説明

既設管用切断除去設備

【課題】蓋体の上方に少なくとも搬送支持軸の全長以上の引上げ作業空間を確保することができない高さ制限のある施工条件下においても、切断除去管部を有する切断装置の上昇搬出作業を能率良く容易に行う。
【解決手段】既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置Aを含む切断作業領域を、内部空間を下側作業空間S1と上側作業空間S2とに仕切ることが可能な作業用開閉弁Vと、切断除去管部を有する切断装置Aを外部に取り出し可能な上側開口部を密閉する脱着可能な蓋体6とを備えたハウジングHで密封し、切断装置Aに脱着可能に連結された搬送支持軸7を蓋体6に貫通支持させた状態で切断装置Aにて既設管の切断除去予定管部を切断除去するように構成され、搬送支持軸7が、脱着可能な状態で連結された複数本の分割搬送支持軸7A,7Bから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置を含む切断作業領域を、内部空間を下側作業空間と上側作業空間とに仕切ることが可能な作業用開閉弁と、切断除去管部を有する切断装置を外部に取り出し可能な上側開口部を密閉する脱着可能な蓋体とを備えたハウジングで密封し、前記切断装置に脱着可能に連結された搬送支持軸を前記蓋体に貫通支持させた状態で前記切断装置にて既設管の切断除去予定管部を切断除去するように構成されている既設管用切断除去設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の既設管用切断除去設備では、既設管の切断除去予定管部に装着の切断装置に連結される搬送支持軸を一本軸から構成していた。
そして、切断装置による切断完了後において、一本軸の搬送支持軸を段階的に引上げ操作することにより、切断除去管部を有する切断装置をハウジングの下側作業空間から上側作業空間に上昇搬送し、作業用開閉弁で下側作業空間と上側作業空間との間を遮断したのち、ハウジングの蓋体の固定を解除し、上側作業空間内の切断装置をハウジングの上側開口部を通して外部に搬出するように構成していた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−196762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の既設管用切断除去設備に用いられる搬送支持軸は、既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置から下側作業空間の一部及び上側作業空間を縦断して蓋体を貫通突出するだけの長さが必要であるため、切断装置の上昇搬送に連れて長尺の搬送支持軸が蓋体から大きく突出することになる。
そのため、ハウジングの上方に橋梁等の構造物が位置するなどして、蓋体の上方に少なくとも搬送支持軸の全長以上の引上げ作業空間を確保することができない場合には、搬送支持軸を鉛直方向にそのまま引き上げ操作する通常の搬出作業形態では施工することができない。
【0005】
このような高さ制限のある施工条件下においては、既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置を含む切断作業領域をハウジングで密封する際、上方に引上げ操作される搬送支持軸が構造物等と干渉しない傾斜角度でハウジングを既設管に取付ける必要があり、工事全体が非常に煩雑化する不都合がある。
【0006】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、前記搬送支持軸の合理的な改造により、蓋体の上方に少なくとも搬送支持軸の全長以上の引上げ作業空間を確保することができない高さ制限のある施工条件下においても、切断除去管部を有する切断装置の上昇搬出作業を能率良く容易に行うことのできる既設管用切断除去設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第1の特徴構成は、既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置を含む切断作業領域を、内部空間を下側作業空間と上側作業空間とに仕切ることが可能な作業用開閉弁と、切断除去管部を有する切断装置を外部に取り出し可能な上側開口部を密閉する脱着可能な蓋体とを備えたハウジングで密封し、前記切断装置に脱着可能に連結された搬送支持軸を前記蓋体に貫通支持させた状態で前記切断装置にて既設管の切断除去予定管部を切断除去するように構成されている既設管用切断除去設備であって、
前記搬送支持軸が、脱着可能な状態で連結された複数本の分割搬送支持軸から構成されている点にある。
【0008】
上記構成によれば、前記ハウジングの蓋体から貫通状態で上方に突出する長尺な搬送支持軸を、これを構成する複数の分割搬送支持軸の分割単位長さで分離することができるから、ハウジングの上方に橋梁等の構造物が位置するなどして、蓋体の上方に少なくとも搬送支持軸の全長以上の引上げ作業空間を確保することができない高さ制限のある施工条件下においては、ハウジングの蓋体から突出する搬送支持軸を、分割単位長さで順次分離しながら上昇操作することにより、ハウジングの下側作業空間にある切断装置を上側作業空間に上昇搬送することができる。
【0009】
したがって、高さ制限のある施工条件下においても、従来のように、上方に引上げ操作される搬送支持軸が構造物等と干渉しない傾斜角度でハウジングを既設管に取付ける必要がなく、長尺な搬送支持軸を構成する複数の分割搬送支持軸を分割単位長さで順次分離しながら上昇搬送操作することによって、切断除去管部を有する切断装置の上昇搬出作業を能率良く確実、容易に行うことができる。
【0010】
本発明による第2の特徴構成は、前記搬送支持軸の複数本の分割搬送支持軸のうち、少なくとも最上位から二番目又は少なくとも中間に位置する分割搬送支持軸には、当該分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている部材の荷重を支持させるための荷重受止め手段が脱着自在に設けられている点にある。
【0011】
上記構成によれば、前記蓋体から完全に抜け出した上位の分割搬送支持軸と蓋体から上側軸部のみが突出する下位の分割搬送支持軸との連結を解除する際、下位の分割搬送支持軸に設けた荷重受止め手段によって、当該下位の分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている切断装置等の部材の大きな荷重を、ハウジングや吊下げ搬送装置等に支持させることができるので、この下位の分割搬送支持軸側の大きな荷重が両分割搬送支持軸の連結解除操作を阻害する側に作用することを回避することができ、両分割搬送支持軸の連結解除操作を少ない労力で容易に行うことができる。
【0012】
それ故に、長尺な搬送支持軸を構成する複数の分割搬送支持軸を分割単位長さで効率よく分離操作することによって、切断除去管部を有する切断装置の上昇搬出作業の容易化、能率化を促進することができる。
【0013】
本発明による第3の特徴構成は、前記荷重受止め手段に、前記蓋体の外面側に対して上方から係合可能な係合手段が設けられている点にある。
【0014】
上記構成によれば、前記蓋体から完全に抜け出した上位の分割搬送支持軸と上側軸部のみが蓋体から突出する下位の分割搬送支持軸との連結を解除する際、下位の分割搬送支持軸に設けた荷重受止め手段の係合手段により、下位の分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている切断装置等の部材の大きな荷重をハウジングの蓋体側に支持させることができるから、例えば、前記蓋体から完全に抜け出した上位の分割搬送支持軸と上側軸部のみが蓋体から突出する下位の分割搬送支持軸とを各別に吊下げ支持した状態で、両分割搬送支持軸の連結解除を行う場合に比して、両分割搬送支持軸の連結部の周囲に多数の吊下げ部材が存在せず、両分割搬送支持軸の連結解除操作を能率良く容易に行うことができる。
【0015】
