説明

暗示的な芳香を備えた布地物品処理装置及びシステム

布地物品処理装置(20)は、布地物品乾燥機内に位置するのに適合したディスペンサー(25)と、効果組成物を収容するのに適合した貯蔵器(30)を包含する。ディスペンサー(25)及び貯蔵器(30)は、互いに流体連通するように適合している。貯蔵器(30)の少なくとも外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地物品乾燥機と共に使用するための布地物品処理装置に関し、より具体的には、効果組成物を分配するための、暗示的芳香を備えた貯蔵器を用いる独自の布地物品処理装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
布地物品処理方法及び/又は装置は、過去20年間にわたって進化してきている。例えば、米国特許第4,207,683号には、乾燥機のドラム内に液体を分配可能な噴霧ディスペンサーを組み込んだ、従来型の全自動衣類乾燥機が記載されている。米国特許第4,642,908号、第5,771,604号、及び第6,067,723号には、従来型の衣類乾燥機の別の変形形態が記載されている。
【0003】
処理される布地物品上への布地物品活性物質又は有益剤の付着を、現在ある既存の付着方法及び/又は装置に比べて改善/強化する、布地物品処理方法及び/又は装置、特に家庭用布地物品処理方法及び/又は装置を開発する必要性が、継続的に存在する。
【0004】
布地物品乾燥環境での布地物品活性物質の放出における、1つの特定の課題は、一連の商取引における製品の取り扱い中の、並びに布地物品の乾燥中に発生する、水分及び熱の影響である。特に、貯蔵容器又は貯蔵器は、そのような条件の影響を最小限に抑え、それによって、凝縮と蒸散に繰返し曝される、特に蓋又はキャップなどの上部空間表面での細菌及び真菌の成長を最小限に抑えるため、また製品の損失又は汚染を避けるために封止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
典型的には、布地物品に芳香を付与してもよい製品を購入する前に、消費者は、その芳香が快適及び/又は許容できるものかを判断するために、製品の芳香を嗅ぐことを求める。しかしながら、布地物品処理組成物などの製品が、使用前の貯蔵器内の封止環境を維持するように構成された、1以上の封止された貯蔵器を有する場合、消費者は、典型的には、使用前に包装又は封止環境を損傷することなく製品の芳香を嗅ぐことができない。この香りを嗅ぐことができないために、製品の購入前に製品の真の印象を得る最初の瞬間を消費者から奪うことになる。擦って嗅ぐ(scratch-and-sniff)シールなどの現在の代替形態は、典型的には高価な代替形態であり、製品の香料の特徴が自分の好みに合うかどうかを判断するために、消費者の追加の相互作用及び工程を必要とする。このように、消費者が包装にさらに触れることなく、封止環境を維持しながら、真の芳香の印象を得る最初の瞬間を消費者に提供する貯蔵器を含む、布地物品処理装置を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、布地物品処理装置及び布地物品処理システムを対象とする。より具体的には、本発明は、中に包含される貯蔵器の外側部分が、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する、布地物品処理装置を対象とする。
【0007】
本発明の一実施形態は、布地物品処理装置である。布地物品処理装置は、布地物品乾燥機の内部に配置されるように適合した内部ディスペンサーと、貯蔵器とを含む。内部ディスペンサー及び貯蔵器は、互いに流体連通するように適合している。貯蔵器は効果組成物を収容し、貯蔵器の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。
【0008】
本発明の別の実施形態は、布地物品処理装置である。布地物品処理装置は、効果組成物を収容するように適合した貯蔵器と、効果組成物を貯蔵器内に貯蔵している間、及び効果組成物を貯蔵器から分配する間、貯蔵器内の嫌気性環境を維持するように構成された取付具とを含む。貯蔵器の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、以下の説明を添付図面と併せ読むことにより、より良く理解されるであろうと考えられる。
【0010】
図面に示した実施形態は、本質的に例示のためのものであり、請求項によって定義される本発明を限定することを意図しない。また、図面及び本発明の個々の特徴は、発明を実施するための最良の形態に照らして、更に十分に明らかになり、理解されるであろう。
【0011】
本発明の多様な実施形態を以下に詳細に参照するが、それらの例は添付図面に図示されており、図面全体を通して同様の符号は類似の要素を示す。
【0012】
定義
本明細書で使用する時、「布地物品処理装置」という語句は、布地物品乾燥機を意味し、その非限定例には、従来型の衣類乾燥機及び/又はその変更型が含まれる。布地物品処理システムは、布地物品乾燥機と関連し、それとは別個であってもよい布地物品処理装置、及び/又は布地物品乾燥機と一体化されていてもよい布地物品処理装置も包含する。更に、布地物品処理装置は、布地物品乾燥機の容易に交換可能な部分と一体化されていてもよく、その非限定例には、乾燥機の閉止構造が含まれる。
【0013】
本明細書で使用する時、「布地物品」又は「布地」とは、従来の洗濯プロセス又はドライクリーニングプロセスで日常的に洗浄されるあらゆる物品を意味する。この用語は、衣料品、リネン、カーテン、装身具、皮革、床の敷物、シーツ、タオル、ラグ、帆布、ポリマー構造体などを包含するが、これらに限定されない布地物品を包含する。この用語はまた、トートバッグ、家具カバー、ターポン(tarpons)、靴などの、全体又は一部が布地材料で作られた他の品目も包含する。
【0014】
