説明

新規蛍光標識ポリペプチドを用いたバレット食道における異形成の標的検出

本発明は、バレット食道における異形成の検出に使用するための組成物および方法を対象とする。また、本開示は、本明細書に開示された組成物をヒトに投与する方法を考察する。したがって、いくつかの態様において、本明細書に開示された組成物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が提供される。いくつかの態様において、組成物とは本明細書において提供される場合、追加部分をさらに含み、様々な態様において、その部分は化学療法剤、治療剤、ポリペプチド、抗体、核酸、小分子またはその組み合わせからなる群から選ばれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2009年4月18日に出願された米国特許仮出願第61/170,614号、および2010年2月8日に出願された米国特許仮出願第61/302,388号の優先権の利益を主張する。
政府権益の声明
【0003】
本発明は、国立衛生研究所(NIH)により与えられた助成金番号R03 CA096752、CA136429、およびCA093990の下、政府支援により行われた。政府は本発明における一定の権利を有する。
技術分野
【0004】
本発明は、バレット食道における異形成の検出に使用するための組成物および方法を対象とする。
【背景技術】
【0005】
先進諸国において、食道の腺癌は他のいかなる癌よりも早い速度で増大している。この疾患は罹患率および死亡率の大きな原因であり、バレット食道は食道粘膜の内膜の変化に起因する、知られている前駆状態であり、腸上皮化生として組織学的に確認されるサーモン色の粘膜として、内視鏡で識別することができる。バレット粘膜の発症は、中心性肥満に関連する酸および胆汁の逆流に関連しており、通常の食道よりも約30〜125倍高く癌へ進行する相対リスクを有する。バレット粘膜は、一連の分子および細胞変化を通じて正常組織から癌に移行する。組織学分類では、扁平上皮、腸上皮化生、低悪性異形成、高悪性異形成、および腺癌を含む段階を通じて進む。癌はまた、年に患者一人に対して1%の割合で腸上皮化生から直接発症する。
【0006】
従来の白色光内視鏡検査が、バレット食道の癌検診に使用される最も一般的な方法である[非特許文献1]。この様式は、センチメートル規模の寸法で、素早く粘膜表面の範囲を調べるために非常に広い視界にわたって光を集めるために高度な画像光学を用いる。この機能は、実際の時間枠の中で消化管における管腔臓器の内壁を入念に調べるのに必要である。しかしながら、この方法には大きな制約がある。この手法は、構造(解剖学上)の変化を見せるための組織表面からの白色光の反射に依存しており、バレット食道で発症するような扁平異形成の検出には効果的ではない。現行の検診手法および観察手法は医療用内視鏡を用いて行われ、検出および解明が困難な組織内の構造的および形態的変化を可視化することを基にしている。無作為の4像限生体組織検査は検診手法の基準として認められていたが、異形成変化は空間的に不均一に発生することが多いため、この方法は検出率の低さから限定されている[非特許文献2]。
【0007】
異形成の存在により切除した食道粘膜の組織学的検査は、定性的、自覚的な方法、および病理専門医の中でも、発生した異形成を選別する際の実質的な観察者内および観察者間の変動、分析における患者および医師の確信を制限して、行われる[非特許文献2]。生体標本の誤った診断は、不必要な食道切除術または明らかに癌に進行する恐れがある。腺癌に進行する危険性のある粘膜の自然歴上の現行の組織病理学の予後値におけるこの不透明性により、病理学的評価の新たな基準の形成が求められる[非特許文献3]。さらに、特定の分子標的を阻害することを目的とする新たな治療が、全身毒性を有さない抗腫瘍薬の創薬への幅広い意欲を引き起こし、遺伝子増幅とタンパク質発現間の理解を深める、および標的療法の効果が必要とされている[非特許文献4]。これらの要素は、末期腺癌に伴う低い生存率と相まって、標的のさらなる発展への主な動機、バレット粘膜の検診を改良するための生体内画像戦略、疾患のリスク分類、および癌の治療選択を提供する。
【0008】
母集団におけるバレット食道の有病率から判断すると、無作為の生検を用いた白色光の内視鏡検査は、癌検診の容認された方法となっている。しかしながら、この方法は、バレット食道で発症するような扁平異形成の検出には効果的ではない。異形成の存在により切除した食道粘膜の組織学的検査は、定性的、自覚的な方法、ならびに病理専門医の中でも、発生した異形成を選別する際の実質的な観察者内および観察者間の変動、分析において患者および医師の確信を制限し、行われるそのため、白色光を用いた現行の観察方法は非特異的であり、サンプリング誤差により限定されるため、食道腺癌の早期発見および予防のために前癌状態の粘膜を局所化する、改善された画像戦略が必要とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Wang et al., Am J Gastroenterol. 2008;103:788−97
【非特許文献2】Levine et al., Gastroenterology 1993;105:40−50
【非特許文献3】Appelman, Arch Pathol Lab Med. 2005;129:170−3
【非特許文献4】Brabender et al., Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2005;14:2113−7
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書には、組成物およびバレット食道における異形成の検出のための組成物および方法が記載されている。したがって、一実施形態において、組成物は配列番号1に示されるポリペプチド配列(SNFYMPL)、リンカー配列および検出可能マーカーからなる、または実質的になり、検出可能マーカーはリンカーを通してポリペプチドに結合し、リンカーは正味の中性電荷を有し、リンカーの存在は、リンカーのない場合のバレット食道組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合と比較してバレット食道の組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合を増加させる。
【0011】
いくつかの態様において、リンカーの末端アミノ酸はリジンである。さらなる態様において、リンカーは配列番号2(GGGSK)で示される配列を含む。
【0012】
いくつかの態様において、検出可能マーカーはフルオレセインイソチオシアネート(FITC)である。
【0013】
また、本開示は、本明細書に開示された組成物をヒトに投与する方法を考察する。したがって、いくつかの態様において、本明細書に開示された組成物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が提供される。
【0014】
いくつかの態様において、組成物とは本明細書において提供される場合、追加部分をさらに含み、様々な態様において、その部分は化学療法剤、治療剤、ポリペプチド、抗体、核酸、小分子またはその組み合わせからなる群から選ばれる。
【0015】
本開示により、バレット食道細胞を検出するのに有効な量の本明細書に開示の組成物を投与する方法を含む腺癌の発症を検出する方法をさらに提供し、組成物は非癌性細胞に関係するバレット食道細胞に選択的に結合する特性を有し、それによって腺癌細胞発生の開始を検出する。
【0016】