本発明による第4の特徴構成は、前記荷重受止め手段が、前記分割搬送支持軸に対して径方向外方から固定される分割構造の筒状体の周方向複数箇所に、前記蓋体の外面側に上方から係合可能な前記係合手段を径方向外方に突設して構成されている点にある。
【0016】
上記構成によれば、前記蓋体から上方に突出する下位の分割搬送支持軸の上側軸部に対して、前記荷重受止め手段の分割構造の筒状体を径方向外方から簡単に固定操作することができるとともに、前記筒状体の周方向複数箇所に突設した係合手段を蓋体の外面側に係合させることにより、下位の分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている切断装置等の部材の大きな荷重を強度の大きな蓋体に確実に受止め支持させることができる。
【0017】
本発明による第5の特徴構成は、前記荷重受止め手段に、当該荷重受止め手段が設けられる分割搬送支持軸及びこれの下部側に連結されている部材を上昇搬送するための係止部が設けられている点にある。
【0018】
上記構成によれば、前記蓋体から上側軸部のみが突出する下位の分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている切断装置等の部材の大きな荷重を支持させるための荷重受止め手段自体に上昇搬送用の係止部を設けてあるので、連結解除後における下位の分割搬送支持軸の上昇搬送作業を能率良く容易に行うことができる。
【0019】
本発明による第6の特徴構成は、前記搬送支持軸内に、前記切断装置を駆動するための回転伝動軸が相対回転自在に挿通支持されているとともに、前記回転伝動軸が、前記各分割搬送支持軸毎に相対回転自在に支持される複数本の分割回転伝動軸から構成されている点にある。
【0020】
上記構成によれば、ハウジングで密封された既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置を、当該切断装置を上昇搬送するための搬送支持軸内に挿通された回転伝動軸で駆動することができる。しかも、前記ハウジングの蓋体から貫通状態で上方に突出する長尺な搬送支持軸及び回転伝動軸を、これらを構成する複数の分割搬送支持軸及び複数の分割回転伝動軸の分割単位長さで分離することができるから、ハウジングの上方に橋梁等の構造物が位置するなどの高さ制限のある施工条件下においても、ハウジングの蓋体から突出する搬送支持軸及び回転伝動軸を、分割単位長さで順次分離しながら上昇搬送操作することにより、切断除去管部を有する切断装置の上昇搬出作業を能率良く確実、容易に行うことができる。
本発明による第7の特徴構成は、前記作業用開閉弁の閉弁状態にある弁体の上面に、前記搬送支持軸で上側作業空間に上昇搬送された切断装置を載置支持可能な載置部が構成されている点にある。
【0021】
上記構成によれば、ハウジングで密封された下側作業空間において切断装置にて既設管の切断除去予定管部を切断除去し、この切断除去管部を有する切断装置を搬送支持軸でハウジングの上側作業空間に上昇搬送し、作業開閉弁の弁体を閉弁操作したのち、搬送支持軸で切断装置を下降させて当該切断装置を弁体に構成されている載置部に載置支持させ、切断装置と搬送支持軸との連結を解除して各別に撤去する。
【0022】
それ故に、大きな水圧が作用する頑丈な作業開閉弁の弁体を利用して、この弁体の上面に切断装置の載置部を構成することにより、従来のように、ハウジングの内壁の複数箇所に専用の載置支持部材、及び、各載置支持部材を載置支持姿勢と退避姿勢とに切替える切替機構を設ける必要がなく、しかも、弁体の閉弁操作だけで済む。
【0023】
したがって、既設管用切断除去設備の構造の簡素化と設備コストの低廉化を図りながら、且つ、作業手順を増加させることなく、切断後の切断装置をハウジングの上側作業空間内に能率良く確実に搬送して仮置きすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態を示すハウジング装着途中の一部切欠き正面図
【図2】ハウジング装着途中の一部切欠き側面図
【図3】管切断時の一部切欠き側面図
【図4】搬送支持軸及び回転伝動軸の要部の断面図
【図5】ハウジングの蓋体側の軸受構造と搬送支持軸及び回転伝動軸の上部連結構造を示す断面図
【図6】搬送支持軸及び回転伝動軸の中間連結構造を示す断面図
【図7】搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す分解断面図
【図8】切断装置の入力側の軸受構造と搬送支持軸及び回転伝動軸の下部連結構造を示す断面図
【図9】荷重受止め手段を示す半断面平面図(a)、半断面正面図(b)、右側面図(c)
【図10】荷重受止め手段を装着可能な高さ位置に切断装置を上昇搬送したときの一部切欠き側面図
【図11】荷重受止め手段を装着したときの一部切欠き側面図
【図12】上側分割搬送支持軸及び上側分割回転伝動軸を分離したときの一部切欠き側面図
【図13】切断装置をハウジングの上側作業空間に上昇搬送したときの一部切欠き側面図
【図14】切断装置を弁体の載置部に載置支持させ、蓋体を下側分割搬送支持軸に沿って上昇移動させたときの一部切欠き側面図
【図15】蓋体を下側分割搬送支持軸に沿って上昇移動させたときの要部の拡大一部切欠き側面図
【図16】下側分割搬送支持軸及び下側分割回転伝動軸を分離したときの一部切欠き側面図
【図17】本発明の第2実施形態を示す搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す分解断面図
【図18】搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す断面図
【図19】本発明の第3実施形態を示す搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す分解断面図
【図20】搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す断面図
【図21】本発明の第4実施形態を示す搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す分解断面図
【図22】搬送支持軸及び回転伝動軸の中間軸構造を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
図1〜図16は、既設管(既設流体管)の一例である地中埋設の既設水道管1の切断除去予定管部(切断後は切断除去管部と記載する)1Aを不断水状態(不断流状態)のまま密封されたハウジングHの下側作業空間S1内で切断除去して外部に撤去し、該ハウジングH内に残置された既設水道管1の両切断残置管部(切断前は切断残置予定管部と記載する)1B間に切断除去管部1Aに代わる仕切弁や継手等の流体機器を連通接続する爾後の作業工程に備える不断流式既設管切断除去工法とその工法に用いられる既設管用切断除去設備を示す。
【0026】
前記既設管用切断除去設備には、既設水道管1の切断除去予定管部1Aよりも少し広い切断作業領域を水密状態で囲繞可能で、且つ、内部空間を下側作業空間S1と上側作業空間S2とに水密状態で仕切ることが可能な作業用仕切弁(作業用開閉弁の一例)Vを備えたハウジングHと、両切断残置管部1Bの切断端面となる切断予定位置において切削バイト10を管周方向(円周方向)に沿って駆動回転させながらその回転経路の特定位置で径方向内方に所定量ずつ送り込むことにより、不断流状態のまま既設水道管1の切断除去予定管部1Aを輪切り状に切断する切断装置Aと、この切断された切断除去管部1Aを保持している切断装置AをハウジングHの下側作業空間S1から作業用仕切弁Vを通してハウジングH内の上側作業空間S2に上昇搬送し、且つ、ハウジングHの上部に形成された上側開口部4Aから外部に上昇搬出する昇降搬送装置の一例である移動式クレーン(ラフテレーンクレーンを含む)Bとが備えられている。
【0027】