本明細書で使用する時、「効果組成物」という用語は、布地物品にある効果をもたらすために使用される組成物を指す。効果組成物を含み得る材料及びそれらの混合物の非限定例としては、水、柔軟化剤、糊付け剤、香料、防水/染み防止剤、清涼剤、静電気防止剤、抗菌剤、パーマネントプレス剤、防しわ剤、防臭剤、耐摩耗剤、溶媒、及びこれらの組み合わせが挙げられる。効果組成物は、液体、粉末、懸濁液、又はガス状製品、及び/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、効果組成物は防腐剤を包含する。効果組成物の1以上の特性を維持する助けとなる多様な防腐剤が、当該技術分野において一般に既知であり、本明細書における使用に好適である。代表的な防腐剤としては、ロンザ(Lonza)から市販されているダントガードプラス(Dantoguard Plus)(商標)(ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン);ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から市販されているカトン(Kathon)(商標)(イソチアゾリノン);及び、インターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)(ISP)から市販されているインテグラ(Integra)44(商標)(ヒドロキシメチルグリシン酸塩ナトリウム)が挙げられる。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に従った、代表的な布地物品処理装置20を示す。布地物品処理装置20は、布地物品乾燥機の内部に配置されるのに適合したディスペンサー25及び貯蔵器30を含む。ディスペンサー25及び貯蔵器30は、例えば流体ライン32を介して、互いに流体連通するように適合している。貯蔵器30は、効果組成物を収容し、貯蔵器の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。一実施形態では、ディスペンサー25と貯蔵器30との流体接続は、効果組成物を貯蔵器30からディスペンサー25に搬送できるように構成されたチューブ材を含む。1つの代表的なチューブ材は、1以上のチャネル又は導管を備えたポリマーチューブ材を含む。一実施形態では、チューブ材は、布地物品乾燥機の閉止構造が、閉鎖位置を維持しながら、尚も効果組成物を分配できるようにすることが可能な構成になっている。貯蔵器30の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。代表的な一実施形態では、貯蔵器30は取外し可能である。別の代表的実施形態では、貯蔵器30は封止された袋を含む。
【0016】
貯蔵器30は、当該技術分野において既知のいずれの材料で作製されてもよい。そのような材料の非限定例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレン系材料(styrenics)、ポリエステル類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート類、PMMA、ポリビニル類、ポリウレタン、アクリル系材料、エポキシ類、アセテート類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、フルオロポリマー類、ラテックス、ニトリルコポリマー類、ナイロン類、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、レーヨン、ゴム類(天然及び合成)、シリコーン、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、高分子材料が挙げられる。他の代表的な作製材料としては、アルミホイルなどの金属が挙げられる。一実施形態では、貯蔵器30は、1以上の材料の複数層を含む。別の実施形態では、貯蔵器30は、単層又は複数層のバリア被膜を含む。一実施形態では、貯蔵器は、外層と少なくとも1つの内層とを有する複数層のバリア被膜を含み、外層は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。代替実施形態では、複数層のバリア被膜の少なくとも一層は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。
【0017】
代表的な一実施形態では、外側部分の芳香は1以上の芳香剤を含む。本発明で用いられる芳香剤は、貯蔵器の外側に用いられるポリマーなどの材料と適合性がある限り、重要ではない。当該技術分野において理解されるように、一部のポリマーと芳香剤は、互いに適合性がない。一実施形態における本発明の芳香剤は、長期間にわたって継続して放出されることができる。芳香剤の放出を制御する技術は、当該技術分野において周知であり、封入、並びにエマルション及び界面活性剤の使用を包含する。本出願人の発明の一態様は、少なくとも約30重量%、あるいは約35重量%〜約100重量%、あるいは約40重量%〜約100重量%、あるいは約40重量%〜約70重量%であって、約1気圧で約250℃未満の沸点を有する香料材料、布地処理物質、任意のキャリア、及び残部の1以上の補助剤成分を含む、香料である。
【0018】
101kPa(1気圧)で250℃以下の沸点を有する好適な香料材料の例としては、これらに限定されるものではないが、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アリルヘプタノエート、アリルカプロエート、アロオシメン、アミルアセテート(n−ペンチルアセテート)、アミルプロピオネート、アセトアニソール、p−アニスアルデヒド、アニソール、トランス−アネトール、ベンズアルデヒド(ベンゼンカルボキサルデヒド)、ベンジルアセテート、ベンジルブチレート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルギ酸塩、ベンジルプロピオネート、β−γ−ヘキサノール(2−ヘキセン−1−オル)、(+)−カンファー、カジネン、カンフェン、カルバクロール、シス−3−ヘキセニルチグレート、(+)−カルボン、シトロネロール、シトロネリールアセテート、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、シクロヘキシルエチルアセテート、L−カルボン、桂皮アルコール、桂皮ギ酸塩、シス−ジャスモン、シス−3−ヘキセニルアセテート、シトラール(ネラール)、クミンアルコール、クミンアルデヒド、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキサルデヒド、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、デシルアルデヒド(カプラルデヒド)、ジヒドロミルセノール、ジヒドロミルセニルアセテート、3,7−ジメチル−1−オクタノール、ジフェニルオキシド、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、エチルブタノアート、3−ノナノン(エチルヘキシルケトン)、エチルフェニルアセテート、ユーカリプトール、オイゲノール、フェンキルアルコール、フェンキルアセテート(1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナニルアセテート)、トリシクロデセニルアセテート、トリシクロデセニルプロピオネート、γ−ノナラクトン、ゲラニルアセテート、ゲラニルギ酸塩、ゲラニルニトリル、トランス−ゲラニオール、シス−3−ヘキセニルイソブチラート