説明

断面積を低減した同位体システム

【課題】発電用原子炉炉心のための同位体生成ターゲット棒を提供すること。
【解決手段】発電用原子炉炉心(10)のための同位体生成ターゲット棒(20)が提供される。同位体生成ターゲット棒(20)は、内部キャビティ(66)を画成する外胴(65)と、内部キャビティ(66)内に複数の照射ターゲット(70)とを含む、少なくとも1つの棒の中心体(40)を含み得る。照射ターゲット(70)は、空間的な配置を維持するように、核断面積の小さい分離媒体(74)を使用して空間的な配置に位置決めされ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね軽水型動力炉における同位体生成に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の様々な放射性同位元素が、医療、工業、研究、および商業的応用に使用されている。一般に放射性同位元素はターゲット同位体材料を原子核粒子で照射することにより生産される。ターゲット原子は直接所望の同位体に核変換されるか、または後で所望の放射性生成物を生成する連鎖的な吸収と崩壊を通して、放射性同位元素が生産される。
【0003】
放射性同位元素生産のための放射線源を実現するために、2つの異なる技術が使用されており、それらは、中性子束を発生する原子炉、および荷電粒子、通常は陽子であるがしばしば電子または他の粒子、を発生する粒子加速器またはサイクロトロンである。例えば、医療用、および工業用放射性同位元素は、1957年以来、カナダ国オンタリオ州のカナダ原子力公社(AECL’s)チョークリバー研究所のカナダ国立研究ユニバーサル(NRU)(“Canada’s National Research Universal (NRU)”)原子炉で生産されている。NRUは、医療診断に使用される重要な同位体であるモリブデン−99を含む世界の医療用および工業用放射性同位元素を、高い割合で生産している。医療、工業、研究、および商業的応用に使用される他の放射性同位元素の例としては、心臓の医療用画像に使用されるタリウム201、骨成長研究に使用されるカルシウム−44、構造物その他の材料の非破壊検査に使用されるイリジウム−192、がん細胞の破壊、手術用器具および薬剤の消毒、ならびに備蓄食糧の殺菌のために使用されるコバルト−60、白血病、リンパ腫治療のための携帯血液の照射、および電源のために使用されるタリウム−170、骨粗しょう症の検知およびSPECT画像に使用されるガドリニウム−153、長寿命電池の製造に使用可能なニッケル−63、煙検知器に使用されるアメリシウム−241、が含まれる。
【0004】
一般にターゲット同位体を収納している試料棒は、核医薬および/または工業的応用に使用するために所望の比放射能の同位体を生産するように、連続処理でペネトレーションを通してNRUに挿入され、その中で照射されることになる。次いでターゲット同位体は、発電用原子炉の運転の間照射される。照射後、放射性同位元素はターゲット同位体から回収されて、核医学処置のための様々な放射性医薬品を調整するために使用される。
【特許文献1】米国特許出願第11/002,680号
【特許文献2】米国特許出願第11/002,677号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
種々の態様に従って、発電用原子炉のための同位体生成ターゲット棒が提供される。種々の実施形態において、同位体生成ターゲット棒は内部キャビティを画成する外胴を含む、少なくとも1つの棒の中心体を含む。同位体生成ターゲット棒は、内部キャビティ内に複数の照射ターゲットを追加して含むことが可能である。種々の実施態様において、照射ターゲットは、核断面積の小さい分離媒体を使用して1つの空間的な配置に位置決めされて、その空間的配置を維持する。
【0006】
種々の他の実施形態において、同位体生成ターゲット棒は、内部キャビティを画成する外胴を含む少なくとも1つの棒の中心体と、各それぞれの棒の中心体の内部キャビティ内の照射ターゲットキャニスタとを、含むことができる。同位体生成ターゲット棒は、空間的配置を維持するように、核断面積の小さい分離媒体を使用して各それぞれの照射ターゲットキャニスタ内の空間的な配置に位置決めされた、複数の照射ターゲットを追加して含む。
【0007】
さらに別の実施形態において、同位体生成ターゲット棒は、内部キャビティを画成する外胴を含む少なくとも1つの棒の中心体と、各それぞれの棒の中心体の内部キャビティ内の照射ターゲットキャニスタと、各それぞれの照射ターゲットキャニスタ内の少なくとも1つの照射ターゲットレセプタクルと、を含むことが可能である。種々の実施態様において、各照射ターゲットレセプタクルは、各照射ターゲットレセプタクルの外面の少なくとも一部分内に、1つのパターンで複数のターゲットリザーバを含むことが可能である。
【0008】
別の態様に従って、動力用原子炉の燃料バンドルが提供される。種々の実施形態において燃料バンドルは、複数の燃料棒、および少なくとも1つの同位体生成ターゲット棒を含み得る。各同位元素生産ターゲット棒は、内部キャビティを画成する外胴を含む少なくとも1つの棒の中心体、および内部キャビティ内の複数の照射ターゲットを含み得る。照射ターゲットは、核断面積の小さい分離媒体を使用して空間的な配置に位置決めされ、その空間的配置を維持する。
【0009】
さらに別の態様に従って、動力用原子炉内で同位体を生産する方法が提供される。種々の実施形態において、この方法は、照射ターゲットキャニスタ内に複数の照射ターゲットを封止することを含み得る。より詳細には、照射ターゲットは核断面積の小さい物質を使用してキャニスタ内で空間的な配置に位置決めされ、照射ターゲットをその空間的配置に維持する。この方法は、照射ターゲットキャニスタを同位体生成ターゲット棒の内部キャビティ内に封止すること、および同位体生成ターゲット棒を動力用原子炉の燃料バンドル内に含むこと、をさらに含み得る。
【0010】
