説明

書類等を収納するホルダ

【課題】不透明な材料を用いても収納した書類を視認でき、のりや接着剤などを用いずに製造することのできるホルダを提供する。
【解決手段】ホルダ1は、一枚のメインシートを谷折り線7により分けられた第1保持部3と第2保持部5とからなる。第1保持部は、下部に切れ目9を有し、下辺に第1切り欠け部15を有し、左辺にインデックス片19を有する。また、第2保持部5は、下辺に下押さえ片13を有し、右辺に第2切り欠け部23を有する。また、第1保持部3と第2保持部5の全面に丸穴17を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つ折りにしたシートの間に書類等を挟んで収納できるようにしたホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のホルダとしては、プラスチックシートを中心線に沿って二つ折りにし、二つ折りにしたプラスチックシートを折り目に連なる一方の縁に沿って互いに接合したものが使用されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年の地球環境保護意識の高まりから、プラスチックシートの代わりに、紙製のシートを使用することが考えられている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−233588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紙製シートを材料とすると、のりや接着剤を用いて二つ折りのシートを接合するため、環境負荷が高くなるというという問題点があった。また、紙は不透明な材料であるため、開かないと収納した書類の中身を確認できないという問題点もあった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、不透明な材料を用いても収納した書類を視認でき、のりや接着剤などを用いずに製造することのできるホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、書類等を収納するホルダであって、メインシートの中間部に谷折り線が形成されて、開閉自在な第1保持部と第2保持部とが形成されており、前記第1保持部の下部に、切れ目が設けられ、前記第2保持部の下辺に、第1舌片を有する下押さえ片が設けられており、前記第1舌片は、前記切れ目に係合可能であることを特徴とするホルダである。
【0008】
また、前記第1保持部の下辺の全体に、第1切り欠け部を有することが望ましい。
【0009】
さらに、前記第1保持部および/または前記第2保持部とに、複数の円状の穴が設けられていることが望ましく前記メインシートを前記谷折り線で折り、前記第1保持部と前記第2保持部とを折り重ねた際に、前記第1保持部の穴と前記第2保持部の穴とが重ならないように、前記穴が設けられていることが望ましい。
【0010】
前記メインシートの下辺以外のいずれかの辺に、インデックス片を有し、前記インデックス片が、前記第2保持部に係合可能な第2舌片を有し、前記第2保持部が、前記インデックス片が係合箇所に、第2切り欠け部を有し、前記第1舌片、前記第2舌片、前記切れ目の端部が、丸みを帯びていることが望ましい。
【0011】
さらに、紙製であることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、不透明な材料を用いても収納した書類を視認でき、のりや接着剤などを用いずに製造することのできるホルダを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る組立て前のホルダ1を示す図である。図1において、実線部分は切断加工を行う線であり、点線部分は筋押し加工を行う線である。ホルダ1は、一枚の四角形状のメインシートを谷折り線7により分けられた第1保持部3と第2保持部5とからなる。第1保持部3は、下部に切れ目9を有し、下辺に第1切り欠け部15を有し、左辺にインデックス片19を有する。また、第2保持部5は、下辺に下押さえ片13を有し、右辺に第2切り欠け部23を有する。また、第1保持部3と第2保持部5の全面に丸穴17を有する。
【0014】
第1保持部3は谷折り線7の左側のメインシートを指し、第2保持部5は、谷折り線7の右側のメインシートを指す。
【0015】
谷折り線7は、第1保持部3と第2保持部5の境界に設けられており、筋押し加工されている。
【0016】
切れ目9は、第1保持部3の下部に、第1保持部3の下辺と平行に切断加工されている。
【0017】
インデックス片19は、第1保持部3の左辺に突出して設けられており、インデックス片19と第1保持部3の境界に、第1保持部3に突出するように第2舌片21の切断加工がされている。
【0018】
インデックス片19は、略四角形状であり、第1保持部3の左辺に左に凸に設けられ、第1保持部3より突出可能であり、突出した部分の角は丸くなっている。インデックス片19は、第1保持部3より突出し、ホルダ1の使用時にインデックスとして用いることができる。
【0019】
第2舌片21は、半円形状であり、第1保持部3に右に凸に設けられ、第1保持部3より突出可能である。
【0020】
第2舌片21は、第1保持部3と第2保持部5とを折り重ねた際に、第2保持部5の第2切り欠け部23に係合し、第1保持部3と第2保持部5とを折り重ねた状態を維持する。
【0021】
第1切り欠け部15は、第1保持部3の下辺に設けられており、第1保持部3の下辺全体に広がっている。第1切り欠け部15により、第1保持部3と第2保持部5を折り重ねた際に、下押さえ片13を折り曲げやすくなる。
【0022】
下押さえ片13は、第2保持部5の下辺に突出して設けられており、角が曲線の台形状の片である。第1舌片11は、下押さえ片13の一部を切断加工して設けられている。
【0023】
第1舌片11は、図1では、上に凸に設けられており、第1保持部3と第2保持部5とを折り重ねて下押さえ片13を折り曲げた際に、第1舌片11は下に凸になり、切れ目9と係合する。
【0024】
第2切り欠け部23は、第2保持部5の右辺に設けられており、第1保持部3と第2保持部5とを折り重ねた際に、第2舌片21が係合しやすいように設けられている。
【0025】
第1舌片11、第2舌片21、切れ目9の端部は丸みを帯びており、折り曲げや係合などを繰り返しても、メインシートが破れにくい。
【0026】
丸穴17は、第1保持部3と第2保持部5の全面に設けられている。丸穴17は、円形状であるため、ホルダ1に書類を収納する際に、書類の角が引っかかりにくい。また、丸穴17に代えて四角形の穴や星型の穴など、さまざまな形状の孔を設けることが可能であり、穴の数や配置も変更可能である。
【0027】
