昇降装置
【課題】コンパクトで、簡単な構造であり、高低差の大きい個所であっても釣り合い重りを要せず一定の力で被作業体を上下動させることができる昇降装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る昇降装置は、固定台11と、固定台11に対しばね(41、43)及び支持部材30を介して上方又は下方に移動する可動台21と、を有する昇降装置であって、支持部材30は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が固定台11とピン結合15及びローラ結合17され、ピン結合15及びローラ結合17の配置と鏡面対称になるように他端が可動台21とピン結合25及びローラ結合27され、ばねは、可動台21を上方に付勢する垂直ばね41と、一端が支持部材30のローラ結合部17に係止されるとともに他端が固定台11に係止された水平ばね43と、からなるものである。
【解決手段】本発明に係る昇降装置は、固定台11と、固定台11に対しばね(41、43)及び支持部材30を介して上方又は下方に移動する可動台21と、を有する昇降装置であって、支持部材30は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が固定台11とピン結合15及びローラ結合17され、ピン結合15及びローラ結合17の配置と鏡面対称になるように他端が可動台21とピン結合25及びローラ結合27され、ばねは、可動台21を上方に付勢する垂直ばね41と、一端が支持部材30のローラ結合部17に係止されるとともに他端が固定台11に係止された水平ばね43と、からなるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り合い重りの替わりにばねを利用した機構的な構成により、被作業体と釣り合いを保って一定の力で被作業体を上下動させる昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被作業体を上下動させる昇降装置において、被作業体を素早く、円滑にあるいは軽く昇降させるために、被作業体と逆に上下動する釣り合い重りを設けた昇降装置がある。このような昇降装置の例としてエレベータがあるが、釣り合い重りは被作業体と同程度の重量を必要とするため、軽量な装置、例えば、人の手で操作するような昇降装置にあっては、釣り合い重りの取扱が重要な問題になってくる。
【0003】
このような問題に対し、釣り合い重りのない昇降装置が求められる。例えば、特許文献1に、ばねを利用した釣り合い重りのないX線撮影用器具懸垂装置が提案されている。すなわち、X線撮影用器具が取り付けられていると共に垂設支柱に沿ってX線撮影用器具ごと昇降可能にX線撮影用器具支持用の可動部が配設されていて、垂設支柱の上部に設けられたプーリーを経て可動部に接続されているワイヤを介してX線撮影用器具および可動部を含む懸垂物の合計重量を略相殺する静的釣り合い用の引揚力が懸垂物に付与されているX線撮影用器具懸垂装置において、静的釣り合い用の引揚力をバネの応力を利用して付与する引揚力付与手段を備えているX線撮影用器具懸垂装置が提案されている。
【0004】
一方、被作業体自体を釣り合い重りとすることができるような昇降装置にあっては、その被作業体の昇降重量に釣り合うばねを設け、素早く、軽く操作することができる昇降装置が提案されている。例えば、特許文献2に、収納箱を昇降させることができる吊戸棚において、収納物を含めた収納箱の重みを支える弾性体が係止された係止部材が、前記回転部材に対して螺子やレバ−等にて移動可能に構成され、無段階に釣合いを調節出来る様にした、吊戸棚が提案されている。
【0005】
また、特許文献3に、起立補助椅子において、一定の力で着座を押し上げることにより、座るあるいは立つ動作に必要な力を軽減することができる昇降装置が提案されている。すなわち、一次ばね、二次ばね、上下に平行に位置する上部フレームおよび下部フレーム、主可動体、主リンクから構成され、一次ばねの片端は上下に可動する上部フレームに接続され、他方の片端が固定された下部フレームに接続され、二次ばねの片端は固定支柱に回転できる状態で固定され、前記二次ばねの他方の片端は一方向に可動する主可動体に回転できる状態で接続され、主リンクの片端は前記主可動体と回転できる状態で接続され、前記主リンクの他方の片端は前記上部フレームの前記一次ばねとの接続点に回転できる状態で接続されており、荷重による上部フレームの変位に対し、上部フレームに一定の反発力を与える等反発ばね機構が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006-255280号公報
【特許文献2】特開2003-24152号公報
【特許文献3】特開2006-55494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の昇降装置は、被作業体を上下動させるために電動モータ、油圧装置等のアクチュエータを設ける必要がなく、コンパクトで、簡単な構造であり、素早く又は軽く被作業体を上下動させることができるという利点がある。しかしながら、特許文献1の提案の係る昇降装置は、一定の力で作動させることができる利点はあるが、基本的にはエレベータと同様な構造をしており、滑車を介してX線撮影用器具を吊り下げる支柱を設けなければならないという問題がある。特許文献2の提案に係る昇降装置は、釣り合い調整機構を調整することによりある範囲内の力で作動させることはできるが、一定の力で作動させることはできず、ばね力の調整も面倒であるという問題がある。特許文献3の提案に係る昇降装置は、一定の力で作動させることができるが、椅子等の上下動の小さな昇降装置に利用範囲が限定されるという問題があり、また、昇降装置の設置面積が大きくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、被作業体を上下動させるために電動モータ、油圧装置等のアクチュエータを設ける必要がなく、コンパクトで、簡単な構造であり、素早く又は軽く被作業体を上下動させることができ、また、高低差の大きい個所であっても釣り合い重りを要せず一定の力で被作業体を上下動させることができる昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである。
