説明

映像表示装置およびその制御方法、映像出力装置およびその制御方法、ならびに、映像表示システムおよびその制御方法

【課題】映像データの拡大表示を、画質を低下させることなく、簡易な操作で実行可能で、且つ、低コストで実現できるようにする。
【解決手段】映像表示装置において、映像出力装置から出力されケーブルを介して供給される映像データが表示される。ユーザが映像表示装置に対して表示映像を拡大させる操作を行うと、操作に応じて、映像表示装置と映像出力装置との間でケーブルを介して所定のやりとりが行われ、映像出力装置に対して映像データのズームが要求される。映像出力装置は、このズーム要求に従い、可能であれば、映像出力装置が保持する映像データに対してズーム処理を行う。ズーム処理された映像データは、ケーブルを介して映像表示装置に送信される。映像表示装置は、映像出力装置からケーブルを介して送信された映像データを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示させるための装置、方法およびシステムに関し、特に、表示映像を拡大表示する際に用いて好適な映像表示装置およびその制御方法、映像出力装置およびその制御方法、ならびに、映像表示システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン受像機などの映像表示装置に対して入力される映像信号の高解像度化が進んでいる。地上デジタル放送においては、フルハイビジョン映像(以下、フルHD映像)と呼ばれる1920画素×1080画素の映像が用いられることが多くなっている。このような状況で、表示映像の拡大機能を備え、微細化された映像の視認性を向上させることができるようにした映像表示装置が開発されている。このような装置を用いると、ユーザは、映像内の特定の領域を注視したい場合に、その領域の映像を拡大表示することができ、利便性が向上する。
【0003】
また、多くのテレビジョン受像機は、外部の映像出力装置を接続可能なインターフェイス(外部映像入力端子)を備える。外部映像入力端子を備えたテレビジョン受像機は、放送波以外の映像として、映像出力装置から出力された映像信号を画面に表示することができる。このような外部映像入力端子を備えたテレビジョン受像機に対して、上述した表示映像の拡大機能を付加することができる。この場合、ユーザは、外部映像入力端子から入力された映像信号により表示される映像に対して拡大表示を行うことが可能となる。
【0004】
ところで、近年、デジタルカメラに使用される撮像素子の画素数は、500万画素以上にもなってきている。この画素数は、テレビジョン受像機などの映像表示装置の表示可能画素数を大きく超えている。したがって、映像表示装置に外部映像入力端子を介してデジタルカメラの映像信号を入力する場合は、デジタルカメラ側で映像表示装置の表示可能な画素数(例えはフルHD映像に対応する画素数)に映像を縮小して出力することになる。デジタルカメラから縮小されて出力された映像データは、映像表示装置のメモリに格納され、表示に用いられる。
【0005】
このような場合において、上述した表示映像の拡大機能をユーザが利用する場合について考える。この場合、映像表示装置は、ユーザの操作に応じて、映像表示装置が保持する縮小された映像データを基に拡大表示を行うことになる。そのため、映像表示装置側で拡大表示された映像は、デジタルカメラが本来所有している高精細な映像と比べて品位が低下してしまう。
【0006】
そこで従来では、デジタルカメラに、撮像され得られた映像データに対して拡大処理を行うズーム機能を持たせ、ユーザがデジタルカメラに対してズーム操作を行うことで所望の拡大表示を得るという方法が用いられていた。この方法によれば、映像の拡大処理がデジタルカメラ側で行われるので、ユーザは、デジタルカメラが所有している高精細な映像データを基にした映像を映像表示装置で鑑賞することができる。
【0007】
また、特許文献1には、映像表示装置とデジタルカメラをUSBやIEEE1394などのデジタルデータインターフェイスで接続する形態が開示されている。特許文献1によれば、デジタルカメラから映像表示装置に対して、映像を映像データとして送信し、そのデータに対して拡大処理を行うことにより高品位の映像を得るようにしている。
【0008】
上述したように、撮像素子の画素数が500万画素以上にもなると、送信すべき映像データも膨大になる。この場合、映像データを、静止画であればJPEG方式など所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化して送信することが考えられる。
【特許文献1】特開2004−163815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の形態として上述した、デジタルカメラ側のズーム機能を用いて拡大表示を得る方法では、以下のような問題点があった。映像表示装置が映像の拡大機能を備えていたとしても、デジタルカメラなどの高精細な映像データを所有している外部の映像出力装置から出力される映像データを拡大表示する際には、ユーザは、この外部の映像出力装置に対して拡大操作を行う必要がある。そのため、ユーザは、拡大表示を行う際に、現在表示されている映像の出力元を意識して操作する対象を選択しなければならず、操作が煩雑となっていた。
【0010】
一方、特許文献1に開示される方法によれば、映像表示装置に対する操作のみで高品位な拡大表示が可能となる。ところが、この特許文献1の方法では、以下のような問題点がある。
【0011】
先ず、デジタルカメラから映像表示装置に対して、映像が映像信号ではなく映像データとして送られてくるため、このデータを処理するための機能が映像表示装置側に必要となる。一例として、映像データがJPEG方式で圧縮符号化されて映像表示装置に送信される場合、圧縮符号を復号するデコーダが映像表示装置に必要となる。このデコーダの処理は複雑で時間がかかるため、快適な操作感を実現するためには、ハードウェアによるデコーダが必要となり、映像表示装置のコストアップ要因となる。特に、デジタルカメラの画素数が多い場合は、圧縮符号を復号するための処理負荷が高くなり、ハードウェアによるデコーダが必須となる。
【0012】
さらに、映像表示装置は、デジタルカメラが出力する映像データを保持するためのメモリ領域を備える必要がある。このメモリ領域に必要となるサイズは、デジタルカメラの画素数に依存する。1200万画素のデジタルカメラの映像データを取り扱う場合は、この映像データを展開するために、32メガバイト程度のメモリ領域が必要となる可能性がある。一方、映像表示装置の受信可能な映像画素数がフルHD映像に準じて1920画素x1080画素とすると、この画素数のために必要なメモリ領域は、6メガバイト程度である。したがって、上述の32メガバイトというメモリサイズも、コストアップ要因となる。
【0013】
したがって、本発明の目的は、映像データの拡大表示を、画質を低下させることなく、簡易な操作で実行可能で、且つ、低コストで実現可能な映像表示装置およびその制御方法、映像出力装置およびその制御方法、ならびに、映像表示システムおよびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、外部の装置との間で通信が可能な通信手段と、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを外部の装置に送信するように通信手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、問い合わせの結果、ズーム処理が可能であった場合には、映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを外部の装置に送信するように通信手段を制御すると共に、ズーム要求コマンドに応じて外部の装置より送信されて映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、問い合わせの結果、ズーム処理が不可能であった場合には、映像信号にズーム処理を施して表示するよう表示手段を制御することを特徴とする映像表示装置である。
【0015】
また、第2の発明は、外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、外部の装置との間で通信が可能な通信手段と、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを外部の装置に送信するように通信手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、ズーム要求コマンドに応じて外部の装置より送信されて映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ズーム要求コマンドの送信に対し、外部の装置からズーム要求による処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御することを特徴とする映像表示装置である。
【0016】
また、第3の発明は、外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、外部の装置との間で通信が可能な通信手段と、外部の装置が通信手段により接続されたら、外部の装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を通信手段により行い、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、ズーム能力を示す情報に基づきズーム要求を外部の装置に送信するように通信手段を制御する制御手段とを有し、制御手段は、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、外部の装置のズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、情報がズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを外部の装置に送信し、ズーム要求コマンドに応じて外部の装置より送信されて映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、外部の装置のズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、情報がズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御することを特徴とする映像表示装置である。
【0017】
また、第4の発明は、外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、外部の装置との間で通信が可能な通信手段とを備える映像表示装置の制御方法であって、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを外部の装置に送信する送信ステップと、送信ステップによる問い合わせの結果、ズーム処理が可能であった場合には、映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを送信するように通信手段を制御すると共に、ズーム要求コマンドに応じて外部の装置より送信されて映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、問い合わせの結果、ズーム処理が不可能であった場合には、映像信号にズーム処理を施して表示するよう表示手段を制御する制御のステップとを有することを特徴とする映像表示装置の制御方法である。
【0018】
