稿の前後で文書ファイルを分割して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷された原稿から画像を読み取り、読み取った画像のデータを文書ファイルとして出力する文書ファイル出力装置に関する。特に、1又は複数枚毎に異なる文書であるはずの原稿を連続して読み取らせた場合でも、印刷設定の違いに応じて各文書を適切に異なるファイルとして出力することができる文書ファイル出力装置、文書ファイル出力方法、及びコンピュータを前記文書ファイル出力装置として動作させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、文書又は図形はデジタルデータで作成・記録され、必要とされる場面でのみ紙又は布などの媒体に印刷されて利用されることが一般的である。電子的記録媒体への記録により、紙、布等の資源の節約、且つ膨大な情報量に対する省スペース化が図られる。
特に、昨今の画像読取技術並びに印刷技術の再現性向上、及び記録媒体の小型化により、従来から紙又は布媒体に記録されて保管されていた文書又は図形等を、画像読取装置が画像データとして読み取ってデジタルデータ化する処理が行なわれる。
【0003】
画像読取装置は自動原稿搬送装置を備え、自動原稿搬送装置に載置された複数の印刷用媒体を自動的に連続して読み取り、且つ、連続的に読み取った画像データを所定の方法で内容毎に、別ファイルとして記録する方法が採られている(特許文献1、2等)。
【0004】
これによりユーザは、異なる文書又は図形毎に、読み取りを実行させる別作業を行なう必要がない。ユーザは、異なる文書又は図形が印刷された印刷用媒体をまとめて画像読取装置の自動原稿搬送装置に載置し、読み取りを実行させる作業を一度で済ませたとしても、個々の文書又は図形を、異なるファイルとしてデジタルデータ化することができる。
【0005】
例えば、特許文献1に開示されている画像処理装置は、画像読取部の自動原稿搬送装置に載置された複数の文書又は図形が夫々印刷された用紙から、セパレータと呼ばれる特殊な用紙を検出し、セパレータの前後を異なるファイルとして保存する。
【0006】
また、特許文献2に開示されている画像読取装置は、連続的に原稿から画像データを読み取る都度、原稿の特徴を抽出し、抽出した特徴が変化したときに文書を区切って蓄積する。原稿の特徴として、文字の大きさ、文字間隔、行間隔、マージン、縦書き/横書きの差異、段組の有無、原稿の向きの差異、文字領域/画像領域の差異、原稿上に記載されたキーワード、通し番号の連続性、マークの有無、特定色の有無、又は、専用紙(セパレータ)の有無、などが挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−198257号公報
【特許文献2】特開2000−354144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている技術を用いた場合でも、ユーザの作業負担を減らすには不十分なときがある。
【0009】
特許文献1の画像処理装置は、依然として、ユーザによる特殊な用紙を挟む作業を必要とする。
【0010】
昨今では、印刷の際の機能が向上しており、印刷時点で複数のページ分の原稿を1枚の印刷用媒体にレイアウトして出力するなどの設定での印刷が可能である。更に、元の文書がカラーであってもモノクロ設定での印刷も可能である。特許文献2の画像読取装置は、各ページを1つの画像データとして読み取って種々の特徴を抽出するが、印刷設定の違いを特徴として抽出することは考慮されていない。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、1又は複数枚毎に異なる文書であるはずの原稿を連続して読み取らせた場合でも、印刷設定の違いに応じて各文書を適切に異なるファイルとして保存することができる文書ファイル出力装置、文書ファイル出力方法及びコンピュータを前記文書ファイル出力装置として動作させるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る文書ファイル出力装置は、文字又は図形が印刷された複数の原稿から連続して読み取られる画像データを、読み取り順と対応付けて取得する手段を備え、取得した複数の画像データを1つ又は複数ずつ分割し、各々文書ファイルとして出力する文書ファイル出力装置において、前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を特定する特定手段と、1つの原稿の印刷設定が、前又は後の原稿の印刷設定と比して変化したか否かを判定する判定手段と、該判定手段が変化したと判定した場合に、前又は後の原稿の画像データまでを1つの文書ファイルとして出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る文書ファイル出力装置は、前記特定手段は、各画像データの元の原稿が含む割り付けページ数、元の原稿の縮小率、元の原稿における枠組印刷の有無、元の原稿がカラー印刷であるか否か、元の原稿のサイズ、埋め込み画像、元の原稿の印刷フォーマット、又は、元の原稿内の特定領域内の文字列の内のいずれか1つ又は複数を特定するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る文書ファイル出力装置は、前記特定手段は、画像データと予め記憶してある特定の画像パターンとが符合するか否かにより特定するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る文書ファイル出力装置は、前記特定手段は、前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を、前記読み取り順に特定するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る文書ファイル出力装置は、前記判定手段が変化したと判定した場合に、通知を行なう手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る文書ファイル出力装置は、出力する複数の文書ファイルの内、前記特定手段が特定した印刷設定が符合する原稿の画像データからなる文書ファイルを抽出する手段と、抽出した文書ファイルを1つの文書ファイルに結合する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る文書ファイル出力方法は、文字又は図形が印刷された複数の原稿から連続して読み取られる画像データを、読み取り順と対応付けて取得し、取得した複数の画像データを1つ又は複数ずつ分割し、各々文書ファイルとして出力する文書ファイル出力方法において、前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を特定するステップと、1つの原稿の印刷設定が、前又は後の原稿の印刷設定と比して変化したか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップが変化したと判定した場合に、前又は後の原稿の画像データまでを1つの文書ファイルとして出力するステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、文字又は図形が印刷された複数の原稿から連続して読み取られる画像データを、読み取り順と対応付けて取得させ、取得された複数の画像データを1つ又は複数ずつ分割させて各々文書ファイルとして出力させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を特定する特定ステップと、1つの原稿の印刷設定が、前又は後の原稿の印刷設定と比して変化したか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップが変化したと判定した場合に、前又は後の原稿の画像データまでを1つの文書ファイルとして出力するステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明では、原稿を連続的に読み取って得られた複数の画像データ夫々について、元の原稿の印刷設定が夫々特定され、印刷設定が変化したと判定された場合に、変化した前後の画像データは、異なる文書ファイルであるとして分割され、文書ファイルとして出力される。なお、本発明では各原稿の印刷設定が読み取り順に特定され、印刷設定が変化するまでの画像データが一連の1つの文書ファイルとして出力されるようにしてもよい。
