説明

旅行業者用旅行商品予約システム

【課題】 コストの大巾な低減を可能とし、かつ不正アクセスやソフトウェアのコピー防止を図ること。
【解決手段】ホスト4が保有する主催旅行、手配旅行その他旅行に関する情報を、サーバー1を介してインターネット通信40経由で旅行業者の端末20A側に提供するシステムであって、サーバー1に「端末稼働監視機能」を設け、該端末稼働監視機能は上記サーバー内に旅行業者20からの利用申込に基づき、旅行業者20ごとに予め設定した契約台数分の端末20Aの利用開始時刻記録領域を作成し、旅行業者20の端末利用要求開始時刻とサーバー1に設定された利用開始時刻記録領域とを比較し、設定分の利用開始時刻記録領域の範囲内にある場合のみ旅行業者20の端末20Aからサーバー1側へのアクセスを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ホストが保有する主催旅行、手配旅行その他旅行に関する情報を、インターネット通信経由により旅行業者に提供する旅行業者用旅行商品予約システムに関する。
【0002】
【従来の技術】旅行商品(本願発明においては、旅行業法上の主催旅行、手配旅行その他旅行に関する情報であって、旅行者に提供されるものをいう)は、例えば主催旅行の場合、大手旅行業者が企画・開発した旅行商品を当該大手旅行業者のみで販売するのではなく、国内に何千とある旅行業者と委託・受託販売契約をし、これら旅行業者によって売り捌かれることが多い。このように旅行商品の販売は、旅行商品の開発・販売元の旅行業者と委託・受託販売契約の旅行業者とが関連しているため、従来は、通常前者と後者のうち有力販売旅行業者との間に専用回線を結び、専用端末により両者の交信を行っていた。なお、前者と専用端末を設置しない中小の旅行業者とは主として電話連絡に依っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これによると、コストが非常にかかるという欠点があった。即ち、端末側とホスト側との間の交信を可能にするには、専用のコンピュータ・ソフトウェアを開発して組み込んだ専用タイプの端末装置を用意し、かつ、専用回線を利用しなければならないため、コスト高を招くという欠点があった。また電話応対による場合、旅行商品の開発・販売元の旅行業者は対応する要員が必要であり、販売に対し人件費コスト高を招いていた。
【0004】本願発明はこのような欠点を解消し、インターネット通信を用いて手持ちの例えばパソコンを利用時のみ専用端末化させると共に、セキュリティの確保のため不正アクセスやソフトウェアのコピー防止策を図って、専用回線接続の専用端末機と同様の機能を果たすことを目的とする。即ち本願発明は、コストの大巾な低減を可能とし、かつ不正アクセスやソフトウェアのコピー防止を図ることができる旅行業者用旅行商品予約システムを供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本願発明による旅行業者用旅行商品予約システムは、ホストが保有する主催旅行、手配旅行その他旅行に関する情報を、サーバーを介してインターネット通信経由で旅行業者の端末側に提供するシステムであって、サーバーに端末稼働監視機能を設け、該端末稼働監視機能は上記サーバー内に旅行業者からの利用申込に基づき、旅行業者ごとに予め設定した契約台数分の端末の利用開始時刻記録領域を作成し、旅行業者の端末利用要求開始時刻とサーバーに設定された利用開始時刻記録領域とを比較し、設定分の利用開始時刻記録領域の範囲内にある場合のみ旅行業者の端末からサーバー側へのアクセスを可能とすることを特徴とする。また、請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記利用開始時刻記録領域の範囲内にあるか否かのチェックは利用開始ごとに旅行業者の各端末からの最初のアクセス開始時刻を上記サーバーの利用開始時刻記録領域に書き込んでいき、各端末の利用要求がサーバー内へのアクセス開始の最初の書き込みとなる場合、又は2回目以降の利用要求はサーバーに記録された上記アクセス開始時刻と一致する場合にのみ、旅行業者の端末側からサーバー側へのアクセスを可能とすることを特徴とする。また、請求項1又は請求項2記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記利用開始時刻記録領域の範囲内にあるか否かのチェックは、単位時間ごとに行うことを特徴とする。また、請求項3記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記単位時間が「日」であることを特徴とする。