説明

易分散性粒状ホワイトナー

【課題】水や温水に分散する場合の分散性を向上し、投入した食品のホワイトニング性を向上させる粒状ホワイトナーの提供。
【解決手段】蛋白素材を5〜30質量%を含有し、増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%、白色剤を0.2〜30質量%を含有することを特徴とする粒状ホワイトナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水や温水に分散させて飲食する易分散性粒状ホワイトナーに関する。
【背景技術】
【0002】
食品素材を加工処理して、例えばクリーム類の粉末状のコーヒーホワイトナーとし、コーヒーに分散させて飲食する場合、コーヒーホワイトナー中の脂質成分が高い。従来、この問題点を解決するために、乳製品とポリデキストロースを粉末化、乳蛋白や大豆蛋白を使用し植物油脂他を加えて粉末化などの方法を、単独もしくは複数組み合わせて用いられてきた。
【0003】
例えば、特許文献1では乳製品とフルクタン類やポリデキストロースと共乾燥することで、得られた粉末を用いた食品組成物の口当たり、テクスチャーおよび味覚を改善する粉末が開示され、ホワイトナーとして使用できることが開示されている。
【0004】
一方、脂質を減らした粒状食品を水や温水に投入する場合の分散性を改善し、投入した食品のホワイトニング性を改善する方法はほとんど知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−179025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでの技術で、脂質を減らした粒状物をホワイトナーに使用する方法は上述の通り開示されている。しかし、特許文献1に記載されているポリデキストロースと共乾燥した粉末では、水や温水に分散させた場合の分散性が低く、またホワイトニング性が低いという問題があった。
【0007】
本発明は、水や温水に分散させて飲食する易分散性粒状ホワイトナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、食品衛生法で規定される増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤と食品衛生法で使用可能な白色剤を用いることにより、蛋白素材を含有する粒状ホワイトナーの水への分散性を改善し、ホワイトニング性を改善することを見出し、本発明を成すに至った。すなわち本発明は下記の通りである。
【0009】
(1)蛋白素材を5〜30質量%を含有し、増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%、白色剤を0.2〜30質量%を含有することを特徴とする易分散性粒状ホワイトナー。
(2)増粘安定剤が天然添加物である、(1)に記載の易分散性粒状ホワイトナー。
(3)増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤が易分散性である、(1)または(2)に記載の易分散性粒状ホワイトナー。
(4)さらに部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜30質量%を含有することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の易分散性粒状ホワイトナー。
(5)さらに糖アルコール(固形分)を0.5〜15質量%含有することを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか一つに記載の易分散性粒状ホワイトナー。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、水や温水への分散性に優れ、直ぐに沈殿物を発生せず、投入した食品のホワイトニング性を改善する易分散性粒状ホワイトナーを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき詳しく説明する。
本発明のホワイトナーは、蛋白素材、増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤、白色剤を含有する。
【0012】
本発明で言う蛋白素材とは、食用で使用されるものであればよく、蛋白質を主成分とする動物性蛋白素材、植物性蛋白素材であってもよい。蛋白素材に含有する脂質は少ない方が好ましい。例えば、カゼイン類、乳清蛋白分離物、乳蛋白濃縮物等の乳蛋白、大豆蛋白は好ましい例であり、これらを単独、または複数組み合わせて使用することも好ましい例である。
【0013】
蛋白素材の配合量(固形分)は、5〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%、さらに好ましくは15〜25質量%である。5質量%未満では、味覚上、ホワイトナーとしての風味が弱くなるので好ましくない。30質量%を超える場合、易分散性粒状ホワイトナーの分散性が悪化するため好ましくない。
【0014】
本発明で使用する微結晶セルロース製剤とは、例えば木材パルプ、精製リンターなどのセルロース系素材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解などにより解重合処理して得られる平均重合度30〜400、結晶性部分が10%を超える微結晶セルロースと増粘安定剤とを複合体化したものをいう。本発明で言う増粘安定剤としては、食品衛生法で定義される食品添加物のうち、例えば、カラヤガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)などが挙げられる。好ましくは天然添加物の増粘安定剤であり、特に粘稠性が適度となり、口当たりもよい点でカラヤガム、キサンタンガムが好ましい。配合量は特に規定しないが、1〜20%が好ましく、2〜13%が更に好ましい範囲である。
