説明

新規な塞栓形成組成物

【課題】カテーテル送出により血管病変を治療するのに特に適している血管を塞栓形成するための新規組成物の提供。
【解決手段】組成物は生体適合性ポリマー、生体適合性溶媒及び約10μm未満の平均粒子サイズを有することを特徴とする生体適合性水不溶性造影剤を含む。別の実施態様において、これらの組成物中の生体適合性ポリマーが生体適合性プレポリマーで置換される。組成物中、生体適合性ポリマーは約2.5重量%から約8.0重量%、生体適合性造影剤は約10重量%から約40重量%までの水不溶性が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は組成物のカテーテル送出により血管病変を治療するのに特に適している血管塞栓形成に新規な組成物に関する。特に、本発明の組成物は生体適合性ポリマー、生体適合性溶媒及び約10μm以下の平均粒子サイズを有することを特徴とする生体適合性水不溶性造影剤を含む。
【0002】
引用文献
下記の刊行物が上付き数字としてこの出願に引用される。
1Mandaiら,"セルロースアセテートポリマーによる動脈瘤の直接の塞栓形成",J.Neurosurg.,77:497-500(1992)
2Kinugasaら,"セルロースアセテートポリマーによる動脈瘤の直接の塞栓形成"J.Neurosurg.,77:501-507(1992)
3Casarett及びDoullの毒物学,Amdurら編集,PergamonPress,NewYork,661-664頁(1975)
4Greffらの1995年7月27日に出願された"血管塞栓形成用の新規な組成物"に関する米国特許出願第08/507,863号
5Greffらの1995年7月27日に出願された"血管塞栓形成用のセルロースジアセテート組成物"に関する米国特許出願第08/508,248号
6Kinugasaら,"動脈瘤の破裂を阻止した後のクモ膜下出血の早期治療",J.Ne-urosurg.,83:34-41(1995)
7Kinugasaら,"新たな出血を阻止し、動脈瘤手術を遅らせるための予防塞栓形成",Neurosurg.,36:661 (1995)
8Takiら,"巨大な動脈瘤の治療における種々の血管内技術の選択及び組み合わせ",J.Neurosurg.,77:37-42(1992)
9Evansらの1996年5月31日に出願された"血管塞栓形成用の新規な組成物"に関する米国特許出願第08/655,822号
10Castaneda-Zunigaら,介入放射線学,Vascular Embolotherapy,Part 1,1:9-32,Williams&Wilkins,Publishers(1992)
11Rabinowitzらの9/8/70に発行された"組織を一緒に手術により結合する方法"に関する米国特許第3,527,224号
12Hawkinsらの7/6/71に発行された"外科用接着剤組成物"に関する米国特許第3,591,676号
13Evansらの代理人書類番号018413-007として1996年5月31日に出願された"雄哺類の可逆滅菌方法"に関する米国特許出願第08/655,987号
14Evansらの代理人書類番号018413-014として1996年5月31日に出願された"雌哺乳類の可逆滅菌方法"に関する米国特許出願第08/656,394号
【0003】
上記の文献の全ては、あたかも夫々の個々の文献が参考として本明細書にそのまま含まれるように詳細かつ個々に示されているのと同じ程度に参考として本明細書にそのまま含まれる。
【背景技術】
【0004】
従来技術の説明
血管の塞栓形成は、腫瘍の治療、病変、例えば、動脈瘤、動静脈異常形成(AVM)、動静脈痩(AVF)、調節されない出血等の治療を含む種々の目的のために行われる。
【0005】
血管の塞栓形成は、塞栓形成すべき血管部位におけるカテーテルの選択的配置を可能にするカテーテル技術により行われることが好ましい。これに関して、カテーテル技術並びに血管造影における最近の進歩は、その他の点で手術できない病変の治療を含む神経血管内介入を可能にする。詳しくは、直径lmm程度に小さい血管への接近を与えることができるミクロカテーテル及びガイドワイヤの開発が多くの病変の血管内治療を可能にする。
【0006】
血管内治療レジメは、医師がX線透視1-8(特許文献1、2、非特許文献1〜6)の如き通常の技術により血管部位への組成物の送出を視覚化することができるために塞栓形成組成物中の水不溶性のラジオパク造影剤の使用を含むことが好ましい。更に、水不溶性造影剤の使用は、例えば、手術中の塞栓形成された塊を視覚化し、または症状を監視するため、かつ/または再治療目的のために治療後の手続き中に有益である。視覚化は、組成物が意図される血管部位に送出されること及び必要量の組成物が送出されることの両方を確実にするためにカテーテル送出技術を使用する時に特に必要である。後者の要件は動脈瘤嚢のみが満たされることが意図されるとともに、隣接血管を影響されないまま残す動脈瘤の治療に特に重要である。それ故、このような治療において、送出される塞栓形成組成物の量は動脈瘤嚢のみを実質的に満たすが、流出しないように選ばれる。この量より少ない塞栓形成組成物が動脈瘤嚢に送出される場合、患者は活性動脈瘤を残され、これは、或る場合には、治療されなかった動脈瘤よりも危険であり得る。この量より多い塞栓形成組成物が送出される場合、組成物は隣接血管に流出し、次いでこれがこの血管並びに動脈瘤を塞栓形成し得る。冒された血管が重要な生体臓器、例えば、脳中にあり、またはその臓器に至る場合、血流停止のための永久の損傷が生じるであろう。
