説明

斎場における棺の重量計測装置

【課題】火葬炉内ではなく、それ以外の場所で棺の重量を計測すること。但し、火葬炉以外の場所で棺の重量を計測した場合には、その計測結果をこれから使用する火葬炉用の制御盤に間違いなく送信することが望まれる。
【解決手段】複数の火葬炉と、火葬状態を制御する各火葬炉用の制御盤と、棺を載せて火葬炉まで移動させる棺台車とが配備され、棺台車には火葬に関する事項を表示可能な表示部を備える端末器と、棺を載せる台車本体とが設けられている斎場において、棺台車には、棺の重量を計測する計測器と、計測器で計測された棺の重量を示す棺重量データを送信する送信部とが設けられ、各火葬炉用の制御盤には、送信部から送信された棺重量データを受信可能又は受信不能に切り換えられる受信部と、棺の重量を表示可能な表示部とが設けられていることを特徴とする斎場における棺の重量計測装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の火葬炉と、火葬状態を制御する各火葬炉用の制御盤と、棺を載せて火葬炉まで移動させる棺台車とが配備され、棺台車には火葬に関する事項を表示可能な表示部を備える端末器が設けられている斎場における棺の重量計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棺の重量計測装置としては、火葬炉の室内の床下にロードセルを設けたものが知られている(特許文献1)。そして、重量値に基づいて火葬パターンを決める試みが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3878247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の火葬炉を備える斎場において、その全ての火葬炉にロードセルを配置することは、設備費用が嵩む要因となる。しかも、重量を直に検出するロードセルは、高価でもある。その他に、棺の重量計測装置が故障した場合に、床下のロードセルを調べることは、非常に大変な作業になる。このように、火葬炉内で棺の重量を計測することには、色々な問題があり、これら問題の少なくとも一つを解消することが望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情を考慮したもので、火葬炉内ではなく、それ以外の場所で棺の重量を計測することを目的とする。但し、火葬炉以外の場所で棺の重量を計測した場合には、その計測結果をこれから使用する火葬炉用の制御盤に間違いなく送信することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数の火葬炉と、火葬状態を制御する各火葬炉用の制御盤と、棺を載せて火葬炉まで移動させる棺台車とが配備され、棺台車には火葬に関する事項を表示可能な表示部を備える端末器と、棺を載せる台車本体とが設けられている斎場を前提とする。
【0007】
そして、本発明の斎場における棺の重量計測装置は、棺台車には、棺の重量を計測する計測器と、計測器で計測された棺の重量を示す棺重量データを送信する送信部とが設けられ、各火葬炉用の制御盤には、送信部から送信された棺重量データを受信可能又は受信不能に切り換えられる受信部と、棺の重量を表示可能な表示部とが設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、火葬炉と棺台車との配備数については問わない。ただし、計測器を設ける数量を少なくするには、次のようにすることが望ましい。すなわち、棺台車は、火葬炉よりも少数配備されていることである。
【0009】
各棺台車の端末器の表示部は、棺の重量を表示する画面を設けてあるか否かについては問わない。但し、故人の尊厳や御遺族に対して配慮すれば、以下のようにすることが望ましい。すなわち、各棺台車用の端末器の表示部は、棺の重量を表示する画面を備えていないことを特徴とする。
【0010】
また、棺の重量を計測した場合には、その計測結果をこれから使用する火葬炉用の制御部に間違いなく送信することが望まれる。これを自動的に行うには、次のようにすることが望ましい。すなわち、各火葬炉には、火葬炉前面の扉を開閉操作するための扉操作部と、扉操作部に対する操作を受けて扉を開閉させる扉開閉装置が設けられ、各棺台車の台車本体には、台車部と、台車部の上方に配置される棺載置部と、台車部に対して棺載置部を昇降可能に駆動する棺昇降装置とが設けられ、棺昇降装置には昇降操作するための棺昇降操作部が設けられ、各火葬炉用の制御盤は、対応する扉操作部に対する開操作を受けると、開操作を有効なものとして取り扱うか否か判断し、有効なものとして取り扱う場合には当該火葬炉の制御盤は対応する受信部による受信を可能とし、且つ当該火葬炉以外の制御盤は対応する受信部による受信を不能とし、棺台車には、棺重量データを端末器の送信部から送信する操作部を備えているものである。
【0011】
