説明

時限解除メカニズム付き折りたたみ可能な投擲遊具

【課題】本体が圧縮された形状を保つ時間の長さを選択的に制御できる遊具を提供する。
【解決手段】遊具アセンブリ及びその操作方法。遊具アセンブリは、膨らんだ形状と圧縮された形状に選択的に構成することが可能な本体を有する。本体は複数のアーチ状部分から構成される。アーチ状部分に付勢をかけて膨らんだ形状にするための付勢要素が少なくとも一つ用意されている。本体内の本体の第1の端部に吸盤が配置され、その逆の第2の端部に平坦面が配置される。本体が圧縮された形状に折りたたまれたときのみ、吸盤は平坦面に係合する。吸盤と平坦面との間に空気を通じさせるために通気弁アセンブリが提供される。吸盤内に充分な空気が流れ込み、気圧が等しくなったとき、吸盤は平坦面から離れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、一時的に折りたたまれた形状にすることができるが、バネの付勢で膨らんだ形状になる遊具物に関連する。本発明は特に、ボールなど、投げて遊ぶ遊具物に関するものであり、それが折りたたまれた形状へと一時的に圧縮でき、その遊具が投げられると、短時間後に膨らんだ形状に瞬時に戻る、というものである。さらに、本発明は、その遊具物の製造方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、様々な種類の、投げることを目的とした遊具で充実している。なかでもひときわ目立つのがボールやフリスビーなどの遊具である。故に、遊具メーカーが、いずれボールとフリスビーの特徴を一体化し、一つの投げて遊ぶ遊具にしようとするのも当然である。以上の理由から、折りたたみ可能な、投げて遊ぶ遊具がまず遊具市場に登場した。折りたたみ可能な、投げて遊ぶ遊具の類は、ボール状か、もしくは同じように球体に加工された物体で、上半球と下半球によって形成されている。上下の半球は、共通の、いわば赤道にあたる連結部でヒンジ接続されている。上半球と下半球との間がヒンジ接続されているため、ボールの上下半球を互いに向かって平たく折りたたむことができる。上下半球が対向して折りたたまれたとき、遊具は一般的なフリスビーの形状になる。従って、折りたたみ可能な投擲遊具は、折りたたまれているか否かにより、ボールかフリスビーかのいずれかの形状を取る。
【0003】
遊具の上下半球が折りたたまれて平らな形状になると、半球の直径が大きくなる。これに順応するため、遊具の上下半球には細長い隙間がついている。遊具が完全に膨らんで球体になるとき、これらの隙間は閉じられ、遊具は切れ目の無い外面になる。反対に、遊具がフリスビー状に折りたたまれると、これらの隙間が開いて広がり、開いた花のような形状になる。折りたたみ可能な投擲遊具の典型的な開花形状は、米国特許D434457、Goldmanの「Collapsible Toy」を参照されたい。
【0004】
従来技術では、折りたたみ可能な投擲遊具には、付勢をかけて、折りたたまれた形状を、膨らんだ、ボール状の形状にするための何らかの付勢要素が含まれる。例えば、Goldmanに付与された米国特許番号5797815、「Pop-Open Throwing Toy With Controllable Opening Delay And Method Of Operating Same」では、折りたたみ可能な投擲遊具にコイルばねが内蔵されていることが示されている。このコイルばねは遊具の上下半球を離すように付勢する。この折りたたみ可能な投擲遊具は、内蔵されたコイルばねを押し込み、上下半球の間にある吸盤で瞬時に吸着してコイルばねの付勢に耐えることで、一時的にフリスビーのような形状を取ることができる。吸盤の瞬間吸着がはがれると、内蔵されたコイルばねが弾け、折りたたみ可能な投擲遊具を膨らんだボール状の形状に戻す。
【0005】
折りたたまれた遊具の膨らみの始動を吸盤のみに依存すると、固有の問題が生ずる。折りたたまれた遊具をつかったゲームに依って、膨らんだ形状に戻るまでの希望期間は変わる。人々が集まって遊具を渡すゲームをする場合、数分の猶予が望ましい。もし、折りたたまれた遊具がキャッチボールに使われるのならば、大抵の場合、折りたたまれた遊具が、投げられた後それがキャッチされる前に、ボール状に膨らむのが望ましい。これはほんの数秒間の時間枠である。標準的な吸盤を用いた始動メカニズムでは、この所望の時間枠内で遊具を起動させるのは非常に困難である。もし吸盤が濡れていたり、過剰に圧縮されたりしていると、数秒、もしくは数分経過するまで外れない可能性が出てくる。もし吸盤が汚れていたり、曲がっていたり、または加圧が足りなかったりすると、1〜2秒で剥がれてしまう可能性がある。