【0007】
カテーテルにより送出される場合、塞栓形成組成物は生体適合性溶媒、生体適合性ポリマー及び水不溶性造影剤を含むことが好ましい。生体適合性溶媒は血液またはその他の体液に混和性または可溶性であり、また送出中に生体適合性ポリマーを可溶化する。生体適合性ポリマーは生体適合性溶媒に可溶性であるが、血液またはその他の体液に不溶性であるように選ばれる。水不溶性造影剤は組成物中に懸濁され、上記のように、医師がこの組成物のカテーテル送出をX線透視により視覚化することを可能にする。血液またはその他の体液との接触後に、生体適合性溶媒は塞栓形成組成物から消失し、その後に生体適合性ポリマーが水不溶性造影剤の存在下で沈殿し、血管を塞栓形成する。
【0008】
しかしながら、実際には、これらの組成物のX線透視視覚化がしばしばカテーテル送出中に不一致であるという事実を含む、この操作の複雑化が判明された。このような不一致は血管間隙の過小充填または過大充填をもたらし、必然に満足に至らない結果をもたらした。
【0009】
これらの組成物のX線透視視覚化の一致を改良しようとする努力がなされたが、このような努力はこの問題の基礎となる原因の明らかな理解の欠如により妨げられた。上記に鑑みて、血管部位を塞栓形成するのに使用されるポリマー組成物のX線透視視覚化を増進することに対する要望が継続している。
【特許文献1】Greffらの1995年7月27日に出願された"血管塞栓形成用の新規な組成物"に関する米国特許出願第08/507,863号
【特許文献2】Greffらの1995年7月27日に出願された"血管塞栓形成用のセルロースジアセテート組成物"に関する米国特許出願第08/508,248号
【非特許文献1】Mandaiら,"セルロースアセテートポリマーによる動脈瘤の直接の塞栓形成",J.Neurosurg.,77:497-500(1992)
【非特許文献2】Kinugasaら,"セルロースアセテートポリマーによる動脈瘤の直接の塞栓形成"J.Neurosurg.,77:501-507(1992)
【非特許文献3】Casarett及びDoullの毒物学,Amdurら編集,PergamonPress,NewYork,661-664頁(1975)
【非特許文献4】Kinugasaら,"動脈瘤の破裂を阻止した後のクモ膜下出血の早期治療",J.Ne-urosurg.,83:34-41(1995)
【非特許文献5】Kinugasaら,"新たな出血を阻止し、動脈瘤手術を遅らせるための予防塞栓形成",Neurosurg.,36:661 (1995)
【非特許文献6】Takiら,"巨大な動脈瘤の治療における種々の血管内技術の選択及び組み合わせ",J.Neurosurg.,77:37-42(1992)
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
本発明は、水不溶性造影剤の粒子サイズが組成物のカテーテル送出中に一致して視覚化し得る塞栓形成組成物を得るのに重要であるという新規かつ予測されない発見に関する。詳しくは、塞栓形成組成物のX線透視視覚化が約10μm以下の平均粒子サイズを有する水不溶性造影剤を使用することにより一致して得られることがわかった。
【0011】
如何なる理論にも制限されないが、10μmより大きい平均粒子サイズを有する塞栓形成組成物のカテーテル送出中に、造影剤の一部が、例えば、カテーテル送出の前及び/またはその間の懸濁液からの水不溶性造影剤の沈降、カテーテル送出系の壁への大きい粒子サイズの造影剤の付着、等のために血管部位に送出された塞栓形成組成物中に維持されないと考えられる。更に、造影剤が延長された時間の期間にわたって懸濁液中に維持されることを必要とする送出プロトコルと対にされたカテーテル送出系の狭い通路がこの状況を悪化すると考えられる。いずれにしても、本発明者らは、カテーテル送出中の不一致のX線透視視覚化をもたらすものが注射された塞栓形成組成物中に最小量の造影剤を維持することのこの失敗であると考える。
【0012】
それ故、その組成物局面の一つにおいて、本発明は
(a)約2.5重量%から約8.0重量%までの生体適合性ポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する約10重量%から約40重量%までの水不溶性、生体適合性造影剤、及び
(c)約52重量%から約87.5重量%までの生体適合性溶媒
(ポリマー、造影剤及び生体適合性溶媒の重量%は全組成物の合計重量を基準とする)
を含む組成物に関する。
【0013】
方法局面の一つにおいて、本発明は
(a)約2.5重量%から約8.0重量%までの生体適合性ポリマー、
(b)約10pm以下の平均粒子サイズを有する約10重量%から約40重量%までの水不溶性、生体適合性造影剤、
(c)約52重量%から約87.5重量%までの生体適合性溶媒
(ポリマー、造影剤及び生体適合性溶媒の重量%は全組成物の合計重量を基準とする)
を含む組成物を、血管を塞栓形成する沈殿が生成される条件下で血管にカテーテルにより送出することによる血管の塞栓形成方法に関する。
【0014】
別の実施態様において、生体適合性ポリマー組成物は生体適合性プレポリマーを含む生体適合性プレポリマー組成物で置換し得る。この実施態様において、本発明は
(a)生体適合性プレポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する生体適合性水不溶性造影剤、及び