更に、棺重量データを端末機の送信部から送信する操作部は、専用の操作部であってもよいが、操作の簡略化のためには、つぎのようにすることが望ましい。すなわち、棺昇降操作部の上昇操作部は、棺重量データを端末器の送信部から送信する操作部を兼用していることである。
【0012】
棺の重量の計測時期は、端末器の送信部から送信される前までであれば良い。また、計測するために計測器に専用の計測開始操作部があるか否かは問わないし、棺を棺載置部に載せると自動的に計測されるものであってもよい。ただし、信頼性の高い棺重量データを得るには、できるだけ火葬炉に棺を納める直前であることが望ましい。また、その操作も簡略化できることが望ましい。その一例としては、棺昇降操作部の上昇操作部は、棺重量データを端末器の送信部から送信する操作部と、計測器における計測開始操作部とを兼用していることである。
【0013】
棺昇降装置の昇降方式は問わないが、以下のようにすることが、昇降方式を利用したものと言える。すなわち、棺台車の棺昇降装置は、油圧式であって、棺載置部に棺が載った場合の油圧を計測器は、棺重量データとして計測するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、棺台車に設けられた計測器よって棺重量を計測するので、従来のような火葬炉の床下に計測器を配備する場合に比べて、計測器のメンテナンスがしやすく、斎場の施工も容易となる。また、各火葬炉用の制御盤に設けられた受信部を受信可能又は受信不能を切り換えられるので、受信部が受信可能となるように準備した後に、棺台車の送信部から棺重量データを送受信すれば、棺重量データをこれから使用する火葬炉用の制御部に間違いなく送信することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、棺台車を火葬炉よりも少数配備してあるので、計測器の数量が少なくてすみ、棺台車と火葬炉を同数配備する場合に比べれば、斎場における費用が安価となる。
【0016】
更に、請求項3に記載の発明によれば、棺台車の端末器の表示部では、棺重量を表示できないので、斎場に参列なさった御遺族が端末器を見て棺重量を知ることができないので、御遺族に対する配慮が十分なされており、火葬を円滑に行うことができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、扉操作部に対する開操作を受けて、開操作を有効なものとして取り扱う場合には当該火葬炉の制御盤は対応する受信部による受信を可能とし、且つ当該火葬炉以外の制御盤は対応する受信部による受信を不能する。従って、その後に、棺台車の操作部を操作すると、棺台車の端末器の送信部から棺重量データが送信され、当該火葬炉の制御盤に対応する受信部のみが棺重量データを受信するので、棺重量データと、これから使用する火葬炉用の制御部との対応関係が自動的に取れる。
【0018】
更に、請求項5に記載の発明によれば、棺昇降操作部の上昇操作部に対する操作を受けて、棺重量データが端末機の送信部から自動的に送信されるので、操作が容易となる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明によれば、棺昇降操作部の上昇操作部が、複数の操作部を兼用している、つまり、棺重量データを端末器の操作部から送信する操作部と、計測器における計測開始操作部とを兼用しているので、操作が一段と容易となる。
【0020】
更に、請求項7に記載の発明によれば、棺台車の棺昇降装置が油圧式であることを巧みに利用したものである。しかも、計測器は、その油圧により棺の重量を検出するものなので、重量を直に検出するロードセルに比べて安価になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の斎場における棺の重量計測装置を用いた重量計測手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の斎場における棺の重量計測装置の主要部を示す説明図である。
【図3】(イ)(ロ)図は、扉の閉状態、開状態を示す説明図である。
【図4】斎場の内部を示す平面図である。
【図5】棺台車の端末器の表示部を示す説明図である。
【図6】棺台車の台車部と、棺載置部との関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を適用する斎場には、図4に示すように、建物1の正面側に棺用入口2が設けられ、棺用入口2の前には霊柩車3を止めるための車寄せ4が設けられている。霊柩車3まで棺台車8を移動させて、棺を棺台車8に載せる。建物1内には火葬炉5が並列して設置されると共に、告別室6及び収骨室7が設けられている。なお、図示しないが、別の場所には待合室が設けられている。火葬炉5、告別室6、収骨室7、待合室及び棺台車8はいずれも複数設けられ、火葬炉5の数量は棺台車8のそれよりも多くなっている。その他に、建物1内には、棺台車8を保管する保管室9、及び事務室10が設けられている。