【0010】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、一端が前記固定台にローラ結合されるとともに他端が前記可動台にピン結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0011】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、一端が前記固定台にピン結合されるとともに他端が前記可動台にローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記可動台に係止された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0012】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0013】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0014】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0015】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素同士又はX字状の連結要素とV字状の連結要素とが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0016】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0017】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0018】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0019】
上記発明において、水平ばねは、支持部材を介して可動台を上方に付勢するばねとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る昇降装置は、コンパクトで、簡単な構造であり、素早く又は軽く被作業体を上下動させることができ、また、高低差の大きい個所であっても釣り合い重りを要せず一定の力で被作業体を上下動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る昇降装置の発明の実施の形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係る昇降装置の構造を示す模式図である。本昇降装置100は、図1に示すように、固定台11と、固定台11に対しばね(垂直ばね41、水平ばね43)及び支持部材30を介して上方又は下方に移動する可動台21と、を有する昇降装置であり、可動台21に被作業体を載置して被作業体を昇降させることができる昇降装置である。
【0022】
固定台11は、多くの場合、地盤、装置又は建造物等に固定されるものであって、可動台21の下方(重力方向)に設けられるものであり、可動台21や支持部材30を適切に支持することができるものであればよい。なお、本例の場合と上下逆になった固定台11が可動台21の上方に設けられた構造の昇降装置とすることもできる。
【0023】
可動台21は、被作業体を載置して被作業体を昇降させることができる構造のものであればよい。図1に示すような平板状のものであってもよく、または、箱形の構造をしたものであってもよい。
【0024】
支持部材30は、図1に示すように、中心部がピン結合37されたX字状をしてなるものであり、その一端が固定台11とピン結合15及びローラ結合17されている。そして、そのピン結合15及びローラ結合17の配置と鏡面対称になるように他端が可動台21とピン結合25及びローラ結合27されている。本例の場合、X字状の構成体は、部材35及び部材36がその中心部でピン結合37された構造をしているが、必ずしもピン結合37は部材35及び部材36の中心部でなくてもよい。強度上、あるいは以下に説明するX字状の構成要素が連結された構造の場合等において、ピン結合37が部材35及び部材36の中心部にない場合が好ましい場合があるからである。
【0025】
ピン結合15、25とは、いわゆるヒンジ構造の節点部分をいい、部材35又は部材36が固定台11又は可動台21に対してそのピン結合部分で自在に回動できるようになっている。ローラ結合17、27とは、いわゆる滑節構造部分をいい、本例においては、部材35又は部材36のローラ結合17、27部が固定台11又は可動台21に対して所定範囲で水平方向(図1において左右方向)に移動できるようになっている。
【0026】
上述のように、ピン結合15とピン結合25及びローラ結合17とローラ結合27は、鏡面対称位置に設けられている。これにより、可動台21は固定台11に対し垂直方向に昇降させることができる。
【0027】
ばねのうち、垂直ばね41は、図1に示すように、垂直方向に設けられており、その一端が固定台11に係止され、他端が可動台21に係止されている。垂直ばね41は、初期設定において自由長または圧縮(可動台21を上方に付勢する)状態で使用されるものである。なお、本例の場合、垂直ばね41の固定台11に対する係止部はピン結合15部と同位置になり、可動台21に対する係止部はピン結合25部と同位置になっているが、これに限定されない。
【0028】