さらに、再分散性の補助剤としてデキストリンが入っていることが好ましい。
【0015】
微結晶セルロース製剤の具体例としては、セオラスRC−N81(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスRC−N30(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスDX−2(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスRC−591(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0016】
本発明の易分散性粒状ホワイトナーの分散性を向上させるためには、平均粒径が10μm以下である易分散性の微結晶セルロース製剤を用いることが好ましい。本発明で言う平均粒径は、具体的な測定方法は実施例に記載しているが、セルロース換算で1質量%の分散液となるように一般的な1〜2Lのステンレスビーカーに、微結晶セルロース製剤及び脱イオン水を、攪拌が十分できる量、例えば、2Lビーカーに1500mlを仕込み、半径30〜40mmの4枚パドル翼を取り付けたプロペラ攪拌機を用いて25℃、500rpmで20分間、水に分散させた場合の平均粒径のことを言う。例えばセオラスDX−2(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)が、このような平均粒径10μm以下の要件を満たした微結晶セルロース製剤である。微結晶セルロース製剤の粒径は、強力な攪拌機、例えばエースホモジナイザー(日本精機製AM−T)などにより、10000回転/分以上の回転数で5分程度分散した粒径をさすことが多いが、この条件は非常に強い分散条件であるため、易分散性粒状ホワイトナーを水や温水に分散させる際にかかる攪拌力よりも遥かに強いものである。よって上記測定方法に準じて測定した平均粒径10μm以下の易分散性の微結晶セルロース製剤を易分散性粒状ホワイトナーに配合することは、分散性の改善に好ましい。
【0017】
微結晶セルロース製剤(固形分)の配合量は、0.3〜10質量%であり、好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは2〜7質量%である。0.3質量%未満では易分散性粒状ホワイトナーの分散性が不足し、の沈殿物が発生しやすくなり、白濁10質量%を超えると分散液が粘稠になり食感を損なうため好ましくない。
【0018】
易分散性粒状ホワイトナーに微結晶セルロース製剤を含有させる方法は、特に限定はないが、微結晶セルロース製剤が偏在しないようにすることは、必要である。食品素材と予め混合し、結合液を噴霧しながら造粒する方法は好ましい方法の一つである。
【0019】
本発明でいう白色剤とは、食用で使用されるものであればよく、無機物、有機物であってもよい。無機部の例である二酸化チタン、有機物の例である難消化性澱粉は好ましい例である。
難消化性澱粉の例としては、アミロジェル(商品名、三和澱粉工業株式会社製)が挙げられる。
【0020】
白色剤の配合量は、0.2〜30質量%であり、好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは7〜20質量%である。0.2質量%未満では、易分散性粒状ホワイトナーのホワイトニング性が劣るため好ましくない。30質量%を越える場合、易分散性粒状ホワイトナーを投入した食品の沈殿物が多くなるため、好ましくない。
【0021】
また、本発明では部分アルファー化澱粉を微結晶セルロース製剤と併用すると、より分散性が向上するため好ましい。部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜30質量%配合することが好ましい。より好ましくは3〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。1質量%以上の場合は分散性向上効果がより向上し、30質量%以下の場合はその他の食品素材の配合量が適度となるので好ましい。
【0022】
ここでいう部分アルファー化澱粉とは、澱粉を湿熱処理により部分的にアルファー化したものである。その原料は特に制限はなく、とうもろこし澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉などいずれの澱粉原料でもよい。部分アルファー化澱粉のなかでも、外殻薄膜構造が残ったものが好ましい。具体的には冷水可溶分が6質量%以下のものが好ましい。冷水可溶分が6質量%以下のとき、糊成分の流出が少なく、良好な食感を維持できる。
【0023】
また、本発明では糖アルコールを微結晶セルロース製剤と併用すると、より分散性が向上するため好ましい。易分散性粒状ホワイトナー(固形分)100質量%のうち、糖アルコール(固形分)を0.5〜15質量%配合することが好ましい。より好ましくは、1〜10質量%である。糖アルコール(固形分)の配合が、0.5質量%以上の場合は分散性向上効果がより向上し、15質量%以下の場合はその他の食品素材の配合量が適度となるので好ましい。
【0024】
糖アルコールの種類に特に制限はないが、溶解度が高く、吸湿性の低い糖アルコールが好ましい。例えば、ソルビトール、トレハロースは好ましい例である。
【0025】
本発明の易分散性粒状ホワイトナーは、コーヒーや紅茶のホワイトナーやシチューのホワイトナーとして使用される。
【実施例】
【0026】
実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。なお、測定及び評価は以下の通りに行った。
【0027】
<微結晶セルロース製剤の平均粒径[μm]>