(c)必要により、生体適合性溶媒
を含む組成物に関する。
【0015】
加えて、本発明はまた
(a)生体適合性プレポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する生体適合性水不溶性造影剤、及び
(c)必要により、生体適合性溶媒
を含む組成物を血管にカテーテルにより送出することによる血管部位の塞栓形成方法であって、前記送出は前記プレポリマーが前記血管部位で水不溶性造影剤の存在下でin situ重合する条件下で行われ、それにより血管を塞栓形成する塞栓形成方法に関する。
好ましい実施態様において、水不溶性、生体適合性造影剤は硫酸バリウム、タンタル粉末及びタンタル酸化物からなる群から選ばれる。更に別の好ましい実施態様において、生体適合性溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノールまたはアセトンである。
【0016】
キット局面の一つにおいて、本発明は
(a)生体適合性ポリマー、生体適合性溶媒及び約10μm以下の平均粒子サイズを有する生体適合性、水不溶性造影剤を含むポリマー組成物、及び
(b)カテーテル
を含む部品のキットに関する。
【0017】
別のキット局面において、本発明は
(a)生体適合性プレポリマー、約10μm以下の平均粒子サイズを有する生体適合性、水不溶性造影剤、及び、必要により、生体適合性溶媒を含むプレポリマー組成物、及び
(b)カテーテル
を含む部品のキットに関する。
好ましい実施態様において、キットは血流を減少または停止するためのミクロバルーンカテーテルを更に含む。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は組成物のカテーテル送出により血管病変を治療するのに特に適している新規な血管の塞栓形成用組成物に関する。
本発明を更に詳しく説明する前に、以下の用語が最初に定義される。
【0019】
"塞栓形成"という用語は、物質が血管に注射され、これが、例えば、動脈瘤の場合には動脈瘤嚢を満たし、または詰まらせ、かつ/または血餅形成を促進し、その結果、動脈瘤への血流が停止し、またAVM及びAVFの場合には栓または血餅を形成して血流を調節/再送して適切な組織潅流を可能にするプロセスを表す。それ故、血管の塞栓形成は病変による出血(例えば、臓器出血、胃腸出血、血管出血、並びに動脈瘤と関連する出血)を防止/調節するのに重要である。加えて、塞栓形成は血液供給を中断することにより疾患組織(例えば、腫瘍、等)を切除するのに使用し得る。
【0020】
"生体適合性ポリマー"という用語は、使用される量で、患者の内部で使用される時に無毒性であり、化学的に不活性であり、かつ実質的に非免疫原性であり、かつ血液に実質的に不溶性であるポリマーを表す。好適な生体適合性ポリマーとして、例えば、セルロースアセテート2,6-7(セルロースジアセテート5を含む)、エチレンビニルアルコールコポリマー4,8、ヒドロゲル(例えば、アクリル)、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、及びこれらの混合物9が挙げられる。また、生体適合性ポリマーはin situで使用される時に非炎症性であることが好ましい。
使用される特別な生体適合性ポリマーは重要ではなく、得られるポリマー溶液の粘度、生体適合性溶媒中の生体適合性ポリマーの溶解性、等に関して選ばれる。このような因子は当業者に公知である。
【0021】
好ましい生体適合性ポリマーとして、セルロースジアセテート及びエチレンビニルアルコールコポリマーが挙げられる。セルロースジアセテートポリマーは市販されており、または当業界で認められている操作により調製し得る。好ましい実施態様において、セルロースジアセテート組成物の数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定して、約25,000から約100,000まで、更に好ましくは約50,000から約75,000まで、更に好ましくは約58,000から約64,000までである。セルロースジアセテート組成物の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定して約50,000から200,000までであることが好ましく、約100,000から約180,000までであることが更に好ましい。当業者に明らかであるように、その他の全ての因子が等しいとして、低い分子量を有するセルロースジアセテートポリマーは高い分子量のポリマーと較べて組成物に低粘度を付与するであろう。それ故、組成物の粘度の調節はポリマー組成物の分子量の単なる調節により容易に達成し得る。
【0022】
エチレンビニルアルコールコポリマーはエチレンモノマー及びビニルアルコールモノマーの両方の残基を含む。少量(例えば、5モル%未満)の付加的なモノマーがポリマー構造に含まれてもよく、またはそれにグラフトされてもよい。但し、このような付加的なモノマーが組成物の塞栓形成特性を変化しないことを条件とする。このような付加的なモノマーとして、例えば、無水マレイン酸、スチレン、プロピレン、アクリル酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0023】
