説明

断熱及び耐火構造体。

【課題】 日常の室外側と室内側の室内外気温を遮断する目的の断熱構造体と、火災発生時の耐火構造体として機能することができる断熱及び耐火構造体を得ること。
【解決手段】 断熱及び耐火構造体を断熱発泡体の断熱部材とし、該断熱部材の内部に火炎など高温で発泡する膨張性黒鉛の耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材として形成し、また、金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体の室外側と室内側との間を熱伝導遮断部材で連結すると共に該室外側と室内側のそれぞれに所定の区分に区画した空洞部を形成し、該空洞部に断熱部材と耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材を内設している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常の室内外気温を遮断することが可能な断熱構造体と、火災発生時には耐火構造体として機能するサッシ窓枠及び防火戸などの断熱及び耐火構造体に関する。
(なお、本明細書において、断熱及び耐火構造体の定義として、外気温及び室温を伝えにくくするための構造体を断熱構造体とし、火災発生時の高熱に耐え、また熱を伝えにくくするための構造体を耐火構造体と、分けて示す。)
【背景技術】
【0002】
従来、アルミサッシ窓枠などに施される断熱対策は、該窓枠の室外側と室内側の熱伝導を防ぐ目的で、該室外側の枠と室内側の枠の間に樹脂製の熱伝導遮断部材を施して伝導熱を遮断し、且つ該窓枠の内部に、それぞれ断熱部材を設けて断熱対策を施した窓として提供されている。
【0003】
また、防火窓枠は、その枠内部に膨張性黒鉛(発泡前は固形として形状を保つが、発泡したとき、発泡そのものは保ちながらも、全体として自身で形状を保つことができないふわふわとした物体で、容器体に内有させる必要がある。)などの耐火性資材のシート材を内設し、火災発生時、該シート材が熱発泡して耐火窓枠として機能し、また防火戸には、扉内部に耐火性資材を設けて火災発生時、火炎を遮断する目的の防火戸として提供されている。
【0004】
上述したように、日常の内外気温を遮断する目的の断熱構造体と、火災発生時の耐火構造体として機能する目的のものが、日常の断熱対策と、非日常の耐火対策としてそれぞれに対応するものとして提供されていた。
【0005】
而して、窓サッシの防火構造の先行技術の先願例として、プラスチックサッシの保温及び結露防止性能を維持しつつ、防火性能を高めることを目的として、「窓サッシ材の主要部を構成する熱可塑性樹脂を主材とする外殻部材の内部に、耐火性に富んだ繊維強化熱硬化性樹脂から成る障壁部材を設け、この障壁部材により外殻部材の内部に防火壁を形成し、これを実質的に窓ガラスと接触させて窓前面に渡る防火壁を形成させる」とした実施例が開示される「窓サッシ材」がある。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
また、合成樹脂サッシの防火性を構成する防火構造の先行技術の先願例として、合成樹脂サッシの防火性を目的として、「合成樹脂製本体の2個の空洞の各々に型鋼部材と耐火性資材とを充填し、その型鋼部材として上記空洞の内外方向略中央部を上記空洞に沿って延在する中央壁部とその中央壁部の両側縁から内外両方に延出するフランジ壁部とを有するものを使用し、その型鋼部材の中央壁部の内外両側に耐火性資材を存在させた」とした実施例が開示される「サッシ材」がある。(例えば、特許文献2参照)
【0007】
さらに、扉枠に対して扉本体が開閉可能に設けられた断熱防火扉枠構造の先行技術の先願例として、断熱防火扉枠構造の断熱性能及び防火性向上を目的として、「金属製の扉本体(2)の中空部に断熱耐火樹脂発泡体(7d)が内包され、フェノール樹脂発泡体からなり、不織布により表裏面が保護され、前記建物の1階層分の壁の高さに対応させて切断された複数の断熱耐火樹脂発泡体(7b,7c,7a)が前記扉枠(1)の内部の閉塞された3面に沿って連続的に配置され、前記扉枠(1)の内部に連続的に配置された複数の断熱耐火樹脂発泡体(7b,7c,7a)と、前記扉本体(2)の中空部に内包された断熱耐火樹脂発泡体(7d)とがオーバーラップするように構成されると共に、前記扉枠(1)の最も室内側(B)に配置された断熱耐火樹脂発泡体(7a)が前記扉枠(1)周囲の壁パネル(5)の室内側(B)の面に沿って延伸するようにしたことで前記開口部周辺の壁が構成された」とした実施例が開示される「断熱防火扉枠構」がある。(例えば、特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−60947号公報
【特許文献2】特開平2−140383号公報
【特許文献3】特許第4194786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、日常の室内外気温を遮断する目的の断熱構造体と、火災発生時の耐火構造体としての機能を付加する目的のものが個別に使用されていたことから、断熱構造体を使用するものは、火災発生時の耐火構造に対応できず、また耐火構造体を使用するものは、日常の室内外気温を遮断する性能が劣り、双方の性能を享受できるものが求められていた。
