説明

日光による損傷の計測値を得るための方法及び装置

【課題】機能モジュールを用いて日光による皮膚損傷を計測する。
【解決手段】 ヒト皮膚の第一及び第二の領域の画像が得られ(S1、S3)、画像中、該ヒト皮膚の第一及び第二の領域の一つは、通常は太陽光線に暴露しない皮膚領域を有する。次に、画像を得た皮膚領域において、少なくとも一つの発色団の密度及び分布を測定するために画像は処理される(S2、S4)。次に、画像を得た前記皮膚領域中の発色団の密度及び分布の測定結果を用いて、皮膚損傷の相対的計測値を計算する(S5)。計算した皮膚領域の計測値は、同じ皮膚領域の発色団の分布に関して測定した共分散に基づいていると考えられる。暴露する皮膚領域と暴露しない皮膚領域の計測値の違いによって、日光による損傷の相対的な計測値が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚損傷の計測値を得るための方法に関する。本発明の実施形態は、主に日光暴露によって生じたと考えられる皮膚損傷の計測値を得ることに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の皮膚の外観は、発色団として知られる3種類の光吸収分子であるメラニン、ヘモグロビン、コラーゲンの密度と分布によって主に決められる。メラニンは皮膚を茶色にし、ヘモグロビンは赤/ピンクにし、コラーゲンは皮膚内部で反射される光の量に影響を与える。皮膚が古くなると、皮膚内部のメラニン、ヘモグロビン、コラーゲンの分布に斑が生じて、皮膚の外観に変化が生じてくる。
【0003】
皮膚試料の相対的な外観を分類することは有益であると考えられる。従来技術では、この目的を達成するために、何らかの方法によってランク付けされた皮膚試料画像のデータベースを備えたシステムがある。ヒト皮膚を試料として使用し、データベースと比較する。その後、データベース内の皮膚試料で、試料として使用した領域と外観が最もよく似ているものの外観のランクを示すスコアを出力する。こうして得られた皮膚のスコアは、例えば、皮膚試料の見た目年齢を判断するために利用することができる。また、化粧品の存在下及び非存在下における皮膚試料のスコアを比較することで、化粧品の有効性を判断することができる。
【0004】
既存の皮膚損傷計測システムについては、様々な皮膚試料の外観を含んだ代表的なデータベースを入手しなければならないことが問題であった。データベースが小規模であると、皮膚を正確に計測することはできない。大規模なデータベースであっても、データベース内の皮膚試料が、母集団全体と比較し、どの程度代表的なものであるのかが懸念されていた。こうした理由のために、代用となるシステムが求められている。
【特許文献1】米国出願第09/314751号
【特許文献2】米国出願第09/760387号
【特許文献3】米国出願第10/521638号
【特許文献4】米国出願第10/523158号
【特許文献5】米国特許第6324417号
【発明の開示】
【発明の効果】
【0005】
本発明の一態様によると、日光による損傷の計測値を得るための請求項1に記載の方法が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によると、日光による損傷の計測値を得るための請求項14に記載の装置が提供される。添付図面を参照することで、本発明のその他の態様は明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
具体的な実施形態
図1は、本発明の一実施形態を示す概略ブロック図である。この実施形態によれば、光源3によって照射されたヒト皮膚2の領域の画像を得るために配置されたデジタルカメラ1が提供される。この実施形態において、デジタルカメラ1は、試料として使用した皮膚領域の赤色、緑色、青色並びに赤外線画像を得ることができるデジタルカメラ部を有する。デジタルカメラ1により得られた画像は、ディスク5に設けられたソフトウェア、又は通信ネットワークを通じて電気信号6を受信することによるソフトウェアのいずれかによってデジタルカメラ1から受信した赤色、緑色、青色並びに赤外線画像データを処理することができる幾つかの機能モジュール10、12、14を構成するコンピューター4に送信され、作成された出力画像は表示部20に表示される。
【実施例1】
【0008】
本実施形態において、機能モジュール10、12、14は、デジタルカメラ1から得られた赤色、緑色、青色並びに赤外線画像データを発色団分布データに変換し、データストア12に蓄積する処理モジュール10、及び同一人物から2つの皮膚領域のデータを試料として使用して蓄積した際に、皮膚損傷スコアを生成するために、データストア12に蓄積された発色団分布データを処理するために配置されたスコア計算モジュール14を有する。次に、このスコア及び蓄積した発色団分布画像は、表示部20に伝送され、使用者に向けて表示される。
【0009】
光と皮膚との接触
コンピューター4の処理モジュール10の詳細な処理及びスコア計算モジュール14について説明する前に、図2を参照しながら皮膚の物理的構造及び光と皮膚との接触に関して簡単に説明する。
【0010】
図2に示す通り、皮膚は、外側にある角質層50、表皮52、及び皮膚に供給される血液が流れる血管55を含む真皮乳頭層54と真皮網状層56に分けられる真皮から成る層構造を備えている。
【0011】
皮膚に光が入射する際、そのほとんどが外側の角質層50と接触する際に即座に反射される。しかし、入射光の一部は外側の角質層50を通過して、更に進行して表皮52並びに真皮乳頭層54の構成成分と接触する。
【0012】