エチレンビニルアルコールコポリマーは市販されており、または当業界で認められている操作により調製し得る。エチレンビニルアルコールコポリマー組成物は、DMSO中6重量%のエチレンビニルアルコールコポリマー、35重量%のタンタル造影剤の溶液が20℃で60センチポイズ以下の粘度を有するように選ばれる。当業者に明らかであるように、全てのその他の因子が等しいとすると、低分子量を有するコポリマーは高分子量のコポリマーと較べて低い粘度を組成物に付与するであろう。それ故、カテーテル送出に必要なような組成物の粘度の調節はコポリマー組成物の分子量の単なる調節により容易に達成し得る。
【0024】
また、明らかであるように、コポリマー中のエチレン対ビニルアルコールの比が組成物の総合の疎水性/親水性に影響し、これが順に組成物の相対的な水溶性/水不溶性並びに水溶液(例えば、血液)中のコポリマーの沈殿の速度に影響する。特に好ましい実施態様において、ここに使用されるコポリマーは約25モル%から約60モル%までのエチレン及び約40モル%から約75モル%までのビニルアルコールを含む。これらの組成物は血管を塞栓形成する際の使用に適した必要な沈殿速度を与える。
【0025】
"水不溶性造影剤"という用語は、例えば、X線撮影により哺乳類被験者への注射中に監視し得る水不溶性(即ち、20℃で0.01mg/ml未満の水溶解度を有する)ラジオパク物質を表す。水不溶性造影剤の例として、タンタル、酸化タンタル及び硫酸バリウムが挙げられ、これらはin vivo使用に適した形態で市販されている。約10μm以下の平均粒子サイズを有するこのような水不溶性生体適合性造影剤の調製方法が以下に記載される。その他の水不溶性造影剤として、金、タングステン及び白金が挙げられる。
【0026】
"生体適合性溶媒"という用語は少なくとも哺乳類の体温で液体の有機物質を表し、生体適合性ポリマーがそれに可溶性であり、使用される量で、実質的に無毒性である。好適な生体適合性溶媒として、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシドの類似体/同族体、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、使用される水の量が、溶解ポリマーが血液との接触後に沈殿するのに充分に少量であることを条件として、生体適合性溶媒との水性混合物が使用し得る。生体適合性溶媒はジメチルスルホキシドであることが好ましい。
【0027】
ポリマー沈殿に封入される造影剤に関して使用される"封入"という用語は、カプセルが薬剤を封入する程多くの沈殿内の造影剤の物理的閉じ込めを示唆するものではないことを意味する。むしろ、この用語は、個々の成分に分離しない一体の凝集沈殿が生成することを意味するのに使用される。
【0028】
"生体適合性プレポリマー"という用語は、in situ重合してポリマーを生成し、かつ使用される量で、患者の内部に使用される時に無毒性であり、化学的に不活性であり、かつ実質的に非免疫原性であり、かつ血液に実質的に不溶性である物質を表す。好適な生体適合性プレポリマーとして、例えば、シアノアクリレート10,11,12、ヒドロキシエチルメタクリレート、シリコンプレポリマー等が挙げられる。プレポリマーはモノマーまたは反応性オリゴマー12であってもよい。また、生体適合性プレポリマーはin situで使用される時に非炎症性であることが好ましい。
【0029】
組成物
本発明の方法に使用されるポリマー組成物またはプレポリマー組成物は通常の方法により調製され、それにより成分の夫々が添加され、全組成物が実質的に均一になるまで得られる組成物が一緒に混合される。
【0030】
例えば、ポリマー成物は充分な量の生体適合性ポリマーを生体適合性溶媒に添加してポリマー組成物について有効な濃度を得ることにより調製し得る。ポリマー組成物はポリマー組成物の合計重量を基準として約2.5重量%から約8.0重量%まで、更に好ましくは約4重量%から約5.2重量%までの生体適合性ポリマー組成物を含むであろう。必要により、穏やかな加熱及び攪拌が、例えば、50℃で12時間の生体適合性溶媒への生体適合性ポリマーの溶解を行うのに使用し得る。
【0031】
次いで充分な量の造影剤が生体適合性溶媒に添加されて完全な組成物に有効な濃度を得る。組成物は好ましくは約10重量%から約40重量%まで、更に好ましくは約20重量%から約40重量%まで、更に好ましくは30重量%の造影剤を含むであろう。造影剤が生体適合性溶媒に可溶性ではないので、攪拌が得られる懸濁液の均一化を行うのに使用される。懸濁液の生成を促進するために、造影剤の粒子サイズは約10μm以下に維持されることが好ましく、約1μm〜約5μm(例えば、約2μmの平均サイズ)に維持されることが更に好ましい。一つの好ましい実施態様において、造影剤の適当な粒子サイズは、例えば、分別により調製される。このような実施態様において、約20ミクロン未満の平均粒子サイズを有するタンタルの如き水不溶性造影剤が、好ましくはきれいな環境中でエタノール(無水)の如き有機液体に添加される。得られる懸濁液の攪拌、続いて約40秒の沈降は大きな粒子が速く沈降することを可能にする。有機液体の上部の除去、続いて粒子からの液体の分離は、光学顕微鏡で確認される粒子サイズの減少をもたらす。所望の平均粒子サイズに達するまで、そのプロセスが必要により繰り返される。
【0032】
生体適合性溶媒への成分の添加の特別な順序は重要ではなく、得られる懸濁液の攪拌は組成物の均一性を得るために必要により行われる。組成物の混合/攪拌は周囲圧力で無水雰囲気下で行われることが好ましい。得られる組成物は熱滅菌され、次いで必要とされるまでシールされた褐色びんまたはバイアル中に貯蔵されることが好ましい。