本開示の追加態様は、ヒトにおける異形成バレット食道治療の有効性を判断する方法であって、異形成バレット食道を標識するのに有効な量の本開示の組成物をヒトに投与するステップと、本開示の組成物で標識された細胞の第1の量を可視化するステップと、第1の量を、本開示の組成物で標識された細胞の以前に可視化された第2の量と比較するステップとを含み、標識された細胞の以前に可視化された量と比べて、標識された細胞の第1の量の減少は、効果的な治療を示す。
【0017】
さらなる態様は、本開示の組成物により標識された細胞の生検を得ることを含む方法を提供する。
【0018】
いくつかの態様において、組成物が異形成バレット食道の臨床的発症後に投与される。
【0019】
本開示は、本開示の薬学的組成物、組成物の使用のための方法および薬学的組成物を患者に投与するためのデバイスを含む、キットをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】結合ファージ集計。「SNFYMPL」−ファージおよび野生型ファージ(挿入無し)はOE33食道腺癌細胞およびQ−hTERT腸上皮化生細胞で培養され、結合ファージは回収され力価を測定した。OE33細胞に結合した「SNFYMPL」−ファージの数は、野生型ファージの6.5×10pfuに比較して約1.6×10pfuであった。一方、Q−hTERT細胞に結合したファージの数は、桁が少なくそれぞれ5.8×10および1.7×10(P<0.01)であった。
【図1b】結合アッセイ用ELISA。「SNFYMPL」−ファージのOE33食道腺癌細胞への結合のためのELISA上の光学濃度は、1.23であり野生型ファージの0.72およびファージ無し(背景)の0.73とそれぞれ比較した。Q−hTERT細胞が使用された場合、ELISA上の光学濃度に違いは観察されていない(P<0.01)。
【0021】
【図2】競合的阻害研究を表す。「SNFYMPL」−ファージは、OE33食道腺癌細胞(1×10)で培養され、「SNFYMPL」ペプチドおよびスクランブルペプチド「NLMPYFS」を100、200、および400μMの濃度で細胞−ファージ混合物に加え、組成物の測定をした。結合ファージは回収され、力価を測定し、「SNFYMPL」は濃度依存的にOE33細胞に結合するSNFYMPL−ファージを大きく阻害することがわかった。一方で、スクランブルペプチド「NLMPYFS」は、標的ペプチド「SNFYMPL」の結合をいかなる濃度(400μM表示)でも阻害しなかった。
【0022】
【図3】細胞表面標的へのペプチド結合の蛍光画像を示す。蛍光−標識されたペプチド「SNFYMPL」は、OE33(食道腺癌)細胞の>90%において細胞膜へ結合するのがみられるが、蛍光画像上のQ−hTERT(腸上皮化生)細胞上では見られない。OE33の細胞表面への結合に関連する輝度は、Q−hTERTの輝度25.7±2.5と比べ、69±18であった。DAPI染色法により細胞核の範囲を現し、オーバーレイ画像により細胞表面上に起きた結合が見られる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
変化した細胞および組織は、全体の形質学的特徴より先に分子変化を十分に発現するため、癌の早期発見をする類のない機会を提供する。食道における疾患検出のためのより高い反応性および特異性は、特有の癌発現分子パターンを標的にした外部からの探針に使用により実現する。次いで、これらの探針は、検出可能マーカーと標識され、癌の早期発見のための組織生検を指針する定期的なスクリーニングの間、内視鏡画像で検出され、粘膜下層浸潤を診断し、治療反応性を観察する。
【0024】
ポリペプチドは、体内の分子発現を標的にする分子探針として、臨床的使用に大きな可能性を有する。高いクローン多様性、小さいサイズおよび蛍光染料との相互性に加えて、ポリペプチドは速い結合反応速度を示し、スクリーニング手段として臨床的に使用し得る。そればかりでなく、ポリペプチドは、免疫原生のわずかな懸念を有する前悪性(異形成)変化に関わる細胞表面標的に結合するために管腔表面に局所的に投与され得る。
【0025】
本明細書には、バレット食道における異形成の検出のために使用する組成物および方法が記載されている。この方法は、標識されたポリペプチドを分子探針として、バレット食道癌患者の体内検出用に共焦点蛍光内視鏡検査と組み合わせて利用する。
【0026】
したがって、一実施形態において、組成物は配列番号1に示されるポリペプチド配列、リンカー配列および検出可能マーカーからなる、または実質的になり、検出可能マーカーはリンカーを通してポリペプチドに結合し、リンカーは正味の中性電荷を有し、リンカーの存在は、リンカーのない場合のバレット食道組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合と比較してバレット食道の組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合を増加させる。
【0027】
いくつかの態様において、検出可能な結合は体内で起こる。いくつかの態様において、検出可能な結合は体外で起こる。さらなる態様において、検出可能な結合は体内の原位置で起こる。体内の原位置とは「自然な位置または通常の位置」を意味する。例えば限定されないが、全臓器が無傷のまま潅流下で細胞を検査することは原位置検査である。これは生物から臓器が摘出されているので体内にはならないが、細胞単体を研究していること(体外実験における一般的なシナリオ)と同様ではないだろう。当業者は、例えば限定されないが、前述の各適用において本開示の組成物が有用であることを理解するであろう。
【0028】
本発明の特定の方法は、ヒトにおける異形成バレット食道治療の有効性を判断する方法であって、異形成バレット食道を標識するのに有効な量の本開示の組成物をヒトに投与するステップと、組成物で標識された細胞の第1の量を可視化するステップと、第1の量を、組成物で標識された細胞の以前に可視化された第2の量と比較するステップと、を含み、標識された細胞の以前に可視化された量と比べて、標識された細胞の第1の量の減少は効果的な治療を示す。これらの態様において、5%の減少は効果的な治療を示す。他の態様において、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、またはそれ以上の減少は効果的な治療を表す。
リンカー
【0029】
本明細書で用いられている「リンカー」は、本開示のポリペプチドの末端に位置する非荷電アミノ酸配列である。リンカーの存在により、リンカーのない場合のバレット食道組織への検出可能なポリペプチド結合の配列と比較して、バレット食道組織への検出可能なポリペプチド結合の配列を増加させることがわかっている。いくつかの実施形態において、リンカー配列はリジン残基で終端する。様々な態様において、本明細書に記載の検出可能マーカーは、リンカーに結合している。さらなる態様において、リンカー配列はGGGSK(配列番号2)である。さらなる態様において、検出可能マーカーはFITCである。本開示により考察される非荷電アミノ酸は、グリシン、セリン、システイン、スレオニン、ヒスチジン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンを含むがこれに限定されない。
【0030】
いくつかの態様において、リンカーの存在により、リンカーのない場合のバレット食道組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合と比較して、バレット食道組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合は少なくとも1%増加する。様々な態様において、リンカーのない場合のバレット食道組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合と比較して、バレット食道組織へのポリペプチド配列の検出可能な結合の増加は、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、またはそれ以上である。
