説明

明示的なオーバーレイ統合規則

システム中のファイル或いはディレクトリへのアクセスをコントロールするための技術と、オーバーレイとは、明示的なオーバーレイ統合規則の使用を含むものである。その技術による方法の一例は、ファイル・システム構造へオーバーレイを提供すること、明示的なオーバーレイ統合規則を提供すること、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスをファイル・システム構造或いは明示的なオーバーレイ統合規則に依存するオーバーレイのいずれかに導くこと、を含むものであってもよい。オーバーレイは、ストリーミング・ソフトウェア・プログラムに関係するものであってもよく、関連しないものであってもよい。提案されたシステムは、他にも効果はあるが、ファイル・システム/オーバーレイ中のファイルおよびディレクトリへのアクセスに対するより多くのコントロールを提示することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ファイルとディレクトリを備えた既存のファイル・システムは、オーバーレイを有する。オーバーレイは、事実上オーバーレイに実際に存在するのに、ストリームされたソフトウェアがファイル・システム上に実際に存在するとシステムが騙されて信じるストーリーミング・ソフトウェア・アプリケーション中で使用される。ストリーミング・ソフトウェアの記述は、1998年7月16日に出願された米国特許第6,453,334号明細書を参照して提供される。
【0002】
オーバーレイとファイル・システムのディレクトリがオーバーラップしない場合、システムは、どのディレクトリにアクセスするか、或いはどのファイルを使用するかを決めるのに困難を有しない。システムは、ディレクトリ或いはファイルがどこに存在するかに応じて、ファイル・システム或いはオーバーレイ中で、ディレクトリ或いはファイルに簡単にアクセスするものである。オーバーレイの中のディレクトリ或いはファイルへアクセスするとき、ファイル或いはシステムは、ローカルキャッシュに存在するか、アクセスが可能となる前にダウンロードされなければならない。他のいくつかの点で、オーバーレイのファイル或いはディレクトリへのアクセスは、ファイル・システムのファイル或いはディレクトリへのアクセスに似ている。
【0003】
オーバーレイとファイル・システムがオーバーラップする場合でも、システムは、オーバーレイ中のディレクトリ或いはファイルに簡単にアクセスする。そのアクセスはどんな明示的な支配メカニズムによるものではない。もっと正確に言えば、オーバーレイは、システムがファイルにアクセスするために達するファイル・システム上の層として簡単に処理される。したがって、システムがオーバーレイに達し、オーバーレイにいる間に求めるファイル或いはディレクトリに遭遇する場合、システムは、見つかったディレクトリ或いはファイルを希望のディレクトリ或いはファイルとして処理する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の実施形態およびその特徴は、その範囲に限定されるものではなく、実例となるシステム、ツールおよび方法と結合して例示される。様々な実施形態において、他の実施形態が他の改良に向けられている一方、上記問題の1つ以上は改善されるか除去される。
【0005】
システム中のファイル或いはディレクトリへのアクセスをコントロールするための技術と、オーバーレイとは、明示的なオーバーレイ統合規則の使用を含むものである。その技術による方法の一例は、ファイル・システム構造へオーバーレイを提供すること、明示的なオーバーレイ統合規則を提供すること、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスをファイル・システム構造或いは明示的なオーバーレイ統合規則に依存するオーバーレイのいずれかに導くこと、を含むものであってもよい。オーバーレイは、ストリーミング・ソフトウェア・プログラムに関係するものであってもよく、関連しないものであってもよい。オーバーレイ中のファイル或いはディレクトリは、同じ名前を持ったファイル・システム構造中のファイル或いはディレクトリと同一或いは異なるものであってもよい。
【0006】
その技術による方法の他の例は、ファイルへのアクセス要求を受け取ること、明示的なオーバーレイ統合規則を調べること、オーバーレイがファイル・システム構造に優先することを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合にオーバーレイ中のファイルにアクセスすること、ファイル・システム構造がオーバーレイに優先することを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合にファイル・システム構造中のファイルにアクセスすること、オーバーレイとファイル・システム構造が同等に優先することをオーバーレイ統合規則が示す場合にファイル特性によってファイルにアクセスすること、を含んでもよい。
【0007】