【0033】
本明細書に記載されたポリマーの夫々は市販されているが、また当業界で公知の方法により調製し得る。例えば、ポリマーは典型的には、必要により、ポリマー組成物を得るための重合触媒または重合開始剤を使用して、通常の技術、例えば、遊離基、熱、UV、γ線、または電子線により誘発される重合により調製される。重合の特別な方法は重要ではなく、使用される重合技術は本発明の一部を形成しない。
【0034】
生体適合性溶媒中の溶解性を維持するために、本明細書に記載されたポリマーは架橋されないことが好ましい。
プレポリマー組成物は、充分な量の造影剤を溶液(例えば、液体プレポリマー)に添加して全ポリマー組成物に有効な濃度を得ることにより調製し得る。プレポリマー組成物は、好ましくは約10重量%から約40重量%まで、更に好ましくは約20重量%から約40重量%まで、更に好ましくは約30重量%の造影剤を含むであろう。造影剤が生体適合性プレポリマー組成物に可溶性ではない場合、撹拌が得られる懸濁液の均一性を得るのに使用される。懸濁液の生成を増進するために、造影剤の粒子サイズは好ましくは約10μm以下、更に好ましくは約1μmから約5μmまで(例えば、約2μmの平均サイズ)に維持される。
【0035】
プレポリマーが液体である場合(ポリウレタンの場合のように)、生体適合性溶媒の使用は絶対に必要であるとは限らないが、塞栓形成組成物に適切な粘度等を与えるのに好ましいかもしれない。使用される場合、生体適合性溶媒はプレポリマー組成物の合計重量を基準として好ましくは約30重量%から約90重量%まで、更に好ましくは約60重量%から約80重量%までの生体適合性プレポリマー組成物を含むであろう。生体適合性溶媒が使用される場合、プレポリマー組成物は典型的には組成物の合計重量を基準として約10重量%から約50重量%までのプレポリマーを含む。
【0036】
特に好ましい実施態様において、プレポリマーは好ましくは生体適合性溶媒の不在下で使用されるシアノアクリレートである。こうして使用される場合、シアノアクリレート接着剤は20℃で約5センチポイズから約20センチポイズまでの粘度を有するように選ばれる。
【0037】
成分の添加の特別な順序は重要ではなく、得られる懸濁液の攪拌は組成物の均一性を得るために必要により行われる。組成物の混合/攪拌は周囲圧力で無水雰囲気下で行われることが好ましい。得られる組成物は滅菌され、次いで必要とされるまでシールされた褐色びんまたはバイアル中に貯蔵されることが好ましい。
【0038】
方法
次いで上記組成物は哺乳類の血管のカテーテル補助塞栓形成方法に使用し得る。このような方法において、充分な量のこの組成物がX線透視下のカテーテル送出手段により選択された血管に導入され、その結果、ポリマーの沈殿またはプレポリマーの重合後に、血管が塞栓形成される。使用される塞栓形成組成物の特別な量は塞栓形成すべき脈管構造の合計体積、組成物中のポリマー/プレポリマーの濃度、ポリマーの沈殿(固体生成)の速度、等により指示される。このような因子は当業者の技能内にある。
本発明の塞栓形成組成物を選択された血管部位にカテーテル送出するのに特に好ましい一つの方法は小さい直径の医療用カテーテルによるものである。使用される特別なカテーテルは、ポリマーカテーテル成分が塞栓形成組成物と適合性であること(即ち、カテーテル成分が塞栓形成組成物中で容易に分解しないこと)を条件として重要ではない。これに関して、カテーテル成分にポリエチレンを使用することが、本明細書に記載された塞栓形成組成物の存在下のその不活性のために好ましい。塞栓形成組成物と適合性のその他の物質は当業者により容易に決定でき、例えば、その他のポリオレフィン、フルオロポリマー(例えば、テフロン(登録商標)TM)、シリコーン、等が挙げられる。
【0039】
カテーテルにより送出される場合、注射速度は血管部位における沈殿の形態を一部指示する。詳しくは、約0.05〜0.3cc/分の低い注射速度は部位特異性塞栓形成に特に有利である粒または小節の形態の沈殿を与えるであろう。何となれば、沈殿が主として注射の位置で生成するからである。逆に、約0.1〜0.5cc以上/数秒(例えば、10秒まで)の高い注射速度はカテーテル先端から下流に突出するフィラメント状塊を与え、これは血管樹の深部に塞栓形成剤を与えるのに特に有利である。このような操作は腫瘍塊を塞栓形成するのに適している。しかしながら、血管部位へのDMSOのあまりに迅速な注射は血管痙攣を生じることがあり、それ故、避けられるべきであり、かつ/または痙攣が生じる場合、パパベリンの如き抗痙攣薬の使用が用いられる。
【0040】
本発明の組成物のカテーテル注射に特に好ましい一つの方法は以下のとおりである。
1.in vivoのミクロカテーテル配置が水溶性造影剤の注射により確認される。
2.ミクロカテーテルルーアーハブ上のキャップが固定され、次いで組成物中の水不溶性造影剤を激しく振とうし、次いでこれを離れて沈降させることにより充分に分散させる。
3.1ccのシリンジに無菌DMSO 0.8ccを吸引する。ミクロカテーテルハブからキャップを除去する。DMSO 0.30ccを典型的な150cmのミクロカテーテルに注入する。シリンジを除去し、ルーアーハブをDMSO 0.3ccで過剰充填/洗浄する。直ちにキャップをミクロカテーテルルーアーハブの上に置き、固定して逆流及び混合を防止する。