表皮52及び真皮乳頭層54を通過する際、光は皮膚の中に存在する種々の発色団に吸収される。真皮乳頭層54内の血管55の血液に存在するヘモグロビン、表皮52内のメラニン細胞57によって生成される色素であるメラニン、皮膚層全域に存在する繊維性物質であるコラーゲン等が最も代表的な発色団である。入射光が真皮網状層56に達する時点までには、光の散乱がかなり進行するため、真皮網状層56は全く光を反射しないと考えられる。
【0013】
表皮52内及び真皮乳頭層54に存在する発色団が様々な波長を吸収する以外にも、とりわけコラーゲン58といった皮膚内にある特定の構造が入射光を反射させる。それゆえ、角質層50によって即座に反射された光と、表皮52及び真皮乳頭層54に存在する発色団と接触して放出された光が混ざり合ったものが皮膚の外観となると考えられる。
【0014】
表皮52及び真皮乳頭層54中の発色団の密度と分布の計測値を得るためには、角質層50による直接的な光の反射の影響を除外する必要がある。こうすることで、表皮52及び真皮乳頭層54中の発色団と接触して放出される光を計測することができる。
【0015】
再び図1を参照する。この実施形態において、デジタルカメラ1のレンズの前には第一の偏光フィルター22が設けられ、光源3の前には、第一の偏光フィルター22と交差偏光を生じる第二の偏光フィルター24が設けられている。光とコラーゲンとの接触には、光の偏光を損失させること等があるので、これら第一及び第二の偏光フィルター22、24を設けることで、光源3から放たれて、第二の偏光フィルター24を通過し、角質層50に反射されて皮膚のその他の層とは接触しない光は、第一の偏光フィルター22によって除去される。その結果、デジタルカメラ1によって得られた画像データには、ヒト皮膚の表皮52並びに真皮乳頭層54の構造と接触する光のみが表される。
【実施例2】
【0016】
皮膚損傷の計測値を得るための処理
本発明の一実施形態に基づく方法のフロー図である図3を参照する。始め(S1)に、デジタルカメラ1によって、光源3によって照射されているヒト皮膚2の第一の領域の画像が得られる。
【0017】
この実施形態において、デジタルカメラ1によって作成された画像データは、広範囲な画素を得るために0から255の赤色、緑色、青色並びに赤外線の数値を有し、この範囲において、赤色、緑色、青色並びに赤外線の数値は、各画素がそれぞれ赤色、緑色、青色並びに赤外線として現れてくる画像に関して、デジタルカメラ1のフォトレセプターが受ける光の程度を示す。それ故に、例えば、冷たく光る純黒色の画素では赤色、緑色、青色並びに赤外線の数値が0、0、0、0となり、放熱しているような鮮やかな純白色をした画素は、数値が255、255、255、255となる。
【0018】
本発明のこの態様において、試料として使用するヒト皮膚2の第一の領域は、通常は太陽光線に暴露しない領域である。それ故に、低暴露の皮膚領域の試料として適している部位は、人間の内腕の皮膚領域と言える。
【0019】
デジタルカメラ1によって得られた第一の皮膚領域の画像は、処理モジュール10に移され、そこで赤色、緑色、青色並びに赤外線画像データを画素毎で発色団分布データに変換する(S2)。処理モジュール10は、画像中において一定の皮膚領域で特定の外観を生じさせる種々の発色団の見掛け上の密度を画素毎で識別する。赤色、緑色、青色並びに赤外線の数値から発色団の計測値を得るために行われる処理は、本願出願人の先願である特許文献1〜5で論じられたようなものである。
【0020】
この実施形態において、処理モジュール10は、赤色、緑色、青色並びに赤外線画像データを処理して3つの発色団分布データを作成するためのものである。第一の発色団分布データは、試料として使用された皮膚領域における血液の分布と濃度を示す画像である。第二の発色団分布データは、試料として使用された皮膚領域におけるメラニンの分布と密度を示す画像であり、第三の発色団分布データは、試料として使用された皮膚領域におけるコラーゲンの密度と分布を示す画像である。
【0021】
第一の皮膚領域における発色団の計測値を得た後には、デジタルカメラ1を用いて第二の皮膚領域を表す第二の画像(S3)が得られる。第一の皮膚領域とは反対に、第二の皮膚領域としては、太陽光線への暴露の度合いが高い領域を選択する(例:顔面の一部)。この第二の画像は、発色団分布データを更に作成するために、以前説明したものと似た方法で処理される(S4)。作成された発色団分布データは、血液、メラニン並びにコラーゲンの分布を識別し、同様にデータストア12に蓄積される。
【0022】
この段階では、6つの発色団データがデータストア12に蓄積される。これらの発色団データは、通常は暴露しない皮膚と血液の領域である第一の皮膚領域における血液、メラニン、コラーゲンの分布データ、及び暴露する第二の皮膚領域における血液、メラニン、コラーゲンの分布データから成る。各々の発色団分布データは、画像の画素が0から255の数値で表される皮膚試料のモノクロ画像から成り、画像中、低い数値で表される画素は、発色団の密度が高いことを示し、高い数値で表される画素は発色団の密度が低いことを示す。
【0023】
以下で説明するように、次にスコア計算モジュール14(S5)は、この蓄積されたデータを処理して皮膚損傷の計測を行う。
【0024】
この実施形態において、計算された皮膚損傷のスコアは、皮膚試料内部における発色団分布の相対的な異常を示す数値である。通常、新しい皮膚において、発色団は皮膚内部に比較的均一に分布している。通例として太陽光線への暴露によって皮膚が古くなると、発色団の分布に異常が増えてくる。内腕の皮膚領域を例とする、通常では太陽光線に暴露しない皮膚領域ではこの過程は比較的ゆっくりと発生するため、通常では太陽光線に暴露しない皮膚領域と、太陽光線への暴露の度合いが高い領域を比較することで皮膚損傷の数値を得ることができる。