本開示のさらに別の分野の用途は、以下に示される詳細な説明で明らかになるであろう。詳細な説明と具体的な実施例とは、本開示の種々の実施形態を示しているが、例示することのみを目的としており、本開示の範囲を限定することは意図していない、ことが理解されるべきである。さらに、本開示の特徴、機能、および利点は、本開示の種々の実施形態で独立に達成されることが可能であり、またはさらに別の実施形態に組み合わされることも可能である。
【0011】
本開示は、詳細な説明と添付する図面により、さらに十分に理解されるようになるであろう。
【0012】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照番号は対応する部品を示す。
【0013】
種々の例示的実施形態についての以下の説明は、本質的に単に例示するものであり、その開示、その応用および使用を、少しでも限定することを意図するものではない。さらに、以下に説明するような種々の実施形態によって提供される利点は、本質的に例示的なものであり、全ての実施形態が同様の利点、または同程度の利点を提供するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると、発電用原子炉炉心10の一部分の例、例えば沸騰水型原子炉炉心の一部分、の斜視断面図が示される。発電用原子炉炉心10の一部分の例は、4体の燃料バンドル集合体14A、14B、14C、および14Dを含んでおり、燃料バンドル14A、14B、14C、および14Dが装荷され原子炉が運転されているとき、それらの中を通って、およびそれらの周りを、液体減速材、すなわち冷却材が流れる。簡潔にするため、燃料バンドル集合体14A、14B、14C、および14Dは、本明細書では単に燃料バンドル14A、14B、14C、および14Dと称することにする。各燃料バンドル14A、14B、14C、および14D内の原子核反応が熱を発生して冷却材を蒸気に変換し、それが電力を発生するために使用される。各燃料バンドル14A、14B、14C、および14Dは、実質的に構造、形、機能が同じである。したがって、簡潔かつ明確にするため、ここでは燃料バンドル14Aのみを説明する。
【0015】
図2も参照すると、燃料バンドル14Aは、通常、上部タイプレート26および下部タイプレート30を囲繞する外側チャンネル22を含む。複数の燃料棒18は、燃料バンドル14A内で配列に配置されて、燃料バンドル14Aの長さに沿って、縦方向にまたは軸方向に、お互いに離隔された複数のスペーサグリッド34を貫通する。燃料棒18、および典型的には1つまたは複数のウオータロッド38は、スペーサグリッド34によって燃料バンドル14A内で互いに離隔された関係、すなわち配列に保持され、それによって燃料棒18の間を原子炉冷却材が流れるための通路を画成する。概して燃料バンドルは、燃料バンドル14Aの軸方向全長に沿って離隔され、燃料棒18を所望の配列に保持するために必要な任意の数のスペーサグリッド34を、例えば3個から8個のスペーサグリッド34を、含むことができる。
【0016】
種々の実施形態において、燃料バンドル14Aは1つ、または複数の同位体生成ターゲット棒20を含むことが可能である。一般に、燃料棒18は、中性子束を発生する例えばウランの核燃料を含み、一方同位体生成ターゲット棒20は、中性子束で照射されて所望の放射性同位元素を生産する照射ターゲットを含む。照射ターゲットは、カドミウム、コバルト、イリジウム、ニッケル、タリウム等のような任意の所望の同位体で製作され得る。燃料棒18および同位体生成ターゲット棒20は、燃料棒18が核燃料を含み、同位体生成ターゲット棒20が照射ターゲットを含む点を除いて、実質的に同じ構造を有することできる。しかし、同位体生成ターゲット棒20の構造、機能、構成機器、構成要素、集合体、特徴、特性等についてのみ、以下でさらに説明する。
【0017】
ここで図3を参照して、種々の実施形態において同位体生成ターゲット棒20は、全長棒、部分長棒、複数セグメントの棒、またはそれらの任意の組合せであってよい。例えば、燃料バンドル14Aは、1つまたは複数の全長同位体生成ターゲット棒20A、1つまたは複数の部分長同位体生成ターゲット棒20B、1つまたは複数の複数セグメント同位体生成ターゲット棒20C、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。各同位体生成ターゲット棒20、例えば同位体生成ターゲット棒20A、20B、および20Cは、通常上端部で上部エンドキャップ42に結合され、および/または下端部で下部エンドキャップ46に結合された、少なくとも1つの中心体40を含む。上部および下部エンドキャップ42および46は、それぞれ上部および下部タイプレート26および30と嵌合して、各同位体生成ターゲット棒20、例えばチャンネル22内の20A、20B、および/または20Cの端部を安定化する。
【0018】
より詳細には、各全長同位体生成ターゲット棒20Aは、ほぼ燃料バンドル14Aの長さに延在する軸方向長さを有し、上端部および下端部で上部および下部エンドキャップ42および46に結合された、中心体40を含む。各部分長同位体生成ターゲット棒20Bは、燃料バンドル14Aの概略長さより短い軸方向長さを有する、中心体40を含む。例えば、各部分長同位体生成ターゲット棒20Bの中心体40は、燃料バンドル14Aの概略長さの3/4、1/2、1/4、等であってよい。各部分長同位体生成ターゲット棒20Bの中心体40は、下端部で下部エンドピース46に結合される。下部エンドピース46は、チャンネル22内でそれぞれのタイプレート30に嵌合して、各同位体生成ターゲット棒20の端部を安定化する。
【0019】