4.再度、組成物を良く振とうして水不溶性造影剤を充分に分散させる。1ccのシリンジを21ゲージニードルにより組成物で満たす。ミクロカテーテルハブからキャップを除去し、ハブ中の空間に残りのDMSOを満たし、直ちに組成物シリンジをカテーテルハブに接続し、空気が接続中にハブ中に存在しないことを確実にする。
5.組成物シリンジを上に向けてDMSOと塞栓形成組成物の間に鮮明な界面境界を生じ、最初の0.25ccを1分の期間で徐々に注射してミクロカテーテル中のDMSOを置換し、DMSOを血液中で希釈する。
6.X線透視下で、塞栓形成組成物はミクロカテーテルボディの遠位部分で目視し得るべきである。シリンジ先端を下げ、臨床状況の必要に応じて塞栓形成組成物を注射する。満たされる血管間隙の容積に相当するように注射された塞栓形成組成物の容積を監視し、そして
7.塞栓形成組成物注射の完結後に、塞栓形成シリンジで軽く吸引してカテーテル先端を塞栓形成組成物の塊から分離する。数秒待って、シリンジプランジャーを解放し、ミクロカテーテルを取り出す。
【0041】
このプロトコルにおいて、150cmのミクロカテーテルのデッドスペースは約0.32ccである。
動脈瘤の場合、哺乳類が回転させられて動脈瘤を下向きの位置に配置して動脈瘤血液の置換を促進することが好ましい。
血管部位に導入される場合、生体適合性溶媒は血液に迅速に拡散し、固体沈殿が生成し、その沈殿はその中に封入された造影剤を含む水不溶性ポリマーである。如何なる理論にも制限されないが、最初に、軟質のゲル〜スポンジ状固体の沈殿が血液と接触した後に生成すると考えられる。次いでこの沈殿が血流を制限し、赤血球を閉じ込め、それにより血管の血餅塞栓形成を生じる。
【0042】
実用性
本明細書に記載された組成物は哺乳類の血管を塞栓形成するのに有益であり、これが順に出血(例えば、臓器出血、胃腸出血、血管出血、動脈瘤と関連する出血)を防止/調節し、または疾患組織(例えば、腫瘍、等)を切除するのに使用し得る。それ故、これらの組成物は血管の塞栓形成を必要とするヒト及びその他の哺乳類被験者に用途がある。更に、これらの組成物はEvansらにより同時に出願された出願13,14に記載されたような哺乳類患者の可逆滅菌に使用し得る。
【0043】
更に、これらの組成物は適合性医薬活性化合物の担体として使用でき、この化合物はその後の放出のためにin vivoで送出される。このような化合物として、例えば、抗生物質、抗炎症剤、化学療法薬剤、等が挙げられる。
以下の実施例は本発明を説明するために示され、その限定と見なされるべきではない。
【実施例】
【0044】
特にことわらない限り、全ての温度は摂氏温度である。また、これらの実施例その他において、下記の略号は下記の意味を有する。
cc =立方センチメートル
cm =センチメートル
DMSO =ジメチルスルホキシド
EVOH =エチレンビニルアルコールコポリマー
g =グラム
ID =内径
in. =インチ
min. =分
mL =ミリリットル
mm =ミリメートル
OD =外径
sec.=秒
μm =ミクロン
【0045】
実施例1
この実施例の目的は、全てのその他の因子が一定に保たれる場合に、小さい直径の医療用カテーテルにより送出される水不溶性造影剤の量が造影剤の平均粒子サイズと相関関係があることを実証することである。
詳しくは、平均粒子サイズ以外の全ての面で同一の2種のEVOHポリマー組成物を以下のようにして調製した。
【0046】
第一組成物
A)EVOH 8g、
B)約15μm(狭いサイズ分布)の平均粒子サイズを有するタンタル30g、及び
C)DMSO 100mL。
第二組成物
A)EVOH 8g、
B)約3μm(狭いサイズ分布)の平均粒子サイズを有するタンタル30g、及び
C)DMSO 100mL。
夫々の成分を均一になるまで混合した。
【0047】
第二組成物において、造影剤の平均粒子サイズを分別により調製し、この場合、約20μm未満の平均粒子サイズを有するタンタルをきれいな環境中でエタノール(無水)に添加した。得られる懸濁液を攪拌し、続いて約40秒間沈降させて大きい粒子を速く沈降させた。エタノールの上部を除去し、続いて粒子から液体を分離して粒子サイズの減少を得、これを顕微鏡(ニコン・アルファフォトTM)により確認する。平均3μmの粒子サイズに達するまで、そのプロセスを必要により繰り返した。
2種の同一のカテーテル(ポリオレフィンミクロカテーテル、OD 0.036 in.xID 0.016in.、デードスペース0.45cc)の夫々を10ccの食塩水溶液でフラッシし、次いでDMSO 0.3ccで開始した。二つのlccのシリンジを21ゲージニードルにより上記の第一組成物または第二組成物で満たし、カテーテルのルーアーハブに接続した。カテーテル遠位先端を温かい水道水に沈めた。正確に0.50ccの夫々の組成物を5分の期間にわたって水に注入した。
タンタルは黒色であり、上記ポリマー組成物はそれ以外は白色である。それ故、注射された組成物中のタンタル混入の程度を、夫々の注射された組成物の色特性を測定することにより目視で監視する。この場合、夫々のカテーテルから生成された沈殿を評価し、この評価の結果を下記の表Iに報告する。
【0048】
【表I】

【0049】
次いで夫々の沈殿をX線透視下で視覚化した。組成物中に15μmの平均粒子サイズのタンタルを有する第一沈殿はかろうじて目視でき、一方、第二沈殿(組成物中の3μmの平均粒子サイズのタンタル)は顕著であった。
