説明

昇降スタンド

【解決手段】 昇降スタンド2は、接地される脚部3と、脚部3より上方に向けて設けられた本体部4と、本体部4の前面で上記被取付物としての液晶テレビ1を保持する保持手段5と、保持手段5を上記本体部4に沿って昇降させる昇降手段6と、上記脚部3を前後方向に伸縮させる伸縮手段7とを備えている。
上記伸縮手段7は、上記保持手段5が上方に位置する際には前方に脚部3を伸ばし、上記保持手段5が下方に位置する際には脚部3を縮めるようになっている。
【効果】 被取付物を上方で保持する際の安定性を確保するとともに、下方で保持する際にはコンパクトにすることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は昇降スタンドに関し、詳しくは液晶テレビなどの被取付物を昇降させる昇降スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビなどの被取付物を昇降させる昇降スタンドが知られている(特許文献1)。
このような昇降スタンドによれば、テレビを上昇させた状態でプレゼンテーション等を行い、プレゼンテーション等の終了後にはテレビを下降させて、昇降スタンドごと移動させてテレビを倉庫等に収納することができる。
【特許文献1】米国特許第6149253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、テレビは昇降スタンドの前面に取り付けられるため、このテレビを昇降スタンドによって上昇させると重心の位置が高くなり、昇降スタンドがテレビの取り付けられた前方に倒れる危険性が高くなる。
これを回避するには昇降スタンドの脚部を昇降スタンドの前方に伸ばせばよいが、あまりに脚部を前方に伸ばすと、昇降スタンドを移動させる際に扉を通過できなかったり、収納性が悪いといった問題がある。
このような問題に鑑み、本発明は被取付物を上方で保持する際の安定性を確保するとともに、下方で保持する際にはコンパクトにすることが可能な昇降スタンドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち本発明にかかる昇降スタンドは、液晶テレビなどの被取付物を昇降させる昇降スタンドであって、
接地される脚部と、脚部より上方に向けて設けられた本体部と、本体部の前面で上記被取付物を保持する保持手段と、保持手段を上記本体部に沿って昇降させる昇降手段と、上記脚部を前後方向に伸縮させる伸縮手段とを備え、
上記伸縮手段は、上記保持手段が上方に位置する際には少なくとも前方に脚部を伸ばし、上記保持手段が下方に位置する際には脚部を縮めることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、上記保持手段によって被取付物を上方で保持しても、その際には脚部が前方に伸びるため、昇降スタンドが前方に倒れるのを可及的に防止することができ、昇降スタンドの安定性を確保することができる。
一方、保持手段が下方に位置して被取付物が下方に位置した場合には、重心が下がるので脚部を縮めても昇降スタンドの安定性を確保することができ、また脚部を縮めることでコンパクトになり、移動や収納が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図示実施例について説明すると、図1〜図4は被取付物としての液晶テレビ1を昇降させて保持する昇降スタンド2を示し、図1は斜視図を、図2は正面図を、図3は側面図を、図4は昇降の過程を示す図をそれぞれ示している。
ここで、図1に示す昇降スタンド2は液晶テレビ1を後述する連動開始位置の高さに位置させており、図2、図3に示す昇降スタンド2は液晶テレビ1を上昇端の高さに位置させている。なお以下の説明において、上記液晶テレビ1の設けられる位置を昇降スタンド2の前方と呼ぶ。
上記昇降スタンド2は、接地した脚部3と、上下方向に設けられた本体部4と、液晶テレビ1を該本体部4の前面で保持する保持手段5と、該保持手段5を本体部4に沿って昇降させる昇降手段6と、上記脚部3を前後方向に伸縮させる伸縮手段7とを備えている。
そして本実施例の昇降スタンド2は、上記昇降手段6によって保持手段5を昇降させると、上記伸縮手段7がこれに連動して上記脚部3を伸縮させるようになっており、具体的には液晶テレビ1を上昇端に上昇させると上記脚部3は図3に示す伸長状態となり、液晶テレビ1を下降端に下降させると上記脚部3は図4(c)に示す収縮状態となるようになっている。
さらに、上記昇降スタンド2は後述するように分解が容易な構造を有しており、分解した状態での輸送が容易な構成となっている。
【0007】
上記脚部3は、図2に示すように本体部4に設けられた保持枠11と、この保持枠11の左右の両端に設けられた外筒部12と、該外筒部12の内部に出没可能に設けられた内筒部13と、各外筒部12の後端および内筒部13の先端に設けられたキャスター14とから構成されている。
上記保持枠11は、中央に上記本体部4がボルト11aによって固定されており、脚部3と本体部4との連結が容易な構造を有している。また保持枠11は液晶テレビ1が上昇端に位置しても昇降スタンド2が左右に倒れない程度の幅で上記外筒部12を保持している。
上記外筒部12は昇降スタンドの前後方向に向けて設けられ、その後端は上記本体部4より後方に位置し、該後端の下部には上記キャスター14が設けられている。
上記内筒部13は、上記外筒部12の内部に摺動可能に設けられ、該内筒部13が外筒部12に対して前方に突出した伸長状態と、内筒部13が外筒部12の内部に収納された収縮状態とに切り替わるようになっており、該内筒部13の先端には上記キャスター14が設けられている。
また、2本の内筒部13は左右方向に設けられた連結部材15によって連結されており、具体的には外筒部12の下面に貫通孔を形成するとともに、上記内筒部13の下面と上記連結部材15の上面とを上記貫通孔を貫通するようにボルト・ナット16で連結する構成となっている。
このため、内筒部13が外筒部12より突出した伸長状態では上記連結部材15は前方に位置し、収縮状態では連結部材15は後方に位置することとなる。
【0008】
上記本体部4は上記脚部3の保持枠11に固定されるとともに上方に向けて立設されており、後方に設けられた背面部4aと、該背面部4aに隣接する左右の側面部4bと、該側面部4bの前方の端部より所定の幅だけ内側に向けて形成された2つの正面部4cとから構成されている。
そして上記背面部4aの左右の端部の内周面と、上記正面部4cの内周面とには、後述するように上記保持手段5に設けられたローラ24が接触して、保持手段5の昇降をガイドするようになっている。
【0009】
上記保持手段5は、上記液晶テレビ1を背面から固定する取付枠21と、上記本体部4の内部を昇降する昇降枠22と、上記取付枠21の下方に設けられたトレー23とから構成されている。
上記昇降枠22は上記本体部4の内部を昇降可能な断面略長方形の筒状の部材であって、該昇降枠22と上記取付枠21とは上記本体部4の2つの正面部4cの間を通過するように連結固定されている。
上記取付枠21と昇降枠22とはボルト21aによって連結されており、輸送の際にはこれらを分割することが可能であり、昇降枠22については上記本体部4の内部に収納した状態で輸送を行うことが可能となっている。
また上記昇降枠22の左右の側面にはそれぞれ4つずつローラ24が設けられており、一方の側面における後方に位置する2つのローラ24は上記本体部4の背面部4aに接触し、前方に位置する2つのローラ24は上記正面部4cに接触するようになっている。
さらに、昇降枠22には上記ローラ24よりも下方には、当接部材としての第1カムフォロア25と第2カムフォロア26とが設けられており、第1カムフォロア25は昇降枠22の後方に、第2カムフォロア26は第1カムフォロア25よりも前方に位置するとともに第1カムフォロア25よりも下方に位置している。
そして、昇降枠22の内部には、上記昇降手段6を構成する昇降部材33が連結固定されており、この昇降部材33の昇降に伴って保持手段5の全体が昇降するようになっている。
上記トレー23は液晶テレビ1の下方から前方に突出するように設けられており、このトレー23上にはプレゼンテーションの際に用いる書類やノートパソコンなどを置くことができるようになっている。
【0010】
上記昇降手段6は、本体部4の内部に上下方向に設けられたねじ歯車31と、該ねじ歯車31を回転させるモータ32と、ねじ歯車31の回転に伴って昇降する上記保持手段5の昇降枠22に固定された昇降部材33とから構成されている。
上記ねじ歯車31の下端は上記本体部4の下部に回動可能に連結され、上端は上記保持手段5が上昇端に位置したときの上記昇降部材33の位置に合せて設定されている。
上記モータ32は図示しない電源から電力の供給を受けるとともに、図示しないコントローラによって制御されるようになっている。また、このモータ32は上記昇降部材33が上昇端又は下降端に位置した際にはそれ以上回転しないように設定されている。
上記コントローラは人手によって操作され、例えば上昇または下降を指示するスイッチを押している間だけ、モータ32が回転して昇降部材33を昇降させるようになっている。
なお、上昇または下降のスイッチを一度押せば、液晶テレビ1が上昇端又は下降端に移動するよう、上記コントローラの設定を行うことも可能である。
【0011】
上記伸縮手段7は、上記脚部3の内筒部13を外筒部12に対して前方に向けて付勢する付勢手段としてのガススプリング41と、昇降手段6の下降に連動して内筒部13を後方に移動させるリンク部材42とから構成されている。