ここで図3および4を参照すると、各複数セグメント同位体生成ターゲット棒20Cは、複数セグメント同位体生成ターゲット棒20Cが、実質的に燃料バンドル14Aの長さ、または任意の漸増する短い長さ、例えば部分長同位体生成ターゲット棒20Bと等しい軸方向長さ、を有することが可能なように相互結合された複数の棒セグメント50を含む。各同位体生成ターゲット棒セグメント50は中心体40を含み、それによって統合された同位体生成ターゲット棒20Cが複数の中心体40を備えるようにする。種々の実施形態において、各棒セグメント50は第1の端部に結合された雄コネクタ58と、反対側の第2の端部に結合された内部孔64を有する雌レセプタクル62とを含む。雄コネクタ58と雌レセプタクル62とは、それぞれの棒セグメント50に相互結合するように嵌合可能である。さらに、棒セグメント50の最上部および最下部の遠位端54は、上部および下部エンドキャップ42および46にそれぞれ結合される。
【0020】
図4を参照すると、上述のように、各複数セグメント同位体生成ターゲット棒20Cは、複数の相互結合された棒セグメント50を含む。種々の棒セグメント50は、異なる軸方向または縦方向の長さと異なる外径とを有することが可能であり、本開示の範囲内にあり得ることが理解されるべきである。したがって、各複数セグメント同位体生成ターゲット棒20Cは、種々の長さと直径の棒セグメント50を相互結合することにより、統合された同位体生成ターゲット棒20Cの長さに沿って、所望の長さと1つまたは複数の外径を有するように、組み合わせることが可能である。したがって、図4は同位体生成ターゲット棒セグメント50の実施例を示すものであり、各それぞれの棒セグメント50の長さおよび/または直径に関わらず、ここに付加する説明は各複数セグメント同位体生成ターゲット棒20Cの各棒セグメント50に関するものであることが理解されるべきである。
【0021】
ここで図5を参照すると、図3に示す各同位元素生産ターゲット棒20内に含まれる、本開示の種々の実施形態に従った1つまたは複数の中心体40の実施例が示される。より詳細には、図5に示す中心体40およびそれに付加する説明は、各全長同位体生成ターゲット棒20Aの各中心体40、各部分長同位体生成ターゲット棒20B、および各複数セグメント同位体生成ターゲット棒20Cの各棒セグメント50に関する。
【0022】
各同位体生成ターゲット棒20の各中心体40は、複数の照射ターゲット70を保持するための内部キャビティ66を画成する外胴65を備える。キャビティ66は、上部および下部エンドキャップ42および46(図3に示す)、ならびに/またはそれぞれの中心体40の両側の端部に結合されている雄コネクタ58、および/あるいは雌レセプタクル62(図4に示す)に先立って使用可能である。以下で説明する種々の実施形態において、照射ターゲット70は、核断面積の小さい分離媒体74を使用して特定の空間的配置で、キャビティ66内に位置決めされ、保持される。より具体的には、実験データおよび/または数学的モデル化、および/または他の適切な検査手段を使って、発電用原子炉の炉心10内の燃料バンドル14で発生された中性子の、照射ターゲット70による吸収が最適化されるように、照射ターゲットの空間的配置を設計することが可能である。
【0023】
さらに種々の実施態様において、分離媒体74は、核断面積の小さい材料、物質、気体、等で構築され、製作され、またはそれらを含み、それらは実質的に中性子に対し不可視、すなわち非常に小さいか、または実質的に無視できる中性子の吸収率を有する。例えば分離媒体は、核断面積の小さいジルコニウム、アルミニウム、または任意の他の適切な材料、物質、気体、等で製作されてよい。したがって、中性子は吸収されずに分離媒体74を貫通して、発電用原子炉の炉心10内の中性子束は抑制されず、それぞれの原子炉の発電効率は低下されない。より具体的には、照射ターゲット70の特定の空間的配置、および核断面積の小さい分離媒体74によって、同位体生成ターゲット棒20が発電用原子炉の炉心10のエネルギー発生に及ぼす影響は最小化され、一方、比放射能すなわち照射ターゲット70の中性子吸収は最大化される。
【0024】
図6は、本開示の種々の実施形態に従った、中心体40の実施例の断面図を示し、それぞれの中心体40のキャビティ66内に配置された複数の照射ターゲットディスク78、および分離媒体スペーサ82を例示する。種々の実施形態において、照射ターゲット70は、所望の同位体、例えばコバルトで製作されたディスクまたはウェハ78を含むことが可能であり、分離媒体74は、隣接する各照射ターゲットディスク78の間に配置された複数の分離媒体スペーサ82を備えることが可能である。各スペーサ82は、照射ターゲットディスク78による最適な中性子吸収を実現するために、照射ターゲットディスク78を所定の空間的配置に位置決めするように選択された厚さTを有する。例えば種々の実施態様において、各照射ターゲットディスク78が、隣接する全ての照射ターゲットディスク78から等しく離隔されるように、すなわち照射ターゲットディスク78の直上および直下の各それぞれの照射ターゲットディスク78から等しく離隔されるように、スペーサ82は同じ厚さTを有することが可能である。さらに上述のように、分離媒体74、すなわちスペーサ82は、ジルコニウムまたはアルミニウムなどの核断面積の小さい材料で製作可能である。したがって、スペーサ82は、同位体生成ターゲット棒20の発電用原子炉の炉心10へのエネルギーの影響を最小限にして、照射ターゲットディスク78の中性子吸収を最大限にするように設計された、核断面積の小さい分離媒体と照射ターゲットディスク78の離隔とを実現する。
【0025】
種々の実施態様において、照射ターゲットディスク78およびスペーサ82は、キャビティ66の内壁と照射ターゲットディスク78およびスペーサ82との間に、間隙空間86が存在し得るように寸法が決められる。間隙空間86によって、照射ターゲットディスク78およびスペーサ82の熱膨張が可能となる。種々の実施態様において、間隙空間86、およびターゲットディスク78とスペーサ82との間に存在する任意の空間は、ヘリウムなどの実質的に核断面積が零で高い熱伝導率の気体で充填され得る。したがって、実質的に核断面積が零で高い熱伝導率の気体は、発電用原子炉の炉心10の中性子束に実質的に何ら妨害を与えず、一方高い熱伝導率を実現して各中心体40の照射ターゲットディスク78およびスペーサ82から熱を除去する。図6は基本的に、照射ターゲットディスク78およびスペーサ82で充満されたキャビティ66の全体を例示しているが、キャビティ66の全体より少ない部分が照射ターゲットディスク78およびスペーサ82で充満されことが可能であり、本開示の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0026】
