説明

新規なセットとされるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書

【課題】 各頁の上縁が引き剥がし可能に綴られた、新規な1組のセットとされた複写・転写のできるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書により、歯科医療業務の簡素化・簡略化を著しく図ることができる。
【解決手段】 新規な1組のセットとされた複写・転写ができ引き剥がしのできるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書により、第1頁目を記入するだけで、後続頁の歯科技工指示書とクラウン・ブリッジ維持管理書並びに歯科技工録などの総てを一括して揃えることとなり、従来に比して歯科医療業務の簡素化・簡略化を著しく図ることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、新規な1組のセットとされると共に、歯科医療業務の簡素化・簡略化を図ることができる複写・転写可能なクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の口腔内において諸問題が生じると、診療に係った歯科医師は詳しく患者の口腔内を観察し、その患者に適した必要な処置を速やかに行っている。歯科医師が行う必要な処置には、単に口腔内の薬の投薬に留まらず、歯科補綴物・個人トレー等の歯科技工物を必要とする場合が多々ある。そして、このような場合には歯科医師は、患者に対する必要な歯科技工物を歯科技工士に指示し製作してもらうこととなり、歯科医師と歯科技工士との協働作業になることが多い。
【0003】
そして、このような歯科医療の現場では、歯科医師は患者の口腔内の状態を詳しく記録・保存するために診療カルテを作成している。
また、歯科医師はそれと共に保険点数のために補綴物維持管理料(クラウン・ブリッジ維持管理料)を算出しクラウン・ブリッジ維持管理書を作成し、かつ歯科技工士に対して歯科技工指示書を作成することになる。
一方、歯科技工士は、歯科医師の作成した歯科技工指示書に基づいて歯科技工物を製作することとなり、これに伴って歯科技工録を作成することになる。
【0004】
勿論、診療カルテに記載すべき事項や、クラウン・ブリッジ維持管理書(改定前は補綴物維持管理書)あるいは歯科技工指示書に記載すべき事項は、歯科医師が遵守すべき法令により定められており、また、歯科技工物の製作に関する歯科技工録などの事項は、歯科技工士が遵守すべき法令によりそれぞれ定められている。
【0005】
一方、歯科診療における問題としては、従来より指摘されている点であるが次のような問題がある。
診療に際しては患者は、口を大きく開けていなければならないので、手際良く迅速に診療が行われる必要がある。このため、診療時間中の歯科医師は、できるだけスピーディに次々と患者の診療を行わなければならず、非常に多忙であるため、一人の患者の診療が終わる毎にゆっくりと歯科カルテに診療内容や病名を記録する時間がないという現状がある。
【0006】
つまり、歯科医師は多くの患者に次々と診療を行いながら、その合間に歯科カルテに診療内容を記録しなければならないと共に、保険点数の対象のためにクラウン・ブリッジ維持管理書を作成し、かつ歯科技工士に対する歯科技工指示書などを作成しなければならないという事情がある。
【0007】
このような事情から歯科医療の現場では、効率のよい医療事務や医療業務の簡素化・簡略化などを図るため、従来より様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には歯科医療における情報管理方法として、歯科技工指示書の作成をコンピュータによって支援する技術が開示されている。
すなわち、この特許文献1は、各患者の口腔内における治療のために、歯科医師によって製作を指示された歯科技工物を歯科技工士が製作する場合に、各患者が受けた治療における医療行為が健康保険の対象になるか否かを問わず、その治療に関連する歯科技工物製作情報をその患者に関連付けてコンピュータのメモリに蓄積することにより、歯科技工物製作情報を患者ごとこ記録した歯工カルテを作成する歯科技工カルテを作成し、その指定された患者に対応する歯科技工カルテの内容をメモリから読み出して出力するなどという情報管理方法である。
【0008】
また、特許文献2には、歯科診療情報処理システムとして、個別に識別可能な電子ペン用いて総合的な訪問歯科診療等における各種情報のデータ管理を、円滑に達成することが可能な歯科診療情報処理システムが開示されている。
【0009】