その技術によるシステムは、ファイル・システム構造にオーバーレイを提供するための手段、明示的なオーバーレイ統合規則を提供するための手段、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスをファイル・システム構造或いは明示的なオーバーレイ統合規則に依存するオーバーレイのいずれかに導くための手段、を含んでもよい。提案されたシステムは、他にも効果はあるが、ファイル・システム/オーバーレイ中のファイルおよびディレクトリへのアクセスに対するより多くのコントロールを提示することができる。これらと本発明の他の効果は、次の記述を読み、図面のいくつかの図を観察すると、当業者には明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、実施形態によるディレクトリおよび明示的な規則セットの概念100を示した図である。概念100は、ファイル・システム・ディレクトリ102、オーバーレイ・ディレクトリ104、オーバーラップ106および明示的な規則セット108を含むものである。明示的な規則セット108は、オーバーレイ・ディレクトリ104がファイル・システム・ディレクトリ102に優先するという明示的な規則を含むものであってもよい。この場合、ディレクトリがオーバーラップ106で、ファイル・システム・ディレクトリ102およびオーバーレイ・ディレクトリ104の両方の中で表わされる場合、明示的な規則は、オーバーレイ・ディレクトリ104からディレクトリのアクセスを強要する。明示的な規則セット108のないシステムが同様の効果があるかもしれないが、明示的な規則に依存するものではない。言いかえれば、ファイル・システム上のディレクトリと同じである先行技術オーバーレイ・ディレクトリは、ファイル・システム・ディレクトリを効果的にカバーして隠すものである。
【0009】
実施形態の態様による別の明示的な規則は、オーバーレイよりもファイル・システムに優先することを含むものである。そのような規則の目的は、優先することである。
【0010】
実施形態の態様による別の明示的な規則は、オーバーレイ・ディレクトリおよびファイル・システム・ディレクトリを合併することを含むものである。この規則は、例外およびディレクトリ自体に基づいた優先する規則を含むものでもよい。例えば、オーバーレイ・ディレクトリの代わりにアドビ・リーダに関連したファイル・システム・ディレクトリにアクセスすることが望ましい。この例において、ディレクトリがローカルに存在する場合、アドビ・リーダ・ディレクトリを流す必要はない。このように、明示的な規則は、ローカルのアドビ・リーダ・ディレクトリがダウンロードする代わりにアクセスされることを保証するものであってもよい。
【0011】
図2は、実施形態によるファイルおよび明示的な規則セットの概念200を示した図である。概念200は、ファイル・システム・ファイル202、オーバーレイ・ファイル204、オーバーラップ206および明示的な規則セット208を含むものである。ファイルのための規則は、いくつかの方法でディレクトリのものと類似するものである。しかしながら、ファイルは、規則の発達によるより多くの特性を持つものであってもよい。ファイルのための明示的な規則は、ファイル・システムを優先することや、最近のファイル期日に依存するオーバーレイや、ファイルの最近のバージョンを含むものであってもよい。ファイル用に引き出し可能な規則の数は、ファイル自体と同様に様々である。より多くの明白な規則のうちのいくつかは、ファイルの詳細、例えばファイル・サイズや作成者、ファイルの種類等を参照するものである。
【0012】
図3は、明示的なオーバーレイ統合規則を使用する方法の例を示したフローチャート300である。フローチャート300は、ファイル・システム構造へのオーバーレイが提供されるブロック302でスタートするものである。そのオーバーレイは、ストリーミング・ソフトウェア手続きに関係するものであってもよい。或いは、オーバーレイを利用するストリーミング・メディアのために、オーバーレイは、ストリーミング・メディア手続きに関係するものであってもよい。
【0013】
図3の例では、フローチャート300は、明示的なオーバーレイ統合規則が提供されるブロック304で継続する。明示的なオーバーレイ統合規則は、メモリに格納され、ユーザ或いは自動プログラムによって更新されるものであってもよく、変更されるものであってもよい。
【0014】
図3の例では、フローチャート300は、ファイル・システム構造或いはその規則に依存するオーバーレイのいずれかにファイル・システム構造およびオーバーレイ中のファイル名へのファイル・アクセスを指示するブロック306で終了する。ファイル・システム構造が優先することを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合、ファイル・アクセスは、ファイル・システム構造中のファイルにある。オーバーレイが優位であることを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合、ファイル・アクセスは、オーバーレイの中で表わされたファイルにある。ファイル・システムとオーバーレイとが合併されることを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合、その規則は、ファイル・システム構造中のファイル或いはオーバーレイの中で表わされたファイル(例えば、ファイルのバージョン番号)にアクセスするべきであるかどうか決定するためのロジックを提供すべきである。
【0015】
図4は、ファイル・アクセスのための方法の例を示したフローチャート400である。例示目的のために、ファイルがアクセスされた後、フローチャート400は終了する。フローチャート400は、ファイルへのアクセス・リクエストを受け取るブロック402で始まる。
【0016】
図4の例では、フローチャート400は、ファイルがオーバーレイおよびファイル・システム構造の中で表わされるかどうかが決定される決定ポイント404で継続するものである。ファイルがストリーミング・プログラムの一部である場合、ファイルはオーバーレイの中で表わされるものであってもよい。