(1)固形分濃度が1%、総量1300〜1700mlの水分散液となるようにサンプルと純水を2Lステンビーカーに量り取り、汎用攪拌翼かい十字(半径35mm)を取り付けたプロペラ攪拌機(スリーワンモーターHEIDON(商品名)BL−600)を用いて25℃、500rpmで20分間分散した。
(2)レーザー回折散乱装置((株)堀場製作所製 LA−910、超音波分散1分)により積算体積が50%になる値(メジアン径)を読み取り、平均粒径とした。
【0028】
<易分散性粒状ホワイトナーの分散性>
インスタントコーヒー(商品名:ネスカフェゴールドブレンド、ネスレ日本(株)製)1.5gを98℃の温水100gに投入し、スプーンで撹拌し溶解させる。次いで、易分散性粒状ホワイトナー2.0gを投入し、スプーンで10秒間撹拌し、易分散性粒状ホワイトナーの分散性を以下の通り評価した。
○:速やかに分散し、分散性良好
△:分散するが未分散物が存在する
×:分散し難く、未分散物が多く存在し分散性不良
【0029】
<易分散性粒状ホワイトナーのホワイトニング性>
(1)易分散性粒状ホワイトナーの分散性を評価した液を液中の未分散物がなくなるまでスプーンで撹拌した後、室温まで冷却した。
(2)冷却した液をスプーンで10秒間撹拌後、丸セル(直径35mm、高さ15mm)に6.5g投入し、直ちに分光色差計(日本電色工業(株)製、SE−2000、反射モード)で白色度を測定した。易分散性粒状ホワイトナーのホワイトニング性は、以下の式により求めた。
ホワイトニング性(−)=易分散性粒状ホワイトナーの白色度(−)−インスタントコーヒーの白色度(−)
【0030】
[製造例1]
60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら、微結晶性セルロース80質量%とカラヤガム10質量%とデキストリン10質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−N81、旭化成ケミカルズ(株)製)を1.35kg加えた後、分散助剤として、デキストリン(商品名:パインデックス#3、松谷化学工業(株)製)1.65kgを加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて15MPaの圧力で2パスして混合処理したのち、スプレードライヤーを用いて入り口温度が90〜100℃、出口温度が70〜80℃の条件で噴霧乾燥して、易分散性の微結晶セルロース製剤Aを得た。この微結晶セルロース製剤Aは、分散助剤を加えて高圧ホモジナイザーで処理し、スプレードライで乾燥しているので、非常に分散し易い微結晶セルロース製剤である。微結晶セルロース製剤Aの平均粒径は8.0μmであった。
【0031】
[製造例2]
60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら、微結晶性セルロース75質量%とキサンタンガム5質量%とデキストリン20質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−N30、旭化成ケミカルズ(株)製)を1.2kg加えた後、分散助剤として、デキストリン(商品名:パインデックス#3、松谷化学工業(株)製)1.8kgを加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナイザーを用いて15MPaの圧力で2パスして混合処理したのち、スプレードライヤーを用いて入り口温度が90〜100℃、出口温度が70〜80℃の条件で噴霧乾燥して、易分散性の微結晶セルロース製剤Bを得た。この微結晶セルロース製剤Bは、分散助剤を加えて高圧ホモジナイザーで処理し、スプレードライで乾燥しているので、非常に分散し易い微結晶セルロース製剤である。微結晶セルロース製剤Bの平均粒径は7.3μmであった。
【0032】
[実施例1]
デキストリン(サンデック#300、三和澱粉工業(株)製)31.8質量%、乳蛋白(MPC480、フォンテラジャパン(株)製)20質量%、難消化性澱粉(商品名アミロジェルHB−450)20質量%、部分アルファー化澱粉(PCS FC−30、旭化成ケミカルズ製)10質量%、平均粒径7.2μmの微結晶セルロース製剤(セオラス DX−2(微結晶性セルロース36質量%とカラヤガム4.5質量%とデキストリン59.5質量%からなる乾燥状態の微結晶セルロース複合体)6質量%、シュガーエステル(商品名:リョートーシュガーエステルP−1670、三菱化学フーズ(株)製)4.64質量%、ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製)1.8質量%の割合で固形分として471.2gをビニール袋に入れ、3分間混合した。この混合粉体を転動流動コーティング装置((株)パウレック製、「マルチプレックス」MP−01型)の流動層カラムを用いて、スプレーノズル径1.2mm、ノズル先端1mm出し、スプレー位置はトップ(中段セット)、スプレー圧力0.12MPa、スプレー流量30L/分、バグフィルター種はT−4000、バグフィルター払い落とし圧力0.65MPa、給気温度設定80℃、風量30〜50m/時、結合液投入速度12g/分の条件で造粒した。なお、混合粉体を造粒する際の結合液としては、ソルビトールとシュガーエステルの混合溶液180g(混合溶液中のソルビトールの固形分:27.0g、シュガーエステルの固形分:1.8g)噴霧後、造粒された混合粉体を排気温度が40℃になるまで乾燥させた。さらに、目開き:500μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、易分散性粒状ホワイトナーAを得た。粗大粒子の割合は0.9%、水分は4.1%であった。
易分散性粒状ホワイトナーAは、分散性○、ホワイトニング性18.4であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0033】