同様の組成物に関するその後の実験はこれらの結果を確認した。詳しくは、第一組成物は5.0分及び2.0分の注射時間で白色〜灰色の沈殿を生じ、一方、1.0分の注射時間は黒色の沈殿を生じた。
【0050】
上記結果は、約10μmより大きい平均粒子サイズを有する水不溶性造影剤を含む組成物が、組成物を徐々に注射した時に容易に視覚化されるのに充分な造影剤をカテーテル注射により送出された組成物中に保持しなかったことを証明する。迅速な注射は沈降及び/または水不溶性造影剤が沈殿中に保持されないことに関係するその他の現象を明らかに最小にする。逆に、水不溶性造影剤について約3μmの平均粒子サイズを有する同組成物は全ての注射時間で許容できる結果を生じた。
【0051】
また、本発明の塞栓形成組成物は、10μmより大きい平均粒子サイズを有する水不溶性造影剤を含む同様の組成物と較べて改良された流量及びカテーテル中の少ない分離を有することが意図される。
【0052】
上記と同じ操作が液体プレポリマーを使用する組成物とともに使用し得ることが理解される。
【0053】
以上の説明から、組成物及び方法の種々の改良及び変化が当業者に思いつくであろう。請求の範囲内に入る全てのこのような改良がその中に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約2.5重量%から約8.0重量%までの生体適合性ポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する約10重量%から約40重量%までの水不溶性、生体適合性造影剤、及び
(c)約52重量%から約87.5重量%までの生体適合性溶媒
(ポリマー、造影剤及び生体適合性溶媒の重量%は全組成物の合計重量を基準とする)
を含む組成物。
【請求項2】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシド、エタノール及びアセトンからなる群から選ばれる請求の範囲第1項に記載の組成物。
【請求項3】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシドである請求の範囲第2項に記載の組成物。
【請求項4】
前記水不溶性造影剤がタンタル、酸化タンタル、タングステン及び硫酸バリウムからなる群から選ばれる請求の範囲第1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記造影剤がタンタルである請求の範囲第3項に記載の組成物。
【請求項6】
前記生体適合性ポリマーがセルロースアセテート、エチレンビニルアルコールコポリマー、ヒドロゲル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求の範囲第1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記生体適合性ポリマーがエチレンとビニルアルコールのコポリマーである請求の範囲第6項に記載の組成物。
【請求項8】
前記造影剤が1ミクロンから10ミクロンまでの平均粒子サイズを有する請求の範囲第7項に記載の組成物。
【請求項9】
(a)約2.5重量%から約8.0重量%までの生体適合性ポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する約10重量%から約40重量%までの水不溶性、生体適合性造影剤、及び
(c)約52重量%から約87.5重量%までの生体適合性溶媒
(ポリマー、造影剤及び生体適合性溶媒の重量%は全組成物の合計重量を基準とする)
を含む組成物を、血管を塞栓形成する沈殿が生成される条件下で血管にカテーテルにより送出することによる血管の塞栓形成方法。
【請求項10】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシド、エタノール及びアセトンからなる群から選ばれる請求の範囲第9項に記載の方法。
【請求項11】
前記生体適合性溶媒がDMSOである請求の範囲第10項に記載の方法。
【請求項12】
前記水不溶性造影剤がタンタル、酸化タンタル、タングステン及び硫酸バリウムからなる群から選ばれる請求の範囲第9項に記載の方法。
【請求項13】
前記生体適合性ポリマーがセルロースアセテート、エチレンビニルアルコールコポリマー、ヒドロゲル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求の範囲第9項に記載の方法。
【請求項14】
前記生体適合性ポリマーがエチレンとビニルアルコールのコポリマーである請求の範囲第9項に記載の方法。
【請求項15】
前記造影剤が1ミクロンから10ミクロンまでの平均粒子サイズを有する請求の範囲第14項に記載の方法。
【請求項16】
(a)生体適合性プレポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する水不溶性生体適合性造影剤、及び
(c)生体適合性溶媒
を含む組成物。
【請求項17】
前記水不溶性造影剤がタンタル、酸化タンタル及び硫酸バリウムからなる群から選ばれる請求の範囲第17項に記載の組成物。
【請求項18】
前記造影剤がタンタルである請求の範囲第17項に記載の組成物。
【請求項19】
前記生体適合性プレポリマーがシアノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びシリコーンプレポリマーからなる群から選ばれる請求の範囲第16項に記載の組成物。
【請求項20】