また、請求項1又は請求項2記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記利用開始時刻記録領域の範囲内にあるか否かのチェックは、旅行業者ごとの契約箇所ごとに付与されるユーザーID及び端末IDによりなされることを特徴とする。また、請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記サーバーが旅行業者の端末の登録及び認証並びに該端末へのコンテンツ表示を行うWWWサーバーと、上記ホストとインターフェースできるようデータを変換するゲートウェイサーバーとからなることを特徴とする。また、請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記ホストが旅行商品及びコードマスターのデータベースからなることを特徴とする。また、請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記サーバーと上記ホストとの間にフロントエンドプロセッサーを介在させ上記ホストの負荷を分散することを特徴とする。また、請求項7記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記データベースに旅行商品及び旅行業者の契約箇所のコード、端末IDその他旅行業者の契約箇所に関する事項(マスター登録)を登録することを特徴とする。また、請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記旅行業者に上記サーバーと交信することを可能とするCD−ROMその他の媒体を交付することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態を示す図面に基づき本願発明による旅行業者用旅行商品予約システムをさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0007】図1は本願発明による旅行業者用旅行商品予約システムの全体構成を示す。本願発明による旅行業者用旅行商品予約システムは、情報の供給側となるトータルコンピュータシステム10と、情報の受取側となる旅行業者(後記する取扱支店(母店)5と旅行の販売委託・受託契約した旅行業者)20とからなり、両者がそれぞれのプロバイダー30a,30bを介してインターネット通信40により接続される。50は旅行業者20より旅行商品を購入する一般顧客である。
【0008】上記トータルコンピュータシステム10は、サーバー1を構成するWWWサーバー1A及びゲートウェイサーバー1Bと,総合旅行情報部3を構成するホスト4及び取扱支店(母店)5に設置されるG型専用端末5Aと、上記サーバー1と上記ホスト4の間に在介するフロントエンドプロセッサー7とからなる。
【0009】WWWサーバー1Aは認証機能とコンテンツ機能を有する。認証機能は、ユーザーID及びパスワードの確認、コンテンツ機能への端末IDの引き渡し、例えばSSLの如き暗号化方式による発信時の暗号化と受信時の暗号解読などである。コンテンツ機能は、認証機能からのユーザーID及びパスワード並びに端末IDの受け取り(これにより旅行業者20の特定が可能となる)と稼働確認、ホームページコンテンツの旅行業者20の端末20Aへの発信,業務の要求画面からの入力項目の受取り、ユーザーID及びパスワード並びに端末IDによる入力箇所コードと業務コード(各業務により変化)の生成、CGI(Common Gateway Inte―rface)機能を利用して行うゲートウェイサーバー1Bとの各項目の受渡しなどである。かくしてWWWサーバー1Aは旅行業者20の端末20Aの登録及び認証並びに該端末へのコンテンツ表示を行う。
【0010】ゲートウェイサーバー1Bは上記ホスト4と送受信するため、上記ホスト4とインターフェースできるようデータを変換する。具体的には、ゲートウェイサーバー1Bは、対フロントエンドプロセッサー7との接続並びに業務開始及び業務終了の自動送信、受付及び回答内容のコード変換、回答時の対WWWサーバー1AへのHTML変換、送信タイムアウトチェック、同時受付管理及び通番管理、受付・回答状況のログ採取、対フロントエンドプロセッサー7の回線切断、ホストダウン等の障害監視及びオペレーターへの通知などを行う。
