説明

暗所で光る吸収性物品

【課題】暗所においても交換が容易できる吸収部品の提供。
【解決手段】吸収物品の一部分に暗所で照光性、発光性または、反射性がある機構を保持し、着用者を識別、位置付け、着用者の物品を交換するのを支援し、並びに明るさの少ない環境で交換するべき新しいおむつを探すのを助ける。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2000年9月11日に出願した米国特許仮出願番号第60/231,603号の特典を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、暗所で光る表示機構を有する吸収性物品に関するものである。
【0003】
(発明の背景)
おむつなどのパーソナルケア製品用の吸収性物品は、広く使用されている消費者製品である。おむつ及び他の吸収性物品の主要な機能は、身体排泄物が衣類または他の物品、例えば寝具を汚したり、濡らしたり、さもなければ汚染したりするのを防止することである。かかる製品に対する需要が大きいことが刺激となって、製造者は改良した製品を提供し続けている。過去において、おむつなどの吸収性物品の快適性及び性能を向上するために努力がなされてきた。消費者の吸収性物品の使用及び消費者へ視覚的な魅力を改善するための努力もまたなされてきた。
【0004】
吸収性物品はしばしば、介護人がこの物品を着用者に装着するのを支援したり、あるいは美的にも満足のいく外観を提供したりする機構を取り入れる。更に、吸収性物品、特におむつは、着用者への侵害を最低限にするために、介護人が、明かりの少ないまたは薄暗い環境で交換することが多い。従って、着用者が魅力を感じる機構を組み入れる製品を提供することが望ましい。場合によっては、照光物質は、特に明かりの少ない環境で、この物品を着用者に装着するかまたは着用者から取り外す者にとって有用な機能を提供する可能性がある。
【0005】
本発明の1つの望ましい利点は、特に暗所で光る可視表面を包含し、有用な照光特性を有する吸収性物品を提供することである。この表面は、完全に照光性、部分的に照光性、あるいは照光性のデザインまたは表示を含有してもよい。本出願人の発明の更に別の望ましい特徴は、小さな子供を楽しませる照光性のデザインを提供することである。別の望ましい特徴は、明かりの少ない環境で介護を行う介護人を支援することである。本出願人発明の別の望ましい特徴は、容易かつ効果的に製造、販売できる照光性吸収性物品を提供することである。本発明の更に望ましい特徴は、丈夫で信頼性の高い構造を有する費用効率の高い新規の照光性吸収性物品を提供することである。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、トップシート、バックシート、及びトップシートと少なくとも1つの照光物質とを包含するバックシートとの間に介在する吸収性コア、を具備するおむつなどの吸収性物品を提供するものである。使用する照光物質は、本明細書で開示するように、燐光性、蛍光性、反射性または他の照光性のタイプであってもよい。照光物質は、物品の外観を向上させ、及び/または着用者による物品の着脱を支援できる可能性がある。
【0007】
(詳細な説明)
本発明は、装飾的及び/または機能的特質を呈する暗所で光る機構を包含する新規な吸収性物品を提供することを意図するものである。本明細書で述べる暗所で光る機構は、トレーニングパンツ、成人用失禁製品または好ましい実施態様であるおむつなどの吸収性物品にも同様に適用することができる。
【0008】
本明細書で使用する用語「吸収性物品」は、身体排泄物を吸収して封じ込める装置を指し、さらに具体的には、着用者の身体に押し付けるかまたは近接して配置し、身体から排出される種々の排泄物を吸収して封じ込める装置を指す。「使い捨て」という用語は、本明細書では、一般的に、洗濯することを意図しないか、あるいは別な方法では吸収性物品として修復または再使用することを意図しない吸収性物品を説明するのに使われる(つまり、1回の使用後に廃棄することを企図し、好ましくはリサイクルするか、堆肥化するか、別な方法では環境に適したやり方で廃棄することを意図する)。「一体型」吸収性物品とは、個別の部品を合体して調和した統一体を形成し、その結果、個別のホルダー及び/またはライナーのような独立した操作部分を必要としない吸収性物品を指す。本発明の吸収性物品の好ましい実施態様は、図1に示す一体型使い捨て吸収性物品としてのおむつ20である。本明細書で使用する用語「おむつ」は、一般に幼児及び失禁者が胴体下部の周りに着用する吸収性物品を指す。また、本発明は、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入部材、おむつホルダーとライナー、女性用衛生衣類、拭き取り用品、モップ、包帯、及びそのような他の吸収性物品にも適用できる。
【0009】
図1は、本発明のおむつ20の引き伸ばした状態の平面図であり、おむつ20の構造をより明確に示すために表面を一部切り取っている。おむつ20の着用者に面する部分を、こちら側に向けている。図1に示すように、おむつ20は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート26、好ましくはトップシート24とバックシート26との間の少なくとも一部分に配置される吸収性コア28、サイドパネル30、弾性脚部カフ32、弾性腰部機構34、及び全般的に40で示される締結装置、を有することが好ましい。おむつ20は、図1に示すように、第一腰部領域36、第一腰部領域36と向かい合う第二腰部領域38、及び第一腰部領域36と第二腰部領域38との間に位置する股領域37、を有する。おむつ20の周辺部は、おむつ20の外縁部により画定するが、このとき、長手方向縁部50は一般的におむつ20の長手方向中心線100に平行して走っており、末端縁部52は一般的におむつ20の横方向中心線110に平行して長手方向縁部50の間を走っている。
【0010】
おむつ20のシャーシ22は、おむつ20の本体を含む。シャーシ22は、吸収性コア28の少なくとも一部分と、好ましくは、トップシート24及び/またはバックシート26を含む外部カバー層とを含む。吸収性物品が別個のホルダーとライナーを含む場合、シャーシ22は、該ホルダーと該ライナーを概ね含む。(例えば、ホルダーは、物品の外部カバーを形成する1つ以上の材料層を含んでもよく、ライナーは、トップシート、バックシート、及び吸収性コアを含む吸収性組立体を含んでもよい。そのような場合、ホルダー及び/またはライナーは、使用期間中ライナーを所定位置に保持するために使用する締結要素を含んでよい。)一体吸収性物品の場合、シャーシ22は、おむつの主要構造と共に、おむつ複合構造を形成するために付加された他の機構を含む。トップシート24、バックシート26、吸収性コア26は、様々な周知の形体に組み立てることができるが、好ましいおむつの形体がほぼ記載された特許としては、1975年1月14日にブエル(Kenneth B.Buell)へ発行された「使い捨ておむつの収縮可能な側部分(Contractible Side Portions for Diposable Diaper)」という名称の米国特許第3,860,003号、1992年9月9日にブエル(Buell)へ発行された米国特許第5,151,092号、1993年6月22日にブエル(Buell)へ発行された米国特許第5,221,274号、1996年9月10日にロー(Roe)らへ発行された「多ゾーン構造の弾性様フィルムウェブの延伸性腰部機構を有する吸収性物品(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature)」という名称の米国特許第5,554,145号、1996年10月29日にブエル(Buell)らへ発行された「使い捨てプルオンパンツ(Disposable Pull-On Pant)」という名称の米国特許第5,569,234号、1996年12月3日にニース(Nease)らへ発行された「吸収性物品用サイドパネルを製造するゼロスクラップ方法(Zero Scrap Method For Manufacturing Side Panels For Absorbent Articles)」という名称の米国特許第5,580,411号、及び1999年12月21日にローブル(Robles)らへ発行された「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」という名称の米国特許第6,004,306号があり、それぞれの特許を本願に参考として組み入れる。