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、シス−3−ヘキセン−1−オル/青葉アルコール、ヘキシルアセテート、ヘキシルギ酸塩、ヒドラトピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、α−イオノン、イソボルニルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール)、イソプレギルアセテート、インドール(2,3−ベンゾピロール)、イソアミルアルコール、イソプロピルフェニルアセテート、イソプレゴール、イソキノリン(ベンゾピリジン)、ラウラルデヒド、d−リモネン、リナリルアセテート、2,3−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキサルデヒド、リナロール、リナロールオキシド、リナリルギ酸塩、メントン、(−)−L−メンチルアセテート、メチルカビコール(エストラゴール)、メチルn−ノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、β−ミルセン、4−メチルアセトフェノン、メチルペンチルケトン、メチルアントラニレート、メチルベンゾエート、メチルフェニルカルビニルアセテート(α−メチルベンジルアセテート)、メチルオイゲノール(オイゲノールメチルエーテル)メチルヘプテノン(6−メチル−5−ヘプテン−2−オン)、メチルヘプチンカーボネート(メチル2−オクチノエート)、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルサリチラート、ジメチルアントラニレート、ネリルアセテート、ノニルアセテート、ノンアルデヒド、ネロール、δ−ノナラクトン、γ−オクタラクトン、2−オクタノール、オクチルアルデヒド(カプリル酸アルデヒド)、p−クレゾール、p−シメン、α−ピネン、β−ピネン、p−クレシルメチルエーテル、2−フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、2−フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール(ベンジル−三級−ブタノール)、プレニルアセテート、プロピルブタノアート、(+)−プレゴン、メチルイソブテニルテトラヒドロピラン、サフロール、4−テルピネノール、α−テルピネン、γ−テルピネン、α−テルピニルアセテート、テトラヒドロリナノール、テトラヒドロミルセノール、テルピノレン(α−テルピネオール)、2−ウンデセナール、1,2−ジメトキシベンゼン、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、4−三級−ブチルシクロヘキシルアセテートが挙げられる。
【0019】
本出願人の発明の別の態様の、101kPa(1気圧)で250℃以下の沸点を有する好適な香料材料の例としては、これらに限定されるものではないが、アリルカプロエート、アミルアセテート(n−ペンチルアセテート)、アミルプロピオネート、p−アニスアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド(ベンゼンカルボキサルデヒド)、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルギ酸塩、(+)−カンファー、(+)−カルボン、L−カルボン、桂皮アルコール、シス−3−ヘキセニルアセテート、シトラール(ネラール)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、ユーカリプトール、オイゲノール、フェンキルアルコール、トリシクロデセニルアセテート、トリシクロデセニルプロピオネート、γーノナラクトン、トランス−ゲラニオール、シス−3−ヘキセン−1−オル/青葉アルコール、ヘキシルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、リグストラール(2,3−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、リナロール、リナロールオキシド、リナリルギ酸塩、メントン、4−メチルアセトフェノン、メチルアントラニレート、メチルベンゾエート、メチルフェニルカルビニルアセテート(α−メチルベンジルアセテート)、メチルオイゲノール(オイゲノールメチルエーテル)、メチルヘプチンカーボネート(メチル2−オクチノエート)、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルサリチラート、ジメチルアントラニレート、ネロール、δ−ノナラクトン、γ−オクタラクトン、オクチルアルデヒド(カプリル酸アルデヒド)、p−クレシルメチルエーテル、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール(ベンジル−三級−ブタノール)、プレニルアセテート、メチルイソブテニルテトラヒドロピラン、テルピノレン(α−テルピネロール)、アロオシメン、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アリルヘプタノエート、トランス−アネトール、ベンジルブチラート、カンフェン、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルニトリル、デシルアルデヒド(カプラルデヒド)、ジヒドロミルセノール、ジヒドロミルセニルアセテート、3,7−ジメチル−1−オクタノール、ジフェニルオキシド、フェンキルアセテート(1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナニルアセテート)、ゲラニルアセテート、ゲラニルギ酸塩、ゲラニルニトリル、シス−3−ヘキセニルイソブチラート、α−イオノン、イソボルニルアセテート、ラウラルデヒド、d−リモネン、リナリルアセテート、メチルカビコール(エストラゴール)、メチルn−ノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、β−ミルセン、ノナルデヒド、p−シメン、α−ピネン、β−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、α−テルピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、2−ウンデセナール、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、4−三級−ブチルシクロヘキシルアセテートが挙げられる。
【0020】