また、特許文献3には、歯科診療における患者への情報提供を確実に実行できる下敷きと手帳を提供し、下敷は複写きのうを備えた手帳の下敷きとして使用するが、記入時に記入例が常に記入用紙の上部に来るように挿入し誤記・未記入を防止すると共に簡便さを求めるものである。
【0010】
その他、特許文献4などの歯科診療情報処理支援システムに開示されているように、歯科診療機関において治療名称と治療を要する歯、または歯以外の口腔内組織を選定し、且つ治療名称によってはその治療内容を指定すると、保険診療カルテの代書と保険診療報酬請求明細書作成がなされる歯科診療情報処理支援システムなどが提案されている。
【0011】
【特許文献1】特開2002−92160号
【特許文献2】特開2010−113591号
【特許文献3】特開2007−301961号
【特許文献4】特開2000−48092号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように医療現場においては、歯科医師は診療カルテの他に、クラウン・ブリッジ維持管理書の(控)や(患者用控)を書き込み作成し、かつ歯科技工士に対する歯科技工指示書の(控)や(技工所用控)を書き込み作成しなければならない。
なお、このクラウン・ブリッジ維持管理書(控)(患者用控)は、歯科医師側が製作・発行した指示書に歯科医師が書き込みをしているものである。
【0013】
また、歯科技工指示書の(控)や(技工所用控)は、歯科医師が書き込むのであるが、その歯科技工指示書の制作・発行の実態は歯科技工所側が制作・発行するケースが大半を占めている。それは、各歯科技工所によって技工に対する考え方や得意とする技工分野(技術など)も若干異なるため、歯科技工指示書も各技工所に合ったフォーマットで歯科医師に提供しているためである。勿論、それは書き込をする歯科医師の書き易さ・効率の良さなども考慮してのことでもある。
【0014】
また、歯科技工指示書に基づいて歯科技工物の指示を受けた歯科技工士は、これを歯科技工録(控)(患者用控)として書き込みし作成している。なお、この歯科技工録(要約)(詳細)は、歯科技工士側が製作・発行した指示書に歯科技工士が書き込みをしている。
【0015】
このように、従来は歯科医師と歯科技工士の各々が各々の都合により伝票類や指示書類などを製作・発行し、その書き込みを行っているのであるが、歯科医療業務の簡素化・簡略化を図るためにその枠を超えて一つに(一本化)しようとする要望があった。
【0016】
この発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、新規な1組のセットとされた複写・転写のできるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書に係るもので、歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書である第1頁目を記入することにより、必然的に後続の義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書とさらに後続の歯科技工指示書(上記第2頁目と上記第3頁目の指示書は、相互に入れ替え可能)の必要箇所に書き込及び複写・転写することができ、1組のセットである各指示書を一括して揃えることができると共に、その他必要に応じて歯科技工録なども揃えることができ、従来に比して歯科医療業務の簡素化・簡略化を著しく図ることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、上記のような目的を違成するために、請求項1記載のように、歯科医師が遵守すべき法令に定められている歯科技工指示書と補綴物維持管理料であるクラウン・ブリッジ維持管理書などの指示書や、歯科技工士が遵守すべき法令に定められている歯科技工録などの指示書からなるセットであって、各頁が引き剥がし可能に綴られており、第1頁目の指示書に必要とされる患者の情報と歯型設計部分の情報を記入することにより、必然的に第2頁目と第3頁目の必要箇所にも患者の情報と歯型設計部分の情報とが複写・転写され、歯科医師と患者と歯科技工士が保管すべき歯科技工指示書,クラウン・ブリッジ維持管理書,歯科技工録などの各指示書を一括して揃えることができることを特徴とする。
また、請求項2記載のように、上記第2頁目の指示書は、患者側が保有するとされると共に、歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書とされていることを特徴とする。
また、請求項3記載のように、上記第3頁目の指示書は、である歯科技工指示書は、歯科技工士が保有すると共に、その後段に歯科技工録の要約項目の記載が可能とされた歯科技工指示書とされていることを特徴とする。