図7は、中心体40の実施例の断面図を示し、本開示の種々の実施形態に従って、キャビティ66内に位置決めされたターゲットレセプタクル98内の複数のリザーバ94に保持された複数の照射ターゲットペレット90を例示している。種々の実施形態において、照射ターゲット70は所望の同位体、例えばコバルト、で製作されたターゲットペレット90を備えることが可能であり、分離媒体74は、ターゲットレセプタクル98の外面の少なくとも一部分に沿って戦略的に位置決めされたリザーバ94を備えるターゲットレセプタクル98を有することが可能である。
【0027】
より詳細には、リザーバ94はターゲットレセプタクル98の外面に沿って戦略的に配置されて、照射ターゲットペレット90による中性子の最適な吸収を実現するように予め決められた空間的配置内に、照射ターゲットペレット90を位置決めする。例えば種々の実施態様において、ターゲットリザーバ94は、軸方向の両側の端部102の間で、ターゲットレセプタクル98の外面周りに等しく離隔され、各ターゲットリザーバ94が隣接する各ターゲットリザーバ94から実質的に等しい距離、例えば1mm、2mm、または3mmにあるようにする。上述したように、分離媒体74、すなわちターゲットレセプタクル98は、ジルコニウムまたはアルミニウムなどの核断面積の小さい材料で製作可能である。したがって、核断面積の小さいターゲットレセプタクル98、およびターゲットレセプタクル98の離隔は、同位元素生産ターゲット棒20の発電用原子炉の炉心10へのエネルギーの影響を最小化し、一方、照射ターゲットペレット90の中性子吸収を最大化するように設計される。
【0028】
種々の実施形態において、キャビティ66の内壁とターゲットレセプタクル98との間に間隙空間106が存在するように、ターゲットレセプタクル98の寸法が決められる。間隙空間106によって、照射ターゲットペレット90およびターゲットレセプタクル98の熱膨張が可能となる。種々の実施態様において、間隙空間106、およびターゲットペレット90とリザーバ94との間に存在する任意の空間は、ヘリウムなどの実質的に核断面積が零で高い熱伝導率の気体で充填され得る。したがって、実質的に核断面積が零で高い熱伝導率の気体は、発電用原子炉の炉心10の中性子束に実質的に何ら妨害を与えずに、高い熱伝導率を実現して照射ターゲットペレット90およびターゲットレセプタクル98から熱を除去する。
【0029】
照射ターゲットペレット90は概して円柱状の形で示されるが、照射ターゲットペレット90はターゲットリザーバ94内に嵌合するように適した任意の形を取り得ると想定されるべきである。例えば種々の実施形態において、ターゲットペレット90は球状、楕円状、ピラミッド状、立方体状、矩形状、等であってよい。
【0030】
ここで図8および9を参照すると、種々の実施形態において、各ターゲットレセプタクル98のターゲットリザーバ94は、単一の照射ターゲットペレット90を保持するように寸法が決められる。より詳細には種々の実施態様において、ターゲットリザーバ94は、各照射ターゲットペレット90を特定の方向に保持するように(図8)寸法が決められ得る、一方、別の実施態様では、ターゲットリザーバ94は、各照射ターゲットペレット90をランダムな方向に保持するように(図9)寸法が決められ得る。例えば、図8に例示されるように、各照射ターゲットペレット90は、円柱状、楕円状、立方体状、等、または各それぞれのターゲットペレット90の外径dよりも大きい軸方向長さLを有する任意の形を取り得る。さらに、各照射ターゲットペレット90の外径dは、ターゲットリザーバ94の内径Dよりわずかに小さく、照射ターゲットペレット90の長さLより小さい。したがって各照射ターゲットペレット90は、それぞれのターゲットリザーバ94の軸方向中心線と同軸に配列された各照射ターゲットペレット90の軸方向中心線を有する、各それぞれのターゲットリザーバ94内にのみ嵌め合う。
【0031】
しかし、他の実施形態において、図9に例示するように、各ターゲットリザーバ94は、一般に任意の形を取り得る照射ターゲットペレット90の軸方向長さLと外径dの長い方より、わずかに大きい内径Dを有する。したがって、単一の照射ターゲットペレット90のみが各ターゲットリザーバ94内に保持され得るが、照射ターゲットペレット90は、それぞれのターゲットリザーバ94内でランダムな方向に保持され得る。例えば種々の実施態様において、照射ターゲットペレット90は、各照射ターゲットペレット90の軸方向長さLが各照射ペレット90の直径dの約1.25倍であり、ターゲットリザーバ94の直径Dが各照射ペレット90の直径dの約1.5倍である、円柱形状であってよい。したがって、円柱状の照射ターゲットペレット90は、それぞれのターゲットリザーバ94内で任意の方向に保持され得、各ターゲットリザーバ94は、単一の照射ペレット90を保持するためのみに十分な大きさである。
【0032】