また、第5の発明は、外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、外部の装置との間で通信が可能な通信手段とを備える映像表示装置の制御方法であって、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを外部の装置に送信する送信ステップと、ズーム要求コマンドに応じて外部の装置より送信されて映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ズーム要求コマンドの送信に対し、外部の装置からズーム要求による処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御する制御のステップとを有することを特徴とする映像表示装置の制御方法である。
【0019】
また、第6の発明は、外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、外部の装置との間で通信が可能な通信手段とを備える映像表示装置の制御方法であって、外部の装置が通信手段により接続されたら、外部の装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を通信手段により外部の装置に対して行う通信ステップと、ユーザ操作受け付け手段によりズーム操作が受け付けられた際に、外部の装置のズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、情報がズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを外部の装置に送信し、ズーム要求コマンドに応じて外部の装置より送信されて映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ユーザ操作受け付け手段によりズーム操作が受け付けられた際に、外部の装置のズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、情報がズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御する制御のステップとを有することを特徴とする映像表示装置の制御方法である。
【0020】
また、第7の発明は、映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段とを有する映像表示装置と、映像出力装置から出力された映像信号を映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、映像出力装置と映像表示装置との間で通信が可能な通信手段とを備え、映像表示装置は、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを通信手段を介して映像出力装置に送信し、映像出力装置は、問い合わせコマンドを受信したら、問い合わせコマンドに応じてズーム処理が可能か否かを示す情報を通信手段を介して映像表示装置に送信し、映像表示装置は、ズーム処理が可能か否かを示す情報を受信したら、情報がズーム処理が可能であることを示していた場合、映像信号に対するズーム要求コマンドを通信手段を介して映像出力装置に送信し、映像出力装置は、ズーム要求コマンドを受信したら、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理手段により映像信号に対してズーム処理を行って、ズーム処理を行った映像信号を映像信号送信手段を介して映像表示装置に送信し、映像表示装置は、映像信号送信手段を介して受信されたズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示手段に表示することを特徴とする映像表示システムである。
【0021】
また、第8の発明は、映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段とを有する映像表示装置と、映像出力装置から出力された映像信号を映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、映像出力装置と映像表示装置との間で通信が可能な通信手段とを備え、映像表示装置は、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを通信手段を介して映像出力装置に送信し、映像出力装置は、ズーム要求コマンドを受信したら、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理手段により映像信号に対してズーム処理を行いズーム処理が成功したらズーム処理を行った映像信号を映像信号送信手段を介して映像表示装置に送信し、ズーム処理が失敗したらその旨を示す通信を通信手段により映像表示装置に対して行い、映像表示装置は、映像信号送信手段を介して受信された、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ズーム要求コマンドの送信に対し、通信手段によりズーム処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御することを特徴とする映像表示システムである。
【0022】
また、第9の発明は、映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段とを有する映像表示装置と、映像出力装置から出力された映像信号を映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、映像出力装置と映像表示装置との間で通信が可能な通信手段とを備え、映像表示装置は、映像出力装置が通信手段により接続されたら、映像出力装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を通信手段により映像出力装置に対して行い、映像出力装置は、ズーム能力を有していれば、通信に応じてズーム能力を示す情報を通信手段を介して映像表示装置に対して送信し、映像表示装置は、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、映像出力装置のズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、情報がズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを映像出力装置に送信し、映像信号送信手段を介して受信された、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、映像出力装置のズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、情報がズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御することを特徴とする映像表示システムである。
【0023】
また、第10の発明は、映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段とを有する映像表示装置と、映像出力装置から出力された映像信号を映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、映像出力装置と映像表示装置との間で通信が可能な通信手段とを備えた映像表示システムの映像表示制御方法であって、映像表示装置は、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを通信手段を介して映像出力装置に送信し、映像出力装置は、問い合わせコマンドを受信したら、問い合わせコマンドに応じてズーム処理が可能か否かを示す情報を通信手段を介して映像表示装置に送信し、映像表示装置は、ズーム処理が可能か否かを示す情報を受信したら、情報がズーム処理が可能であることを示していた場合、映像信号に対するズーム要求コマンドを通信手段を介して映像出力装置に送信し、映像出力装置は、ズーム要求コマンドを受信したら、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理手段により映像信号に対してズーム処理を行って、ズーム処理を行った映像信号を映像信号送信手段を介して映像表示装置に送信し、映像表示装置は、映像信号送信手段を介して受信されたズーム処理を行った映像信号を表示手段に表示することを特徴とする映像表示制御方法である。
【0024】
また、第11の発明は、映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段とを有する映像表示装置と、映像出力装置から出力された映像信号を映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、映像出力装置と映像表示装置との間で通信が可能な通信手段とを備えた映像表示システムの映像表示制御方法であって、映像表示装置は、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを通信手段を介して映像出力装置に送信し、映像出力装置は、ズーム要求コマンドを受信したら、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理手段により映像信号に対してズーム処理を行いズーム処理が成功したらズーム処理を行った映像信号を映像信号送信手段を介して映像表示装置に送信し、ズーム処理が失敗したらその旨を示す通信を通信手段により映像表示装置に対して行い、映像表示装置は、映像信号送信手段を介して受信された、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ズーム要求コマンドの送信に対し、通信手段によりズーム処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御することを特徴とする映像表示制御方法である。
【0025】
また、第12の発明は、映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段とを有する映像表示装置と、映像出力装置から出力された映像信号を映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、映像出力装置と映像表示装置との間で通信が可能な通信手段とを備えた映像表示システムの映像表示制御方法であって、映像表示装置は、映像出力装置が通信手段により接続されたら、映像出力装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を通信手段により映像出力装置に対して行い、映像出力装置は、ズーム能力を有していれば、通信に応じてズーム能力を示す情報を通信手段を介して映像表示装置に対して送信し、映像表示装置は、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、映像出力装置のズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、情報がズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、ズーム操作に応じて、表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを映像出力装置に対して送信し、映像信号送信手段を介して受信された、ズーム要求コマンドに応じてズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように表示手段を制御し、ユーザ操作受け付け手段にズーム操作が受け付けられた際に、映像出力装置のズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、情報がズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、映像信号に対してズーム処理を施して表示するように表示手段を制御することを特徴とする映像表示制御方法である。
【発明の効果】
【0026】