前記ハウジングHには、既設水道管1の切断除去予定管部1A及びそれの両側に連続するハウジング装着用の切断残置予定管部1Bに対して水密状態で下方から覆う上向き開口の下部ケース2と、切断除去予定管部1A及び切断残置予定管部1Bに対して水密状態で上方から覆う下向き開口の中部ケース3と、この中部ケース3の上側開口部3Aに作業用仕切弁Aの弁ケース5を介して連通する状態で固定連結される上部ケース4とが主要構成として備えられているとともに、前記上部ケース4の上側開口部4Aには、前記移動式クレーンBの搬送支持軸7を水密状態で上下方向に摺動自在に貫通支持する蓋体(蓋カバー)6が水密状態で脱着自在にフランジ接合されている。
【0028】
前記ハウジングHの下部ケース2の周方向4箇所及び中部ケース3の周方向2箇所には、既設水道管1と切断装置Aのガイドサポート部A2との相対回転を防止するべく、ガイドサポート部A2の周方向四箇所を径方向外方から相対回転不能な状態に押し付け固定するネジ式の固定具9が設けられている。
【0029】
前記切断装置Aとしては、従来から種々のものが開発されており、その一例を図1〜図3に基づいて説明すると、既設水道管1の両切断残置管部1Bの切断端面となる切断予定位置において管周方向に沿って切断する切削バイト10を備えた複数の切断ユニットA1と、切断ユニットA1を装備してある左右一対のスプロケットホイール11と、当該スプロケットホイール11を既設水道管1の管軸芯Xに対して若干傾斜した軸芯周りで回転自在に嵌合支持可能で、かつ、既設水道管1の切断除去予定管部1Aに外嵌固定される二分割構造のガイドサポート部A2と、両スプロケットホイール11を駆動回転させる駆動部A3とから構成されている。
【0030】
前記各切断ユニットA1は、図2に示すように、スプロケットホイール11の取付け部11Aに、切削バイト10を脱着可能に保持するバイトホルダ12を管径方向に移動自在に取付けるとともに、切断ユニットA1の回転経路脇のガイドサポート部A2の特定部位に設けた係合部材17との係合によって、前記バイトホルダ12に単位送り量に相当する移動力を付与するネジ式送り機構18を設けて構成されている。
【0031】
前記ネジ式送り機構18は、バイトホルダ12を管径方向に摺動させる送りネジ軸18Aと、前記係合部材17との係合によって、送りネジ軸18Aに単位送り量に相当する回転を付与する受動回転体18Bを設けて構成されている。
【0032】
前記駆動部A3は、図3、図4に示すように、ガイドサポート部A2の上部に、既設水道管1の管軸芯Xと平行な軸芯周りで駆動回転される左右一対の駆動スプロケット13を備えた伝動ケース14を設けるとともに、各駆動スプロケット13とそれと同一側に位置する各スプロケットホイール11とに亘って伝動チェーン15を巻回し、更に、前記搬送支持軸7の上端部には、当該搬送支持軸7に相対回転自在に挿通支持された回転伝動軸8を介して駆動スプロケット13を駆動する電動モータ16を設けて構成されている。
【0033】
前記ガイドサポート部A2は、図1〜図3に示すように、既設水道管1の管軸芯Xを通る仮想水平面上において二分割された半円筒状の上下一対のガイドサポート体19A,19Bからなり、両ガイドサポート体19A,19Bの周方向両端部の各々には、両ガイドサポート体19A,19Bを締結手段24のボルト24A・ナット24Bで固定連結するための連結フランジ19a,19bが管径方向外方に向かって一体的に突出形成されている。
【0034】
前記切断装置Aのガイドサポート部A2の底部には、前記下部ケース8の底壁部の内面に設けた受け台20の係合孔20aに対して上方から係合載置可能な四角錐台状の一対のガイド突起21と、前記受け台20の載置面に上方から接地して、切断された切断除去管部1Aを保持する切断装置Aを前記両切断残置管部1Bと同軸芯状態で安定支持可能な脚部22とが設けられている。
【0035】
前記ガイドサポート部A2のガイド突起21と受け台20の係合孔20aとをもって、切断後に切断装置Aに保持される切断除去管部1Aと両切断残置管部1Bとを同軸芯状態に維持するための芯出し保持手段が構成されている。
【0036】
次に、前記搬送支持軸7及び回転伝動軸8の構造を図4〜図9に基づいて詳述する。
前記搬送支持軸7は、脱着可能な状態で連結された複数本(当該実施形態では2本)の分割搬送支持軸7A,7Bから構成されている。そのうち、最上位から二番目に位置する下側の分割搬送支持軸(以下、下側分割搬送支持軸と記載する)7Bには、当該下側分割搬送支持軸7Bとこれの下部側に連結されている部材、つまり、前記切断除去管部1Aを保持する切断装置Aの荷重を支持させるための荷重受止め手段Cが脱着自在に設けられている。
【0037】
前記回転伝動軸8は、前記各分割搬送支持軸7A,7B毎に相対回転自在に挿通支持される寸法で分割された複数本(当該実施形態では2本)の分割回転伝動軸8A,8Bから構成されている。
【0038】
前記最上位に位置する分割搬送支持軸(以下、上側分割搬送支持軸と記載する)7Aを構成するに、図4、図5に示すように、最上位に位置する上側の分割回転伝動軸(以下、上側分割回転伝動軸と記載する)8Aの全長よりも少し短い寸法に構成された金属製の第1搬送支持筒軸30の上端部及び下端部に、これと同径の連続した外周面を形成する金属製の第1連結筒軸31及び第2連結筒軸32が内嵌状態で固着されている。
【0039】
そのうち、前記第1連結筒軸31の外周面の上側部には雄ネジ部31aが形成され、一対の吊下げアーム33を備えた金属製の吊下げ軸受部材34の大径筒部34Aの内周面には、前記第1連結筒軸31の雄ネジ部31aに対して脱着自在に螺合連結される雌ネジ部34aが形成されているとともに、前記第1搬送支持筒軸30の上端部分と第1連結筒軸31とに亘って外嵌する状態で螺合連結された吊下げ軸受部材34の大径筒部34Aと第1搬送支持筒軸30の上端部分とが緩み止め用のボルト35で抜止め固定されている。
【0040】
前記第1連結筒軸31の上端面に対して上方から当接する前記吊下げ軸受部材34の小径筒部34Bの内周面と、前記上側分割回転伝動軸8Aの上端側に形成された中径軸部8aの外周面との間には、上側分割回転伝動軸8Aを回転自在に支持するベアリング36が介装されている。
【0041】
前記上側分割回転伝動軸8Aの中径軸部8aの外周面に形成された雄ネジ部8bには、前記ベアリング36のインナーレースを軸方向に沿って中径軸部8aの下方側の環状段差面に上方側から押圧固定する押えナット37が螺合されているとともに、前記吊下げ軸受部材34の小径筒部34Bには、前記ベアリング36のアウターレースを軸方向に沿って小径筒部34Bの内周面側の環状段差面に上方側から押圧固定するベアリング押え38がボルト39にて脱着可能に取付けられている。
【0042】
前記吊下げ軸受部材34の両吊下げアーム33の径方向外方側となる先端部には、図10に示すように、移動式クレーンBの吊下げフック25に吊りワイヤー26を介して吊下げ支持させるための係止孔33aが形成されているとともに、前記両吊下げアーム33の上端部には、上側分割回転伝動軸8Aの上端側に形成された小径軸部8cに対して脱着自在に伝動連結される前記電動モータ16の取付け座40が形成されている。
【0043】
また、図4、図6、図7に示すように、前記上側分割回転伝動軸8Aの下端側に形成された中径軸部8dの外周面と第2連結筒軸32の内周面との間には、上側分割回転伝動軸8Aを回転自在に支持する銅合金製のブッシュ42が介装され、このブッシュ42と第2連結筒軸32との嵌合周面における周方向の特定部位には、ブッシュ42を抜止め固定する止めネジ43が軸方向に沿って下方側から螺合されている。
【0044】
前記上側分割回転伝動軸8Aの下端部には、回転伝動用の小径の角軸部8eが形成され、この角軸部8eの下端面は、第2連結筒軸32の下端面よりも下方に突出形成されているとともに、前記第2連結筒軸32の下端部の小径筒軸部32Aの外周面には、下側分割搬送支持軸7B側の第3連結筒軸46と螺合連結するための雄ネジ部32aが形成されている。
【0045】
前記下側分割搬送支持軸7Bを構成するに、図4、図6〜図8に示すように、下側分割回転伝動軸8Bの全長よりも少し短い寸法に構成された金属製の第2搬送支持筒軸45の上端部及び下端部に、これと同径の連続した外周面を形成する金属製の第3連結筒軸46及び第4連結筒軸47が内嵌状態で固着されている。そのうち、上側に位置する第3連結筒軸46の大径筒軸部46Aの内周面の上端側には、前記第2連結筒軸32の雄ネジ部32aに対して下方から着脱自在に螺合連結される雌ネジ部46aが形成されている。