[実施例2]
デキストリンを21.8質量%、乳蛋白を20質量%、難消化性澱粉を20質量%、部分アルファー化澱粉を20質量%、DX−2を6質量%、シュガーエステルを4.82質量%、ソルビトール4.5質量%の割合で固形分として485.6gをビニール袋に入れ、3分間混合した。この混合粉体を造粒する際の結合液として、ソルビトールとシュガーエステルの混合溶液90g(混合溶液中のソルビトールの固形分:13.5g、シュガーエステルの固形分:0.9g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーBを得た。粗大粒子の割合は0.3%、水分は4.9%であった。
易分散性粒状ホワイトナーBは、分散性○、ホワイトニング性18.5であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0034】
[実施例3]
難消化性澱粉を10質量%、ソルビトール11.8質量%とした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーCを得た。粗大粒子の割合は1.0%、水分は3.8%であった。
易分散性粒状ホワイトナーCは、分散性○、ホワイトニング性16.9であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0035】
[実施例4]
DX−2を微結晶セルロース製剤Aとした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーDを得た。粗大粒子の割合は0.5%、水分は4.0%であった。
易分散性粒状ホワイトナーDは、分散性○、ホワイトニング性17.9であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0036】
[実施例5]
DX−2を微結晶セルロース製剤Bとした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーEを得た。粗大粒子の割合は1.2%、水分は4.3%であった。
易分散性粒状ホワイトナーDは、分散性○、ホワイトニング性17.7であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0037】
[実施例6]
DX−2を製造例1で使用したRC−N81(微結晶セルロース製剤の平均粒径は約70μm)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーFを得た。粗大粒子の割合は0.6%、水分は3.8%であった。
易分散性粒状ホワイトナーFは、分散性△、ホワイトニング性16.4であり、分散性はほぼ良好であり、ホワイトニング性は良好だった。
【0038】
[実施例7]
DX−2を結晶性セルロース89質量%とカルボキシメチルセルロースナトリウム11質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−591、旭化成ケミカルズ(株)製、微結晶セルロースの平均粒径は約35μm)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーGを得た。粗大粒子の割合は1.1%、水分は4.2%であった。
易分散性粒状ホワイトナーGは、分散性△、ホワイトニング性15.7であり、分散性
はほぼ良好であり、ホワイトニング性は良好だった。
【0039】
[実施例8]
デキストリンを51.55質量%、乳蛋白を20質量%、二酸化チタン(CR−97、石原産業(株)製)0.25質量%、部分アルファー化澱粉を10質量%、DX−2を6質量%、シュガーエステルを4.64質量%、ソルビトール1.8質量%の割合で固形分として471.2gとした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーHを得た。粗大粒子の割合は1.5%、水分は4.4%であった。
易分散性粒状ホワイトナーHは、分散性○、ホワイトニング性16.7であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0040】
[実施例9]
デキストリンを50.8質量%、乳蛋白を20質量%、二酸化チタン(CR−97、石原産業(株)製)1質量%、部分アルファー化澱粉を10質量%、DX−2を6質量%、シュガーエステルを4.64質量%、ソルビトール1.8質量%の割合で固形分として471.2gとした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーIを得た。粗大粒子の割合は1.3%、水分は4.0%であった。
易分散性粒状ホワイトナーIは、分散性○、ホワイトニング性21.8であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0041】
[実施例10]
デキストリンを53質量%、乳蛋白を20質量%、難消化性澱粉を20質量%、DX−2を6質量%の割合で固形分として495.0gをビニール袋に入れ、3分間混合した。この混合粉体を造粒する際の結合液として、デキストリン水溶液100g(混合溶液中のデキストリンの固形分:5g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーJを得た。粗大粒子の割合は1.8%、水分は4.6%であった。
易分散性粒状ホワイトナーJは、分散性△、ホワイトニング性17.1であり、分散性はほぼ良好であり、ホワイトニング性は良好だった。
【0042】
[実施例11]
デキストリンを43質量%、乳蛋白を20質量%、難消化性澱粉を10質量%、部分アルファー化澱粉を20質量%、DX−2を6質量%の割合で固形分として495.0gとした以外は、実施例10と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーKを得た。粗大粒子の割合は1.8%、水分は4.6%であった。