このような構成により、本発明によれば、映像データの拡大表示を、画質を低下させることなく、簡易な操作で実行可能で、且つ、低コストで実現可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に適用可能な表示システムの一例の構成を概略的に示す。映像表示装置100と映像出力装置200とがケーブル300で接続される。本発明においては、映像出力装置200からケーブル300を介して映像表示装置100に送られる映像信号を映像表示装置100に対する操作に応じて拡大表示する際に、可能であれば映像出力装置200が備えるズーム機能を用いるようにしている。
【0028】
より具体的に説明する。映像表示装置100において、映像出力装置200から出力されケーブル300を介して供給される映像信号(映像データ)が表示されているものとする。ユーザが映像表示装置100に対して表示映像を拡大させる操作を行うと、操作に応じて、映像表示装置100と映像出力装置200との間でケーブル300を介して所定のやりとりが行われ、映像出力装置200に対して映像データのズームが要求される。映像出力装置200は、このズーム要求に従い、可能であれば、映像出力装置200が保持する映像データに対してズーム処理を行う。ズーム処理された映像データは、ケーブル300を介して映像表示装置100に送信される。映像表示装置100は、映像出力装置200からケーブル300を介して送信された映像データによる映像を表示する。
【0029】
このように映像表示制御を行うことで、映像表示装置100に対する操作で拡大映像が得られるので、ユーザは、映像データの出力元を意識する必要が無く、操作が容易である。また、映像表示装置100に表示される拡大映像は、映像出力装置200において高解像度な元の映像データから直接的に生成される。そのため、拡大映像における画質の低下を極めて少なくできる。
【0030】
なお、若し、映像表示装置100からのズーム要求に対して映像出力装置200側でズーム処理が不可能な場合には、その旨が映像表示装置100に伝えられる。映像表示装置100は、映像出力装置200側でのズーム処理が不可能である旨が伝えられると、映像表示装置100が有するズーム機能を用いて映像信号のズーム処理を行う。
【0031】
映像出力装置200におけるズーム処理としては、以下のような方法が考えられる。一例として、映像データを当該映像信号より画素数の少ない表示解像度を有する映像表示装置100に表示させる際に、当該映像データに対してズーム率に応じて設定された表示領域内の信号を映像表示装置100に表示させることで行うことが考えられる。
【0032】
映像データに対して、表示解像度に等しい画素数の表示領域を設定した場合、解像度が最良となるズーム率が得られる。一方、映像データの全体を表示領域に設定した場合、ズーム率は1.0となる。この場合には、元となるデジタル映像データの画素に基づき、必要に応じて線形補間などを用いてズーム率に応じて画素を生成し、表示領域内の画素数を、映像表示装置100の表示解像度による画素数に一致させることが考えられる。これは、最大のズーム率と最小のズーム率との間のズーム率においても同様である。
【0033】
このように、本発明では、映像出力装置200からケーブル300を介して供給される映像データの拡大処理を、映像出力装置200が備えるズーム機能を利用して行っている。そのため、本発明が適用された映像表示システムは、映像表示装置100において、映像出力装置200の処理可能な映像データの解像度に応じた、メモリや圧縮符号を復号するデコーダといったハードウェアを備える必要が無い。
【0034】
本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。図2は、本発明に適用可能な映像表示装置100の一例の構成を示す。映像表示装置100は、例えばテレビジョン放送を受信可能なテレビジョン受像機であるものとし、フルHDの映像を表示可能な1920画素×1080画素の表示領域を持つディスプレイパネル110を備える。受信されたテレビジョン放送による映像は、このディスプレイパネル110に表示される。また、映像表示装置100は、1または複数の外部映像入力端子を備え、外部から供給された映像信号をディスプレイパネル110に表示させることができる。さらに、映像表示装置100は、図示されないリモートコントロールコマンダ(以下、リモコンと略称する)により遠隔操作が可能とされている。
【0035】
映像表示装置100において、システムバス112に対して、CPU101、ROM102、RAM103およびIRコントローラ111が接続される。システムバス112に対して、さらに、デコーダ105、HDMIトランシーバ106、アナログI/F107、ビデオプロセッサ108およびディスプレイコントローラ109が接続される。
【0036】
制御手段としてのCPU101は、後述するROM102および/またはRAM103に格納されるプログラムに従い動作し、この映像表示装置100全体の制御を行う。ROM102は、CPU101を動作させるためのプログラムと固定データとが格納されている不揮発性メモリである。映像表示装置100の電源が投入されると、CPU101は、ROM102からプログラムを読み出して、読み出されたプログラムに従い映像表示装置100の制御を開始する。
【0037】
RAM103は、データを一時的に格納するための揮発性メモリである。RAM103は、CPU101で実行されるプログラムがデータを格納するワーキングメモリとして用いられる。また、RAM103は、ビデオプロセッサ108における映像データの処理に伴い発生する中間処理データや処理済データを格納するためのビデオメモリとしても利用される。ビデオメモリは、RAM103とは別途に設けてもよい。
【0038】
デコーダ105に対してチューナ104が接続される。チューナ104は、図示されないアンテナにより受信されたRF信号から特定の周波数帯域の信号を選択して復調し、さらにCPU101で処理可能な形式の信号に変換する。たとえば、選択された信号が地上デジタル放送による信号である場合には、チューナ104は、この信号からMPEG2−TSデータを復元する。復元されたMPEG−TSデータは、デコーダ105に供給される。
【0039】
デコーダ105は、システムバス112から供給されたMPEG2−TSデータから圧縮符号化されたビデオデータとオーディオデータとを取得する。ビデオデータはMPEG2方式で、オーディオデータはAAC方式でそれぞれ圧縮符号化されている。デコーダ105は、それぞれのデータの圧縮符号を復号する。復号されたビデオデータおよびオーディオデータは、システムバス112を介してRAM103に供給され、RAM103内に設けられたバッファ領域に格納される。
【0040】
映像信号入力手段および通信手段としてのHDMIトランシーバ106は、ケーブル300が接続可能とされ、ケーブル300を介して送受信されるHDMIに準じた信号(以下、HDMI信号と呼ぶ)の処理を行う。HDMIは、フルHDといった高解像度のデジタル映像信号を非圧縮で転送することができるように定められた規格である。HDMIトランシーバ106は、ケーブル300を介して入力されたHDMI信号を復調し、デジタル映像データを抽出する。抽出された映像データは、システムバス112を介してRAM103に供給され、RAM103内に設けられたバッファ領域に格納される。
【0041】
また、HDMIは、CECと呼ばれるコマンドを送受信することができる。なお、CECは、Consumer Electronics Controlの略称である。CECコマンドは、CPU101からの制御に基づき送受信される。CECコマンドには、メーカ固有のコマンドを定義可能なコマンドVender Specific Commandsが規定されている。本発明で利用されるCECコマンドとして、このコマンドVender Specific Commandsを用いることが考えられる。
【0042】
なお、HDMI信号は、上述したデジタル映像データおよびCECコマンドの他に、デジタルオーディオデータやさらに他の制御コマンドなどを含むことができるが、これらは本発明に関わりが薄いため、説明を省略する。
【0043】
アナログビデオI/F107は、コンポジットビデオ信号やコンポーネントビデオ信号、D端子から入力される映像信号など、アナログ形式で入力される映像信号を処理する。アナログビデオI/F107は、受信したアナログ映像信号を所定のクロックに基づき処理し、A/D変換することによりデジタル映像データに変換する。アナログビデオI/F107から出力された映像データは、システムバス112を介してRAM103に供給され、RAM103内に設けられたバッファ領域に格納される。
【0044】
他のズーム処理手段としてのビデオプロセッサ108は、例えばSIMD演算処理命令といった映像処理に適した命令セットを持ち、CPU101からの命令に従い映像データの処理を行う。ビデオプロセッサ108は、RAM103内のバッファ領域に格納されている映像データに対して、拡大、縮小、ビデオデータのオーバレイおよび色変換といった映像処理を、略リアルタイムに行うことができる。
【0045】
ビデオプロセッサ108で処理された映像データは、システムバス112を介してディスプレイコントローラ109に供給される。これに限らず、ビデオプロセッサ108で処理されたデジタル映像データを、RAM103に格納してもよい。
【0046】
なお、ここでは、ビデオプロセッサ108が独立したハードウェアであるかのように説明したが、これはこの例に限られない。ビデオプロセッサ108は、CPU101内に統合されていてもよい。
【0047】
ディスプレイコントローラ109は、ビデオプロセッサ108で処理されたデジタル映像データを、ディスプレイパネル110が表示可能な形式に変換する。ディスプレイコントローラ109から出力された信号は、ディスプレイパネル110に供給され、可視化される。ディスプレイパネル110は、液晶パネルや、プラズマデディスプレイパネルを適用することができる。ディスプレイコントローラ109およびディスプレイパネル110が表示手段に対応する。
【0048】
IRコントローラ111は、後述するリモコンから送信された赤外線信号を受信する受光素子と、受信された赤外線信号をデコードしてリモートコントロールコマンドを取得するデコーダとを有する。取得されたリモートコントロールコマンドは、システムバス112を介してCPU101に渡される。CPU101は、このリモートコントロールコマンドに基づき映像表示装置100の各部の動作を制御する。IRコントローラ111およびリモコンがユーザ操作受け付け手段に対応する。
【0049】
図3は、映像表示装置100を遠隔操作するためのリモコン400の一例の外観を概略的に示す。リモコン400は、図示されるように複数のボタンが配置される。リモコン400は、ユーザが操作したボタンに応じたリモートコントロールコマンドを生成し、このリモートコントロールコマンドを赤外線信号に変調して送信する。以下では、本発明に関わりの深いボタンについてのみ、説明を行う。
【0050】
入力切り替えボタン401は、映像表示装置100に入力される映像信号の入力経路を切り替えるためのボタンである。この図3の例では、入力切り替えボタン401が押下される毎に、映像表示装置100に表示する映像信号の入力経路が順次切り替わるようになっている。例えば、入力切り替えボタン401の押下毎に、表示される映像信号の入力元が、地上デジタル放送→HDMI入力→コンポーネント入力→コンポジット入力→地上デジタル放送と、順次循環的に切り替えられる。
【0051】
入力元として地上デジタル放送が選択されている場合には、デコーダ105から出力された映像データによる映像が映像表示装置100で表示される。入力元としてHDMI入力が選択されている場合には、ケーブル300を介して供給されHDMIトランシーバ106により受信されたHDMI信号に基づく映像データによる映像が映像表示装置100で表示される。入力元としてコンポーネント入力、コンポジット入力またはD端子入力が選択されている場合には、外部からアナログビデオ信号として供給され、アナログビデオI/F107から出力された映像データによる映像が映像表示装置100で表示される。
【0052】