【0011】ホスト4は、上記WWWサーバー1Aに接続可能な専用ソフトウェアを搭載した旅行業者20の端末20Aからの要求を、サーバー1、フロントエンドプロセッサー7を経由して認識し、社内からの要求されたものと同様に、予約処理や在庫の更新を行い、また旅行業者20(端末20A)へ回答する。また取扱支店(母店)5への取扱通知はどの旅行業者の取扱かを明確にするためである(旅行業者20のクーポン発行及び精算業務のため)。また旅行業者20(端末20A)の登録(マスター登録)の内容(更新、削除を含む)を、ゲートウェイサーバー1Bを経由してWWWサーバー1Aに通知するなどの機能を有する。ホスト4は、国内系の旅行商品の予約管理する国内系ホスト4Aと、国外系の旅行商品の予約管理をする国外系ホスト4Bとに分担される。
【0012】フロントエンドプロセッサー7は、業務コードによるホスト4の振り分け、本願発明にかかる専用ソフトウェアからの要求である旨のホスト4への通知、ホスト4の稼動時間帯チェック、ホスト4接続認可の店舗箇所コードチェック、ホストコンピュータネットワークにおける回線制御、メッセージ機能、コード変換、誤り制御などを行い、ホスト4の処理スピードの効率化を図っている。
【0013】上記したWWWサーバー1A及びゲートウェイサーバー1B,国内系ホスト4A及び国外系ホスト4B並びにフロントエンドプロセッサー7は指令センター11となる同一店内に設置する。また、上記取扱支店(母店)5のG型専用端末5Aは全国の支店に分散設置する。
【0014】即ち、G型専用端末5Aは担当支店となる取扱支店(母店)5に設置したコンピュータからなり、各旅行業者の各契約箇所の取扱状況(契約状況)を把握するため、ホスト4への検索機能を有し、印刷してこれを管理する。また旅行業者20と一般顧客50との間で旅行契約が成立したとき、旅行業者20(端末20A)でのクーポン発行分に対する整理票の出力と未収計上を行い、また、旅行業者20(端末20A)の予約分を取扱支店(母店)5でクーポン発行した場合に、旅行業者20に上記未収計上分と合算して請求書発行と代金の受取(支払)という代理店精算業務を行う。この外適宜に販売促進活動もする。さらに本願発明による旅行業者用旅行商品予約システムに参加する旅行業者20(端末20A)のユーザー登録に必要なマスター登録はこの取扱支店(母店)5のG型専用端末5Aによって行われるため、いわば情報の供給側となるサーバー側の出先機関でもある。
【0015】旅行業者20の端末20A(パソコン)にはWWWサーバー1Aを通して供給側のコンテンツを閲覧する専用ソフトウェア(ブラウザ)が搭載される。この専用ソフトウェアは、例えば「インターネットエクスプローラー5.0」の如き適宜仕様のものからなり、申込によりCD−ROMの形で有償で販売される(詳しくは図2に基づき説明する)。旅行業者20の端末20Aは、ユーザーIDとパスワードの自動発呼、初回利用時WWWサーバー1Aからの端末IDの自動受信、業務利用時の端末ID及び照会、予約等の業務内容の自動発信、ブラウザの回答内容の受信、WWWサーバー1Aとの交信における例えばSSLの如き暗号化方式による発信時の暗号化と受信時の暗号解読などを行う。
【0016】次に、図2に基づきユーザー登録の方法を説明する。まず、取扱支店(母店)5から利用契約申込書が旅行業者20に送付される。旅行業者20は利用契約申込書に次の事項を記入し、同意書に署名して取扱支店(母店)5に提出する(図2■)。
a.利用会社または団体名b.代表者名c.契約箇所名d.契約箇所所在地e.担当者名f.電話番号
g.FAX番号
h.メールアドレスi.利用するコンピュータの台数j.パスワード(旅行業者で設定申告)
k.利用希望日
【0017】取扱支店(母店)5は旅行業者20からの返送書類を確認すると、利用契約申込書に下記の事項を記入して指令センター11へ送付する(図2の■)。
a.業務の利用範囲b.取扱支店名c.取扱支店コードd.利用申込みをした旅行業者の契約箇所コード(取扱支店が独自設定)
e.取扱支店の担当者名
【0018】次に、指令センター11は利用申込書によりサーバー1Aに上記旅行業者20について次の登録をする。(図2の■)。
a.利用申込みをした旅行業者の契約箇所コードb.利用台数c.旅行業者が記入したパスワードd.端末IDe.ユーザー名(ユーザーID)
端末ID,ユーザ−IDは指令センター11において決定しかつ登録する。なお、旅行業者の契約箇所コード、取扱支店コードの登録は、旅行業者の契約箇所がどこの取扱支店に所属するかを識別するためのものである。また端末IDとユーザー名(ユーザーID)は利用契約通知書に記入して取扱支店(母店)5に返送する。
【0019】次に、指令センター11は上記利用契約申込書に基づく利用契約登録通知書、専用CD−ROM(以下「本願専用ブラウザ」という)を取扱支店(母店)5に送付する(導入マニュアルも同時送付)(図2の■)。
【0020】次に、取扱支店(母店)5は返送された利用契約登録通知書の次の項目をG型専用端末5Aにて登録(G型登録)する(図2の■)。