【0011】
バックシート26は、一般的に、ベッドシーツや下着などおむつ20と接触する可能性がある物品を、吸収性コア28に吸収されて封じ込まれた排泄物が汚すのを防止すべく、吸収性コア28の衣類に面する表面45に隣接して配置されるおむつ20の部分である。好ましい実施態様では、バックシート26は、液体(例えば尿)不透過性であり、厚さ約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムを含む。
【0012】
好適なバックシートフィルムとしては、インディアナ州テレホート(Terre Haute,IN)のトレドガーインダストリー社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、X15306、X10962、及びX10964の商品名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつ20から逃がすにもかかわらず、排泄物がバックシート26を通過するのを防止する通気性材料を挙げることができる。代表的な通気性材料として、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブのような複合材料、ESPOIR NOの名称で日本の三井東圧株式会社により、またEXXAIREの名称でテキサス州ベイシティ(Bay City, TX)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)により製造されるような微小多孔性フィルム、HYTRELブレンドP18−3097の名称でオハイオ州シンシナティ(Cincinnati, OH)のクロペイ社(Clopay Corporation)により製造されるようなモノリシックフィルム、等の材料を含むことができる。いくつかの通気性複合材料が、1995年6月22日にデュポン(E.I.DuPont)の名で公開された国際公開第95/16746号、1999年8月17日にラボン(LaVon)らへ発行された米国特許第5,938,648号、1999年2月2日にキュロ(Curro)の名で発行された米国特許第5,865,823号、及び1996年11月5日にドブリン(Dobrin)らへ発行された米国特許第5,571,096号においてより詳細に記載されている。これらの参考文献のそれぞれを参考として本明細書に組み入れる。
【0013】
バックシート26、またはそのどの一部も、1つ以上の方向に弾性的延伸性であることができる。一実施態様では、バックシート26は、構造的に弾性様のフィルム(「SELF」)ウェブを含むことができる。構造的に弾性様のフィルムウェブは、追加の弾性材料を使用せずに伸長方向に弾性様挙動を示す延伸性の材料であり、更に詳細には1996年5月21日にチャッペル(Chappell)らへ発行された「弾性様挙動を示すウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-Like Behavior)」という名称の米国特許第5,518,801号に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み入れる。他の実施態様では、バックシート26は、弾性フィルム、発泡体、ストランド、または、これら若しくは他の適切な材料と不織布フィルム若しくは合成フィルムとの組み合わせを含むことができる。
【0014】
バックシート26は、当該技術分野で既知のいずれかの取付け手段により、トップシート24、吸収性コア28、またはおむつ20の他の要素に結合することができる。(本明細書で使用する用語「結合する」は、1つの要素が、直接もう一方の要素へ付着することにより他の要素へ直接固定される形体、及び1つの要素が中間部材へ付着し、その中間部材が次いでもう一方の要素へ付着することにより他の要素に間接的に固定される形体を包含する。)例えば、取付け手段としては、均一連続層の接着剤、パターン層の接着剤、孤立した線の、渦巻きの、または点の配列の接着剤などを挙げることができる。好ましい取付けの一手段は、接着剤フィラメントの開放模様網を含み、1986年3月4日にミネトラ(Minetola)らへ発行された「使い捨て排泄物収容衣料(Disposable Waiste-Containment Garment)」という名称の米国特許第4,573,986号に開示されている。1975年10月7日にスプレーグ(Sprague, Jr.)へ発行された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にジッカー(Ziecker)らへ発行された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にウェレニック(Werenicz)へ発行された米国特許第4,842,666号に示される装置及び方法により例証されるように、他の好適な取付け手段は螺旋模様に渦巻く何本かの接着剤フィラメントを含有する。これらの特許のそれぞれを参考として本明細書に組み入れる。有用性が認められている接着剤は、ミネソタ州セントポール(St. Paul, Minnesota)のフラー社(H. B. Fuller Company)により製造され、HL−1620及びHL−1358−XZPとして販売されている。あるいは、取付け手段には、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的結合、若しくは当該技術分野で既知の他のいずれかの適切な取付け手段、またはこれら取付け手段の組み合わせを含むことができる。
【0015】
トップシート24は、好ましくは吸収性コア28の身体側表面47に隣接して位置し、また当技術分野で既知のいずれかの取付け手段により吸収性コア28及び/またはバックシート26に結合してよい。好適な取付け手段は、バックシート26をおむつ20の他の要素へ結合する手段に関連して前述した。本発明の好ましい一実施態様では、トップシート24及びバックシート26は、幾つかの箇所で互いに直接接合し、また他の箇所において、おむつ20の1つ以上の他の要素へこれらが直接接合することにより、相互に間接的に接合している。
【0016】