【0021】
本発明では、各画像データの元の原稿が印刷されたときの印刷設定として、元の原稿の縮小率、元の原稿における枠組印刷の有無、元の原稿がカラー印刷であるか否か、元の原稿のサイズ、埋め込み画像、元の原稿の印刷フォーマット、又は、元の原稿内の特定領域内の文字列の内のいずれか1つ又は複数が特定される。
印刷設定の特定の方法としては例えば、各画像データについて、文字又は図形の一部である画素値、具体的には例えば所定の色成分の画素値が所定値以下である画素数の、元の原稿上における出現頻度の分布を取得し、出現頻度の平面的な特徴から印刷設定を特定する方法がある。例えば、中央、左右、上下、右上、左上、右下、左下等の位置夫々における頻度が比較され、中央部よりも左、右の頻度が高い場合には2ページ分の割り付け印刷、特定の位置の頻度が高い場合には枠組印刷、更に枠組の形状が特殊なパターンであるか否かによって特定の印刷フォーマットであるか否かを推定することが可能となる。また、中央部よりも高頻度である箇所の範囲の大きさが特定の大きさよりも小さい場合には縮小印刷、又は、特定の色成分の頻度が高い範囲がある場合はカラー印刷など、印刷設定を推定することが可能となる。
【0022】
また本発明では、各画像データについて特定の画像パターンと符合するか否かによって特定の印刷設定であるか否かが特定される。例えば、埋め込み画像の有無及びその内容の特定は、予め記憶してある特定の埋め込み画像のパターンとのパターンマッチングにより行なわれる。特定の印刷フォーマットであるか否か、及び特定の印刷フォーマットが複数ある場合にいずれであるかの特定についても、予め記憶してある特定の印刷フォーマットパターンとのパターンマッチングにより行なわれる。印刷フォーマットのパターンは、枠組の形、配置及び大きさから特定される。
【0023】
本発明では、印刷設定が変化したと判定された場合に、変化したことが通知され、ユーザが変化を認識することが可能となる。通知の上、更に承認を受け付ける構成とすることが好ましい。これにより、ユーザが視認して本当に印刷設定が変化し、分割されるべきところで別の文書ファイルとして出力され、不要な分割や誤った分割を回避することが可能である。
【0024】
本発明では、複数の文書ファイルが出力される場合、複数の文書ファイルの内の符合する印刷設定の原稿の画像データからなる文書ファイルは、1つの文書ファイルに結合される。これにより、読み取られる複数の原稿に散在する同一の印刷設定の原稿データを1つにまとめ、不要に多数の文書ファイルが出力されることを回避することが可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明による場合、各原稿の印刷設定を特定することが可能なので、文書毎に異なる印刷設定の違いに応じて各文書を適切に、異なるファイルとして保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態1の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の文書ファイル出力装置で実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1の文書ファイル出力装置の制御部が行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1の文書ファイル出力装置が取得した画像データを文書ファイルとして分割する処理のイメージ図である。
【図5】印刷設定の特定処理の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】割り付け印刷がされている原稿例のイメージ図である。
【図7】割り付け印刷及び枠組印刷がされている原稿例のイメージ図である。
【図8】縮小印刷がされている原稿例のイメージ図である。
【図9】実施の形態2の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2における読取装置の自動原稿搬送装置の原稿サイズ判別機構を下方から見た構成を模式的に示す模式図である。
【図11】実施の形態2の文書ファイル出力装置で実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図12】更に実行される印刷設定の特定処理の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】FAX出力である原稿例のイメージ図である。
【図14】埋め込み画像有りの原稿例のイメージ図である。
【図15】特定の印刷フォーマットで印刷された原稿例のイメージ図である。
【図16】実施の形態3の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。
【図17】実施の形態3の文書ファイル出力装置の制御部が行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態3の文書ファイル出力装置の制御部が行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】実施の形態4の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。
【図20】実施の形態4の文書ファイル出力装置で実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図21】実施の形態4の文書ファイル出力装置の制御部が行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1の文書ファイル出力システムは、文書ファイル出力装置1、記憶装置2、及び読取装置3を含む。
【0029】
読取装置3は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を用いたスキャナである。読取装置3は、原稿台に載置された複数枚の印刷用紙を自動的に1枚ずつ取り込む自動原稿搬送装置を備えている。読取装置3は、自動原稿搬送装置の原稿台に印刷用紙が載置され、ユーザによる読み取り開始の操作がされた場合に、原稿台に載置された印刷用紙を1枚ずつ全て取り込み、各印刷用紙の片面または両面から画像を読み取る。読取装置3は読み取った画像をアナログの画像データ又はデジタル画像データとし、読み取った順に内蔵する記憶部に一度記憶するか、順次文書ファイル出力装置1へ出力する。
【0030】
記憶装置2は、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を用い、文書ファイル出力装置1から出力された文書ファイルのデータを記憶する。
【0031】
文書ファイル出力装置1はパーソナルコンピュータを用いる。文書ファイル出力装置1は、制御部10、記憶部11、一時記憶部12、入出力部13、通信部14、及び読出部15を備える。
【0032】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を用いて、記憶部11に記憶してある文書ファイル出力プログラム1Pを一時記憶部12に読み出して実行することにより、パーソナルコンピュータを文書ファイル出力装置として機能させる。
【0033】
記憶部11は、ハードディスクを用いる。記憶部11は、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等を用いてもよい。記憶部11には、上述の文書ファイル出力プログラム1Pが記憶されているほか、通信部14により取得された画像データ、制御部10が演算時に用いる情報、及び制御部10が出力する文書ファイルのデータが記憶される。
【0034】
一時記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAMを用いる。一時記憶部12は、制御部10の処理により発生した情報、例えば処理中の画素データ、画像データから抽出された情報などを一時的に記憶する。
【0035】