a.端末IDb.旅行業者の契約箇所コードc.旅行業者の契約箇所名d.箇所所在地e.電話番号
f.利用業務範囲g.利用台数このG型登録により、本願予約システムのホスト4に旅行業者20の情報が登録されるとともに、サーバー1にも情報が送られ、旅行業者20の情報がWWWサーバー1Aに登録されて、トータルコンピュータシステム10の関連する全てに正規に登録となる。また上記G型登録により、旅行業者20と取扱支店(母店)5が親子関係の如く関連することとなり、どの旅行業者からの業務か、ホスト4が認識可能となる。上記WWWサーバー1Aへの登録及びG型専用端末5Aへの両方の登録により、認証と同時にホスト4への業務接続が可能となる。
【0021】次に、取扱支店(母店)5は利用契約登録通知書(お客様返送用)と本願専用ブラウザを旅行業者20に渡す(図2の■)。
【0022】次に、旅行業者20側では手持ちの端末(パソコン)に本願専用ブラウザをセットしてインストールする(図2の■)。この本願専用ブラウザにはインターネット接続用ソフトインターネットエクスプローラー5.0(I.E5.0)及び接続用のアイコン作成プログラムを収容している。また旅行業者20側では、本願専用ブラウザのショートカットアイコンを作成し、ユーザーID及びパスワードの確認、端末IDの取り込み及び業務開始の入力を行う。
【0023】旅行業者20においてインターネット接続ができたら(プロバイダーは旅行業者20にて自由に契約する)、上記したアイコンを作成後、上記利用契約登録通知書に指令センター11から付与されたユーザー名(ユーザーID)と、旅行業者20が申込当初に申告したパスワードを入力し、WWWサーバー1Aに送信する。そしてサーバー1Aの登録情報と合致すれば、本願予約システムと接続することになる。
【0024】次に図3に基づきユーザーの認証の方法を説明する。図3Aは初期登録を示す。初期登録は、まず、WWWサーバー1Aと旅行業者20の端末20Aとの間で認証を行う。認証はWindowsNT(登録商標)認証アカウントにより、WWWサーバー1Aに登録した情報(図2の■の情報)中のユーザー名及びパスワードを用いて行う(図3A■)
【0025】次に旅行業者20の端末(パソコン)20AからWWWサーバー1Aに端末IDを「COOKIE」にて送信する(図3A■)。このとき旅行業者20の端末20Aは初回接続のため、「COOKIE」に端末IDは設定されていないので、WWWサーバー1Aは「COOKIE」で受信したとき新規接続とみなす。
【0026】次にWWWサーバー1Aから初期登録画面を旅行業者20の端末20Aに送信する(図3A■)。
【0027】次に旅行業者20の端末20Aに初期登録画面が表示され、使用中の端末20Aを本願予約システムの専用端末にする場合、旅行業者20は「はい」(YES)を入力する(図3A■)。
【0028】WWWサーバー1Aでは上記回答を受信すると、端末IDを「COOKIE」として旅行業者20の端末20Aへ送信する(図3A■)。旅行業者20の端末20Aでは端末IDを「COOKIE」として端末20A内部に保存する。
【0029】次いで接続台数チェックを行う。この具体的な方法は、まずWWWサーバー1A内に契約台数分の利用開始時刻記録領域を作成する。次に旅行業者20の初回利用時に、端末20A及びWWWサーバー1Aのディスクに利用開始時刻を書き込む。旅行業者20の初回利用時以外は、旅行業者20の端末20Aの初回利用時の利用開始時刻とWWWサーバー1Aに記録された初回利用時の利用開始時刻とを比較する。上記最初の書き込みとなる場合又は利用開始時刻が一致する場合は利用可能範囲内とされ、それ以外は台数制限されアクセス不可となる(図3A■)。
【0030】台数チェックの結果OKの場合は、WWWサーバー1Aから旅行業者20の端末20Aにオープニング画面が送信される(図3A■)。
【0031】図3Bは2回目以降のやり取りを示す。まず、初期登録時と同様の方法により認証手続を行う(図3R>3B■)。
【0032】旅行業者20の端末20Aから,WWWサーバー1Aに端末IDを「COOKIE」にて送信する(図3B■)。このとき、初回に端末IDが登録されているため、「COOKIE」には端末IDが書き込まれている。よってWWWサーバー1Aは端末IDのチェックが終了すると、続いて旅行業者20の端末20Aからの利用要求に対して接続台数チェックにはいる(図3B■)。
【0033】WWWサーバー1Aによる接続台数チェックは初期登録時と同様の方法により行う。
【0034】台数チェックの結果OKの場合は、WWWサーバー1Aから旅行業者20の端末20Aにオープニング画面が送信される(図3B■)。