【0046】
前記第2連結筒軸32の雄ネジ部32aと第3連結筒軸46の雌ネジ部46aとをもって、前記上側分割搬送支持軸7Aと下側分割搬送支持軸7Bとを着脱自在に連結する連結手段が構成されている。
【0047】
前記下側分割回転伝動軸8Bの上端側に形成された中径軸部8fの外周面と前記第3連結筒軸46の小径筒軸部46Bの内周面との間には、下側分割回転伝動軸8Bを回転自在に支持するベアリング48が介装されている。前記下側分割回転伝動軸8Bの中径軸部8fの外周面に形成された雄ネジ部8gには、前記ベアリング48のインナーレースを軸方向に沿って中径軸部8fの下方側の環状段差面に上方側から押圧固定する押えナット49が螺合されているとともに、前記第3連結筒軸46の小径筒軸部46Bの内周面には、前記ベアリング48のアウターレースをアウターレースカラー50を介して小径筒軸部46Bの内周面に形成された環状段差面に上方側から押圧固定するベアリング押え51がボルト52にて脱着可能に取付けられている。
【0048】
前記第3連結筒軸46の大径筒軸部46A内の下半側に突出位置する下側分割回転伝動軸8Bの上端側の小径軸部8hには、上端面が第3連結筒軸46の上端面と同一平面に位置する長さに形成された第1カップリング53の下側連結筒部53Bがキー54を介して一体回転状態で嵌合連結されている。
【0049】
前記第1カップリング53の上側連結筒部53Aには、上側分割回転伝動軸8Aの角軸部8eに対して一体回転状態で下方から嵌合する角孔53aが形成され、前記下側分割回転伝動軸8Bの小径軸部8hと第1カップリング53の仕切り壁53Cとを固定連結するボルト55が、前記第1カップリング53の角孔53aを通して上方側から螺合されている。
【0050】
前記上側分割回転伝動軸8Aの下端側の角軸部8eと、下側分割回転伝動軸8Bの上端側の小径軸部8h、及び、これら両者8e,8hにキー54を介して一体回転状態で嵌合連結される連結筒部53A,53Bを備えた第1カップリング53とをもって、上側分割回転伝動軸8Aと下側分割回転伝動軸8Bとを脱着可能に連動連結する連動連結手段が構成されている。
【0051】
また、図4、図8に示すように、前記第4連結筒軸47の下端面には、当該第4連結筒軸47の外径よりも大なる外径に構成された軸受部材60が、軸方向に沿って下方側から螺合操作されるボルト61で固定連結され、この軸受部材60の内周面には、下側分割回転伝動軸8Bの下端側に形成された中径軸部8iを回転自在に支持する銅合金製のブッシュ62が装着されている。
【0052】
前記軸受部材60とブッシュ62との嵌合周面における周方向の特定部位には、ブッシュ62を回り止め固定する止めネジ59が軸方向に沿って下方側から螺合されている。
【0053】
前記軸受部材60のうち第4連結筒軸47の外周面よりも径方向外方に突出する鍔部60aの下面及び外周面を囲繞する状態で外装可能な大径筒部63Aを備えた連結筒部材63と、前記軸受部材60の鍔部60aの傾斜上面に対して上方から当接可能な押え蓋64とをボルト65で脱着可能に締付け連結することにより、前記連結筒部材63の大径筒部63Aと押え蓋64とで軸受部材60の鍔部60aを上下方向から挾持固定するように構成されている。
【0054】
前記連結筒部材63の内周面の下端部には、切断装置Aの伝動ケース14の上面に設けられた軸受台座部66の雄ネジ部66aに螺合連結する雌ネジ部63aが形成されているとともに、前記連結筒部材63の大径筒部63Aには、軸受部材60の鍔部60aの外周面に形成された軸方向の係止溝60bに対して径方向外方から係合する回り止め用のボルト67が螺合されている。
【0055】
前記下側分割回転伝動軸8Bの下端側の小径軸部8jには、回転伝動用の角軸部68Aが下方に突出形成されている第2カップリング68の上側連結筒部68Bがキー54を介して一体回転状態で嵌合連結されているとともに、前記第2カップリング68の上側連結筒部68Bには、キー54の外面に対して径方向外方から当接する抜止め用のボルト70が螺合されている。
【0056】
前記軸受台座部66から上方に突出する切断装置Aの入力軸23には、第2カップリング68の角軸部68Aに対して一体回転状態で下方から嵌合する角孔69aを備えた第3カップリング69の下側連結筒部69Aが、キー54を介して一体回転状態で嵌合連結されている。
【0057】
前記下側分割搬送支持軸7Bの第4連結筒軸47にボルト61で固定連結される軸受部材60と、この軸受部材60の鍔部60aを上下方向から挾持固定する連結筒部材63と押え蓋64、及び、軸受部材60の鍔部60aの外周面に形成された係止溝60bに対して径方向外方から係合する回り止め用のボルト67と、連結筒部材63の内周面の下端部に形成された雌ネジ部63aと、切断装置Aの軸受台座部66に形成された雄ネジ部66aとをもって、前記下側分割搬送支持軸7Bと切断装置Aとを着脱自在に連結する連結手段が構成されている。
【0058】
前記下側分割回転伝動軸8Bの下端側に形成された中径軸部8iと、この小径軸部8jにキー54を介して一体回転状態で嵌合連結される第2カップリング68と、第2カップリング68の角軸部68Aに一体回転状態で嵌合連結される第3カップリング69と、この第3カップリング69の下側連結筒部69Aにキー54を介して一体回転状態で嵌合連結される切断装置Aの入力軸23とをもって、下側分割回転伝動軸8Bと切断装置Aの入力軸23とを脱着可能に連動連結する連動連結手段が構成されている。
【0059】
前記ハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成するに、図4、図5に示すように、前記蓋体6の天井板部6Aには、搬送支持軸7の外径よりも大なる内径に構成された筒状の取付け基台71が貫通状態で固着され、この取付け基台71の上側の連結フランジ71Aには、上下両端に連結フランジ72A,72Bを備えた取付け筒部材72が、下側連結フランジ72Bに形成されたボルト挿通孔72aの範囲内で径方向に取付け位置調整可能にボルト73にて水密状態で固定連結されているとともに、前記取付け筒部材72の上側連結フランジ72Aには、当該取付け筒部材72に内嵌する状態で搬送支持軸7を水密状態で上下方向に摺動自在に案内する摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aがボルト75にて水密状態で固定連結されている。
【0060】
前記荷重受止め手段Cを構成するに、図4、図6、図7、図9に示すように、下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46の下端部側に、径方向外方に向って開口する円環状の係止溝80を形成するとともに、前記第3連結筒軸46には、前記係止溝80に対して径方向外方から係合可能な係止突起81aを備えた分割構造の荷重受け部材81が脱着自在に取付けられている。
【0061】
前記荷重受け部材81は、第3連結筒軸46に外装される半円筒状の分割ホルダー81Aの周方向両端部に、ボルト82・ナット83で締付け連結される連結フランジ81Bを一体形成するとともに、前記両分割ホルダー81Aの外側面の周方向中央部には、前記ハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成する前記摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aの上面に上方から当接して、搬送支持軸7又は下側分割搬送支持軸7Bとこれの下部側に連結されている切断除去管部1Aを含む切断装置Aとの荷重を支持させる支持アーム(係合手段の一例)81Cを一体形成して構成されている。
【0062】
前記支持アーム81Cの径方向外方側となる先端部には、移動式クレーンBの吊下げフック25に吊りワイヤー26を介して昇降支持させるための係止孔(係止部の一例)81bが形成されている。
【0063】
次に、上述の如く構成された既設管用切断除去設備を用いての不断流式既設管切断除去工法について説明する。