水平ばね43は、水平方向に設けられており、一端が支持部材30のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止されている。そして、水平ばね43は、支持部材30を介して可動台21を上方に付勢するように、引っ張り状態で使用されている。これにより、可動台21に被作業体を載せ、可動台21を下方に移動させるとき、垂直ばね41により可動台21が被作業体に及ぼす上向きの力(反発力)が線形的に増加する特性が得られる。また、水平ばね43及び支持部材30により、可動台21の変位に対し反発力が線形的に減少する特性が得られる.これらの二つの特性の組み合わせにより、あらゆる変位において反発力が一定となる特性が得られる。なお、ばねは特に限定されないが、コイルばねを使用することができ、この場合は、簡単な構造でコンパクトな昇降装置を構成することができる。
【0029】
本発明においては、この垂直ばね41と水平ばね43の可動台21に作用する力は、被作業体を可動台21に載置したときに釣り合うように設定される。すなわち、可動台21の重量を含む被作業体の重量によって生ずる下方向の力と垂直ばね41の可動台21に作用する上方向の力と、水平ばね43の可動台21に作用する上方向の力とが所定の力差で釣り合うように垂直ばね41と水平ばね43のばね定数及び使用状態(使用することができるそのばねの所定の弾性範囲)が定められる。これにより、例えば、50kgの被作業体を1mの高さに昇降させる場合に、所定の力差を5kgとすれば、作業者は50kgの被作業体を5kgの力で持ち上げることができ、昇降作業を素早く、かつ軽々と行うことができる。
【0030】
図2は、可動台21に一定の被作業体を負荷し、垂直ばね41及び水平ばね43の無次元ばね定数を表1に示すように設定したときに、設定反発力(目標として設定する反発力)に対して実際に生ずる反発力の変動の様子を、可動台21の最高高さからの下降移動量の固定台の長さに対する比(無次元の変位量)に対して示したグラフである。図2において、横軸は可動台21の変位量を示し、縦軸は設定反発力に対する実際に生ずる反発力の比(相対力)を示す。なお、固定台の長さとは、図1に示すb寸法である。無次元ばね定数とは、ばね定数をkとし、設定反発力をF0とするとき、k×b/F0なる値をいう。
【0031】
【表1】
【0032】
図2に示すように、変位量が小さい範囲内においては負荷荷重を設定荷重と同等にすることができ、昇降の全範囲において一定の力で被作業体を昇降させることができる。すなわち、最大変位量(σ)が0.1の範囲においては、負荷荷重は設定荷重の99%の範囲内に入っている(図2(a))。これに対し、最大変位量(σ)が0.3の範囲においては、負荷荷重は設定荷重の96%の範囲内に入っている(図2(b))。さらに、最大変位量(σ)が0.5になると、図2(c)に示すように、負荷荷重は、変位量の中間部(変位量が0.06〜0.45)では設定荷重の95%の範囲内に入るが、変位の最初(変位量が0.02以下)と最後(変位量が0.5)では設定荷重に対し約90%程度になる。従って、本発明においては、精密な昇降作動が要求される場合は、昇降装置の機構上可能な昇降範囲に対し被作業体の昇降範囲をある程度限定する必要があることが分かる。しかしながら、人が昇降作業をするような場合は、必ずしも常に一定の負荷荷重を要求されるわけではないから、昇降装置の機構上可能な昇降範囲の相当部分を被作業体の昇降範囲として使用しても問題はないと考えられる。
【0033】
以上本発明に係る昇降装置100について説明した。本昇降装置100においては、固定台11及び可動台21は被作業体を昇降させるのに十分な大きさ、強度であればよく、本昇降装置100の設置面積を小さくすることができ、コンパクトで、簡単な構造の昇降装置を構成することができる。しかしながら、本発明に係る昇降装置は、上記に説明した実施例に限定されない。例えば、図3に示すような、構造のものであってもよい。すなわち、本昇降装置101は、固定台11と、固定台11に対し上方又は下方に移動する可動台21と、一端が固定台11にローラ結合17されるとともに他端が可動台21にピン結合25された支持部材31と、可動台21を上方に付勢する垂直ばね41と、一端が支持部材31のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止され、支持部材31を介して,可動台21を上方に付勢する水平ばね43とを有することは上述の昇降装置100と同等であるが、さらに、可動台21が上下動するに際し、これを水平に保持するための支柱51、53が設けられている。しかし、本昇降装置101の支持部材31は昇降装置100の支持部材30より構成部材が少なく、昇降装置101は昇降装置100に比較して簡単な構造になっている。
【0034】
昇降装置101において、支持部材31の固定台11と可動台21との結合方式は、上記の形態に限定されない。例えば、図4に示すように、一端が固定台11にピン結合15されるとともに他端が可動台21にローラ結合27された支持部材31と、可動台21を上方に付勢する垂直ばね41と、一端が支持部材31のローラ結合27部に係止されるとともに他端が可動台21に係止された水平ばね44とを有する昇降装置102とすることができる。
【0035】
また、本発明に係る昇降装置は、図5に示すように、図1の支持部材30を複数個重ねた構造のものにすることができる。すなわち、本昇降装置103は、固定台11と、固定台に対し上方又は下方に移動する可動台21と、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素30A、30Bが相互にピン結合されてなり、その一端が固定台11とピン結合15及びローラ結合17され、そしてそのピン結合15及びローラ結合17の配置と鏡面対称になるように他端が可動台21とピン結合25及びローラ結合27された支持部材30と、可動台21を上方又は下方に付勢する垂直ばね41(41A、41B)と、一端が支持部材30のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止され、支持部材30(30A、30B)を介して可動台21を上方に付勢する水平ばね43とを有してなる。この昇降装置103は、可動台21の昇降量を大きくすることができる。なお、本例の場合、支持部材30は、その連結要素30A、30Bからなるが、連結要素の数、形状、強度等は必要に応じて適切なものを選択することができる。また、垂直ばね41は、垂直ばね41A、41Bを設けているが、ばねの数、ばね常数等は必要に応じて適切なものを選択することができる。
【0036】
昇降装置103において水平ばね43は、一端が支持部材30のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止されているが、図6に示すように、支持部材30のX字状の連結要素30A、30Bが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばね45を有する昇降装置104とすることができる。
【0037】
また、支持部材30の構成は、図7に示すように、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素30Aと、一端がピン結合されたV字状の連結要素30Cとが、該V字状の連結要素30Cが端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものとすることができる。しかし、この場合は、昇降装置101(図3)及び102(図4)の場合と同様に支柱51、53が必要になる。なお、昇降装置104(図6)の場合と同様に、図8に示すように、X字状の連結要素同士30A、30B又はX字状の連結要素30AとV字状の連結要素30Cとが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばね45を有する昇降装置106とすることができる。また、図7及び8に示すように、垂直ばね42も必要に応じて設けられる。
【0038】
以上説明した本発明に係る昇降装置は、可動台21が固定台11に対し、垂直方向に上下動するものであった。しかしながら、図9、10、11に示すように、支持部材30と固定台又は可動台21とのピン又はローラ結合の関係を、上述の昇降装置のように鏡面対称でなく、点対称になるようにすることによって、可動台21が固定台11に対して斜め方向に昇降させることができる昇降装置107〜109を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る昇降装置の模式図である。
【図2】昇降時の相対力の変化の様子を示すグラフである。
【図3】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図4】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図5】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図6】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図7】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図8】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図9】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図10】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図11】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【符号の説明】
【0040】
11 固定台
15 ピン結合
17 ローラ結合
21 可動台
25 ピン結合
27 ローラ結合
30 支持部材
30A、30B、30C 連結要素
35、36 部材
37 ピン結合
41、41A、41B、42 垂直ばね
43、44、45 水平ばね
100〜109 昇降装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り合い重りの替わりにばねを利用した機構的な構成により、被作業体と釣り合いを保って一定の力で被作業体を上下動させる昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被作業体を上下動させる昇降装置において、被作業体を素早く、円滑にあるいは軽く昇降させるために、被作業体と逆に上下動する釣り合い重りを設けた昇降装置がある。このような昇降装置の例としてエレベータがあるが、釣り合い重りは被作業体と同程度の重量を必要とするため、軽量な装置、例えば、人の手で操作するような昇降装置にあっては、釣り合い重りの取扱が重要な問題になってくる。
【0003】
このような問題に対し、釣り合い重りのない昇降装置が求められる。例えば、特許文献1に、ばねを利用した釣り合い重りのないX線撮影用器具懸垂装置が提案されている。すなわち、X線撮影用器具が取り付けられていると共に垂設支柱に沿ってX線撮影用器具ごと昇降可能にX線撮影用器具支持用の可動部が配設されていて、垂設支柱の上部に設けられたプーリーを経て可動部に接続されているワイヤを介してX線撮影用器具および可動部を含む懸垂物の合計重量を略相殺する静的釣り合い用の引揚力が懸垂物に付与されているX線撮影用器具懸垂装置において、静的釣り合い用の引揚力をバネの応力を利用して付与する引揚力付与手段を備えているX線撮影用器具懸垂装置が提案されている。
【0004】
一方、被作業体自体を釣り合い重りとすることができるような昇降装置にあっては、その被作業体の昇降重量に釣り合うばねを設け、素早く、軽く操作することができる昇降装置が提案されている。例えば、特許文献2に、収納箱を昇降させることができる吊戸棚において、収納物を含めた収納箱の重みを支える弾性体が係止された係止部材が、前記回転部材に対して螺子やレバ−等にて移動可能に構成され、無段階に釣合いを調節出来る様にした、吊戸棚が提案されている。
【0005】
また、特許文献3に、起立補助椅子において、一定の力で着座を押し上げることにより、座るあるいは立つ動作に必要な力を軽減することができる昇降装置が提案されている。すなわち、一次ばね、二次ばね、上下に平行に位置する上部フレームおよび下部フレーム、主可動体、主リンクから構成され、一次ばねの片端は上下に可動する上部フレームに接続され、他方の片端が固定された下部フレームに接続され、二次ばねの片端は固定支柱に回転できる状態で固定され、前記二次ばねの他方の片端は一方向に可動する主可動体に回転できる状態で接続され、主リンクの片端は前記主可動体と回転できる状態で接続され、前記主リンクの他方の片端は前記上部フレームの前記一次ばねとの接続点に回転できる状態で接続されており、荷重による上部フレームの変位に対し、上部フレームに一定の反発力を与える等反発ばね機構が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006-255280号公報
【特許文献2】特開2003-24152号公報
【特許文献3】特開2006-55494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の昇降装置は、被作業体を上下動させるために電動モータ、油圧装置等のアクチュエータを設ける必要がなく、コンパクトで、簡単な構造であり、素早く又は軽く被作業体を上下動させることができるという利点がある。しかしながら、特許文献1の提案の係る昇降装置は、一定の力で作動させることができる利点はあるが、基本的にはエレベータと同様な構造をしており、滑車を介してX線撮影用器具を吊り下げる支柱を設けなければならないという問題がある。特許文献2の提案に係る昇降装置は、釣り合い調整機構を調整することによりある範囲内の力で作動させることはできるが、一定の力で作動させることはできず、ばね力の調整も面倒であるという問題がある。特許文献3の提案に係る昇降装置は、一定の力で作動させることができるが、椅子等の上下動の小さな昇降装置に利用範囲が限定されるという問題があり、また、昇降装置の設置面積が大きくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、被作業体を上下動させるために電動モータ、油圧装置等のアクチュエータを設ける必要がなく、コンパクトで、簡単な構造であり、素早く又は軽く被作業体を上下動させることができ、また、高低差の大きい個所であっても釣り合い重りを要せず一定の力で被作業体を上下動させることができる昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである。
【0010】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、一端が前記固定台にローラ結合されるとともに他端が前記可動台にピン結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0011】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、一端が前記固定台にピン結合されるとともに他端が前記可動台にローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記可動台に係止された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0012】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0013】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0014】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0015】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素同士又はX字状の連結要素とV字状の連結要素とが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねとからなり、前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものとすることができる。
【0016】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0017】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0018】
また、本発明に係る昇降装置は、固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものとすることができる。
【0019】
上記発明において、水平ばねは、支持部材を介して可動台を上方に付勢するばねとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る昇降装置は、コンパクトで、簡単な構造であり、素早く又は軽く被作業体を上下動させることができ、また、高低差の大きい個所であっても釣り合い重りを要せず一定の力で被作業体を上下動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る昇降装置の発明の実施の形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係る昇降装置の構造を示す模式図である。本昇降装置100は、図1に示すように、固定台11と、固定台11に対しばね(垂直ばね41、水平ばね43)及び支持部材30を介して上方又は下方に移動する可動台21と、を有する昇降装置であり、可動台21に被作業体を載置して被作業体を昇降させることができる昇降装置である。
【0022】
固定台11は、多くの場合、地盤、装置又は建造物等に固定されるものであって、可動台21の下方(重力方向)に設けられるものであり、可動台21や支持部材30を適切に支持することができるものであればよい。なお、本例の場合と上下逆になった固定台11が可動台21の上方に設けられた構造の昇降装置とすることもできる。
【0023】
可動台21は、被作業体を載置して被作業体を昇降させることができる構造のものであればよい。図1に示すような平板状のものであってもよく、または、箱形の構造をしたものであってもよい。
【0024】