上記ガススプリング41は後端が上記外筒部12の内部の後端部に連結されるとともに先端が上記内筒部13に連結されており、常時内筒部13を前方に向けて付勢するようになっている。
上記リンク部材42は略く字型を有した部材であって、その上端は上記本体部4の側面部4bに設けた回転軸43を中心に回動可能に軸支され、下端は上記内筒部13に連結された上記連結部材15の後端に回動可能に軸支されている。
上記回転軸43は上記保持手段5の第1カムフォロア25よりも後方に位置しており、図3に示す液晶テレビ1が上昇端に位置している際には、このリンク部材42の上面は本体部4の後方から前方へと横切るように位置し、その上方には上記第1、第2カムフォロア25,26が位置するようになっている。
そしてこの図3の状態から保持手段5が下降して第1、第2カムフォロア25,26が上方から接触し、リンク部材42を下方に押圧すると、リンク部材42が回転軸43を中心に回動し、これに伴って該リンク部材42の下端が後方に移動するため、上記連結部材15と内筒部13とは上記ガススプリング41の付勢力に抗して後方に移動するようになっている(図4(c)参照)。
【0012】
以上のような構成を有する昇降スタンド2の動作について説明する。ここでは図3に示す液晶テレビ1を上昇端に位置させた状態から、図4(a)(b)の状態を経て、図4(c)に示す下降端まで下降させるまでについて説明する。
最初に、図3では上記昇降手段6の昇降部材33はねじ歯車31の上端に位置しており、保持手段5の保持枠11は本体部4に対して上昇端に位置し、液晶テレビ1は上昇端に位置している。
一方上記脚部3は、上記伸縮手段7を構成するガススプリング41によって内筒部13が前方に付勢されており、内筒部13は外筒部12から最も前方に突出した伸長状態となっている。
脚部3を伸長状態とすることで、内筒部13に設けたキャスター24が液晶テレビ1に対して前方に移動しており、外筒部12のキャスター14との間隔が広がることとなる。
このため液晶テレビ1が上昇端に位置して液晶テレビ1を含む昇降スタンド2全体の重心の位置が高くなっても、該液晶スタンド2が前方に倒れてしまうのを可及的に防止することができる。
そしてこのとき、上記伸縮手段7を構成するリンク部材42には上記保持手段5の第1、第2カムフォロア25、26は接触しておらず、リンク部材42には上方からの押圧力は作用していない。
【0013】
この状態から、使用者が図示しないコントローラを用いて液晶テレビ1を下降させる操作をすると、モータ32がねじ歯車31を回転させ、これに伴って昇降部材33が下降し、該昇降部材33を固定する保持枠11を介して保持手段5および液晶テレビ1が下降する。
図4(a)は保持手段5が下降して上記保持枠11に設けられた第2カムフォロア26がリンク部材42に上方から接触した連動開始位置を示し、この連動開始位置以降は、リンク部材42に上方から押圧力が作用するようになっている。
換言すると、図3の上昇端から図4(a)の連動開始位置に位置するまで、リンク部材42が回動することはないので、リンク部材42に連結された連結部材15は後退せず、脚部3は上記伸長状態を維持するので、昇降スタンド2の安定性が確保されるようになっている。
【0014】
図4(b)は、保持手段5が図4(a)の状態からさらに下降して第2カムフォロア26および第1カムフォロア25がリンク部材42に接触した状態を示している。
図4(a)から図4(b)となるまでの間、保持手段5の下降に伴って上記第2カムフォロア26がリンク部材42を下方に向けて押圧しており、これによってリンク部材42は上記回転軸43を中心に回動する。
その結果、リンク部材42の下端部が後方に移動して連結部材15が後退するとともに、これに伴って内筒部13はガススプリング41の付勢力に抗して後退を開始する。
そして第2カムフォロア26の下降によってリンク部材42がある程度回動すると、図4(b)に示すように今度は第1カムフォロア25がリンク部材42に上方から接触することとなる。
ここで、上記第2カムフォロア26を設けて該第2カムフォロア26からリンク部材42に当接させることにより、最初に支点としての回転軸43から遠い位置に力点としての第2カムフォロア26が当接するので、より少ない力でリンク部材42を回動させることができ、第1カムフォロア25への負荷を軽減することができる。
【0015】
そして図4(c)は液晶テレビ1が下降端に達した状態を示しており、図4(b)から図4(c)となるまでの間、保持手段5が下降して上記第1カムフォロア25によりリンク部材42を下方に押圧するようになっている。
ここで、上記く字型のリンク部材42を回動させると、該リンク部材42の下端部は本体部4の後方に突出してしまうため、上記本体部4の背面部4aにはこのリンク部材42を通過させるためのスリットが形成されている。