【0017】
そのファイルがオーバーレイおよびファイル・システム構造(404−N)の両方の中で表わされない場合、そのフローチャート400は、オーバーレイの中或いはファイル・システム構造の中で、ファイルがアクセスされるブロック406で継続する。例えば、そのファイルがオーバーレイに存在する場合、そのファイルは、オーバーレイの中でアクセスされる。しかし、ファイルがファイル・システム構造に存在する場合、そのファイルは、ファイル・システム構造の中でアクセスされる。その後、フローチャート300は、終了する。他方では、ファイルが、オーバーレイおよびファイル・システム構造(404−Y)の両方の中で表わされる場合、フローチャート400は、明示的なオーバーレイ統合規則が調べられるブロック408で継続する。その後、明示的なオーバーレイ統合規則によって指図されるように、フローチャート400は、ファイルがオーバーレイ或いはファイル・システム構造の中でアクセスされるブロック410で継続する。例えば、オーバーレイが優先することを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合、そのファイルはオーバーレイの中でアクセスされる。ブロック410の後、フローチャート400は終了する。
【0018】
図5は、明示的なオーバーレイ統合規則を得る方法の例を示すフローチャート500である。フローチャート500は、オーバーレイ統合動作を提供するようにユーザに指示されるブロック502で始まる。例えば、ユーザは、ストリーミング・アプリケーション等からのファイルがローカルのディレクトリへ合併されることを可能にするチェックボックスをチェックするオプションを与えられるものであってもよい。
【0019】
実施形態では、フローチャート500は、ユーザから明示的なオーバーレイ統合規則を受け取ることを備えたブロック504で継続する。例えば、ユーザがそのときチェックボックスをチェックすれば、システムは、ファイル・システム構造へオーバーレイのファイルおよび(或いは)ディレクトリを合併するものであってもよい。チェックボックスがチェックされない場合、システムは、オーバーレイを優先するものであってもよい。
【0020】
実施形態では、フローチャート500は、明示的なオーバーレイ統合規則によってファイル・アクセスに応答することを備えたブロック506で継続する。その後フローチャート500は終了する。
【0021】
図6は、ストリーミング・クライアントで明示的なオーバーレイ統合規則を使用する方法の例を示したフローチャート600である。フローチャート600は、ストリーミング・サーバからクライアントへストリーミング・プログラムを先導することを備えたブロック602で始まる。
【0022】
図6の例では、フローチャート600は、クライアントにオーバーレイを供給することを備えたブロック604で継続する。
【0023】
図6の例では、フローチャート600は、クライアントで、オーバーレイの中で表わされるファイルのアクセスを試みることを備えたブロック606で継続する。
【0024】
図6の例では、フローチャート600は、クライアントのファイル・システム構造の中でファイルも表わされるかどうかが決定される決定ポイント608で継続する。
【0025】
図6の例で、クライアント(608−Y)のファイル・システム構造の中でそのファイルも表わされる場合、ブロック610では、オーバーレイの中で表示されたファイル或いは明示的なオーバーレイ統合規則に関連するファイル構造の中のファイルにアクセスするかどうか決定される。
【0026】
図6の例で、クライアント(608−N)のファイル・システム構造でそのファイルも表わされない場合、ブロック612では、ファイルは、オーバーレイの中でアクセスされ、そして、フローチャート600は終了する。
【0027】
下記の図7および8は、コンピュータ・ハードウェアの概観、およびここに記述された発明の方法を行なうのに適した他の操作のコンポーネントを提供することを意図するものであるが、これに限定されるものではない。同様に、そのコンピュータ・ハードウェアおよび他の操作のコンポーネントは、ここに記述された発明の装置の一部として適切である。その発明は、携帯端末、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサに基づくもの、或いはプログラム可能な家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータおよびその他同種のものを含む他のコンピュータ・システム構成で実行することができる。通信網によってリンクされるリモート処理デバイスによってタスクが行なわれる分散コンピューティング環境の中でその発明も実行することができる。
【0028】
図7は、インターネットのようなネットワーク702を介して繋がれたいくつかのコンピュータ・システムを含み、ネットワークにつながれたシステム700を示したものである。ここに使用される「インターネット」とは、TCP/IPプロトコルのような特定のプロトコルを使用するネットワークや、ワールド・ワイド・ウェブ(ウェブ)を構築するハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)ドキュメントのためのハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)のようなほかのプロトコルを使用するネットワークを指すものである。インターネットの物理接続、インターネットのプロトコルおよび通信規定は、当業者には周知なものである。
【0029】