図3において、入力切り替えボタン401を含む4個のボタンからなるボタン群の下に4方向を指定可能なボタン群が配置され、さらにその下に、チャンネル指定ボタン群が配置される。チャンネル指定ボタン群の下にチャンネル番号増減ボタン群および音量調整ボタン群が配置される。
【0053】
図3においてチャンネル増減ボタン群および音量調整ボタン群の下に、表示映像のズームインおよびズームアウトを要求するためのズームインボタン402およびズームアウトボタン403が配置される。ズームインボタン402を押下すると、映像表示装置100に対して、表示中の映像を拡大表示することが要求される。ズームアウトボタン403を押下すると、映像表示装置100に対して、表示中の映像を縮小表示することが要求される。
【0054】
図4は、映像出力装置200の一例の構成を概略的に示す。ここでは、映像出力装置200がデジタルカメラであって、映像表示装置100が表示可能な解像度よりも高解像度の映像データを処理可能であるものとする。一例として、映像出力装置200は、有効画素数が略1600万画素である撮像素子を有し、撮像素子で撮像された映像データは、4992画素×3328画素の解像度を有するものとする。
【0055】
図4において、システムバス201に対して、撮像部202、CPU203、ROM204およびRAM205が接続される。システムバス201に対して、さらに、HDMIトランシーバ206、グラフィックプロセッサ207およびフラッシュメモリ208が接続される。フラッシュメモリ208は、映像出力装置200に対して脱着可能、且つ、データの書き換えが可能な不揮発性メモリからなる。
【0056】
CPU203は、後述するROM204および/またはRAM205に格納されるプログラムに従い動作し、この映像出力装置200全体の制御を行う。ROM204は、CPU203を動作させるためのプログラムと固定データとが格納されている不揮発性メモリである。映像出力装置200の電源が投入されると、CPU203は、ROM204からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムに従い映像出力装置200の制御を開始する。
【0057】
また、CPU203は、ROM204から読み出されたプログラムに従い、後述するフラッシュメモリ208に格納されるファイルを管理するためのファイルシステムを構築する。
【0058】
RAM205は、データを一時的に格納するための揮発性メモリである。RAM205は、CPU203で実行されるプログラムがデータを格納するワーキングメモリとして用いられる。また、RAM205は、グラフィックプロセッサ207における映像データの処理に伴い発生する映像データの中間処理データや処理済データを格納するためのグラフィクスメモリとしても利用される。グラフィクスメモリは、RAM205とは別途に設けてもよい。
【0059】
撮像部202は、光学系、撮像素子および信号処理部を有する。光学系は、レンズ、フォーカス機構、絞り機構などからなる。撮像素子は、CCDやCMOSイメージャなどを適用でき、光学系を介して入射された光を電気信号に変換する。撮像素子から出力される信号は、信号処理部で所定に処理され、デジタル映像データに変換される。この映像データは、システムバス201を介してRAM205に一時的に格納される。
【0060】
ズーム処理手段としてのグラフィックプロセッサ207は、RAM205をワークメモリとして用い、CPU203の命令に従いデジタル映像データに対して所定の映像処理を施す。
【0061】
グラフィックプロセッサ207は、撮像部202から出力されRAM205に格納されたデジタル映像データに対して圧縮符号化処理を施し、圧縮映像データを生成する。デジタル映像データの圧縮符号化方式としては、JPEG方式を適用することができる。生成された圧縮映像データは、CPU203により、ファイルシステムに基づき所定にファイル名が付与されたファイルに格納され、圧縮映像データファイルとしてフラッシュメモリ208に格納される。
【0062】
また、グラフィックプロセッサ207は、フラッシュメモリ208から読み出された圧縮映像データファイルに格納された圧縮映像データの圧縮符号を復号することができる。圧縮符号を復号された復号映像データは、RAM205に格納される。
【0063】
さらに、グラフィックプロセッサ207は、RAM205に格納されたデジタル映像データに対して拡大処理を行うことができる。既に説明したように、この拡大処理は、映像データを当該映像データより画素数の少ない表示解像度の第1の表示領域に表示させる際に、当該映像データから、当該映像データに対してズーム率に応じて設定された第2の表示領域内のデータを抽出する。そして、抽出された映像データの画素数が表示すべき第1の表示領域の画素数と一致するように処理を行う。例えば、上述したように、元となる映像データの画素に基づき、必要に応じて線形補間などを用いてズーム率に応じて画素を生成する。拡大処理を施された映像データは、RAM205に格納される。
【0064】
映像信号出力手段(または映像信号送信手段)および通信手段としてのHDMIトランシーバ206は、ケーブル300が接続され、ケーブル300を介して送受信されるHDMI信号の処理を行う。HDMIトランシーバ206は、デジタル映像データをHDMIのフォーマットに従いマッピングし、所定に変調してケーブル300を介して外部に対して送信する。また、HDMIトランシーバ206は、HDMI信号により送受信されるCECコマンドの処理も行う。HDMIトランシーバ206は、受信したHDMI信号を復調してCECコマンドを抽出する。抽出されたCECコマンドは、システムバス201を介してCPU203に渡される。また、HDMIトランシーバ206は、CPU203から渡されたCECコマンドをHDMIのフォーマットに従いマッピングして送信する。
【0065】
次に、本発明の第1の実施形態による処理について説明する。図5は、ズームインボタン402またはズームアウトボタン403が押下された際の、映像表示装置100側の一例の処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおいてなされる各判断、制御処理は、CPU101がプログラムに従い行う。図6は、図5に示される処理に応じた映像出力装置200側の一例の処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいてなされる各判断、制御処理は、CPU203がプログラムに従い行う。
【0066】
図5を参照し、映像表示装置100において、リモコン400のズームインボタン402またはズームアウトボタン403の押下が検出される(ステップS401)。ズームインボタン402またはズームアウトボタン403がユーザによって押下されたことが検出されると、処理はステップS402に移行され、映像表示装置100により現在表示されている映像信号の入力元が調べられる。ここでいう映像信号の入力元とは、リモコン400の入力切り替えボタン401により選択された入力経路を表している。
【0067】
若し、ステップS402で、映像信号の入力元がHDMI入力以外であると判断されれば、処理はステップS403に移行する。ステップS403〜ステップS408の処理は、映像表示装置100側で映像データに対するズーム処理を行う場合の一連の処理である。ステップS403で、CPU101が現在のズーム率を取得する。次のステップS404で、CPU101は、上述したステップS401で押下が検出されたボタンに応じた新たなズーム率を計算する。計算結果に基づき、CPU101は、ズーム処理が可能であるか否かを判断する(ステップS405)。
【0068】
図7は、映像表示装置100が対応可能な一例のズーム率を示す。図7によれば、映像表示装置100は、最小のズーム率1.0倍から最大のズーム率4.0倍まで、段階的にズーム率を設定可能とされている。例えば、現在のズーム率が1.5倍である場合にズームインボタン402が押下されると、新たなズーム率は、2.0倍となる。また、現在のズーム率が4.0倍である場合にズームインボタン402が押下されると、既にズーム率の上限に達していることから、ズーム率は変化しない。この場合には、ズーム不可とされる。
【0069】
同様に、現在のズーム率が4.0倍である場合にズームアウトボタン403が押下されると、新たなズーム率は、3.0倍となる。また、現在のズーム率が1.0倍である場合にズームアウトボタン403が押下されると、既にズーム率の下限に達していることから、ズーム率は変化しない。この場合には、ズーム不可とされる。
【0070】
上述のステップS405で、ズーム処理が可能であると判断されれば、処理はステップS406に移行される。ステップS406で、CPU101は、ステップS404で計算されたズーム率をビデオプロセッサ108に設定する。ビデオプロセッサ108は、入力された映像データに対して、設定されたズーム率に従い拡大または縮小処理を行う。ビデオプロセッサ108で拡大または縮小処理された映像データは、ディスプレイコントローラ109に供給される。ディスプレイコントローラ109は、供給された映像データによって、ディスプレイパネル110に表示される画面を更新する(ステップS407)。
【0071】
ここで、ステップS407で表示に使用される映像データは、フルHDに対応した映像信号をビデオプロセッサ108でズーム処理したものである。フルHDの解像度を有する映像データをズーム処理するため、ズームインすなわち拡大処理の場合は、ステップS407で表示される映像の解像度は、元の映像データに対して低下する。
【0072】
図8は、上述したステップS403〜S407の処理に従いズーム表示(拡大表示)した場合の表示例を模式的に示す。このように、映像表示装置100内で映像データの拡大処理を行う場合、ズーム率に応じた画面内の小領域を画面全体に引き延ばして表示することになる。そのため、映像自体は拡大して表示されるものの、解像度は低下する。
【0073】
上述のステップS402で、映像信号の入力元がHDMI入力であると判断されれば、処理はステップS409に移行する。ステップS409〜ステップS413は、映像表示装置100に対する映像信号の入力元としてHDMI入力が選択された場合の一連の処理である。この場合、映像表示装置100は、映像表示装置100とケーブル300を介して接続された映像出力装置200内の映像データのズーム処理を、映像出力装置200と連携して行う。
【0074】
以下では、図5のフローチャートと、映像出力装置200側の処理を示す図6のフローチャートとを共に参照しながら説明する。なお、説明に先立ち、映像出力装置200側では、CPU203により、表示させるための映像データが予め選択されているものとする。そして、この映像データは、予め映像表示装置100に対応する解像度に縮小され、HDMI信号として映像表示装置100に送信されているものとする。
【0075】
一例として、CPU203は、映像出力装置200が有する図示されない操作部に対するユーザ操作や外部からの制御信号に基づき、フラッシュメモリ208に格納された圧縮映像データファイルから映像表示装置100に表示させるためのファイルを選択する。選択されたファイルは、フラッシュメモリ208から読み出され、RAM205に格納される。グラフィックプロセッサ207は、CPU203からの命令に従い、RAM205に格納された圧縮映像データファイルから圧縮映像データを取り出して圧縮符号を復号する。圧縮符号が復号された映像データは、RAM205に格納される。
【0076】
説明は図5に戻り、ステップS409で、CPU101は、上述のステップS401で押下が検出されたボタンにより指示されるズーム操作が可能か否かを確認するためのコマンドを、HDMIに規定されるCECコマンドとして発行する。このCECコマンドは、HDMIトランシーバ106に供給され、ケーブル300を介して映像出力装置200に対して送信される。
【0077】