【0010】
而して、先行技術である特許文献1の「窓サッシ材」は、窓サッシ材の主要部を構成する熱可塑性樹脂を主材とする外殻部材の内部の耐火性に富んだ繊維強化熱硬化性樹脂の障壁部材により外殻部材の内部に防火壁を形成し、これを実質的に窓ガラスと接触させて窓前面に渡る防火壁を形成させるもので、この構成は、一般的に使用されるアルミサッシより断熱効果はあるものの、室内外気温を遮断する断熱発泡体の断熱部材より日常の断熱効果が低く、その改善が求められていた。
【0011】
また、特許文献2の「サッシ材」は、合成樹脂製本体の2個の空洞の各々に型鋼部材と耐火性資材とを充填していることであり、上述した特許文献1と同様、日常の断熱効果が低いと言う課題があり、その改善が求められていた。
【0012】
さらに、特許文献3の「断熱防火扉枠構」は、金属製の扉本体の中空部にフェノール樹脂発泡体の断熱耐火樹脂発泡体が、予め発泡した状態で、扉本体の中空部の形状に合わせて内包させることから、扉本体の中空部と断熱耐火樹脂発泡体との微少な隙間を埋めることができず、また火災の高熱による扉枠の変形を生じることが多く、その変形により隙間が生じ、その隙間から煙り、火炎が入り込むことで防煙等機能が劣り、また扉枠は、室内側から室外側に亘って連続した一体の金属製で構成していることから、その一体の構成により室内側から室外側へ伝導熱が伝わりやすく断熱性が劣る課題も残され、その改善が求められていた。
【0013】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、日常の室内外気温を遮断する目的の断熱性と、火災発生時には耐火性能を発揮し、また室外側と室内側の金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体を伝う室内外気温の熱伝導も遮断する断熱及び耐火性構造体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を有効に達成するために、第1の解決手段として、サッシ窓枠の枠体内部又は防火戸の扉体内部に設ける断熱及び耐火構造体を、断熱発泡体の断熱部材と、該断熱部材の内部に火炎など高温で発泡する膨張性黒鉛の耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材として形成したことにより、
日常の室外側と室内側の室内外気温を遮断する断熱構造体とし、火災発生時にはその高熱で発泡して耐火構造体として機能するとしている。
【0015】
また、第2の解決手段として、金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体の室外側と室内側との間を熱伝導遮断部材で連結すると共に該室外側と室内側のそれぞれに所定の区分に区画した空洞部を形成し、該空洞部に断熱部材と耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材を内設することにより、
室内外気温を遮断する断熱構造体と、火災発生時にはその高熱で発泡して耐火構造体として機能すると共に室外側と室内側の熱伝導を低く抑えるとしている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上述したそれぞれの手段によって有効な効果が得られるようにしたもので、特に、第1の解決手段のサッシ窓枠の枠体内部又は防火戸の扉体内部に設ける断熱及び耐火構造体において、該構造体を、断熱発泡体の断熱部材と、該断熱部材の内部に火炎など高温で発泡する膨張性黒鉛の耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材として形成したことによりその効果は、
従来の課題であった、日常の室外側と室内側の室内外気温を遮断する目的の断熱構造体と、火災発生時の耐火構造体としての機能を有し、従来のように断熱構造体と耐火構造体としてそれぞれ個別に設けることなく、二重構造体として室外側と室内側の室内外気温を遮断する目的で耐熱耐火と熱伝導を低く抑えることができる。
【0017】
つまり、日常の室外側と室内側の室内外気温を断熱発泡体の断熱部材が遮断し、火災発生時、その火災の高熱で該断熱発泡体の発泡が消失すると共にその高熱で膨張性黒鉛の耐火部材が発泡することで、その断熱発泡体の発泡が消失した部分に発泡した膨張性黒鉛を充満させ、高密に密閉して耐火性能を発揮することができ、さらに高熱による枠体内部又は扉体に変形が生じ、その変形による隙間が生じても、膨張性黒鉛の耐火部材が内部発泡することによりその変形と隙間に対応してその発泡体を充満させることができ、耐火性能を落とすことなく維持することができる。
【0018】
また、膨張性黒鉛の耐火性能が良いことから、火災発生以前に、最初から発泡させてその高性能を断熱材としても使用することも考えられるが、膨張性黒鉛の発泡温度が高く、その発泡体が上述したごとく、発泡そのものを保ちながらも、全体として自身で形状を保つことができないふわふわとした物体で、そのような発泡物を枠体内に後から挿入することは発泡そのものが破壊されて行えず、翻って枠体内で発泡させるには、発泡温度が高く、その発泡温度では、枠体が変色、変形等して枠体としては使用できなくなることから、火炎の高熱が枠体に加わったとき、発泡させることが理想的である。
【0019】