ポリペプチド
【0031】
用語「ポリペプチド」は、2〜50アミノ酸の分子、3〜20アミノ酸の分子、および6〜15アミノ酸の分子を意味する。一態様において、本発明により考察されるポリペプチドおよびリンカーは、5アミノ酸長である。様々な態様において、ポリペプチドまたはリンカーは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはそれ以上のアミノ酸長である。
【0032】
典型的なポリペプチドは、当技術分野において既知の方法により無作為に生成され、ポリペプチドライブラリー(例えば限定されないが、ファージディスプレイライブラリー)中で運ばれ、タンパク質の消化または化学的合成により得られる可能性がある。本開示のポリペプチドは、細胞表面標的への優先的結合による選択用のポリペプチドの複合ライブラリーを生成するための組み換えDNA技術を使用する強力なコンビナトリアル手法である、ファージディスプレイの手法を用いて開発された[Scott et al., Science 1990;249:386−90.]。フィラメントM13または正20面体T7といったバクテリオファージのタンパク膜は、親和結合を達成するために特異的な配列をもつ異なる非常に多数(>10)のポリペプチドを発現するように遺伝子改変される[Cwirla et al., PNAS 1990;87:6378−82]。次いで、標的の発現を通して培養された細胞および組織に対するファージライブラリーをバイオパニングすることにより選択が行われる。次いで、これらの候補ファージのDNA配列が回収され、ポリペプチドの合成に使用される[Pasqualini et al., Nature 1996;380:364−6]。
【0033】
ポリペプチドは、D型およびL型を含み、2つの型の精製したものか混合したもののいずれかである。また本開示により、バレット食道細胞への結合に関する本開示のポリペプチドと競合したポリペプチドも考察される。
【0034】
特定の態様において、本開示は、培養液中のOE33ヒト食道腺癌培養細胞株に対するバイオプランニングによるファージディスプレイの手法を使用して特定された2つの7残基ポリペプチド(7−mer)および1つの12残基ポリペプチド(12−mer)を提供する。これらのポリペプチド配列は、1)SNFYMPL(配列番号1)、2)VATQAYL(配列番号3)、および3)GLKIWSLPPHHG(配列番号4)である。他の態様において、本明細書に開示のポリペプチドに少なくとも80%同一であるポリペプチドが提供されている。さらなる態様において、本明細書に開示されたポリペプチドに少なくとも85%、90%、95%、または少なくとも99%同一のポリペプチドが提供されている。追加のポリペプチドはファージディスプレイを使用して特定され、組成物および本開示の方法において利用され得るということを、当業者であれば理解および認識されるであろう。
【0035】
一態様において、ポリペプチド配列ASYNYDA(配列番号5)が、本開示により考察される。
【0036】
本発明のポリペプチドおよびリンカーは、当該技術分野で知られる修正を取り入れることができ、そうした修正の位置および数は、最適な効果を実現するために異なってもよいことが理解されるであろう。
検出可能マーカー
【0037】
本明細書で用いられている「検出可能マーカー」とは、食道組織への本開示の組成物の結合を特定するために使用できる任意の標識である。検出可能マーカーの例には、限定するものではないが、ポリペプチドの可視化を可能にする蛍光体、化学タグまたはタンパク質タグがある。可視化は、裸眼または装置(例えば限定されないが、内視鏡)で行われてもよいし、代替光またはエネルギー源を要してもよい。
【0038】
本発明の方法において使用すると考察されている化学タグおよびタンパク質タグである発光体には、これらに限定されないが、FITC、Cy5.5、Cy7、Li−Cor、放射性同位元素識別、ビオチン、ルシフェラーゼ、1,8−ANS(1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸)、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(1,8−ANS)、5−(および−6)−カルボキシ−2´、7´−ジクロロフルオレセインpH9.0、5−FAM、pH9.0、5−ROX(5−カルボキシ−X−ローダミン、トリエチルアンモニウム塩)、5−ROX pH7.0、5−TAMRA、5−TAMRA pH、0,5−TAMRA−MeOH、6 JOE、6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンpH9.0、6−カルボキシローダミン6G pH7.0、6−カルボキシローダミン6G、塩酸塩、6−HEX、SE pH9.0、6−TET、SE pH9.0、7−アミノ−4−メチルクマリンpH7.0、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンpH9.0、アレクサ350、アレクサ405、アレクサ430、アレクサ488、アレクサ532、アレクサ546、アレクサ555、アレクサ568、アレクサ594、アレクサ647、アレクサ660、アレクサ680、アレクサ700、アレクサフルオル430抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル488抗体複合体pH8.0、アレクサフルオル488ヒドラジド水、アレクサフルオル532抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル555抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル568抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル610R−フィコエリトリンストレプトアビジンpH7.2、アレクサフルオル647抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル647R−フィコエリトリンストレプトアビジンpH7.2、アレクサフルオル660抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル680抗体複合体pH7.2、アレクサフルオル700抗体複合体pH7.2、アロフィコシアシンpH7.5、AMCA複合体、アミノクマリン、APC(アロフィコシアシン)、Atto647、BCECF pH5.5、BCECF pH9.0、BFP(青色蛍光タンパク質)、カルセイン、カルセインpH9.0、カルシウムクリムゾン、カルシウムクリムゾンCa2+、カルシウムグリーン、カルシウムグリーン−1Ca2+、カルシウムオレンジ、カルシウムオレンジCa2+、カルボキシナフトフルオレセインpH10.0、カスケードブルー、カスケードブルーBSApH7.0、カスケードイエロー、カスケードイエロー抗体複合体pH8.0、CFDA、CFP(シアン蛍光タンパク質)、CI−NERF pH6.0、シトリン、クマリン、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、CyQUANT GR−DNA、ダンシルカダベリン、ダンシルカダベリン、MeOH、DAPI−DNA、ダポキシル(2−アミノエチル)スルホンアミド、DDAO pH9.0、Di−8−ANEPPS−リピド、DiI、DiO、DM−NERF