図6を参照し、映像出力装置200は、上述のステップS409で映像表示装置100から送られたCECコマンドをHDMIトランシーバ206により受信する(ステップS501)。受信されたCECコマンドは、CPU203に渡される。CPU203は、このCECコマンドに応じて、RAM205に格納されている映像データに対するズーム処理が可能か否かを判断する。そして、判断結果を示す情報を、CECコマンドとしてHDMIトランシーバ206からケーブル300を介して、映像表示装置100に対して送信する(ステップS502)。
【0078】
図5を参照し、ステップS502で映像出力装置200から送信されたCECコマンドが映像表示装置100のHDMIトランシーバ106に受信され、CPU101に渡される。CPU101は、このCECコマンドに基づき、映像出力装置200において映像データのズーム処理が可能か否かを判断する(ステップS410)。若し、ズーム処理が不可であると判断されたら、処理はステップS403に移行され、上述したステップS403〜ステップS408の処理に従い映像表示装置100内でズーム処理がなされ、最終的にディスプレイパネル110に表示される。
【0079】
なお、映像出力装置200において映像データのズーム処理が不可である場合の例としては、最大のズーム率で拡大処理済みの映像データに対してズームイン指示がなされた場合が考えられる。同様に、最小のズーム率で縮小処理済みの映像データに対してズームアウト指示がなされた場合も、ズーム処理が不可とされる。また、映像出力装置200がズーム機能を有していない場合も、ズーム処理が不可とされる。
【0080】
映像出力装置200がズーム操作が可能か否かを確認するためのCECコマンドに対応していない場合も、ズーム処理が不可とされる。この場合には、図6のフローチャートに示される処理は、実行されないことになる。また、映像表示装置100は、当該CECコマンドに対する返信がタイムアウトするか否かでズーム処理の可否を判断することが考えられる。
【0081】
一方、上述のステップS410で、映像出力装置200において映像データのズーム処理が可能であると判断されれば、処理はステップS411に移行される。ステップS411では、CPU101は、ユーザが指定した、すなわち、上述したステップS401で検出されたズーム操作に従って新たなズーム率を計算する。そして、この新たなズーム率の情報をズームを要求するズーム要求コマンドと共にHDMIのCECコマンドを用いて、HDMIトランシーバ106から送信する。このCECコマンドは、ケーブル300を介して映像出力装置200に送られ、HDMIトランシーバ206に受信される。
【0082】
図6を参照し、映像出力装置200は、ステップS411で映像表示装置100から送信されたCECコマンドを受信すると(ステップS503)、処理を次のステップS504に移行させる。次のステップS504で、受信されたCECコマンドに従い映像データのズーム処理を行う。
【0083】
ステップS504で、CPU203は、ステップS503で受信されたCECコマンドに基づきグラフィックプロセッサ207を制御し、RAM205に格納される映像データに対して、指示されたズーム率に応じてズーム処理を行う。この場合、上述したように、ズーム処理は、処理後の映像データの解像度が表示を行う画枠の解像度に一致するようになされる。
【0084】
ズーム処理された映像データは、RAM205に格納される。この映像データは、CPU203によりRAM205から読み出され、HDMIトランシーバ206に供給される。HDMIトランシーバ206は、供給された映像データをHDMIのフォーマットに従いマッピングしてHDMI信号とし、ケーブル300を介して映像表示装置100に対して送信される(ステップS505)。
【0085】
なお、図5のステップS410で、ズーム処理が不可であると判断された場合には、ステップS411でのCECコマンドの送信が行われない。そのため、図6のステップS503では、ステップS502から所定時間以上経過してもCECコマンドが映像表示装置100から送られてこない場合に、タイムアウトとして一連の処理を終了させることが考えられる。
【0086】
図5を参照し、映像表示装置100において、ケーブル300を介して映像出力装置200から送られたHDMI信号がHDMIトランシーバ106により受信される(ステップS412)。受信されたHDMI信号は、HDMIトランシーバ106で復調され、映像データを取り出される。この映像データは、ディスプレイコントローラ109に供給される。ディスプレイコントローラ109は、供給された映像データによって、ディスプレイパネル110に表示される画面を更新する(ステップS413)。
【0087】
ここで、ステップS412で映像表示装置100が受信する映像信号は、映像出力装置200が所有する映像データを映像出力装置200がズーム処理した信号であるから、ステップS407で表示される画像より高画質であることが期待される。一例として、映像出力装置200が略1600万画素(水平4992画素×垂直3328画素)の映像データを保持している場合は、ズーム率3.0倍程度まで(3.0≒3329画素/1080画素)、解像度の劣化が無いかまたは極めて少ない映像信号が受信される。
【0088】
図9は、図5のステップS409〜S413、ならびに、図6の処理に従いズーム表示(拡大表示)した場合の表示例を模式的に示す。映像出力装置200が有する、映像表示装置100が対応可能な解像度よりも高い解像度の映像データを、映像出力装置200側で拡大処理している。そのため、図8を用いて説明した、映像表示装置100内で、ズーム率に応じた画面内の小領域を画面全体に引き延ばして拡大処理した場合よりも、解像度の劣化の極めて少ない表示を得ることができる。
【0089】
また、本発明は、ズーム処理として、拡大処理のみならず、縮小処理についても有用なものである。縮小処理は、例えば、映像出力装置200側における解像度の映像データに対して設定される表示領域を、ズーム率に合わせて拡大していくことでなされる。そのため、縮小処理を映像表示装置100側で行おうとした場合、映像表示装置100は、映像出力装置200が対応する解像度の映像データを保持可能な容量を持つメモリを備える必要がある。縮小処理を映像出力装置200側で行うことで、映像表示装置100は、自身の対応する解像度、例えばフルHD映像に対応した解像度の映像データを処理可能な容量のメモリを持てばよいことになる。このため、映像出力装置200側で縮小処理を行えば、縮小処理を映像表示装置100で行う場合に比べ、映像表示装置100が備えるべきメモリの容量を削減できる。
【0090】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、外部から入力された映像を、簡易に操作可能で、画質を低下させることなくズーム表示することが可能な映像表示システムを、低コストで提供することができる。
【0091】
なお、上述では、映像出力装置200において、映像表示装置100に対して表示させるための映像データを予め選択してあるものとして説明したが、映像データの選択を、映像表示装置100側から行うことも可能である。
【0092】
一例として、映像表示装置100から映像出力装置200に対して、フラッシュメモリ208に格納されている圧縮映像データファイルの一覧を要求する。この要求に応じて映像出力装置200から送信された一覧データに基づき所望のファイルを選択するためのGUIを構成し、GUI画面を表示させる。ユーザは、このGUIにより映像表示装置100に表示させたいデータをリモコン400の4方向ボタンを用いて選択する。選択されたファイル情報は、映像出力装置200に対して送信され、映像出力装置200において、受信されたファイル情報に基づきフラッシュメモリ208から圧縮映像データファイルを読み出す。
【0093】
また、表示されている映像データをズームインにより拡大表示する際に、拡大表示を行う領域を指定できると好ましい。一例として、映像表示装置100は、ディスプレイパネル110に対して、リモコン400に設けられた4方向ボタンにより画面上を移動可能とされたカーソルを表示させる。ユーザは、拡大表示を行いたい領域の中心付近にカーソルを移動させ、ズームインボタン402を押下する。映像表示装置100から映像出力装置200に対して、ズーム要求と共に、カーソル位置を示す情報が送信される。映像出力装置200は、このズーム要求と、カーソル位置情報とに基づき拡大処理を行う領域を決定する。
【0094】
次に、本発明の第2の実施形態について、図10および図11のフローチャートを用いて説明する。この第2の実施形態は、図5および図6を用いて説明した第1の実施形態による処理に対して、ズーム処理の可否を確認する処理が省略されている。なお、この第2の実施形態は、上述した映像表示装置100および映像出力装置200の構成をそのまま適用できるので、これらの説明を省略する。
【0095】
図10は、ズームインボタン402またはズームアウトボタン403が押下された際の、第2の実施形態による映像表示装置100側の一例の処理を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいてなされる各判断、制御処理は、CPU101がプログラムに従い行う。図11は、図10に示される処理に応じた映像出力装置200側の一例の処理を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいてなされる各判断、制御処理は、CPU203がプログラムに従い行う。
【0096】
図10において、ステップS801〜ステップS808それぞれの処理は、図5を用いて説明したステップS401〜ステップS408それぞれの処理と同一であるので、煩雑さを避けるため、詳細な説明を省略する。
【0097】
映像表示装置100において、リモコン400のズームインボタン402またはズームアウトボタン403の押下が検出される(ステップS801)。ズームインボタン402またはズームアウトボタン403がユーザによって押下されたことが検出されると、処理はステップS802に移行される。
【0098】
ステップS802で、映像信号の入力元がHDMI入力であると判断されれば、処理はステップS809に移行する。ステップS809〜ステップS812は、映像表示装置100に対する映像信号の入力元としてHDMI入力が選択された場合の一連の処理である。この場合、映像表示装置100は、映像表示装置100とケーブル300を介して接続された映像出力装置200内の映像データのズーム処理を、映像出力装置200と連携して行う。
【0099】
以下では、図10のフローチャートと、映像出力装置200側の処理を示す図11のフローチャートとを共に参照しながら説明する。上述と同様に、映像出力装置200側では、表示させるための映像データが予め選択され、映像表示装置100に対応する解像度に縮小され、HDMI信号として映像表示装置100に送信されているものとする。
【0100】
ステップS809では、CPU101は、ユーザが指定した、すなわち、上述したステップS801で検出されたズーム操作の指示を、HDMIのCECコマンドを用いて、HDMIトランシーバ106から送信する。このズーム要求のCECコマンドは、ケーブル300を介して映像出力装置200に送られ、HDMIトランシーバ206に受信される。
【0101】
図11を参照し、映像出力装置200は、上述のステップS809で映像表示装置100から送られたCECコマンドを、HDMIトランシーバ206により受信する(ステップS601)。受信されたCECコマンドは、CPU203に渡される。CPU203は、このCECコマンドに応じて、RAM205に格納される映像データのズーム処理が可能か否かを判断する(ステップS602)。若し、ズーム処理が可能であると判断されれば、CPU203は、ズーム要求に基づきグラフィックプロセッサ207を制御し、映像データのズーム処理を行う(ステップS603)。そして、CPU203は、ズーム要求が成功した旨を示す情報をCECコマンドとして映像表示装置100に対して送信する(ステップS604)。
【0102】