各ターゲットレセプタクル98は、実質的に同じ寸法、すなわち同じ深さX(図9に示す)、および直径Dを有する各ターゲットリザーバ94を実現する、任意の適切な形に製作され得る。例えば図10に例示するように、種々の実施形態において、各照射ターゲットレセプタクル98は中実体を有するように製作され得る。ターゲットリザーバ94は、実質的に同じ深さXおよび直径D(図8および9に示す)を有するように、中実体110の外表面の少なくとも一部分に沿った所定のパターンで、中実体110を削り、穴を開け、または穿孔してよい。代替として、図11に例示するように別の実施形態において、各照射ターゲットレセプタクル98は、その中を貫通する縦方向の中心キャビティ116を有する管状体114を備えるように製作され得る。ターゲットリザーバ94は、管状体114の外表面の少なくとも一部分に沿った所定のパターンで、実質的に同じ深さXおよび直径D(図8および9に示す)を有するように、管状体114を削り、穴を開け、または穿孔してよい。縦方向の中心キャビティ116は、ターゲットレセプタクル98の質量、すなわち材料を減少し、それによって核断面積を減少する。さらに上述のように、縦方向の中心キャビティ116は、間隙空間106に沿ってヘリウムなどの実質的に核断面積が零で高い熱伝導率の気体で充填されることが可能であり、それによって高い熱伝導率を実現して照射ターゲットペレット90およびターゲットレセプタクル98から熱を除去する。
【0033】
または、さらに別の実施形態において図12に例示するように、各照射ターゲットレセプタクル98は、穿孔された管状スリーブ118および管状スリーブ118内に嵌合された中実コア120を含むように製作され得る。管状スリーブ118は、実質的に一定の厚さYを有し、そこに所定のパターンで複数の孔122を含むように製作され、各孔122は実質的に同じ直径D(図9に示す)を有する。したがって、中実コア120が穿孔された管状スリーブ118に嵌合されたとき、ターゲットリザーバ94は、管状スリーブの厚さYと等しい実質的に同じ深さX、および直径D(図9に示す)を有するように形成される。
【0034】
ここで図13を参照すると、種々の実施形態において、各照射ターゲットレセプタクル98の両側の端部102のうちの少なくとも1つは、軸方向のねじ付き孔126を含む。ねじ付き孔は、照射ターゲットペレット90をターゲットリザーバ94内へ装荷し、および/またはターゲットリザーバ94から取外す間に、それぞれの照射ターゲットレセプタクル98を、ターゲットペレットを装荷し、および/または取外しする装置(図示せず)に連結する手段を提供する。図11に示すような実施形態において、照射ターゲットレセプタクルは管状体114および縦方向の中心キャビティ116を有するように製作され、縦方向の中心キャビティ116の少なくとも1つの端部の少なくとも一部分は、それぞれの照射ターゲットレセプタクル98をペレット装荷および/または取外し装置に連結するためのねじを含み得る。
【0035】
ここで図13Aを参照すると種々の実施形態において、1つまたは複数の照射ターゲットレセプタクル98は、ターゲットリザーバ94が2個またはそれより多くの照射ターゲットペレット90を保持するために適した深さXを有するように、製作され得る。より詳細には、各ターゲットリザーバ94は、各それぞれのターゲットリザーバ94が2個またはそれより多くの照射ターゲットペレット90を保持するが、任意の隣接する半径方向または周方向に配列されたターゲットリザーバ94を交差または貫通しないような、深さXを有する。上記で説明した実施形態と同様に図8から13に関して、各ターゲットリザーバ94は、それぞれ2個またはより多くの照射ターゲットペレット90を、例えば各それぞれのターゲットリザーバ94(図8)の中心軸と同じ軸に配列された特定の方向に、保持する寸法にすることができ、またはターゲットリザーバ94は、それぞれ2個、またはより多くの照射ターゲットペレット90をランダムな方向(図9)に保持する寸法にすることができる。さらに、ターゲットレセプタクル98は、図11および12に関して上記で説明したと同様の形で、各ターゲットリザーバ94の深さXが2個、またはより多くの照射ターゲットペレット90を保持するために十分であるように製作され得る。さらに種々の実施形態において、ターゲットレセプタクル98は、図11に示し説明したように、ねじ付きの中心孔126を含み、2個、またはより多くの照射ターゲットペレット90を保持するために十分であるような深さXを有するターゲットリザーバ94も含むように製作され得る。
【0036】
ここで図13Bを参照すると種々の実施形態において、1つまたは複数の照射ターゲットレセプタクル98は、孔が照射ターゲットレセプタクル98の直径Pを貫通して延びるようにターゲットリザーバ94が形成されるように、製作され得る。したがって、各半径方向または周方向に配列されたターゲットリザーバ94の孔は、それぞれの照射ターゲットレセプタクル98の軸方向中心で交差することになる。したがって各ターゲットリザーバ94の孔は、複数の、例えば2個またはより多くの照射ターゲットペレット90を保持するために適している。図8から13に関して上述した実施形態と同様に、各ターゲットリザーバ94は、それぞれの複数の照射ターゲットペレット90を特定の方向に、例えば各それぞれのターゲットリザーバ94の孔(図8)の中心軸と同じ軸に配列された方向に、保持するように、寸法を決めることができ、またはターゲットリザーバ94は、2個またはより多くのそれぞれの照射ターゲットペレット90をランダムな方向(図9)に保持するように、寸法を決めることができる。
【0037】
ここで図14Aおよび14Bを参照すると、図14Aは種々の実施形態に従った照射ターゲットレセプタクル98を例示し、図14Bは本開示の種々の実施形態に従って、図14Aに示す複数の照射ターゲットレセプタクル98を含む、中心体40の実施例の断面図を示す。種々の実施態様において、照射ターゲットレセプタクル98は、内部キャビティ66の軸方向長さMより段階的に短い軸方向長さZを有することが可能であり、それによって複数のターゲットレセプタクル98がキャビティ66内に位置決めされ得る。このような実施形態において、図7、8、および9を参照して示し説明したように、各ターゲットレセプタクル98は、それぞれのターゲットレセプタクル98の外面に沿って戦略的に位置決めされた、照射ターゲットリザーバ90を含み得る。または代替の実施態様において図14Bに示すように、ターゲットリザーバ94はそれぞれのターゲットレセプタクル98の軸方向の両端部130の少なくとも1つに戦略的に位置決めされ得る。軸方向の両端部130の少なくとも1つに形成されたターゲットリザーバ94は、それぞれの照射ターゲットペレット90を特定の方向に、例えば各それぞれのターゲットリザーバ94の中心軸と同じ軸に配列された方向に、保持するように寸法を決め得る。または、軸方向の両端部130の少なくとも1つの内に形成されたターゲットリザーバ94は、それぞれの照射ターゲットペレット90をランダムな方向に保持するように寸法を決めることができる。別の実施態様において、ターゲットレセプタクル98は、軸方向の両端部130の少なくとも1つに、およびそれぞれのターゲットレセプタクル98の外面に沿って、戦略的に位置決めされたターゲットリザーバ94を含むことができる。
