説明

最小侵襲性呼吸補助のための方法および装置

【課題】最小侵襲性呼吸補助のための方法および装置の提供。
【解決手段】統合ガス供給、特殊ガス供給機能、換気カテーテル、およびアクセス装置を伴う装着型換気システムと、呼吸感知技法とを含む、患者に補助換気を提供するためのモード、方法、システム、および装置を説明する。一実施形態において、換気補助装置は、人工呼吸器と、該人工呼吸器への接続に適合される換気ガス送達カテーテルと、該人工呼吸器と連通している呼吸センサと、ある量の換気ガスを格納し、かつ該人工呼吸器に統合される、統合型換気ガス貯蔵部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本出願は、仮特許出願第60/835,066号(2006年8月3日出願、名称「Methods and Devices for Minimally Invasive Respiratory Support」)に基づく優先権を主張し、この開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
米国特許出願第10/870,849号(2004年6月17日出願、名称「Methods,Systems and Devices for Improving Ventilation in a Lung Area」およびPCT特許出願PCT/DE2004/001646号(2004年7月23日、名称「Methods and Arrangement for Respiratory Support for a Patient Airway Prosthesis and Catheter」)の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺腺維症、および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)等の呼吸障害に罹患している個人に対する、換気療法および酸素療法に関する。
【背景技術】
【0004】
次の文書は、関連技術と考えられ得る。
特許文献1:Freitag, L; Method and arrangement
for respiratory support for a patient airway prosthesis and catheter。
特許文献2:Wondka; Methods, systems and devices for improving ventilation in a lung area。
特許文献3:Christopher; Method and apparatus for weaning ventilator−dependant patients。
特許文献4:Frye, Mark R; High efficiency liquid oxygen system。
特許文献5:Snook; Inspiration oxygen saver。
非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6。
【0005】
呼吸障害に罹患している患者は、肺構造の悪化により酸素不足であり、機能低下した肺に空気を入れたり出したりするために必要とされる激しい作業により疲労している。この作業によって患者は休止状態になり、酸素消費量を低減して呼吸仕事量(WOB)を低減し、次にこの休止状態は他の健康問題につながる。長期酸素療法(LTOT)は、呼吸障害に罹患している患者を補助するために何10年も広く使用されている、最標準治療法である。典型的に、患者には、酸素鼻カニューレを介して鼻の中へ、1〜6LPMの持続的酸素流が提供される。補足酸素は、肺および肺胞の中の酸素の濃度を増加させ、したがって身体に送達される酸素を増加させ、よって患者の低下した肺機能を補う。より最近では、経気管酸素療法(TTOT)および需要酸素送達(DOD)等の、LTOTの改良が導入されている。TTOT(米国特許5,419,314)は、酸素が気管に直接送達され、よって肺にさらに近く、よって酸素が上部気道および鼻腔で無駄にならないという点で、LTOTと比較して潜在的な改良である。DODシステム(米国特許4,938,212)は、酸素源を節約するために、患者が息を吸い込んでいる時を感知し、吸気中のみに酸素を送達するように考案されており、在宅介護または外来環境での配慮であるが、酸素源が豊富である病院環境での配慮ではない。LTOT、TTOT、およびDODは、肺および血流中の酸素レベルを増加させることによって、組織の中への酸素の拡散を改善するのに有用であるが、これらの治療法全てには、患者に対する本当の換気補助を提供しないという欠点があり、特に、歩行および階段を上るような通常の日常活動中に発生する、単純労作の種類の最中に、過剰なWOBが緩和されない。
【0006】
LTOT単独が患者の呼吸障害を補うのに不十分である時に、患者に対する換気補助を提供するために、持続的気道陽圧(CPAP)換気が広く使用されている。しかしながら、CPAPは、非携帯型であり、装着しなければならない鼻マスクのために患者にとって目障りである。さらに、筋神経系が人工的な呼吸支援に慣れるため、CPAPは、怠惰となるように呼吸筋を不注意に慣れさせる可能性があり、これは呼吸器系医学会内で既知の症候群である。
【0007】
Benumofによって記載されている経気管高頻度ジェット換気(TTHFJV)もまた、例えば、典型的に気管に導入される小口径カテーテルを使用する、緊急換気に使用されている。頻度は、典型的に毎分60サイクル以上であり、駆動圧は、典型的に約40psiであり、流量は、典型的に10LMPより大きく、したがって、混成酸素空気混合物および加熱加湿を必要とする。TTHFJVは、携帯型治療法ではなく、歩行可能で、自発呼吸し、活発で、重篤ではない患者に対する換気補助療法として適切ではない。
【0008】
Gregorettiによって記載されている経気管切開換気(TOV)は、気管内チューブを使用する機械的換気の代替案として使用されている。TOVの目的は、人工呼吸器関連肺炎等の侵襲性換気のマイナスの副作用を低減することである。典型的に、4mmのカテーテルを、すでに患者体内にある気管切開チューブに挿入し、カテーテルの他方の端を、補助圧力制御モードに設定されている従来の機械的人工呼吸器に取着して、患者の呼吸数と同期して機械的呼吸を気管の中へ送達する。しかしながら、人工呼吸器は、ユーザによって設定された所定の機械的呼吸を送達するため、人工呼吸器は患者のかわりに呼吸を行っており、真に患者を補助しているわけではない。TOVは、非携帯型であり、患者の呼吸の高いレベル、または完全な支援を提供するように設計されている。