支持部材30は、図1に示すように、中心部がピン結合37されたX字状をしてなるものであり、その一端が固定台11とピン結合15及びローラ結合17されている。そして、そのピン結合15及びローラ結合17の配置と鏡面対称になるように他端が可動台21とピン結合25及びローラ結合27されている。本例の場合、X字状の構成体は、部材35及び部材36がその中心部でピン結合37された構造をしているが、必ずしもピン結合37は部材35及び部材36の中心部でなくてもよい。強度上、あるいは以下に説明するX字状の構成要素が連結された構造の場合等において、ピン結合37が部材35及び部材36の中心部にない場合が好ましい場合があるからである。
【0025】
ピン結合15、25とは、いわゆるヒンジ構造の節点部分をいい、部材35又は部材36が固定台11又は可動台21に対してそのピン結合部分で自在に回動できるようになっている。ローラ結合17、27とは、いわゆる滑節構造部分をいい、本例においては、部材35又は部材36のローラ結合17、27部が固定台11又は可動台21に対して所定範囲で水平方向(図1において左右方向)に移動できるようになっている。
【0026】
上述のように、ピン結合15とピン結合25及びローラ結合17とローラ結合27は、鏡面対称位置に設けられている。これにより、可動台21は固定台11に対し垂直方向に昇降させることができる。
【0027】
ばねのうち、垂直ばね41は、図1に示すように、垂直方向に設けられており、その一端が固定台11に係止され、他端が可動台21に係止されている。垂直ばね41は、初期設定において自由長または圧縮(可動台21を上方に付勢する)状態で使用されるものである。なお、本例の場合、垂直ばね41の固定台11に対する係止部はピン結合15部と同位置になり、可動台21に対する係止部はピン結合25部と同位置になっているが、これに限定されない。
【0028】
水平ばね43は、水平方向に設けられており、一端が支持部材30のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止されている。そして、水平ばね43は、支持部材30を介して可動台21を上方に付勢するように、引っ張り状態で使用されている。これにより、可動台21に被作業体を載せ、可動台21を下方に移動させるとき、垂直ばね41により可動台21が被作業体に及ぼす上向きの力(反発力)が線形的に増加する特性が得られる。また、水平ばね43及び支持部材30により、可動台21の変位に対し反発力が線形的に減少する特性が得られる.これらの二つの特性の組み合わせにより、あらゆる変位において反発力が一定となる特性が得られる。なお、ばねは特に限定されないが、コイルばねを使用することができ、この場合は、簡単な構造でコンパクトな昇降装置を構成することができる。
【0029】
本発明においては、この垂直ばね41と水平ばね43の可動台21に作用する力は、被作業体を可動台21に載置したときに釣り合うように設定される。すなわち、可動台21の重量を含む被作業体の重量によって生ずる下方向の力と垂直ばね41の可動台21に作用する上方向の力と、水平ばね43の可動台21に作用する上方向の力とが所定の力差で釣り合うように垂直ばね41と水平ばね43のばね定数及び使用状態(使用することができるそのばねの所定の弾性範囲)が定められる。これにより、例えば、50kgの被作業体を1mの高さに昇降させる場合に、所定の力差を5kgとすれば、作業者は50kgの被作業体を5kgの力で持ち上げることができ、昇降作業を素早く、かつ軽々と行うことができる。
【0030】
図2は、可動台21に一定の被作業体を負荷し、垂直ばね41及び水平ばね43の無次元ばね定数を表1に示すように設定したときに、設定反発力(目標として設定する反発力)に対して実際に生ずる反発力の変動の様子を、可動台21の最高高さからの下降移動量の固定台の長さに対する比(無次元の変位量)に対して示したグラフである。図2において、横軸は可動台21の変位量を示し、縦軸は設定反発力に対する実際に生ずる反発力の比(相対力)を示す。なお、固定台の長さとは、図1に示すb寸法である。無次元ばね定数とは、ばね定数をkとし、設定反発力をF0とするとき、k×b/F0なる値をいう。
【0031】
【表1】
【0032】
図2に示すように、変位量が小さい範囲内においては負荷荷重を設定荷重と同等にすることができ、昇降の全範囲において一定の力で被作業体を昇降させることができる。すなわち、最大変位量(σ)が0.1の範囲においては、負荷荷重は設定荷重の99%の範囲内に入っている(図2(a))。これに対し、最大変位量(σ)が0.3の範囲においては、負荷荷重は設定荷重の96%の範囲内に入っている(図2(b))。さらに、最大変位量(σ)が0.5になると、図2(c)に示すように、負荷荷重は、変位量の中間部(変位量が0.06〜0.45)では設定荷重の95%の範囲内に入るが、変位の最初(変位量が0.02以下)と最後(変位量が0.5)では設定荷重に対し約90%程度になる。従って、本発明においては、精密な昇降作動が要求される場合は、昇降装置の機構上可能な昇降範囲に対し被作業体の昇降範囲をある程度限定する必要があることが分かる。しかしながら、人が昇降作業をするような場合は、必ずしも常に一定の負荷荷重を要求されるわけではないから、昇降装置の機構上可能な昇降範囲の相当部分を被作業体の昇降範囲として使用しても問題はないと考えられる。
【0033】
以上本発明に係る昇降装置100について説明した。本昇降装置100においては、固定台11及び可動台21は被作業体を昇降させるのに十分な大きさ、強度であればよく、本昇降装置100の設置面積を小さくすることができ、コンパクトで、簡単な構造の昇降装置を構成することができる。しかしながら、本発明に係る昇降装置は、上記に説明した実施例に限定されない。例えば、図3に示すような、構造のものであってもよい。すなわち、本昇降装置101は、固定台11と、固定台11に対し上方又は下方に移動する可動台21と、一端が固定台11にローラ結合17されるとともに他端が可動台21にピン結合25された支持部材31と、可動台21を上方に付勢する垂直ばね41と、一端が支持部材31のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止され、支持部材31を介して,可動台21を上方に付勢する水平ばね43とを有することは上述の昇降装置100と同等であるが、さらに、可動台21が上下動するに際し、これを水平に保持するための支柱51、53が設けられている。しかし、本昇降装置101の支持部材31は昇降装置100の支持部材30より構成部材が少なく、昇降装置101は昇降装置100に比較して簡単な構造になっている。