ステップS603でズーム処理された映像データは、RAM205に格納される。この映像データは、CPU203によりRAM205から読み出され、HDMIトランシーバ206に供給される。HDMIトランシーバ206は、供給された映像データをHDMIのフォーマットに従いマッピングしてHDMI信号とし、ケーブル300を介して映像表示装置100に対して送信される(ステップS605)。
【0103】
図10を参照し、映像表示装置100において、映像出力装置200から送られたHDMI信号がHDMIトランシーバ106により受信され(ステップS811)、HDMIトランシーバ106で復調され、映像データを取り出される。この映像データは、ディスプレイコントローラ109に供給される。ディスプレイコントローラ109は、供給された映像データによって、ディスプレイパネル110に表示される画面を更新する(ステップS812)。
【0104】
なお、図11のステップS602で、CPU203がズーム処理を実行できないと判断した場合には、処理はステップS606に移行される。ステップS606では、映像出力装置200から映像表示装置100に対して、ズーム要求が失敗した旨を示す情報がCECコマンドとして送信される。図10を参照し、映像表示装置100側では、映像出力装置200から送信されたCECコマンドがズーム要求失敗を示すと判断すると(ステップS810)、処理をステップS803に移行させる。以降、ステップS803〜ステップS808の処理に従い、映像データのズーム処理を映像表示装置100内で行う。
【0105】
以上のように、上述した第1の実施形態と同様に、本発明の第2の実施形態によっても、外部から入力された映像を、簡易に操作可能で、画質を低下させることなくズーム表示することが可能な映像表示システムを、低コストで提供することができる。
【0106】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態は、図5および図6を用いて説明した第1の実施形態による処理に対して、映像出力装置200と映像表示装置100とがケーブル300で接続された時点で、映像表示装置100が映像出力装置200のズーム能力を取得するようにしている。なお、この第3の実施形態は、上述した映像表示装置100および映像出力装置200の構成をそのまま適用できるので、これらの説明を省略する。
【0107】
図12は、映像表示装置100に対して映像出力装置200が接続された際の、映像表示装置100における一例の処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS901で、映像表示装置100は、映像出力装置200がHDMIにより接続されたか否かを判定する。映像表示装置100は、例えばHDMIに規定されるHDCPによる認証プロトコルを利用して、映像出力装置200の接続を検出することができる。映像出力装置200の接続が検出されると、処理はステップS902に移行される。
【0108】
ステップS902で、映像表示装置100は、所定のコマンドを映像出力装置200に送信し、接続された映像出力装置200のズーム能力を示す情報の取得を試みる。例えば、映像表示装置100は、映像出力装置200に対して、映像出力装置200が現在出力している映像データのズーム率の情報と、映像出力装置200が実行可能なズーム率の一覧とを、CECコマンドなどを用いて要求する。
【0109】
次のステップS903で、映像表示装置100は、ステップS902で映像出力装置200に送信されたコマンドが成功したか否かが判断される。若し、失敗したと判断されれば、一連の処理が終了される。映像出力装置200がズーム機能を持たない場合や、ステップS902で送信されたコマンドに対応していない場合などには、コマンドが失敗する。
【0110】
一方、ステップS902で送信されたコマンドが成功したと判断されれば、処理はステップS904に移行される。すなわち、ステップS902で送信されたコマンドが成功した場合には、映像出力装置200から映像表示装置100に対して、現在出力している映像データのズーム率を示す情報と、映像出力装置200が実行可能なズーム率の一覧とが送信される。映像表示装置100は、ステップS904で、ステップS902で送信されたコマンドにより取得されたこれらの情報を、映像出力装置200のズーム能力情報としてRAM103に格納する。
【0111】
図13は、ステップS904でRAM103に格納されるズーム能力情報の例を示す。図13(a)は、映像出力装置200にて現在出力中のズーム率を示す情報の例を示す。図13(b)は、映像出力装置200が実行可能なズーム率の一覧の例を示す。これにより、映像表示装置100は、映像出力装置200が現在ズーム率1.0倍で映像データを出力しており、ズーム率1.0倍、2.0倍および3.0倍に対応していることを知ることができる。
【0112】
図14は、ズームインボタン402またはズームアウトボタン403が押下された際の、第3の実施形態による映像表示装置100側の一例の処理を示すフローチャートである。図14において、ステップS1101〜ステップS1108それぞれの処理は、図5を用いて説明したステップS401〜ステップS408それぞれの処理と同一であるので、煩雑さを避けるため、詳細な説明を省略する。
【0113】
映像表示装置100において、リモコン400のズームインボタン402またはズームアウトボタン403の押下が検出される(ステップS1101)。ズームインボタン402またはズームアウトボタン403がユーザによって押下されたことが検出されると、処理はステップS1102に移行される。
【0114】
ステップS1102で、映像信号の入力元がHDMI入力であると判断されれば、処理はステップS1109に移行する。ステップS1109〜ステップS1113は、映像表示装置100に対する映像信号の入力元としてHDMI入力が選択された場合の一連の処理である。
【0115】
ステップS1109で、映像表示装置100は、RAM103に対して、接続されている映像出力装置200のズーム能力情報が格納されているか否かを判断する。
【0116】
すなわち、この第3の実施形態によれば、図12のフローチャートを用いて説明したように、映像出力装置200が映像表示装置100に接続された際に、映像表示装置100により映像出力装置200のズーム能力情報の取得が試みられている。映像表示装置100がズーム能力情報の取得に成功した場合には、図13(a)および図13(b)に例示されるような情報がRAM103に格納されていることになる。一方、映像出力装置200がズーム機能を有していなかったり、映像表示装置100が送信するコマンドに対応してない場合には、ズーム能力情報がRAM103に格納されない。
【0117】
ステップS1109で、RAM103に映像出力装置200のズーム能力を示す情報が格納されていないと判断されれば、処理はステップS1103に移行される。この場合には、映像出力装置200のズーム機能を利用できないので、映像表示装置100は、ステップS1103〜ステップS1108の処理に従い、映像データのズーム処理を映像表示装置100内で行う。
【0118】
一方、ステップS1109で、RAM103に映像出力装置200のズーム能力を示す情報が格納されていると判断されれば、処理はステップS1110に移行される。ステップS1110で、映像表示装置100は、RAM103に格納されている映像出力装置200のズーム能力情報に基づき、ユーザが指定した、すなわち、上述したステップS1101で検出されたズーム操作が可能であるか否かを判断する。
【0119】
一例として、RAM103に対し、図13(b)に例示したような、映像出力装置200がズーム率1.0倍、2.0倍および3.0倍に対応していることを示すズーム率一覧情報が格納されているものとする。また、RAM103に格納される、現在出力中のズーム率を示す情報が、ズーム率2.0倍を示しているものとする。この場合、ステップS1101で検出されたズーム操作がズームインである場合、1段階、ズーム率を上げることができるので、映像表示装置100は、映像出力装置200においてズーム処理を実行可能であると判断する。
【0120】
映像出力装置200におけるズーム処理が実行可能であると判断されれば、処理はステップS1111に移行され、表示される映像データのズーム処理を、映像出力装置200と連携して行う。ステップS1111〜ステップS1113の処理は、図5を用いて説明したステップS411〜ステップS413の処理と同様である。また、対応する映像出力装置200側の処理も、図6を用いて説明したステップS503〜ステップS505の処理と同様である。
【0121】
すなわち、映像表示装置100から映像出力装置200に対して、ユーザ操作に応じてステップS1101で検出されたズーム操作の指示が、ズーム要求としてCECコマンドを用いて送信される(ステップS1111)。このズーム要求は、映像出力装置200に受信される。映像出力装置200は、RAM205に格納される映像データに対して、ズーム要求により指示されたズーム率に応じてズーム処理を行う。ズーム処理された映像データは、RAM205に格納される。映像出力装置200は、RAM205に格納されたズーム処理済みの映像データをHDMIのフォーマットに従いマッピングしてHDMI信号とし、ケーブル300を介して映像表示装置100に送信する。このHDMI信号は、映像表示装置100に受信され(ステップS1112)、最終的にディスプレイパネル110に供給され、表示画面が更新される(ステップS1113)。
【0122】
別の例として、映像出力装置200が上述と同様にズーム率1.0、2.0および3.0に対応しており、RAM103に格納される、現在出力中の映像データのズーム率を示す情報がズーム率3.0倍を示している場合について考える。この場合、映像出力装置200におけるズーム率が既に上限に達しているので、ステップS1101で検出されたズーム操作がズームインである場合には、映像表示装置100は、映像出力装置200におけるズーム処理の実行が不可であると判断する。
【0123】
この場合には、映像表示装置100は、処理をステップS1110からステップS1103に移行させ、ステップS1103〜ステップS1108の処理に従い、現在表示中の映像データのズーム処理を映像表示装置100内で行う。
【0124】
なお、上述では、映像表示装置100が地上デジタル放送を受信可能なテレビジョン受像機であるとして説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、図2に示した構成からチューナ104およびデコーダ105を省略し、映像表示専用の装置としてもよい。また、上述では、映像表示装置100がフルHD映像の表示に対応しているとして説明したが、これはこの例に限られない。
【0125】
さらに、映像表示装置100から、チューナ104およびデコーダ105に加えて、アナログビデオI/F107をさらに省略し、映像入力経路をHDMI入力のみとしてもよい。この場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップS402を省略しステップS401からステップS409に、直接的に処理を移行させることが考えられる。
【0126】
さらにまた、上述では、映像データが静止画データであるように説明したが、これはこの例に限定されず、映像データは、動画データであってもよい。
【0127】
また、上述では、映像およびコマンドの通信を、HDMIおよびHDMIに規定されるCECを用いて行うように説明したが、これはこの例に限定されず、映像の送信と双方向制御が可能であれば、他のインターフェイスを適用可能である。一例として、映像表示装置100に対する映像入力をD端子により行い、コマンドの双方向通信をRS−232Cインターフェイスを用いて行うことが考えられる。
【0128】
さらに、上述では、映像出力装置200がデジタルカメラであるとして説明したが、これはこの例に限定されない。映像出力装置200は、映像表示装置100の表示解像度よりも高い解像度の映像データを処理可能であると共に映像データのズーム機能を有し、映像データの外部への送信が可能で、且つ、双方向制御が可能な通信手段を備えていれば、他の種類の装置でもよい。例えば、デジタルビデオカメラ、フォトストレージ、パーソナルコンピュータを映像出力装置200として適用することが考えられる。