〔1〕図1〜図3に示すように、地中に埋設されている既設水道管1の切断除去箇所を含む作業領域を掘削して作業ピットPを形成し、この作業ピットPの底部に鉄筋入りのベースコンクリート90を構築するとともに、既設水道管1の両切断残置管部1Bを切断後も同芯状態に維持するための鉄筋入りの支柱コンクリート91を構築する。
【0064】
前記ハウジングHの下部ケース2に切断装置Aのガイドサポート部A2の下側ガイドサポート体19Bを仮装着し、この状態で既設水道管1の切断除去予定管部1Aとベースコンクリート90の上面との間の空隙を通して入れ込み、ベースコンクリート90上の所定位置に載置された複数の受け台92上に設置する。
【0065】
既設水道管1の切断除去予定管部1A上に、切断装置Aのガイドサポート部A2の上側ガイドサポート体19Aを装着し、当該上側ガイドサポート体19Aの連結フランジ19aと下部ケース2に設置されている下側ガイドサポート体19Bの連結フランジ19bとを締結手段24のボルト24A・ナット24Bにて固定連結することにより、切断装置Aのガイドサポート部A2を既設水道管1の切断除去予定管部1Aの所定位置に固定装着する。
【0066】
その後、図1、図2に示すように、既設水道管1の切断除去予定管部1Aの両側に連続する切断残置予定管部1Bに対して、切断装置Aを構成する二分割構造のガイドサポート部A2及び切断ユニットA1等を囲繞する状態で、下部ケース2の上側連結フランジ部と中部ケース3の下側連結フランジ部とを水密状態で固定連結する。
【0067】
〔2〕図3に示すように、前記中部ケース3の上側連結フランジに、作業用開閉弁Vの弁ケース5と上部ケース4及び蓋カバー6とをこの順番で水密状態に固定連結するとともに、切断装置Aの入力軸23に連動された回転伝動軸8を内装し、且つ、切断装置Aの伝動ケース14の上面に設けられた軸受台座部66の雄ネジ部66aに螺合連結されている搬送支持軸7を上部ケース4の蓋体6に水密状態で摺動自在に貫通支持させる。
【0068】
更に、前記両吊下げアーム33の取付け座40に、搬送支持軸7内の回転伝動軸8に連動された電動モータ16を取付ける。
この電動モータ16を起動すると、搬送支持軸7内の回転伝動軸8、入力軸23、左右一対の駆動スプロケット13、伝動チェーン15を経てガイドサポート部A2に装着されている両スプロケットホイール11が駆動回転され、各スプロケットホイール11に対して管径方向に摺動可能なバイトホルダ12に装着されている切削バイト10が、両切断残置管部1Bの切断端面となる切断予定位置において管周方向に沿って移動し、バイトホルダ12を摺動させるネジ式送り機構18の受動回転体18Bが、切断ユニットA1の回転経路脇の特定部位に設けた係合部材17と係合すると、前記バイトホルダ12に単位送り量に相当する回転が付与され、切削バイト10が管径方向内方に単位送り量だけ送り込まれる。
【0069】
そして、前記切削バイト10を管周方向に沿って径方向内方に送り込みながら移動させることにより、不断水状態のまま既設水道管1の切断除去予定管部1Aを輪状に切断分離することができる。
【0070】
〔3〕図10に示すように、前記両吊下げアーム33の取付け座40から電動モータ16を撤去し、前記両吊下げアーム33の係止孔33aに挿通させた吊りワイヤー26を移動式クレーンBの吊下げフック25に掛止し、ハウジングH内の下側作業空間S1に位置する切断装置Aを上昇搬送する。
【0071】
前記移動式クレーンBによる上昇搬送操作は、下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46に形成された係止溝80がハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成する摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aの上面よりも少し上方の外部にまで上昇した時点で停止する。
【0072】
〔4〕図6、図9、図11に示すように、前記下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46に、前記荷重受止め手段Cの荷重受け部材81の両分割ホルダー81Aを、それの係止突起81aを第3連結筒軸46の係止溝80に係合させた状態でボルト82・ナット83で締付け固定する。
【0073】
前記移動式クレーンBを下降操作して、荷重受け部材81の両支持アーム81CをハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成する摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aの上面(蓋体6の外面側)に載置支持させ、回転伝動軸8を挿通保持させてある搬送支持軸7の荷重とこれらの下部側に連結されている切断除去管部1Aを含む切断装置Aの荷重をハウジングHの蓋体6側に支持させる。
【0074】
この状態で移動式クレーンBの吊下げフック25にて倒伏しない程度に支えられている上側分割搬送支持軸7Aを、下側分割搬送支持軸7Bに対してネジの緩み側に回転操作し、上側分割搬送支持軸7Aの第2連結筒軸32の雄ネジ部32aと下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46の雌ネジ部46aとの螺合連結を解除する。
【0075】
この連結解除操作時には、下側分割搬送支持軸7Bの荷重とこれらの下部側に連結されている切断除去管部1Aを含む切断装置Aの荷重との大きな荷重が、両分割搬送支持軸7A,7Bの連結解除操作を阻害する側に作用することを回避することができ、両分割搬送支持軸7A,7Bの連結解除操作を少ない労力で容易に行うことができる。
【0076】
その後、移動式クレーンBを上昇搬送操作して螺合連結が解除された上側分割搬送支持軸7Aを上昇移動させると、当該上側分割搬送支持軸7Aに挿通支持されている上側分割回転伝動軸8Aの角軸部8eが、下側分割回転伝動軸8Bの上端部側にボルト固定されている第1カップリング53の角孔53aから抜け出し移動する(図7参照)ため、上側分割搬送支持軸7A及び上側分割回転伝動軸8Aをそのまま所定箇所にまで搬送して撤去することができる(図12参照)。
【0077】
それ故に、ハウジングHの蓋体6から貫通状態で上方に突出する長尺な搬送支持軸7の上側分割搬送支持軸7A、及び、回転伝動軸8の上側分割回転伝動軸8Aを、下側分割搬送支持軸7B及び下側分割回転伝動軸8Bから分離することにより、ハウジングHの上方に橋梁等の構造物が位置するなどして、蓋体6の上方に搬送支持軸7の全長以上の引上げ作業空間を確保することができない高さ制限のある施工条件下においても、ハウジングHの下側作業空間S1にある切断装置Aを上側作業空間S2側に容易に上昇搬送することができる。
【0078】
〔5〕図12、図13に示すように、前記荷重受止め手段Cの荷重受け部材81の両支持アーム81Cの係止孔81bに挿通した吊りワイヤー26を移動式クレーンBの吊下げフック25に掛止し、切断装置Aを上側作業空間S2内にまで上昇搬送したのち、前記作業用仕切弁Vの操作ハンドル85を操作して弁体86を閉弁作動させ、下側作業用空間S1と上側作業用空間S2との間を水密状態で遮断する。
【0079】
〔6〕図14に示すように、前記移動式クレーンBを下降操作して、切断装置Aのガイドサポート部A2の底部に設けた脚部22を、閉弁状態にある弁体86の上面に形成された水平で平滑面な載置部86Aに載置支持させる。
【0080】
前記切断装置Aには、ハウジングHの内壁に上下方向に沿って設けた左右一対のガイドレールに沿って摺動するガイド部が設けられているため、切断装置Aの脚部22を弁体86の載置部86Aに載置支持させた状態では、切断装置Aは安定した載置姿勢に維持される。
【0081】
それ故に、大きな水圧が作用する頑丈な作業用仕切弁Vの弁体86を利用して、この弁体86の上面に切断装置Aの載置部86Aを構成することにより、ハウジングHの内壁の複数箇所に専用の載置支持部材、及び、各載置支持部材を載置支持姿勢と退避姿勢とに切替える切替機構を設ける必要がなく、しかも、操作としても弁体86の閉弁操作だけで済む。
【0082】