【0006】
故に、信頼性の高い正確な方法で、起動の時間期間を選択できるようにするような、折りたたまれたボールの吸盤解除メカニズムを積極的に制御する手段が必要とされている。この必然性が、以下の特許請求の範囲に記載されているように、本発明によって満たされている。
【発明の開示】
【0007】
本発明は遊具アセンブリとその操作方法である。遊具アセンブリは、圧縮されて一時的にフリスビー状にすることが可能な、楕円形のボール、球状のボール、またはそれに似た物体である。圧縮後短時間で、遊具は元のボール状の形状に瞬時にもどる。
【0008】
遊具アセンブリには、膨らんだ形状と圧縮された形状とを選択的に形成することが可能な本体がある。本体は、中心軸の周りに対称的に配置された複数のアーチ状部分で構成される。アーチ状部分に付勢をかけて膨らんだ形状にするため、付勢要素が少なくとも一つ用意されている。本体内の第1の端部に吸盤が配置され、本体内の、第1の端部とは逆側に平坦面が配置されている。吸盤は、本体が圧縮された形状に折りたたまれたときのみ平坦面に係合する。
【0009】
平坦面と吸盤との間に空気を通じさせるために、平坦面を貫いて通気孔アセンブリが構成されている。通気孔アセンブリは手動調整が可能である。従って、吸盤と平坦面との間の空気流を利用者が制御することができる。吸盤内に充分に空気が流れ込み、気圧が均等になったとき、吸盤は平坦面から離れる。故に当然のことながら、吸盤と平坦面との間の空気流の速度を制御することで、平坦面に吸盤が吸着する時間の長さを選択的に制御することができる。通気孔アセンブリは、故に、利用者に、本体が膨らんだ形状に戻るまで、どのぐらいの間折りたたまれた形状のままであるかを調整させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の折りたたみ可能な投擲遊具は、円形の形状にも作れるが、フットボールの形状を真似て楕円形にすることもできる。本発明の典型的な実施形態では、折りたたみ可能な投擲遊具はフットボールの形状に構成されている。このような形状は典型例であり、球状以外の幾何学的形状の「ボール」も、本発明の範囲に含まれることを意図していることがわかるだろう。
【0011】
図1に関連して、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の典型的な実施形態が示されている。折りたたみ可能な投擲遊具(10)は、様々なアーチ状部分(14)から構成される楕円形の本体(12)を有する。球状の本体(12)を構成するこれらの様々なアーチ状部分(14)は中心軸(20)の周りに対称的に配置されている。
【0012】
2つの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)が付属しており、それぞれ楕円形の本体(12)の両端に配置されている。端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)はいずれも、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の中心軸(20)に沿って配置されている。複数の折りたたみ可能なアーチ状部分(14)は、2つの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)間に伸びている。この実施形態では6つの折りたたみ可能なアーチ状部分(14)が提示されている。しかしながら、このような構成はあくまで典型例であり、任意の数の複数の折りたたみ可能なアーチ状部分(14)を用いることができる。
【0013】
全ての折りたたみ可能なアーチ状部分(14)には、上部パネル(16)と下部パネル(18)そして、連結要素(26)が含まれている。もしも端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)が同じ中心軸(20)に沿って楕円形の本体(12)の両端に配置されるとすると、これらの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)の間に仮想の中央平面(24)があると考えられる。中央平面(24)は楕円形の本体(12)を二分し、楕円形の本体(12)を上半分(28)と下半分(29)に分ける。折りたたみ可能なアーチ状部分(14)の各々の連結要素(26)は中央平面(24)に沿って配置されている。
【0014】