【0038】
各照射ターゲットレセプタクル98の軸方向長さZは、1つまたは複数の照射ターゲット90(図示せず)を保持するような寸法とされた照射ターゲットリザーバ94を含むために十分な、任意の適切な長さであってよい。例えばターゲットレセプタクル98は、約1/16インチ、2/16インチ、またはそれより大きい軸方向長さZを有することができる。さらに種々の実施形態において、核断面積の小さいスペーサ150が、隣接するターゲットレセプタクル98に間に配置され得る。各スペーサ150は、照射ターゲットペレット90(図示せず)による最適な中性子吸収を実現するように、予め決められた所望の空間的配置にターゲットレセプタクル98を位置決めするように選択された厚さQを有する。
【0039】
したがって、図14Bに示す中心体40の実施例内の複数のターゲットレセプタクル98は、軸方向の両端部130の少なくとも1つに戦略的に位置決めされたターゲットリザーバ94を有する、1つまたは複数のターゲットレセプタクル98(図14A)と、それぞれのターゲットレセプタクル98の外面に沿って戦略的に位置決めされたターゲットリザーバ94を有する、1つまたは複数のターゲットレセプタクル98と、軸方向の両端部130の少なくとも1つに、およびそれぞれのターゲットレセプタクル98の外面に沿って、戦略的に位置決めされたターゲットリザーバ94を有する、1つまたは複数のターゲットレセプタクル98と、またはそれらの任意の組合せと、を備えることが想定される。
【0040】
ここで、図15Aおよび15Bを参照すると種々の実施形態において、1つまたは複数の同位体生成ターゲット棒20の1つまたは複数の中心体40は、二重収納容器構造を有することが可能であり、それによって原子炉運転中に中心体40におけるフレッティングまたは磨耗により、中心体40の健全性を破ることになる、溶接不良からの放射線漏洩に対する追加レベルの防護を実現する。より詳細には種々の実施形態において、1つまたは複数の同位体生成ターゲット棒20内の1つまたは複数の中心体40は、内部キャビティ66内で同じ軸に位置決めされた照射ターゲットキャニスタ134を含み得る。照射ターゲットキャニスタ134は、照射ターゲット70、例えばディスク78、および/またはペレット90と、分離媒体74、例えばスペーサ82、および/またはターゲットレセプタクル98とを、図5から14に関して上記で説明したものと同じ形で保持するための、内部キャビティ142を画成する外胴138を含む。
【0041】
すなわち、照射ターゲット70は、図5から14までに例示した中心体40の内部キャビティ66に関する種々の実施形態において、上記で説明したものと同じ形で核断面積の小さい分離媒体74を使用し、それと同じ構造、物質、および材料を使用して、照射ターゲットキャニスタ134の内部キャビティ142内に特定の空間的配置で位置決めされ得、保持され得る。
【0042】
種々の実施形態において、間隙空間146はキャビティ66の内壁と照射ターゲットキャニスタ134との間に存在し得る。間隙空間146は、照射ターゲットキャニスタ134が熱膨張できるようにする。種々の実施態様において、間隙空間146はヘリウムなどの実質的に核断面積が零で高い熱伝導率の気体で充填されることが可能であり、高い熱伝導率を実現して照射ターゲットキャニスタ134から熱を除去するが、発電用原子炉の炉心10の中性子束には実質的に何ら妨害を与えない。さらに種々の実施態様において、照射ターゲットキャニスタ外胴138は、ジルコニウム、アルミニウム、または任意の他の適切な核断面積の小さい材料または物質、などの核断面積の小さい材料で製作することができる。
【0043】
照射ターゲットディスク78、分離媒体スペーサ82、照射ターゲットペレット90、ターゲットレセプタクル98、および照射ターゲットキャニスタ134について、円柱状の形、すなわち丸いまたは円形の断面形状を有するものとして、本明細書で概ね説明し例示してきたが、各照射ターゲットディスク78、分離媒体スペーサ82、照射ターゲットペレット90、ターゲットレセプタクル98、および照射ターゲットキャニスタ134は、円柱の円形ではない断面形状を有することが可能であり、かつ本開示の範囲内にあることが理解されるべきである。例えば、各照射ターゲットディスク78、分離媒体スペーサ82、照射ターゲットペレット90、ターゲットレセプタクル98、および照射ターゲットキャニスタ134は、正方形、三角形、矩形、六角形、八角形、台形の断面形状、または任意の他の適切な断面形状を有することが可能であり、かつ本開示の範囲内にある、と想定される。より詳細には、照射ターゲットディスク78、分離媒体スペーサ82、照射ターゲットペレット90、ターゲットレセプタクル98、および照射ターゲットキャニスタ134の、一部または全ての断面形状が、照射ターゲットディスク78、分離媒体スペーサ82、照射ターゲットペレット90、ターゲットレセプタクル98、および照射ターゲットキャニスタ134のそれぞれの、一部または全ての断面形状とは異なってよいことが理解されるべきである。例えば同位体生成ターゲット棒20は、矩形の断面、または任意の他の可能な断面形状の組合せを有する照射ターゲットキャニスタ134内に収容された、三角形の断面を有する照射ターゲットレセプタクル98のリザーバ94内に保持された、六角形の断面の照射ターゲットを有するように構築され得る。
【0044】