pH4.0、DM−NERF pH7.0、DsRed、DTAF、dトマト、eCFP(強化シアン蛍光タンパク質)、eGFP(強化グリーン蛍光タンパク質)、エオシン、エオシン抗体複合体pH8.0、エリスロシン−5−イソチオシアネートpH9.0、eYFP(強化イエロー蛍光タンパク質)、FDA、FITC抗体複合体pH8.0、FlAsH、フルオ−3、フルオ−3Ca2、フルオ−4、フルオロ−ルビー、フルオレセイン、フルオレセイン0.1M NaOh、フルオレセイン抗体複合体pH8.0、フルオレセインデキストランpH8.0、フルオレセインpH9.0、フルオロ−エメラルド、FM1−43、FM1−43リピド、FM4−64、FM4−64、2%CHAPS、フラレッドCa2、フラレッド、高Ca、フラレッド、低Ca、フラ−2Ca2+、フラ−2、フラ−2、GFP(S65T)、Hcレッド、インド−1Ca2、インド−1、Ca無し、インド−1、Ca飽和、JC−1、JC−1pH8.2、リサミンローダミン、ルシフェルイエロー、CH、マグネシウムグリーン、マグネシウムグリーンMg2+、マグネシウムオレンジ、マリーナブルー、mBバナナ、mチェリー、mハネデュー、mプラム、mRFP、mストロベリー、mタンジェリン、NBD−X、NBD−X、MeOH、ニューロトレース500/525、グリーン蛍光ニッスルステイン−RNA、ナイルブルー、ナイルレッド、ナイルレッド−リピド、ニッスル、オレンジグリーン488、オレンジグリーン488抗体複合体pH8.0、オレンジグリーン514、オレンジグリーン514抗体複合体pH8.0、パシフィックブルー、パシフィックブルー抗体複合体pH8.0、フィコエリトリン、R−フィコエリトリンpH7.5、ReAsH、レゾルフィン、レゾルフィンpH9.0、ロード−2、ロード−2Ca2、ローダミン、ローダミン110、ローダミン110pH7.0、ローダミン123、MeOH、ローダミングリーン、ローダミンファロイジンpH7.0、ローダミンレッド−X抗体複合体pH8.0、ローダミングリーンpH7.0、ローダミングリーン抗体複合体pH8.0、サファイア、SBFI−Na、ナトリウムグリーンNa、スルホローダミン101、テトラメチルローダミン抗体複合体pH8.0、テトラメチルローダミンデキストランpH7.0、およびテキサスレッド−X抗体複合体pH7.2、が挙げられる。
【0039】
本開示により考察される化学タグの例には、限定するものではないが、放射性同位元素識別がある。例えば限定されないが、組成物および本開示の方法に使用されてもよい放射性同位元素識別には、11C、13N、15O、18F、32P、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、90Y、94mTc、94Tc、95Tc、99mTc、103Pd、105Rh、109Pd、111Ag、111In、123I、124I、125I、131I、140La、149Pm、153Sm、154−159Gd、165Dy、166Dy、166Ho、169Yb、175Yb、175Lu、177Lu、186Re、188Re、192Ir、198Au、199Au、および212Biがある。
【0040】
体内または体外のいずれかで、本開示の組成物を可視化するために使用できるそうした検出可能マーカーが多くあるということを、当業者は認識するであろう。
追加部分
【0041】
別の実施形態において、追加部分をさらに含む組成物が提供され、前記組成物は腺癌細胞を検出する特性を有する。様々な態様において、限定されないが、追加部分はポリペプチド、低分子、治療剤、化学療法剤またはそれらの組み合わせである。
【0042】
本明細書で使用されている「低分子」という用語は、例えば、任意に誘導体化されてもよいペプチドメティックもしくはオリゴヌクレオチド、または天然もしくは合成のいずれかの任意の他の低分子量の有機化合物等の化学化合物を意味する。
【0043】
「低分子量」とは、分子量が1000ダルトン未満、主に300から700ダルトンを有する化合物を意味する。様々な態様において、低分子量化合物は、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、約550、約600、約650、約700、約750、約800、約850、約900、約1000ダルトン、またはそれ以上である。
【0044】
いくつかの態様において、追加部分はタンパク質治療剤である。タンパク質治療剤は、細胞タンパク質または血中タンパク質ならびにその断片および誘導体を含むがこれに限定されるものではない。さらに他の治療剤は、タンパク質コードポリヌクレオチド、調節ポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチド、および/またはそれ自体調節性であるポリヌクレオチドを含むがこれに限定されるものではない、ポリヌクレオチドを含む。任意で、組成物は、本明細書に記載の化合物の組み合わせを含んでもよい。
【0045】
様々な態様において、タンパク質治療剤はサイトカインまたは造血因子を含み、IL−アルファ、IL−1ベータ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−11、コロニー刺激因子−1(CSF−1)、M−CSF、SCF、GM−CSF、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、EPO、インターフェロン−アルファ(IFN−アルファ)、コンセンサスインターフェロン、IFN−ベータ、IFN−ガンマ、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、トロンボポイエチン(TPO)、アンジオポエチン、例えば、Ang−1、Ang−2、Ang−4、Ang−Y、ヒトアンジオポエチン様ポリペプチド、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、骨形態形成タンパク質−1、骨形態形成タンパク質−2、骨形態形成タンパク質−3、骨形態形成タンパク質−4、骨形態形成タンパク質−5、骨形態形成タンパク質−6、骨形態形成タンパク質−7、骨形態形成タンパク質−8、骨形態形成タンパク質−9、骨形態形成タンパク質−10、骨形態形成タンパク質−11、骨形態形成タンパク質−12、骨形態形成タンパク質−13、骨形態形成タンパク質−14、骨形態形成タンパク質−15、骨形態形成タンパク質受容体IA、タンパク質受容体IB、脳由来神経栄養因子、繊毛神経栄養因子、繊毛神経栄養因子受容体、サイトカイン誘導好中球化学走化因子1、サイトカイン誘導好中球、化学走化因子2α、サイトカイン誘導好中球化学走化因子2β、β内皮細胞成長因子、エンドセリン1、上皮細胞増殖因子、上皮由来好中球誘引剤、線維芽細胞成長因子4、線維芽細胞成長因子5、線維芽細胞成長因子6、線維芽細胞成長因子7、線維芽細胞成長因子8、線維芽細胞成長因子8b、線維芽細胞成長因子8c、線維芽細胞成長因子9、線維芽細胞成長因子10、線維芽細胞成長因子酸、グリア細胞株由来神経栄養因子受容体α1、細胞株由来神経栄養因子受容体α2、増殖関連タンパク質、増殖関連タンパク質α、増殖関連タンパク質β、増殖関連タンパク質γ、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、インスリン様増殖因子I、インスリン様増殖因子受容体、インスリン様増殖因子II、インスリン様増殖因子結合タンパク質、ケラチン生成細胞増殖因子、白血病抑制因子、白血病抑制因子受容体α、神経成長因子神経成長因子受容体、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、胎盤成長因子、胎盤成長因子2、血小板由来内皮細胞成長因子、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子AA、血小板由来増殖因子AB、血小板由来増殖因子B鎖、血小板由来増殖因子BB、血小板由来増殖因子受容体α、血小板由来増殖因子受容体β、プレB細胞成長刺激因子、幹細胞因子受容体、TNF、TNF0込み、TNF1、TNF2、形質転換増殖因子α、形質転換増殖因子β、形質転換増殖因子β1、形質転換増殖因子β1.2、形質転換増殖因子β2、形質転換増殖因子β3、形質転換増殖因子β5、潜在型形質転換増殖因子β1、形質転換増殖因子β結合タンパク質I、形質転換増殖因子β結合タンパク質II、形質転換増殖因子β結合タンパク質III、腫瘍壊死因子受容体型I、腫瘍壊死因子受容体型II、虚キナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体、血管内皮増殖因子、ならびにキメラタンパク質および生物学的にまたは免疫学的に活性なその断片、を含むがこれに限定されるものではない。