入出力部13は、例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いる。入出力部13は、記憶装置2と接続されており、制御部10が出力した文書ファイルのデータを記憶装置2へ送出する。入出力部13はUSB接続に対応した他の読取装置と接続されてもよい。この場合、制御部10は他の読取装置から入出力部13を介して画像データを取得する。なお、入出力部13はUSBに限らず他の通信プロトコルに基づき記憶装置又は読取装置などの外部装置と接続されてもよい。
【0036】
通信部14は、例えばLAN(Local Area Network)インタフェースを用いる。通信部14はLANを介して所定の通信プロトコルに基づき情報を送受信する。制御部10は、通信部14を介して、読取装置3から送信された画像データを受信して取得することができる。通信部14は、通信機能を備えた同一ネットワーク上の他の記憶装置と接続されてもよい。この場合、制御部10は、出力する文書ファイルのデータを通信部14から他の記憶装置へ送信する。
【0037】
読出部15は、ディスクドライブを用いる。読出部15は、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-Ray(登録商標) Disk)、フラッシュメモリ、又はフレキシブルディスクなどである記録媒体4に記録されている情報を読み出す。本実施の形態の記録媒体4には、文書ファイル出力プログラム4Pが記録されている。制御部10は、読出部15によって記録媒体4に記録されている情報を読み出し、記憶部11又は一時記憶部12に記憶する。記憶部11に記憶されている文書ファイル出力プログラム1Pは、記録媒体4から読み出された文書ファイル出力プログラム4Pの複製であってもよい。
【0038】
図2は、実施の形態1の文書ファイル出力装置1で実現される機能を示す機能ブロック図である。文書ファイル出力装置1の制御部10は、記憶部11に記憶されている文書ファイル出力プログラム1Pを読み出して実行することにより、画像データ取得部16、印刷設定特定部17、分割判定部18及び分割出力部19として機能する。なお、夫々を特定の集積回路としてハードウェアにて実現してもよい。
【0039】
このように構成される文書ファイル出力装置1にて制御部10は、画像データ取得部16の機能により、読取装置3で原稿から読み取られて出力される一連の画像データを取得し、一時記憶部12又は記憶部11に記憶する。また制御部10は、印刷設定特定部17の機能により、取得して記憶してある各画像データを、読み取り順に処理して印刷設定を特定する。制御部10は、各原稿の画像データに対して特定された印刷設定に基づき、分割判定部18の機能により、印刷設定が変化したか否かを判定する。制御部10は、印刷設定が変化したと判定された画像データまでを、分割出力部19の機能により、1つの文書ファイルとして記憶部11に記憶する。文書ファイル出力装置1は、記憶部11に記憶した各文書ファイルを入出力部13から記憶装置2へ出力する。
【0040】
図3は、実施の形態1の文書ファイル出力装置1の制御部10が行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0041】
制御部10は、画像データ取得部16の機能により、読取装置3から出力される画像データを取得し、一時記憶部12又は記憶部11に記憶する(ステップS101)。
【0042】
制御部10は、印刷設定特定部17の機能により、原稿の読み取り順に対応させる変数Iに1を代入しておく(ステップS102)。制御部10は、一時記憶部12又は記憶部11に記憶してある画像データの内、I番目に読み取られた原稿の画像データを読み出す(ステップS103)。制御部10は、印刷設定特定部17の機能により、I(I=1)番目の原稿の画像データに基づき、I番目の原稿の印刷設定を特定する(ステップS104)。
【0043】
次に制御部10は、I+1番目の原稿の有無を判断する(ステップS105)。制御部10は、I+1番目の原稿が有ると判断した場合(S105:YES)、記憶部11からI+1番目に読み取られた原稿の画像データを読み出す(ステップS106)。制御部10は、読み出した画像データに基づき、I+1番目の原稿の印刷設定を特定する(ステップS107)。
【0044】
制御部10は、分割判定部18の機能により、既に特定してあるI番目の原稿の印刷設定と、ステップS107で特定したI+1番目の原稿の印刷設定とを比較し(ステップS108)、印刷設定の変化の有無を判定する(ステップS109)。制御部10は、分割判定部18の機能により、印刷設定の変化は有りと判定した場合(S109:YES)、分割出力部19の機能により、I番目の原稿の画像データを、出力する文書ファイルに書き込み(ステップS110)、I番目までの画像データで1つの文書ファイルとして完成させてファイルをクローズし、出力する(ステップS111)。制御部10は、変数Iに1を加算し(ステップS112)、処理をステップS105へ戻し、最後の原稿となるまで繰り返す。
【0045】
制御部10は、ステップS109にて印刷設定の変化は無しと判定した場合(S109:NO)、分割出力部19の機能により、I番目の原稿の画像データを、出力する文書ファイルに書き込み(ステップS113)、処理をステップS112へ進める。
【0046】
制御部10は、読み取られた全ての原稿の画像データについて処理を終了し、I+1番目の原稿は無しと判断した場合(S105:NO)、分割出力部19の機能により、I番目の原稿の画像データを、出力する文書ファイルに書き込み(ステップS114)、I番目までの原稿の画像データで1つの文書ファイルとして完成させてファイルをクローズして出力し(ステップS115)、処理を終了する。
【0047】
図4は、実施の形態1の文書ファイル出力装置1が取得した画像データを文書ファイルとして分割する処理のイメージ図である。上段に読取装置3から出力され、文書ファイル出力装置1が取得した画像データ、下段に文書ファイル出力装置1が分割出力した文書ファイルのイメージを示している。
【0048】
制御部10は、図3のフローチャートに示したように処理を実行することにより、取得した画像データを読み取り順に、原稿1→原稿2→原稿3、…原稿Nと順に読み出す。制御部10は、各原稿の画像データから特定した印刷設定を、原稿1と2、原稿2と3、…と比較する。そして制御部10は、例えば原稿2の印刷設定について原稿3の印刷設定と比較した結果、変化は有りと判定した場合、原稿2までの画像データを、即ち原稿1及び原稿2の画像データを1つの文書ファイルとして出力する。制御部10はこのような処理を最後の原稿Nまで繰り返し行なうことにより、適切に各文書ファイルに分割して出力することができる。
【0049】
なお、図3に示した処理手順及び図4の説明では、原稿1→原稿2→原稿3、…原稿Nと順に読み出して、夫々1つずつ印刷設定を特定し、前の原稿の印刷設定と比較する構成とした。しかしながら本発明はこれに限らず、原稿N→原稿N−1、…の順序で処理してもよい。また、図4に示すように取得した全原稿の画像データから、全原稿の印刷設定を予め特定し、印刷設定が変化した原稿が何番目であるかを特定し、特定した原稿の前後で文書ファイルを分割出力する構成としてもよい。
【0050】
次に、制御部10の印刷設定特定部17による機能の詳細を説明する。図5は、印刷設定の特定処理の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
【0051】
制御部10は、印刷設定特定部17の機能により、読み出した画像データの全画素を検査し、画素値を所定値と比較する(ステップS41)。このとき制御部10は、画像データがRGB(R:赤、G:緑、B:青)成分毎の画素値からなる場合、各画素について全色成分の画素値を加算した値を所定値と比較しても良いし、全色成分の画素値の平均値を所定値と比較しても良い。制御部10は、予め画像データをブロック毎に分別しておき、各ブロックを白色領域/灰色領域/黒色領域と分別しておき、灰色領域及び黒色領域であるブロックを抽出するようにしてもよい。
【0052】
制御部10は、ステップS41で比較し、画素値が所定値以下、即ち暗色であって文字又は図形が印刷されている画素を抽出する(ステップS42)。このとき制御部10は、上述のように複数の画素をブロック毎に抽出するようにしても良い。
【0053】
制御部10は、抽出した画素の出現頻度の分布を画像(原稿)の縦方向及び横方向に算出する(ステップS43)。即ち、制御部10は、原稿の縦方向及び横方向を画素単位でXY座標に当てはめ、抽出された画素の位置をX軸方向及びY軸方向夫々に射影し、画素数のヒストグラムを出現頻度の分布として求める。