そして保持手段5が下降端まで下降すると、リンク部材42によって上記連結部材15は後退端まで移動し、これにより内筒部13は外筒部12の内部に収納され、脚部3は収縮状態となる。
そして、脚部3が収縮状態となることにより、外筒部12のキャスター14と内筒部13のキャスター14との距離が狭まり、該収縮状態における外筒部12と内筒部13との全長を会議室等の扉の幅よりも短く設定しておけば、液晶テレビ1を昇降スタンド2ごと会議室の扉から搬出することができ、また倉庫等にもコンパクトに収納することができる。
一方、液晶テレビ1を下降端まで下降させると、液晶テレビ1を含む昇降スタンド2全体の重心の位置が低くなるため、脚部3が収縮状態となっていても該液晶スタンド2が前方に倒れてしまうのを可及的に防止することができる。
【0016】
次に、図4(c)の液晶テレビ1が下降端に位置する状態から、図3の液晶テレビ1が上昇端に位置するまでの動作について説明する。
まず、図4(c)の状態では、上記外筒部12に設けられたガススプリング41が内筒部13を前方に付勢しているが、第1カムフォロア25によってリンク部材42が上方から押圧されているため、連結部材15は後方に位置して脚部3は収縮状態を維持するようになっている。
この状態から上記昇降手段6によって保持手段5を上昇させると、ガススプリング41が内筒部13を介して連結部材15を前方に付勢していることから、リンク部材42は第1カムフォロア25の上昇に伴って回動し、内筒部13が外筒部12に対して前進する。
保持手段5が上昇して図4(b)の状態になると、リンク部材42には第2カムフォロア26が接触するようになり、その後第1カムフォロア25はリンク部材42から離脱するとともに、リンク部材42は上記ガススプリング41の付勢力によって第2カムフォロア26に接触を維持したまま回動を継続し、内筒部13は外筒部12に対してさらに前進する。
そして保持手段5が上昇して図4(a)の状態になると、第2カムフォロア26はリンク部材42から離脱するようになり、リンク部材42には上方からの押圧力が作用しなくなるため、ガススプリング41の付勢力によって内筒部13は外筒部12より完全に突出し、脚部3は上記伸長状態となる。
その後は、上記保持部材5は昇降手段6によって図3に示す上昇端まで上昇し、その間上記脚部3は伸長状態を維持してそれ以上伸びないようになっている。
【0017】
以上のように、本実施例の昇降スタンド2によれば、液晶テレビ1を上昇させた際には脚部3が伸長状態となるため、液晶テレビ1が上方に位置して重心の位置が高くなっても、昇降スタンド2が前方に倒れるのを可及的に防止することができる。
一方、液晶テレビ1を下降させた際には、脚部3が収縮状態となるため、脚部3の前後方向の長さが短くなり、昇降スタンド2をコンパクトにすることができるので、たとえば会議室等の扉を通過させたり、倉庫等に効率的に収納することができる。
さらに、本実施例では保持手段5が上昇端から連動開始位置に下降するまでは脚部3が伸長状態を維持し、逆に保持手段5が下降端から連動開始位置に上昇するまでの間に、脚部3は収縮状態から伸長状態となるので、液晶テレビ1が連動開始位置より上方に位置して重心が高くなった状態での安定性が確保されるようになっている。
【0018】
なお、上記実施例に代えて、例えば上記伸縮手段7として上記外筒部12の内部にモータ32によって駆動するねじ歯車を設け、内筒部13をこのねじ歯車の回転に伴って前後に移動させれば、該内筒部13を伸長状態から収縮状態に切り換えることができる。
そして上記昇降手段6のモータ32とこの伸縮手段7のモータとを連動させることで、保持手段5の昇降に連動して伸縮手段7による脚部3の伸縮を行うことができる。
また、安全対策として、本体部4の内部やその他各部にセンサを設け、液晶テレビ1の昇降中に昇降スタンド2に人が接近したり、本体部4の内部に異物が入り込んだ場合には、上記モータ32の回転を停止させるようにしても良い。
【0019】
ここで、上記実施例における昇降スタンド2は、外筒部12および内筒部13を収縮状態とすることで、該収縮状態における脚部3の前後方向の長さよりも広い扉であれば通過可能となっているが、これよりも狭い扉については通過が困難な場合がある。
具体的に説明すると、昇降スタンド2を水平方向に旋回させながら内筒部13の先端より扉を通過させ、その後外筒部12の後端を通過させると、一方の組の外筒部12および内筒部13は扉を通過することができる。
しかしながら、図4(c)に示すように保持手段5におけるトレー23が収縮状態における内筒部13の先端と略同じ位置にあるため、このトレー23が扉に干渉してしまい、上記扉を通過させることができない。
仮に上記トレー23が無ければ、その後さらに昇降スタンド2を水平方向に旋回させて外筒部12の後端より扉を通過させ、その後内筒部13の先端を通過させると、他方の組の外筒部12および内筒部13も扉を通過し、昇降スタンド2全体が扉を通過することとなる。