第1、第2、第3、等の用語が、種々の要素、構成機器、領域、および/または部分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成機器、領域、および/または部分はこれらの用語によって限定されるべきでないことが理解されるべきである。これらの用語は、1つの要素、構成機器、領域、または部分を、他の要素、構成機器、領域、または部分から区別するためにのみ使用され得る。
【0045】
さらに空間的に相対的な用語、「の下方("beneath")」、「の下("below")」、「下部("lower")」、「の上("above")」、「上方("upper")」などは、図に例示された、1つの要素または特徴の、他の要素または特徴に対する関係を説明する記述を易しくするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図で示された方向に加えて、使用または運転されている装置の異なる方向を含むように意図され得ることが理解されるべきである。例えば、他の要素または特徴「の下("below")」または、「の下方("beneath")」と表現された要素は、図の中の装置が回転されられると、他の要素または特徴「の上("above")」と方向付けられるであろう。このように、例にした用語「の下("below")」は、上と下("above and below")の両方の方向を含み得る。装置は別の方向に(90度、または他の方向に回転)されることがあり、本明細書で使用された空間的に相対的な表現は、それに従って解釈される。
【0046】
さらに本明細書で使用された用語は、特定の実施形態例を説明する目的のためにのみ使用され、限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形の"a"、"an"、および"the"は、文脈によって明確にそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図され得る。用語「備える("comprises")」および/または「備えている("comprising")」が本明細書で使用されるとき、記述した特徴、全体、ステップ、操作、構成要素、構成機器、等が存在することを規定するが、それらの1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、構成要素、構成機器、群、等の存在または追加を排除するものではない、ということがさらに理解されるべきである。
【0047】
当業者はこれまでの説明から、ここで、本開示の広範な教示が種々の形で実施可能であることを認識できる。したがって、この開示はその特定の例に関連して説明されてきたが、図面、明細書、および請求項を研究することにより当業者には他の変形が明らかになるであろうから、開示の真の範囲はそれに限定されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本開示の種々の実施形態に従った、燃料棒、同位体生成ターゲット棒、タイプレート、スペーサグリッド、およびチャンネルを含む、複数の燃料バンドル集合体を例示する原子炉炉心の部分の斜視断面図である。
【図2】本開示の種々の実施形態に従った、図1に示す原子炉炉心の部分に含まれる、例示的な燃料バンドル集合体の部分的分解断面図である。
【図3】本開示の種々の実施形態に従った、図2に示す燃料バンドル集合体内に含まれ得る種々の同位体生成ターゲット棒を例示する図である。
【図4】本開示の種々の実施形態に従った、図2に示す燃料バンドル集合体の複数セグメント同位体生成ターゲット棒内に含まれる同位体生成ターゲット棒セグメントの実施例を示す図である。
【図5】本開示の種々の実施形態に従った、図4に示す各同位体生成ターゲット棒内に含まれる中心体の実施例を示す図である。
【図6】本開示の種々の実施形態に従った、核断面積の小さい媒体作られた所定の空間配置内の中心体のキャビティ内に位置決めされた複数の照射ターゲットを例示する、図5に示す中心体の実施例の縦方向断面図である。
【図7】本開示の種々の他の実施形態に従った、核断面積の小さい媒体で作られた所定の空間配置内の中心体のキャビティ内に位置決めされた複数の照射ターゲットを例示する、図5に示す中心体の実施例の縦方向断面図である。
【図8】本開示の種々の実施形態に従った、図7に示す照射ターゲットレセプタクルの実施例を示す図である。
【図9】本開示の種々の他の実施形態に従った、図7に示す照射ターゲットレセプタクルの実施例を示す図である。
【図10】本開示の種々の実施形態に従った、図8および9に示す照射ターゲットレセプタクルの製作を示す図である。
【図11】本開示の種々の他の実施形態に従った、図8および9に示す照射ターゲットレセプタクルの製作を示す図である。
【図12】本開示のさらに他の実施形態に従った、図8および9に示す照射ターゲットレセプタクルの製作を示す図である。
【図13】本開示の種々の実施形態に従った、少なくとも1つの端部に内部ねじ付き孔を有する、図8から12に示す照射ターゲットレセプタクルの断面の実施例を示す図である。
【図13A】本開示の種々の実施形態に従った、2つまたはそれより多くの照射ターゲットペレットを保持するための十分な深さを有するように形成された照射ターゲットレセプタクルを含む、図8から12に示す照射ターゲットレセプタクルの実施例を示す図である。
【図13B】本開示の種々の実施形態に従った、複数の照射ターゲットペレットを保持するために適した、それぞれのターゲットレセプタクルを貫通して延在する直径方向の孔を形成された照射ターゲットレセプタクルを含む、図8および9に示す照射ターゲットレセプタクルの実施例を示す図である。
【図14A】本開示の種々の実施形態に従った、図7に示す照射ターゲットレセプタクルの実施例を示す図である。
【図14B】本開示の種々の他の実施形態に従った、図14Aに示す複数の照射ターゲットレセプタクルを含む、図5に示す中心体の実施例の縦方向の断面図である。
【図15A】本開示の種々の実施形態に従った、二重収納構造を有する図5に示す中心体の実施例の縦方向の断面図である。
