説明

新聞用バインダ

【課題】 新聞を新聞架けに架けて保管することができるうえ、新聞を読む時の邪魔にならない新聞用バインダを提供する。
【解決手段】バインダ本体1の新聞綴じ代部2をプラスチック段ボール板材より形成して、該新聞綴じ代部2は前記プラスチック段ボール板材の中芯の方向が該新聞綴じ代部2の上下方向となるようにしたものであり、また、該新聞綴じ代部を挟持する断面コ字状のクリップ5の少なくとも2個を該新聞綴じ代部2の縦方向の両端内に納まるものとして、該新聞綴じ代部2の縦方向の両端側からスライド自在に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫茶店、ホテルのロビーや図書館その他の新聞を閲覧させる場所において、新聞を的確に綴じて新聞架けに架けることができるうえ、新聞を読む時に邪魔となることのない新聞用バインダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
喫茶店、ホテルのロビーや図書館その他の新聞を閲覧させる場所で使用されている新聞用バインダは、新聞の縦方向の折目側を挟み込む挟持棹部の両端に突出させた係止片部を新聞架けの係止鉤に架けるものが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、前記の新聞用バインダは、新聞を読む時に挟持棹部の両端から突出させた係止片部が邪魔となる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−293083公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記したような問題を解決して、喫茶店、ホテルのロビーや図書館その他の新聞を閲覧させるにおいて、新聞を的確に綴じて新聞架けに架けることができるうえ、新聞を読む時に邪魔となることのない新聞用バインダを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決した本発明の新聞用バインダは、バインダ本体の新聞綴じ代部をプラスチック段ボール板材より形成して、該新聞綴じ代部は前記プラスチック段ボール板材の中芯の方向が該新聞綴じ代部の上下方向となるようにしたものであり、また、該新聞綴じ代部を挟持する断面コ字状のクリップの少なくとも2個を該新聞綴じ代部の縦方向の両端内に納まるものとして、該新聞綴じ代部の縦方向の両端側からスライド自在に装着したことを特徴とするものを請求項1に記載の発明とする。
【0007】
そして、請求項1に記載の新聞用バインダにおいて、バインダ本体をプラスチック段ボール板材を新聞紙の1頁大よりわずかに大きい表板部と裏板部とからなるものとして、前記新聞綴じ代部を表板部と裏板部の基端に一体に形成したものを請求項2に記載の発明とする。
【0008】
また、請求項2に記載の新聞用バインダにおいて、バインダ本体を新聞紙の2頁大よりわずかに大きい1枚のプラスチック段ボール板材よりなるものとして、該1枚のプラスチック段ボール板材を左右中央において折曲部により折り重さねて、該折曲部の両先方部を新聞綴じ代部に形成した表板部と裏板部としたものを請求項3に記載の発明とする。
【0009】
また、請求項2又は3に記載の新聞用バインダにおいて、表板部と裏板部とのそれぞれの左右中央部に左右方向に折曲できる縦折り目を設けたものを請求項4に記載の発明とする。
【0010】
さらに、請求項1に記載の新聞用バインダにおいて、バインダ本体を前記新聞綴じ代部からのみなるものを請求項5に記載の発明とする。
【発明の効果】
【0011】
前記のような請求項1に構成された発明は、プラスチック段ボール板材よりなる新聞綴じ代部に新聞の縦方向の折目を挟み込んだうえ、前記新聞綴じ代部を挟持する断面コ字状のクリップを縦方向の両端側から少なくとも2個をスライドさせて装着する。この場合、断面コ字状のクリップの先端はプラスチック段ボール板材の中芯と中芯との間に形成される縦方向の中空部を圧縮してその近傍の中芯を座屈させてこれにより生じる弾性を利用して新聞を的確に綴じておくことができるものである。
【0012】
そして、バインダ本体の新聞綴じ代部は、中芯が新聞紙の縦方向となるようにしたプラスチック段ボール板材よりなるものとしているので、前記クリップの先端は縦方向の中芯に沿ってスライドすることとなるのでスムーズにスライドできるものである。また、前記クリップの先端は中芯と中芯との間に入り込むこととなるので、該クリップは前記新聞綴じ代部の横方向から離脱することのないものである。