したがって、既設管用切断除去設備の構造の簡素化と設備コストの低廉化を図りながら、且つ、作業手順を増加させることなく、切断後の切断装置AをハウジングHの上側作業空間S2内に能率良く上昇搬送して仮置きすることができる。
【0083】
〔7〕図14〜図16に示すように、前記上部ケース4の上側連結フランジ4Bと蓋体6の連結フランジ6Bとを固定連結している締結手段9のボルト9A・ナット9B(図13参照)を締付け解除するとともに、前記移動式クレーンBの吊下げフック25と蓋体6の天井板部6Aの複数箇所に設けられている吊下げ金具95とに亘って、固定連結が解除されている蓋体6を下側分割搬送支持軸7Bに沿って上昇移動させる持ち上げ装置Dを装着する。
【0084】
前記持ち上げ装置Dは、図15に示すように、二つの係止フック96A,96Bと巻取り及び繰り出し可能なチェーン96Cとを備えた手巻きウインチ96と、当該手巻きウインチ96の一方の係止フック96Aと移動式クレーンBの吊下げフック25とに亘って巻回される第1吊りワイヤ97、及び、手巻きウインチ96の他方の係止フック96Bと蓋体6の吊下げ金具95とに亘って巻回される第2吊りワイヤ98とから構成されている。
【0085】
前記各手巻きウインチ96の巻取り操作により、蓋体6を下側分割搬送支持軸7Bに沿って上昇移動させ、上部ケース4の上側連結フランジ4Bと蓋体6の連結フランジ6Bとの間に、下側分割搬送支持軸7Bと切断装置Aとの固定連結を解除操作するための作業用空間S3を現出する。
【0086】
前記下側分割搬送支持軸7Bと切断装置Aとの固定連結(連結手段)を解除操作する方法としては、次の(a)一括解除方式と(b)分割解除方式との二通りの方法がある。
(a)一括解除方式
前記移動式クレーンBの吊下げフック25にて倒伏しない程度に支えられている下側分割搬送支持軸7Bの全体を、切断装置Aの伝動ケース14の上面に設けられている軸受台座部66に対してネジの緩み側に回転操作し、下側分割搬送支持軸7Bの連結筒部材63の雌ネジ部63aと軸受台座部66の雄ネジ部66aとの螺合連結を解除する。
【0087】
その後、移動式クレーンBを上昇搬送操作して螺合連結が解除された下側分割搬送支持軸7Bを上昇移動させると、当該下側分割搬送支持軸7Bに挿通支持された下側分割回転伝動軸8Bの小径軸部8jに取付けられている第2カップリング68の角軸部68Aが、切断装置Aの入力軸23に嵌合連結されている第3カップリング69の角孔69aから抜け出し移動するため、下側分割搬送支持軸7B及び下側分割回転伝動軸8Bをそのまま所定箇所にまで搬送して撤去することができる。
【0088】
尚、前記第3カップリング69を撤去する必要があれば、この第3カップリング69を切断装置Aの入力軸23から上方に抜き出す。
【0089】
(b)分割解除方式(図16参照)
前記移動式クレーンBの吊下げフック25にて倒伏しない程度に支えられている下側分割搬送支持軸7B側の連結筒部材63と押え蓋64とを締付け連結しているボルト65を分解して、軸受部材60の鍔部60aを上下方向から挾持固定している一方の押え蓋64を他方の連結筒部材63の大径筒部63Aから撤去するとともに、前記連結筒部材63の大径筒部63Aに螺合した回り止め用のボルト67の締め付け力が、軸受部材60の鍔部60aに形成された係止溝60bの底面に作用して、軸受部材60の上方への抜け出し移動に大きな抵抗を与えている場合には、この回り止め用のボルト67を緩み操作する又は分解操作する。
【0090】
その後、移動式クレーンBを上昇搬送操作して連結が解除された下側分割搬送支持軸7Bを上昇移動させると、当該下側分割搬送支持軸7Bに挿通支持された下側分割回転伝動軸8Bの小径軸部8jに取付けられている第2カップリング68の角軸部68Aが、切断装置Aの入力軸23に嵌合連結されている第3カップリング69の角孔69aから抜け出し移動するため、下側分割搬送支持軸7B及び下側分割回転伝動軸8Bをそのまま所定箇所にまで搬送して撤去することができる。
【0091】
次に、残置されている連結筒部材63を、切断装置Aの伝動ケース14の上面に設けられている軸受台座部66に対してネジの緩み側に回転操作し、連結筒部材63の雌ネジ部63aと軸受台座部66の雄ネジ部66aとの螺合連結を解除して、連結筒部材63を撤去するとともに、前記第3カップリング69を撤去する必要があれば、この第3カップリング69を切断装置Aの入力軸23から上方に抜き出す。
【0092】
〔8〕そして、前記軸受台座部66の雄ネジ部66aに螺合連結した吊下げ金具(図示せず)を、吊りワイヤーを介して移動式クレーンBの吊下げフック25に掛止し、ハウジングHの上側作業空間S2内において弁体86の載置部86Aに載置支持されていた切断装置Aを所定箇所に搬送して撤去し、ハウジングH内に残置された既設水道管1の両切断残置管部1B間に切断除去管部1Aに代わる仕切弁や継手等の流体機器を連通接続する爾後の作業工程に備える。
【0093】
尚、上述の第1実施形態の不断流式既設管切断除去工法において、既設水道管1の切断除去予定管部1Aに装着された切断装置Aを含む切断作業領域を、内部空間を下側作業空間S1と上側作業空間S2とに仕切ることが可能な作業用開閉弁Vと、切断除去管部1Aを有する切断装置Aを外部に取り出し可能な上側開口部4Aを密閉する脱着可能な蓋体6とを備えたハウジングHで密封する工程と、前記切断装置Aに脱着可能に連結された搬送支持軸7を前記蓋体6に貫通支持させた状態で前記切断装置Aにて既設水道管1の切断除去予定管部1Aを切断除去する工程と、前記切断除去管部1Aを有する切断装置Aを搬送支持軸7で上側作業空間S2に上昇搬送したのち、前記作業用開閉弁Vの弁体86を閉弁作動させる工程と、前記作業用開閉弁Vの閉弁状態にある弁体86の上面に構成した載置部86Aに切断装置Aを載置支持させるとともに、前記ハウジングHの蓋体6を固定解除して前記切断装置Aと搬送支持軸7との連結を解除し、連結解除された切断装置Aと搬送支持軸7とを撤去する工程とを備えた既設管の切断除去工法とした場合には、下記の効果がある。
【0094】
前記ハウジングHで密封された下側作業空間S1において、既設水道管1の切断除去予定管部1Aに装着された切断装置Aで当該切断除去予定管部1Aを切断する。このとき、前記切断装置Aに脱着可能に連結された搬送支持軸7をハウジングHの蓋体6に貫通支持させてあるので、切断完了時においても、切断除去管部1Aを有する切断装置Aを所定姿勢に維持することができる。
次に、前記切断除去管部1Aを有する切断装置Aを搬送支持軸7でハウジングHの上側作業空間S2に上昇搬送し、作業開閉弁Vの弁体86を閉弁操作したのち、搬送支持軸7で切断装置Aを下降させて当該切断装置Aを弁体86の上面の載置部86Aに載置支持させる。
その後、ハウジングHの上側開口部4Aから蓋体6を連結解除し、開放されたハウジングHの上側開口部4Aを通して切断装置Aと搬送支持軸7との連結を解除して各別に撤去する。
【0095】
それ故に、大きな水圧が作用する頑丈な作業開閉弁Vの弁体86を利用して、この弁体86の上面に構成した載置部86Aに切断装置Aを載置することにより、従来のように、ハウジングHの内壁の複数箇所に専用の載置支持部材、及び、各載置支持部材を載置支持姿勢と退避姿勢とに切替える切替機構を設ける必要がなく、しかも、弁体86の必須の動作である閉弁操作だけで済む。
【0096】
したがって、既設管用切断除去設備の構造の簡素化と設備コストの低廉化を図りながら、且つ、作業手順を増加させることなく、切断後の切断装置AをハウジングHの上側作業空間S2内に能率良く確実に搬送して仮置きすることができる。
【0097】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記搬送支持軸7の上側分割搬送支持軸7Aと下側分割搬送支持軸7Bとをネジ込み方式の中間連結構造(連結手段)で脱着自在に構成したが、この上側分割搬送支持軸7Aと下側分割搬送支持軸7Bとの中間連結構造(連結手段)を、図17、図18に示すように、合フランジ形のボルト止め方式に構成してもよい。
【0098】