また、請求項4記載のように、上記第2頁目と上記第3頁目の指示書は、互いに入れ替え可能とされていることを特徴とする。
また、請求項5記載のように、上記第3頁目の指示書の裏面側には、歯科技工録としての詳細な項目が記載されていると共に、それらに対するチェックが自在になされる歯科技工録(詳細)が、上記前頁からの複写・転写がされずに添付されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、第1頁目が歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書とされ、第2頁目が義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書とされ、第3頁目が歯科技工指示書及び歯科技工録の必要事項が記載された要約書とされ(第2頁目と第3頁目とが相互に入れ替わる場合もあるが)、かつ複写・転写可能及び引き剥がし可能に綴られた1組のセットになっているので、従来は歯科技工指示書とクラウン・ブリッジ維持管理書などを個々に記入する必要があり、また、歯科技工録も個々に記入する必要があったが、第1頁目を記入するだけで、後続の歯科技工指示書とクラウン・ブリッジ維持管理書並びに歯科技工録を揃えることとなり、従来に比して歯科医療業務の簡素化・簡略化を図ることができる。
また、歯科医師にとっては、新たにクラウン・ブリッジ維持管理書を制作発行する手間を省き、歯科技工所にとっては今までにない技工指示書を発行することによって歯科医からの仕事の受注を取り付けるきっかけにもなるなどの効果もある。
尚、厚労省も歯科技工指示書を作成するとクラウン・ブリッジ維持管理書がほぼ完成するのであれば業務監視上より安心でもあるなどの効果もある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は、この発明に係る第1頁目の歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(控)を示す説明図、図2は、第2頁目の義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(患者用控)を示す説明図、図3は、第3頁目の歯科技工指示書及び歯科技工録の要約書とが一体にされた指示書(歯科技工士用控)を示す説明図、図4は、第4頁目の歯科技工録の詳細(歯科技工士用控)を示す説明図である。
【0020】
この実施例に係る新規な1組のセットとされた複写・転写のできるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書は、頁の上縁部が引き剥がし可能とされ、最上位の頁から下位頁に向けて複写・転写可能に綴られた1組のセットになっている。
また、各頁の構成は、歯科医師が遵守すべき法令により定められている歯科技工指示書やクラウン・ブリッジ維持管理書や、歯科技工士が遵守すべき法令により定められている歯科技工録などよりなるが、それに基づく各種の指令書の様式や記載される項目は、歯科医師や歯科技工士などによって適宜設計変更される場合もある。
【0021】
以下に、この発明の1実施例ついて説明する。
第1頁目の指示書P1は、「歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(医師用控)」のタイトルが付されたものであり、その第1行段目P1−1は発行者欄とされ、歯科医院名の住所及び担当医名を記載すると共に、患者氏名とその生年月日及び年齢と男女の性別などの記載がなされている。
【0022】
また、第2行段目P1−2には、発行日欄としての年月日と曜日の記載がされ、且つ、アポイント欄としての年月日と曜日及び時刻の記載が準備されている。
また、第3行段目P1−3には、種類欄としてインレー・コアー・FCK・前装冠・MBトレー・ロー堤・FD・PD・金属床・その他の記載がなされ、且つ、使用材料欄として記載がなされると共に、預り品欄として参考模型・バイト・金属人工歯・咬合器・データ・その他の記載が準備されている。
【0023】
また、第4行段目P1−4には、対合欄としてそのまま・やり直のいずれかのチェックの記載がなされ、且つ、モールド欄として▽□□○のいずれかのチェックの記載がされると共に、試適・完成欄としていずれかのチェックの記載がなされると共に、保・自欄としていずれかのチェックの記載が準備されている。
【0024】
また、第5行段目P1−5には、設計欄として設計に対応した87654321/87654321の表示、及び、単・連に対応した12345678/12345678の表示と、上記設計欄の87654321/87654321と上記単・連の12345678/12345678に対応した歯型図形が記載されている。また、設計欄の左側部にはSHADEとして歯型の部分拡大図形が表示されている。