【0129】
さらにまた、上述の第1〜第3実施形態においては、システム或は装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。例えば、上述した映像表示装置100や映像出力装置200は、それぞれコンピュータで構成することが可能である。したがって、上述の第1〜第3の実施形態をコンピュータで実現するために、当該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の各実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0130】
なお、上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0131】
上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0132】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0133】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
【0134】
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
【0135】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0136】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
【0137】
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明に適用可能な表示システムの一例の構成を概略的に示す略線図である。
【図2】本発明に適用可能な映像表示装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図3】映像表示装置を遠隔操作するためのリモコンの一例の外観を概略的に示す略線図である。
【図4】映像出力装置の一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】ズームインボタンまたはズームアウトボタンが押下された際の、第1の実施形態による映像表示装置側の一例の処理を示すフローチャートである。
【図6】映像表示装置側の処理に応じた映像出力装置側の一例の処理を示すフローチャートである。
【図7】映像表示装置が対応可能な一例のズーム率を示す略線図である。
【図8】映像表示装置側でズーム表示(拡大表示)を行った場合の表示例を模式的に示す略線図である。
【図9】映像出力装置側でズーム表示(拡大表示)を行った場合の表示例を模式的に示す略線図である。
【図10】ズームインボタンまたはズームアウトボタンが押下された際の、第2の実施形態による映像表示装置側の一例の処理を示すフローチャートである。
【図11】映像表示装置側の処理に応じた映像出力装置側の一例の処理を示すフローチャートである。
【図12】映像表示装置に対して映像出力装置が接続された際の、映像表示装置における一例の処理を示すフローチャートである。
【図13】映像表示装置が映像出力装置から取得してRAMに格納する情報の例を示す略線図である。
【図14】ズームインボタンまたはズームアウトボタンが押下された際の、第3の実施形態による映像表示装置側の一例の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0139】
100 映像表示装置
101 CPU
103 RAM
106 HDMIトランシーバ
108 ビデオプロセッサ
110 ディスプレイパネル
200 映像出力装置
203 CPU
205 RAM
206 HDMIトランシーバ
207 グラフィックプロセッサ
300 ケーブル
400 リモコン
401 入力切り替えボタン
402 ズームインボタン
403 ズームアウトボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
前記外部の装置との間で通信が可能な通信手段と、
前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを前記外部の装置に送信するように前記通信手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記問い合わせの結果、ズーム処理が可能であった場合には、前記映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを前記外部の装置に送信するように前記通信手段を制御すると共に、該ズーム要求コマンドに応じて前記外部の装置より送信されて前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記問い合わせの結果、ズーム処理が不可能であった場合には、前記映像信号にズーム処理を施して表示するよう前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
前記外部の装置との間で通信が可能な通信手段と、
前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを前記外部の装置に送信するように前記通信手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記ズーム要求コマンドに応じて前記外部の装置より送信されて前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記ズーム要求コマンドの送信に対し、前記外部の装置から該ズーム要求による処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、前記映像信号に対して前記ズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】
外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
前記外部の装置との間で通信が可能な通信手段と、
前記外部の装置が前記通信手段により接続されたら、該外部の装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を前記通信手段により行い、前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記ズーム能力を示す情報に基づき前記ズーム要求を前記外部の装置に送信するように前記通信手段を制御する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、
前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記外部の装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを該外部の装置に送信し、該ズーム要求コマンドに応じて該外部の装置より送信されて前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記外部の装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、前記映像信号に対して前記ズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項4】
前記映像信号に対してズーム処理を施すズーム処理手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記ズーム処理手段を用いて前記ズーム処理を行い、該ズーム処理を行った映像を前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記外部の装置から出力される映像信号は、前記表示手段の表示解像度よりも高い解像度の映像に係る映像信号である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記ユーザ操作受け付け手段が前記ズーム操作を受け付けた際に、前記表示手段に表示中の映像が前記映像信号入力手段から入力された映像信号に係る映像であるか否かを判定し、該表示手段に表示中の映像が前記映像信号入力手段から入力された映像信号に係る映像であると判定された場合に、前記ズーム要求コマンドを送信するように前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の映像表示装置。
【請求項7】
外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
前記外部の装置との間で通信が可能な通信手段と
を備える映像表示装置の制御方法であって、
前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを前記外部の装置に送信する送信ステップと、
前記送信ステップによる該問い合わせの結果、ズーム処理が可能であった場合には、前記映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを送信するように前記通信手段を制御すると共に、該ズーム要求コマンドに応じて前記外部の装置より送信されて前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記問い合わせの結果、ズーム処理が不可能であった場合には、前記映像信号にズーム処理を施して表示するよう前記表示手段を制御する制御のステップと
を有する
ことを特徴とする映像表示装置の制御方法。
【請求項8】
外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
前記外部の装置との間で通信が可能な通信手段と
を備える映像表示装置の制御方法であって、
前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを前記外部の装置に送信する送信ステップと、
該ズーム要求コマンドに応じて前記外部の装置より送信されて前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記ズーム要求コマンドの送信に対し、前記外部の装置から該ズーム要求による処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、前記映像信号に対して前記ズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する制御のステップと
を有する
ことを特徴とする映像表示装置の制御方法。
【請求項9】
外部の装置から送信された映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
前記外部の装置との間で通信が可能な通信手段と
を備える映像表示装置の制御方法であって、
前記外部の装置が前記通信手段により接続されたら、該外部の装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を前記通信手段により該外部の装置に対して行う通信ステップと、
前記ユーザ操作受け付け手段により前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記外部の装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを該外部の装置に送信し、該ズーム要求コマンドに応じて該外部の装置より送信されて前記映像信号入力手段により入力された映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記ユーザ操作受け付け手段により前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記外部の装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、前記映像信号に対してズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する制御のステップと