【0025】
この実施形態において、暴露する皮膚領域における発色団分布の共分散の計測値(covariance measure)の和と比較した暴露しない皮膚領域における発色団分布の共分散の計測値の和に基づいた数値を計算することで、数値の取得は達成される。
【0026】
すなわち、各々の皮膚試料に対して、以下の計測値を計算する。

式中、Abs()は絶対値関数で、Std()は標準偏差関数で、Mean()は平均値関数で、Blood、Melanin、Collagenは、試料として使用した皮膚領域における血液、メラニン、コラーゲンのそれぞれの発色団分布画像データである。
【0027】
通常、血管の共分散は太陽光線への暴露に伴い増加するため、血液中には正の共分散が生じる。例えば色素が脱失した領域の画像が映し出される場合、メラニンの共分散が負になることがある。通常そのような領域は、特発性滴状色素減少症(Guttate Idiopathic Hypomelanosis)と呼ばれるそばかすとは真逆の症状である。こうした負の共分散でも損傷を示し、正の共分散と考えるべきであるため、好適には、絶対的な正の共分散の値は、損傷の計測値を計算する際に定められて使用される。それ故に、共分散の和を計算する際には、計算した発色団分布の共分散の絶対値の和を測定するのが好適である。
【0028】
2つの試料領域において2つの計測値を用いることで、最終的に、相対的な皮膚損傷計測値を計算することができる。それ故に、暴露する皮膚領域の皮膚損傷の計測値は、暴露する皮膚試料と暴露しない皮膚試料に関して計算した共分散の計測値との差を用いて測定することができる。異なる発色団の分布を示す画像データ、及び数値又はスライダー等の形式で画面に表示される皮膚損傷値を作成して表示部20に送ることができる。
【0029】
更なる実施形態及び変形
上記のシステムにおいて、皮膚損傷の計測値を、3種類の発色団の分布及び密度の共分散を計算した結果に基づいて説明してきたが、他の種類数の発色団に基づく計測値も使用できることを理解されたい。
【0030】
特に、血液及びメラニンの分布のみに基づいた共分散の計算結果も利用できることを理解されたい。このような計測値の利点は、皮膚の計測値を計算する際に、照明及び皮膚表面の外面的形態による変化を取り除くために計測機とヒト皮膚を直に接触させなくても画像を処理できることである。また、上記の実施形態で説明した赤色、緑色、青色並びに赤外線画像の代わりに、従来の赤色、緑色、青色の画像データを処理することでも血液及びメラニンの計測値を得ることができる。それ故に、赤色、緑色、青色並びに赤外線画像を得るために配置したカメラの代わりに、従来のカラーデジタルカメラを使用しても皮膚試料の画像を得ることができる。
【0031】
また、出力された皮膚損傷の計測値を計算するために異なる関数を使用できることを理解されたい。それ故に、例えば、異なる発色団の共分散の相対的な影響を増加又は低下させために、種々の発色団の共分散に因る計測値への影響を測定することもできる。
【0032】
更に、実際には皮膚試料を表していない共分散を避けるためには、種々の前処理工程を行うこともできる。それ故に、例えば、画像全体に関して測定した平均値及び標準偏差を利用する代わりに共分散を計算する際には、例えば皮膚試料を表していない可能性がある画像の端部領域を避けるために、画像中の選択された部分を利用することもできる。更に、画像の平均値が非常に低い場合の歪み効果を避けるために、計算した平均値が一定の限界値を下回る画像の場合、共分散値を計算する際、平均値の代わりに、最小値をあらかじめ決定し利用することもできる。
【0033】
表示するスコアを計算する際、測定されるスコアは、最大値と最小値の間の値となってもよく、最大値と最小値は計算した皮膚試料の最大値及び最小値を表す。
【0034】
図面を参照して説明した本発明の実施形態は、コンピューター装置及びコンピューター装置内で行われる処理を有するが、本発明はコンピュータープログラム、特に、本発明を実施するようになされた担体上又は担体内のコンピュータープログラムに関する。コンピュータープログラムは、ソースコード又はオブジェクトコードの形式、又は本発明の処理を実行する際の使用に適した他の如何なる形式でよい。担体は、プログラムを媒介することができる如何なる実体又は装置でよい。
【0035】
担体は、例えば、CD−ROM又は半導体ROMといったROM等の記憶媒体、又は、フロッピーディスク(登録商標)又はハードディスクを例とした磁気記録媒体を有することが可能である。更に、担体は、ケーブル又は光ケーブルを介する、もしくは無線又はその他の手段によって搬送される電気信号又は光信号といった伝送可能な担体であってよい。
【0036】
プログラムがケーブル又はその他の装置又は手段によって直接的に搬送が可能な信号に組み込まれる場合、担体は、このようなケーブル又はその他の装置又は手段によって構成されることが可能である。
【0037】
担体は、あるいはプログラムが組み込まれた集積回路であってもよく、集積回路は関連する処理を行う又は行う際に使用されるようになされている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】は、本発明の一実施形態に基づく装置の概略ブロック図である。
【図2】は、皮膚の構造及び、構造が入射光と接触する様子を示した皮膚層の概略横断面図である。
【図3】は、本発明の一実施形態に基づく皮膚損傷の計測方法のフロー図である。
【符号の説明】
【0039】
1 デジタルカメラ
2 ヒト皮膚
3 光源
4 コンピューター
5 ディスク
6 電気信号
10 処理モジュール
12 データストア
14 スコア計算モジュール
20 表示部
22 第一の偏光フィルター
24 第二の偏光フィルター
50 角質層
52 表皮
54 真皮乳頭層
55 血管
56 真皮網状層
57 メラニン細胞
58 コラーゲン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日光による損傷の計測値を得るための方法において、
一方の領域が通常は太陽光線に暴露しないヒト皮膚の領域であるヒト皮膚の第一及び第二の領域の画像を得ること(S1、S3)と、
該ヒト皮膚の該第一及び第二の領域における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布を測定して測定結果を得るために前記画像を処理すること(S2、S4)と、
皮膚損傷の相対的計測値を得るために、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における発色団の密度及び分布の前記測定結果を処理(S5)することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
皮膚損傷の相対的計測値を得るために、ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における発色団の密度及び分布の前記測定結果を処理することが、
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域中における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布の共分散の計測値を計算することと、
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布に関して計算した前記共分散を利用して皮膚損傷の相対的計測値を得ることとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
共分散の計測値の計算が、画像を得て選択した皮膚の領域における発色団の密度の標準偏差を、前記一又は複数の種類の発色団の平均密度で割って測定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
共分散の計測値の計算が、
前記一又は複数の種類の発色団の平均密度が閾値を下回るか否かを測定することと、
発色団の前記平均密度が前記閾値を上回る場合には、画像を得て選択した皮膚の領域における発色団の密度の標準偏差を、前記発色団の平均密度で割って測定することと、
前記平均密度が前記閾値を下回る場合には、画像を得て選択した前記皮膚の領域における発色団の密度の標準偏差を、所定の値で割って測定することとを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
計算した前記共分散を利用することが、
皮膚の領域における損傷の計測値を得るために、皮膚の領域に関して計算した前記共分散を合計することと、
通常は太陽光線に暴露しない前記ヒト皮膚の前記領域における損傷の計測値に相対的な皮膚損傷計測値を得るために、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域に関して得られた損傷計測値を利用することを含むことを特徴とし、
前記一又は複数の種類の発色団が複数の発色団を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
計算した前記共分散を合計することが、各々がスケールファクターによって測定された前記共分散を合計することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
計算した前記共分散を合計することが、前記共分散の絶対値を合計することを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
得られた前記相対的な皮膚損傷計測値を出力することを更に含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
得られた前記相対的な皮膚損傷計測値を出力することが、得られた前記相対的な皮膚損傷計測値を指し示すスライダーを含む表示を作成して出力することを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
作成した前記表示が、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域の少なくとも一つにおける一又は複数の種類の発色団の密度及び分布の前記測定結果を表すことを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記一又は複数の種類の発色団がヘモグロビンを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記一又は複数の種類の発色団がメラニンを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記一又は複数の種類の発色団がコラーゲンを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
日光による損傷の計測値を得るための装置において、
ヒト皮膚の第一及び第二の領域の画像を得るための平均値であって、該ヒト皮膚の該第一及び第二の領域の一方の領域が通常は太陽光線に暴露しない領域を含むことを特徴とする平均値(1、22)と、
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布を測定するために、得られた画像を処理するための平均値(10)と、
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における発色団の密度及び分布の測定結果に基づいた皮膚損傷の相対的計測値を得るための平均値(14)とを含むことを特徴とする装置。
【請求項15】
皮膚損傷の相対的計測値を得るための前記平均値が、
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布の測定結果の共分散の計測値を計算することと、
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布に関して計算した共分散を利用して皮膚損傷の相対的計測値を得ることが可能であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
共分散の計測値の計算が、画像を得て選択した皮膚の領域における発色団の密度の標準偏差を、前記一又は複数の種類の発色団の平均密度で割って測定することを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
共分散の計測値の計算が、
前記一又は複数の種類の発色団の平均密度が閾値を下回るか否かを測定することと、
発色団の前記平均密度が前記閾値を上回る場合には、画像を得て選択した皮膚の領域における発色団の密度の標準偏差を、前記発色団の平均密度で割って測定することと、
前記平均密度が前記閾値を下回る場合には、画像を得て選択した前記皮膚の領域における発色団の密度の標準偏差を、所定の値で割って測定することとを含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域における一又は複数の種類の発色団の密度及び分布を測定するために、得られた画像を処理するための平均値(10)が、複数の発色団の密度及び分布を測定可能であることと、
相対的な皮膚損傷計測値を得るための前記平均値が、
皮膚領域の損傷計測値を得るために複数の発色団に関して計算した共分散を合計することと、
通常は太陽光線に暴露しない前記ヒト皮膚の領域の損傷計測値に相対的な皮膚損傷計測値を得るために、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域に関して得られた損傷計測値を利用することとが可能であることを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
計算した前記共分散を合計することが、各々がスケールファクターによって測定された共分散を合計することを含むことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
計算した前記共分散を合計することが、前記共分散の絶対値を合計することを含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
得られた前記相対的な皮膚損傷計測値を出力するための平均値を更に含むことを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
得られた前記相対的な皮膚損傷計測値を出力する前記平均値が、得られた前記相対的な皮膚損傷計測値を指し示すスライダーを含む表示を作成して出力することが可能であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
作成した前記表示が、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域の少なくとも一つにおける一又は複数の種類の発色団の密度及び分布の前記測定結果を表すことを含むことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
処理を行うための前記平均値(10)が、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域におけるヘモグロビンの密度及び分布を測定可能であることを特徴とする請求項14〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
処理を行うための前記平均値(10)が、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域におけるメラニンの密度及び分布を測定可能であることを特徴とする請求項14〜24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
処理を行うための前記平均値(10)が、前記ヒト皮膚の前記第一及び第二の領域におけるコラーゲンの密度及び分布を測定可能であることを特徴とする請求項14〜25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
プログラム可能なコンピューターに、請求項1〜13に記載の方法を実行させることが可能なコンピューター実装可能命令を蓄積する記憶媒体。
【請求項28】
コンピューターディスクを含むことを特徴とする請求項27に記載の記憶媒体。
【請求項29】
通信ネットワーク内の電気信号を含むことを特徴とする請求項27に記載の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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