前記生体適合性プレポリマーがシアノアクリレートである請求の範囲第19項に記載の組成物。
【請求項21】
前記造影剤が1ミクロンから10ミクロンまでの平均粒子サイズを有する請求の範囲第20項に記載の組成物。
【請求項22】
生体適合性溶媒を更に含む請求の範囲第16項に記載の組成物。
【請求項23】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシド、アセトン及びエタノールからなる群から選ばれる請求の範囲第22項に記載の組成物。
【請求項24】
(a)生体適合性プレポリマー、
(b)約10μm以下の平均粒子サイズを有する生体適合性水不溶性造影剤、及び
(c)必要により、生体適合性溶媒
を含む組成物を血管にカテーテルにより送出することによる血管部位の塞栓形成方法であって、前記送出は前記プレポリマーが前記血管部位でin situ重合する条件下で行われ、それにより血管を塞栓形成し、更に非粒状薬剤が前記ポリマーに封入されることを特徴とする塞栓形成方法。
【請求項25】
前記水不溶性造影剤がタンタル、酸化タンタル、タングステン及び硫酸バリウムからなる群から選ばれる請求の範囲第24項に記載の方法。
【請求項26】
前記造影剤がタンタルである請求の範囲第25項に記載の方法。
【請求項27】
前記生体適合性プレポリマーがシアノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びシリコーンプレポリマーからなる群から選ばれる請求の範囲第24項に記載の方法。
【請求項28】
前記生体適合性プレポリマーがシアノアクリレートである請求の範囲第27項に記載の方法。
【請求項29】
前記造影剤が1ミクロンから10ミクロンまでの平均粒子サイズを有する請求の範囲第25項に記載の方法。
【請求項30】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシド、アセトン及びエタノールからなる群から選ばれる請求の範囲第25項に記載の方法。
【請求項31】
(a)生体適合性ポリマー、生体適合性溶媒及び約10μm以下の平均粒子サイズを有する水不溶性、生体適合性造影剤を含むポリマー組成物、及び
(b)カテーテル
を含む部品のキット。
【請求項32】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシド、エタノール及びアセトンからなる群から選ばれる請求の範囲第31項に記載の部品のキット。
【請求項33】
前記生体適合性溶媒がジメチルスルホキシドである請求の範囲第32項に記載の部品のキット。
【請求項34】
前記水不溶性造影剤がタンタル、酸化タンタル、タングステン及び硫酸バリウムからなる群から選ばれる請求の範囲第31項に記載の部品のキット。
【請求項35】
前記造影剤がタンタルである請求の範囲第34項に記載の部品のキット。
【請求項36】
前記生体適合性ポリマーがセルロースアセテート、エチレンビニルアルコールコポリマー、ヒドロゲル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求の範囲第31項に記載の部品のキット。
【請求項37】
前記生体適合性ポリマーがエチレンとビニルアルコールのコポリマーである請求の範囲第36項に記載の部品のキット。
【請求項38】
前記造影剤が1ミクロンから10ミクロンまでの平均粒子サイズを有する請求の範囲第37項に記載の部品のキット。
【請求項39】
血流を減少または停止するためのミクロバルーンカテーテルを更に含む請求の範囲第31項に記載の部品のキット。
【請求項40】
(a)生体適合性プレポリマー、約10pm以下の平均粒子サイズを有する水不溶性生体適合性造影剤、及び、必要により、生体適合性溶媒を含むプレポリマー組成物、及び
(b)カテーテル
を含む部品のキット。
【請求項41】
前記水不溶性造影剤がタンタル、酸化タンタル、タングステン及び硫酸バリウムからなる群から選ばれる請求の範囲第40項に記載の部品のキット。
【請求項42】
前記造影剤がタンタルである請求の範囲第41項に記載の部品のキット。
【請求項43】
前記生体適合性プレポリマーがシアノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びシリコーンプレポリマーからなる群から選ばれる請求の範囲第40項に記載の部品のキット。
【請求項44】
前記生体適合性プレポリマーがシアノアクリレートである請求の範囲第43項に記載の部品のキット。
【請求項45】
前記造影剤が1ミクロンから10ミクロンまでの平均粒子サイズを有する請求の範囲第40項に記載の部品のキット。
【請求項46】
血流を減少または停止するためのミクロバルーンカテーテルを更に含む請求の範囲第40項に記載の部品のキット。

【公開番号】特開2008−86785(P2008−86785A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290383(P2007−290383)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【分割の表示】特願平9−507842の分割
【原出願日】平成8年7月29日(1996.7.29)
【出願人】(507369486)マイクロ セラピューティックス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】