【図15B】本開示の種々の実施形態に従った、図15Aに示す中心体の実施例の半径方向の断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 原子炉炉心
14A 燃料バンドル
14B 燃料バンドル
14C 燃料バンドル
14D 燃料バンドル
18 燃料棒
20 同位体生成ターゲット棒
20A 同位体生成ターゲット棒
20B 同位体生成ターゲット棒
20C 同位体生成ターゲット棒
22 チャンネル
26 上部タイプレート
30 下部タイプレート
34 スペーサグリッド
38 ウオータロッド
40 中心体
42 上部エンドキャップ
46 下部エンドキャップ
50 同位体生成ターゲット棒セグメント
54 遠位端
58 雄コネクタ
62 雌レセプタクル
64 雌レセプタクル内部孔
65 中心体外胴
66 中心体の内部キャビティ
70 照射ターゲット
74 分離媒体
78 照射ターゲットディスク
82 分離媒体スペーサ
86 間隙空間
90 照射ターゲットペレット
94 リザーバ
98 ターゲットレセプタクル
102 ターゲットレセプタクルの終端部
106 間隙空間
110 ターゲットレセプタクル中実体
114 ターゲットレセプタクル管状体
116 縦方向中心キャビティ
118 ターゲットレセプタクル管状スリーブ
120 中実コア
122 穴
126 ねじ付き孔
130 軸方向端部
134 照射ターゲットキャニスタ
138 ターゲットキャニスタ外胴
142 ターゲットキャニスタ内部キャビティ
146 間隙空間
150 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電用原子炉炉心(10)のための同位体生成ターゲット棒(20)であって、
内部キャビティ(66)を画成する外胴(65)を含む少なくとも1つの棒の中心体(40)と、
前記内部キャビティ(66)内の複数の照射ターゲット(70)であって、核断面積の小さい分離媒体(74)を使用して1つの空間的な配置に位置決めされ、前記空間的配置を維持する照射ターゲット(70)と、
を備える同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項2】
各それぞれの棒の中心体(40)の前記内部キャビティ(66)内の前記照射ターゲットキャニスタ(134)をさらに備え、
前記照射ターゲット(70)がそれぞれの前記照射ターゲットキャニスタ(134)内で前記空間的な配置に位置決めされたことを特徴とする請求項1記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項3】
照射ターゲット(78)を前記空間的な配置に位置決めするように、前記分離媒体が隣接する各前記照射ターゲット(78)の間に位置決めされた複数の照射ターゲットスペーサ(82)を備えることを特徴とする請求項1記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項4】
前記照射ターゲットスペーサ(82)が、ジルコニウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つで製作されたことを特徴とする請求項3記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項5】
前記分離媒体(74)が、各それぞれの棒の中心体(40)の前記内部キャビティ(66)内に少なくとも1つの照射ターゲットレセプタクル(98)を備え、
各照射ターゲットレセプタクル(98)が、各照射ターゲットレセプタクル(98)の外面の少なくとも一部分内に、1つのパターンで複数のターゲットリザーバ(94)を含んでいることを特徴とする請求項1記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項6】
各ターゲットリザーバ(94)が単一の照射ターゲット(90)を保持するような寸法とされたことを特徴とする請求項5記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項7】
各照射ターゲットレセプタクル(98)が、ジルコニウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つで製作されたことを特徴とする請求項5記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項8】
各照射ターゲットレセプタクル(98)が中実体(110)を備え、
各ターゲットリザーバ(94)が隣接する各ターゲットリザーバ(94)から実質的に等しい距離にあるように、前記中実体(110)外面の軸方向の両側の端部の間で、前記ターゲットリザーバ(94)が前記中実体(110)の外面周りに等しく離隔されたことを特徴とする請求項5の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項9】
各照射ターゲットレセプタクル(98)が、前記パターンで管状体(114)の外面周りに等しく離隔された前記ターゲットリザーバ(94)を有する前記管状体(114)を備えることを特徴とする請求項5記載の同位体生成ターゲット棒(20)。
【請求項10】
各照射ターゲットレセプタクル(98)が、
前記パターンで中に複数の孔(122)を有する穿孔された管状スリーブ(118)と、
前記スリーブ(118)内に嵌合された中実コア(120)とを備えることを特徴とする請求項5記載の同位体生成ターゲット棒(20)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2009−133854(P2009−133854A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294019(P2008−294019)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC