日除け用遮蔽装置
【課題】夏期に、日除け対策を必要とする施設の温度上昇を、着脱容易な遮蔽装置で防止する。
【解決手段】日除け施設を覆う遮蔽体1と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具4を備え、前記固定具は前記遮蔽体の中央部に設けられた事により、日射しによって施設の内部の温度上昇を防止すると共に、風力によって遮蔽体周辺があおられて遮蔽体と施設との間の空気が冷却されるものである。
【解決手段】日除け施設を覆う遮蔽体1と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具4を備え、前記固定具は前記遮蔽体の中央部に設けられた事により、日射しによって施設の内部の温度上昇を防止すると共に、風力によって遮蔽体周辺があおられて遮蔽体と施設との間の空気が冷却されるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夏期における日除けを必要とする施設においての高温化防止対策を、着脱容易な遮蔽装置を以て提供する。
【背景技術】
【0002】
夏期に日除け対策を必要とする施設の代表的なものは、屋外駐車時の自動車であるが現状はその対策として、車内側よりフロントガラス内側に取り付けるサンシェードが最も広く利用されている。しかしながら、フロントダッシュボードやハンドルの高温化は多少防げるが、車内温度の高温化防止の効果は、あまり得られていない。
【0003】
この様な状況の打開策として特許文献1及び2の考案や発明がなされている。特許文献1では日除け施設や自動車を反射シートで覆い、複数のホルダーで前記反射シートを止める事が記されている。
【0004】
特許文献2では、自動車の屋根の上面に上下方向に通気性を有する遮熱盤を、小空隙を保って張設固定する考案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3076773号
【特許文献2】特許公開平3−82644
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した先行技術は日除け施設や車体と、各装置との間の通風性が十分とは言えず熱がこもり、施設や車内温度の上昇防止対策として不十分であった。
【0007】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、その目的は通風によって冷却することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成する為に、日除け施設を覆う遮蔽体と前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記固定具は前記遮蔽体の中央部に設けられた事により、風力によって遮蔽体周辺があおられて冷却されるものである。
【0009】
又、日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記遮蔽体に通風孔が設けられ、前記通風孔は遮蔽体に対して斜め方向に貫通している事により、日光が直接日除け施設を照射しないようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
遮蔽体を、中央部に設けられた固定具により固定する事で、風によって中央部以外の部分があおられて通風性が高くなって冷却効果が高く且つ、着脱が極めて容易となる。
【0011】
遮蔽体に通風孔を斜め方向に貫通して設ける事によって、直射日光が通風孔を通して日除け施設に照射される事を防止しながら、通風性を高める事が出来る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
日除け施設の代表である、夏期の屋外駐車時の自動車への利用を想定して説明をし、最後に建築物への利用についての説明をする。本発明の実施例を図1に示す。図1(a)(b)は同じものを表側(a)からと裏側(b)から見た図であって、符号1は、厚みが5mm〜10mm位の柔軟性のあるスポンジ系などの弾性を有する断熱材の表面に遮熱シートや遮光シート等を貼り付けた遮蔽体である。この裏側に符号4で示す固定具を一体化させる。固定具4の表面には4a・4b等の吸盤を設ける。この固定具4の材料はビニールの吸盤シート等の万が一、外れて飛んで行って物に当たっても傷を与えない位の、あまり強固なものでない材料が好ましい。磁石を利用する場合でもビニール等の柔らかい材料に埋め込むか、カバーする事が望ましい。又、固定具4の形状は四角形でも円形でも良いが、一か所のみの固定具4で遮蔽体1の支持と車体への固定を行う場合においては、必ず遮蔽体の中央部付近に固定具4を配置するようにする。これは、固定具4の周辺を通風により均等に冷却するためと、強風時には固定具4を車体から引き剥がそうとする力を均等に分担させるためである。固定具は実施例では複数個設けているが、大きな固定具を1個又は数個設けてもよい。図2(a)(b)(c)には、図1の遮蔽装置を車体に固定した状態を横から見た図を示した。図2(a)は無風状態を示した図であり、(b)は、弱い風が吹いている状態を示し、(c)は強風時の状態を示したもので、それぞれ遮蔽体1が風にあおられている様子を表している。図3・図4には、さらに本発明による遮蔽装置の他の例を示す。図3は縦中心軸Aの近傍に固定具4を設けた例であり、図4は横中心軸Bの近傍に固定具4を設けた例である。同様の考え方で、固定具4を複数配置する場合において、遮蔽体1の縦中心軸付近、又は横中心軸付近にするようにしたものである。その例の一部を図5・図6で示す。図5は、縦中心軸Aの近傍に2列に固定具4を配置したものであり、図6は縦中心軸Aの近傍に固定具4を、間隔を置きながら配置したものである。
【0013】
先行文献1で示されるような、シートの両端を多数の吸盤で固定する場合はシートが袋状になってしまい強風時には、かえって吸盤を引き剥がす力を強めてしまう。又、仮に
シート両端を合計10個の吸盤で間隔を開けて固定した場合、風は瞬間的には一方向から吹いてくるので、場合によっては1個の吸盤だけで風に対応しなくてはならない状況が想定される。風の力が1個の吸盤の固定力を上回れば外れる事になる。1個吸盤が外れると全体の固定力が低下するので、次から次へと吸盤が外れる結果となる。本発明をこの例と比較して説明するなら、10個の吸盤を一か所に集中させ一体化させて吸盤シート状にする事によって、四方八方どこから吹く風に対しても常に吸盤10個の固定力で対応する上に、それを中央に配置する事によって吸盤を引き剥がそうとする力を均等に分散して逃がす事が出来るので、装置を紐で固定したりする作業を必要としない。故に本発明の目的である通風による冷却を達成する事の他に、着脱を極めて簡単にも出来る。
【0014】
図7(a)(b)は、同じものを表側(a)からと裏側(b)から見た図であって、本発明のほかの実施例である。図1(a)(b)の遮蔽体に符号7で示す折れ目を付加したものである。折れ目により遮蔽体1の屈曲を容易にする事によって、遮蔽体1が風にあおられて動きやすくなる事で冷却度を高める事と、強風時の固定具4を引き剥がそうとする力を軽減させるものである。図7の表側(a)の折れ目7は、遮蔽体1の端部1a〜1dが図に向かって表側に折れ曲がりやすいように折れ目を設ける。この折れ目は、切断されない程度の切れ目を入れる事や、ミシン目の様な部分的に貫通する孔を設ける事によって行う事が出来る。
【0015】
図8(a)(b)は、同じものを表側(a)からと裏側(b)から見た図であって、本発明の他の実施例である。図1(a)(b)の遮蔽体1に符号5で示す切れ目を付加したものである。切れ目5は3mm程度の幅がある事が好ましい。この切れ目5は、風の無い状態でも車体の熱を発散させる事が目的となるが、遮蔽体1の厚みに対して垂直に切れ目5を入れると、直射日光が切れ目5を通して車体に照射される事になるので、斜めに入れる事が大切である。切れ目の入れ方の例を図9(a)と(b)で示す。この切れ目5のもう一つの目的は、強風時に固定具4を引き剥がそうとする風を、遮蔽体1の裏側から表に逃がす事にある。又、図8(a)(b)の遮蔽体1においては、切れ目5は遮蔽体1の先端部分ではなく固定具4付近に入れる方が固定具4を車体から引き剥がす力を弱める事が出来る。固定具4を複数配置する場合は、その都度最も効果のある場所に開ける事が必要である。切れ目5を入れる事によって、風が遮蔽体1の裏側から表に貫通している様子を図10(a)と(b)で示した。風が吹く事によって、切れ目5の部分での間隔が拡がって通気性が良くなる事を表している。尚、図11は本発明の他の実施例で、切れ目を固定具4から遮蔽体1の先端まで長く入れ、遮蔽体を分割し且つ、段違いにしている。
【0016】
図12(a)は、本発明の他の実施例である。符号6は遮蔽体1に設けられた貫通孔である。前述の切れ目5と同様に、通風と熱の発散はするが直射日光を避ける為に斜めに孔を開けている、その他「くの字」に折れ曲がった孔を開けるのも良い。さらに、固定具4を引き剥がそうとする遮蔽体1の裏側からの風の貫通を容易にするために、孔の直径が遮蔽体1の裏側よりも表側が大きくなるようにすることが好ましい。図12(b)で孔の開け方の1例を示す。孔を開ける場合も、固定具4を引き剥がそうとする力の軽減に配慮する事が大切で、図12(a)においては遮蔽体1先端部よりも固定具4周辺に多く開ける事が好ましい。
【0017】
遮蔽体1のサイズであるが、これを決める為に自動車の屋根部分の広さと、フロントガラスの大きさを車種別に計測した。
【0018】
普通乗用車(2000CCクラス)の屋根部分の広さは、W120cm×L160cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L150cm位である。
【0019】
普通乗用車(1500CCクラス)の屋根部分の広さは、W120cm×L150cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L140cm位である。
【0020】
軽自動車の屋根部分の広さは、W120cm×L160cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L120cm位である。
【0021】
ワゴンやワンボックスカーの屋根部分の広さは、W160cm×L300cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L160cm位である。
【0022】
以上の調査から、遮蔽体1は、W80cm×L80cmのものと、W60cm×L80cmの二つのパターンで、ほぼ全車種を賄う事が可能である。
【0023】
上述のサイズの図1で示す遮蔽装置を普通乗用車(2000CCクラス)のフロントガラスと屋根に、装着した状態を図14に示す。フロントガラスにはW80cm×L80cmのものを2枚使用し、屋根にはW60cm×L80cmのものを4枚使用した。尚、図13は遮蔽装置図1を自動車の屋根に固定した状態を、自動車前方から見た様子である。
【0024】
尚、何れの遮蔽装置も万が一、外れた時の紛失防止のために、固定具4から一方の端にストッパー3のついた紐2を出して、窓やドアーに挟むことが望ましい。この紐2を使用する際には、遮蔽体1が自由に風になびく事を妨げないように、紐2は必ず遮蔽体1の裏側を通る様にして装着する。又、バスやトラック等の大型車両のフロントガラスや屋根にこの遮蔽装置を装着する際には、脚立やはしごで上る必要があるが、取り外す際にはこの紐2を引っ張って取り外す事が出来る。取り外しを容易にするためには、固定具4を円形ではなく三角形や四角形とし紐2は固定具4の角に取り付ける事が好ましい。本発明による遮蔽装置は、自動車用としてだけではなく建築物等の断熱効果を上げる事にも利用できる。その際、建築物外部から使用する場合は、自動車用と同じもので良いが、建築物内部に使用する場合は、遮光シートや遮熱シートを自動車用の反対側つまり固定具4側に装備しなければならない。居室内から見える部分は、清涼感のある青色系とする事が好ましい。建築物の内側の窓ガラスに装着した状態を図15(a)(b)で示す。図15(a)は、遮蔽装置を窓ガラスに固定し、後方(室内側)より見た様子である。図15(b)は室内側の窓に遮蔽装置を固定した状態を横から見た様子である。図15(a)(b)の符号8の矢印で示すように、紐2を手前方向に引きながら斜め下方向に引くと取り外しが容易である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、自動車付属品を製造販売する産業で利用できる。又、建築物等の日除けを必要とする施設の断熱効果を上げて節電対策に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)本発明の実施例で、表側(車体と反対側)から見た図(b)本発明の実施例で、を裏側(車体に接する側)から見た図
【図2】図1の遮蔽装置を車体に固定して、横から見た様子 (a) 無風状態 (b) 弱い風に遮蔽体1があおられている様子 (c) 強風に遮蔽体1があおられている様子
【図3】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図4】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図5】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図6】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図7】(a)本発明の実施例で、表側(車体と反対側)から見た図(b)本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図8】(a)本発明の実施例で、表側(車体と反対側)から見た図 (b)本発明の実施例で、裏側(車体と接する側)から見た図
【図9】(a)図7の切れ目の入れ方の1例 (b)図7の切れ目の入れ方の他の1例
【図10】(a) 風が切れ目を通って、遮熱盤の裏から表に貫通している状態(b) 風が切れ目を通って、遮熱盤の裏から表に貫通している状態
【図11】本発明の実施例である。
【図12】(a)本発明の実施例である (b)孔の開け方の1例
【図13】図1の遮蔽装置を、自動車の屋根に装着した状態を前方より見た図
【図14】図1の遮蔽装置を、普通乗用車(2000CCクラス)のフロントガラスと屋 根部分に装着した図
【図15】図1の遮蔽装置を、建築物の内側の窓ガラスに装着した状態 (a) 後方(室内側)から遮蔽装置を見る (b) 横から遮蔽装置を見る
【符号の説明】
【0027】
1 遮蔽体
2 固定具取り外し用兼、紛失防止用紐
3 ストッパー
4 固定具(底部分に吸盤や磁石等の接着器具が付いている)
5 切れ目
6 孔
7 折れ目
8 矢印(引っ張る方向)
【技術分野】
【0001】
本発明は、夏期における日除けを必要とする施設においての高温化防止対策を、着脱容易な遮蔽装置を以て提供する。
【背景技術】
【0002】
夏期に日除け対策を必要とする施設の代表的なものは、屋外駐車時の自動車であるが現状はその対策として、車内側よりフロントガラス内側に取り付けるサンシェードが最も広く利用されている。しかしながら、フロントダッシュボードやハンドルの高温化は多少防げるが、車内温度の高温化防止の効果は、あまり得られていない。
【0003】
この様な状況の打開策として特許文献1及び2の考案や発明がなされている。特許文献1では日除け施設や自動車を反射シートで覆い、複数のホルダーで前記反射シートを止める事が記されている。
【0004】
特許文献2では、自動車の屋根の上面に上下方向に通気性を有する遮熱盤を、小空隙を保って張設固定する考案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3076773号
【特許文献2】特許公開平3−82644
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した先行技術は日除け施設や車体と、各装置との間の通風性が十分とは言えず熱がこもり、施設や車内温度の上昇防止対策として不十分であった。
【0007】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、その目的は通風によって冷却することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成する為に、日除け施設を覆う遮蔽体と前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記固定具は前記遮蔽体の中央部に設けられた事により、風力によって遮蔽体周辺があおられて冷却されるものである。
【0009】
又、日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記遮蔽体に通風孔が設けられ、前記通風孔は遮蔽体に対して斜め方向に貫通している事により、日光が直接日除け施設を照射しないようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
遮蔽体を、中央部に設けられた固定具により固定する事で、風によって中央部以外の部分があおられて通風性が高くなって冷却効果が高く且つ、着脱が極めて容易となる。
【0011】
遮蔽体に通風孔を斜め方向に貫通して設ける事によって、直射日光が通風孔を通して日除け施設に照射される事を防止しながら、通風性を高める事が出来る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
日除け施設の代表である、夏期の屋外駐車時の自動車への利用を想定して説明をし、最後に建築物への利用についての説明をする。本発明の実施例を図1に示す。図1(a)(b)は同じものを表側(a)からと裏側(b)から見た図であって、符号1は、厚みが5mm〜10mm位の柔軟性のあるスポンジ系などの弾性を有する断熱材の表面に遮熱シートや遮光シート等を貼り付けた遮蔽体である。この裏側に符号4で示す固定具を一体化させる。固定具4の表面には4a・4b等の吸盤を設ける。この固定具4の材料はビニールの吸盤シート等の万が一、外れて飛んで行って物に当たっても傷を与えない位の、あまり強固なものでない材料が好ましい。磁石を利用する場合でもビニール等の柔らかい材料に埋め込むか、カバーする事が望ましい。又、固定具4の形状は四角形でも円形でも良いが、一か所のみの固定具4で遮蔽体1の支持と車体への固定を行う場合においては、必ず遮蔽体の中央部付近に固定具4を配置するようにする。これは、固定具4の周辺を通風により均等に冷却するためと、強風時には固定具4を車体から引き剥がそうとする力を均等に分担させるためである。固定具は実施例では複数個設けているが、大きな固定具を1個又は数個設けてもよい。図2(a)(b)(c)には、図1の遮蔽装置を車体に固定した状態を横から見た図を示した。図2(a)は無風状態を示した図であり、(b)は、弱い風が吹いている状態を示し、(c)は強風時の状態を示したもので、それぞれ遮蔽体1が風にあおられている様子を表している。図3・図4には、さらに本発明による遮蔽装置の他の例を示す。図3は縦中心軸Aの近傍に固定具4を設けた例であり、図4は横中心軸Bの近傍に固定具4を設けた例である。同様の考え方で、固定具4を複数配置する場合において、遮蔽体1の縦中心軸付近、又は横中心軸付近にするようにしたものである。その例の一部を図5・図6で示す。図5は、縦中心軸Aの近傍に2列に固定具4を配置したものであり、図6は縦中心軸Aの近傍に固定具4を、間隔を置きながら配置したものである。
【0013】
先行文献1で示されるような、シートの両端を多数の吸盤で固定する場合はシートが袋状になってしまい強風時には、かえって吸盤を引き剥がす力を強めてしまう。又、仮に
シート両端を合計10個の吸盤で間隔を開けて固定した場合、風は瞬間的には一方向から吹いてくるので、場合によっては1個の吸盤だけで風に対応しなくてはならない状況が想定される。風の力が1個の吸盤の固定力を上回れば外れる事になる。1個吸盤が外れると全体の固定力が低下するので、次から次へと吸盤が外れる結果となる。本発明をこの例と比較して説明するなら、10個の吸盤を一か所に集中させ一体化させて吸盤シート状にする事によって、四方八方どこから吹く風に対しても常に吸盤10個の固定力で対応する上に、それを中央に配置する事によって吸盤を引き剥がそうとする力を均等に分散して逃がす事が出来るので、装置を紐で固定したりする作業を必要としない。故に本発明の目的である通風による冷却を達成する事の他に、着脱を極めて簡単にも出来る。
【0014】
図7(a)(b)は、同じものを表側(a)からと裏側(b)から見た図であって、本発明のほかの実施例である。図1(a)(b)の遮蔽体に符号7で示す折れ目を付加したものである。折れ目により遮蔽体1の屈曲を容易にする事によって、遮蔽体1が風にあおられて動きやすくなる事で冷却度を高める事と、強風時の固定具4を引き剥がそうとする力を軽減させるものである。図7の表側(a)の折れ目7は、遮蔽体1の端部1a〜1dが図に向かって表側に折れ曲がりやすいように折れ目を設ける。この折れ目は、切断されない程度の切れ目を入れる事や、ミシン目の様な部分的に貫通する孔を設ける事によって行う事が出来る。
【0015】
図8(a)(b)は、同じものを表側(a)からと裏側(b)から見た図であって、本発明の他の実施例である。図1(a)(b)の遮蔽体1に符号5で示す切れ目を付加したものである。切れ目5は3mm程度の幅がある事が好ましい。この切れ目5は、風の無い状態でも車体の熱を発散させる事が目的となるが、遮蔽体1の厚みに対して垂直に切れ目5を入れると、直射日光が切れ目5を通して車体に照射される事になるので、斜めに入れる事が大切である。切れ目の入れ方の例を図9(a)と(b)で示す。この切れ目5のもう一つの目的は、強風時に固定具4を引き剥がそうとする風を、遮蔽体1の裏側から表に逃がす事にある。又、図8(a)(b)の遮蔽体1においては、切れ目5は遮蔽体1の先端部分ではなく固定具4付近に入れる方が固定具4を車体から引き剥がす力を弱める事が出来る。固定具4を複数配置する場合は、その都度最も効果のある場所に開ける事が必要である。切れ目5を入れる事によって、風が遮蔽体1の裏側から表に貫通している様子を図10(a)と(b)で示した。風が吹く事によって、切れ目5の部分での間隔が拡がって通気性が良くなる事を表している。尚、図11は本発明の他の実施例で、切れ目を固定具4から遮蔽体1の先端まで長く入れ、遮蔽体を分割し且つ、段違いにしている。
【0016】
図12(a)は、本発明の他の実施例である。符号6は遮蔽体1に設けられた貫通孔である。前述の切れ目5と同様に、通風と熱の発散はするが直射日光を避ける為に斜めに孔を開けている、その他「くの字」に折れ曲がった孔を開けるのも良い。さらに、固定具4を引き剥がそうとする遮蔽体1の裏側からの風の貫通を容易にするために、孔の直径が遮蔽体1の裏側よりも表側が大きくなるようにすることが好ましい。図12(b)で孔の開け方の1例を示す。孔を開ける場合も、固定具4を引き剥がそうとする力の軽減に配慮する事が大切で、図12(a)においては遮蔽体1先端部よりも固定具4周辺に多く開ける事が好ましい。
【0017】
遮蔽体1のサイズであるが、これを決める為に自動車の屋根部分の広さと、フロントガラスの大きさを車種別に計測した。
【0018】
普通乗用車(2000CCクラス)の屋根部分の広さは、W120cm×L160cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L150cm位である。
【0019】
普通乗用車(1500CCクラス)の屋根部分の広さは、W120cm×L150cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L140cm位である。
【0020】
軽自動車の屋根部分の広さは、W120cm×L160cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L120cm位である。
【0021】
ワゴンやワンボックスカーの屋根部分の広さは、W160cm×L300cm位であり、フロントガラスは、W80cm×L160cm位である。
【0022】
以上の調査から、遮蔽体1は、W80cm×L80cmのものと、W60cm×L80cmの二つのパターンで、ほぼ全車種を賄う事が可能である。
【0023】
上述のサイズの図1で示す遮蔽装置を普通乗用車(2000CCクラス)のフロントガラスと屋根に、装着した状態を図14に示す。フロントガラスにはW80cm×L80cmのものを2枚使用し、屋根にはW60cm×L80cmのものを4枚使用した。尚、図13は遮蔽装置図1を自動車の屋根に固定した状態を、自動車前方から見た様子である。
【0024】
尚、何れの遮蔽装置も万が一、外れた時の紛失防止のために、固定具4から一方の端にストッパー3のついた紐2を出して、窓やドアーに挟むことが望ましい。この紐2を使用する際には、遮蔽体1が自由に風になびく事を妨げないように、紐2は必ず遮蔽体1の裏側を通る様にして装着する。又、バスやトラック等の大型車両のフロントガラスや屋根にこの遮蔽装置を装着する際には、脚立やはしごで上る必要があるが、取り外す際にはこの紐2を引っ張って取り外す事が出来る。取り外しを容易にするためには、固定具4を円形ではなく三角形や四角形とし紐2は固定具4の角に取り付ける事が好ましい。本発明による遮蔽装置は、自動車用としてだけではなく建築物等の断熱効果を上げる事にも利用できる。その際、建築物外部から使用する場合は、自動車用と同じもので良いが、建築物内部に使用する場合は、遮光シートや遮熱シートを自動車用の反対側つまり固定具4側に装備しなければならない。居室内から見える部分は、清涼感のある青色系とする事が好ましい。建築物の内側の窓ガラスに装着した状態を図15(a)(b)で示す。図15(a)は、遮蔽装置を窓ガラスに固定し、後方(室内側)より見た様子である。図15(b)は室内側の窓に遮蔽装置を固定した状態を横から見た様子である。図15(a)(b)の符号8の矢印で示すように、紐2を手前方向に引きながら斜め下方向に引くと取り外しが容易である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、自動車付属品を製造販売する産業で利用できる。又、建築物等の日除けを必要とする施設の断熱効果を上げて節電対策に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)本発明の実施例で、表側(車体と反対側)から見た図(b)本発明の実施例で、を裏側(車体に接する側)から見た図
【図2】図1の遮蔽装置を車体に固定して、横から見た様子 (a) 無風状態 (b) 弱い風に遮蔽体1があおられている様子 (c) 強風に遮蔽体1があおられている様子
【図3】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図4】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図5】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図6】本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図7】(a)本発明の実施例で、表側(車体と反対側)から見た図(b)本発明の実施例で、裏側(車体に接する側)から見た図
【図8】(a)本発明の実施例で、表側(車体と反対側)から見た図 (b)本発明の実施例で、裏側(車体と接する側)から見た図
【図9】(a)図7の切れ目の入れ方の1例 (b)図7の切れ目の入れ方の他の1例
【図10】(a) 風が切れ目を通って、遮熱盤の裏から表に貫通している状態(b) 風が切れ目を通って、遮熱盤の裏から表に貫通している状態
【図11】本発明の実施例である。
【図12】(a)本発明の実施例である (b)孔の開け方の1例
【図13】図1の遮蔽装置を、自動車の屋根に装着した状態を前方より見た図
【図14】図1の遮蔽装置を、普通乗用車(2000CCクラス)のフロントガラスと屋 根部分に装着した図
【図15】図1の遮蔽装置を、建築物の内側の窓ガラスに装着した状態 (a) 後方(室内側)から遮蔽装置を見る (b) 横から遮蔽装置を見る
【符号の説明】
【0027】
1 遮蔽体
2 固定具取り外し用兼、紛失防止用紐
3 ストッパー
4 固定具(底部分に吸盤や磁石等の接着器具が付いている)
5 切れ目
6 孔
7 折れ目
8 矢印(引っ張る方向)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記固定具は前記遮蔽体の中央部に設けられた事を特徴とする日除け用遮蔽装置。
【請求項2】
遮蔽体の縦中心軸付近の中央部又は横中心軸付近の中央部に複数設けられた事を特徴とする、請求項1記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項3】
遮蔽体に屈曲が容易となる折れ目を設けた事を特徴とする、請求項1〜2の何れか1項に記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項4】
折れ目は遮蔽体を貫通する孔を、直線上に複数個設けることによって形成された事を特徴とする請求項3に記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項5】
日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記遮蔽体に切れ目を設けた事を特徴とする日除け用遮蔽装置。
【請求項6】
日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記遮蔽体に通風孔が設けられ、前記通風孔は遮蔽体に対して斜め方向に貫通している事を特徴とする日除け用遮蔽装置。
【請求項7】
固定具に紐を装着している事を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項1】
日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記固定具は前記遮蔽体の中央部に設けられた事を特徴とする日除け用遮蔽装置。
【請求項2】
遮蔽体の縦中心軸付近の中央部又は横中心軸付近の中央部に複数設けられた事を特徴とする、請求項1記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項3】
遮蔽体に屈曲が容易となる折れ目を設けた事を特徴とする、請求項1〜2の何れか1項に記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項4】
折れ目は遮蔽体を貫通する孔を、直線上に複数個設けることによって形成された事を特徴とする請求項3に記載の日除け用遮蔽装置。
【請求項5】
日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記遮蔽体に切れ目を設けた事を特徴とする日除け用遮蔽装置。
【請求項6】
日除け施設を覆う遮蔽体と、前記日除け施設との間に通風可能な間隔を有して前記遮蔽体を固定する固定具とを備え、前記遮蔽体に通風孔が設けられ、前記通風孔は遮蔽体に対して斜め方向に貫通している事を特徴とする日除け用遮蔽装置。
【請求項7】
固定具に紐を装着している事を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の日除け用遮蔽装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−6556(P2013−6556A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141695(P2011−141695)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(508030936)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(508030936)
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