トップシート24は、順応性があり、柔らかな感触であり、着用者の皮膚を刺激しないことが好ましい。更に、トップシート24の少なくとも一部分は液体透過性であり、流体がその厚さを容易に貫通可能である。好適なトップシートは、広範囲の材料により製造することができ、例えば、多孔性発泡体、網状発泡体、孔あきプラスチックフィルム、または天然繊維(例えば木材繊維若しくは木綿繊維)、合成繊維(例えばポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、または天然繊維及び合成繊維の組み合わせによる織布材料または不織布材料、などがある。トップシート24が繊維を含む場合、その繊維は、スパンボンド、カード、湿式、メルトブローン、水流交絡、その他には当該技術分野で既知の方法で加工することができる。1つの好適なトップシート24は、ステープル長さのポリプロピレン繊維のウェブを含んでおり、マサチューセッツ州ウォルポール(Walpole,MA)のインターナショナルペーパー社(International Paper Company)の一部門であるベラテック社(Veratec,Inc.)によりP−8の名称で製造されている。
【0017】
好適な成形フィルムトップシートが、1975年12月30日にトンプソン(Thompson)へ発行された「テーパ付き毛細管を有する吸収性構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」という名称の米国特許特第3,929,135号、1982年4月13日にムラン(Mullane)らへ発行された「染み防止性トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」という名称の米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にラデル(Radel)らへ発行された「繊維様特性を示す弾力性プラスチックウエブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)」という名称の米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にアール(Ahr)らへ発行された「艶消し外観表面と布様感触の印象を示す巨視的に伸張された三次元プラスチックウエブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」という名称の米国特許第4,463,045号、及び1991年4月9日にベアード(Baird)へ発行された「多層ポリマーフィルム(Multilayer Polymeric Film)」という名称の米国特許第5,006,394号に記載されている。その他の好適なトップシート30は、1986年9月2日及び1986年12月16日にキュロ(Curro)らにそれぞれ付与された米国特許第4,609,518号及び第4,629,643号に従って作成されてもよく、これら二つの特許は参考として本明細書に組み入れる。そのように成形されたフィルムは、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,Ohio)のプロクターアンドギャンブル社(The Procter & Gamble Company)から「DRI−WEAVE」として入手でき、インディアナ州テレホート(Terre Haute,Indiana)のトレドガー社(Tredegar Corporation)から「CLIFF−T」として入手できる。
【0018】
好ましくは、トップシート24の少なくとも一部は、吸収性コア28に収容された流体から着用者の皮膚を隔離するために、疎水性の材料によって作るか、疎水性になるように処理する。トップシート24を疎水性材料により製造する場合、好ましくは、トップシート24の上部表面の少なくとも一部は、親水性となるように処理することで、流体がトップシートの中をより速やかに移動できるようにする。トップシート24は、界面活性剤で処理することにより、または界面活性剤をトップシートの中に配合することにより親水性にすることができる。界面活性剤でトップシート24を処理する好適な方法には、トップシート24の材料を界面活性剤で噴霧すること、及び/またはその材料を界面活性剤中に浸漬することが含まれる。そのような処理と親水性のより詳細な検討は、1991年1月29日にレイシング(Reising)らへ発行された「多層吸収層を有する吸収性物品(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers)」という名称の米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日にレイシングへ発行された「急速に吸収する吸収性コアを有する吸収性物品(Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores)」という名称の米国特許第4,988,345号に含まれる。トップシート24に界面活性剤を組み込む幾つかの適切な方法のより詳細な検討は、アジズ(Aziz)らの名で1997年7月1日に公開された米国法定発明登録番号H1670に見出すことができる。これらの参考文献のそれぞれを参考として本明細書に組み入れる。代替方法として、トップシート24は、疎水性の孔あきウェブまたは孔あきフィルムを含むことができる。これは、生産工程から親水性化処理段階を無くすか、または後述するようにスコッチガード(SCOTCHGUARD)などのポリテトラフルオロエチレン化合物または疎水性ローション組成物などの疎水性処理剤をトップシート24へ適用するか、またはその両方を行って達成することができる。かかる実施態様では、開口は十分大きく、尿のような水性流体が顕著な抵抗無しに通過できることが好ましい。
【0019】
トップシート24のどの部分でも、当該技術分野で既知のローションでコーティングしてもよい。好適なローションの例として、1997年3月4日にロー(Roe)へ発行された「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル不動化剤を含有するローションで処理されたトップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having A Lotioned Topsheet Containing an Emollient and a Polyol Polyester Immobilizing Agent)」という名称の米国特許第5,607,760号、1997年3月11日にロー(Roe)へ発行された「流体ポリオールポリエステル皮膚軟化剤と不動化剤を含むローショントップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotion Topsheet Comprising A Liquid Polyol Polyester Emollient And An Immobilizing Agent)」という名称の米国特許第5,609,587号、1997年6月3日にロー(Roe)らへ発行された「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有するローションで処理されたトップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet Containing A Polysiloxane Emollient)」という名称の米国特許第5,635,191号、1997年7月1日にロー(Roe)らへ発行された「ローション処理されたトップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet)」という名称の米国特許第5,643,588号、及び1999年10月19日にロー(Roe)らへ発行された「ローション処理されたトップシートを有する吸収性物品(Absorbent Article Having A Lotioned Topsheet)」という名称の米国特許5,968,025号に記載されるものが含まれる。ローションは、単独に、または上述の疎水性化処理などの他の薬剤と組み合わせて機能することができる。また、トップシート24は抗菌剤を包含するかまたは抗菌剤で処理されてもよく、そのいくつかの例が、テレサ ジョンソン(Theresa Johnson)の名で1995年9月14日に公開された「においを制御するためにトップシートに抗菌剤を含有する吸収性物品(Absorbent Articles Containing Antibacterial Agents in the Topsheet For Odor Control)」という名称の国際公開第95/24173号に開示されている。更に、トップシート24、バックシート26、またはトップシート若しくはバックシートの部分は、布様外観を更にもたらすために、エンボス加工及び/または艶消仕上げ加工を行ってもよい。