【0009】
Christopherによって記載されている経気管増強換気(TAV)は、加湿酸素/空気混成物の、典型的に10LPMより大きい高流量が、気管の中へ継続的に送達される、または断続的に、あるいは患者の呼吸パターンと同期して送達され得る、治療である。TAVは、重度の呼吸不全患者に対する換気補助を提供する、良好な治療法である、しかしながら、高流量および加湿要件のため、TAVは外来携帯型治療法には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2004/001646号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0005936号明細書
【特許文献3】米国特許第5419314号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0247308号明細書
【特許文献5】米国特許第4938212号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Transtracheal Open Ventilation in Acute Respiratory Failure Secondary to Severe Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation, American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173.pp.877−881,(2006),Cesare Gregoretti
【非特許文献2】Preliminary observation of transtracheal augmented ventilation for chronic severe respiratory disease. Repir Care.2001 Jan;46(1)15−25.,Christopher KL
【非特許文献3】Reduced inspiratory muscle endurance following successful weaning from prolonged mechanical ventilation.Chest.2005 Aug;128(2):553−9 Chest.2005 Aug;128(2):481−3.Chang AT
【非特許文献4】A comparison in a lung model of low− and high−flow regulators for transtracheal jet ventilation. Anesthesiology.1992 Jul;77(1)189−99. Gaughan SD,Benumof JL
【非特許文献5】Tracheal perforation. A complication associated with transtracheal oxygen therapy. Menon AS−Chest−01−AUG−1993; 104(2):636−7
【非特許文献6】Dangerous complication of transtracheal ozygen therapy with the SCOOP(R) system. Rothe TB−Pneumologie−01−OCT−1996; 50(10):700−2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
現在の酸素送達療法または換気療法は、過度に目障りであるか、または十分に小型あるいは可動式ではないか、または有効性が限られているかのいずれかであり、したがって、呼吸支援を受けながら歩行可能で活動的であることを望む、大多数の呼吸不全患者にとって有用ではない。具体的には、(1)血流内への酸素拡散を増加させる酸素送達、および(2)可動式装置においてWOBを緩和する換気支援、の両方を行う治療が存在しない。本願で開示される発明は、酸素拡散支援および換気支援の両方を提供して呼吸不全に対処する、目障りでない、超小型かつ可動式で、臨床的に有効なシステムを提供することによって、この問題の独特かつ新規の解決法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願で説明される本発明は、経皮・経気管吸気同期ジェット増強換気(TIJV)によって、酸素送達および換気補助の両方が提供される、方法および装置を含む。該治療法は、超小型の装着型人工呼吸器および小口径留置送達カテーテルによって提供される。
【0014】
本発明の付加的な特徴、利点、および実施形態は、次の詳細な説明、図面、および請求項の考察から説明されるか、または明らかになり得る。さらに、本発明の前述の概要および次の詳細な説明の両方は、模範的なものであり、請求されるような本発明の範囲を限定せずに、さらなる説明を提供することを目的とすることが理解されるべきである。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
人工呼吸器と、
該人工呼吸器への接続に適合される換気ガス送達カテーテルと、
該人工呼吸器と連通している呼吸センサと、
ある量の換気ガスを格納し、かつ該人工呼吸器に統合される、統合型換気ガス貯蔵部と
を備える、換気補助装置。
(項目2)
(a)人工呼吸器と、
(b)患者の気道に留置するように構成されるカテーテルと、
(c)該患者の気道に位置して気管の空気流量を測定するように構成されるセンサと、
(d)換気ガス源と
を備え、
換気ガスの量は、該患者の自発呼吸に同期した割合で送達され、かつ該患者の吸気相中に送達されるように構成される、
換気補助装置。
(項目3)
前記人工呼吸器は、前記患者によって装着されるように構成される、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記人工呼吸器は、酸素量の統合型供給を含む、項目2に記載の装置。
