説明

新体操用スティックの損傷防止具及び新体操用スティック

【課題】回転支持具による外部への損傷を防止することにある。
【解決手段】リボンRに対して自由な回転を可能にする回転支持金具(回転支持具)3をスティック本体2の先端部2aに備えた新体操用スティック1におけるスティック本体2の先端部2aに設けることによって回転支持金具3による外部への損傷を防止する損傷防止具4であり、スティック本体2の先端部2aに設けた状態において、回転支持金具3の先端側の周囲を囲む筒状部42を有するように構成している。また、その損傷防止具4を設けたもので新体操用スティック1を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新体操の競技種目の一つであるリボンにおいて使用する新体操用スティックの損傷防止具及びその損傷防止具を用いた新体操用スティックに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の新体操用スティックとしては、先端に向けて漸次先細状に形成されたスティック本体の先端部にリングを回転自在に支持するための回転支持金具(回転支持具)を備えたものが知られている(例えば特許文献1)。回転支持金具は、スティック本体の先端部に嵌着される固定部と、この固定部の先端から突出して当該固定部に対して回転自在に構成され、かつ当該固定部より細く形成された回転軸部とを有している。上記リングは、回転軸部に、その回転軸部に形成された貫通孔を介して取り付けられるようになっている。また、リングには、スイベルを介してリボンが取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−58154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記新体操用スティックにおいては、回転支持金具がスティック本体の先端部にあって比較的尖った形状のものになることから、その回転支持金具によって例えば人が怪我をしたり、床等が傷付くなど、外部に対して損傷を生じるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転支持具による外部への損傷のおそれのない新体操用スティックの損傷防止具及び新体操用スティックを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の損傷防止具は、リボンに対して自由な回転を可能にする回転支持具をスティック本体の先端部に備えた新体操用スティックにおける前記スティック本体の先端部に設けることによって前記回転支持具による外部への損傷を防止する損傷防止具であって、前記スティック本体の先端部に設けた状態において、前記回転支持具の先端側の周囲を囲む筒状部を有することを特徴としている。なお、損傷防止具は、スティック本体の先端部に直接設けるようにしても、当該先端部に回転支持具を介して設けるようにしてもよい。
【0007】
請求項2に記載の損傷防止具は、請求項1に記載の発明において、前記筒状部は、先方に向って拡径するように形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の損傷防止具は、請求項1又は2に記載の発明において、前記筒状部は、前記回転支持具における先端側に突出する回転軸部に形成された貫通孔に取り付けられたリングであって前記リボンとの連結を図るリングが前記回転軸部と共に回転することが可能なように、内径寸法が設定されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の損傷防止具は、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明において、ゴム弾性を有する素材で一体に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の損傷防止具は、請求項1〜4の何れか1項に記載の発明において、前記回転支持具の固定部であって前記回転軸部を回転自在に支持すべく前記スティック本体の先端部に取り付けられた固定部に設けられた係止部に係止する被係止部を有することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の新体操用スティックは、リボンに対して回転方向の自由な動きを可能とする回転支持具をスティック本体の先端部に有する新体操用スティックであって、請求項1〜5の何れか1項に記載の新体操用スティックの損傷防止具を前記スティック本体の先端部に設けたことを特徴としている。なお、損傷防止具は、スティック本体の先端部に直接設けるように構成しても、当該先端部に回転支持具を介して設けるように構成してもよい。
【0012】