【0025】
また、第6行段目P1−6には、義歯、クラウン・ブリッジ維持管理・その他の情報の記載欄が付設されると共に、委託歯科技工所の記載欄が付設されている。
【0026】
この第1頁は以上のように構成されているが、図示したような構成の通りのものとされる必要はなく、歯科医師や歯科技工士が遵守すべき法令に基づいて作成されていればよい。なお、この歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(医師用控)は、治療にたずさわった歯科医師が作成・記入するものであるが、歯科医師の指示に基づいて専門のスタッフが作成してもよい。
【0027】
第2頁の指示書P2は、「義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(患者さんお渡し用控)」のタイトルが付されたものであり、その第1行段目P2−1は発行者欄とされ、歯科医院名の住所及び担当医名を記載すると共に、患者氏名とその生年月日及び年齢と男女の性別などが記載がされる。
【0028】
また、第2行段目2−2には、上記指示書P1のアポイント欄に対応する年月日の複写記載と共に、義歯、クラウン・ブリッジ維持管理についてとの表示がなされると共に、設計に対応した87654321/87654321の歯形図表示、及び、単・連に対応した12345678/12345678の拡大歯形図表示がされている。
【0029】
また、歯形図表示の右側には、義歯の使用上の注意についてとして、・左図の部位に義歯が入りました・食後は必ず洗ってください・就寝後は、はずして専用の容器に保管してください・必要に応じて、義歯清掃剤をお使いください・痛みがありましたら調整しますので、ご連絡ください・定期検査を忘れずに・紛失に充分ご注意ください、などの表示がなされている。
また、クラウン・ブリッジ維持管理についてとして、・左図の部位に装着しました・当院は長く快適に使える様に、2年間の維持管理を行っています・不具合があれば気軽にお申し出ください、などの表示がなされている。
【0030】
また、第3行段目P2−3には、義歯、クラウン・ブリッジ維持管理・その他の情報の記載が準備されている。
【0031】
この第2頁は以上のように構成されているが、図示したような構成の通りのものとされる必要はなく、歯科医師や歯科技工士が遵守すべき法令に基づいて作成されていればよい。なお、この歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(患者さんお渡し用控)は、治療にたずさわった歯科医師が作成・記入するものであるが、歯科医師の指示に基づいて専門のスタッフが作成してもよい。
また、この第2頁は上記第1頁への記入によって複写・転写されもので、ノーカーボン用紙によって減感されるよう構成されている。
【0032】
第3頁の指示書P3は、「歯科技工指示書」のタイトルが付されたものであり、その第1行段目P3−1は発行者欄とされ、歯科医院名の住所及び担当医名を記載すると共に、患者氏名とその生年月日及び年齢と男女の性別などの記載がなされている。
【0033】
また、第2行段目P3−2には、発行日欄としての年月日と曜日の記載がされ、且つ、アポイント欄としての年月日と曜日及び時刻の記載が準備されている。
【0034】
また、第3行段目P3−3には、種類欄としてインレー・コアー・FCK・前装冠・MBトレー・ロー堤・FD・PD・金属床・その他の記載がなされ、且つ、使用材料欄として記載がなされると共に、預り品欄として参考模型・バイト・金属人工歯・咬合器・データ・その他の記載が準備されている。
【0035】
また、第4行段目P3−4には、対合欄としてそのまま・やり直のいずれかのチェックの記載がなされ、且つ、モールド欄として▽□□○のいずれかのチェックの記載がされると共に、試適・完成欄としていずれかのチェックの記載がなされ、かつ保・自欄としていずれかのチェックの記載が準備されている。
【0036】
また、第5行段目P3−5には、設計欄として設計に対応した87654321/87654321の表示、及び、単・連に対応した12345678/12345678の表示と、上記設計欄の87654321/87654321と上記単・連の12345678/12345678に対応した歯型図形が記載されている。また、設計欄の左側部にはSHADEとして歯型の部分拡大図形が表示されている。
【0037】