【0023】
前記した斎場に本発明の棺の重量計測装置が適用される。事務室10内にはホストコンピュータ21が設置されている。ホストコンピュータ21内には、この斎場で行われる火葬の運行計画を登録するための専用のソフトウェアがインストールされている。そして、事務員が運行計画登録用のソフトウェアを実行すると、ホストコンピュータ21の表示装置に運行計画を登録するためのテーブルが表示される。そして、事務員が入力装置を操作して、このテーブルに設けられた入力欄に、火葬に関する事項(故人名や、告別室6の使用時刻等)に関するデータを入力して登録する。
【0024】
運行計画のテーブルは、日ごとに作成される。この運行計画のテーブルに登録された故人名等を、図5に示すような棺台車8の端末器85の表示部87で参照できるようにする。そのために、図2に示すようにホストコンピュータ21と棺台車8の端末器85にはデータ通信を可能とする無線用の送受信部22、86がそれぞれ設けられている。また、ホストコンピュータ21と各火葬炉5の制御盤55とは、データ通信を可能とするように通信ケーブルで接続されている。
【0025】
火葬炉5の制御盤55は、図4に示すように各火葬炉5の背面に設置されており、一方、各火葬炉5の正面には、扉5aが開閉可能に配備されている。
【0026】
図2又は図3に示すように扉5aを開閉する扉開閉装置51は、扉5aを開閉可能に駆動する扉開閉装置本体部53と、扉開閉装置本体部53に対する扉5aの昇降操作をするための扉操作部52とを備えている。扉開閉装置本体部53は、図示の例では、扉5aを昇降させるものであるが、これに限らず、扉5aを左右に移動させるものであっても良い。
【0027】
扉操作部52は、扉5aの近傍の壁5bに設けられ、押ボタン式で、開ボタンと閉ボタンとが設けられている。また、扉操作部52は、火葬炉5の制御盤55の一部でもある。
【0028】
火葬炉5の制御盤55は、コンピュータが組み込まれており、図2に示すように扉操作部52の他に、火葬状態を制御する主制御部56と、火葬の制御状態を表示する表示部57と、送受信部58を備えている。
【0029】
主制御部56が図示しないバーナーに対する燃料の供給量等を自動制御することによって、火葬が適切に行われる。また、主制御部56は、当該火葬炉5の扉操作部52に対する開操作を受けると、操作を有効なものとして取り扱うか否かを全ての火葬炉5の状況に基づいて判断する。例えば、開操作を受けた当該火葬炉5が既に燃焼していないか、或いは他の火葬炉5の扉5aが既に開いた状態となっていないか、等の条件を満たすか否かを判断する。そして、条件を満たしていない場合には、開操作を無効なものとして取り扱うと判断し、主制御部56は、扉開閉装置本体部53に対し開信号を出力せず、扉5aを開かない。
【0030】
一方、当該火葬炉5が燃焼しておらず、他の火葬炉5の扉5aが全て閉まっている、等の条件を満たしている場合には、主制御部56は、開操作を有効なものとして取り扱うと判断する。そして、主制御部56は、扉開閉装置本体部53に対し扉5aを開く信号を送り、扉開閉装置本体部53が扉5aを開くと共に、それまで受信不能な状態であった送受信部58を一定期間だけ受信可能な状態に切り換える。この送受信部58は、端末器85の送受信部86から送信される送信データを受信する。なお、受信された送信データは、ホストコンピュータ21に転送される。その一方、当該火葬炉5以外の主制御部56は、対応する扉操作部52に対する開操作を受けたとしても、その開操作を無効なものとして取り扱うと判断することから、対応する送受信部58を受信不能な状態にそのまま維持する。
【0031】
棺台車8は図3又は図6に示すように、棺を載せる台車本体81と、コンピュータを組み込んだ端末器85とが一体となったものである。
【0032】
台車本体81は、具体的に言えばフォークリフトであって、キャスター付きの台車部82と、棺を載せる棺載置部83と、棺載置部83を台車部82に対して昇降可能に駆動する油圧式の棺昇降装置84とを備えている。
【0033】
台車部82は、平面視するとコの字状に開口する形状であって、開口方向の反対側に棺昇降装置84を起立する状態で固定してある。そして、棺昇降装置84の上部において棺載置部83は昇降可能となっている。従って、棺載置部83の下方には、コの字状に開口する空間があり、この空間に、火葬用台車5cを載せた前室用コンベヤ5dの先端部が受け入れられる。従って、コの字の開口方向が火葬炉5内の前室用コンベヤ5dに向かって棺台車8を進める際の進行方向となる。
【0034】
棺載置部83は、水平方向において平行に配置された二本の爪(フォーク)である。そして、このフォークを昇降するのが、油圧式の棺昇降装置84である。
【0035】