ウェブ・サーバ704は、一般的にサーバ・コンピュータ・システムとして動作する少なくとも1つのコンピュータ・システム、ワールド・ワイド・ウェブのプロトコルで動作するように構成されるもの、およびインターネットにつながれるものである。ウェブ・サーバ・システム704は、従来のサーバ・コンピュータ・システムであってもよい。必要に応じて、ウェブ・サーバ704は、クライアント・システムにインターネットへのアクセスを提供するISPの一部であってもよい。ウェブ・サーバ704は、ウェブ・コンテンツ708に繋がるサーバ・コンピュータ・システム706につながるものであり、それはメディア・データベースの形式と考えることができる。2つのコンピュータ・システム704および706は、図7の中で示されるが、ウェブ・サーバ・システム704およびサーバ・コンピュータ・システム706は、サーバ・コンピュータ・システム706によって提供されるウェブ・サーバ機能性およびサーバ機能性を提供する異なるソフトウェア・コンポーネントを有する1つのコンピュータ・システムであってもよい。具体的には下記に示す。
【0030】
ネットワーク702へのアクセスは、ISP710および716のようなインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)によって一般的に提供されるものである。クライアント・コンピュータ・システム712、718、722および726のようなクライアント・システム上のユーザは、ISP710および716によってインターネットにアクセスする。インターネットへのアクセスは、クライアント・コンピュータ・システムのユーザに情報を交換すること、電子メールを送受信すること、およびHTMLフォーマットで準備されているドキュメントを見ることを許可するものである。これらのドキュメントは、ウェブ・サーバ704のようなウェブ・サーバによってしばしば提供され、インターネット上で参照される。コンピュータ・システムがセット・アップされ、さらにISPであるそのシステムなしでインターネットに接続することができるとはいえ、しばしば、これらのウェブ・サーバは、ISP710のようなISPによって提供される。
【0031】
クライアント・コンピュータ・システム712、718、722および726は、各々、適切なウェブ・ブラウジング・ソフトウェアで、ウェブ・サーバ704によって提供されるHTMLページを見ることができる。ISP710は、クライアント・コンピュータ・システム712の一部と考えることができインターネット接続を、モデム・インタフェース714を通して、クライアント・コンピュータ・システム712に提供するものである。クライアント・コンピュータ・システムは、パソコン・システム、ネットワーク・コンピュータ、ウェブ・テレビ・システム或いは他のコンピュータ・システムであってもよい。図7は、「モデム」として、モデム・インタフェース714を一般的に示すが、そのインターフェースは、アナログ・モデム、ISDNモデム、ケーブル・モデム、衛星伝送インターフェース(例えば「直接のPC」)或いは他のコンピュータ・システムにコンピュータ・システムをつなぐためのインターフェースであってもよい。
【0032】
ISP716は、ISP714に似ているので、クライアント・システム718、722および726にインターネット接続を提供するが、図7の中で示されるようにその接続は、これらの3つのコンピュータ・システムに対して同じではない。クライアント・コンピュータ・システム718は、モデム・インタフェース720を通って接続されると同時に、クライアント・コンピュータ・システム722および726は、LAN730の一部である。
【0033】
クライアント・コンピュータ・システム722および726は、イーサネット・ネットワーク或いは他のネットワーク・インターフェイスになりえるネットワーク・インターフェイス724および728を通ってLAN730につながれるものである。LAN730も、ローカル・エリア・ネットワークにファイアウォールおよび他のインターネット関連のサービスを提供することができるゲートウェイ・コンピュータ・システム732につながれるものである。このゲートウェイ・コンピュータ・システム732は、クライアント・コンピュータ・システム722および726に、インターネット接続を提供するためにISP716につながれるものである。そのゲートウェイ・コンピュータ・システム732は、従来のサーバ・コンピュータ・システムであってもよい。
【0034】
或いは、サーバ・コンピュータ・システム734は、ゲートウェイ・システム732によってインターネットに接続する必要なしにクライアント722および726にファイル738および他のサービスを提供するために、ネットワーク・インターフェイス736によってLAN730に直接つながれるものである。
【0035】
図8は、システム700(図7)で使用されるコンピュータ・システム740を示す。コンピュータ・システム740は、クライアント・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、或いはウェブ・サーバ・システムとして使用することができる従来のコンピュータ・システムであってもよい。そのようなコンピュータ・システムは、ISP710(図7)のようなインターネット・サービス・プロバイダの機能の多くを行なうために使用することができる。
【0036】