(項目5)
前記人工呼吸器は、液体酸素の統合型供給と、該液体酸素を気体酸素に変換する手段とを含む、項目2に記載の装置。
(項目6)
前記人工呼吸器は、統合型酸素発生システムを含む、項目2に記載の装置。
(項目7)
送達される前記換気ガス量は、患者の自然な1回換気量の5〜50%である、項目2に記載の装置。
(項目8)
換気ガス駆動圧は、5〜25psiである、項目2に記載の装置。
(項目9)
換気のピーク流量送達は、毎分15〜35リットルである、項目2に記載の装置。
(項目10)
換気ガス送達時間は、0.1から0.8秒である、項目2に記載の装置。
(項目11)
前記カテーテルは、カテーテル先端を含み、該カテーテル先端から外へ出る換気ガス出口速度は、毎秒25〜250メートルである、項目2に記載の装置。
(項目12)
換気ガス退出気流動態は、前記換気ガスにより、上部気道から肺の中へのガスの10〜100%量の吸い込みを引き起こすように選択される、項目2に記載の装置。
(項目13)
換気ガス送達振幅は、補助されていない呼吸中の陰圧と比較して、吸気中に患者の肺の中でより小さい陰圧を引き起こすように選択される、項目2に記載の装置。
(項目14)
換気ガス送達振幅は、補助されていない呼吸中の陰圧と比較して、吸気中に患者の肺の中で陽圧を引き起こすように選択される、項目2に記載の装置。
(項目15)
前記呼吸センサは、2つの個別センサ間の比較を取得するために使用される、2つの個別センサを備え、比較は、ドリフトおよび信号アーチファクトを補うために使用される、項目2に記載の装置。
(項目16)
前記個別センサ比較は、前記信号を呼吸曲線の異なる部分と相関させるように区別される、項目15に記載の装置。
(項目17)
前記換気ガス源は、液体酸素システムである、項目2に記載の装置。
(項目18)
前記換気ガス源は、圧縮酸素ガス源である、項目2に記載の装置。
(項目19)
前記換気ガス源は、酸素発生システムである、項目2に記載の装置。
(項目20)
前記センサは、気道の空気流量の強度および方向を測定して、吸気流量がピーク振幅に到達した後に前記換気ガスを送達する手段を備える、項目2に記載の装置。
(項目21)
前記センサ信号は、呼吸筋活動と相関され、呼吸筋がその最大仕事に到達した後に前記換気ガスを送達する手段を提供する、項目2に記載の装置。
(項目22)
呼吸筋がその最大仕事に到達した後にガスを送達するための手段を備える、項目2に記載の装置。
(項目23)
吸気中に多重パルスで前記ガスを送達するための手段を備える、項目2に記載の装置。
(項目24)
前記患者の快適性および換気の必要性に応じて、前記吸気相内で任意の時に発生するように前記換気ガス送達を調整するための手段を備え、該吸気相における時は、前記呼吸センサからの情報によって判定される、項目2に記載の装置。
(項目25)
前記調整手段は、生理的フィードバック機構によって前記換気ガス送達を自動的に調整することが可能である、項目23に記載の装置。
(項目26)
前記フィードバック機構は、気道ガス濃度に基づく、項目24に記載の装置。
(項目27)
前記フィードバック機構は、呼吸の深さに基づく、項目24に記載の装置。
(項目28)
前記フィードバック機構は、呼吸の割合に基づく、項目24に記載の装置。
(項目29)
前記フィードバック機構は、パルス酸素測定に基づく、項目24に記載の装置。
(項目30)
前記調整手段は、ユーザによって手動で行われることが可能である、項目23に記載の装置。
(項目31)
前記調整手段は、患者によって調整されることが可能である、項目23に記載の装置。
(項目32)
前記調整手段は、臨床医によって調整されることが可能である、項目23に記載の装置。
(項目33)
前記換気ガス送達手段は、1次換気ガス送達手段であり、前記装置は、2次換気ガスを送達するための手段であって、該1次換気ガス送達と比較して、より低いガス流量を備える2次換気ガス送達手段をさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目34)
吸気の初期において前記2次換気ガスを送達する手段を備える、項目32に記載の装置。
(項目35)
吸気の全体を通して前記2次換気ガスを送達する手段を備える、項目32に記載の装置。
(項目36)
呼気中に前記2次換気ガスを送達する手段を備える、項目32に記載の装置。
(項目37)
前記2次換気ガスは、前記上部気道中のCO2を置換し、その結果、前記1次換気ガスは、送達されるとき、該上部気道から下部気道の中へ空気を吸い込み、該吸い込まれた空気は、CO2が少なく、好ましくは、該2次換気ガスをオフにした時と比較して、CO2が少なくとも2%少ない、項目32に記載の装置。
(項目38)
前記2次換気ガスは、50%〜100%、および好ましくは80%〜100%等の、高酸素濃度を備え、前記1次換気ガスは、21%〜60%等の低酸素濃度を備える、項目32に記載の装置。
(項目39)
前記換気ガス送達の圧力および流量振幅のうちの一方を調整する手段を備える、項目2に記載の装置。
(項目40)
前記換気ガス送達圧力または流量の波形を、正弦波、上昇波、下降波、または方形波のうちの少なくとも1つを含む、所望の波形に調整する手段を備え、該調整手段は、弁、開口、ピストン、および調節器のうちの少なくとも1つを備える、項目2に記載の装置。
(項目41)
前記換気ガス送達は、1次換気ガス送達を備え、前記装置は、呼気中にガスを気道の中へ送達して呼気流への逆抵抗を提供する手段をさらに備え、該逆抵抗ガス流動態は、気道虚脱を低減するように選択される、項目2に記載の装置。
(項目42)
呼気の初期または呼気の後期のうちの一方を含む、前記呼気相内の選択可能な計略的時間に前記逆抵抗ガスを送達する手段を備える、項目40に記載の装置。
(項目43)
前記逆抵抗ガス送達は、呼気の全体を通して発生する、項目40に記載の装置。
(項目44)
振動パターンで前記逆抵抗ガスを送達する手段を備える、項目40に記載の装置。
(項目45)
乱流パターンで前記逆抵抗ガスを送達する手段を備える、項目40に記載の装置。
(項目46)
層流パターンで前記逆抵抗ガスを送達する手段を備える、項目40に記載の装置。
(項目47)
前記逆抵抗ガス送達動態は、前記気道における略均一の速度プロファイルを生成する、項目40に記載の装置。
(項目48)
前記逆抵抗ガス送達動態は、前記気道における略不均一の速度プロファイルを生成する、項目40に記載の装置。
(項目49)
前記1次換気ガス送達に加えて、前記気道から気道ガスを能動的に除去し、該気道中のガスのCO2含有量を低減する手段を備える、項目2に記載の装置。
(項目50)
前記換気ガスは、酸素、またはヘリウム・酸素混合物、または酸化窒素混合物、またはその他の治療ガスのうちの少なくとも1つを備える、項目2に記載の装置。
(項目51)
薬剤を送達する手段を備える、項目2に記載の装置。
(項目52)
1つ以上の連結治療法、および(a)2次ガス送達、(b)呼気流逆抵抗を引き起こす、呼気中のガスの送達、(c)前記気道からのガスの除去、(d)ヘリウム・酸素または酸化窒素等の治療ガスの送達、(e)医薬の送達、を送達する手段をさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目53)
前記患者の必要性に基づいて前記連結治療法を調整する手段をさらに備え、該調整手段は、フィードバックに基づいて手動または自動となり得、該調整手段は、該連結治療法をオンまたはオフにすること、または該連結治療法の幅を変えることを可能にすることができる、項目51に記載の装置。
(項目54)
患者に換気支援を提供するための装置であって、ガス量は、該気道に留置するカテーテルを介して該患者の気道の中へ送達され、該装置は、
(a)該ガス量が、該患者の自発呼吸と同期する割合で送達され、かつ該患者の吸気相中に送達され、
(b)送達される該ガス量が該患者の自然な1回換気量の5〜50%であり、
(c)該カテーテル中の駆動圧が、5〜25psiであり、ガス送達のピーク流量が、毎分15〜35リットルであり、
(d)ガス送達時間が、0.1から0.8秒であり、
(e)該カテーテル先端から外へ出るガスの出口速度が、毎秒25〜250メートルであり、10〜100%量の吸い込みを引き起こし、
(f)気管の空気流量を測定するために該患者の該気道に位置する呼吸センサを使用することによって、人工呼吸器が、該患者の呼吸パターンに同期される
ように構成される、装置。
(項目55)
前記換気ガス源は、0.100”より大きい直径の気体酸素出力開口を伴う液体酸素供給源を備える、項目2に記載の装置。
(項目56)
前記換気ガス源は、酸素ガス生産の割合を増加させるためのヒータを備える液体酸素供給ユニットを備える、項目2に記載の装置。
(項目57)
前記換気ガス源は、気体酸素に変換された酸素を格納するための貯蔵部を備える液体酸素供給ユニットを備え、該貯蔵部は、80mlより多い気体酸素を格納する、項目2に記載の装置。
(項目58)
前記換気ガス源は、圧縮酸素ガスまたは液体酸素等の、酸素供給ユニットを備え、該供給ユニットは、異なるガス圧力で該ガスを調節するように構成される、複数の圧力調節器設定を備え、該調節器設定は、前記ユーザが異なる圧力レベルで気相酸素の圧力を調節することによって選択可能となるように構成される、項目2に記載の装置。
(項目59)
前記ガス源からの圧力出力を調節する手段と、該調節された圧力でガスを蓄積する蓄積器と、該蓄積器から前記患者への流動出力を制御するためのオン/オフ弁とを備え、前記センサは、該患者の呼吸相を判定するための呼吸センサを備える、項目2に記載の装置。
(項目60)
前記換気ガス源は、調節器を備える圧縮酸素ガスキャニスタを備え、該調節器は、10〜40psiおよび毎分6リットルより大きい出力を提供するように構成されるガス出力開口を備える、項目2に記載の装置。
(項目61)
前記換気ガス源は、統合酸素発生器ユニットと、圧力増幅器と、該圧力増幅器を増強するポンプと、ガス貯蔵部とを備える、項目2に記載の装置。
(項目62)
前記圧力増幅器は、空気圧式である、項目60に記載の装置。
(項目63)
前記圧力増幅器は、電空式である、項目60に記載の装置。
(項目64)
前記圧力増幅器は、圧力を周囲圧力から少なくとも10psiに、および好ましくは少なくとも20psiに増幅する、項目60に記載の装置。
(項目65)
前記圧力増幅器は、第1のガス入力部分および第2のガス出力部分といった、2つの部分を備え、該入力部分の断面積は、該出力部分の断面積よりも小さく、源ガス圧力は、該第1の部分に運び込まれ、該第2の部分を通って放出される、項目60に記載の装置。
(項目66)
ガス蓄積器をさらに備え、該蓄積器は、送達される各呼吸に対する1回の呼吸において前記患者に送達されているガスの量を蓄積する、項目2に記載の装置。
(項目67)
前記蓄積器は、ストローキングピストンを伴うシリンダである、項目65に記載の装置。
(項目68)
換気ガス送達回路の中へ周囲空気を引き込んで、21%から100%の酸素濃度により前記患者に換気ガスを送達する能力を提供する手段をさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目69)
周囲空気を引き込む前記手段は、ベンチュリユニットを備え、ベンチュリは、前記換気ガス送達回路における換気ガス流動態によって生成される、項目67に記載の装置。
(項目70)
前記周囲空気は、ガス量蓄積器の中へ引き込まれ、該蓄積器は、ストローキングピストンを含む、項目67に記載の装置。
(項目71)
前記周囲空気は、ポンプによって引き込まれる、項目67に記載の装置。
(項目72)
前記人工呼吸器は、交互するシリンダ設計を備え、前記患者のある呼吸サイクル中、第1のシリンダは、加圧換気ガスを加圧する一方で、第2のシリンダは、該患者への加圧換気ガスを減圧し、該患者の次の呼吸サイクル中、該第1のシリンダは、該患者に対し減圧し、該第2のシリンダは、前記ガス源から再加圧する、項目2に記載の装置。
(項目73)
前記シリンダは、ストローキングピストンを含む、項目71に記載の装置。
(項目74)
(a)蓄積器の配列と、(b)ガス流動開口の配列と、(c)該蓄積器の出力を開放または閉鎖する、蓄積器出口弁と、(d)前記換気ガスが通る該流動開口を選択する手段と、(e)該蓄積器出口弁を選択および開放または閉鎖し、どの蓄積器出口が開き、かつどれが閉じられるかを制御する手段とを含む、換気ガス送達回路を備える、項目2に記載の装置。
(項目75)
前記蓄積器は、並列に配設される、項目73に記載の装置。
(項目76)
前記蓄積器は、複数の量サイズを備える、項目73に記載の装置。
(項目77)
前記開口は、異なる開口寸法を備える、項目73に記載の装置。
(項目78)
(a)シリンダと、(b)該シリンダ内のストローキングピストンと、(c)該ピストンの一方の側の入口および出口ポート、および該ピストンの反対の側のバネ要素と、(d)該シリンダの充填および排出を制御する弁手段とを備える、ガス量蓄積器をさらに備え、該バネ要素は、前記患者へと該シリンダから出る前記ガスの排出を加速するのに十分なバネ力を備える、項目2に記載の装置。
(項目79)
内部ストローキングピストンを伴うシリンダを備え、ガス量蓄積器をさらに備え、該シリンダの幾何学量は、調整可能である、項目2に記載の装置。
(項目80)
前記シリンダ量調整手段は、前記シリンダの一端上の移動可能な端キャップであり、該端キャップは、該シリンダの内径中で軸方向に摺動する、項目78に記載の装置。
(項目81)
前記シリンダ量調整は、例えば、ノブの回転によって、手動で調整される、項目78に記載の装置。
(項目82)
前記シリンダ量調整は、例えば、モータの使用によって、自動で調整される、項目78に記載の装置。
(項目83)
前記シリンダ量調整は、端キャップの位置を判定する軸方向スケール、またはノブの位置を判定する半径方向スケール等の、位置スケールの使用によって監視される、項目78に記載の装置。
(項目84)
前記シリンダ量調整は、端キャップの位置を判定する軸方向センサ、またはノブの位置を判定する半径方向センサ等の、位置センサの使用によって監視される、項目78に記載の装置。
(項目85)
弁と、正弦波、方形波、または上昇もしくは下降波等、所望のように換気ガス送達プロファイルを形成する制御手段とをさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目86)
ガス蓄積器をさらに備え、該ガス蓄積器は、非円筒形に形成される、項目2に記載の装置。
(項目87)
ガス蓄積器をさらに備え、該ガス蓄積器は、凹曲面を伴って形成される、項目2に記載の装置。
(項目88)
ガス蓄積器をさらに備え、該ガス蓄積器は、骨形断面を備える、項目2に記載の装置。
(項目89)
ガス蓄積器をさらに備え、該ガス蓄積器は、別々の相互接続シリンダの配列を備える、項目2に記載の装置。
(項目90)
ガス蓄積器をさらに備え、該ガス蓄積器は、管類から成る、項目2に記載の装置。
(項目91)
換気ガス供給貯蔵部は、凹形状、骨形断面、相互接続シリンダの任意の配列、または湾曲導管等であるが、それらに限定されない、非円筒形に構成される、項目2に記載の装置。
(項目92)
前記カテーテルは、所望量のガス出口速度、典型的には毎秒50から300メートル、および好ましくは毎秒100〜250メートルを提供するように制限されている、カテーテル先端を含む、項目2に記載の装置。
(項目93)
前記カテーテル先端は、所望の量の上部気道空気の吸い込み、典型的には10〜200%、および好ましくは25〜100%を生じるように制限される、項目91に記載の装置。
(項目94)
前記カテーテル先端の制限は、一定である、項目91に記載の装置。
(項目95)
前記カテーテル先端の制限は、可変である、項目91に記載の装置。
(項目96)
前記カテーテル先端の制限は、可変であり、該制限は、該カテーテル先端のガス流動管腔中の調整可能部材の使用によって変えられる、項目91に記載の装置。
(項目97)
前記調整可能部材は、半径方向に調節して前記ガス流動管腔の直径を減少または増加させる、項目95に記載の装置。
(項目98)
前記調整可能部材は、軸方向に摺動して前記ガス流動管腔の直径の増加および減少を作動させる、項目95に記載の装置。
(項目99)
ガス流動管腔は、典型的には毎秒50〜300メートル、および好ましくは毎秒100〜250メートルの出口速度を生じるように制限される、項目2に記載の装置。
(項目100)
前記ガス流動管腔先端の直径は、0.5mmから2.0mm、および好ましくは1.0mmから1.6mmの内径に制限される、項目98に記載の装置。
(項目101)
肺に向かって主要換気ガスを送達する、遠位先端における主要換気ガス流動開口部を備え、かつ喉頭に向かって上方に2次ガスの送達を方向付けるように構成される、2次開口部を備える、項目2に記載の装置。
(項目102)
遠位先端の付近にガス流動ポートを備え、該ポートは、ガスが多方向に前記カテーテルを退出することを可能にするように構成され、該ポートおよび多方向流動は、前記気道における均一または半均一な速度プロファイルを生じるように選択される、項目2に記載の装置。
(項目103)
気管に挿入されるその端において、概ね360°の湾曲部を備え、前記カテーテルガス送達管腔は、前記カテーテルの先端においてガス流動に対して遮断され、かつ肺に向かって退出ガス流動を方向付ける位置で、該カテーテルの該湾曲部分に位置するガス退出ポートを備え、該湾曲部の半径は、気管前壁に対して該湾曲部の一部を位置付ける、項目2に記載の装置。
(項目104)
気管に挿入されるその端において、概ね540°の湾曲部を備え、該湾曲部は、肺に向かって前記カテーテルの先端を位置付け、該湾曲部の半径は、該気管の前壁および後壁に対して該湾曲部の一部を位置付ける、項目2に記載の装置。
(項目105)
外部カニューレスリーブを備え、該外部カニューレスリーブは、瘻孔スリーブを備え、該外部カニューレスリーブは、気管の中心へ前記カテーテル先端を方向付ける、項目2に記載の装置。
(項目106)
(a)前記カテーテルを瘻孔組織から離して間隔をあけるために使用される、気管の内側に位置付けられるスペーサと、(b)気管前壁に対して該カテーテルの遠位部分の一部を位置付けるように構成される曲線と、(c)気道壁から離れ、かつ肺に向かって方向付けられる、該カテーテルの先端を位置付ける曲線とを備える、項目2に記載の装置。
(項目107)
患者に挿入される遠位部分を伴い、該挿入される部分は、20〜80ショアAデュロメータ、および好ましくは30〜50ショアAデュロメータの軟質材料から成り、構造に埋め込まれて該軟質材料に半剛性を提供する硬い部材をさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目108)