【0020】
トップシート24は、一つ以上の開口80を含み、尿及び/または便(固体、半固体、または流体)などの排出物の通過を容易にすることができる。少なくとも一次の開口80の大きさは、所望の排泄物封入性能を達成する上で重要である。一次の開口80が小さ過ぎる場合、排泄源と開口の位置の配列が悪いか、または糞便の直径が開口80よりも大きいためか、排泄物が開口を通らないこともある。開口80が大き過ぎる場合、この物品からの「再湿潤」によって汚される可能性のある皮膚領域が拡大する。典型的には、開口80の面積は、約10cm〜約50cmであるべきである。開口80の面積は、典型的には、約15cm〜35cmであるのが好ましい。
【0021】
更に、トップシート24は、全体的にあるいは部分的に伸縮性となるか、または短縮して、トップシート24とコア28との間に空隙空間を形成することができる。伸縮性または短縮するトップシートを含む代表的な構造は、1990年1月9日にデマレーズ(Des Marais)らへ発行された「弾性ストランドを有する吸収性物品(Absorbent Article Having Elastic Strands)」という名称の米国特許第4,892,536号、1991年2月5日にフリーランド(Freeland)へ発行された「排出物隔離のための弾性ライナーを備える吸収性物品(Absorbent Article With Elastic Liner For Waste Material Isolation)」という名称の米国特許第4,990,147号、1991年8月6日にアレン(Allen)らへ発行された「弾性的延伸性のトップシートを備える使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Elastically Extensible Topsheet)」という名称の米国特許第5,037,416号、及び1993年12月14日にフリーランド(Freeland)らへ発行された「使い捨て吸収性物品用の三分割トップシート及びその三分割トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Trisection Topsheets For Disposable Absorbent Articles and Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Topsheets)」という名称の米国特許第5,269,775号にさらに詳細に記載され、これら特許のそれぞれを参考として本明細書に組み入れる。
【0022】
吸収性コア28は、ほぼ圧縮性であり、体型に合いやすく、着用者の皮膚に対して非刺激性であり、また尿及び他のある種の身体排泄物などの流体を吸収して保持できるものであれば、どの吸収性材料でも含むことができる。吸収性コア28は、多種多様な大きさと形状(例えば長方形、砂時計形状、「T」形状、非対称形状など)に製造することができ、並びに、使い捨ておむつ、及び、エアフェルトと一般に呼ばれる微粉砕木材パルプなど他の吸収性物品に通常使用される多種多様の流体吸収性材料を含むことができる。他の好適な吸収性材料の例としては、縮みセルロース詰め物、コフォームを含むメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、または架橋されたセルロースファイバー、ティッシュラップおよびティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、または他の任意の既知の吸収性材料、あるいはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。
【0023】
吸収性コア28の構成と構造も、様々に変化してよい(例えば、吸収性コアまたは他の吸収性構造物は、変化する厚さのゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、または低平均密度と低平均坪量の獲得区域を有してもよく、または1つ以上の層あるいは構造を含んでもよい)。吸収性コア28として使用する代表的な吸収性構造物が、1986年9月9日にワイスマン(Weisman)らへ発行された「高密度吸収性構造物(High-Density Absorbent Structures)」という名称の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にワイスマン(Weisman)らへ発行された「二重層コアを有する吸収性物品(Absorbent Articles With Dual-Layered Cores)」という名称の米国特許第4,673,402号、1989年5月30日にアレマニー(Alemany)らへ発行された「低密度と低坪量の獲得区域を有する高密度吸収性部材(High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」という名称の米国特許第4,834,735号、1989年12月19日にアングスタト(Angstadt)へ発行された「ダスティング層を有する吸収性コア(Absorbent Core Having A Dusting Layer)」という名称の米国特許第4,888,231号、1992年8月11日にヘロン(Herron)らへ発行された「個別化されたポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収構造(Absorbent Structure Containing Individualized,Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」という名称の米国特許第5,137,537号、1992年9月15日にヤング(Young)らへ発行された「失禁管理用の高効率吸収性物品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」という名称の米国特許第5,147,345号、1994年8月30日にロー(Roe)へ発行された「低粘性糞便物質用の使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article For Low-Viscosity Fecal Material)」という名称の米国特許第5,342,338号、1993年11月9日にデマレーズ(DesMarais)らへ発行された「水性身体排泄物用の吸収性発泡材料とかかる材料を含有する吸収性物品(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」という名称の米国特許第5,260,345号、1995年2月7日にディエル(Dyer)らへ発行された「水性身体流体用の濡れるまでは薄い吸収性発泡材料とその製造方法(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」という名称の米国特許第5,387,207号、及び1997年7月22日にデマレーズ(DesMarais)らへ発行された「非常に高い水対油比を有する高内相エマルジョンから製造された水性流体用の吸収性発泡材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high Internal Phase Emulsions Having Very High Water-To-Oil Ratios)」という名称の米国特許第5,625,222号に記載されている。これら特許のそれぞれを参考として本明細書に組み入れる。
【0024】
おむつ20はまた、トップシート24とバックシート26との間に配置された副層も含むことができる。(本明細書で使用する用語「配置される」は、おむつの要素が、おむつの他の要素と共に一体の構造物として、またはおむつの他の要素へ結合される別個の要素として、特定の場所または位置に形成される(位置決めし結合される)ことを意味するのに使用する。)副層は、身体排泄物を受入れて、貯蔵し、不動化する性能がある任意の材料または構造とすることができる。したがって、副層は、単一の材料、または互いに作用可能に関連づけられた多くの材料を含むことができる。更に、副層は、おむつ20の他の要素と一体になっていてもよく、またはおむつ20の1つ以上の要素と直接的または間接的に接合された1つ以上の個別の要素でもあってもよい。更に、副層は、コア28から分離された構造を含んでもよく、あるいは、コア28の少なくとも一部を含むかまたはその一部であってもよい。
【0025】
副層として使用する好適な材料として、大型開口気泡発泡体、マクロ孔質耐圧縮性不織布嵩高品、開口及び閉塞気泡発泡材の大形粒状成形物(マクロ及び/またはミクロ孔質)、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体若しくは粒状物、多数の垂直配向のループ状繊維ストランドを有する構造物、打ち抜き穴若しくは窪みを有する上述の吸収性コア構造物、などを挙げることができる。(本明細書で使用する用語「ミクロ孔質」は、毛管作用により流体移送ができる材料を指す。用語「マクロ孔質」は、孔が大きいので流体の毛管移送ができない材料を指し、一般に直径が約0.5mmよりも大きい孔を有し、更に具体的には直径が約1.0mmよりも大きい孔を有する。)副層の一実施態様は、機械的に固定するループランディング要素を含み、非圧縮厚み約1.5mmを有し、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis,Minnesota)の3M社(3M Corporation)からXPL−7124として入手可能である。他の実施態様は、6デニールの織縮して樹脂接着した嵩高不織布を含み、坪量が平方メートル当たり110グラムと非圧縮厚み7.9mmを有し、ジョージア州レン(Wrens,Georgia)のグリット社(Glit Company)から入手可能である。その他の好適な吸収性及び非吸収性副層が、1998年6月17日にロー(Roe)の名で公開された「低粘性糞便を貯蔵するための容量を有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Capacity to Store Low-Viscosity Fecal Material)」という名称の欧州特許出願番号EP0847738A1と、199年8月24日にロー(Roe)へ発行された「糞便貯蔵を改良した使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Improved Fecal Storage)」という名称の米国特許第5,941,864号とに記載され、その両方を本願に参考として組み入れている。更に、副層、またはそのどの部分も、ローションあるいは他の既知の物質を含むかまたはそれらでコーティングされて、その要素の性能または他の特性を付加、強化、または変更することができる。
【0026】
おむつ20は、フィットと収容性の改良をもたらす補助となる少なくとも1つの弾性腰部機構34を含んでよい。弾性腰部機構34は、一般に弾性的に伸長及び収縮して、着用者の腰部に動的にフィットするよう企図されている。弾性腰部機構34は、好ましくは、吸収性コア28の少なくとも1つの腰部縁部62から少なくとも長手方向外側に延び、またおむつ20の端部縁部52の少なくとも一部分を一般に形成する。使い捨ておむつは、2つの弾性腰部機構を有するように構成されることが多く、1つを第一腰部領域36に配置し、1つを第二腰部領域38に配置する。更に、弾性腰部機構34、またはその構成要素のいかなるものも、おむつ20へ固着した1つ以上の別の要素を含んでもよいが、弾性腰部機構34は、バックシート26若しくはトップシート24、またはその両方などの、おむつ20の他の要素の延長部として構成されてもよい。
【0027】
弾性腰部機構34は、多くの様々な形体に構成でき、それらの形状には、1985年5月7日にキービト(Kievit)らへ発行された米国特許第4,515,595号、1987年12月1日にラッシュ(Lash)へ発行された米国特許第4,710,189号、1992年9月9日にブエル(Buell)へ発行された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にブエル(Buell)へ発行された米国特許第5,221,274号、に記載されるものが挙げられる。他の好適な腰部形体はウエストキャップ機構を含むことができ、例えば、1991年6月25日にロバートソン(Robertson)へ発行された米国特許第5,026,364号、及び1989年3月28日にフォアマン(Foreman)へ発行された米国特許第4,816,025号に記載されるものなどがある。上述文献のすべてを本願に参考として組み入れている。
【0028】
おむつ20は、締結装置40を備えても良い。締着装置40は、おむつ20を着用者に固定するために、おむつ20の周囲付近で横方向の伸張を与えるような配置に、第一腰部領域36及び第二腰部領域38を保つことが好ましい。締着装置40は、テープ状ひも、フック及びループ締着構成要素、及び/または相互に噛み合う締着構成要素などの表面締結具を有することが好ましいが、その他のいずれか既知の締着手段も一般的に使用することができる。代表的な表面締着装置は、1974年11月19日にブエル(Buell)に発行された「使い捨ておむつ用テープ締結装置(Tape Fastening System for Disposable Diaper)」という名称の米国特許第3,848,594号、1987年5月5日にヒロツ(Hirotsu)らに発行された「吸収性物品(Absorbent Article)」という名称の米国特許B1 4,662,875号、1989年7月11日にスクリップス(Scripps)に発行された「改良された締結装置を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having An Improved Fastening Device)」という名称の米国特許第4,846,815号、1990年1月16日にネスタガード(Nestegard)に発行された「改良されたフック締結部分を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper With Improved Hook Fastener Portion)」という名称の米国特許第4,894,060号、1990年8月7日にバットレル(Battrell)に発行された「感圧性接着剤付きファスナー及びその製法(Pressure-Sensitive Adhesive Fastener And Method of Making Same)」という名称の米国特許第4,946,527号、1992年9月9日にブエル(Buell)に発行され、すでに参照した米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にブエル(Buell)に発行された米国特許第5,221,274号に開示されている。