請求項7に記載の新体操用スティックは、請求項6に記載の発明において、前記回転支持具は、前記スティック本体の先端部に固定される固定部と、この固定部の先端から突出し、当該固定部に対して回転自在な回転軸部とを有しており、前記固定部には、前記回転軸部を回転自在に支持する滑り軸受部が構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の新体操用スティックの損傷防止具によれば、回転支持具の先端側の周囲を囲むように形成された筒状部を有しているので、回転支持具が人、床、壁等に直接当るのを防止することができる。従って、回転支持具による外部への損傷を防止することができる。
【0014】
また、回転支持具の先端側の周囲にリボンの自由な回転を可能にする筒状の空間を確保することができるので、リボンの回転が筒状部によって阻害されることがない。
【0015】
請求項2に記載の新体操用スティックの損傷防止具によれば、筒状部が先方に向って拡径するように形成されているので、リボンに対し自由な回転を与えるためのより効率のよい先広がり状の空間を確保することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、回転支持具における回転軸部の貫通孔に取り付けられたリングがその回転軸部と共に回転することが可能なように、筒状部の内径寸法が設定されているので、リングが筒状部の内面に擦れた状態となることによって、リボンの回転が制限されるのを防止することができる。
【0017】
請求項4に記載の新体操用スティックの損傷防止具によれば、ゴム弾性を有する素材で一体に形成されいるので、例えば筒状部が人体に当った場合でも、その筒状部によって損傷を受けるのを防止することができる。また、筒状部における軸方向の先端がその軸方向に対してほぼ直角な面をもった外部の対象物に押し当たるような場合には、筒状部自体の剛性が高く維持された状態になるので、その対象物が回転支持具に当るのを防止することができる。一方、筒状部における軸方向の先端がその軸方向に対して斜めになって外部の対象物に当たる場合には、筒状部の周壁部が回転支持具の上に被さるように湾曲変形することになるので、この場合にも外部の対象物が回転支持具に当たるのを防止することができる。従って、回転支持具による外部への損傷を防止することができる。
【0018】
請求項5に記載の新体操用スティックの損傷防止具によれば、回転支持具の固定部に設けられた係止部に係止する被係止部を有しているので、被係止部を係止部に係止させることにより、スティック本体の先端部における所定の位置に損傷防止具を取り付けることができる。
【0019】
請求項6に記載の新体操用スティックによれば、請求項1〜5の何れか1項に記載の新体操用スティックの損傷防止具をスティック本体の先端部に設けているので、上述した効果を有する新体操用スティックを提供することができる。
【0020】
請求項7に記載の新体操用スティックによれば、回転支持具の固定部に回転軸部を回転自在に支持する滑り軸受部が構成されているので、固定部に回転軸部を回転自在に支持する玉軸受部を構成する場合に比して、固定部の小径化及び軽量化を図ることができる。また、固定部に取り付ける損傷防止具についても小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例として示した新体操用スティックの要部破断正面図である。
【図2】同新体操用スティックの先端部を示す図であって、(a)は断面図であり、(b)は先端部に設ける損傷防止具を示す断面図であり、(c)は先端部に設ける回転支持金具を示す分解断面図である。
【図3】同新体操用スティックの先端部を示す図であって、回転支持金具の回転軸部を図2(a)に対して90度回転させた後の状態を示す断面図である。
【図4】同新体操用スティックにおける損傷防止具の作用効果を示す説明図である。
【図5】同新体操用スティックにおける損傷防止具の他の例を示す図であり、(a)は損傷防止具についてゴム弾性を有しない剛性の比較的高い素材を用いて形成した場合の係止部及び被係止部を示す半断面図であり、(b)は筒状部を円筒状に形成したものを示す半断面図であり、(c)は筒状部を複数段の円筒部によって形成したものを示す半断面図であり、(d)は筒状部の先端縁部を円弧状に丸めたものを示す半断面図であり、(e)は筒状部の先端縁部に外側に広がるフランジを設けたもの、及び被係止部として固定部の一端部及び他端部に係止するように構成したものを示す半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本考案を実施するための形態を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、損傷防止具付きの新体操用スティックの実施例を示すことにより、損傷防止具及びこの損傷防止具を用いた新体操用スティックの双方について説明する。
【実施例】
【0023】
この実施例で示す新体操用スティック1は、図1に示すように、先端に向けて漸次テーパ状に縮径されたスティック本体2と、このスティック本体2の先端部2aに設けられた回転支持金具(回転支持具)3と、スティック本体2の先端部2aに設けることによって、回転支持金具3による外部への損傷を防止する損傷防止具4とを備えている。なお、スティック本体2は、先端部2aのみを図示している。