各折りたたみ可能なアーチ状部分(14)の上部パネル(16)は、中央平面(24)より上で、楕円形の本体(12)の上半分(28)内に伸びている。逆に、各折りたたみ可能なアーチ状部分(14)の下部パネル(18)は、中央平面(24)より下で、楕円形の本体(12)の下半分(29)内に伸びている。
【0015】
詳しい説明は後述するが、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の球状本体(12)内で上端部ハブ・アセンブリ(21)裏に吸盤が配置されている。この吸盤によって一時的に係合される面が、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の球状本体(12)内で対向する下端部ハブ・アセンブリ(22)裏に配置されている。
【0016】
折りたたみ可能な投擲遊具(10)の楕円形の本体(12)を形作るアーチ状部分(14)は、中央平面(24)に沿って連結要素(26)の箇所で折りたたまれる。しかしながら、後述するが、これらのアーチ状部分(14)は、強制されたとき以外はアーチ状部分(14)が曲がらないようにする伸縮性バンドによって係合されている。これによって、折りたたみ可能な投擲遊具(10)が、図1に描かれているように、膨らんだ形状に保たれる。
【0017】
安定化フィン(27)は楕円形の本体(12)の外部に位置している。安定化フィン(27)は、折りたたみ可能な投擲遊具(10)が膨らんだ形状で飛行中、楕円形の本体(12)が螺旋を描きながらまっすぐに飛ぶ補助をする。
【0018】
図1と共に図2を参照すると、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の楕円形の本体(12)は、2つの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)を互いに向かって押し込むことで円盤状になることがわかる。2つの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)は、楕円形の本体(12)の仮想の中央平面(24)で合わせられる。2つの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)が互いに近づくと、上端部ハブ・アセンブリ(21)は、対向する下端部ハブ・アセンブリ(22)と一時的に係合する。楕円形の本体(12)の上半分(28)及び下半分(29)が圧縮されるにつれ、折りたたみ可能なアーチ状部分(14)は連結要素(26)の箇所で折りたたまれていく。図1の楕円形の形状は、故に、図2のフリスビー状の形状へと変化する。
【0019】
フリスビー状の形状のとき、安定化フィン(27)は、圧縮されたアーチ状部分(14)に平らにたたまれる。このようにして、安定化フィン(27)が、折りたたまれた形状でフリスビーのように投げられる折りたたみ可能な投擲遊具(10)の能力に悪影響を及ぼすことはなくなる。
【0020】
これらの複数の折りたたみ可能なアーチ状部分(14)は、折りたたまれると、それぞれが、バネの付勢で、折りたたまれた変形に抵抗する。全ての折りたたみ可能なアーチ状部分(14)の付勢が組み合わさって、圧縮に対する抵抗力となる。この付勢によって、圧縮力が開放されるか、2つの端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)が互いの連結を開放した瞬間、折りたたみ可能なアーチ状部分(14)が、膨らんだ形状へと瞬時に戻る。
【0021】
図3を参照すると、楕円形の本体(12)内で、全てのアーチ状部分(14)に伸縮性バンド(42)が連結していることがわかる。伸縮性バンド(42)は中央平面(24)と同じ平坦面をとおり、連結要素(26)の各々の内部に連結する。これが各連結要素(26)を中心軸(20)へ向かって付勢する。この付勢の方向が楕円形の本体(12)を膨らんだ形状に保つ。楕円形の本体(12)が圧縮されると、中央平面(24)の直径が大きくなる。これにより、伸縮性バンド(42)が引っ張られ、反発力を溜めこむ。伸縮性バンド(42)の反発により、圧縮力が開放されると、楕円形の本体(12)は瞬時に膨らんだ形状へと戻る。楕円形の本体(12)が完全に折りたたまれたとき、伸縮性バンド(42)の付勢は、上端部ハブ・アセンブリ(21)及び下端部ハブ・アセンブリ(22)の係合による抵抗を受けている。
【0022】
伸縮性バンド(42)を用いて楕円形の本体(12)を膨らんだ形状に戻すのは単なる一例である。本発明に用いるために適応させることが可能な他の付勢手段もある。このような他の付勢手段は、Fengに付与された米国特許番号6896577、「Configuration For A Collapsible Throwing Toy And Its Associated Method Of Manufacture」に記載されており、当該特許の開示は、参照のため本明細書に組み込んでいる。