そしてまた、断熱及び耐火構造体を二重構造体として一体的に形成するとしたことにより、その二重構造体を一体的に押出成型で形成できることから製造が容易となり、また一体であるためサッシ窓枠の枠体内部又は防火戸の扉体内部に挿入する組立て製造工程も簡素化ができ、コストダウンができる。
【0020】
また、第2の解決手段の金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体の室外側と室内側との間を熱伝導遮断部材で連結すると共に該室外側と室内側のそれぞれに所定の区分に区画した空洞部を形成し、該空洞部に断熱部材と耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材を内設したことによりその効果は、
室外側と室内側の金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体を伝う内外気温の熱伝導も遮断することで、室外側と室内側の熱伝導を低く抑えることができ、断熱効果と火災発生時の耐火構造体としての機能を高めることができる。
よって本願発明は、実用上著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明をサッシ窓枠の枠体に使用した一実施例を示す要部の斜視図である。
【図2】 本発明の断熱耐火部材の要部の斜視図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示す断熱耐火部材の要部の斜視図である。
【図4】 本発明を防火戸に使用した実施例を示す要部を斜めに切断した正面図である。
【図5】 本発明を防火戸に使用した実施例を示す一部切断した要部の斜視図である。
【図6】 本発明を防火戸に使用した断熱耐火部材の各形態変化を示す実施例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
サッシ窓枠の枠体内部又は防火戸の扉体内部に設ける断熱及び耐火構造体において、該構造体を断熱発泡体の断熱部材とし、該断熱部材の内部に火炎など高温で発泡する膨張性黒鉛の耐火部材を内設させた二重構造体の断熱耐火部材として形成し、また、金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体の室外側と室内側との間を熱伝導遮断部材で連結すると共に該室外側と室内側のそれぞれに所定の区分に区画した空洞部を形成し、該空洞部に断熱部材と耐火部材の二重構造体の断熱耐火部材を内設したことで、
日常の室内外気温を遮断する目的の断熱構造体と、火災発生時の耐火構造体として機能することができる断熱及び耐火構造体の提供を実現させた。
【実施例】
【0023】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1において、1はアルミサッシの窓枠で、該窓枠1は、室外側枠体2(矢印A側)と室内側枠体2a(矢印B側)とを熱伝導遮断部材3,3を介して連結すると共に該室外側枠体2と室内側枠体2aとで窓ガラス4,4の周端部を、パッキン5を介して狭持状に保持している。
【0024】
また、該窓ガラス4,4は、二枚合わせの窓ガラス4,4の周端部で且つその間に断熱中間体6を介在させて、該窓ガラス4,4の間に空間を設けている。
【0025】
また、該熱伝導遮断部材3,3は、室外側(矢印A側)と室内側(矢印B側)の熱を室外側枠体2と室内側枠体2aを介して熱の移動を遮断する目的で、断熱性を有する耐熱性樹脂で角柱パイプ状に形成し、または空洞部を形成しない角柱状(図示は省略した)の熱伝導遮断部材として形成して室外側枠体2と室内側枠体2aを連結支持する。
【0026】
そして、該室外側枠体2と室内側枠体2aは、それぞれ中間仕切りを設けた空洞部7,7,…をそれぞれ形成し、該空洞部7,7,…に断熱耐火部材8,8,…をそれぞれ内設させる。
【0027】
該空洞部7,7,…に内設された断熱耐火部材8は、その外周側を断熱発泡体の断熱部材9とし、その内側に膨張性黒鉛の耐火部材10を形成する二重構造体として形成して内設されている。
【0028】
そこで、該断熱耐火部材8の断熱部材9と耐火部材10において、図2に示すように、予め穴部を有する角柱パイプ状の断熱部材9に、角柱状の耐火部材10を嵌入して二重構造体として形成した該断熱耐火部材8を、上述窓枠1の空洞部7に嵌入し、その嵌入した状態で加熱することで、外周側の断熱部材9が発泡して膨れ、耐火部材10を包込み抱持すると共に空洞部7の中で該断熱部材9が充満した状態で設けられ、そのことで日常の室内外気温を遮断する断熱材として使用する。
【0029】
なお、上述する加熱は、断熱部材9が発泡する130℃程度の温度で発泡し、またその温度では耐火部材10は発泡しない元の状態を保ち、そして特にその加熱は、断熱耐火部材8,8,…を窓枠1の空洞部7,7,…に嵌入した状態で、窓枠1、室外側枠体2及び室内側枠体2aごと加熱して発泡形成する。
【0030】
そして、該断熱部材9は、ポリオレフィン系樹脂に熱分解型発泡剤、その他必要に応じて抗酸化剤、架橋助剤、顔料などを配合し、その製造工程では、発泡剤の分解する温度未満の温度で溶融混練して、押出機等(単軸押出機、二軸押出機等)で所望する発泡前の形状で押出し成型される。
【0031】