前記硬い部材は、バネ材料である、項目106に記載の装置。
(項目109)
前記硬い部材は、形状記憶合金材料である、項目106に記載の装置。
(項目110)
前記硬い部材は、可鍛材料である、項目106に記載の装置。
(項目111)
前記カテーテルは、その構造において、体温に達すると該カテーテルの第1の形状から第2の形状への変化を引き起こす、熱応答性材料を備え、該第1の形状は、該カテーテルの挿入を補助するように構成され、該第2の形状は、気道中の該カテーテルの非外傷性位置決めを補助し、かつ該カテーテルのガス退出を肺に方向付けるように構成される、項目2に記載の装置。
(項目112)
前記カテーテル患者端は、気管切開チューブまたは喉頭切除チューブ等の気管チューブに標準的な15mmコネクタを接続するように構成され、該気管チューブのシャフトの中または該気管チューブの遠位先端を越えて延在する、センサ延長を備える、項目2に記載の換気カテーテル。
(項目113)
その遠位先端において、気道中に前記カテーテルを固着し、該気道の概ね中心に該カテーテルの先端を位置付けるように構成される、放射状に拡張可能または圧縮可能なバスケットを備える、項目2に記載の装置。
(項目114)
外径嵌合瘻孔スリーブであって、該外径嵌合瘻孔スリーブは、該瘻孔管への挿入に対して、および該スリーブを通した前記カテーテルの挿入に対して構成されるスリーブを備え、該スリーブは、該カテーテル先端を気管前壁から離して位置付けるように構成される、その遠位端上のスペーサをさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目115)
(a)気管に挿入される遠位部分であって、該遠位挿入部分は、概ね90°の湾曲部を備え、肺に向かうようにカテーテルの先端を位置付ける、遠位部分と、(b)カテーテルシャフト上のフランジの配置をシャフト方向に調整する手段を備え、かつ該カテーテルシャフト上のフランジのシャフト方向位置を係止する手段を備える、前記患者の外側に位置付けられる該カテーテルシャフト上に配置されるフランジと、(c)フランジ位置に対応する該カテーテルシャフト上の長さの印とを備える、項目2に記載の装置。
(項目116)
瘻孔管で密封し、かつ該瘻孔管に固定するための圧縮可能部材を備える、項目2に記載の装置。
(項目117)
前記人工呼吸器によって認識可能な信号要素を備え、該信号要素は、患者適合性、意図された病状、または前記患者による治療法の使用の長さ等の、前記カテーテルの治療属性を定義し、該人工呼吸器は、該信号要素を認識し、該信号に基づいてその出力を変更する能力を備える、項目2に記載の装置。
(項目118)
第1の近位端上の外部フランジと、第2の遠位端上の内部フランジとを備え、該内部フランジは、挿入前に、低い外形状態に折り畳み可能および圧縮可能であり、瘻孔への挿入後に、その拡張状態に広げて、解放することが可能であって、さらに、該瘻孔からの除去のために、その低い外形状態に再び折り畳むことが可能である、瘻孔スリーブ。
(項目119)
前記呼吸センサは、2つのセンサを備え、第1のセンサは、負係数サーミスタであり、第2のセンサは、正係数サーミスタである、項目2に記載の装置。
(項目120)
前記呼吸センサは2対のサーミスタを備え、各対は、ホイートストン・ブリッジ回路に接続され、1対のサーミスタは、負係数サーミスタであり、第2の対のサーミスタは、正係数サーミスタである、項目2に記載の装置。
(項目121)
前記呼吸センサは、少なくとも2つのサーミスタを備え、少なくとも1つのサーミスタは、喉頭に面して前記カテーテルの表面上に位置し、少なくとも1つのサーミスタは、肺に面して該カテーテルの表面上に位置する、項目2に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図1b】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図1c】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図1d】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図1e】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図1f】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図1g】図1は、本発明と従来技術との間の違いを図式的に表す。
【図2】図2は、ドリフトおよびアーチファクトを補い、かつ比較を区別して信号を呼吸曲線と相関させるために、2つのセンサを比較するステップを表す。
【図3】図3は、従来の酸素療法を図式的に表す。
【図4a】図4は、本発明に対する代替的な換気送達タイミングプロファイルを図式的に表す。
【図4b】図4は、本発明に対する代替的な換気送達タイミングプロファイルを図式的に表す。
【図4c】図4は、本発明に対する代替的な換気送達タイミングプロファイルを図式的に表す。
【図5】図5は、本発明の換気療法を送達するための特殊液体酸素システムを表す。
【図6】図6は、本発明の換気療法を送達するための、複数出力を伴う特殊液体酸素システムを表す。
【図7】図7は、本発明の換気療法を送達するための、特殊圧縮酸素調節器を表す。
【図8】図8は、本発明の換気療法を送達するための、特殊高出力酸素発生システムを表す。
【図9】図9は、本発明の換気療法を送達するために、従来の酸素供給を人工呼吸器に変換するステップを表す。
【図10】図10は、本発明の量出力を増幅するため、およびより高い平均出力圧力を達成するための、ピストンおよびシリンダを表す。
【図11】図11は、気管支樹の酸素吸入と本発明の換気療法を組み合わせるステップを表す。
【図12】図12は、本発明のベンチュリ効果を表す。
【図13】図13は、カテーテル機構によってベンチュリ効果の大きさを調整するステップを表す。
【図14a】図14aは、異なる酸素濃度を患者に送達する、酸素・空気混成技法を表す。
【図14b】図14bは、異なる酸素濃度を患者に送達する、酸素・空気混成技法を表す。
【図15】図15は、酸素源または人工呼吸器の圧力出力を上げる、圧力増幅器の使用を表す。