【0034】
昇降装置101において、支持部材31の固定台11と可動台21との結合方式は、上記の形態に限定されない。例えば、図4に示すように、一端が固定台11にピン結合15されるとともに他端が可動台21にローラ結合27された支持部材31と、可動台21を上方に付勢する垂直ばね41と、一端が支持部材31のローラ結合27部に係止されるとともに他端が可動台21に係止された水平ばね44とを有する昇降装置102とすることができる。
【0035】
また、本発明に係る昇降装置は、図5に示すように、図1の支持部材30を複数個重ねた構造のものにすることができる。すなわち、本昇降装置103は、固定台11と、固定台に対し上方又は下方に移動する可動台21と、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素30A、30Bが相互にピン結合されてなり、その一端が固定台11とピン結合15及びローラ結合17され、そしてそのピン結合15及びローラ結合17の配置と鏡面対称になるように他端が可動台21とピン結合25及びローラ結合27された支持部材30と、可動台21を上方又は下方に付勢する垂直ばね41(41A、41B)と、一端が支持部材30のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止され、支持部材30(30A、30B)を介して可動台21を上方に付勢する水平ばね43とを有してなる。この昇降装置103は、可動台21の昇降量を大きくすることができる。なお、本例の場合、支持部材30は、その連結要素30A、30Bからなるが、連結要素の数、形状、強度等は必要に応じて適切なものを選択することができる。また、垂直ばね41は、垂直ばね41A、41Bを設けているが、ばねの数、ばね常数等は必要に応じて適切なものを選択することができる。
【0036】
昇降装置103において水平ばね43は、一端が支持部材30のローラ結合17部に係止されるとともに他端が固定台11に係止されているが、図6に示すように、支持部材30のX字状の連結要素30A、30Bが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばね45を有する昇降装置104とすることができる。
【0037】
また、支持部材30の構成は、図7に示すように、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素30Aと、一端がピン結合されたV字状の連結要素30Cとが、該V字状の連結要素30Cが端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものとすることができる。しかし、この場合は、昇降装置101(図3)及び102(図4)の場合と同様に支柱51、53が必要になる。なお、昇降装置104(図6)の場合と同様に、図8に示すように、X字状の連結要素同士30A、30B又はX字状の連結要素30AとV字状の連結要素30Cとが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばね45を有する昇降装置106とすることができる。また、図7及び8に示すように、垂直ばね42も必要に応じて設けられる。
【0038】
以上説明した本発明に係る昇降装置は、可動台21が固定台11に対し、垂直方向に上下動するものであった。しかしながら、図9、10、11に示すように、支持部材30と固定台又は可動台21とのピン又はローラ結合の関係を、上述の昇降装置のように鏡面対称でなく、点対称になるようにすることによって、可動台21が固定台11に対して斜め方向に昇降させることができる昇降装置107〜109を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る昇降装置の模式図である。
【図2】昇降時の相対力の変化の様子を示すグラフである。
【図3】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図4】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図5】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図6】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図7】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図8】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図9】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図10】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【図11】本発明に係る昇降装置の他の実施例の模式図である。
【符号の説明】
【0040】
11 固定台
15 ピン結合
17 ローラ結合
21 可動台
25 ピン結合
27 ローラ結合
30 支持部材
30A、30B、30C 連結要素
35、36 部材
37 ピン結合
41、41A、41B、42 垂直ばね
43、44、45 水平ばね