【0013】
また、前記新聞綴じ代部を挟持するクリップは新聞綴じ代部の縦方向の両端側から少なくとも2個をスライドさせて装着しているので、このうち両端の2個のクリップの端部を新聞綴じ代部の縦方向の両端から突出させれば、この突出部を新聞架けに架けておくことができるものである。また、新聞を新聞架けから外して読む時は2個の断面コ字状のクリップを内側にスライドさせて新聞綴じ代部の縦方向の両端側内に納めれば新聞を読むための邪魔にならないものである。
【0014】
また、請求項2の発明のように、請求項1の新聞用バインダにおいて、バインダ本体をプラスチック段ボール板材を新聞紙の1頁大よりわずかに大きい表板部と裏板部とからなるものとして、前記新聞綴じ代部を表板部と裏板部の基端に一体に形成したものとすると、表板部と裏板部が新聞を的確に保護するものである。また、表板部と裏板部を新聞綴じ代部とは別異に製造することがにないので、表板部と裏板部製造コストが低くすることができる。また、バインダ本体全体がプラスチック段ボール板材よりなるものとしたので軽量なものとなる。
【0015】
また、請求項3の発明のように、請求項2の新聞用バインダにおいて、バインダ本体を新聞紙の2頁大よりわずかに大きい1枚のプラスチック段ボール板材よりなるものとして、該1枚のプラスチック段ボール板材を左右中央において折曲部により折り重さねて、該折曲部の両先方部を新聞綴じ代部に形成した表板部と裏板部としたものは、より製造が容易なものである。
【0016】
また、請求項4の発明のように、請求項2又は3の新聞用バインダにおいて、表板部と裏板部とのそれぞれの左右中央部に左右方向に折曲できる縦折り目を設けたものは、新聞を読む場合に表板部を前記クリップの先端を起点に裏側に引き回して裏板部に重ね合わせたうえ新聞を表側になるように4つ折りできるので、片手で保持して新聞を読むことができ、他方の手でコーヒーを飲むことができるものである。また、閉じた新聞がプラスチック段ボール板材よりなる表板部と裏板部の保形性により腰折れすることなくマガジンラックに立てて収納することができるものである。
【0017】
さらに、請求項4の発明のように、請求項1に記載の新聞用バインダにおいて、バインダ本体を前記新聞綴じ代部からのみなるものとしても、新聞を的確に綴じて新聞架けに架けることができるうえ、新聞を読む時に邪魔となることはないものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態を示す一部切斜視図。
【図2】本発明の実施形態を態様を異にして示す斜視図。
【図3】本発明の実施形態の他例を示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態に使用するプラスチック段ボール板材の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の実施形態の要部を示す断面図。
【図6】クリップを新聞綴じ代部に装着する状態を示す斜視図である。
【図7】クリップの他例を示す斜視図。
【図8】本発明の実施形態の他例を示す一部切斜視図である。
【図9】本発明の実施形態の他例を示す一部切斜視図である。
【図10】新聞紙を開いた2頁大よりわずかに大きい1枚のプラスチック段ボール板材よりなるバインダ本体を示す斜視図。
【図11】新聞架けに架けた状態を示す斜視図。
【図12】マガジンスタンドに収納した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。
図1、図2において、1はバインダ本体である。このバインダ本体1の新聞綴じ代部2はプラスチック段ボール板材より形成したものである。そして、該新聞綴じ代部2を形成する前記プラスチック段ボール板材の中芯の方向は該新聞綴じ代部2の上下方向となるようにしている。また、前記バインダ本体1は図1、図2に示すものは、新聞綴じ代部2を基端に一体に設けたプラスチック段ボール板材よりなる表板部3と裏板部4よりなるものである。なお、プラスチック段ボール板材としては一体押出成形法により2枚のライナー11、11の間を支持する多数の中芯12を備えた図4に示すをものを使用している。
【0020】