【0024】
回転支持金具3は、リボンRに対して自由な回転を可能にするためのものであり、スティック本体2の先端部2aに接着材等により固定される固定部31と、この固定部31に対して回転自在に設けられた回転軸部32とを備えた構成になっている。また、固定部31は、本体部33と保持部34とを備えた構成になっている。
【0025】
本体部33は、図2に示すように、円柱状に形成されたものであり、その一端面から軸心に沿うように軸受孔33aが形成され、その他端面から軸心に沿うようにスティック本体2の先端部2aとの連結を図る連結孔33bが形成されている。また、本体部33の外周面には、周方向に環状に延在する係止部33cが形成されている。係止部33cは、本体部33の軸方向における軸受孔33aと連結孔33bとの間に位置し、断面が矩形の凹状に形成されている。また、軸受孔33aは、周囲が軸受円筒部33dによって囲まれている。このように構成された本体部33は、滑り軸受用の素材として用いられる黄銅(真鍮)によって一体に形成されている。
【0026】
保持部34は、図2(c)に示すように、内周面が円筒状に形成され、外周面が第1テーパ外周面34aと第2テーパ外周面34bとを有する形状になっている。第1テーパ外周面34a及び第2テーパ外周面34bは、双方ともに一端側から他端側に向けて漸次拡径するように形成されている。第1テーパ外周面34aと第2テーパ外周面34bとの境界部は、保持部34の軸方向に対して直交する境界面34cによって形成されている。また、第1テーパ外周面34aの最大径部の径は、軸受孔33aの径より大となっており、第2テーパ外周面34bの最大径部の径は、軸受孔33aの径より小となっている。
【0027】
即ち、保持部34は、第2テーパ外周面34bを軸受孔33aに挿入した状態において、境界面34cが軸受円筒部33dの端面に当接するようになっており、これにりより、軸受孔33a内に回転軸部32の膨出部32bを回転自在に保持する空間が確保されるようになっている。また、保持部34の基端面には、テーパ面34dが形成されている。このテーパ面34dは、保持部34の内周面に向って漸次深くなるように形成されている。
【0028】
そして、保持部34は、境界面34cが軸受円筒部33dの端面に当接した状態において、軸受円筒部33dを第2テーパ外周面34bに密着するように絞り加工することにより、軸受孔33aの部分に固定されるようになっている。なお、保持部34はステンレス鋼によって一体に形成されている。
【0029】
このように保持部34と軸受孔33aの部分とによって、固定部31の一端部には、回転軸部32を回転自在に支持する滑り軸受部が構成されている。
【0030】
回転軸部32は、保持部34の内周面に回転自在に嵌合する径の主軸部32aと、この主軸部32aの他端部に形成された膨出部32bとによって同軸状に一体に形成されている。膨出部32bは、その一端面が保持部34のテーパ面34dに合致する角度のテーパ面32cとなっており、他端面が軸方向に直交する平面によって形成されている。
【0031】
また、膨出部32bの外径は、軸受孔33aの径より小さく形成されている。更に、膨出部32bの軸方向の長さは、軸受孔33aに固定された状態の保持部34のテーパ面34dに膨出部32bのテーパ面32cを接触させた状態において、当該膨出部32bの他端面と、軸受孔33aの底面33eとの間にわずかに隙間があくような寸法に設定されている。
【0032】
主軸部32aには、その一端部に軸方向に直交する貫通孔32dが形成されている。回転軸部32の貫通孔32dは、図2(a)に示すように、円環状に形成されたスプリットリング(リング)SRの取り付けが可能な径に形成されている。このように構成された回転軸部32は、滑り軸受用の素材として用いる黄銅(真鍮)によって一体に形成されている。
【0033】
なお、回転軸部32の膨出部32bを軸受孔33aに挿入した状態で保持部34をその軸受孔33aの部分に固定する際に、軸受孔33a内等に回転軸部32との潤滑を図るグリス等の潤滑材を封入しておくことが好ましい。
【0034】
スプリットリングSRは、ステンレス鋼の線材をほぼ二重に重なる円環状に巻いたものであり、回転軸部32の貫通孔32dとの着脱が可能になっている。このスプリットリングSRには、図1に示すように、スイベルSを介してリボンRが取り付けられることになる。
【0035】
損傷防止具4は、図2(a)及び(b)に示すように、回転支持金具3の固定部31に連結された状態となる基礎部41と、この基礎部41の一端側に位置し回転支持金具3の先端側の周囲を囲むように形成された筒状部42とを有しており、全体がゴム弾性を有する素材で一体に形成されている。
【0036】
基礎部41は、内径が固定部31の外径よりやや小さな円筒状に形成されており、その内周面が固定部31の外周面に密着するようになっている。
【0037】