代表的な噛み合い締結装置が、1998年8月8日にクライン(Kline)らの名で「吸収性物品の締結装置(Absorbent Article Fastening Device)」という名称で出願された同時継続の米国特許出願第09/143,184号に開示されている。締結装置40は、その物品を処分する構成に保持する手段を提供することもでき、1990年10月16日にロバートソン(Robertson)らへ発行された米国特許第4,963,140号に開示されている。締結装置はまた、1987年10月13日にトゥサント(Toussant)らへ発行された「側部閉鎖が改良された使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having An Improved Side Closure)」という名称の米国特許第4,699,622号に開示されるように、第一及び第二締結装置を包含してもよく、それにより、1993年9月7日にウェイル(Weil)らへ発行された「動的な伸縮性ウエストバンドのフィット感をもたらす締結装置を備える吸収性物品(Absorbent Article With Fastening System Providing Dynamic Elasticized Waistband Fit)」という名称の米国特許第5,242,436号、1996年3月19日にブエル(Buell)らへ発行された「予め配置された弾力性可撓ヒンジを有する動的な弾性腰部機構を備える吸収性物品(Absorbent Article With Dynamic Elastic Waist Feature Having A Predisposed Resilient Flexural Hinge)」という名称の米国特許第5,499,978号、1996年4月16日にクリア(Clear)らへ発行された「拡張性腹部パネルを含む動的な弾性腰部機構を備える吸収性物品(Absorbent Article With Dynamic Elastic Waist Feature Comprising An Expansive Tummy Panel)」という名称の米国特許第5,507,736号、及び1997年1月7日にブエル(Buell)らへ発行された「予め配置された弾力性可撓ヒンジを有する動的な弾性腰部機構を備える吸収性物品(Absorbent Article With Dynamic Elastic Waist Feature Having A Predisposed Resilient Flexural Hinge)」という名称の米国特許第5,591,152号に開示されるように重複部分のずれが減少するか、またはフィット感が向上する。これらの特許のそれぞれ及び同時係属出願が参照により本願に組み込まれる。別の実施態様では、物品の向かい合う面同士を縫い合わせるか接合して、パンツ状にすることができる。これにより、物品をトレーニングパンツのようなプルオン型おむつとして使用できる。
【0029】
おむつ20は、サイドパネル30も含んでもよい。サイドパネル30は弾性または延伸性であってもよく、着用者におむつ20を先ずぴったりとフィットさせることにより快適で体形に合ったフィット感が提供され、そして弾性を持たせたサイドパネル30によりおむつ20の側部が伸張及び収縮するのでおむつ20が排泄物の負荷を受けたかなり後の着用期間中もフィット性が維持される。使用中に、おむつ着用者が一方のサイドパネル30を他方のサイドパネル30よりも更に引っ張る場合でも、着用中、おむつ20が「自己調整」するので、サイドパネル30によっておむつ20の更なる有効利用が提供される。
【0030】
本発明のおむつ20は好ましくは、第二の腰部領域38に配置されるサイドパネル30を有するが、おむつ20は、第一腰部領域36または第一腰部領域36と第二腰部領域38の両方に配置されるサイドパネル30を備えても良い。サイドパネル30は、好適ないかなる形状に構成することもできる。伸縮自在のサイドパネルを有するおむつの例は、1989年8月15日にウッド(Wood)らへ発行された「シャーリングを付けた耳パネルを有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having Shirred Ears)」という名称の米国特許第4,857,067号、1983年5月3日にシアラファ(Sciaraffa)らへ発行された米国特許第4,381,781号、1990年7月3日にバンゴンペル(Van Gompel)らへ発行された米国特許第4,938,753号、本明細書前段で引用した1992年9月9日にブエル(Buell)へ発行された米国特許第5,151,092号、1993年6月22日にブエル(Buell)へ発行された米国特許第5,221,274号、1997年9月23日にラボン(LaVon)らへ発行された「動的な合わせ具合を維持する吸収性物品(Absorbent Articles Providing Sustained Dynamic Fit)」という名称の米国特許第5,669,897号、及び1999年12月21日にローブル(Robles)らへ発行された「多方向延伸性のサイドパネルを有する吸収性物品(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」という名称の米国特許第6,004,306号に記載され、それぞれの特許を参考として本明細書に取り入れる。
【0031】
おむつ20は好ましくは、流体及び他の身体排泄物の封じ込め性を改良する脚部カフ32を更に含む。脚部カフ32は、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフ、または弾性カフとも呼ばれることもある。米国特許第3,860,003号には、伸縮自在のレッグカフ(ガスケットカフ)を具備するために1つ以上の弾性部材とサイドフラップを有する収縮可能な脚部開口を提供する使い捨ておむつが記載されている。1989年2月28日及び1990年3月20日にアジズ(Aziz)らにそれぞれ発行された米国特許第4,808,178号及び第4,909,803号には、脚部領域の封じ込め性を改良する「立ち上がった」伸縮自在のフラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつが記載されている。1987年9月22日にローソン(Lawson)に発行された米国特許第4,695,278号、及び1989年1月3日にドラグー(Dragoo)に発行された米国特許第4,795,454号には、ガスケットカフとバリアカフを含む二重カフを有する使い捨ておむつが記載されている。幾つかの実施態様では、上述のように、脚部カフ32の全てまたは一部分をローションで処理するのが望ましいことがある。
【0032】