【0023】
図3に戻ると、上端部ハブ・アセンブリ(21)と下端部ハブ・アセンブリ(22)の構造が示されている。上端部ハブ・アセンブリ(21)には外部プレート(30)があり、それが楕円形の本体(12)の上半分(28)の外側の頂点に配置されている。更に、上端部ハブ・アセンブリ(21)には内部プレート(32)があり、それが内側に配置されている。錘(36)を収納するための仕切りがある。錘(36)は、後述にて説明するように、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の飛行特性を改善させるために用いられる。吸盤(40)は錘(36)の下に伸びている。吸盤(40)は中央平面(24)に向かうよう、内側を向いている。その上、吸盤(40)は折りたたみ可能な投擲遊具(10)の中心軸(20)に揃えられている。
【0024】
上端部ハブ・アセンブリ(21)の外部プレート(30)に端部キャップ(38)が取り付けられている。端部キャップ(38)は湾曲した外観で、楕円形の本体(12)の外観の湾曲を補完している。
【0025】
下端部ハブ・アセンブリ(22)には平らなアタッチメントプレート(44)がある。アタッチメントプレート(44)には、折りたたみ可能な投擲遊具(10)が折りたたまれたとき、吸盤(40)が吸着するための平坦面(45)がある。アタッチメントプレート(44)を貫いて通気孔(46)が配置されている。通気孔(46)は、吸盤(40)がアタッチメントプレート(44)の平坦面(45)に吸着したとき、吸盤(40)とアタッチメントプレート(44)との間に空気が流れるようにする。もし通気孔(46)が開いたままならば吸盤(40)とアタッチメントプレート(44)の間に吸引力は発生しない。故に、吸盤(40)は一瞬の間しかアタッチメントプレート(44)に吸着しない。通気孔(46)を通る空気の流れを制御するため、通気弁アセンブリ(50)がある。
【0026】
通気弁アセンブリ(50)にはニードル弁(52)が含まれており、それが通気孔(46)内へ伸びている。ニードル弁(52)は、通気孔(46)を完全にふさぐか、制御された量の空気を通気孔(46)を通して選択的に流す能力を持っている。ニードル弁(52)が通気孔(46)をふさぐ度合いは、ニードル弁(52)が通気孔(46)内に挿入される距離に依存する。
【0027】
ニードル弁(52)はネジ棒(54)に接続されている。ネジ棒(54)は手動コントロールノブ(56)に接続されている。ネジ棒(54)はアタッチメントプレート(44)と係合する。したがって、手動コントロールノブ(56)を回すと、ネジ棒(54)がアタッチメントプレート(44)と連動し上下することがわかるだろう。故に、ニードル弁(52)が通気孔(46)内でどの程度の深さに位置するかは、手動コントロールノブ(56)を回すことで選択的に制御することができる。
【0028】
上端部ハブ・アセンブリ(21)の吸盤(40)は、吸盤(40)内部の空気圧が周囲圧力より低い間だけ、下端部ハブ・アセンブリ(22)のアタッチメントプレート(44)に吸着している。通気弁アセンブリ(50)が通気孔(46)を通って流れる空気の量を調整することができるため、吸盤(40)がアタッチメントプレート(44)に係合する時間を選択的に制御できる。通気弁アセンブリ(50)が通気孔(46)を閉じるために使われた場合、吸盤(40)はアタッチメントプレート(44)に数分間係合したままになり得る。しかしながら、通気弁アセンブリ(50)が開けられた場合、吸盤(40)とアタッチメントプレート(44)との間に空気が流れる。これで、吸盤(40)内に存在しうる如何なる圧力差も即時になくなり、吸盤(40)を1〜2秒間だけアタッチメントプレート(44)に吸着させることができる。したがって、吸盤(40)とアタッチメントプレート(44)との吸着時間を、数秒から数分と自在に変えられる。吸盤(40)が離れるとすぐ、伸縮性バンド(42)の力で上端部ハブ・アセンブリ(21)と下端部ハブ・アセンブリ(22)が離れ、楕円形の本体(12)が膨らんだ形状に戻る。
【0029】