100〜109 昇降装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項2】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、一端が前記固定台にローラ結合されるとともに他端が前記可動台にピン結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項3】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、一端が前記固定台にピン結合されるとともに他端が前記可動台にローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記可動台に係止された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項4】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項5】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項6】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項7】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素同士又はX字状の連結要素とV字状の連結要素とが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項8】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項9】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項10】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項11】
水平ばねは、支持部材を介して可動台を上方に付勢するばねであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の昇降装置。
【請求項1】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項2】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、一端が前記固定台にローラ結合されるとともに他端が前記可動台にピン結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項3】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、一端が前記固定台にピン結合されるとともに他端が前記可動台にローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記可動台に係止された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項4】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項5】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と鏡面対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項6】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項7】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された1以上のX字状の連結要素と、一端がピン結合されたV字状の連結要素とが、該V字状の連結要素が端部に配置されるように相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合されるとともに他端が前記可動台とローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素同士又はX字状の連結要素とV字状の連結要素とが相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねとからなり、
前記可動台は、その上下動に際し、これを水平に保持する支柱を有するものである昇降装置。
【請求項8】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合されたX字状をしてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項9】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、一端が前記支持部材のローラ結合部に係止されるとともに他端が前記固定台に係止された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項10】
固定台と、該固定台に対しばね及び支持部材を介して上方又は下方に移動する可動台と、を有する昇降装置であって、
前記支持部材は、中心部がピン結合された複数のX字状の連結要素が相互にピン結合されてなるものであって、その一端が前記固定台とピン及びローラ結合され、該ピン及びローラ結合の配置と点対称になるように他端が前記可動台とピン及びローラ結合され、
前記ばねは、前記可動台を上方に付勢する垂直ばねと、X字状の連結要素が相互にピン結合されるピン結合部に水平方向に挿入された水平ばねと、からなるものである昇降装置。
【請求項11】
水平ばねは、支持部材を介して可動台を上方に付勢するばねであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の昇降装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−222348(P2008−222348A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60709(P2007−60709)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
[ Back to top ]