本発明の実施態様にはまた、排泄物を受けて収容するポケット、排泄物用の空洞を形成するスペーサ、物品内での排泄物の移動を制限するバリヤ、おむつ20内に置かれた排泄物を受けて収容する区画若しくは空洞など、あるいはそれらのどの組み合わせも含まれ得る。吸収性製品に使用するポケットとスペーサの例は、1996年5月7日にロー(Roe)らへ発行された「排除スペーサを備えるおむつ(Diaper Having Expulsive Spacer)」という名称の米国特許第5,514,121号、1992年12月15日にドレイル(Dreier)らへ発行された「コアスペーサを備える使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Core Spacers)」という名称の米国特許第5,171,236号、1995年3月14日にドレイル(Dreier)へ発行された「ポケットカフを備えた吸収性物品(Absorbent Article Having A Pocket Cuff)」という名称の米国特許第5,397,318号、1996年7月30日にドレイル(Dreier)へ発行された「頂点を有するポケットカフを備えた吸収性物品(Absorbent Article Having A Pocket Cuff With An Apex)」という名称の米国特許第5,540,671号、1993年12月3日に公開された「吸収性衛生物品に使用されるスペーサ及びかかるスペーサを備える使い捨て吸収性物品(Spacers For Use In Hygienic Absorbent Articles And Disposable Absorbent Articles Having Such Spacer)」という名称の国際公開第93/25172号、1994年4月26日にフリーランド(Freeland)へ発行された「使い捨て吸収性物品に使用される可撓性スペーサ(Flexible Spacers For Use In Disposable Absorbent Articles)」という名称の米国特許第5,306,266号、及び1999年12月7日にアール(Ahr)らに発行された「選択的に拡大可能または膨張可能な構成要素を有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article With Selectively Expandable or Inflatable Component)」という名称の米国特許第5,997,520号に記載されている。区画または空洞の例が、1990年11月6日にカーン(Khan)に発行された「糞便用区画を有する使い捨ておむつ(Disposable Fecal Compartmenting Diaper)」という名称の米国特許第4,968,312号、1991年2月5日にフリーランド(Freeland)に発行された「排泄物質を分離するための弾性ライナーを備える吸収性物品(Absorbent Article With Elastic Liner For Waste Material Isolation)」という名称の米国特許第4,990,147号、1991年11月5日にホルト(Holt)らへ発行された「使い捨ておむつ(Disposable Diapers)」という名称の米国特許第5,062,840号、及び1993年12月14日にフリーランド(Freeland)らへ発行された「使い捨て吸収性物品用の三分割トップシート及びその三分割トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Trisection Topsheets For Disposable Absorbent Articles And Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Topsheets)」という名称の米国特許第5,269,755号に開示されている。好適な横断方向バリヤの例は、1996年9月10日にドレイル(Dreier)らの名で発行された「複数の有効高さの横断方向仕切りを有する吸収性物品(Absorbent Article Having Multiple Effective Height Transverse Partition)」という名称の米国特許第5,554,142号、1994年7月7日にフリーランド(Freeland)らの名で公開された「立ち上がった横断方向仕切りを有する吸収性物品(Absorbent Article Having An Upstanding Transverse Partition)」という名称の国際公開第94/14395号、及び1997年8月5日にロー(Roe)らへ発行された斜めに立ち上がった横断方向仕切りを有する吸収性物品(Absorbent Article Having Angular Upstanding Transverse Partition)という名称の米国特許第5,653,703号に記載されている。低粘性糞便の管理に特に好適な他の構造の例が、1999年8月24日にロー(Roe)らへ発行された米国特許第5,941,864号、1999年11月2日にロー(Roe)らへ発行された米国特許第5,977,430号、及び2000年1月11日にロー(Roe)らへ発行された米国特許第6,013,063号に開示されている。上記引用した文献のすべてを本願に参考として組み入れる。
【0033】
本発明の吸収性物品はまた、少なくとも1つの照光物質を含んでもよい。例えば、照光物質は、暗所で光るか、または反射性である蛍光物質、燐光物質または反射物質であってもよい。照光物質は吸収性物品上に配置されるか、または吸収性物品で使用する任意の材料に組み入れられてもよい。
【0034】
照光物質の可能な適用としては、介護人が着用者を位置づけるかまたは着用者を確認するのを助けることが挙げられる。照光物質はまた、介護人が着用者に物品を締結するのを支援することができる。例えば、照光物質は、締結具を留めたり外したり、装着中、物品を着用者に位置合わせするのを助力することができる。1つの実施態様において、吸収性物品は、1つ以上の照光物質を含有する第一腰部領域36または第二腰部領域38を含んでもよい。脚部カフ32を包含する実施態様の場合、この脚部カフ32は1つ以上の照光物質を包含してもよい。更に、締結装置40の任意の部分はまた、1つ以上の照光物質も包含してもよい。1つの実施態様において、1つ以上の締結タブ、着床領域70、またはその両方が、1つ以上の照光物質を含んでもよい。
【0035】
照光物質は、明かりの少ない環境で光るか、または反射性である任意の好適な材料を含んでもよい。明かりの少ない環境とは、典型的な周囲を可視できる光がより少ない状態から実質的に暗い環境まで様々である。照光物質の例としては、燐光物質、長残光性燐光物質、反射物質、発光体物質または蛍光物質が挙げられる。照光物質は例えば、緑色光を発しうる多結晶性無機硫化亜鉛、または赤色若しくは青色光を発しうるアルカリ土類硫化物であってもよい。1つの実施態様において、照光物質は更に、ニュージャージー州(New Jersey)のコバーン社(Coburn Corp.)から市販されるSafe−Glo(登録商標)、プレミアムSparkle−Glo(登録商標)フィルム、または光化学化合物群のいずれかであってもよい。アリゾナ州(Arizona)のグローバルトレードアライアンス社(Global Trade Alliance, Inc.)もまた、異なる色を結果として生じ、長残光性燐光体であると考えられる一連の燐光物質を提供している。市販の例としては、PLO−7、PLO−6、PLO−4、PLB−7、PLB−6、SBG−8、SB−8、RR−7、RO−7、PLR−4、PLY−4、PLG−4、PLB−4が挙げられる。LUMI長残光性光輝顔料は、やはり使用できる新規なタイプの長残光性蛍光体の一例である。照光物質もまた、アリゾナ州(Arizona)のグローバルトレードアライアンス社(Global Trade Alliance, Inc.)から市販されている。好適な照光物質の他の供給者としては、クリスタルプリント社(Crystal Print Inc.)が挙げられる。