【0035】ここで、図4及び図5を参照して、旅行業者20からの利用要求に対するWWWサーバー1Aによる接続台数チェックについてさらに詳しく述べる。図4において、旅行業者20からの利用要求があった場合、WWWサーバー1Aは,まず、旅行業者20の端末20Aに端末IDがあるか否かをチェックする(ステップ1(S1))。ステップ1がYESのときは、図5で述べる接続台数チェックとなる(ステップ2(S2))。NOのときは新規登録とみなされ、旅行業者20の端末20Aに初期登録画面が表示される(ステップ3(S3))。次いでWWWサーバー1Aより本願専用ブラウザを使用するか否かが問われるので(ステップ4(S4))、これにYESのときは旅行業者20の端末20Aに端末IDが書き込まれ(ステップ5(S5))、ステップ2(S2)に移行して次の接続台数チェックとなる。ステップ4がNOのときは終了となる(ステップ6(S6))。
【0036】図5において、まず旅行業者20の端末20Aに利用開始時刻があるか否かがチェックされる(ステップ21(S21))。YESのときはWWWサーバー1Aの利用開始時刻と一致するか否かがチェックされる(ステップ22(S22))。このステップもYESのときはオープニング画面となり(ステップ23(S23))、本願発明にかかる予約業務の開始となる。ステップ22(S22)がNOのときはWWWサーバー1A内に未使用のレコードがあるか否かがチェックされる(ステップ24(S24))。これがYESのときは旅行業者20の端末20A及びWWWサーバー1Aに利用開始時刻を書き込み(最初の書き込み)(ステップ25(S25))、次いでステップ23(S23)に移行して予約業務の開始となる。一方ステップ24(S24)がNOのときは不正アクセスとみなされ、「利用不可」のエラーメッセージが表示される(ステップ26(S26))。かかる場合はこれ以上本システムに侵入することができず終了となる。
【0037】予約業務が開始されると、WWWサーバー1Aよりホスト4の有するコンテンツ、即ち、主催旅行、手配旅行その他旅行に関する情報をインターネット通信40を経由して、旅行業者20の端末20Aに発信する。予約業務としては、宿泊のみの企画(宿泊企画)、一部運輸のみの企画(運輸企画)、レンタカー予約システム等の付随企画、宿泊及び運輸の企画(宿泊運輸企画)などがあり、前3者の企画と国内系の宿泊運輸企画については国内系ホスト4Aが担当する。また国外系の宿泊運輸企画については国外系ホスト4Bが担当する。
【0038】上記図3,図4及び図5に示す旅行業者20の端末20AとWWWサーバー1Aとの交信は、例えばSSLの如き暗合化方式により、すべて発信時に暗合化され受信時に復号化(暗合解読)させて行われる。
【0039】具体的な予約業務の内容につき、宿泊企画を例にとり具体的にみてみる。まず、旅行業者20の端末20Aを起動させ、インターネット通信に接続する。初期画面が表示されたら本願専用ブラウザのアイコンをクリックする。次いで、本願専用ブラウザに接続するためのネットワークパスワードの入力画面となるので、ユーザー名をユーザーIDで入力するとともにパスワードを入力する。次いで、初期登録画面となるので、利用する場合「はい」をクリックする。次いで、オープニング画面となるので、利用したい業務項目(例えば「宿泊企画」、「運輸企画」、「宿泊運輸企画」等)をクリックする(ここでは「宿泊企画」をクリックする)。「宿泊企画」をクリックすると、残数照会、予約、変更、解約、予約内容検索、予約確認書要求、確認書印刷、クーポン発行までの一連の業務の項目が表示される。次に各業務への利用方法を具体的にみてみる。
【0040】(残数照会)宿泊機関の仕入客室数の空情報を検索する業務を「残数照会」という。これを選択すると、旅行業者20の端末20Aには図6Aの如き画面が表示される。そこで旅行業者20では、出発月日、地区、機関(宿泊機関を限定したい場合に入力)及び企画コードをパンフレット(図示省略)に記載されたコード番号により入力する。上記データはWWWサーバー1Aを経由してホスト4に送信され、国内系ホスト4Aにより在庫数を調べる。なお、上記コード中企画コードは必須である。企画コードは「****」「1***」「12**」「123*」のように*を利用して、幅広く照会することができる(但し、この場合は宿泊機関コードが必須となる)。
【0041】WWWサーバー1Aよりの回答は、インターネット通信40を介して旅行業者20の端末20Aに図6Bの如く表示される。なお、回答が「ハツテ」(発生手配)と表示された時は、国内系ホスト4Aの在庫がないことを意味する。
【0042】(予約)残数が確認できたら予約を行う。予約する前に予約内容が合っているかを確認するため予約可否照会を行う。図7はかかる画面を表示する。画面では予約画面も兼ねる。予約可否照会の入力は次の如く行う。