本出願人の発明の別の態様の、101kPa(1気圧)で250℃以下の沸点を有する好適な香料材料の例としては、これらに限定されるものではないが、アリルカプロエート、アミルアセテート(n−ペンチルアセテート)、アミルプロピオネート、p−アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド(ベンゼンカルボキサルデヒド)、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、(+)−カンファー、L−カルボン、桂皮アルコール、シス−3−ヘキセニルアセテート、シトラール(ネラール)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、ユーカリプトール、オイゲノール、フェンキルアルコール、トリシクロデセニルアセテート、トリシクロデセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセン−1−オル/青葉アルコール、ヘキシルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、2,3−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、リナロール、リナロールオキシド、リナリルギ酸塩、メントン、メチルアントラニレート、メチルベンゾエート、メチルフェニルカルビニルアセテート(α−メチルベンジルアセテート)、メチルオイゲノール(オイゲノールメチルエーテル)、メチルヘプチンカーボネート(メチル2−オクチノエート)、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルサリチラート、δ−ノナラクトン、オクチルアルデヒド(カプリル酸アルデヒド)、p−クレシルメチルエーテル、フェニルエチルアルコール、プレニルアセテート、メチルイサオブテニルテトラヒドロピラン、テルピノレン(α−テルピネロール)、アロオシメン、アリルシクロヘキサンプロピオネート、カンフェン、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルニトリル、デシルアルデヒド(カプラルデヒド)、ジヒドロミルセノール、ジヒドロミルセニルアセテート、フェンキルアセテート(1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナニルアセテート)、ゲラニルアセテート、ゲラニルギ酸塩、ゲラニルニトリル、α−イオノン、イソボルニルアセテート、ラウラルデヒド、d−リモネン、リナリルアセテート、メチルカビコール(エストラゴール)、メチルn−ノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、β−ミルセン、ノナルデヒド、p−シメン、α−ピネン、β−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、2−ウンデセナール、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、4−三級−ブチルシクロヘキシルアセテートが挙げられる。
【0021】
上述の香料材料は、次の香料材料供給元、ファーメニッチ(Firmenich)(スイス、ジュネーブ(Geneva))、ジボダン(Givaudan)(フランス、アルジャントゥーユ(Argenteuil))、IFF(ニュージャージー州ハズレット(Hazlet))、クエスト(Quest)(ニュージャージー州マウントオリーブ(Mount Olive))、ベドキアン(Bedoukian)(コネチカット州ダンベリー(Danbury))、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)(ミズーリ州セントルイス(St. Louis))の1以上から入手してもよい。
【0022】
一実施形態では、1以上の芳香剤は、ポリマー材料で溶解処理するか、若しくはコーティングの密接部分として、所望により硬化コーティング組成物として提供されて、暗示的な芳香の改善された耐久性をもたらす芳香剤をポリマー製品に組み入れることは、粉末の形態での乾燥混合、又は溶液、分散液、又は懸濁液の状態、所望により不活性溶媒、水、又は油の状態での湿式混合など、既知の方法によって実行される。芳香剤は、不活性雰囲気又は周囲雰囲気で、処理装置(押出成形機、混合機、混練機など)に直接添加されてもよい。本発明の芳香剤は、マスターバッチ又はポリマー濃縮物の形態で添加されてもよい。
【0023】
芳香剤をコーティングに提供するため、好適なコーティング材料を例えば貯蔵器本体に適用し、所望により任意に硬化させる。芳香剤の適用は、後に続く溶媒又は分散液/懸濁液材料の蒸発を伴って若しくは伴わずに、例えば、溶解又は分散した剤を貯蔵器本体に適用することによって実施される。芳香剤は、貯蔵器本体に噴霧することもできる。別の代表的な実施形態では、芳香剤は、貯蔵器の材料に含浸させる。
【0024】
代表的な一実施形態では、図2に示すように、布地物品処理装置20は、貯蔵器本体34及び外装71を有する貯蔵器30を更に含む。一実施形態では、外装71は、貯蔵器本体34の少なくとも一部分を収容するように構成される。外装71は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。
【0025】
別の実施形態では、図3に示すように、貯蔵器30は、貯蔵器本体34の外側部分にコーティング72を更に含む。代表的な一実施形態では、コーティング72は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供するように適合している。
【0026】
本発明の更なる一実施形態では、図4に示すように、貯蔵器30は閉止取付具46を更に含む。閉止取付具46は、貯蔵器30上の取付具42を覆うように適合している。代表的な一実施形態では、カバー取付具46は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。別の実施形態では、カバー取付具46は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する材料で形成される。代替実施形態では、カバー取付具46はコーティングを更に含み、コーティングは、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供するように適合している。更に別の代替実施形態では、カバー取付具46は、カバーライナーを更に含み、カバーライナーは、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。
【0027】
本発明の代表的な一実施形態では、貯蔵器30は、布地物品乾燥機20の内部に配置されるように適合している。例えば、貯蔵器は、布地物品乾燥機のチャンバ内に配置されてもよい。あるいは、貯蔵器は、布地物品乾燥機内の内側部分であって、布地物品乾燥機のチャンバ内ではない位置に配置されてもよい。