そこで、上記実施例におけるトレー23を、保持枠21に対して着脱自在にしたり、保持枠21に対して左右に移動可能としたり、トレー23自体を前後方向に伸縮可能とすることで、トレー23が扉に干渉しないようになり、狭い扉であっても昇降スタンド2を通過させることが可能となる。
上記トレー23を保持枠21に対して左右に移動させる具体例としては、トレー23と保持枠21とを連結する上下方向に設けられた支柱の上端をフック状とし、このフック状部を保持枠21における左右方向に設けられた支柱に上方から係合させる構成が考えられる。この構成とすればトレー23を保持枠21に着脱することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例にかかる昇降スタンド2の斜視図。
【図2】昇降スタンド2の正面図。
【図3】昇降スタンド2の側面図であって、液晶テレビ1を上昇端に位置させた状態を示した図。
【図4】昇降スタンド2の作動を示す図であって、(a)は第2カムフォロア26がリンク部材42に接触した状態を、(b)は第1カムフォロア25がリンク部材42に接触した状態を、(c)は液晶テレビ1を下降端に位置させた状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0021】
1 液晶テレビ 2 昇降スタンド
3 脚部 4 本体部
5 保持手段 6 昇降手段
7 伸縮手段 12 外筒部
13 内筒部 25 第1カムフォロア
26 第2カムフォロア 41 ガススプリング
42 リンク部材 43 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶テレビなどの被取付物を昇降させる昇降スタンドであって、
接地される脚部と、脚部より上方に向けて設けられた本体部と、本体部の前面で上記被取付物を保持する保持手段と、保持手段を上記本体部に沿って昇降させる昇降手段と、上記脚部を前後方向に伸縮させる伸縮手段とを備え、
上記伸縮手段は、上記保持手段が上方に位置する際には少なくとも前方に脚部を伸ばし、上記保持手段が下方に位置する際には脚部を縮めることを特徴とする昇降スタンド。
【請求項2】
上記昇降手段が保持手段を本体部に沿って下降させ、保持手段が上昇端と下降端との間に位置する連動開始位置まで下降すると、その後保持手段が下降するのに連動して、伸縮手段が脚部を縮めることを特徴とする請求項1に記載の昇降スタンド。
【請求項3】
上記脚部は、本体部の下部に固定された外筒部と、該外筒部の内部より前方に出没可能に設けられた内筒部とから構成され、
上記伸縮手段は、上記内筒部を本体部の前方に向けて付勢する付勢手段と、一端が本体部に回転軸を介して回動可能に軸支され、他端が上記内筒部に連結されたリンク部材とを備え、
上記保持手段は、上記回転軸よりも前方に位置するとともに上記リンク部材に上方から当接する当接部材を備え、
当接部材がリンク部材を下方に押圧しない状態では、上記脚部の内筒部は上記付勢手段によって外筒部より突出するとともに、リンク部材は回転軸に対して前方に位置するように回動しており、
上記昇降手段が保持手段を下降させて当接部材がリンク部材を下方に押圧すると、上記リンク部材が回転軸を中心に回動するととともに、リンク部材の他端に連結された上記内筒部が後方に移動し、該内筒部は上記付勢手段の付勢力に抗して外筒部の内部に引き込まれることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の昇降スタンド。
【請求項4】
上記当接部材は、上記リンク部材の回転軸側となる後方に設けられた第1当接部材と、該第1当接部材よりも下方で第1当接部材よりも前方に設けられた第2当接部材とから構成され、
昇降手段が保持手段を下降させると、最初に第2当接部材がリンク部材を上方から押圧し、続いて第1当接部材がリンク部材を上方から押圧することを特徴とする請求項3に記載の昇降スタンド。
【請求項5】
上記昇降手段は、上下方向に設けられたねじ歯車と、該ねじ歯車を回転させるモータと、上記保持手段に固定されるとともに上記ねじ歯車の回転に伴って上下に移動する昇降部材とから構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の昇降スタンド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−212843(P2009−212843A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53929(P2008−53929)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000200666)泉株式会社 (24)