図4を参照すると、上下端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)が互いに向かって押し込まれると、折りたたみ可能なアーチ状部分(14)が折りたたまれ、吸盤(40)がアタッチメントプレート(44)に接触し係合することが分かるだろう。吸盤(40)とアタッチメントプレート(44)との接続は、空気が吸盤(40)内に入り込むため、一時的である。上下端部ハブ・アセンブリ(21)、(22)は、折りたたみ可能なアーチ状部分(14)にかかる伸縮性バンド(42)の作動によって離れるよう付勢されている。吸盤(40)が離れるとすぐ、折りたたみ可能な投擲遊具(10)は瞬時にボール状の形状に戻る。空気が吸盤(40)内に入り込む速度はコントロールノブ(56)を使った通気弁アセンブリ(50)の手動設定に大きく依存する。つまり、通気弁アセンブリ(50)を調節して、入り込む空気流の緩急を調整できる。これはちょうど、吸盤(40)がアタッチメントプレート(44)に係合している時間につながる。故に、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の折りたたまれている時間を数秒から数分の間で自在に調整できる。
【0030】
本発明では、フットボールのような、細長い形状のボールが図解されている。図5を参照すると、このような遊具の遊び方として、折りたたみ可能な投擲遊具(10)が折りたたまれ、フリスビーとして投げられているのが見て取れる。折りたたみ可能な投擲遊具(10)は飛行中に瞬時にフットボールの形状になるよう調整されている。折りたたみ可能な投擲遊具(10)が、折りたたまれたとき安定して飛行するために、遊具(10)は、その中心軸(20)が大体垂直であるように方向付けされた状態で回転しながら飛行する必要がある。しかし、折りたたみ可能な投擲遊具(10)が膨らんだ形状に戻ると、遊具(10)は、その中心軸(20)が大体水平に方向付けされた状態で回転する場合にのみ、安定した飛行が得られる。
【0031】
折りたたまれた本体が膨らむとき、中心軸(20)を垂直から水平へと角度可変させるには二つの手段がある。まず、折りたたみ可能な投擲遊具(10)が膨らんだ形状になるとき、楕円形の本体(12)についた安定化フィン(27)が伸びる。安定化フィン(27)は気流に乗り、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の方向を変える。更に、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の飛行中に折りたたみ可能な投擲遊具(10)に更に回転を掛けるように、安定化フィン(27)が湾曲していることが好ましい。
【0032】
折りたたみ可能な投擲遊具(10)の飛行中の方向転換を補助する第二の特徴は、上端部ハブ・アセンブリ(21)に内蔵された錘(36)である。折りたたみ可能な投擲遊具(10)が折りたたまれるとき、錘(36)は折りたたみ可能な投擲遊具(10)の幾何学的中心に非常に近接している。それにより、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の重心は、その幾何学的中心に非常に近接することになる。これにより、折りたたみ可能な投擲遊具(10)は安定した飛行が保てる。しかしながら、一度折りたたみ可能な投擲遊具(10)が膨らんだ形状に戻ると、錘(36)は、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の幾何学的中心から遠く離れた、楕円形の本体(12)上端部に移動する。これにより、重心が飛行経路から外れる。したがって、空気抵抗が作用して、折りたたみ可能な投擲遊具(10)の重心と幾何学的中心との両方が飛行経路に揃うように、折りたたみ可能な投擲遊具(10)を方向転換させる。
【0033】
本明細書で説明し図示した本発明の折りたたみ可能な投擲遊具の実施形態はあくまで一例であり、当業者であれば、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態の多くの変形を生み出すことができるだろう。そのようなすべての変形、改良、及び代替実施形態は、添付の特許請求の範囲に規定した本発明の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明をより理解するため、典型的な実施形態に関する説明を、添付の図面と合わせて行っていきたい。
【図1】膨らんだ状態で示す、本発明の典型的な実施形態の斜視図。
【図2】折りたたまれた状態で示す、図1の実施形態の斜視図。
【図3】図1の実施形態の断面図。
【図4】図2の実施形態の断面図。
【図5】飛行中、図2の形状から図1の形状へと変化する際の、本発明の飛行経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時限解除吸盤接続アセンブリであって、