一方、第5行段目P3−6には、「歯科技工録」の要約書が付設されている。すなわち、厚生労働省通知医政発第0318003号準拠の表示がされ、その下段のP3−6には主材料欄として品名とLOTの記載が、また、その後段P3−7には工程管理確認欄の記載が、また、その後段P3−8には受託日欄の記載、最終検査欄が管理者印と共に、引渡日の記載欄が、また、その後段P3−9には特記事項欄の記載が設けられている。
【0038】
この第3頁は、以上のように構成されているが、図示したような構成の通りのものとされる必要はなく、歯科医師や歯科技工士が遵守すべき法令に基づいて作成されていればよい。なお、この歯科技工指示書(歯科技工士患者用控)は、治療にたずさわった歯科医師が作成・記入するものであるが、歯科医師の指示に基づいて専門のスタッフが作成してもよい。
また、この第3頁は上記第1頁の記入によって複写・転写されもので、ノーカーボン用紙によって減感されるよう構成されている。
【0039】
第4頁目の指示書P4は、第3頁目の指示書P3の裏面側に逆向きとして添付されており、「歯科技工録(詳細)」のタイトルが付されたたものであり、(表記指示書による技工物の歯科技工録である)との付設表示がなされ、且つ、歯冠修復あるいは有床義歯のチェックの記入がなされるようになっている。
【0040】
第1段目P4−1には、受託年月日欄として年月日が記載され、また、引き渡し年月日欄して年月日が記載されている。
その第2段目P4−2には、補綴物名欄として、インレー・コアー・FCK・前装冠・MB・トレー・ロー堤・FD・PD・金属床・その他のチェック記入枠が記載されている。
【0041】
その第3段目P4−3の左縦列は「技工製作工程」とされ、中縦列は「製作工程チェック項目」とされ、右縦列は「評価・管理」とされている。
そして、第3段目の左縦列である「技工製作工程」には、1技工指示書、2作業模型、3咬合床、4咬合器付着、5蝋型採得、6人工歯排列、7歯肉形成、8維持装置連結子、9埋没・鋳造、10歯冠修復材築盛、11重合、12削合、13研磨、14完成・点検、15洗浄・消毒、16その他の補綴物特記事項名が記載されている。
【0042】
その第3段目P4−3の中縦列である「製作工程チェック項目」には、1指示内容の確認、2模型等の確認、3基礎床・咬合堤、4使用咬合器の種類と咬合状態、5形態の付与・咬合接触関係・隣在歯接触関係、6使用人工歯材料と使用人工歯・形態色調と人工歯排列・咬合、7歯肉形成、8クラスブ・バーの種類、9埋没在・混水比と加熱・係留時間と使用金属と鋳造体の点検、10使用材料・色調、11床用材料と重合方法と重合の点検、12咬合器再装着・咬合接触等、13研磨、14指示内容の確認と形態と咬合接触関係と隣在歯接触関係と適合性と辺縁形態と表面の潤沢性と粘着面突起物と気泡と亀裂、15洗浄・消毒と最終点検・検査が年月日と管理者及び印が記載されている。
【0043】
その第2段目P4−3の右縦列である「評価・管理」には、1確認(設計・使用材料・納品日)と担当医問い合わせ、2作業模型と咬合模型とチェックバイト、3基礎床と咬合堤、4咬合器と石こうの種類と良と支台歯削と対合歯削、5形態と咬合接触関係と隣在歯接触関係と適合性、6普通レジン歯と硬質レジン歯並びに前歯とLOT/臼歯とLOT並びに標準、7床形態と辺縁形態と研磨面形態と歯顎部再現、8クラスブと線鉤と鋳造鉤と種類、並びに、バーと屈曲と鋳造の種類、9石こう系とリン酸塩系混水比と品名とLOT並びに標準と急速並びに12%金パラとその他と品名とLOT並びに良と鋳巣とバリとその他、10硬質レジンとポーセレンと色調と品名とLOT、11品名とLOTと加熱重合と常温重合と重合点検と石こうの種類と混水比、12咬合器再装着と咬合接触と形態、13適合状態とつや出しが記載されている。
【0044】
この第4頁は、以上のように構成されているが、図示したような構成の通りのものとされる必要はなく、歯科医師や歯科技工士が遵守すべき法令に基づいて作成されていればよい。なお、この歯科技工録は主に歯科技工士が作成・記入するものであるが専門のスタッフが作成してもよい。
ただし、この第4頁は前頁からの複写・転写がされずに添付されているので、ノーカーボン用紙によって減感される必要はない。
【0045】
このように、この実施例は実施例の1態様を示すもので、従来は歯科技工指示書とクラウン・ブリッジ維持管理書などを個々に記入する必要があったが、この新規な1組のセットの指示書は、第1頁から第4頁までの各頁の上部辺縁が着脱自在に綴られており、第1頁を記入することにより後続の各頁に複写・転記することが可能となり、併せて歯科医師用の控と患者用の控また歯科技工士用の控などを一括して揃えることができる。
その他、必要に応じて歯科技工録なども揃えることができ、従来に比して歯科医療業務の簡素化・簡略化を著しく図ることを可能とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