図8の例では、コンピュータ・システム740は、コンピュータ742、I/Oデバイス744およびディスプレイ・デバイス746を含むものである。コンピュータ742は、プロセッサ748、コミュニケーション・インターフェース750、メモリ752、ディスプレイ・コントローラ754、不揮発性記憶装置756およびI/Oコントローラ758を含むものである。コンピュータ・システム740は、I/Oデバイス744およびディスプレイ・デバイス746に接続されるか、或いは含むものである。
【0037】
そのコンピュータ742は、モデム或いはネットワーク・インターフェイスを含むコミュニケーション・インターフェース750によって外部システムへ接続する。コミュニケーション・インターフェース750がコンピュータ・システム740の一部或いはコンピュータ742の部品であると考えることができる。コミュニケーション・インターフェースは、アナログ・モデム、ISDNモデム、ケーブル・モデム、トークン・リング・インターフェース、衛星伝送インターフェース(例えば「直接のPC」)或いは他のコンピュータ・システムにコンピュータ・システムをつなぐための他のインターフェースであってもよい。
【0038】
プロセッサ748は、例えばインテル・ペンティアム・マイクロプロセッサ或いはモトローラ・パワーPCマイクロプロセッサのような従来のマイクロプロセッサであってもよい。メモリ752は、バス760でプロセッサ748につながれるものである。メモリ752は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)となり、さらにスタティック・ラム(SRAM)を含むものである。そのバス760は、プロセッサ748をメモリ752へつなぎ、さらに不揮発性記憶装置756、ディスプレイ・コントローラ754及びI/Oコントローラ758へもつなぐものである。
【0039】
I/Oデバイス744は、キーボード、ディスク・ドライブ、プリンタ、スキャナ、及び他の入出力デバイス、マウス或いは他のポインティング・デバイスを含むものである。ディスプレイ・コントローラ754は、従来の方法でディスプレイ・デバイス746上の例えば、ブラウン管(CRT)或いは液晶ディスプレイ(LCD)をコントロールするものであってもよい。ディスプレイ・コントローラ754およびI/Oコントローラ758は、従来技術で実行されてもよい。
【0040】
不発性記憶装置756は、多くの場合、磁気ハード・ディスク、光ディスク、或いは他の大容量のデータ記憶装置の形である。このデータのうちのいくつかは、コンピュータ742中のソフトウェアの実行中に、メモリ752にダイレクト・メモリ・アクセス処理によって、しばしば書かれるものである。「機械可読媒体」或いは「コンピュータ可読媒体」は、プロセッサ748によってアクセス可能で、さらにデータ信号をコード化する搬送波を包含する任意のタイプの記憶装置を含むものであるのは、当業者にとっては明らかである。
【0041】
オブジェクト、メソッド、インライン・キャッシュ、キャッシュ・ステイトおよび他のオブジェクト指向のコンポーネントは、不揮発性記憶装置756に格納されるものであってもよく、或いは、例えばオブジェクト指向のソフトウェア・プログラムの実行中にメモリ752に書き込まれてもよい。
このように、例えば図1−3および6の中で例示されたコンポーネントは、コンピュータ・システム740上で実証することができる。
【0042】
コンピュータ・システム740は、異なる方式を持つ多くの可能なコンピュータ・システムの1つの例である。例えば、インテル・マイクロプロセッサに基づいたパソコンは、しばしば多数のバスを持っており、そのうちの1つは、周辺装置のため、1つは、プロセッサ748とメモリ752(しばしばメモリ・バスと呼ばれる)とを直接接続するためのI/Oバスであってもよい。それらのバスは、異なるバス・プロトコルへのどんな必要な変換も行なうブリッジ・コンポーネントによって共に接続される。
【0043】
ネットワーク・コンピュータは、本発明と共に使用することができる別のタイプのコンピュータ・システムである。ネットワーク・コンピュータは、通常、ハード・ディスク或いは他の大容量記憶装置を含むものではない。また、実行可能プログラムは、プロセッサ748によってネットワーク接続から実行用のメモリ752にロードされる。当分野において周知技術であるウェブ・テレビ・システムも本発明によれば、コンピュータ・システムであると考えられるが、それは、図8の中で示す入出力デバイスのような特徴のうちのいくつかを欠くものであってもよい。典型的なコンピュータ・システムは、通常少なくとも1台のプロセッサ、メモリ、およびプロセッサにメモリをつなぐバスを含むものである。
【0044】
さらに、コンピュータ・システム740は、オペレーティング・システム・ソフトウェアの一部であるDOSのようなファイル管理システムを含んでいるオペレーティング・システム・ソフトウェアによってコントロールされるものである。関連するファイル管理システム・ソフトウェアを備えたオペレーティング・システム・ソフトウェアの1つの例は、レドモンド(ワシントン)のマイクロソフト株式会社のウインドウズとして知られるオペレーティング・システム、及びそれらの関連するファイル管理システムの系列である。関連するファイル管理システム・ソフトウェアを備えたオペレーティング・システム・ソフトウェアの別の例は、Linuxオペレーティング・システムおよびその関連するファイル管理システムである。ファイル管理システムは、不揮発性記憶装置756に主に格納され、また、オペレーティング・システムによって要求された様々な行為をプロセッサ748に実行させ、データを入出力させ、またメモリにデータを格納(不揮発性記憶装置756上にファイルを格納することを含む)させる。
【0045】