棺昇降装置84は、図2又は図3に示すように、棺載置部83を台車部82の上で片持ち支持しながら昇降するものであって、シリンダ等から構成される油圧回路が組み込まれた棺昇降装置本体部84aと、棺昇降装置本体部84aに対して昇降操作をするための棺昇降操作部84bと、棺の重量を計測する計測器84cとを備えている。棺昇降操作部84bは、ボタン式であって、上昇ボタン、下降ボタンが設けられている。この上昇ボタンが、棺重量データを端末器85の送受信部86から送信する操作部と、計測器84cにおける計測開始部とを兼用している。
【0036】
計測器84cは、圧力センサ、より詳しく言えばダイヤフラム式の圧力センサを用いるもので、シリンダ等の油圧回路内の油の圧力値を検出するものである。更に詳しく言えば、計測器84cは、棺を棺載置部83に載せた状態での油の圧力値を、棺の重量を示す棺重量データとして検出する。従って、この実施例では、計測器84cは、棺重量データとして、棺だけでなく棺載置部83も含めた圧力値を検出する。また、この計測器84cは、50〜130kgの棺の重量に見合った圧力値が計測できればよく、それ以外の範囲は、50kg未満か、130kgよりも重いのかが分かれば十分である。しかも、50〜130kgの範囲においても、5kg刻みの精度で重量が分かれば火葬においては十分である。従って、このレベルの検出精度を要求する計測器84cであれば、費用も安価である。
【0037】
この圧力値は、最終的にホストコンピュータ21で演算され、棺の重量のみからなる棺重量データとなる。より詳しく言えば、この圧力値から、棺載置部83等の余分な重量分の圧力値を差し引いた上で、その差し引いた圧力値を重量値に換算することによって棺の重量のみからなる棺重量データが求められる。ホストコンピュータ21は、50kg相当≦差し引いた後の圧力値<52.5kg相当の範囲であれば、50kgと演算し、52.5kg相当≦差し引いた後の圧力値<60kg相当の範囲であれば55kgと演算する。
【0038】
端末器85は、コンピュータが組み込まれており、図2又は図5に示すように、前記の送受信部86のほか、タッチパネル式の表示部87と、送受信部86及び表示部87を制御する主制御部88を備えている。主制御部88は、専用のプログラムに従って、表示部87に、メニューを表示させる。メニューは端末器85で実行できる複数のコマンドを表示したもので、係員がタッチすることによってそのコマンドが選択されて実行される。メニューの中の故人確認フォーム用のコマンドを係員がタッチすると、図5に示すように、端末器85の表示部87には、故人確認フォームが表示され、その中に当日の火葬予定者が表示される。但し、メニューには、棺の重量を表示するコマンドは無い。従って、端末器85では、棺の重量を表示することはできない構成となっている。
【0039】
また、主制御部88は、棺昇降操作部84bの上昇ボタンが操作されると、棺を所定量上昇させ、静止状態とした上で、計測器84cに対し計測開始信号を出力し、計測器84cが棺の重量を圧力値として計測し、その圧力値としての棺重量データを一定期間だけ送受信部58から送信する。
【0040】
前記した斎場における棺の重量計測装置を用いた計測方法は、作業者の操作によって、以下の通りに行われる。また、図1には、その手順の主要な部分が示されている。
(1)霊柩車3に棺台車8を移動させ、霊柩車3内の棺に合わせて棺台車8の棺載置部83を低くしてから棺を棺載置部83の上に載せる。
(2)棺台車8を告別室6に移動させ、棺載置部83を少し上昇させる。
(3)告別室6から棺台車8を火葬炉5の前に移動させる。
(4)作業者が火葬炉5の扉操作部52の開ボタンを押す(図3(イ)参照)。
(5)開ボタンの操作が有効か否か当該火葬炉5の制御盤55の主制御部56が判断する。無効な場合は扉5aを開かない。
(6)有効な場合は、当該制御盤55の主制御部56は、当該扉操作部52に対応する扉開閉装置本体部53に対し指令を送り、扉5aを開けると共に、当該制御盤55の送受信部58を受信可能な状態に切り換える。このときに他の制御盤55の送受信部58は、受信不能な状態となっている。
無効な場合は、扉5aを閉めた状態に維持する。
(7)作業者が棺台車8の棺昇降操作部84bの上昇ボタンを押す。棺台車8の棺載置部83が所定量上昇し、火葬炉5内の前室用コンベヤ5dに載った火葬用台車5cに対して、棺を移送可能な状態とする。より具体的言えば、図3(ロ)に示すように棺を火葬炉5内の前室用コンベヤ5dに載った火葬用台車5cよりも少し高くする。これは、火葬用台車5cに棺を受け渡す際には、火葬用台車5cの真上に棺を位置させた状態で棺載置部83を下降させることによって、棺を火葬用台車5cの上に載せるためである。
(8)上昇操作を受けて、計測器84cが計測を行い、棺台車8における端末器85の主制御部88は、計測器84cで計測した圧力値を棺だけでなく棺載置部83も含めた棺重量データとして送受信部86から送信する。
(9)唯一受信可能な状態となっている当該火葬炉5の制御盤55の送受信部58が圧力値を受信する。