【0046】
一特定実施形態として、治療剤はまた化学療法剤も含む。本発明の組成物に使用するために考察される化学療法剤には、限定されないが、メクロル−エタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファビランおよびクロラムブシルといったナイトロジェンマスタード類を含むアルキル化剤、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル−CCNU)といったニトロン尿素化合物、トリエチレンメラミン(TEM)、トリエチレン、チオホスホラミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン)といったエチレンイミン/メチルメラミン、ブスルファンといったスルホン酸アルキル、ダカルバジン(DTIC)といったトリアジン類、メトトレキサートおよびトリメトレキサートといった葉酸類似物を含む代謝抵抗物質、5−フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5−アザシチジン、2,2´−ジフルオロデオキシシチジンといったピリミジン類似体、6−メルカトプリン、6−チオグニアン、アザチオプリン、2´−デオキシコホルマイシン(ベントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、リン酸フルダラビン、および2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2−CdA)といったプリン類似体、パクリタキセルといった細胞分裂抑制薬、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチンおよびビノレルビンを含むビンカアルカロイド、タキソテール、エストラムスチンおよびリン酸エストラムスチン、を含む天然品、エトポシドおよびテニポシド、といったエピポドフィロトキシン、アクチノマイシンD、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、ミトマイシンC、およびアクチノマイシン、といった抗生物質、L−アスパラギナーゼといった酵素、インターフェロン−アルファ、IL−2、CFSおよびGM−CSFといった生物学的修飾物質、シスプラチンおよびカルボプラチンといったプラチナ配位錯体、ミトキサントロンといったアントラセンジオン、ヒドロキシ尿素といった置換尿素、N−メチルヒドラジン(MIH)およびプロカルバジンを含むメチルヒドラジン誘導体、ミトタン(o,p´−DDD)およびアミノグルテチミドといった副腎皮質抑制剤、を含む多様な薬剤、プレドニゾンおよび相当物、デキサメタゾンおよびアミノグルテチミドといった副腎皮質ステロイド拮抗物質を含むホルモンおよび拮抗物質、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロンおよび酢酸メゲストロールといったプロゲスチン、ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオール相当物といったエストロゲン、タモキシフェンといった抗エストロゲン、プロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメステロン/相当物を含むアンドロゲン、フルタミド、ゴナドトロピン放出ホルモン類似体およびロイプロリドといった抗アンドロゲン物質、ならびにフルタミドといった非ステロイド性抗アンドロゲン物質、が挙げられる。
【0047】
治療の投与量はmg/kgで計測される量で投与され得る。開示された治療の予定mg/kg投与量は、約1mg/kg〜約60mg/kgである。投与量の特定範囲はmg/kgで、約1mg/kg〜約20mg/kg、約5mg/kg〜約20mg/kg、約10mg/kg〜約20mg/kg、約25mg/kg〜約50mg/kg、および約30mg/kg〜約60mg/kgである。対象者への的確な有効量は、その対象者の体重、背格好および健康状態、病態の性質および程度、ならびに投与することを選択した治療、または治療の組み合わせによる。ある状態に治療上有効な量は、臨床医の技術および判断内での定期的な実験により判断可能である。
【0048】
本明細書で使用される「有効量」とは、特定した疾患または症状を可視化するのに十分で、検出可能に標識されたポリペプチドの量、あるいは検出可能治療または阻害効果を示すことを意味する。例えば、効果は病態の改善または症状の緩和により検出可能である。対象者への的確な有効量は、その対象者の体重、背格好および健康状態、病態の性質および程度、ならびに投与することを選択した治療、または治療の組み合わせによる。ある状態に治療上有効な量は、臨床医の技術および判断内での定期的な実験により判断可能である。
組成物の可視化
【0049】
標的バレット食道組織への結合の可視化は、当業者に既知の任意の手段によって実行できる。本明細書で述べられているように、例えば限定されないが、可視化は、体内、体外または原位置の可視化が可能である。本明細書において「可視化」および「検出」は同意で使用されている。
【0050】
一実施形態において、可視化は画像を通じて行われており、巨視的規模(ミリメートルからセンチメートル)上の大きな粘膜表面上を高空間分解能で蛍光画像を集めるように特殊設計された広域の内視鏡(Olympus Corporation, Tokyo, Japan)を使用してもよい。この性能は、内視鏡検査中に疾患の疑いのある領域を突き止めた食道下部に見つかった、というような場合に大きな表面を迅速に検査するのに必要とされる[Wang et al., Gastrointestinal Endoscopy 1999; 49:447−55]。この手法は蛍光検出に適応されており、染色標識探針に対応しているこの機器は、白色光(WL)、狭帯域画像(NBI)および蛍光画像を含む3つの異なるモードで画像化することができる。狭帯域画像は、波長を制限する、または波長の範囲を絞り込む光学フィルターのあるスペクトルに変えることにより従来の白色光照射の変化を示す新たな技術である。
【0051】