吸盤、
平坦面であって、前記吸盤を前記平坦面に対して押すと前記吸盤が接続する、前記平坦面、
前記平坦面に通じており、前記吸盤が前記平坦面に接続するとき前記吸盤と前記平坦面との間に空気を送ることが可能な、通気孔、及び
前記通気孔を選択的に制限するための弁であって、前記通気孔を通る空気流を制御する、前記弁、
を含むアセンブリ。
【請求項2】
請求項1のアセンブリであって、前記平坦面から離れるように前記吸盤に付勢をかける少なくとも1つの付勢要素を更に含む、アセンブリ。
【請求項3】
請求項1のアセンブリであって、前記吸盤と前記平坦面は、折りたたみ可能なボールの対向する側に配置される、アセンブリ。
【請求項4】
折りたたみ可能な投擲遊具アセンブリであって、
膨らんだ形状と圧縮された形状との間で選択的に構成され得る本体であって、中心軸の周りに対称的に配置される複数のアーチ状部分から構成されている、前記本体、
前記アーチ状部分に付勢をかけて前記膨らんだ形状にするための少なくとも1つの付勢要素、
前記本体内に前記本体の第1の端部に配置される吸盤、
前記本体内に、前記第1の端部と対向する側の第2の端部に配置される平坦面であって、前記本体が前記圧縮された形状のときのみ前記吸盤が係合する前記平坦面、及び
前記吸盤が前記平坦面に係合するとき、前記吸盤と前記平坦面との間に前記平坦面を介して空気を通すための通気弁、
を含むアセンブリ。
【請求項5】
請求項4のアセンブリであって、前記通気弁は調整可能であり、前記吸盤と前記平坦面との間の空気流を選択的に制御する、アセンブリ。
【請求項6】
請求項5のアセンブリであって、前記通気弁は、前記本体に手動でアクセス可能なコントロールノブによって選択的に調整される、アセンブリ。
【請求項7】
請求項4のアセンブリであって、前記本体の形状が楕円形になる、アセンブリ。
【請求項8】
請求項4のアセンブリであって、前記第1の端部に近接して前記本体内に配置される錘を更に含む、アセンブリ。
【請求項9】
請求項8のアセンブリであって、前記第2の端部に近接して前記アーチ状部分のいくつかに取り付けられる安定化フィンを更に含む、アセンブリ。
【請求項10】
請求項9のアセンブリであって、前記安定化フィンは、湾曲しており、前記本体が前記膨らんだ形状で飛行しているとき前記本体を回転させる、アセンブリ。
【請求項11】
請求項4のアセンブリであって、前記本体を仮想中央平面が二分し、前記仮想中央平面が、前記中心軸に対して垂直であり、前記アーチ状部分の各々と交差する、アセンブリ。
【請求項12】
請求項11のアセンブリであって、前記付勢要素は、前記中央平面に近接して前記アーチ状部分の各々と交差する、少なくとも1本の伸縮性バンドを含む、アセンブリ。
【請求項13】
請求項12のアセンブリであって、前記アーチ状部分の各々は、前記中央平面に沿ってヒンジ接続により連結されている上部パネルと下部パネルを含む、アセンブリ。
【請求項14】
膨らんだ形状と折りたたまれた形状との間で変化する折りたたみ可能な遊具を形成する方法であって、
複数のアーチ状部分を提供し、
中心軸と前記中心軸に垂直な中央平面とを有する本体を形成するため前記アーチ状部分を連結し、
前記複数のアーチ状部分に付勢をかけて前記膨らんだ形状にする、少なくとも1つの付勢要素を提供し、
前記本体内の対向する内部領域に、吸盤とアタッチメントプレートとを提供し、前記本体が前記折りたたまれた形状に圧縮されたとき、前記吸盤が前記アタッチメントプレートに一時的に吸着し、前記吸盤と前記アタッチメントプレートとが当接され、
制御された速度で前記吸盤と前記本体との間に空気を通す通気弁を提供する
工程を含む、方法。
【請求項15】
請求項14の方法であって、前記膨らんだ形状のとき前記本体が楕円形である、方法。
【請求項16】
請求項14の方法であって、前記本体内の第1の端部に錘を提供する工程を更に含む、方法。
【請求項17】
請求項14の方法であって、前記アーチ状部分のいくつかに安定化フィンを取り付けることを更に含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−279257(P2008−279257A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−123506(P2008−123506)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(508140729)タッカートイズ インク (1)
【氏名又は名称原語表記】TUCKER TOYS INC.
【Fターム(参考)】