(10)その受信した圧力値を当該制御盤55の主制御部56が、ホストコンピュータ21に転送する。ホストコンピュータ21では、圧力値に基づいて棺の重量のみからなる棺の重量データを演算し、保存する。
(11)棺の重量のみからなる棺重量データがホストコンピュータ21から当該制御盤55に送信され、その表示部57に棺の重量が表示される。以上である。
【0041】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、棺重量データは、本実施例では、検出した圧力値であって、棺の重量だけでなく載置部等の重量も含めた圧力値であるが、棺の重量のみからなる重量データであっても良い。なぜなら、検出した圧力値から、棺の重量のみが含まれる棺の重量値を求めることは、容易だからである。したがって、計測器84cが、検出した圧力検出値に基づいて棺の重量のみからなる棺重量データを演算し、その棺重量データを端末器85の送受信部86から送信するものであっても良い。
また、棺の重量の計測を開始する専用の計測開始操作部や、棺重量データを端末器85の送受信部86から送信する専用の操作部を、計測器84cに設けても良い。
【符号の説明】
【0042】
1建物
2棺用入口
3霊柩車
4車寄せ
5火葬炉
5a扉
5b壁
5c火葬用台車
5d前室用コンベヤ
6告別室
7収骨室
8棺台車
9保管室
10事務室
21ホストコンピュータ
22送受信部
51扉開閉装置
52扉操作部
53扉開閉装置本体部
55制御盤
56主制御部
57表示部
58送受信部
81台車本体
82台車部
83棺載置部
84棺昇降装置
84a棺昇降装置本体部
84b棺昇降操作部
84c計測器
85端末器
86送受信部
87表示部
88主制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の火葬炉と、火葬状態を制御する各火葬炉用の制御盤と、棺を載せて火葬炉まで移動させる棺台車とが配備され、棺台車には火葬に関する事項を表示可能な表示部を備える端末器と、棺を載せる台車本体とが設けられている斎場において、
棺台車には、棺の重量を計測する計測器と、計測器で計測された棺の重量を示す棺重量データを送信する送信部とが設けられ、
各火葬炉用の制御盤には、送信部から送信された棺重量データを受信可能又は受信不能に切り換えられる受信部と、棺の重量を表示可能な表示部とが設けられていることを特徴とする斎場における棺の重量計測装置。
【請求項2】
棺台車は、火葬炉よりも少数配備されていることを特徴とする請求項1に記載の斎場における棺の重量計測装置。
【請求項3】
各棺台車用の端末器の表示部は、棺の重量を表示する画面を備えていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の斎場における棺の重量計測装置。
【請求項4】
各火葬炉には、火葬炉前面の扉を開閉操作するための扉操作部と、扉操作部に対する操作を受けて扉を開閉させる扉開閉装置が設けられ、
各棺台車の台車本体には、台車部と、台車部の上方に配置される棺載置部と、台車部に対して棺載置部を昇降可能に駆動する棺昇降装置とが設けられ、棺昇降装置には昇降操作するための棺昇降操作部が設けられ、
各火葬炉用の制御盤は、対応する扉操作部に対する開操作を受けると、開操作を有効なものとして取り扱うか否か判断し、有効なものとして取り扱う場合には当該火葬炉の制御盤は対応する受信部による受信を可能とし、且つ当該火葬炉以外の制御盤は対応する受信部による受信を不能とし、
棺台車には、棺重量データを端末器の送信部から送信する操作部を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の斎場における棺の重量計測装置。
【請求項5】
棺昇降操作部の上昇操作部は、棺重量データを端末器の送信部から送信する操作部を兼用していることを特徴とする請求項4記載の斎場における棺の重量計測装置。
【請求項6】
棺昇降操作部の上昇操作部は、棺重量データを端末器の送信部から送信する操作部と、計測器における計測開始操作部とを兼用していることを特徴とする請求項5記載の斎場における棺の重量計測装置。
【請求項7】
棺台車の棺昇降装置は、油圧式であって、棺載置部に棺が載った場合の油圧を計測器は、棺重量データとして計測することを特徴とする請求項4、5又は6記載の斎場における棺の重量計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251686(P2012−251686A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123305(P2011−123305)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000141808)株式会社宮本工業所 (22)