この方法は、腸上皮化生領域の血管構造に含まれるヘモグロビンの吸収を最大にするための光を向けることにより、食道粘膜のさらなる視覚の詳細を提供する内視鏡画像における対照を強化する。WLおよびNBI画像は、中心の対物レンズにより収集され、蛍光画像は周辺に近い第2の対物レンズにより収集される。白色光の中心と蛍光対物レンズ間に約3mmの距離があることにより、2つの画像にわずかな位置のずれが生じる。さらに、対照レンズからの破片を取り除く空気/水ノズル、および生検鉗子を届けるために使用できる8mmの用具経路がある。対物レンズは前方視であり、視野(FOV)を有し、140°の照射の最高角度により範囲が定まる。WL/NBI画像モードは、被写界深度(DOF)を有し、画像の焦点の合う内視鏡の遠心端から粘膜表面への距離、7〜100mmと蛍光用の距離5〜100mm間の距離範囲により範囲が定まる。WL/NBI用の粘膜から10mmの距離で測定された横断分析は15μmであり、蛍光用は20μmであった。キセノン光源は3つのモードに照射を提供し、そのことは画像処理プロセッサにあるフィルターホイールにより決められる。画像の3モード全てへの照射は2つのファイバー光ガイドを通じて届けられる。WLモードでは、全可視スペクトル(400〜700nm)が提供され、一方NBIモードでは、フィルターホイールが赤、緑および青の枠にスペクトル帯を絞り込んでいる。蛍光モードでは、第2のフィルターホイールが照射路に入り、395〜475nmスペクトル帯における蛍光励起を提供する。さらに、525〜575nmからの照射は、550nmで中心である緑スペクトル枠において反射光を提供する。蛍光画像は、励起光をブロックするための490〜625nm帯通過フィルターを有する周辺に位置するCCD検出器により収集される。正常な粘膜は明るい自己蛍光を発するため、画像の色は明るい緑が現れる。腫瘍性粘膜における血管系の増加により自己発光を吸収するため、低光度で現れる。
【0052】
この医療用内視鏡は、ポリペプチド投与後および1)白色光、2)狭帯域、および蛍光で既知の異形成変化をしたバレット食道からの培養後の画像を集めるために使用可能である。食道下部に入った後、5秒間のビデオが収集され、白色光および狭帯画像モードで電子化される。このモードにおける画像は、ポリペプチド結合の総合評価用腸上皮化生の空間広がりを診断するのに使用される。次いで、約3mlの蛍光標識されたポリペプチドが10μMの濃度で、化生性粘膜の全ての範囲を注意深くカバーするミスト散布カテーテルを用いて腸上皮化生に局所的に投与される。蛍光標識されたポリペプチド量は、当業者によって決定され得る。
【0053】
次いで、胃洞、基底部、噴門および切痕、ならびに十二指腸の第1および第2部分を含む胃の定期的な内視鏡検査が行われ、ポリペプチドを計5分間培養した。次いで、内視鏡を食道下部に戻らせ、非結合ポリペプチド水でやさしく洗い、ポリペプチド標的蛍光画像の別の10秒間のビデオを集めた。次いで、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の手法により食道下部の粘膜をひとまとめにして取り除き、組織検査に送った。
【0054】
いくつかの実施形態において、検出可能標識は検出された放射性同位元素識別であり、いくつかの態様において放射性画像である。放射性画像は、放射性トレーサー物質を投与した後、身体の別部分から放射能を検出することにより画像を作成する方法であると当技術分野では理解されている。画像はコンピュータ上またはフィルム上に記録される。
【0055】
本発明の他の方法は、患者から組織サンプルを得ることが必要である。この組織サンプルは、前記患者の組織または器官からなる群から選択される。
配合
【0056】
1つの実施形態において、薬学的組成物は、特定の投与方法および剤形によって、担体、溶剤、安定剤、補助剤、希釈剤など、といった薬学的に許容される賦形剤で配合されていてもよい。薬学的組成物は通常、配合および投与の経路により、生理的に適合したpH、約3〜約11のpH、約3〜約7のpHの範囲を達成する配合である。代替の実施形態において、pHは約5.0〜約8の範囲に調節される。様々な態様において、薬学的組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と共に、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物の治療効果のある量を含む。任意に、薬学的組成物は、本明細書に記載の化合物の組み合わせを含む、あるいは治療または細菌繁殖防止(例えば限定されないが、抗生物質または抗菌剤)において有用な第2の活性成分を含んでいてもよく、あるいは本発明のポリペプチドの組み合わせを含んでいてもよい。
【0057】
適切な賦形剤は、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子といった大きく、代謝の遅い高分子を含む担体分子でもよい。他の典型的な賦形剤には、抗酸化物質(例えば限定されないが、アスコルビン酸)、キレート剤(例えば限定されないが、EDTA)、炭水化物(例えば限定されないが、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルメチルセルロース)、ステアリン酸、液体(例えば限定されないが、油、水、生理食塩水、グリセリン、およびエタノール)湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質、等が挙げられる。
【0058】
本発明は、本発明の例示的実施形態を詳述する以下の実施例を参照することにさらに十分に理解されよう。しかしながら、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本開示中の全ての参考文献は参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【実施例】
【0059】
実施例1
【0060】
ペプチド選択。ペプチド選択はファージ提示法(Ph.D.−7, New England Biolabs, Beverly, MA)の手法を使用して行われた。食道腺癌細胞株OE33は、RPMI−1640培地に10%FBSが補充され保存された。バレット食道(腸上皮化生)細胞株−KR42421(Q−hTERT、非異形成)は、無ケラチン細胞血清培地にウシ脳下垂体抽出物(BPE)およびヒト表皮成長因子(rEGF)(Invitrogen, Carlsbad, CA)が補充され保存された。全細胞株は37℃で5%COにおいて培養された。
【0061】
バイオパニングは減全細胞手法を用いて行われた。対数期増殖におけるQ−hTERT細胞は、細胞分離緩衝剤(Invitrogen, Carlsbad, CA)を使って切り離され、遮断緩衝剤(ウシ血清アルブミン1%のPBS)を使って45分間、氷上でブロックされた。Ph.D.−7無作為ファージライブラリー(1.5×1011 プラーク形成単位)10μlを5mlのPBSに懸濁させ、1.0×10Q−hTERT細胞で30分間室温(RT)でバイオパニングした。細胞は、1000rpmで6分間、遠心分離機の中で沈降させ、非結合ファージを含んだ上澄みを2回目の除去のために別の1.0×10Q−hTERT細胞に移送した。次いで、得られた上澄みを増幅し、PEG−NaClで析出させ、製造業者の指示にしたがって力価を測定した。
【0062】
OE33食道腺癌細胞に結合するファージを強化するために、前のステップから1×1011pfuファージを、上述の通りに切り離されブロックされた1.0×10OE33細胞に加えた。室温で穏やかに攪拌した後約30分、細胞が沈降し、非結合ファージをもつ上澄みが捨てられた。細胞をPBS/0.1%(v/v)Tween−20で計10回洗浄した。次いで結合ファージを8分間、0.2Mグリシン1m、pH2.2/0.1%BSAで溶出した。ファージを含んだ溶液は、1Mトリス150μL、pH9.5で速やかに中和された。増幅後、同量のファージを、溶出前の2分の溶出バッファー(0.2Mグリシン、pH2.2/0.1%BSA)の洗浄以外は、同じ手順をもう一度行うためOE33細胞にパニングした。同じ手順の後にさらに2回、計4回のパニングが行われた。
【0063】