また、基礎部41には、その内周面における軸方向の所定の位置に、固定部31の係止部33cに嵌る形状の被係止部41aが形成されている。被係止部41aは、周方向に環状に延在するように形成されている。更に、基礎部41には、その他端部の内周面に内方に突出するリブ(被係止部)41bが形成されている。このリブ41bも、周方向に環状に延在している。
【0038】
そして、被係止部41aを係止部33cに係止させることにより、リブ41bが固定部31の他端部(即ち、本体部33の他端部)に係止した状態になると共に、筒状部42が回転支持金具3の先端側の周囲を囲むようになっている。なお、リブ41bは、固定部31の他端部(この例では斜めに面取された部分)を係止部とし、この係止部に係止する被係止部として機能することにより、被係止部41aと共に、損傷防止具4を固定部31に保持する役目を果たすことになる。
【0039】
筒状部42は、基礎部41の一端部から先方に向って漸次拡径するテーパ状に形成されている。また、筒状部42は、図3に示すように、被係止部41aが係止部33cに係止された状態において、回転軸部32の貫通孔32dに取り付けたスプリットリングSRが当該回転軸部32と共に回転することが可能なように、内径寸法が設定されている。即ち、筒状部42の内径は、回転軸部32の貫通孔32dに取り付けた状態のスプリットリングSRの外径より大きく形成されている。
【0040】
上記のように構成された新体操用スティック1においては、回転支持金具3の先端側の周囲を囲むように形成された筒状部42を有する損傷防止具4をスティック本体2の先端部2aに設けているので、回転支持金具3が人、床、壁等に直接当るのを防止することができる。従って、回転支持金具3によって人等の外部の対象物に損傷を与えるのを防止することができる。
【0041】
また、損傷防止具4の筒状部42によって、回転支持金具3の先端側の周囲にスプリットリングSR等を介してリボンRに自由な回転を与えるために効率のよい先広がりのテーパ状の空間を確保することができるので、リボンRの回転が筒状部42によって妨げられるのを防止することができる。
【0042】
更に、回転軸部32の貫通孔32dに取り付けたスプリットリングSRがその回転軸部32と共に回転することが可能なように、筒状部42の内径寸法が設定されているので、スプリットリングSRが筒状部42の内面に擦れた状態となることによって、リボンRの回転が制限されるのを極力防止することができる。
【0043】
また更に、損傷防止具4がゴム弾性を有する素材で一体に形成されいるので、当該損傷防止具4が外部の対象物に当たることによってその対象物に損傷が生じるのを確実に防止することができる。また、筒状部42の正面がそのまま真っ直ぐに外部の対象物に押し当たるような場合には、筒状部42自体の剛性が高く維持されることから、その外部物体が回転支持金具3に当るのを防止することができる。一方、筒状部42の正面が少しでも斜めになって外部の対象物に当たる場合には、図4に示すように、筒状部42の周壁部が回転支持金具3の上に被さるように湾曲変形することになるので、この場合にも外部の対象物が回転支持金具3に当たるのを防止することができる。即ち、外部に対する損傷を防止することができる。
【0044】
また、損傷防止具4は、被係止部41aを係止部33cに係止させるだけで簡単に、スティック本体2の先端部2aにおける所定の位置に取り付けることができると共に、その所定の位置に確実に保持することができる。また、ゴム弾性を利用して、損傷防止具4における被係止部41aの部分を拡径するような変形を与えることにより、当該損傷防止具4を固定部31から簡単に取り外すこともできる。
【0045】
更に、回転支持金具3の固定部31に設けた滑り軸受部によって回転軸部32を回転自在に支持しているので、回転軸部32を玉軸受部を用いて回転自在に支持する場合に比べて、固定部31の小径化及び軽量化を図ることができる。しかも、固定部31に取り付ける損傷防止具4もより小さなものにすることができるという利点がある。
【0046】
なお、上記実施例においては、損傷防止具4をゴム弾性を有する素材で形成した例を示したが、この損傷防止具4としてはゴム弾性を有しないプラスチック等の比較的剛性の大きな素材を用いて形成したものであってもよい。但し、その場合には、図5(a)に示すように、係止部33cを浅い凹状のものとすると共に、他端側に向けて漸次深くなるような形成し、被係止部41aについても係止部33cに合致する形状の突出量の小さな凸状のもので形成することが好ましい。また、リブ41bについても突出量の小さなもので形成することが好ましい。このように構成することにより、損傷防止具4の小さな弾性変形によって、被係止部41aを係止部33cに係止させることができると共に、前方からの力に対して、損傷防止具4が固定部31に対して後方に移動するの確実に阻止することができる。
【0047】