【0028】
ディスペンサー25は、効果組成物を布地物品乾燥機内に分配する目的で、少なくとも1つのノズルを含んでもよい。効果組成物のミスト噴霧(misting)/霧吹き(atomizing)は、水圧ノズル、音波ネブライザ、圧力旋回式(pressure swirl)アトマイザ、高圧噴霧ノズルなどの、目的の粒径を放出するためのあらゆる好適な噴霧装置を用いて達成することができる。好適なノズルの非限定例としては、スプレーシステムズ社(Spray Systems,Inc.)(カリフォルニア州ポモナ(Pomona))から、850、1050、1250、1450、及び1650の型番号で市販されているノズルが挙げられる。別の好適なノズルの例は、シーキストパーフェクトディスペンシング(Seaquist Perfect Dispensing)(イリノイ州キャリー(Cary))製の、型番号DU−3813の圧力旋回式噴霧ノズルである。
【0029】
図4に示す代表的な実施形態では、布地物品処理装置20は、対応する雄及び雌取付具の1つである取付具40、並びに、封止された袋又はカートンとして示されている、対応する雄及び雌取付具の他方の取付具42を含む貯蔵器30を更に含み、雌取付具は、雄取付具を受け入れるように構成されて、ディスペンサー25と貯蔵器30の間の互いの流体連通を確立する。図4の実施形態では、貯蔵器30の取付具42は雌取付具であり、対応する雄取付具40は、例えば後述するような流体ハンドリングシステムを介して、ディスペンサー25と流体接続するように適合している。流体連通を確立する多様な対応する雄及び雌嵌合具が、当該技術分野において既知であり、本明細書での使用に適している。使用してもよい1つの代表的な取付具は、IPN USA社(IPN USA Corp.)(ジョージア州ピーチツリーシティ(Peachtree City)から、クリーンクリック(Clean-Clic)(登録商標)パウチ取付具、型番号SBS−4として入手可能である。当業者であれば、貯蔵器30とディスペンサー25の間の流体連通を維持するように構成されていれば、あらゆる取付具が本発明に使用可能であることを理解するであろう。一実施形態では、1以上の取付具は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供するように適合している。代替実施形態では、貯蔵器30の取付具42はコーティングを含み、コーティングは、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供するように適合している。
【0030】
別の実施形態では、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する貯蔵器の外側部分は、参照番号48で示される取付具に近接して配置される。例えば、消費者は、取付具を介して、貯蔵器内の効果組成物の香りを嗅ぐことを試みてもよい。貯蔵器の外側部分を取付具に近接して適合させることによって、消費者が、効果組成物によって提供される芳香を暗示する、外側部分に提供される芳香を嗅ぐことができてもよい。
【0031】
代表的な一実施形態では、図5に示すように、布地物品処理装置20は、流体ハンドリングシステム55、電源50、及びコントローラ60を更に含む。代表的な一実施形態では、流体ハンドリングシステム55は、効果組成物を貯蔵器30からディスペンサー25に搬送するように構成される。ディスペンサー25は、効果組成物を、布地物品乾燥機内の1以上の布地物品に放出するように構成される。電源50は、コントローラ60、流体ハンドリングシステム55、センサなど、流体物品処理装置が必要とする電力、及びユーザインタフェースのあらゆる必要電力を提供するように構成される。コントローラ60は、効果組成物の分配を調整するように構成される。例えば、コントローラ60は、効果組成物を分配する最適な時間、分配する効果組成物の量、及び効果組成物の分配速度を決定してもよい。一実施形態では、布地物品処理装置は、布地物品処理装置のコントローラと布地物品乾燥機との間での通信を提供するように適合した、通信リンクを更に含む。例えば、コントローラは、時間、長さなどの最適な効果組成物分配条件を決定するために、布地物品乾燥機に信号を送信及び/又はそこから信号を受信してもよい。
【0032】
本発明の別の代表的な実施形態を図6に示す。この代表的実施形態では、布地物品処理装置20は、ハウジング65を更に含む。ハウジング65は、布地物品処理装置の多様な構成要素を受け入れるように適合し、所望により、ハウジングは構成要素を組み立てた形態で実質的に取り囲み、保護してもよい。例えば、図6に示すように、ハウジングは、電源50、流体ハンドリングシステム55、コントローラ60、及び貯蔵器30を受け入れてもよい。別の実施形態では、ハウジングは、若干量の流体ライン32を収容し、ユーザが、布地物品処理装置をユーザの特定の布地物品乾燥機に特別に取り付けることができるように適合した、チューブ材格納領域を含んでもよい。ハウジング65は、当業者には既知のあらゆる材料で作成されてもよい。代表的な材料としては、ポリマー類、金属類、布地、木材などが挙げられるが、これらに限定されない。ハウジング65は、布地物品乾燥機の外側部分又は内側部分に配置されてもよい。
【0033】
代表的な一実施形態では、図7に示すように、流体ハンドリングシステム55はポンプ70を含む。ポンプ70は、流体ライン72及び74それぞれを介して、貯蔵器30及びディスペンサー25と互いに連通している。ポンプ70は、効果組成物を分配するために、効果組成物を貯蔵器30からディスペンサー25に搬送するように構成される。一実施形態では、ポンプ70は圧電ポンプを含む。別の実施形態では、ポンプ70は膜ポンプを含む。当業者には理解されるように、効果組成物を貯蔵器30からディスペンサー25に搬送するのに、当該技術分野で既知のあらゆるポンプを使用してもよい。他の代表的なポンプとしては、ピストンポンプ、蠕動ポンプ、及びベローズ型ポンプが挙げられる。
【0034】
上述したように、本発明に使用できる1つのタイプのポンプ70は、圧電ポンプである。圧電ポンプは、往復する方式で振動してもよい特定の膜又は積層体を有するが、圧電ポンプは、通常、流体又はガスを含む流体を移動させるための回転部材と共に使用される、時間が経つにつれて磨耗する回転シャフト及び軸受などの、大きな可動部を持たない。本発明で使用可能な、市販の好適な圧電ポンプの1つは、PARテクノロジーズ社(PAR Technologies,LLC)(バージニア州ハンプトン(Hampton))製の、「LPDシリーズ」積層圧電流体ポンプとして販売されているものである。比較的低い電流を引き込むポンプが、特定の実施形態では特に好適である。