最後のパニングから60個のファージプラークが無作為に選択され、個別に増幅され、配列決定された(DNA Sequencing Core, University of Michigan, MI)。得られたペプチド配列は、国立バイオテクノロジー情報センターBLAST調査により、短くほぼ一致した選択肢を使用して相同配列をもつヒトタンパク質を特定するために分析された。
【0064】
このファージのプールの配列を決定した後、49のクローンが同じペプチド配列「SNFYMPL」を有することがわかった。他の11クローンが、それぞれ1つだけ現れた異なるペプチド配列を発現させた。
実施例2
【0065】
ファージ結合アッセイ。OE33細胞およびQ−hTERT細胞は、上述の通りに切り離されブロックされた候補の「SNFYMPL」−ファージまたは対照ファージ(無作為に挿入)が、OE33細胞(1×10)またはQ−hTERT細胞(1×10)で30分、緩やかに攪拌し、室温で培養された。PBS/0.1%(v/v)Tween−20で10回、0.2Mグリシン、pH2.2/0.1%BSAで20分間1回洗浄した後、結合ファージは回収され標識された。各サンプルは3重に実行された。各サンプル中の結合ファージ量を、スチューデントのt検定を用いて算出した。
【0066】
ファージ結合用細胞ELISAアッセイ。OE33細胞およびQ−hTERT細胞は、96−ウェルプレートにおいて100%コンフルエンスになるように増殖され、2×10pfu SNFYMPL−ファージまたは対照ファージで連続して10分間、3重に、室温で培養し、0.1%(v/v)Tween−20を含むPBSで6回洗浄し、HRP−標識した拮抗M13抗体(Fitzgerald, Concord, MA)で培養し、TMB(Invitrogen, Carlsbad, CA)で現像させ、吸光度650nmが測定された(Emax, Molecular Devices)。
【0067】
ペプチド検証。結合ファージ量の結果から、OE33細胞を試験に使用した場合、SNFYMPL−ファージ数は、対照ファージ(無作為に挿入)より約250倍多かった。この比率は、ファージがQ−hTERT細胞に適用された時、3まで劇的に低下した(p<0.01)(図1a)。ELISAアッセイ上、SNFYMPL−ファージのOE33細胞への結合の光学密度が2つのうちの1つの要素と言ってもよく、野生型ファージおよびファージ無し(背景対照)と比較したものより大きい。Q−hTERT細胞への結合にはるかに低いODが観察された(図1b)。
【0068】
ペプチド合成。ファージ結合アッセイにより特定された標的ペプチド配列「SNFYMPL」は、標準フルオレニル−メトキシ−カルボニル(FMOC)化学構造を使用して合成され、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して最小の純度90%に精製され、逆相HPLCおよび質量分析法により分析された。蛍光染料FITCを、フレキシブルな5−アミノ酸リンカー(SNFYMPL−GGGSK−FITC;配列番号6)を介してペプチドのC末端で共役させた。GGGSKは、このペプチドがM13の外被タンパク質pIIIに結合したものと同じリンカーである。標的ペプチドは、配列「NLMPYFS−GGGSK」(配列番号7)を形成するようにスクランブル化され、上述したように対照として使用するために合成された。
【0069】
競合阻害アッセイ。OE33細胞およびQ−hTERT細胞は切り離され、ブロックされた。SNFYMPLファージ2×1011pfuは、OE33細胞(1×10)またはQ−hTERT細胞(1×10)と共に培養され、ファージと競合するために、「SNLMPYFS−GGGSK」ペプチドまたはスクランブルペプチド「NLMPYFS−GGGSK」が細胞ファージ混合物中に濃度100、200および400μmで加えられた。PBS/0.1%(v/v)Tween−20で3回、0.2Mグリシン、pH2.2/0.1%BSAで2分間1回洗浄した後、この結合ファージを回収し標識した。各サンプルは3重に行われた。各サンプル中の結合ファージ量はスチューデントのt検定を用いて算出された。
【0070】
FITC標識ペプチドと非標識ペプチドとの間の競合阻害は、FITC標識ペプチド(100μm)を3種類の異なる濃度100、500および1000μmに加える前に、非標識ペプチドをOE33細胞で15分間培養することにより行われた。3つの蛍光画像が、同じ獲得時間および曝露時間を使用したチャンバースライドの各ウェルから200倍で収集さられた。分析用に選択された画像は以下の条件に合致していた。1)70〜90%細胞コンフルエンス、2)各ウェルの端から離れている、3)スライドの細胞のない場所での低い背景結合、4)細胞形質変化が無い。3つの200倍表示下での平均細胞数がペプチド結合細胞の割合を算出するために記録された。蛍光輝度の定量化が、NIH画像Jソフトウェアにより同じしきい値の下、各グループ間のピクセル値を算出して行われた。平均蛍光輝度における違いは、スチューデントのt検定を用いて端を比較した。
【0071】
SNFYMPLファージOE33細胞の結合能力が挿入ペプチドに依存するが、他のファージ被膜タンパク質吸収には依存しないことをさらに証明するために、「SNFYMPL−GGGSK」ペプチドが、OE33細胞上SNFYMPL−ファージと競合させるために使用された。スクランブルペプチド「NLMPYFS−GGGSK」が対照として使用された。「SNFYMPL−GGGSK」は、SNFYMPL−ファージがOE33細胞と結合するのを明らかに阻害でき、この能力は濃度依存であった。スクランブルペプチドである「NLMPYFS−GGGSK」は、SNFYMPL−ファージに対して阻害能力を有してはいなかった(図2)、このことはSNFYMPL−ファージ結合能力が挿入ペプチドに由来すること、およびこれは特異的結合であることを示した。
実施例3
【0072】
培養細胞上のペプチド結合の蛍光画像。OE33細胞およびQ−hTERT細胞を、チャンバースライドの中で80%コンフルエンスに増殖した。これらの細胞への非特異的結合のブロックを、30分間PBS中に希釈した200μlの1%BSAを加えることにより行った。次いでこれらの細胞を、候補のFITC−標識されたペプチド100μmolで、無血清培地において、10分間、室温で培養した。これらの細胞を、3回、200μLのPBS/0.5%Tween−20を使用して室温で洗浄した。これらの細胞を氷冷の4%パラホルムアルデヒド中で5分間固定した。次いでこれらの細胞を、DAPIを含むVectashield封入剤で染色した。蛍光画像が、共焦点顕微鏡(Nikon 1000)を使用して200倍で収集された。3画像におけるこれらの細胞からの蛍光輝度は、NIH画像Jソフトウェアを使用してペプチド結合を判断するために平均化された。
【0073】
蛍光顕微鏡下で、SNFYMPL−GGGSK−FITCは90%超のOE33細胞の細胞膜に結合するが、Q−hTERT(正常バレットの)細胞には結合しなかった(図3)。OE33の細胞表面への結合に関わる輝度は、NIH画像Jソフトウェア分析を使用して、Q−hTERTの69.033±18.007(平均濃淡値)と比較して、25.738±2.504(平均濃淡値)であった。
【0074】
本明細書において、SNFYMPLペプチドが疾患組織に対して高親和性および特異性を有していること、顕微鏡画像上で検出可能であり、組織生検を指針し、前癌状態の粘膜の検出率を高めることが示された。
実施例4
【0075】