【図16】図16は、ガスを患者に送達するためのチャンバを交互させる、二重チャンバシステムを表す。
【図17】図17は、従来の量およびタイミング制御システムと、小型の低電気出力ユニットにおいて本発明の換気療法を送達するための、特殊タイミングおよび量制御システムとを表す。
【図18】図18は、バネ補助ガス送達ストロークを伴うピストンシステムを表す。
【図19】図19は、調整可能な量出力を伴う、本発明のためのピストンを表す。
【図20】図20は、本発明の増強波形調整の効果を図式的に表す。
【図21】図21は、本発明の増強療法と併用される、呼気中に気道の虚脱を低減する呼気逆流療法を表す。
【図22】図22は、本発明の増強療法と併用される、気道中のCO2含有量を低減する気管ガス排出を表す。
【図23】図23は、本発明で使用するための、非円筒形状酸素ガスシリンダまたは蓄積器を表す。
【図24】図24は、気管内腔の中心にガス送達開口を位置付ける、360度湾曲換気カテーテル先端を表す。
【図25】図25は、気管内腔の中心にガス送達先端を位置付ける、540度湾曲換気カテーテル先端を表す。
【図26】図26は、薄壁外部カニューレ、瘻孔スリーブ、および換気カテーテルである内部カニューレを表す。
【図27】図27は、気管前壁に対してカテーテルを位置付ける屈曲形状、および前壁から少し離れた先端開口を伴う、換気カテーテルを表す。
【図28】図28は、カテーテルの内側に硬化または形成する部材を伴う、軟質換気カテーテルを表す。
【図29】図29は、標準呼吸コネクタに適応可能な換気カテーテルを表す。
【図30】図30は、カテーテルが非閉塞性位置決め部材を有する、換気カテーテルおよびカテーテルガイドを表す。
【図31】図31は、気管前壁から制御された所望の距離にカテーテル先端を設置するように位置付けられるスペーサを伴う、換気カテーテルを表す。
【図32】図32は、気管内腔の中心にカテーテルの先端を位置付ける略直角湾曲部を伴う、換気カテーテルを表す。
【図33】図33は、圧縮可能瘻孔管密封を伴う、換気カテーテルを表す。
【図34】図34は、人工呼吸器とハンドシェイクを行う電子タグを伴う、スマート換気カテーテルを表す。
【図35】図35は、展開可能な内部保持フランジを伴う、造孔または瘻孔管ガイドを表す。
【図36】図36は、種々の温度条件で吸気および呼気を区別するのに有用な、負および正の両方の係数サーミスタを使用する、2つの呼吸センサ配列を伴う、換気カテーテルを表す。
【図37】図37は、主題の発明の治療法について患者を評価する目的による、スクリーニングおよび負荷試験アルゴリズムおよび方法を表す。
【図38】図38は、階段状または先細拡張部分を伴う、特殊カテーテルを表す。
【図39】図39は、本発明全体を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のさらなる理解を提供するように含まれ、本明細書の一部に組み込まれ、かつ構成する、添付図面は、本発明の好ましい実施形態を図示し、詳細な説明とともに、本発明の原則を説明する働きをする。
【0017】
図1ならびに表1および2は、従来の治療法とは対照的な、本発明の換気療法を表す。本発明の主要な実施形態では、患者の呼吸が、特定の換気・酸素送達パラメータによって増強され、患者によって装着または携行される、非常に小型の軽量携帯型換気装置に連結される、留置経皮経気管カテーテルにより、気管の中へ直接送達され、以降で経気管吸気同期ジェット増強換気(TIJV)と呼ばれる、換気方法を説明する。患者の吸気相と同期して、ガスのジェットパルスが気管の中へ送達される。
【0018】
図1fおよび1gは、TIJVを表し、比較のために、図1a〜1eは、従来の治療法を表す。図1aでは、HFJVが示され、毎分約20回の呼吸における患者呼吸流曲線2を示す。ジェット人工呼吸器の流動曲線1は、患者の呼吸サイクルと非同期であり、毎分約60サイクルの割合で循環している。図1bは、高流動酸素療法(HFOT)を表す。HFOTガス源流は、HFOT流動曲線10によって示されるように、継続的に患者に適用される。図1cは、経気管酸素療法(TTOT)およびパルス需要酸素送達(DOD)療法、ならびに各流動曲線14および16を表す。TTOTは、患者に、典型的に1〜6LPMの連続流動14を適用し、DODは、吸気相I中に低流動パルス酸素流16を送達する。図1dは、患者呼吸努力20が検出されると、機械的呼吸18が従来の集中治療人工呼吸器から送達される、経気管切開換気(TOV)を表す。図1eは、患者の肺圧力PがCPAP圧力設定24まで上昇される、持続的気道陽圧(CPAP)換気を表す。
【0019】
ここで図1fおよび1gを参照して、TIJV流動曲線21は、患者の吸気相Iと同期し、DODよりも明白であることが示される。TIJV25による肺圧力の変化より分かるように、該治療法は、患者の肺圧力を増加させ、よって患者の呼吸筋を助け、TIJV換気ガスが肺の深くに浸透していることを示す。
【0020】
ガスは、患者の呼吸頻度に整合する頻度で送達され、典型的には、毎分12〜30サイクル、よって、典型的には毎分60サイクルであるHFJVと比較して、相対的に低い頻度である。典型的には、毎呼吸25ml〜150ml、または典型的には、患者の1回換気量の必要量の10〜25%といった、CPAP、HFJV、およびHFOTと比べて低毎分量のガスが送達される。ガス源供給流量は、CPAP、HFJV、およびHFOTと比較して相対的に低く、典型的には4〜8lpmであり、人工呼吸器に対する吸入圧力の必要量は、CPAP、HFJV、およびHFOTと比べて相対的に低く、典型的には10〜30psiである。ガスは、典型的に、加熱加湿を必要とするCPAP、HFJV、およびHFOTとは対照的に、人工的な加湿を加えずに、患者に送達することが可能である。
【0021】