【0035】
別の実施形態では、貯蔵器30は、ディスペンサー25に効果組成物を重力によって流すような形で配置されてもよい。例えば、貯蔵器30は、効果組成物に対して静落差を作り、ポンプを使用することなく効果組成物が分配できるように、布地物品乾燥機の上に取り付けられてもよい。
【0036】
本発明の別の代表的実施形態を図8に示す。本実施形態では、上述した実施形態と同様に、布地物品処理装置20は、布地物品乾燥機の内部に配置されるように適合したディスペンサー25と、効果組成物を収容するように適合した貯蔵器30とを含み、貯蔵器30の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する。ディスペンサー25及び貯蔵器30は、互いに流体連通するように適合している。装置は、センサ75と電気的に連通したコントローラ60を更に含む。代表的な一実施形態では、センサは温度センサを含む。別の代表的実施形態では、センサ75は光センサを含む。更に別の代表的実施形態では、センサ75はモーションセンサを含む。コントローラ60は、センサ75に信号を送り、及び/又はそこから信号を受け取るように、また効果組成物を分配するための分配条件を決定するように適合している。コントローラは、従って、効果組成物のディスペンサーへの放出を制御するように適合してもよい。
【0037】
本発明の別の実施形態は、図9に示すように、布地物品処理システム80である。布地物品処理システム80は、チャンバ81及び閉止構造85、例えば扉を有する、布地物品乾燥機35を含む。閉止構造85は、閉鎖位置及び少なくとも1つの開放位置を有する。閉止構造85は、布地物品乾燥機35のチャンバ81へのアクセスを可能にする。布地物品処理システム80は、効果組成物を収容するための貯蔵器30;チャンバ81と互いに連通しているディスペンサー25;及び、効果組成物を貯蔵器30からディスペンサー25に移送し、それによって効果組成物をチャンバ81内に分配する流体ハンドリングシステム55を更に含む。貯蔵器30の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供するように適合しており、上述したように、貯蔵器30は取外し可能であってもよい。別の実施形態では、貯蔵器30は封止された袋を含む。
【0038】
本発明の別の実施形態は、図10に示すように、布地物品処理システム80である。布地物品処理システム80は、チャンバ81及び閉止構造85を有する布地物品乾燥機35を含む。閉止構造85は、閉鎖位置及び少なくとも1つの開放位置を有し、閉止構造85はチャンバ81へのアクセスを可能にする。布地物品処理システム80は、効果組成物を収容するための貯蔵器30及びチャンバ81と互いに連通しているディスペンサー25;効果組成物を貯蔵器30からディスペンサー25に向けさせ、それによって効果組成物をチャンバ81内に分配する流体ハンドリングシステム55;閉止構造センサ88;並びに効果組成物の分配を開始させるコントローラ60を更に含む。コントローラ60は、閉止構造センサ88が、閉止構造85が閉鎖位置にないことを示した場合に、効果組成物が分配されるのを防ぐように構成される。貯蔵器30の外側部分は、効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供するように適合している。別の実施形態では、布地物品処理システム80は、チャンバ内に、コントローラと連通した1以上の追加のセンサ75を更に含む。
【0039】
貯蔵器30は、布地物品乾燥機の閉止構造85の上、又は側壁、頂壁、上部開口蓋の外側表面、布地物品乾燥機とは別個のスタンド、壁面、又は他の家庭内構造物のような類似物など、布地物品乾燥機35の外側部分に取り付けられてもよい。更に、貯蔵器30は、布地物品乾燥機35のあらゆる内側部分に取り付けられてもよく、その例としては、閉止構造85の内側表面、布地物品乾燥機のドラム、後壁、頂部開口蓋の内側表面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
任意に、フィルタ及び/又はフィルタリング技術を用いて、所望であれば、例えば貯蔵器30とディスペンサー25の出口との間の地点で、効果組成物を濾過することができる。これの非限定例としては、効果組成物を分配する前に、ディスペンサー25内でフィルタを使用することが挙げられる。あるいは、効果組成物は、貯蔵器への分配前に濾過されてもよく、又はフィルタリング技術の組み合わせが用いられてもよい。
【0041】
ディスペンサー25及び貯蔵器30は、互いに流体連通するように適合している。一実施形態では、ディスペンサー25及び貯蔵器30は、互いに電気的に接続されてもよい。ディスペンサー25と貯蔵器30とを接続する手段の非限定例としては、フラットケーブル(リボンケーブルとも称される)、ワイヤ、織布又は不織布材料のシートで取り囲まれたワイヤ又はワイヤ群、導管(その非限定例は効果組成物用の導管である)、又はこれらの組み合わせを使用することが挙げられる。織布又は不織布のシートを、ディスペンサー25と貯蔵器30とを取り付ける方法として使用してもよい。ディスペンサー25及び貯蔵器30は、ワイヤ及び/又は接続部の不要な張力を低減させるために、重力の釣り合いを取る手段を提供するのに使用されてもよい。
【0042】
電源50は、化学電池、又は標準的な家庭用線間電圧若しくは更には太陽エネルギーを包含する、何らかの電気電源を含んでもよい。電池を使用してもよく、これは特に、布地物品処理装置20が、既存の布地物品乾燥機35に対する付加装置の形態の場合に好適である。しかしながら、あらゆる適切な電源アダプタを設けて、AC電源を、布地物品処理装置20のあらゆる電気的構成要素で、例えば流体ハンドリングシステム55、コントローラ60、及びあらゆるセンサ75で使用される、適切なDC電圧に変換することができる。
【0043】
上述したように、布地物品処理装置20は任意のセンサ75を包含することができる。任意のセンサの非限定例としては、扉(又は蓋センサ)、モーションセンサ、湿度センサ、及び/又は温度センサが挙げられる。扉/蓋センサの1つの非限定的例は、光結合素子又は光入力センサ、例えばフォトトランジスタ又はフォトダイオードなどの、光電子デバイスである。乾燥機の扉/蓋が開いている時、扉センサは状態を変化させて、扉センサからコントローラに戻る導電体に沿って異なる電圧又は電流レベルを出力する。これは、ディスペンサー25からの効果組成物の分配を即座に中断する、安全装置として使用することができる。任意の扉センサは、制御システムが、乾燥機の従来型制御システム全体に組み込まれている場合にも、使用することができる。例えば、乾燥機は、典型的には、扉が開いた時にドライヤーの回転ドラムを止める、独自の扉センサを有する。この場合、任意の扉センサは、回転ドラムを止めるドライヤー内部の元のセンサに対する、予備又は第2の扉センサとして働くことができる。扉/蓋センサとして使用できる1つの例は、パナソニック(Panasonic)(日本、大阪)製のNPNフォトトランジスタ、品番PNA1801Lである。別の実施形態では、乾燥機とコントローラの間に通信リンクを確立することができ、乾燥機は、乾燥機の動作状態(例えば、扉の開放/閉鎖、乾燥サイクル、温度など)に関連する信号をコントローラに送る。