を有する
ことを特徴とする映像表示装置の制御方法。
【請求項10】
映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と
を有する映像表示装置と、
前記映像出力装置から出力された映像信号を前記映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、
前記映像出力装置と前記映像表示装置との間で通信が可能な通信手段と
を備え、
前記映像表示装置は、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを前記通信手段を介して前記映像出力装置に送信し、
前記映像出力装置は、前記問い合わせコマンドを受信したら、該問い合わせコマンドに応じて前記ズーム処理が可能か否かを示す情報を前記通信手段を介して前記映像表示装置に送信し、
前記映像表示装置は、前記ズーム処理が可能か否かを示す情報を受信したら、該情報がズーム処理が可能であることを示していた場合、前記映像信号に対するズーム要求コマンドを前記通信手段を介して前記映像出力装置に送信し、
前記映像出力装置は、前記ズーム要求コマンドを受信したら、該ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理手段により前記映像信号に対して前記ズーム処理を行って、該ズーム処理を行った該映像信号を前記映像信号送信手段を介して前記映像表示装置に送信し、
前記映像表示装置は、前記映像信号送信手段を介して受信された前記ズーム処理を行った映像信号に係る映像を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする映像表示システム。
【請求項11】
映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と
を有する映像表示装置と、
前記映像出力装置から出力された映像信号を前記映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、
前記映像出力装置と前記映像表示装置との間で通信が可能な通信手段と
を備え、
前記映像表示装置は、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを前記通信手段を介して前記映像出力装置に送信し、
前記映像出力装置は、前記ズーム要求コマンドを受信したら、該ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理手段により前記映像信号に対して前記ズーム処理を行い該ズーム処理が成功したら該ズーム処理を行った該映像信号を前記映像信号送信手段を介して前記映像表示装置に送信し、該ズーム処理が失敗したらその旨を示す通信を前記通信手段により前記映像表示装置に対して行い、
前記映像表示装置は、前記映像信号送信手段を介して受信された、前記ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、前記ズーム要求コマンドの送信に対し、前記通信手段により前記ズーム処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、前記映像信号に対して前記ズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示システム。
【請求項12】
映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と
を有する映像表示装置と、
前記映像出力装置から出力された映像信号を前記映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、
前記映像出力装置と前記映像表示装置との間で通信が可能な通信手段と
を備え、
前記映像表示装置は、前記映像出力装置が前記通信手段により接続されたら、該映像出力装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を前記通信手段により該映像出力装置に対して行い、
前記映像出力装置は、前記ズーム能力を有していれば、前記通信に応じて前記ズーム能力を示す情報を前記通信手段を介して前記映像表示装置に対して送信し、
前記映像表示装置は、前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記映像出力装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを該映像出力装置に送信し、前記映像信号送信手段を介して受信された、前記ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記映像出力装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、前記映像信号に対して前記ズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示システム。
【請求項13】
前記映像表示装置は、
前記映像信号に対してズーム処理を施す他のズーム処理手段をさらに有し、
前記他のズーム処理手段を用いて前記ズーム処理を行い、該ズーム処理を行った映像を前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項10乃至請求項12の何れか1項に記載の映像表示システム。
【請求項14】
前記映像表示装置は、所定の解像度で前記表示手段による映像の表示を行い、
前記映像出力装置は、前記所定の解像度よりも高い解像度を持つ映像信号に対して前記ズーム処理手段による前記ズーム処理を行う
ことを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の映像表示システム。
【請求項15】
映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と
を有する映像表示装置と、
前記映像出力装置から出力された映像信号を前記映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、
前記映像出力装置と前記映像表示装置との間で通信が可能な通信手段と
を備えた映像表示システムの映像表示制御方法であって、
前記映像表示装置は、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理が可能か否かを問い合わせる問い合わせコマンドを前記通信手段を介して前記映像出力装置に送信し、
前記映像出力装置は、前記問い合わせコマンドを受信したら、該問い合わせコマンドに応じて前記ズーム処理が可能か否かを示す情報を前記通信手段を介して前記映像表示装置に送信し、
前記映像表示装置は、前記ズーム処理が可能か否かを示す情報を受信したら、該情報がズーム処理が可能であることを示していた場合、前記映像信号に対するズーム要求コマンドを前記通信手段を介して前記映像出力装置に送信し、
前記映像出力装置は、前記ズーム要求コマンドを受信したら、該ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理手段により前記映像信号に対して前記ズーム処理を行って、該ズーム処理を行った該映像信号を前記映像信号送信手段を介して前記映像表示装置に送信し、
前記映像表示装置は、前記映像信号送信手段を介して受信された前記ズーム処理を行った映像信号を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする映像表示制御方法。
【請求項16】
映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と
を有する映像表示装置と、
前記映像出力装置から出力された映像信号を前記映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、
前記映像出力装置と前記映像表示装置との間で通信が可能な通信手段と
を備えた映像表示システムの映像表示制御方法であって、
前記映像表示装置は、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを前記通信手段を介して前記映像出力装置に送信し、
前記映像出力装置は、前記ズーム要求コマンドを受信したら、該ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理手段により前記映像信号に対して前記ズーム処理を行い該ズーム処理が成功したら該ズーム処理を行った該映像信号を前記映像信号送信手段を介して前記映像表示装置に送信し、該ズーム処理が失敗したらその旨を示す通信を前記通信手段により該映像表示装置に対して行い、
前記映像表示装置は、前記映像信号送信手段を介して受信された、前記ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、前記ズーム要求コマンドの送信に対し、前記通信手段により前記ズーム処理が失敗した旨を示す通信がなされたら、前記映像信号に対してズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示制御方法。
【請求項17】
映像信号に対してズーム処理を行うズーム処理手段を有し、映像信号を出力する映像出力装置と、
ユーザによるズーム操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
入力された映像信号に係る映像を表示装置に表示する表示手段と
を有する映像表示装置と、
前記映像出力装置から出力された映像信号を前記映像表示装置に送信する映像信号送信手段と、
前記映像出力装置と前記映像表示装置との間で通信が可能な通信手段と
を備えた映像表示システムの映像表示制御方法であって、
前記映像表示装置は、前記映像出力装置が前記通信手段により接続されたら、該映像出力装置のズーム能力を示す情報を取得するための通信を前記通信手段により該映像出力装置に対して行い、
前記映像出力装置は、前記ズーム能力を有していれば、前記通信に応じて前記ズーム能力を示す情報を前記通信手段を介して前記映像表示装置に対して送信し、
前記映像表示装置は、前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記映像出力装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されており、且つ、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が可能であることを示していれば、前記ズーム操作に応じて、前記表示手段により表示している映像に係る映像信号に対するズーム処理を要求するズーム要求コマンドを該映像出力装置に対して送信し、前記映像信号送信手段を介して受信された、前記ズーム要求コマンドに応じて前記ズーム処理を行った映像信号に係る映像を表示するように前記表示手段を制御し、
前記ユーザ操作受け付け手段に前記ズーム操作が受け付けられた際に、前記映像出力装置の前記ズーム能力を示す情報が取得されていないか、または、該情報が該ズーム操作に応じたズーム処理が不可能であることを示していれば、前記映像信号に対してズーム処理を施して表示するように前記表示手段を制御する
ことを特徴とする映像表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−186689(P2009−186689A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25733(P2008−25733)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】