「ASYNDA」(配列番号5)に親和結合する腺癌細胞上の細胞膜標的の特定。標的ペプチドのカルボキシル末端は、EDC作用を使用した親和性カラムビーズに連結した。Seg−1の細胞は、増殖して密集し、超音波処理により溶解し、遠心分離により分別された。得られた膜画分はカラムを標識した標的ペプチドに適用され、特定の結合タンパク質が溶出した。これらのタンパク質は分離し、Beckman PF 2D液体クロマトグラフィー装置を使用した逆相カラムにより画分で回収された。タンパク質画分を、ニトロセルロース被覆マイクロアレイプリンタースライド上にスポットし、FITC−標識した標的ペプチドで検査した。各スポットの蛍光輝度はAxon Imagerで数値化された。高輝度のタンパク質画分は、トリプシン処理され、Finnigan LTQ線形イオントラップ質量分析計を使用してプロテオーム解析が行われた。タンパク質同一性がInternational Protein Index(IPI)のデータベース検索を使用して、SEQUESTプログラム、オープンソースであるXtandemならびにペプチドおよびタンパク質プロフェットソフトウェアを利用して確認された。標的ペプチド「ASYNDYA」(100μM)(配列番号5)は、SEG1(腺癌)上の細胞表面の標的への優先結合を示し、OE−21(扁平上皮)およびQ−hTERT(腸上皮化生)細胞には結合しないことを示した。細胞表面の標的には、Annexin A2、肝細胞癌由来の増殖因子、ヒストンH2B、ヒストンH2AおよびJunctionプラコグロブリンが含まれた。特定した標的のリストである下記の表1を参照のこと。特定されたタンパク質全てが、完全に一致したか、または>0.99であった。タンパク質のいくつかは通常核中で発見されるが、これらのタンパク質が癌細胞において、中でもヒストン、が細胞膜に移動することを示す形跡がある。
【表1】

実施例5
蛍光認識されたSNFポリペプチドの食道粘膜表面上のバレット異形成への優先結合の確認。
【0076】
ヒト内視鏡的粘膜切除述(EMR)の標本を異形成粘膜の疑いのある領域から新たに採取した。各標本は、配列番号1のFITC−標識したポリペプチドで、濃度100μmで5分間培養された。方向づけに12時の位置をマークするためにインクが使用された。白色光の立体顕微鏡(Olympus SZX16)画像が、オーバーレイする20×20mmグリッドで得られ、組織像を記録した。蛍光画像が12ミリ秒の曝露において得られた。次いで組織をホルマリンに入れた。蛍光画像では見えないが、GI病理学の専門家が標本を縦方向に断面約2mm区間に沿って区分し、病理組織を解釈した。各1mm区間における蛍光画像平均輝度は、NIH画像J処理ソフトウェアを使用して測定され、組織像を比較した。
【0077】
蛍光輝度は、n=9対象から集めたn=9EMR標本からの計277位置から測定された。これらの区間は、組織画像上の扁平上皮(n=107)、腸上皮化生(n=66)、異形成(n=69)、および正常胃粘膜(n=35)で見られた。異形成、腸上皮化生、扁平上皮、および胃粘膜の平均輝度値は、階調レベルがそれぞれ56.5±、42.1±、27.1±、および24.1±であった。分散統計は、13.2(p=<0.0001)のF−統計を示した。t検定の2サンプルは、異形成の平均輝度値が、腸上皮化生(t=2.2、p<0.05)、扁平上皮(t=5.2、p<0.01)および胃粘膜(t=5.01、p<0.01)の平均輝度値よりも高いことを示した。腸上皮化生の平均輝度が、扁平上皮(t=3.06、p<0.01)および胃粘膜(t=3.04、p<0.01)の平均輝度よりも高かった。扁平上皮と胃粘膜間の平均輝度値においては統計的に大きな違いはなかった(t=0.38、p=0.71)。
【0078】
そのため、バレット異形成への新規蛍光−標識されたSNFペプチドの選択的結合は、センチメートル規模の粘膜表面上で実証された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1に示されるアミノ酸配列(SNFYMPL)、リンカー配列、および検出可能マーカーから本質的になるポリペプチドを含む組成物であって、前記検出可能マーカーは前記リンカーを通じて前記ポリペプチドに結合し、前記リンカーは正味の中性電荷を有し、前記リンカーの存在は、前記リンカーのない場合のバレット食道組織への前記ポリペプチド配列の検出可能な結合と比較して、バレット食道組織への前記ポリペプチド配列の検出可能な結合を増加させる、組成物。
【請求項2】
前記ポリペプチドが配列番号1に示される前記アミノ酸配列からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リンカーの末端アミノ酸がリジンである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記リンカーが配列番号2で示される配列(GGGSK)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記検出可能マーカーがフルオレセインイソチオシアネート(FITC)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項7】
追加部分をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項かに記載の組成物。
【請求項8】
前記部分が、化学療法剤、治療剤、ポリペプチド、抗体、核酸、低分子、またはそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
腺癌細胞を検出する方法であって、前記腺癌細胞を検出するのに有効な量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を、バレット食道組織に投与するステップを含み、前記組成物が非癌性細胞と比べて前記腺癌細胞に優先的に結合する特性を有する、方法。
【請求項10】
ヒトにおける異形成バレット食道治療の有効性を判断する方法であって、異形成バレット食道を標識するのに有効な量の請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を、前記ヒトに投与するステップと、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物で標識された細胞の第1の量を可視化するステップと、前記第1の量を、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物で標識された細胞の以前に可視化された第2の量と比較するステップと、を含み、標識された細胞の前記以前に可視化された量と比べて、標識された細胞の前記第1の量の減少は、効果的な治療を示す、方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載の組成物により標識された前記細胞の生検を得ることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、異形成バレット食道の臨床的発症後に投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
請求項6に記載の薬学的組成物、前記組成物の使用のための説明書、および前記医薬薬学的組成物を患者に投与するためのデバイスを含む、キット。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−524079(P2012−524079A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505999(P2012−505999)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/031638
【国際公開番号】WO2010/121266
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(503249418)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (8)
【Fターム(参考)】