【0054】
制御部10は、画像の縦方向及び横方向夫々の出現頻度分布に基づき、中央、右、左、上、下、右上、右下、左下、左上などに区分した夫々の領域における抽出画素の出現頻度を算出する(ステップS44)。このときの中央、右、左、上、下、右上、右下、左下、左上などの領域の範囲は、上述のXY座標を基準に予め定められており、記憶部11に座標情報が記憶されている構成とする。各領域は相互に重複していてもよい。更に具体的には制御部10は、各領域における抽出画素の出現頻度を、各領域における抽出画素数の平均値として算出するようにしてもよいし、中央値、最多値などで算出してもよい。
【0055】
制御部10は、縦方向及び横方向夫々に、右、左又は上、下夫々における出現頻度を、中央部の出現頻度と比較する(ステップS45)。制御部10は、出現頻度が中央部よりも高い領域の数を特定し(ステップS46)、出現頻度が中央部よりも高い領域の夫々の面積を特定する(ステップS47)。このとき制御部10は、中央部における出現頻度に対し、所定の範囲(例えば数%)を超えて高いか否か、中央部における出現頻度の数倍以上であるか否かなどによって、出現頻度が高いか否かを判断し、それ以外は同程度又は中央部における出現頻度の方が高いと判断すればよい。
【0056】
制御部10は、ステップS46及びS47で特定した領域の数、及び領域の面積に基づき、中央部と比較して出現頻度の偏りが少なくとも縦方向及び横方向のいずれか2つ以上あるか否かを判断する(ステップS48)。制御部10は、2つ以上あると判断した場合(S48:YES)、割り付け印刷であると特定し(ステップS49)、割り付け数を特定する(ステップS50)。制御部10は例えば、横方向に偏りが2つ、縦方向には偏りが1つと判断した場合には割り付け数を2とし、横方向に偏りが2つ、縦方向にも偏りが2つと判断した場合には割り付け数を4とすることができる。
【0057】
制御部10は、ステップS48で否と判断した場合(S48:NO)、偏りがある範囲の大きさを算出する(ステップS51)。制御部10は、ステップS51で算出した大きさが予め設定されてある所定値以下であるか否かを判断する(ステップS52)。このとき所定値は、記憶部11に記憶しておけばよい。制御部10は、所定値以下であると判断した場合(S52:YES)、縮小印刷であると特定し(ステップS53)、処理を次のステップS54へ進める。制御部10は、所定値を超えると判断した場合(S52:NO)、処理をそのまま次のステップS54へ進める。
【0058】
次に制御部10は、偏りが枠状になっているか否かを判断する(ステップS54)。制御部10は、特定の座標における頻度分布が他の領域の例えば3倍以上であるとき、又は出現頻度が8割以上であると特定できた場合、偏りが枠状になっていると判断すればよい。例えば、原稿の上からY番目〜Y+5番目の位置における出現頻度が8割以上である場合には当該Y番目付近に罫線が引かれていると判断し、同様にして原稿の左からX番目〜X+5番目の位置における出現頻度が8割以上であるときには当該X番目付近にも罫線が引かれており、枠組が印刷されていると判断できる。勿論、枠組が印刷されているか否かを判断できるのであれば、他の方法を用いてもよい。制御部10は、偏りが枠状になっていると判断した場合(S54:YES)、枠組印刷であると特定する(ステップS55)。制御部10は、ステップS54で否と判断した場合(S54:NO)、そのまま処理を次のステップS56へ進める。
【0059】
制御部10は、更に各画素の画素値のRGB値を相互に比較し(ステップS56)、RGB値が相互に所定の誤差範囲内で同程度であるか否かを判断する(ステップS57)。制御部10は、同程度であると判断した場合は(S57:YES)、モノクロ印刷と特定し(ステップS58)、所定の誤差範囲を超えて異なると判断した場合は(S57:NO)、カラー印刷と特定し(ステップS59)、印刷設定を特定する処理を終了し、処理を図3のフローチャートに示した処理手順へ戻す。このとき制御部10は、ブロック毎にRGB値を相互に比較してもよい。
【0060】
文書ファイル出力装置1によって文書ファイルが分割されて出力される処理を、具体的例を挙げて説明する。
【0061】
図6は、割り付け印刷がされている原稿例のイメージ図である。図6の上段に、割り付けの印刷設定がされていない文章を含む原稿、下段に印刷設定に割り付け設定がされている文章の原稿の例を示している。なお、図6の下段に示す例では、割り付け数は「2」である。また、図6には、各々の原稿について、画素値が所定値以下である画素(文字又は図形が印刷されている画素)の出現頻度の縦方向における分布をグラフで示している。各グラフは縦方向の位置と、各位置における出現の頻度を示している。
【0062】
文書ファイル出力装置1の制御部10は、図6の上段に示すような原稿を読み取った画像データを取得した場合、画素値から縦方向の出現頻度分布を図6上段左側に示すように算出する。制御部10は、中央部における文字又は図形等の画素の出現頻度と、上部及び下部の出現頻度とを夫々比較する。この場合、制御部10は、中央部における出現頻度と、上部及び下部夫々における出現頻度とは同程度であると判断し、出現頻度の偏りは1つと判断でき、割り付け設定はされていないと特定することができる。
【0063】
文書ファイル出力装置1の制御部10は、図6の下段に示すような原稿を読み取った画像データを取得した場合も同様に、画素値から縦方向における出現頻度の分布を図6下段左側に示すように算出する。この場合制御部は、中央部における出現頻度と、上部及び下部夫々における出現頻度とを比較し、上部及び下部夫々の出現頻度は中央部における出現頻度よりも高いと判断し、出現頻度の偏りは2つであると判断できる。そして制御部10は、割り付け設定がされていると特定し、割り付けの数を「2」と特定することができる。
【0064】
図7は、割り付け印刷及び枠組印刷がされている原稿例のイメージ図である。図7の上段に、割り付けの印刷設定はされているものの、枠組印刷がされていない文章及び図形を含む原稿の例を示している。中段に、割り付けの印刷設定及び枠組印刷設定がされている文章及び図形を含む原稿の例を示している。なお、図7に示す例では、割り付け数は「4」である。また、図7には、各々の原稿について、画素値が所定値以下である画素(文字又は図形が印刷されている画素)の頻度の縦方向及び横方向の分布をグラフで示している。各グラフは、画像における位置と、各位置における出現の頻度を示している。
【0065】
文書ファイル出力装置1の制御部10は、図7の上段に示すような原稿を読み取った画像データを取得した場合、画素値から縦方向の出現頻度分布を図7上段左側に示すように算出し、横方向の出現頻度分布を図7下段のグラフ中の細線で示すように算出する。制御部10は、中央部における文字又は図形等の画素の出現頻度と、上部及び下部の出現頻度と、左側及び右側における出現頻度とを夫々比較する。この場合、制御部10は、中央部における出現頻度に比して、上部及び下部における出現頻度は縦方向で中央部における出現頻度よりも高いと判断する。同様に、制御部10は、左側及び右側における出現頻度は横方向で中央部における出現頻度よりも高いと判断する。したがって制御部10は、出現頻度の偏りは4つ(2×2)であると判断する。そして制御部10は、割り付け設定がされていると特定し、割り付けの数を「4」と特定することができる。更にこの場合、制御部10は、出現頻度の縦方向及び横方向における分布から、特定の座標、例えば縦方向の上からY〜Y+5番目の画素における頻度分布は、他の中央部よりも高頻度である領域における頻度と同程度であると判断し、枠組印刷の設定はされていないと特定することができる。
【0066】
文書ファイル出力装置1の制御部10は、図7の中段に示すような原稿を読み取った画像データを取得した場合、画素値から縦方向の出現頻度分布を図7中段左側に示すように算出し、横方向の出現頻度分布を図7下段のグラフ中の太線で示すように算出する。この場合も、制御部10は、中央部における出現頻度に比して、上部、下部、左側、及び右側夫々の出現頻度はいずれも中央部における出現頻度よりも高く、出現頻度の偏りは4であると判断する。そして制御部10は、割り付け設定がされていると特定し、割り付けの数を「4」と特定することができる。更にこの場合、制御部10は、縦方向における出現頻度の分布から、特定の座標、例えば縦方向の上からY〜Y+5番目の画素、下からY〜Y+5番目の画素における頻度分布は、他の中央部よりも高頻度である領域における頻度の数倍以上、又は8割以上であると判断する。同様に、制御部10は、横方向における出現頻度の分布から、特定の座標、例えば左からX〜X+5番目の画素、右からX〜X+5番目の画素における頻度分布は、他の中央部よりも高頻度である領域における頻度の数倍以上であると判断する。これにより制御部10は、枠組印刷の設定がされていると特定することができる。
【0067】
図8は、縮小印刷がされている原稿例のイメージ図である。図8の上段に、通常の印刷がされている文章を含む原稿の例を示し、下段に、縮小印刷設定がされている文章を含む原稿の例を示している。なお、図8には、各々の原稿について、画素値が所定値以下である画素(文字又は図形が印刷されている画素)の頻度の縦方向及び横方向における分布をグラフで示している。各グラフは、画像における位置と、各位置における出現の頻度を示している。
【0068】
文書ファイル出力装置1の制御部10は、図8の上段に示すような原稿を読み取った画像データを取得した場合、画素値から縦方向の出現頻度分布を図8上段左側に示すように算出し、横方向の出現頻度分布を図8下段下部のグラフ中の細線で示すように算出する。制御部10は、中央部における文字又は図形等の画素の出現頻度と、上部及び下部の出現頻度とを夫々比較する。この場合、制御部10は、中央部における出現頻度と、上部及び下部夫々における出現頻度とは同程度であると判断し、出現頻度の偏りは1つと判断する。そして制御部10は、偏りの範囲の大きさを算出する。具体的には、制御部10は、破線で示すような縦方向及び横方向における分布の連続範囲を特定し、特定した縦方向及び横方向の範囲から大きさを算出する。この場合、制御部10は、算出した大きさが予め設定されている所定値以下ではないと判断し、特別な印刷設定はされていないと特定できる。
【0069】
文書ファイル出力装置1の制御部10は、図8の下段に示すような原稿を読み取った画像データを取得した場合、画素値から縦方向の出現頻度分布を図8下段左側に示すように算出し、横方向の出現頻度分布を図8下段下部のグラフ中の太線で示すように算出する。この場合、制御部10は、中央部における出現頻度と比して、上部及び下部夫々における出現頻度は低いと判断し、出現頻度の偏りは1つと判断する。そして制御部10は、偏りの範囲の大きさを算出する。この場合制御部10は、算出した大きさは、予め設定されている所定値以下であると判断し、縮小印刷設定がされていると特定できる。
【0070】
このように、実施の形態1における文書ファイル出力装置1は、読取装置3から取得した複数の原稿の画像データに基づき、画像データの元の原稿夫々の印刷設定を特定し、印刷設定の変化に応じて文書ファイルを適切に分割して出力することができる。なお、印刷設定は上述に示した例のみに限られず、画素値の平均的な濃度から濃い/薄い若しくは節約印刷などの設定、又は、カラー印刷の場合の彩度から鮮やかに印刷する設定など、種々の印刷設定を特定し、区別して適切に文書を分割する方法も考え得る。
【0071】
実施の形態1では、文書ファイル出力装置1は印刷設定の違いのみを基準として画像データを文書ファイルへ分割・出力する構成とした。しかしながら、文書ファイル出力装置1は、各原稿の特徴量を算出し、算出された特徴量と併せて各原稿の画像データを異なる文書ファイルとするか否かを判定する構成としてもよい。
【0072】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1における文書ファイル出力装置1の印刷設定特定部17の機能が特定する印刷設定に加え、原稿サイズ、埋め込み画像、特定の印刷フォーマット、及び原稿内の特定領域内の文字列を特定し、それらが変化した場合に文書ファイルを分割する例について説明する。
【0073】
図9は、実施の形態2の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。実施の形態2の文書ファイル出力システムは、文書ファイル出力装置1b、記憶装置2、及び読取装置30を含む。実施の形態2における文書ファイル出力システムの構成は、文書ファイル出力装置1bによる印刷設定の特定方法、及び読取装置30の機能以外は、実施の形態1における構成と同様であるので、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0074】
読取装置30の構成は、実施の形態1における読取装置3の構成とほぼ同様であるが、自動原稿搬送装置が、原稿サイズを判別する機構を有する点が異なる。図10は、実施の形態2における読取装置30の自動原稿搬送装置の原稿サイズ判別機構を下方から見た構成を模式的に示す模式図である。読取装置30の自動原稿搬送装置は、制御部31と、通信部32と、2つの搬送ローラ33と、該搬送ローラ33の回転方向と略直交する方向に並べられた複数の光学センサ34とを有する。
【0075】
制御部31は、MPU(Micro Processing Unit)を用い、各構成部を制御する。制御部31は、搬送ローラ33の回転速度を検知して原稿の搬送速度を特定することが可能である。また制御部31は、複数の光学センサ34夫々から検知結果を取得する。制御部31は、原稿の搬送速度と各光学センサ34からの検知結果に基づいて、搬送した原稿サイズを特定し、搬送した原稿の画像データと共に、内蔵する記憶部に一度記憶するか、順次通信部32により文書ファイル出力装置1bへ送信する。
【0076】
通信部32は、文書ファイル出力装置1bの通信部14と対応するインタフェースである。通信部32は、LANを介して所定の通信プロトコルに基づき情報を送受信する。なお、通信部32はUSBなどのインタフェースに代替可能であり、制御部31が文書ファイル出力装置1へ画像データ及び特定した原稿サイズが出力できればよい。
【0077】
複数の光学センサ34は夫々、発光素子35及び受光素子36を有する。光学センサ34は、自動原稿搬送装置上に原稿が存在する間、例えば30ミリ秒毎に、発光素子35を発光させ、原稿からの反射光を受光素子36にて受光し、受光量に応じた信号を制御部31へ出力する。
【0078】
制御部31は、光学センサ34から得られる信号に基づき、搬送中の原稿がいずれの光学センサ34上に存在するかを特定し、原稿の幅を特定する。また、光学センサ34からの一定時間毎の信号に基づき、制御部31は、1枚の原稿の通過時間を算出し、搬送速度に基づき原稿の長さを特定する。制御部31は、原稿の幅及び長さに基づいて原稿サイズを、例えばA4、A4縦、B5などと特定する。制御部31は、特定した結果を各原稿から読み取った画像データと共に記憶するか、通信部32から送信する。
【0079】
実施の形態2における文書ファイル出力装置1bは、実施の形態1同様にパーソナルコンピュータを用い、制御部10b、記憶部11b、一時記憶部12、入出力部13、通信部14、及び読出部15を備える。制御部10bは、記憶部11bに記憶してある文書ファイル出力プログラム1Pbに基づき、後述するような各機能を実現する。記憶部11bには、文書ファイル出力プログラム1Pbのほか、後述するパターンマッチングに用いる埋め込み画像(地紋)の画像データ、及び、特定の印刷フォーマットの画像データが記憶されている。
【0080】
図11は、実施の形態2の文書ファイル出力装置1bで実現される機能を示す機能ブロック図である。文書ファイル出力装置1bの制御部10bは、画像データ取得部16、印刷設定特定部17b、分割判定部18及び分割出力部19として機能する。なお、夫々を特定の集積回路としてハードウェアにて実現してもよい。実施の形態1における各機能と共通する機能には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】
実施の形態2における文書ファイル出力装置1bの制御部10bは、印刷設定特定部17bとして機能し、実施の形態1で示した印刷設定のほかに、読取装置30から取得した画像サイズ、パターンマッチングによる埋め込み画像(地紋)の有無とその内容、特定の帳票フォーマットなどの印刷フォーマット、原稿のヘッダ部分などの特定領域に印刷されている文字列の有無及びその内容を含む印刷設定を特定する。
【0082】
制御部10bは、実施の形態1同様に図3のフローチャートに示した処理手順を実行する。その処理手順の内のステップS104及びS107の印刷設定の特定処理として、図5に示したフローチャートに加えて、以下の処理を実行する。図12は、更に実行される印刷設定の特定処理の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
【0083】
制御部10bは、印刷設定特定部17bの機能により、読み出した画像データに対応して取得した画像サイズを特定する(ステップS60)。
【0084】
次に制御部10bは、印刷設定特定部17bの機能により、読み出した画像データの内の特定領域に対してOCR(Optical Character Reader)処理を行なう(ステップS61)。文書ファイル出力装置1bはこのために、OCR処理を行なうためのハードウェアを備えていてもよい。詳細には制御部10bは、原稿を読み取る向きとした場合のヘッダ部に対してOCR処理を行ない、読み取られた文字列を取得する。制御部10bは、OCR処理により、電話番号が取得できたか否かを判断する(ステップS62)。制御部10bは、電話番号が取得できたと判断した場合(S62:YES)、原稿がFAXであって取得した番号は送信元の電話番号であると特定する(ステップS63)。制御部10bは、ステップS62で電話番号が取得できなかったと判断した場合(S62:NO)、処理を次のステップへ進める。
【0085】
制御部10bは、印刷設定特定部17bの機能により、読み出した画像データの内の特定の微小領域を抽出する(ステップS64)。制御部10bは、抽出した領域の画像と、記憶部11bに記憶してある複数の埋め込み画像のパターンとの比較を行ない(ステップS65)、符合するパターンがあるか否かを判断する(ステップS66)。制御部10bは、ステップS66であると判断した場合(S66:YES)、符合する画像パターンを識別する情報と対応付けて埋め込み画像有りと特定し(ステップS67)、処理をステップS70へ進める。
【0086】
制御部10bは、ステップS66にて符合しないと判断した場合(S66:NO)、所定の回数以上行なったか否かを判断する(ステップS68)。制御部10bは、所定の回数未満であると判断した場合に(S68:NO)、抽出する微小領域を所定の画素分ずらし(ステップS69)、ステップS64へ処理を戻し、ステップS65〜S69の処理を繰り返す。制御部10bは、ステップS68で所定の回数以上行なったと判断した場合(S68:YES)、処理を次のステップS70へ進める。この場合、原稿に埋め込み画像(地紋)はないと特定される。
【0087】
制御部10bは、読み出した画像データにエッジ処理を行ない(ステップS70)、エッジ処理後の画像データの画像と、記憶部11bに記憶してある特定の印刷フォーマットに対応する複数のパターンとの比較を行ない(ステップS71)、符合するパターンがあるか否かを判断する(ステップS72)。制御部10bは、ステップS72で符合するパターンがあると判断した場合(S72:YES)、符合する画像パターンを識別する情報と対応付けて特定の印刷フォーマットと特定し(ステップS73)、印刷設定を特定する処理を終了し、処理を図3のフローチャートに示した処理手順へ戻す。制御部10bは、ステップS72で符合しないと判断した場合(S72:NO)、そのまま印刷設定を特定する処理を終了し、処理を図3のフローチャートに示した処理手順へ戻す。
【0088】
文書ファイル出力装置1bによって文書ファイルが分割されて出力される処理を、具体的例を挙げて説明する。
【0089】
まず制御部10bは、分割判定部18の機能により、次に特定した原稿サイズがそれまでの原稿サイズと異なる場合、印刷設定の変化は有りと判定し、原稿サイズが変化するまでの原稿の画像データで1つの文書ファイルとして完成させる。
【0090】
図13は、FAX出力である原稿例のイメージ図である。図13に示すように、設定によってはFAX出力された原稿のヘッダ部(図中、ハッチングで示す)には、送信元の電話番号(FAX番号)が印字されている。
【0091】
文書ファイル出力装置1bの制御部10bは、図13に示したような原稿を読み取った画像データを取得した場合、OCR処理によって電話番号を取得できる。この場合、制御部10bは元の原稿はFAX出力であったと特定し、且つ、取得した電話番号を他の原稿と識別する情報として特定する。
【0092】
図13に示したような原稿を読み取った画像データを取得した場合、制御部10bは分割判定部18の機能により、次に特定した原稿の印刷設定がFAX出力でない場合、印刷設定の変化はありと判定する。又は制御部10bは、FAX出力であっても取得できた電話番号(FAX番号)が異なる場合、印刷設定の変化は有りと判定する。そして制御部10bは、図13に示したような原稿までの画像データで1つの文書ファイルとして完成させる。
【0093】
図14は、埋め込み画像有りの原稿例のイメージ図である。図14に示すように、画像埋め込みが可能な画像形成装置は、印刷設定により、特定の画像を原稿の複数の箇所に散在させるように重畳させることが可能である。埋め込み画像の位置は、任意の位置でもよいし、特定の箇所に埋め込まれるように設定されてもよい。
【0094】
文書ファイル出力装置1bの制御部10bは、図14に示したような原稿を読み取った画像データを取得した場合、画像データの特定の位置(例えば画像の左下端)から、特定のサイズ(例えば32×32画素)の領域を抽出し、記憶部11bに記憶してある複数の埋め込み画像のパターンとのパターンマッチングの処理を行なう。制御部10bは、記憶してあるパターンと符合しないと判断した場合には例えば、水平方向に右へ5画素ずらすなどして所定間隔で領域をずらしながらパターンマッチングの処理を行なう。制御部10bは、パターンマッチングにより、記憶部11bに記憶してある画像のパターンのいずれかに、符合するパターンが存在した場合、画像埋め込み有りの印刷設定であると特定し、且つ、符合した画像のパターンの識別情報(例えば通し番号、又はパターン名)を他の原稿と識別する情報として特定する。制御部10bは、パターンマッチングにより符合するパターンが存在しない場合には画像埋め込み無しと判断する。
【0095】
図14に示したような原稿を読み取った画像データを取得した場合、制御部10bは、分割判定部18の機能により、次に特定した原稿の印刷設定が画像埋め込み無しである場合、印刷設定の変化は有りと判定する。又は制御部10bは、画像埋め込み有りであっても符合した画像のパターンが異なる場合、印刷設定の変化は有りと判定する。そして制御部10bは、図14に示したような原稿までの原稿データで1つの文書ファイルとして完成させる。
【0096】
図15は、特定の印刷フォーマットで印刷された原稿例のイメージ図である。特定の帳票フォーマットなど、特定のレイアウトで印刷することが可能な画像形成装置もある。この場合、図15に示すように枠組が特定のレイアウトで印刷される。
【0097】
文書ファイル出力装置1bの制御部10bは、図15に示したような原稿を読み取った画像データを取得した場合、エッジ処理又は黒である画素の抽出を行なって枠組を特定し、記憶部11bに記憶してある特定の印刷フォーマットに対応する複数の枠組パターンとのパターンマッチングの処理を行なう。制御部10bは、記憶してあるパターンのいずれかに、符合するパターンが存在した場合、特定のフォーマットの印刷設定であると特定し、且つ、符合したフォーマットのパターンの識別情報(例えば通し番号、又はフォーマット名)を他の原稿と識別する情報として特定する。制御部10bは、パターンマッチングにより符合するパターンが存在しない場合には、特定の印刷フォーマットではないと判断する。
【0098】
図15に示したような原稿を読み取った画像データを取得した場合、制御部10bは、分割判定部18の機能により、次に特定した原稿の印刷設定が特定の印刷フォーマットでないと判断した場合、印刷設定の変化は有りと判定する。又は制御部10bは、特定の印刷フォーマットであると判断した場合であっても、符合したフォーマットのパターンが異なる場合、印刷設定の変化は有りと判定する。そして制御部10bは、図15に示したような原稿までの原稿データで1つの文書ファイルとして完成させる。
【0099】
このように、実施の形態1における文書ファイル出力装置1bは、読取装置30から取得した複数の原稿の画像データに基づき、画像データの元の原稿夫々の印刷設定を特定し、原稿サイズの変化等の印刷設定の変化に応じて文書ファイルを適切に分割して出力することができる。
【0100】
(実施の形態3)
実施の形態3では、文書ファイル出力装置1cは、印刷設定の変化が有ったと判定した場合に、ユーザへ通知を行なう構成とする。
【0101】
図16は、実施の形態3の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。実施の形態3における文書ファイル出力システムは、文書ファイル出力装置1c、記憶装置2、読取装置3、及びサーバ装置5を含む。実施の形態3における文書ファイル出力システムの構成は、文書ファイル出力装置1cによる通知処理が追加されたこと以外は、実施の形態1における構成と同様であるので、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0102】
サーバ装置5は、メールサーバ機能及びWebサーバ機能を有する。サーバ装置5は、文書ファイル出力装置1cから後述するような通知を受けた場合、受けた通知に応じてメールを送受信したり、Webページを作成したりすることが可能である。サーバ装置5は、文書ファイル出力装置1cからの通知を受けて作成したWebページ上のUI(User Interface)により、入力情報を取得した場合、取得した情報を文書ファイル出力装置1cへ送信する。なおサーバ装置5のメールサーバ機能及びWebサーバ機能は、文書ファイル出力装置1cが備える構成としてもよい。
【0103】
実施の形態3における文書ファイル出力装置1cは、実施の形態1同様にパーソナルコンピュータを用い、制御部10c、記憶部11c、一時記憶部12、入出力部13、通信部14、読出部15、及び表示部20を備える。制御部10cは、記憶部11cに記憶してある文書ファイル出力プログラム1Pcに基づき、後述するような各処理を実行する。
【0104】
表示部20は、例えば液晶パネルを用いた文書ファイル出力装置1cのモニタである。制御部10cからの指示に基づきUI画面を表示する。
【0105】
文書ファイル出力装置1cは、通信部14を介してサーバ装置5と通信することが可能である。制御部10cは、通信部14により作成したメールをサーバ装置5へ送信し、宛先へ送信するべく通知することが可能である。また制御部10cは、通信部14によりサーバ装置5へ接続し、Webページの作成を依頼する通知を行なうことが可能であり、サーバ装置5からWebページへの入力情報を受信することが可能である。
【0106】
図17及び図18は、実施の形態3における文書ファイル出力装置1cの制御部10cが行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートの内、実施の形態1における図3のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0107】
文書ファイル出力装置1cの制御部10cは、画像データ取得部16、及び印刷設定特定部17として機能し、読取装置3から取得した画像データに対し、1つずつ印刷設定を特定し、前後の印刷設定を比較する処理を行なう(S101〜S108)。
【0108】
そして制御部10cは、印刷設定の変化は有りと判定した場合(S109:YES)、ユーザへの通知を行なう(ステップS121)。このとき制御部10cは、ユーザへの通知手段として、確認のためのUI画面を表示部20に表示させる。このときUI画面には、印刷設定の変化は有りと判定した場合のI番目又はI+1番目の原稿の画像データが含まれ、ユーザが分割箇所を確認できるようにしてある。又は、制御部10cは、ユーザへの通知手段として、確認のためのUI画面及び確認用の原稿の画像データを貼付したメールを作成する。このときのメールの宛先は記憶部11cに記憶してある特定のアドレス、又は読取装置3による読み取りを実行したユーザの認証情報等から対応するアドレスを取得したものであってもよい。制御部10cは通知手段として、作成したメールを、サーバ装置5へ送信し、メールサーバ機能により宛先の端末装置へ送信させる。又は制御部10cはユーザへの通知手段として、確認のためのUI画面及び確認用の原稿の画像データを貼付したWebページの作成をサーバ装置5のWebサーバ機能に依頼する。そして制御部10cは、作成されたWebページへアクセスするためのアドレス情報を、メール又はメッセンジャーの機能によってユーザへ通知する。
【0109】
制御部10cは、ユーザへの通知への応答としてファイルの分割指示を受けたか否かを判断する(ステップS122)。具体的には制御部10cは、表示部20に表示させたUI画面上の分割指示の入力釦が図示しないキーボード又はマウスなどの入力デバイスによって押下されたか否かで分割指示を受けたか否かを判断する。又は制御部10cは、メールを送信している場合、送信したメールへの分割指示の示す返信を受信したか否かによって判断してもよい。また、制御部10cは、サーバ装置5のWebサーバ機能によって作成されたWebページのUI画面にて入力された情報に基づき、分割指示を受けたか否かを判断してもよい。
【0110】
制御部10cは、ステップS122にて分割指示を受けたと判断した場合に初めて(S122:YES)、I番目の原稿の画像データを、出力する文書ファイルに書き込み(S110)、I番目までの画像データで1つの文書ファイルとして完成させてファイルをクローズし、出力する(S111)。
【0111】
制御部10cは、ステップS122にて文書指示を受けなかったと判断した場合(S122:NO)、分割出力部19の機能により、I番目の原稿の画像データを、出力する文書ファイルに書き込み(S113)、処理をステップS112へ進める。このとき制御部10cは、表示部20に表示させたUI画面上の分割指示に対し、否とする釦が図示しないキーボード又はマウスなどの入力デバイスによって押下された場合に分割指示を受けなかったと判断する。又は、制御部10cは、所定時間(例えば1分)経過しても分割指示の入力釦の押下を検知しなかった場合に分割指示を受けなかったと判断してもよい。更に制御部10cは、送信したメールへの返信が所定時間経過してもなかった場合、又はWebページへのアクセス若しくは入力情報がなかった場合に、分割指示を受けなかったと判断してもよい。
【0112】
実施の形態3にて示したように、制御部10cが印刷設定の変化は有りと判定した場合に確認のためにユーザに分割指示を促す通知を行なうことにより、誤ってファイルを分割することを防止することができる。これにより、文書ファイル出力装置1cは、ユーザが視認して本当に印刷設定が変化し、分割されるべきところで別の文書ファイルとして出力され、不要な分割や誤った分割を回避することが可能である。
【0113】
(実施の形態4)
実施の形態4では、文書ファイル出力装置1dは、出力する文書ファイルの数が多い場合に、同一の印刷設定の文書ファイルを結合する構成とする。
【0114】
図19は、実施の形態4の文書ファイル出力システムの構成を示すブロック図である。実施の形態4における文書ファイル出力システムは、文書ファイル出力装置1d、記憶装置2、及び読取装置3を含む。実施の形態4のおける文書ファイル出力システムの構成は、文書ファイル出力装置1dによる文書ファイル結合処理が追加されたこと以外は、実施の形態1における構成と同様であるので、共通する構成には同一の符合を付して詳細な説明を省略する。
【0115】
文書ファイル出力装置1dは、実施の形態1同様にパーソナルコンピュータを用い、制御部10d、記憶部11d、一時記憶部12、入出力部13、通信部14、及び読出部15を備える。制御部10dは、記憶部11dに記憶してある文書ファイル出力プログラム1Pdに基づき、後述するような機能を実現する。
【0116】
図20は、実施の形態4の文書ファイル出力装置1dで実現される機能を示す機能ブロック図である。実施の形態4における文書ファイル出力装置1dの制御部10dは、記憶部11dに記憶されている文書ファイル出力プログラム1Pdを読み出して実行することにより、実施の形態1と同様に画像データ取得部16、印刷設定特定部17、分割判定部18及び分割出力部19dとして機能すると共に、ファイル結合部21として機能する。なお、夫々を特定の集積回路としてハードウェアにて実現してもよい。
【0117】
制御部10dは、分割出力部19dとして機能することにより、分割後のファイルを1つの文書ファイルとして記憶部11dに記憶するに際し、当該文書ファイルを分割するときに変化有りと判定した印刷設定を識別する情報を共に記憶部11dに記憶する。そして制御部10dは、ファイル結合部21として機能することにより、分割出力部19の機能によって出力した文書ファイルを、記憶部11dに記憶してある印刷設定の識別情報に基づき一部結合する。文書ファイル出力装置1dは、分割及び一部を結合した後の各文書ファイルを入出力部13から記憶装置2へ出力する。
【0118】
図21は、実施の形態4の文書ファイル出力装置1dの制御部10dが行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートの内、実施の形態1における図3のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0119】
文書ファイル出力装置1dの制御部10dは、画像データ取得部16、印刷設定特定部17、及び、分割判定部18として機能し、読取装置3から取得した画像データに対し、1つずつ印刷設定を特定し、前後の印刷設定を比較する処理を行ない、印刷設定に変化有りと判定した場合に文書ファイルを分割して出力する(S101〜S115)。
【0120】
このとき文書ファイル出力装置1dの制御部10dは、分割出力部19dの機能により、ステップS111及びステップS115にて文書ファイルを出力するに際し、ステップS107でI番目の原稿に対して特定した印刷設定を、出力する文書ファイルに対応付けて記憶部11dに記憶しておく。
【0121】
そして制御部10dは、ファイル結合部21の機能により、文書ファイルの分割処理を行なった後、記憶部11dに記憶されてある出力された文書ファイルは3つ以上であるか否かを判断する(ステップS116)。なお、このときの文書ファイルの数は3つとは限らず、4又はそれ以上であってもよい。
【0122】
制御部10dは、文書ファイルが3つ以上であると判断した場合(S116:YES)、各文書ファイルに対応付けて記憶してある印刷設定の識別情報を読み出す(ステップS117)。制御部10dは、読み出した印刷設定の識別情報に基づき、同一又は同種であって符合する印刷設定が有るか否かを判断する(ステップS118)。制御部10dは、符合する印刷設定が有ると判断した場合(S118:YES)、符合する印刷設定が対応付けて記憶されてある文書ファイルを、出力してある連番順に結合し(ステップS119)、処理をそのまま終了する。
【0123】
制御部10dは、文書ファイルが2つ以下であると判断した場合(S116:NO)、処理をそのまま終了する。また制御部10dは、ステップS118にて符合する印刷設定が無いと判断した場合(S118:NO)、結合を行なわずに処理をそのまま終了する。
【0124】
実施の形態4にて示したように、制御部10dが分割処理後に、符合する印刷設定の文書ファイルを結合する処理を行なうことにより、例えば、4つに割り付けて印刷された原稿の画像データは1つの文書ファイルとして出力される。また、同一の帳票フォーマットの原稿の画像データは1つの文書ファイルとして出力される。これにより、読み取られる複数の原稿に散在する同一の印刷設定の原稿データを1つにまとめ、不要に多数の文書ファイルが出力されることを回避することが可能である。
【0125】
上述の実施の形態1から4はいずれも、相互に組み合わせて機能を実現してもよいことは勿論である。
【0126】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0127】
1,1b,1c,1d 文書ファイル出力装置
10,10b,10c,10d 制御部
11,11b,11c,11d 記憶部
12 一時記憶部
13 入出力部
14 通信部
16 画像データ取得部
17,17b 印刷設定特定部
18 分割判定部
19,19d 分割出力部
20 表示部
21 ファイル結合部
1P,1Pb,1Pc,1Pd 文書ファイル出力プログラム
4P 文書ファイル出力プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字又は図形が印刷された複数の原稿から連続して読み取られる画像データを、読み取り順と対応付けて取得する手段を備え、取得した複数の画像データを1つ又は複数ずつ分割し、各々文書ファイルとして出力する文書ファイル出力装置において、
前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を特定する特定手段と、
1つの原稿の印刷設定が、前又は後の原稿の印刷設定と比して変化したか否かを判定する判定手段と、
該判定手段が変化したと判定した場合に、前又は後の原稿の画像データまでを1つの文書ファイルとして出力する手段と
を備えることを特徴とする文書ファイル出力装置。
【請求項2】
前記特定手段は、
各画像データの元の原稿が含む割り付けページ数、元の原稿の縮小率、元の原稿における枠組印刷の有無、元の原稿がカラー印刷であるか否か、元の原稿のサイズ、埋め込み画像、元の原稿の印刷フォーマット、又は、元の原稿内の特定領域内の文字列
の内のいずれか1つ又は複数を特定するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の文書ファイル出力装置。
【請求項3】
前記特定手段は、
画像データと予め記憶してある特定の画像パターンとが符合するか否かにより特定するようにしてあること
を特徴とする請求項2に記載の文書ファイル出力装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を、前記読み取り順に特定するようにしてあること
を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の文書ファイル出力装置。
【請求項5】
前記判定手段が変化したと判定した場合に、通知を行なう手段を更に備えること
を特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の文書ファイル出力装置。
【請求項6】
出力する複数の文書ファイルの内、前記特定手段が特定した印刷設定が符合する原稿の画像データからなる文書ファイルを抽出する手段と、
抽出した文書ファイルを1つの文書ファイルに結合する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の文書ファイル出力装置。
【請求項7】
文字又は図形が印刷された複数の原稿から連続して読み取られる画像データを、読み取り順と対応付けて取得し、取得した複数の画像データを1つ又は複数ずつ分割し、各々文書ファイルとして出力する文書ファイル出力方法において、
前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を特定するステップと、
1つの原稿の印刷設定が、前又は後の原稿の印刷設定と比して変化したか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップが変化したと判定した場合に、前又は後の原稿の画像データまでを1つの文書ファイルとして出力するステップと
を含むことを特徴とする文書ファイル出力方法。
【請求項8】
コンピュータに、文字又は図形が印刷された複数の原稿から連続して読み取られる画像データを、読み取り順と対応付けて取得させ、取得された複数の画像データを1つ又は複数ずつ分割させて各々文書ファイルとして出力させるコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記複数の画像データの元の原稿の印刷設定を特定する特定ステップと、
1つの原稿の印刷設定が、前又は後の原稿の印刷設定と比して変化したか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップが変化したと判定した場合に、前又は後の原稿の画像データまでを1つの文書ファイルとして出力するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−93777(P2013−93777A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235396(P2011−235396)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】