易分散性粒状ホワイトナーKは、分散性△、ホワイトニング性17.5であり、分散性はほぼ良好であり、ホワイトニング性は良好だった。
【0043】
[実施例12]
デキストリンを43.1質量%、乳蛋白を20質量%、難消化性澱粉を10質量%、部分アルファー化澱粉を10質量%、DX−2を2質量%、シュガーエステルを4.64質量%、ソルビトール4.5質量%の割合で固形分として471.2gとした以外は、実施例1と同様に造粒し、易分散性粒状ホワイトナーLを得た。粗大粒子の割合は0.8%、水分は4.0%であった。
易分散性粒状ホワイトナーLは、分散性○、ホワイトニング性17.0であり、分散性、ホワイトニング性ともに良好だった。
【0044】
[比較例1]
デキストリンを51.8質量%、乳蛋白を20質量%、部分アルファー化澱粉を10質量%、DX−2を6質量%、シュガーエステルを4.64質量%、ソルビトール1.8質量%の割合で固形分として471.2gとした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状ホワイトナーMを得た。粗大粒子の割合は0.8%、水分は3.8%であった。
粒状ホワイトナーMは、分散性○、ホワイトニング性14.3であり、分散性は良好だが、ホワイトニング性が良好ではなかった。
【0045】
[比較例2]
デキストリンを67.8質量%、乳蛋白を20質量%、シュガーエステルを4.64質量%、ソルビトール1.8質量%の割合で固形分として485.7gとした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状ホワイトナーNを得た。粗大粒子の割合は0.5%、水分は4.0%であった。
粒状ホワイトナーNは、分散性△、ホワイトニング性12.2であり、分散性はほぼ良好だが、直ぐに沈殿物を生じ、ホワイトニング性は良好ではなかった。
【0046】
[比較例3]
デキストリンを37.8質量%、乳蛋白を20質量%、難消化性澱粉を10質量%、部分アルファー化澱粉を10質量%、シュガーエステルを4.64質量%、ソルビトール11.8質量%の割合で固形分として471.2gとした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状ホワイトナーOを得た。粗大粒子の割合は0.5%、水分は3.8%であった。
粒状ホワイトナーOは、分散性×、ホワイトニング性15.8であり、分散性は不良で、直ぐに沈殿を生じ、ホワイトニング性は良好だった。
【0047】
[比較例4]
デキストリンを79質量%、乳蛋白を20質量%の割合で固形分として495gとした以外は、実施例10と同様に造粒し、粒状ホワイトナーPを得た。粗大粒子の割合は0.8%、水分は4.0%であった。
粒状ホワイトナーPは、分散性△、ホワイトニング性13.5であり、分散性はほぼ良好だが、直ぐに沈殿を生じ、ホワイトニング性は良好ではなかった。
【0048】
[比較例5]
DX−2をポリデキストロース(商品名ライテス、ダニスコジャパン(株)製)に代えた以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状ホワイトナーQを得た。粗大粒子の割合は1.8%、水分は4.3%であった。
粒状ホワイトナーQは、分散性×、ホワイトニング性15.1であり、分散性は不良で、直ぐに沈殿を生じ、ホワイトニング性は良好だった。
【0049】
[比較例6]
デキストリンを11.12質量%、乳蛋白を50質量%、部分アルファー化澱粉を10質量%、DX−2を6質量%、難消化性澱粉を20質量%の割合で固形分として485.6gとした以外は、実施例2と同様に造粒し、粒状ホワイトナーRを得た。粗大粒子の割合は2.3%、水分は4.4%であった。
粒状ホワイトナーRは、スプーンで撹拌しても大きな未分散物がなくならず分散性×で、ホワイトニング性も評価できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は粒状ホワイトナーを水や温水に分散させる場合の分散性を向上し、投入した食品のホワイトニング性を向上させるため、粒状ホワイトナーに好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛋白素材を5〜30質量%を含有し、増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%、白色剤を0.2〜30質量%を含有することを特徴とする易分散性粒状ホワイトナー。
【請求項2】
増粘安定剤が天然添加物である、請求項1に記載の易分散性粒状ホワイトナー。
【請求項3】
増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤が易分散性である、請求項1または2に記載の易分散性粒状ホワイトナー。
【請求項4】
さらに部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜30質量%を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の易分散性粒状ホワイトナー。
【請求項5】
さらに糖アルコール(固形分)を0.5〜15質量%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の易分散性粒状ホワイトナー。

【公開番号】特開2012−217419(P2012−217419A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88466(P2011−88466)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】