5は前記プラスチック段ボール板材よりなる新聞綴じ代部2の縦方向の両端内に納まり該新聞綴じ代部2を挟持する断面コ字状のクリップである。このクリップ5は少なくとも2個を前記新聞綴じ代部2の縦方向の両端側からスライド自在に装着するものである。すなわち、図1、図2に示すものは、新聞綴じ代部4の縦の長さの1/2のクリップ5を2個をそれぞれ前記新聞綴じ代部2の縦方向の端部側からスライド自在に装着している。なお、図3に示すようにクリップ5を新聞綴じ代部2の縦の長さの1/3以下のものを3個、或いは図示はしていなが新聞綴じ代部4の縦の長さの1/4のものを4個としてもよい。
【0021】
また、前記バインダ本体1はプラスチック段ボール板材を中芯12を新聞紙の縦方向になるように新聞紙大よりわずかに大きい表板部3と裏板部4とからなるものとして、前記新聞綴じ代部2を表板部3と裏板部4の基端に一体に形成していることが好ましい。しかし、バインダ本体1を図8に示すように新聞綴じ代部2のみをプラスチック段ボール板材よりなるものとして表板部3と裏板部4をプラスチックシートよりなるものとしてよいものである。また、図9に示すようにバインダ本体1を新聞綴じ代部2のみよりなるものとしてもよい。
【0022】
また、前記バインダ本体1を図10に示す新聞紙を開いた2頁大よりわずかに大きい1枚のプラスチック段ボール板材よりなるものとして、該1枚のプラスチック段ボール板材を左右中央において折曲部1aにより折り重なるように折曲して、該折曲部1aの両先方部を新聞綴じ代部2に形成した表板部3と裏板部4とすることが部品点数も少なく最も好のましいものである。さらに、前記した表板部2と裏板部3のそれぞれの左右中央部に縦折り目31、41を設けたものとしている。
【0023】
また、前記した断面コ字状のクリップ5は、上下の押片部51、52の後端を弾性連結片部50で連結したもので、前記押片部51、52の先端間で前記新聞綴じ代部4を挟持するものである。そして、該クリップ5は前記新聞綴じ代部2の縦方向の両端部からスライド自在に装着するのに便宜なものとするため、縦方向の両端部の少なくとも一方端部に前記新聞綴じ代部2の縦方向の端部を係合する誘い込み部53を形成している。図6に示すクリップ5にあっては、上下の押片部51、52のどちらか一方の端部を後端の外側から先端の内側に向けて切欠して誘い込み部53を形成している。また、図7に示すクリップ5にあっては、クリップ5の端部を拡大して誘い込み部53に形成したものとしている。
【0024】
このように構成されたものは、バインダ本体1のプラスチック段ボール板材よりなる新聞綴じ代部2からクリップ5を外しておく。そして、バインダ本体1を開いて表板部3と裏板部4との間に新聞(イ)の折目を前記新聞綴じ代部4に位置させて閉じる。その後に断面コ字状の長尺のクリップ5を縦方向の両端側からスライドさせて装着する。これにより、図5に示すように断面コ字状のクリップ5の押片部51、52の先端51a、52aはプラスチック段ボール板材のライナー11、11と中芯12、12との間に形成される縦方向の中空部13を圧縮してその近傍の中芯12を座屈させてこれにより生じる弾性を利用して新聞(イ)を的確に綴じておくことができるものである。
【0025】
そして、バインダ本体1の新聞綴じ代部2は、プラスチック段ボール板材の中芯12が新聞紙の縦方向となるようにしたものであるので、断面コ字状のクリップ5の押片部51、52の先端51a、52aは縦方向の中芯12と同一方向にスライドすることとなるのでスムーズにスライドできるものである。また、断面コ字状のクリップ5の押片部51、52の先端51a、52aは横方向において中芯12の間には嵌まり込むこととなるので、該クリップ5は前記新聞綴じ代部2の横方向から離脱することのないものである。
【0026】
また、前記断面コ字状の長尺のクリップ5は新聞綴じ代部2の縦方向の両端側から少なくとも2個をスライドさせて装着しているので、図2に示すように新聞綴じ代部2の縦方向の両端側にある断面コ字状のクリップ5をそれぞれ新聞綴じ代部2の縦方向の両端から外側にスライドさせて突出させれば、図11に示すようにこの突出部を新聞架け(ロ)に架けておくことができるものである。そして、新聞架け(ロ)から外して新聞を読む時は2個の断面コ字状のクリップ5、5を内側にスライドさせて新聞綴じ代部2の縦方向の両端側内に納めれば新聞を読むための邪魔にならないものである。
【0027】