業務種別:予約可否照会宿泊月日:宿泊日を入力地 区:パンフレット参照機 関:パンフレット参照企 画:パンフレット参照人 数:宿泊する人数を入力泊 数:宿泊する日数を入力食事条件:条件を選択(プルダウンから選択)
コードを入力したら、送信をクリックする。なお、室数、客層、電話番号、旅客名、入力担当者、発券時税区分、入込時刻、入込情報は予約業務を行う場合に入力する。
【0043】照会ができたならば予約を行う。予約の画面は図8Aの如く表示される。入力は次の如く行う。なお予約可否照会で入力した項目は予約業務に引き継がれる。
業務種別:予約室 数 :必要な客室数を入力客 層 :プルダウンから選択旅 客 名 :半角ローマ字で入力旅客名漢字 :漢字で入力入力担当者 :半角英数字で入力発券時税区分:プルダウンから選択入込時刻 :半角数字で入力入込情報 :全角の英字、カタカナ、ひらがな、数字で入力(半角入力は不可)
【0044】予約OKの場合、WWWサーバー1Aよりの回答は、インターネット通信40を介して、旅行業者20の端末20Aに図8Bの如く表示される。
【0045】(変更)図9Aに変更の画面を示す。例えば大人男の人数が2名から1名減になった場合は、大人男「001」の如く変更後の人数を入力する。即ち、変更したい項目だけを入力する。
【0046】WWWサーバー1Aよりの回答は、インターネット通信40を介して、旅行業者20の端末20Aに図9Bの如く表示される。
【0047】(解約)一般顧客50よりキャンセルの申し出があった場合は予約の解約(全面取り消し)となる。旅行業者20の端末20AにはWWWサーバー1Aより図10Aの如き解約画面が表示される。旅行業者20にて所要事項を入力すると、WWWサーバー1Aよりの回答は旅行業者20の端末20Aに図10Bの如く表示される。
【0048】(予約内容検索)これは予約した内容を確認したい場合に利用する。図11Aの如き画面が表示されるので、旅行業者20は予約番号を入力する。すると旅行業者20の端末20AにWWWサーバー1Aより図1111Bの如き画面が送信・表示される。
【0049】なお、「予約内容検索」は最新内容のみを表示するが、変更前の表示をも合わせて表示することもできる。万一予約番号を忘れた場合には、「予約番号検索」画面(省略)により予約番号を検索する。
【0050】(予約確認書要求)旅行業者20より一般顧客50に渡す予約確認書を印刷するため、旅行業者20よりWWWサーバー1Aに要求する画面を図12Aに示す。WWWサーバー1Aより旅行業者20(端末20A)への回答は図12Bの通りである。回答が表示されたら、画面下の「確認書印刷」をクリックする。
【0051】(予約確認書印刷)予約確認書のデータが準備できた場合、図13Aの如く表示される。該当表示をクリックすると予約確認書の内容を画面表示する。この表示画面を右クリックすると別ウィンドウを表示し、「印刷」をクリックすると印刷開始となる。印刷する予約確認書は図13Bの如く画面表示される。
【0052】(クーポン発行)クーポン発行は予約完了分のクーポンを新規に発行する業務であり。一般顧客50用(「お客様用」)及び旅行業者20用(「発行所控用」)の2片1組にて出力される。旅行業者20の端末20Aに図14Aの如き画面が表示されたら、「宿泊企画」のプルダウンから「クーポン発行」ボタンをクリックする。次に図14Bの如き画面が表示されるので、予約番号を入力し送信ボタンをクリックする。するとWWWサーバー1Aより旅行業者20の端末20Aに対し、図15Aの如き回答画面が表示されるので、「券番一覧表示へ」をクリックする。次に図15Bの如き回答画面が表示される(発行指示した予約番号と券番が表示される)ので「印刷へ」をクリックする。するとWWWサーバー1Aより旅行業者20の端末20Aに対し、図16の如き回答画面(クーポン発行画面)が表示されるので、「印刷」をクリックする。「印刷」をクリックすると完了のメッセージが表示されるので、画面を閉じて終了となる。なお、印刷ミスなどで再度印刷する場合は再発行画面によりクーポン発行となる。
【0053】なお、上記した各業務は、例えば、残数照会は「業務画面」の「予約・予約可否照会・残数照会」画面からも移行することができ、業務の効率化を図る。
【0054】本実施の形態においては、次の作用効果がある。まず、旅行業者20サイドからは、旅行代理店業務に必要な基本的な予約システム及び旅行に関する情報の提供を、専用端末及び専用回線を利用することなく、例えば市販のパソコン及び電話回線を利用することにより可能とする。これによりコストの大幅な低減となる効果がある。