また、図2は、本実施の形態の別の実施態様に係る丸穴17とつなぎ18を示す図である。図2に示すように、丸穴17の箇所を、周の全部を切断せずに、切断加工時の刃物の一部を削り、第1保持部3とのつなぎ18を残してもよい。製造時につなぎ18を残し、ホルダ1の組立て後に、使用者がつなぎ18を切断し、丸穴17をくり抜くようにしてもよい。くり抜いた箇所より標語やキャッチコピーを見せるようにすると、高い宣伝効果を得られる。
【0028】
ホルダ1を構成する材料は、特に限定されず、プラスチックや紙などを用いることができるが、環境保護の点から、紙製にすることが好ましい。
【0029】
次に、ホルダ1の組立て方法について説明する。ホルダ1は、図1に示すように中央に谷折り線7を有する一枚のシートである。ホルダ1を谷折り線7で折り、第1保持部3を第2保持部5の上に折り重ねる。次に、下押さえ片13を第1保持部3の上に折り重ね、第1舌片11を切れ目9に係合させて組み立てる。
【0030】
図3は、本実施の形態に係る組立て後のホルダ1を示す図である。細い破線は、カクレ線を示している。第1保持部3と第2保持部5を重ねると、第1保持部3の丸穴17と第2保持部5の丸穴17とが交互に並ぶように、丸穴17の位置が配置されている。第2保持部5に記載されている内容を、第1保持部3の丸穴17を通じて判読可能であり、第1保持部3に記載されている内容は、第2保持部5の丸穴17を通じて判読可能である。また、ホルダ1に書類を収納しても、第1保持部3の丸穴17か第2保持部5の丸穴17を通じて、書類の有無や内容を確認可能である。
【0031】
本実施形態によれば、のりや接着剤などを使わずに第1保持部3と第2保持部5とを綴じることができ、環境負荷の低いリサイクル可能なホルダを製造することができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、不透明な材質を用いても、ホルダ1に収納した書類を観察可能である。
【0033】
また、本実施形態によれば、第1保持部3または第2保持部5の、組立て後の書類ホルダ1の内側になる部分にも宣伝や広告を印刷しても、外から印刷部分の一部を見ることができ、ノベルティ商品、販促商品として用いることができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(ホルダ1の作製)
図1に示すホルダ1を、白板紙より以下のサイズで切り出す。
1)ホルダ1(メインシート)のサイズ
・高さ:310mm(下押さえ片(高さ45mm)を含まず)
・幅:440mm(インデックス片19を含まず)
2)切れ目9のサイズ
・長さ:45mm
・第1切り欠け部15からの距離:19mm
3)第1舌片11のサイズ
・下押さえ片13の折り曲げ部に平行な辺:40mm
・下押さえ片13の折り曲げ部に平行でない辺(高さ):12.5mm
・第1舌片11の上端と下押さえ片13の折り曲げ部との距離:14mm
4)第2舌片21のサイズ
・高さ:21mm
・幅:10.5mm
5)インデックス片19のサイズ
・高さ:70mm
・幅:20mm
6)第1切り欠け部15のサイズ
・高さ:3mm
7)第2切り欠け部23のサイズ
・高さ:22mm
・幅:3mm
【0035】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかるホルダの好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施の形態に係る組立て前のホルダ1を示す図。
【図2】本実施の形態の別の実施態様に係る丸穴17とつなぎ18を示す図。
【図3】本実施の形態に係る組立て後のホルダ1を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1………ホルダ
3………第1保持部
5………第2保持部
7………谷折り線
9………切れ目
11………第2舌片
13………下押さえ片
15………第1切り欠け部
17………丸穴
18………つなぎ
19………インデックス片
21………第1舌片
23………第2切り欠け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類等を収納するホルダであって、メインシートの中間部に谷折り線が形成されて、開閉自在な第1保持部と第2保持部とが形成されており、
前記第1保持部の下部に、切れ目が設けられ、
前記第2保持部の下辺に、第1舌片を有する下押さえ片が設けられており、
前記第1舌片は、前記切れ目に係合可能である
ことを特徴とするホルダ。
【請求項2】
前記第1保持部の下辺の全体に、第1切り欠け部を有することを特徴とする請求項1に記載のホルダ。
【請求項3】
前記第1保持部および/または前記第2保持部に、穴が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホルダ。
【請求項4】
前記穴が、複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載のホルダ。
【請求項5】
前記穴が、円状であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のホルダ。
【請求項6】
前記メインシートを前記谷折り線で折り、前記第1保持部と前記第2保持部とを折り重ねた際に、
前記第1保持部の穴と前記第2保持部の穴とが重ならないように、前記穴が設けられている
ことを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載のホルダ。
【請求項7】
前記メインシートの下辺以外のいずれかの辺に、インデックス片を有し、
前記インデックス片が、前記第2保持部に係合可能な第2舌片を有する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載のホルダ。
【請求項8】
前記第2保持部が、前記インデックス片が係合する箇所に、第2切り欠け部を有することを特徴とする請求項7に記載のホルダ。
【請求項9】
前記第1舌片、前記第2舌片、前記切れ目の端部のいずれか1以上が、丸みを帯びていることを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載のホルダ。
【請求項10】
紙製であることを特徴とする請求項1ないし請求項9に記載のホルダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−94866(P2010−94866A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266299(P2008−266299)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】