また、前記バインダ本体1をプラスチック段ボール板材を新聞紙大よりわずかに大きい表板部3と裏板部4とからなるものとして、前記新聞綴じ代部2を前記表板部3と裏板部4の基端に一体に形成したもとすることにより、製造コストが低くなるものである。また、バインダ本体1全体がプラスチック段ボール板材よりなるものとしたので軽量なものとなる。また、コーヒー等の飲食物を誤って溢して汚染しても簡単に洗浄できるものである。さらには、プラスチック段ボール板材を透明、半透明な透過性のあるものとすることにより、綴じた新聞の種類、発行年月日を外側から確認でき、特に表板部3或いは裏板部4の新聞名等の表示を付する必要がないものである。
【0028】
また、前記バインダ本体1を1枚のプラスチック段ボール板材よりなるものとして、該1枚のプラスチック段ボール板材を折り重なるように左右中央の折曲部1aにおいて折曲して、該折曲部1aの両先方部を新聞綴じ代部2に形成した表板部3と裏板部4とすることにより製造が容易なものである。すなわち、図5に示すようにプラスチック段ボール板材は中芯12を縦方向としているので、折曲部1aの近傍のプラスチック段ボール板材の中芯12は座屈するので容易に折曲できるので、前記1枚のプラスチック段ボール板材を折り重なるように左右中央において折曲するための機器、工具等を不要とするものである。
【0029】
さらに、前記プラスチック段ボール板材よりなる前記表板部3と裏板部4との左右中央部に左右方向に折曲できる折り目31、41を設けたものは、新聞を読む場合に表板部3を前記断面コ字状の長尺のクリップ5の先端で挟持されている新聞綴じ代部2を起点に裏側に引き回して裏板部4に重ね合わせたうえ新聞を表側になるように4つ折りできるので、片手で保持して新聞を読むことができ、他方の手でコーヒーを飲むことができるものである。
【0030】
また、表板部3を外側となるように、また裏板部4が内側となるようにそれぞれの折り目31、41を360度折曲して4つ折りすれば、閉じた新聞がプラスチック段ボール板材よりなる表板部3と裏板部4の保形性により腰折れすることなく図11に示すようにマガジンラック(ハ)に立てて収納することができるものである。
なお、表板部3を内側に裏板部4を外側にして4つ折りする場合にも折り方が逆となるが同様に折り畳むことができるものである。
【0031】
また、このように4つ折りすることにより、また、市販されている一般の本棚の奥行に納まるサイズの210mm程の横幅となるので上下の棚板の間隔を550mm以上とることにより本棚に立てた状態で収納でき取り出しも容易であり、また、クリップ5の背板部53に新聞名、発行年月日を記しておくことにより、図書館などでの保管にも適したものである。
【符号の説明】
【0032】
1 バインダ本体
2 新聞綴じ代部
3 表板部
4 裏板部
5 クリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダ本体の新聞綴じ代部をプラスチック段ボール板材より形成して、該新聞綴じ代部は前記プラスチック段ボール板材の中芯の方向が該新聞綴じ代部の上下方向となるようにしたものであり、また、該新聞綴じ代部を挟持する断面コ字状のクリップの少なくとも2個を該新聞綴じ代部の縦方向の両端内に納まるものとして、該新聞綴じ代部の縦方向の両端側からスライド自在に装着したことを特徴とする新聞用バインダ。
【請求項2】
請求項1に記載のバインダ本体をプラスチック段ボール板材を新聞紙の1頁大よりわずかに大きい表板部と裏板部とからなるものとして、前記新聞綴じ代部を表板部と裏板部の基端に一体に形成した新聞用バインダ。
【請求項3】
請求項2に記載のバインダ本体を新聞紙の2頁大よりわずかに大きい1枚のプラスチック段ボール板材よりなるものとして、該1枚のプラスチック段ボール板材を左右中央において折曲部により折り重さねて、該折曲部の両先方部を新聞綴じ代部に形成した表板部と裏板部とした新聞用バインダ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の表板部と裏板部とのそれぞれの左右中央部に左右方向に折曲できる縦折り目を設けた新聞用バインダ。
【請求項5】
請求項1に記載のバインダ本体を前記新聞綴じ代部のみからなるものとした新聞用バインダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−25421(P2011−25421A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170716(P2009−170716)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(503417958)
【Fターム(参考)】