この第2実施形態の中間連結構造では、第1実施形態のベアリング押え51を合フランジ形状に形成して、このベアリング押え51を介して上側分割搬送支持軸7Aと下側分割搬送支持軸7Bとをボルトにて脱着自在に固定連結してあり、その具体的構造を以下に詳述する。
【0099】
前記上側分割搬送支持軸7Aを構成する第1搬送支持筒軸30の下端部に固着された第2連結筒軸32の内周面には、前記上側分割回転伝動軸8Aの下端側に形成された中径軸部8dを回転自在に支持する銅合金製のブッシュ42が介装され、このブッシュ42と第2連結筒軸32との嵌合周面における周方向の特定部位には、ブッシュ42を抜止め固定する止めネジ43が軸方向に沿って下方側から螺合されている。
【0100】
前記上側分割回転伝動軸8Aの下端部に形成された小径軸部8kには、回転伝動用の角軸部100Aが下方に突出形成されている第4カップリング100の上側連結筒部100Bがキー54を介して一体回転状態で嵌合連結されているとともに、前記第4カップリング100の上側連結筒部100Bには、キー54の外面に対して径方向外方から当接する抜止め用のボルト101が螺合されている。
【0101】
前記下側分割搬送支持軸7Bを構成する第2搬送支持筒軸45の上端部に固着された第3連結筒軸46の内周面には、前記下側分割回転伝動軸8Bの上端側に形成された中径軸部8fを回転自在に支持するベアリング48が介装されている。
【0102】
前記下側分割回転伝動軸8Bの中径軸部8fの外周面に形成された雄ネジ部8gには、前記ベアリング48のインナーレースを軸方向に沿って中径軸部8fの下方側の環状段差面に上方側から押圧固定する押えナット49が螺合されているとともに、前記第3連結筒軸46には、前記ベアリング48のアウターレースを第3連結筒軸46の内周面に形成された環状段差面に上方側から押圧固定するベアリング押え51が脱着可能に取付けられている。
【0103】
前記ベアリング押え51には、第3連結筒軸46の上端面に対して上方から当接する第1フランジ部51Aと、前記第2連結筒軸32の下端面に対して下方から当接する第2フランジ部51Bとが一体形成されているとともに、前記第3連結筒軸46の上端面には、第1フランジ部51Aに形成の取付け孔51aに挿通されたボルト102と螺合するネジ孔46bが形成され、前記第2連結筒軸32の下端面には、第2フランジ部51Bに形成の取付け孔51bに挿通されたボルト102と螺合するネジ孔32bが形成されている。
【0104】
前記下側分割回転伝動軸8Bの上端側の小径軸部8hには、ベアリング押え51の上端面よりも上方に突出する長さに形成された第5カップリング103の下側連結筒部103Bがキー54を介して一体回転状態で嵌合連結されているとともに、前記第5カップリング103の上側連結筒部103Aには、第4カップリング100の角軸部100Aに対して一体回転状態で下方から嵌合する角孔103aが形成されている。
【0105】
尚、図17、図18では、前記下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46に、前記荷重受止め手段Cの荷重受け部材81の両分割ホルダー81Aが、それの係止突起81aを第3連結筒軸46の係止溝80に係合させた状態でボルト82・ナット83にて締付け固定された状態を示している。
【0106】
そして、移動式クレーンBを下降操作して、荷重受け部材81の両支持アーム81CをハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成する摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aの上面(蓋体6の外面側)に載置支持させたのち、前記ベアリング押え51の第1フランジ部51A側のボルト102又は第2フランジ部51B側のボルト102を取り外して、
上側分割搬送支持軸7Aの第2連結筒軸32と下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46との連結を解除することになる。
【0107】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また、前記ベアリング押え51の第1フランジ部51Aと第2フランジ部51Bとの間に形成される径方向外方に開口する環状凹部に、第2連結筒軸32の外周面及び第3連結筒軸46の外周面と同径又は略同径で当該環状凹部を覆う分割構造の円筒状カバーを脱着自在に取付けて実施してもよい。
【0108】
〔第3実施形態〕
上述の第2実施形態では、前記搬送支持軸7の上側分割搬送支持軸7Aと下側分割搬送支持軸7Bとを合フランジ形のボルト止め方式の中間連結構造(連結手段)で脱着自在に構成したが、合フランジ形のボルト止め方式の中間連結構造の一部を改造して、図19、図20に示すように、割りリング方式の中間連結構造(連結手段)に構成してもよい。
【0109】
第3実施形態の中間連結構造では、前記ベアリング押え51の上端部に、径方向外方に突出する第1環状係止突起51Cが形成され、前記第2連結筒軸32の外周面の下端部には、前記第1環状係止突起51Cの外径と同一の外径を備え、かつ、当該第1環状係止突起51Cの上端面に上方から当接する第2環状係止突起32Bと、径方向外方に向って開口する環状係止溝32Cとが形成されているとともに、前記ベアリング押え51の第1環状係止突起51Cと前記第2連結筒軸32の第2環状係止突起32Bとを上下方向から挟み込む状態で固定連結する分割構造の連結リング105が脱着自在に設けられている。
【0110】
前記連結リング105は、二分割された一対の分割リング体105A、105Bとから構成され、両分割リング体105A、105Bの内周面の各々には、ベアリング押え51の第1環状係止突起51Cの下面に当接する半環状の下側突起部105aと、第2連結筒軸32の環状係止溝32Cに入り込んだ状態で第2環状係止突起32Bの下面に当接する半環状の上側突起部105bとが一体形成されている。
【0111】
前記一方の分割リング体105Aの周方向両端部には、固定ボルト106が螺合されるネジ孔105cが形成されているとともに、他方の分割リング体105Bの周方向両端部には、固定ボルト106が挿通される取付け孔105dと、固定ボルト106の頭部106aを両分割リング体105A、105Bの外周面よりも径方向内方に収納する凹部105eが形成されている。
【0112】
そして、この第3実施形態の場合は、移動式クレーンBを下降操作して、荷重受け部材81の両支持アーム81CをハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成する摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aの上面(蓋体6の外面側)に載置支持させたのち、前記両分割リング体105A、105Bを固定連結している固定ボルト106を取り外して、上側分割搬送支持軸7Aの第2連結筒軸32と下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46との連結を解除することになる。
【0113】
尚、その他の構成は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また、前記ベアリング押え51の第1フランジ部51Aの上面と連結リング105の下面との間に形成される径方向外方に開口する環状凹部に、第2連結筒軸32の外周面と第3連結筒軸46の外周面及び連結リング105の外周面と同径又は略同径で当該環状凹部を覆う分割構造の円筒状カバーを脱着自在に取付けて実施してもよい。
【0114】
〔第4実施形態〕
上述の第2実施形態では、前記搬送支持軸7の上側分割搬送支持軸7Aと下側分割搬送支持軸7Bとを合フランジ形のボルト止め方式の中間連結構造(連結手段)で脱着自在に構成したが、合フランジ形のボルト止め方式の中間連結構造の一部を改造して、図21、図22に示すように、嵌め込み方式(バヨネット式)の中間連結構造(連結手段)に構成してもよい。
【0115】