【0036】
吸収性物品もまた、対照的な照光特性を有する2つ以上の照光物質を含んでよい。上述の物質のいずれか、例えば燐光体及び蛍光体を組み合わせることによりコントラストを成してもよい。あるいは、2つの異なる照光物質を使用するか、2つ以上の輝度の異なる同一の照光物質を使用するか、異なる色の照光物質を使用するか、または照光物質の適用を変えるか、によってコントラストを成してもよい。
【0037】
照光物質は、吸収性物品のいずれの表面に包含されてもよい。例えば、照光物質は、バックシートの外側表面261、バックシートの外側表面261に付着する第二シート材の最外表面701、追加の第二シート材70の最内表面702、またはその他のあらゆる所望の場所にコーティングされてもよい。あるいは、照光物質は、物品の一部を構成する任意の材料中に含有されてもよい。例えば、照光物質は、バックシート26またはバックシートの外側表面261に付着する外側第二シート材70、例えば締結具着床領域として使用する外側第二シート材70として使用する透明、半透明、または不透明な材料に含有されてもよい。別の例において、照光物質は、任意の第二シート材の内側表面702とバックシートの外側表面261との間に位置してもよい。
【0038】
好適なバックシート26は、吸収性コア28に面するバックシートの内側表面262と、吸収性物品の外面の全てまたは一部を形成するバックシートの外側表面261とを含んでもよい。バックシートの外側表面261は更に、少なくとも1つの照光物質を含んでもよい。バックシートはまた、バックシートの外側表面261上に第二シート材70を含んでもよく、これは締結着床領域として機能することができる。着床領域70は、物品から離れて面する最外表面701と、バックシートの外側表面261に面する最内表面702とを有してもよい。一例を図3に示す。
【0039】
バックシート26または第二シート材70は更に、照光物質により形成される表示77を含んでもよい。この表示は、明るさの少ない環境で照光物質によって光る場合に最も見やすくなるが、通常の明るさの条件下でも見ることができる。1つの代替実施態様において、吸収性物品20の表示要素は、視覚的には互いに関連しているので、通常の周囲照明下で見る表示は、暗所で見るものとは異なる。例えば、昼間は動物の目が開いているように見え、夜には閉じているように見えてもよい。あるいは、例えば紫外線などの他の光源も、見える表示を変化させたり強化したりするという効果を有する。
【0040】
吸収性物品はまた、照光物質で処理されるバックシートの外側表面261上に外側第二シート材70を含有してもよい。照光物質は、第二シート材の外側表面701、第二シート材70の一構成要素、又はバックシートの外側表面261に面する第二シート材の内側表面702上にあってもよい。いかなる代替実施態様も、被覆材の透明又は半透明構成要素を更に包含することができる。照光効果は、燐光性又は蛍光性であってもよい。1つの実施態様において、バックシートは、付着する第二シート材70を有さない。別の実施態様は、バックシート26に取付ける吸収性物品の着床領域と一体化する第二シート材70を包含する。更に別の実施態様では、吸収性物品の締結タブが照光特性を包含するので、明るさの少ない環境で物品を容易に交換することができる。
【0041】
本発明の特定の実施形態及び/または本発明の個別の機構を図示し記述しているが、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく様々なその他の変化及び変更が可能であることは、当業者には明白であろう。さらに、このような実施形態及び機構の全ての組み合わせが可能であり、これにより本発明を好ましく実施できることは明らかである。従って、付随する請求項は、本発明の範囲内にある全てのこのような変化及び変更を包括するように企図したものである。
【0042】
次に本発明を十分に説明し、請求する。添付の図面及び次の開示は、本発明を詳細に説明するものである。かかる図面及び開示は、本発明を実施することができる様々な方法のうちの1つのみを例証するものである。記載し請求する本発明のこれらの特徴及び他の機構、態様及び利点は添付の図面により、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】可能な下層構造、着用者側に向いた物品の身体に面する表面を明確に示すためにその一部が切り取られた本発明の吸収性物品の平面図である。
【図2】着床領域を有する吸収性物品の外側表面を示す図である。
【図3】吸収性物品のバックシート及び任意に追加される第二シート材の境界面及び構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
トップシート;
外側表面を有するバックシート;
該トップシートと該バックシートとの間に介在する吸収性コア;
該吸収性物品の少なくとも一部に配置される少なくとも一つの照光物質;
を含む吸収性物品。
【請求項2】
前記照光物質が燐光性である請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記照光物質が蛍光性である請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記照光物質が反射性である請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
対照的な照光特性を有する少なくとも2つの照光物質を包含する請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記照光物質が、燐光体、長残光性燐光体、反射体及び発光体からなる群から選択される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記照光物質が、多結晶性無機硫化亜鉛及びアルカリ土類硫化物からなる群から選択される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項8】
使い捨ておむつであって、
トップシート;
外側表面を有するバックシート;
該トップシートと該バックシートの間に介在する吸収性コア;
該おむつの少なくとも一部に配置される少なくとも一つの照光物質;
を含む使い捨ておむつ。
【請求項9】
照光物質から成る表示を前記バックシートが包含する、請求項16に記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
締結装置を更に含み該締結装置が少なくとも一つの照光物質を含む、請求項16に記載の使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−251133(P2011−251133A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−153113(P2011−153113)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【分割の表示】特願2002−526431(P2002−526431)の分割
【原出願日】平成13年8月20日(2001.8.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】