また、筒状部42としてテーパ状に形成したものを示したが、この筒状部42は、図5(b)に示すように、円筒状に形成したものであってもよい。更に、筒状部42としては、図5(c)に示すように、順次拡径した複数(この例では2つ)の円筒部を段状につなげることにより、先方に向って拡径するように形成したものであってもよい。
【0048】
一方、筒状部42の先端縁部は、図5(d)に示すように、断面視において半円弧状に形成したものや、図5(e)に示すように、外側に広がるフランジを有するように形成したものであってもよい。筒状部42の先端縁部を円弧状に丸めたものや、フランジを設けたもにあっては、損傷防止具4をプラスチック等の比較的剛性の大きな硬い素材で形成した場合でも、その先端縁部に当たることによって外部の対象物に損傷等が生じるのを防止することができる。
【0049】
更に、係止部33cは、図5(e)に示すように、固定部31の一端部及び他端部で代用することも可能である。即ち、固定部31におけるテーパ状に傾斜した面によって形成された一端部及び他端部を係止部とし、これらの係止部に係止する被係止部41aを損傷防止具4に一体的に設けるようにしてもよい。このように構成した場合においても、損傷防止具4を回転支持金具3の所定の位置に保持することができる。なお、一端面及び他端面が軸方向に直交する面によって形成されていた場合も、その一端面及び他端面を係止部として代用することができることはいうまでもない。また、このように固定部31の一端部及び他端部を係止部とした場合には、一般に普及している新体操用スティックに対しても、損傷防止具4を取り付けることが可能になる。
【0050】
また、回転支持具として、金属製の本体部33、保持部34及び回転軸部32を備えた回転支持金具3の例を示したが、この回転支持具としては、例えばプラスチック製の本体部、保持部及び回転軸部を備えたものなど、金属以外の素材によって構成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 新体操用スティック
2 スティック本体
2a 先端部
3 回転支持金具(回転支持具)
4 損傷防止具
31 固定部
32 回転軸部
32d 貫通孔
33c 係止部
41a 被係止部
42 筒状部
R リボン
SR スプリットリング(リング)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボンに対して自由な回転を可能にする回転支持具をスティック本体の先端部に備えた新体操用スティックにおける前記スティック本体の先端部に設けることによって前記回転支持具による外部への損傷を防止する損傷防止具であって、
前記スティック本体の先端部に設けた状態において、前記回転支持具の先端側の周囲を囲む筒状部を有することを特徴とする新体操用スティックの損傷防止具。
【請求項2】
前記筒状部は、先方に向って拡径するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の新体操用スティックの損傷防止具。
【請求項3】
前記筒状部は、前記回転支持具における先端側に突出する回転軸部に形成された貫通孔に取り付けられたリングであって前記リボンとの連結を図るリングが前記回転軸部と共に回転することが可能なように、内径寸法が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の新体操用スティックの損傷防止具。
【請求項4】
ゴム弾性を有する素材で一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の新体操用スティックの損傷防止具。
【請求項5】
前記回転支持具の固定部であって前記回転軸部を回転自在に支持すべく前記スティック本体の先端部に取り付けられた固定部に設けられた係止部に係止する被係止部を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の新体操用スティックの損傷防止具。
【請求項6】
リボンに対して回転方向の自由な動きを可能とする回転支持具をスティック本体の先端部に有する新体操用スティックであって、
請求項1〜5の何れか1項に記載の新体操用スティックの損傷防止具を前記スティック本体の先端部に設けたことを特徴とする新体操用スティック。
【請求項7】
前記回転支持具は、前記スティック本体の先端部に固定される固定部と、この固定部の先端から突出し、当該固定部に対して回転自在な回転軸部とを有しており、
前記固定部には、前記回転軸部を回転自在に支持する滑り軸受部が構成されていることを特徴とする請求項6に記載の新体操用スティック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−135970(P2011−135970A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296723(P2009−296723)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000109288)チャコット株式会社 (7)