また、上述材料のポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニール共重合体などが挙げられ、特に限定されるものではないが、処理時間や処理エネルギーの観点からより低温で発泡させる事が望ましく、その場合には、融点の低い低密度ポリエチレンや線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニール共重合体がより好適に用いられる。
【0032】
そして、上述した耐火部材10は、塩化ビニール、クロロプレーンゴムに膨張性黒鉛を加えたもので、発泡温度(130℃)以下で成型し、発泡必要時の温度は、200℃から250℃として設定しているが、一般的に提供されている膨張性黒鉛の種類変更によって300℃以上としてもよい。
【0033】
さらに、断熱耐火部材8の成型形状としては、断熱部材9と耐火部材10を角柱状として図示しているが、円柱状としても好ましく、特に成型形状としては拘る必要はない。
【0034】
また、図3に示す実施例の断熱耐火部材8aは、断熱部材9aと耐火部材10aを一体として形成したもので、製作において押出成型機で二色成型することで製作の工数を減らすことができ、また使用法は上述断熱耐火部材8と同様に使用される。
【0035】
而して、図4に示す実施例は、防火戸11の扉体12の内部に断熱耐火部材8bを設けたもので、図5に示すように扉体12の中にシート状の断熱部材9bと、その内側に耐火部材10bを設け、上述の断熱耐火部材8の実施例と略同様に、加熱することで、断熱部材9bが発泡して膨れ、扉体12の中で該断熱部材9bが充満した状態で設けられることで、日常の室内外気温を遮断する断熱材として使用する。
【0036】
なお、防火戸11の扉体12は、図示では室外側と室内側とが連続した扉体12で、特に室内外気温の伝導熱を遮断している構造を示してないが、図1の実施例のように、熱伝導遮断部材3を介して室外側と室内側を連結した扉体12として、室内外気温の伝導熱を遮断するようにしても良いが、特に図示は省略した。
【0037】
また、扉体12に断熱耐火部材を設ける他の実施例として、図6の(a)に示ように、円柱状の断熱耐火部材8cとして断熱部材9cと耐火部材10cを一体押出し成型して形成され、該扉体12の中に図示では縦方向に挿入して縦列並設しているが、該断熱耐火部材8cを横方向(水平方向)に、下部から段重ねするように積み上げて設けても良い。
【0038】
そこで、図6の各(a)(b)(c)に示す断熱耐火部材8cの各形態変化について詳述すると、まず、図6(a)は、断熱部材9cと耐火部材10cを一体押出し成型した円柱状の断熱耐火部材8cを、扉体12の中に縦方向に挿入して縦列並設した状態で、そして図6(b)は、図6(a)の状態で加熱することで、断熱部材9c,9c,…が発泡して膨れ、耐火部材10c,10c,…を包込み抱持すると共に扉体12の中で該断熱部材9c,9c,…が充満した状態で設けられ、日常の断熱を考慮した防火戸11として使用できる状態である。
【0039】
そして次に、図6(b)の状態で使用中、火災が発生してその火災の高熱で該断熱部材9c,9c,…の発泡が消失すると共に膨張性黒鉛の耐火部材10c,10c,…がその高熱で発泡することで扉体12の中に充満して図6(c)の状態となり、そのことで耐火部材10c,10c,…が耐火性構造体として耐火性を発揮する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の断熱及び耐火構造体は、サッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体等に使用する、日常の室外側と室内側の室内外気温を遮断する目的の断熱構造体と、火災発生時の耐火構造体として利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 窓枠
2 室外側枠体
2a 室内側枠体
3 熱伝導遮断部材
7 空洞部
8,8a,8b,8c 断熱耐火部材
9,9a,9b,9c 断熱部材
10,10a,10b,10c 耐火部材
11 防火戸
12 扉体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシ窓枠の枠体内部又は防火戸の扉体内部に設ける断熱及び耐火構造体において、該構造体を、断熱発泡体の断熱部材と、該断熱部材の内部に火炎など高温で発泡する膨張性黒鉛の耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材として形成したことを特徴とする断熱及び耐火構造体。
【請求項2】
金属製のサッシ窓枠の枠体又は防火戸の扉体の室外側と室内側との間を熱伝導遮断部材で連結すると共に該室外側と室内側のそれぞれに所定の区分に区画した空洞部を形成し、該空洞部に断熱部材と耐火部材とを有する二重構造体の断熱耐火部材を内設した請求項1記載の断熱及び耐火構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−229599(P2012−229599A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110819(P2011−110819)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(598089591)株式会社東穂 (14)
【Fターム(参考)】