歯科医師や歯科技工士が遵守すべき法令に基づいた各種の書類や伝票類などとすることができ、また、電子技術による歯科技工などの情報管理として様々な活用が望め、それによる情報管理方法として適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】 この発明に係る第1頁目である歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(控)を示す説明図である。
【図2】 第2頁目である義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書(患者用控)を示す説明図である。
【図3】 第3頁目である歯科技工指示書及び歯科技工録の要約書が一体にされた指示書(歯科技工士用控)を示す説明図である。
【図4】 第4頁目である歯科技工録の詳細(歯科技工士用控)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
P1 第1頁の指示書
P1−1 第1頁の第1行段目
P1−2 第1頁の第2行段目
P1−3 第1頁の第3行段目
P1−4 第1頁の第4行段目
P1−5 第1頁の第5行段目
P1−6 第1頁の第6行段目
P2 第2頁の指示書
P2−1 第2頁の第1行段目
P2−2 第2頁の第2行段目
P2−3 第2頁の第3行段目
P3 第3頁の指示書
P3−1 第1行段目
P3−2 第2行段目
P3−3 第3行段目
P3−4 第4行段目
P3−5 第5行段目
P3−6 第6行段目
P3−7 第7行段目
P3−8 第8行段目
P3−9 第9行段目
P4 第4頁の指示書
P4−1 第1行段目
P4−2 第2行段目
P4−3 第3行段目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科医師が遵守すべき法令に定められている歯科技工指示書と補綴物維持管理料であるクラウン・ブリッジ維持管理書などの指示書や、歯科技工士が遵守すべき法令に定められている歯科技工録などの指示書からなるセットであって、
各頁が引き剥がし可能に綴られており、第1頁目の指示書に必要とされる患者の情報と歯型設計部分の情報を記入することにより、必然的に第2頁目と第3頁目の必要箇所にも患者の情報と歯型設計部分の情報とが複写・転写され、歯科医師と患者と歯科技工士が保管すべき歯科技工指示書,クラウン・ブリッジ維持管理書,歯科技工録などの各指示書を一括して揃えることができることを特徴とする新規なセットとされるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書。
【請求項2】
上記第2頁目の指示書は、患者側が保有するとされると共に、歯科技工指示書兼義歯、クラウン・ブリッジ維持管理書とされていることを特徴とする請求項1記載の新規なセットとされるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書。
【請求項3】
上記第3頁目の指示書は、である歯科技工指示書は、歯科技工士が保有すると共に、その後段に歯科技工録の要約項目の記載が可能とされた歯科技工指示書とされていることを特徴とする請求項1記載の新規なセットとされるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書。
【請求項4】
上記第2頁目と上記第3頁目の指示書は、互いに入れ替え可能とされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の新規なセットとされるクラウン・ブリッジ維持管理書付き歯科技工指示書。
【請求項5】
上記第3頁目の指示書の裏面側には、歯科技工録としての詳細な項目が記載されていると共に、それらに対するチェックが自在になされる歯科技工録(詳細)が、上記前頁からの複写・転写がされずに添付されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の新規なセットとされるクラウン・ブリッジ維持管理書き歯科技工指示書。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−85985(P2012−85985A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247884(P2010−247884)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(310017046)