【0055】また、パソコンのWEB機能を利用して旅行業者20の利用要求によりサーバー1から旅行情報を取り出すことが可能となるので、旅行業者20の端末20Aに業務用のソフトウェアを内蔵する必要がない。しかも旅行業者20からの操作は簡単であり便利である。
【0056】次に情報の提供サイドからは、インターネット通信を利用することによる不正アクセスのリスク及び不正コピーの防止を旅行業者20の端末20Aの利用接続台数チェックをすることにより防止するから、不正アクセスが防止され、また専用ソフトウェアのコピー抑制となる効果がある。
【0057】また、サーバー1を設置しホスト4の業務の出入口を別に設けることにより、現有のホストシステムの大規模な改修をせずに多数の旅行業者と交信することができる。これによりシステム改修費用の大幅な節減を可能とし、またシステム全体の安全性を担保する効果がある。
【0058】さらに、本実施の形態においては、サーバー1を旅行業者20の端末20Aの登録及び認証並びに該端末20Aへのコンテンツ表示を行うWWWサーバー1Aと、ホスト4とインターフェースできるようデータを変換するゲートウェイサーバー1Bとから構成し、各LANを別セグメントとしたから、ファイアウォール機能を奏することができ、システム全体の安全性が一層担保される。
【0059】本願発明にかかる旅行業者用旅行商品予約システムは上記した実施の形態に限定されない。例えば、予約業務の内容は任意であり、上記した業務の外、例えば予約行程管理番号を付与する機能の追加により予約行程管理をすることもできる。
【0060】また、単位時間の設定も任意であり、例えば、「週」、「月」ごとに設定することもできる。
【0061】また、本願専用ブラウザを格納する媒体は任意であり、例えば、光ディスクの如きものであってもよい。
【0062】さらに、管理する情報が少ない場合、ホスト4について国内系ホスト4Aと国外系ホスト4Bに分けなくてもよい。
【0063】
【発明の効果】このように、本願発明にかかる旅行業者用インタネット利用旅行商品予約システムによれば、コストの大巾な低減を可能とし、かつ不正アクセスやソフトウェアのコピー防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明による旅行業者用旅行商品予約システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】本願発明によるユーザー登録の方法を示すフローチャートである。
【図3】本願発明によるユーザーの認証の方法を示すフローチャートである。
【図4】本願発明による端末稼働監視機能の方法を示すフローチャートである。
【図5】本願発明による端末稼働監視機能の方法を示すフローチャートである。
【図6】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図7】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図8】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図9】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図10】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図11】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図12】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図13】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図14】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図15】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【図16】本願発明による予約業務の画面表示の例である。
【符号の説明】
1 サーバー
1A WWWサーバー
1B ゲートウェイサーバー
3 総合旅行情報部
4 ホスト
4A 国内系ホスト
4B 国外系ホスト
5 取扱支店(母店)
5A G型専用端末
7 フロントエンドプロセッサー
10 トータルコンピュータシステム
11 指令センター
20 旅行業者
20A 端末(旅行業者の)
30a プロバイダー(サーバー側の)
30b プロバイダー(端末側の)
40 インターネット通信
50 一般顧客