第4実施形態の中間連結構造では、前記ベアリング押え51の上側部に、第6カップリング110の下端部の周方向複数箇所(当該実施形態では二箇所)に形成された径方向外方に突出する下側係止突起110aの上方からの係入を許容する脱着用凹部51dと、この脱着用凹部51dの係入位置で周方向に所定角度回動したとき、第6カップリング110の下側係止突起110aの上方側への離脱移動を接当阻止する離脱阻止部51eとが形成されている。
【0116】
前記ベアリング押え51の上側部には、離脱阻止部51eと上下方向で対面する抜止め阻止位置にある第6カップリング110の下側係止突起110aを抜け止め固定する抜止め用ボルト111が螺合されている。
【0117】
前記上側分割搬送支持軸7Aを構成する第1搬送支持筒軸30の下端部に固着された第2連結筒軸32の内周面には、第6カップリング110の上端部の周方向複数箇所(当該実施形態では二箇所)に形成された径方向外方に突出する上側係止突起110bの下方からの係入を許容する脱着用凹部112aと、この脱着用凹部112aの係入位置で周方向に所定角度回動したとき、第6カップリング110の上側係止突起110bの下方側への離脱移動を接当阻止する離脱阻止部112bとを備えた連結部材112が、ボルト13で固定されている。
【0118】
前記連結部材112には、離脱阻止部112bと上下方向で対面する抜止め阻止位置にある第6カップリング110の上側係止突起110bを抜け止め固定する抜止め用ボルト111が螺合されている。
【0119】
前記上側分割回転伝動軸8Aの下端部に形成された小径軸部8kには、第7カップリング114の上側連結筒部114Aがキー54を介して一体回転状態で嵌合連結されているとともに、前記下側分割回転伝動軸8Bの上端側に形成された小径軸部8hには、前記第7カップリング114の下側連結筒部114Bがキー54を介して一体回転状態で嵌合連結されている。
【0120】
そして、この第4実施形態の場合は、移動式クレーンBを下降操作して、荷重受け部材81の両支持アーム81CをハウジングHの蓋体6側の軸受構造を構成する摺動ガイド筒74の連結フランジ74Aの上面(蓋体6の外面側)に載置支持させたのち、前記ベアリング押え51の離脱阻止部51eと抜止め阻止位置にある第6カップリング110の下側係止突起110aとを抜け止め固定している抜止め用ボルト111、及び、前記連結部材112の離脱阻止部112bと抜止め阻止位置にある第6カップリング110の上側係止突起110bとを抜け止め固定している抜止め用ボルト111を取り外す。
【0121】
次に、前記第6カップリング110を回転操作して、当該第6カップリング110の下側係止突起110aをベアリング押え51の脱着用凹部51dに位置させるとともに、第6カップリング110の上側係止突起110bを連結部材112の脱着用凹部112aに位置させる。この状態で上側分割搬送支持軸7Aを上昇操作すると、連結部材112の脱着用凹部112aから第6カップリング110の上側係止突起110bが抜け出すと同時に、上側分割回転伝動軸8Aの小径軸部8kが第7カップリング114の上側連結筒部114Aから抜け出し、上側分割搬送支持軸7Aの第2連結筒軸32と下側分割搬送支持軸7Bの第3連結筒軸46との連結が解除される。
尚、その他の構成は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0122】
〔その他の実施形態〕
(1) 上述の第1実施形態では、前記搬送支持軸7を、二つの分割搬送支持軸7A,7Bに二分割したが、三つ以上に分割してもよい。
この場合、最上位及び最下位の分割搬送支持軸を除く少なくとも中間に位置する分割搬送支持軸に、当該分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている部材(分割本数によっては、他の分割搬送支持軸と、切断除去管部1Aを保持する切断装置Aの荷重が加わる)を支持させるための荷重受止め手段Cを脱着自在に設けることになる。
尚、全ての分割搬送支持軸に、荷重受止め手段Cを脱着自在に設けるための取付け手段を設けてもよい。
また、前記搬送支持軸7が三つ以上に分割された場合には、前記回転伝動軸8も、前記各分割搬送支持軸毎に相対回転自在に挿通支持される寸法で三つ以上に分割することになる。
【0123】
(2)上述の第1実施形態では、前記荷重受止め手段Cの分割構造の支持アーム81Aを、前記分割搬送支持軸7Bに対して径方向外方から係合状態で固定するように構成したが、この分割構造の支持アーム81Aを、前記分割搬送支持軸7Bに対して径方向外方から挾持状態で固定してもよい。
【0124】
(3)上述の第1実施形態では、前記搬送支持軸7内に、電動モータ16の駆動力を切断装置Aの入力軸23に伝達する回転伝動軸8を挿通したが、前記切断装置A自体にハウジングHの外部から操作可能な駆動源が設けられている場合には、前記搬送支持軸7の複数の分割搬送支持軸からのみ構成することになる。
【符号の説明】
【0125】
A 切断装置
C 荷重受止め手段
H ハウジング
S1 下側作業空間
S2 上側作業空間
V 作業用開閉弁(作業用仕切弁)
1 既設管(既設水道管)
1A 切断除去予定管部(切断除去管部)
1B 切断残置予定管部(切断残置管部)
4A 上側開口部
6 蓋体
7 搬送支持軸
7A 分割搬送支持軸(上側分割搬送支持軸)
7B 分割搬送支持軸(下側分割搬送支持軸)
8 回転伝動軸
8A 分割回転伝動軸(上側分割回転伝動軸)
8B 分割回転伝動軸(下側分割回転伝動軸)
81C 係合手段(支持アーム)
81b 係止部(係止孔)
86 弁体
86A 載置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設管の切断除去予定管部に装着された切断装置を含む切断作業領域を、内部空間を下側作業空間と上側作業空間とに仕切ることが可能な作業用開閉弁と、切断除去管部を有する切断装置を外部に取り出し可能な上側開口部を密閉する脱着可能な蓋体とを備えたハウジングで密封し、前記切断装置に脱着可能に連結された搬送支持軸を前記蓋体に貫通支持させた状態で前記切断装置にて既設管の切断除去予定管部を切断除去するように構成されている既設管用切断除去設備であって、
前記搬送支持軸が、脱着可能な状態で連結された複数本の分割搬送支持軸から構成されている既設管用切断除去設備。
【請求項2】
前記搬送支持軸の複数本の分割搬送支持軸のうち、少なくとも最上位から二番目又は少なくとも中間に位置する分割搬送支持軸には、当該分割搬送支持軸とこれの下部側に連結されている部材の荷重を支持させるための荷重受止め手段が脱着自在に設けられている請求項1記載の既設管用切断除去設備。
【請求項3】
前記荷重受止め手段には、前記蓋体の外面側に対して上方から係合可能な係合手段が設けられている請求項2記載の既設管用切断除去設備。
【請求項4】
前記荷重受止め手段が、前記分割搬送支持軸に対して径方向外方から固定される分割構造の筒状体の周方向複数箇所に、前記蓋体の外面側に上方から係合可能な前記係合手段を径方向外方に突設して構成されている請求項3記載の既設管用切断除去設備。
【請求項5】
前記荷重受止め手段には、当該荷重受止め手段が設けられる分割搬送支持軸及びこれの下部側に連結されている部材を上昇搬送するための係止部が設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の既設管用切断除去設備。
【請求項6】
前記搬送支持軸内には、前記切断装置を駆動するための回転伝動軸が相対回転自在に挿通支持されているとともに、前記回転伝動軸が、前記各分割搬送支持軸毎に相対回転自在に支持される複数本の分割回転伝動軸から構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の既設管用切断除去設備。
【請求項7】
前記作業用開閉弁の閉弁状態にある弁体の上面に、前記搬送支持軸で上側作業空間に上昇搬送された切断装置を載置支持可能な載置部が構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の既設管用切断除去設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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