【0044】
本発明の布地物品処理装置20が使用できる任意のセンサ75の別のタイプは、モーションセンサである。回転ドラムなど、動く内部部品を使用する布地物品乾燥機35では、モーションセンサは、布地物品乾燥機が使用中の場合にそれを検出することができる。モーションセンサの1つの例は、ASSEMテックヨーロッパ社(ASSEM Tech Europe Ltd.)(ニュージャージー州クリフトン(Clifton))製の、型番号CW1600−3として入手可能な振動及び動作感知スイッチである。本発明に用いてもよい任意のモーションセンサの別のタイプは、光源を使用して(赤外線)光を表面に当てるものであり、戻ってくる光の強度及び/又は頻度によって、その表面の関連する動きを検出することができる。そのようなセンサは、実際の回転速度の情報が必要であれば、それを測定することができる。
【0045】
本発明の布地物品処理装置20に使用できる別の任意のセンサ75は、湿度センサである。任意の湿度センサは、コントローラと併せて、ディスペンサー25によって分配される組成物の量を制御するのに用いてもよく、また、分配が行われるべき動作サイクル中の適切な環境条件を決定するのに使用してもよい。更に、この湿度センサは、最適なしわ除去及び/又は他の効果が達成されるように、効果組成物の分配を制御することによって、特定の湿度を維持するのに使用されてもよい。可変伝導度センサなど、多くの異なるタイプの湿度センサを、本発明と共に使用することができる。そのようなセンサの1つは、ハニウェル(Honeywell)(イリノイ州フリーポート(Freeport))製の、型番号HIH−3610−001であるが、HIH−3610シリーズのいずれか、又は他のいずれかの利用可能なセンサを使用してもよい。
【0046】
本発明の布地物品処理装置20に有用であり得る更なる任意のセンサ75は、コントローラに戻る導電体に沿ってアナログ又はデジタル信号を出力するものなどの温度センサである。
【0047】
上述したように、布地物品処理装置20はコントローラ60を含んでもよい。一実施形態では、コントローラはマイクロコントローラであってもよい。好適なマイクロコントローラは、マイクロチップ社(MicroChip)(アリゾナ州チャンドラー(Chandler))製の、品番PIC16LS876−04/Pである。しかしながら、異なる製造業者により製造された他のマイクロコントローラも容易に使用することができる。代表的な一実施形態では、マイクロコントローラは、オンボードランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能な不揮発性メモリ素子を含むオンボード読み取り専用メモリ(ROM)、並びに、アナログ及びデジタル信号用のオンボード入出力ラインを包含する。コントローラはまた、水晶時計発振器と共に使用されてもよいが、所望であれば、RC回路を代わりにクロック回路として用いることができる。クロック回路は、コントローラを操作するのに必要なクロックのタイミングを提供する。一実施形態では、コントローラは、RS−232通信リンクなどの通信リンクを用いて、任意のプログラム可能なインタフェースに連結することができるポートを含む。ポートによって、ユーザが、分配オプションなどの、コントローラのプログラム情報を改変することが可能になる。
【0048】
当業者であれば、コントローラが、オンボードRAM、RAM、若しくはデジタル及びアナログ入出力(I/O)を含む若しくは含まない、市販のあらゆるタイプのマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ回路であることができることを理解するであろう。更に、順次プロセッサを用いて、布地物品処理装置20を制御してもよく、あるいは並行プロセッサアーキテクチャ又は論理ステートマシンアーキテクチャを使用することができる。更に、コントローラ60は、所望のように多様な機能に使用できる他の多数の論理素子を含む、特定用途向け集積回路(ASIC)に組み込まれてもよく、そのような機能は、消費者に販売される布地物品処理装置20のモデルに応じた任意のものである。モデルの特徴を変更するためには、製造業者は、ユニットのそれぞれに対して同じハードウェアを使用しながら、その特定モデルの特別なパラメータに従って、ASIC又はコントローラのオンボードRAMをプログラムするだけでよい。
【0049】
布地物品処理装置20に設けられた様々なセンサの入力レベルに基づいて、タイミングイベントを制御し、決定を行うために、あらゆるタイプのマイクロプロセッサマイクロコントローラユニットの代わりに、別個のデジタル論理を使用することができ、又は電圧比較器及びアナログタイマーと共にアナログ制御回路構成を使用することができることも、理解されるであろう。
【0050】
本発明は、他のタイプの布地「処理」装置に容易に使用することができ、衣類「ドライヤー」のみに限定されないことが、理解されるであろう。この特許文献の文脈において、「ドライヤー」又は「乾燥機」又は「布地物品乾燥機」という用語は、真の乾燥機能を果たしても果たさなくてもよいが、布地自体を文字通り乾燥しようとすることなく布地の処理に関与する場合がある装置を包含する。上述のように、「ドライヤー」又は「乾燥機」又は「布地物品乾燥機」という用語は、「ドライクリーニング」プロセス又は装置を包含してもよく、これは文字通り乾燥工程を伴っても伴わなくてもよい。また、本明細書で使用する時、「布地物品乾燥機」という用語は、1以上の布地物品上に向けられた移動空気を使用するあらゆる布地処理装置を指し、その非限定例には、衣類ドライヤー及びその変形が含まれる。そのような装置としては、住居、コインランドリー、ホテル、及び/又は産業環境で使用される、家庭用及び業務用の両方の乾燥ユニットが挙げられる。加えて、乾燥機には、乾燥機が乾燥サイクルで動作している際に、文字通り動いたり回転したりしない乾燥チャンバ(又は「ドラム」)を包含するものがあることに留意されたい。そのような一部のドライヤーは、乾燥チャンバを通過する移動空気を使用しており、乾燥サイクルが起こっている間、チャンバは動かない。そのような一例のドライヤーは、乾燥させるべき衣類を人がチャンバ内に入れられるようにする、扉又は他のタイプのアクセスカバーを有する。多くの場合、乾燥チャンバ内にある何らかのタイプの上側ロッドに衣類を掛ける。それが行われた後、扉(又はアクセスカバー)が閉じられ、ドライヤーがその乾燥機能を開始することができる。効果組成物の分配は、そのようなユニット内で行うことができるが、特定の布地品目が非常に高濃度の効果組成物を受ける一方で、他の布地品目には非常に少量の効果組成物しか行き渡らないことがないように、効果組成物が乾燥チャンバ内で確実に良好に分散されるように注意しなければならない。