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホストが保有する主催旅行、手配旅行その他旅行に関する情報を、サーバーを介してインターネット通信経由で旅行業者の端末側に提供するシステムであって、サーバーに端末稼働監視機能を設け、該端末稼働監視機能は上記サーバー内に旅行業者からの利用申込に基づき、旅行業者ごとに予め設定した契約台数分の端末の利用開始時刻記録領域を作成し、旅行業者の端末利用要求開始時刻とサーバーに設定された利用開始時刻記録領域とを比較し、設定分の利用開始時刻記録領域の範囲内にある場合のみ旅行業者の端末からサーバー側へのアクセスを可能とすることを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項2】 請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記利用開始時刻記録領域の範囲内にあるか否かのチェックは利用開始ごとに旅行業者の各端末からの最初のアクセス開始時刻を上記サーバーの利用開始時刻記録領域に書き込んでいき、各端末の利用要求がサーバー内へのアクセス開始の最初の書き込みとなる場合、又は2回目以降の利用要求はサーバーに記録された上記アクセス開始時刻と一致する場合にのみ、旅行業者の端末側からサーバー側へのアクセスを可能とすることを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記利用開始時刻記録領域の範囲内にあるか否かのチェックは、単位時間ごとに行うことを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項4】 請求項3記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記単位時間が「日」であることを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記利用開始時刻記録領域の範囲内にあるか否かのチェックは、旅行業者ごとの契約箇所ごとに付与されるユーザーID及び端末IDによりなされることを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項6】 請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記サーバーが旅行業者の端末の登録及び認証並びに該端末へのコンテンツ表示を行うWWWサーバーと、上記ホストとインターフェースできるようデータを変換するゲートウェイサーバーとからなることを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項7】 請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記ホストが旅行商品及びコードマスターのデータベースからなることを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項8】 請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記サーバーと上記ホストとの間にフロントエンドプロセッサーを介在させ上記ホストの負荷を分散することを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項9】 請求項7記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記データベースに旅行商品及び旅行業者の契約箇所のコード、端末IDその他旅行業者の契約箇所に関する事項(マスター登録)を登録することを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。
【請求項10】 請求項1記載の旅行業者用旅行商品予約システムにおいて、上記旅行業者に上記サーバーと交信することを可能とするCD−ROMその他の媒体を交付することを特徴とする旅行業者用旅行商品予約システム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図15】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【公開番号】特開2002−99798(P2002−99798A)
【公開日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−287517(P2000−287517)
【出願日】平成12年9月21日(2000.9.21)
【出願人】(500442733)株式会社近畿日本ツーリスト情報システム (1)
【Fターム(参考)】