詳細な記述のいくつかの部分は、アルゴリズムの用語とコンピュータ・メモリ内のデータ・ビット上のオペレーションの記号表現の点から示される。これらのアルゴリズムの記述および表現は、それらの仕事の内容を他者へ最も有効に伝えるために、データ処理者によって使われる手段である。アルゴリズムは、一般的に希望の結果に結びつくオペレーションの自己矛盾がないシーケンスと考えられるものである。オペレーションは、物理量の物理的な操作を要求するものである。通常、必ずではなく、これらの量は、格納され、転送され、組み合わされ、比較され、また、そうでなければ操作される電気或いは磁気信号の形式をとるものである。一般的に、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、用語、数等と呼ぶ。
【0046】
これらがすべて適切な物理量に関係し、そのすべてがこれらの量に適用された単に便利なラベルであるけれども、記憶されるべきである。特に別記しない限り、次の議論から明白なものとして、「プロセッシング」、「コンピューティング」、「カルキュレイティング」、「デターミング」或いは「ディスプレイイング」等の用語を利用する議論は、他の情報記憶装置、送信装置、ディスプレイ・デバイス内の物理量として同様に表わされる他のデータ中で、コンピュータ・システムのレジストリおよびメモリ内の物理的な(電子)量として表わされるデータを操作し、変形するコンピュータ・システム(すなわち同様の電子コンピューティング装置)のアクションおよびプロセスを指すものである。
【0047】
本明細書のいくつかの実施形態に係る本発明は、オペレーションを行なうための装置に関係するものである。この装置は、要求された目的のために特に構成されるもの、或いは、コンピュータに格納されたコンピュータ・プログラムによって選択的に活性化されたか再構成された汎用計算機を含むものであってもよい。そのようなコンピュータ・プログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD−ROMおよび光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気或いは光カードのようなコンピュータ読取り可能な記憶媒体、或いは電子指示を格納するのにふさわしい任意のタイプのメディアに格納されるものであってもよく、また、各々はコンピュータ・システム・バスに連結されるものであってもよい。
【0048】
本明細書に示されたアルゴリズムとディスプレイは、本質的にどんな特定のコンピュータ或いは他の装置とも関係するものではない。様々な多目的システムは、本明細書での教示に従ってプログラムと共に使用されてもよい。或いは、いくつかの実施形態を実施するより多くの専門の装置を構成することは、便利である。これらの様々なシステム用に必要な構成は、下記に示される。さらに、本発明は、特定のプログラミング言語に関しするものではなく、様々な実施形態は、様々なプログラミング言語を使用して実施されるものである。
【0049】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の創造性の範囲内で、修正、交換および均等物が認められるものである。したがって、次に添付の、本発明の趣旨および範囲内で修正、交換および均等物をすべて含むことを意図するものであり、本発明は、特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ディレクトリおよび明示的な規則セットについての概念図を示す。
【図2】ファイルおよび明示的な規則セットについての概念図を示す。
【図3】明示的なオーバーレイ統合規則を使用する方法の例のフローチャートを示す。
【図4】ファイル・アクセス方法の例のフローチャートを示す。
【図5】明示的なオーバーレイ統合規則を得る方法の例のフローチャートを示す。
【図6】ストリーミング・クライアントで明示的なオーバーレイ統合規則を使用する方法の例のフローチャートを示す。
【図7】一実施形態で使用するネットワークにつながれたシステムを示す。
【図8】図7のシステムで使用するコンピュータ・システムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイル・システム構造にオーバーレイを提供すること、明示的なオーバーレイ統合規則を提供すること、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスをファイル・システム構造或いは明示的なオーバーレイ統合規則に依存するオーバーレイのいずれかに導くこと、を含む方法。
【請求項2】
オーバーレイは、ストリーミング・ソフトウェア・プログラムに関係する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ファイル・システム構造にオーバーレイを提供することは、明示的なオーバーレイ統合規則を入力することをユーザに指示すること、明示的なオーバーレイ統合規則をユーザから受け取ることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
オーバーレイ中のファイルと、ファイル・システム構造中のファイルとは、同一の名前を有するが、ファイルの詳細は異なる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ファイル・システム構造は、ファイル・システム・ディレクトリを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ファイル・システム構造は、ファイル・システム・ファイルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ファイル・システム構造に存在するファイルへのファイル・アクセスをファイル・システム構造に導くこと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
オーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスをオーバーレイに導くこと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
明示的なオーバーレイ統合規則は、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスがオーバーレイに導かれるべきであることを指示する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
明示的なオーバーレイ統合規則は、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスがファイル・システム構造に導かれるべきであることを指示する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
明示的なオーバーレイ統合規則は、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスがファイル・システム構造或いはファイルが存在するディレクトリの特性に依存するオーバーレイのいずれかに導かれるべきであることを指示する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
明示的なオーバーレイ統合規則は、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスがファイル・システム構造或いはファイルの特性に依存するオーバーレイのいずれかに導かれるべきであることを指示する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ファイルへのアクセス要求を受け取ること、明示的なオーバーレイ統合規則を調べること、オーバーレイがファイル・システム構造に優先することを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合にオーバーレイ中のファイルにアクセスすること、ファイル・システム構造がオーバーレイに優先することを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合にファイル・システム構造中のファイルにアクセスすること、オーバーレイとファイル・システム構造とが同等に優先されることを明示的なオーバーレイ統合規則が示す場合にファイル特性によってファイルにアクセスすること、を含む方法。
【請求項14】
オーバーレイは、ストリーミング・ソフトウェア・プログラムに関係する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
オーバーレイ中のファイルと、ファイル・システム構造中のファイルとは、同一の名前を有するが、ファイルの詳細は異なる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
明示的なオーバーレイ統合規則を提供すること、をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
オーバーレイを提供すること、をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
オーバーレイとファイル・システム構造との両方の中でファイルが表わされるかどうか判断すること、をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
オーバーレイ中でのみ或いはファイル・システム構造中でのみファイルが表わされるかどうか判断すること、ファイルがオーバーレイ中でのみ表わされる場合にオーバーレイ中のファイルにアクセスすること、ファイルがファイル・システム構造中でのみ表わされる場合にファイル・システム構造中のファイルにアクセスすること、をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項20】
ファイル・システム構造にオーバーレイを提供する手段、明示的なオーバーレイ統合規則を提供する手段、ファイル・システム構造およびオーバーレイに存在するファイルへのファイル・アクセスをファイル・システム構造或いは明示的なオーバーレイ統合規則に依存するオーバーレイのいずれかに導く手段、を含むシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2009−505167(P2009−505167A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503197(P2008−503197)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/010637
【国際公開番号】WO2006/102532
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.Linux
3.フロッピー
【出願人】(507134079)ストリーム セオリー,インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】STREAM THEORY,INC.
【Fターム(参考)】