【0051】
代表的な布地物品処理装置及びシステムとして、同時係属中の米国特許出願10/697,735(2003年10月29日出願);米国特許出願10/697,685(2003年10月29日出願);米国特許出願10/697,734(2003年10月29日出願);米国特許出願10/697,736(2003年10月29日出願);及び米国特許出願10/762,152(10/762,152出願)に記載のものが挙げられる。
【0052】
「本発明を実施するための最良の形態」に引用した全ての文献を、その関連部分において、本明細書に参考として組み込むが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する従来技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0053】
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたものの、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0054】
(代表的な香料組成物の実施例)
(香料実施例A)
【表1】

(香料実施例B)
【表2】

(香料実施例C)
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図2】本発明の第2の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図3】本発明の第3の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図4】本発明の第4の実施形態による代表的な貯蔵器の概略図。
【図5】本発明の第5の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図6】本発明の第6の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図7】本発明の第7の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図8】本発明の第8の実施形態による代表的な布地物品処理装置の概略図。
【図9】本発明の第9の実施形態による代表的な布地物品処理システムの概略図。
【図10】本発明の第10の実施形態による代表的な布地物品処理システムの概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地物品処理装置であって:
布地物品乾燥機の内部に配置されるように適合したディスペンサーと;
効果組成物を収容する貯蔵器とを含み、前記貯蔵器及び前記ディスペンサーが互いに流体連通しており;
前記貯蔵器の外側部分が、前記効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する、布地物品処理装置。
【請求項2】
前記貯蔵器の前記外側部分が、芳香剤を含浸させた材料で形成された貯蔵器本体を含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項3】
前記貯蔵器が本体及び外装を含み、前記外装が、前記効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項4】
前記外装が芳香剤を含浸させた材料を含む、請求項3に記載の布地物品処理装置。
【請求項5】
前記貯蔵器の前記外側部分が、前記貯蔵器上の外側コーティングを含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項6】
前記貯蔵器が、前記ディスペンサーと前記貯蔵器との間で前記効果組成物の流体連通を提供するように適合した外側取付具を含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項7】
前記外側部分が前記取付具に近接して配置される、請求項6に記載の布地物品処理装置。
【請求項8】
前記貯蔵器が小袋を含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項9】
前記貯蔵器が、単層又は複数層のバリア被膜を含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項10】
前記貯蔵器が、外層と少なくとも1つの内層とを有する複数層のバリア被膜を含み、前記外層が、前記効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する外側部分を含む、請求項9に記載の布地物品処理装置。
【請求項11】
前記貯蔵器の前記外側部分がカバー取付具を含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項12】
前記カバー取付具が、芳香剤を含浸させた材料を含む、請求項11に記載の布地物品処理装置。
【請求項13】
前記カバー取付具がライナーを含む、請求項11に記載の布地物品処理装置。
【請求項14】
前記ライナーが、芳香剤を含浸させた材料を含む、請求項13に記載の布地物品処理装置。
【請求項15】
前記カバー取付具が芳香剤コーティングを含む、請求項11に記載の布地物品処理装置。
【請求項16】
前記貯蔵器の前記外側部分が芳香剤コーティングを含む、請求項1に記載の布地物品処理装置。
【請求項17】
布地物品処理装置であって:
効果組成物を収容するように適合した貯蔵器と;
前記効果組成物を前記貯蔵器内に貯蔵している間、及び前記効果組成物を前記貯蔵器から分配している間、前記貯蔵器内の嫌気性環境を維持するように構成された取付具とを含み;
前記貯蔵器の外側部分が、前記効果組成物によって提供される芳香を暗示する芳香を提供する、布地物品処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2007−522834(P2007−522834A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551291(P2006−551291)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/001906
【国際公開番号】WO2005/073454
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】