典型的には25〜400メートル/秒である、ガス送達速度は、典型的には約10メートル/秒であるLTOTおよびDODと比べて速い。ジェット効果は、肺の中への酸素のより良好な浸透を可能にする。相対的に速いガス出口速度はまた、カテーテルによって送達される量の典型的に5〜100%である、カテーテルの上方からのガス量を吸い込んで肺の中へ入れる、カテーテルガス退出点におけるベンチュリ効果を引き起こす。この吸い込まれたガスは、自然に加湿され、機械的に送達されたガスを加えて、治療法の利益を拡大する有益な効果があるが、下部気道を乾燥させる危険を冒さず、かつHFJVと比較して相対的に低い頻度により、口からの唾液または食道から気道内への胃内容物の不注意な吸引の危険を冒さない。HFJV療法では、50〜75%ガス量(送達されたガスの割合として)が上部気道から吸い込まれるが、毎分60サイクルで、吸引および発話障害の危険性がある。HFJVは、急性の危機的な状況でのみ有用である。
【0022】
TIJVでのガス源供給は、典型的に、液体酸素源(LOX)、圧縮酸素源、または酸素発生源のいずれかである。該システムは、超小型携帯型システムであり、ガス源のサイズによっては典型的に2〜8時間持続して、患者の可動性を最大限化する。したがって、独特のTIJVパラメータにより、パルスガス送達は、患者のバルク換気ガス交換を増強し、呼吸において呼吸筋を補助するが、それらを怠惰にせず、ならびに酸素送達を改善するように設計されており、よって換気および拡散の両方を積極的に達成する。
【0023】
DOD療法では、ガスは常に、低流量パルス(<6LPM)で、典型的には鼻経路を通して気道の中へ送達され、よって、換気ではなく拡散を達成する。よってここでの本発明は、ガスパルスがより速くより高い量パルスにおいて、DODにおける1〜6LPMの体積流量と比較して、12〜30LPMの体積流量で送達されるという点で、DOD療法とは異なり、したがって、DODのように拡散の改善だけよりもむしろ、換気および拡散の両方の改善を提供する。
【0024】
従来の量制御または圧力制御ICU型人工呼吸器には、経気管切開換気(TOV)においてGregorettiによって記載されているように、患者から吸気を感知した時に補助呼吸を送達する能力があることに注目すべきである。しかしながら、TOVでは、人工呼吸器は、患者に完全または略完全機械的呼吸を送達し、真に患者を補助するよりもむしろ、患者の呼吸機構を支配する。医学会ではまだ説明されていないものの、これらの人工呼吸器は、TIJVと同じ圧力または量を送達するように設定され得る。しかしながら、これらの種類の機械的人工呼吸器は、患者が機械的呼吸を受領すること、およびその呼吸量を吐き出し、人工呼吸器に取着される大口径呼吸回路を通して戻すこと、の両方を行うように設計されている。TIJVでは、人工呼吸器へとジェットカテーテルを通って出る、患者による呼気がなく、むしろ全ての呼気ガスは、自然呼吸経路を退出する。呼吸回路を退出する呼気ガスを意図的に検出することを見込む、従来の人工呼吸器を使用する場合、呼気ガスが検出されず、故障状態が誘起されて人工呼吸器機能が中断されるため、人工呼吸器は、システムの漏れを疑う。したがって、従来の人工呼吸器は、TIJV療法を送達するために使用することができない。実際、小口径換気カテーテルを通して治療パラメータを送達するために従来のICU人工呼吸器の使用を試みた場合、数々の警報および人工呼吸器の動作不能状態が誘起されるであろう。これらの従来の人工呼吸器が、TIJVを行うようにどのように修正され得るかは、明確でも明白でもなく、そのようなものとして、TIJVを行うために全く新しい人工呼吸器設計が必要とされる。さらに、それらの設計により、従来の人工呼吸器は、本質的に重く、非小型であり、外来TIJV療法に適さない。TIJVの鍵は、その軽量および小さいサイズにより、外来療法につながることである。理想的には、ガス源およびバッテリを含むTIJV人工呼吸器は、ユーザによってうまく抱えられるために、5.5lbs未満となるべきである。
【0025】
表1は、酸素療法装置と比較したTIJV換気の出力を表し、出力の根本的な違いを示す。
【0026】
【表1】

表2は、TIJVの出力をさらに詳細に表す。
【0027】
【表2】

本発明の主要な実施形態では、TIJV増強量送達パルスの送達のタイミングを合わせ、制御する目的で、呼吸パターンが感知される。図2は、ドリフトおよびアーチファクトを補う呼吸センサを使用するステップの実施形態を表す。呼吸センサからの情報を分析することによって、呼吸曲線の様々な部分が区別される。例えば、呼吸曲線の微分係数を得ることによって、呼吸曲線の異なる部分を識別することが可能である。例えば、符号の変化は、吸気流が増加を停止して減少し始める時の、吸気の点を示す。または、吸気の開始と吸気の終了との間の異なる点が識別され得る。次いで、これらの異なる特徴的な点は、増強パルスの送達を誘起し、時期を選ぶために使用することが可能である。
【0028】
図2aは、患者呼吸流曲線2を表す。図2bでは、1次および緩和センサ信号間の信号差分34が描画されている。図2cは、信号差分曲線34の1次微分の曲線42を示す。したがって、差分曲線34は、一般的に使用されている典型的圧力または流動センサに由来する、図2dに示される従来技術の圧力または流動センサ信号36で示されるような、典型的な呼吸感知システムで存在し得るドリフト38またはアーチファクト40を補う。
【0029】
図3では、従来のLTOTが再び表され、患者量曲線43およびLTOT量曲線44を示す。図4は、DODを再び表し、患者量曲線43およびDOD量曲線を示す。吸気が開始したことを呼吸センサが感知すると、DODシステムは、酸素を患者に送達する。典型的に100〜200ミリ秒である、システムにおける応答時間以外は、酸素は、吸気の開始が検出されるとすぐに送達される。
【0030】
図4は、増強量パルス50パルスがより顕著であり、吸気相I内の任意の計略的時間で送達され得るという点で、本発明が既存のシステムとどのように異なるかを表す。例えば、呼吸筋が、吸気曲線の最初の「増加流量」部分が発生する作業または作業のほとんどを生じた後に、吸気の後半で増強パルスを送達することが可能である。呼吸筋が動いている間に個人が換気される時、このような個人は神経筋的に怠惰となり得て、経時的に人工呼吸器にますます多くの吸気作業を行わせることが知られており、よって個人の吸息筋を弱めるので、望ましくない。本発明は、吸息筋が動いていない、またはあまり作業を行っていない時である、吸気相の後期において酸素を送達することによって、この問題を回避することが可能である。または、代案として、吸気の初期において増強パルスを送達することが可能である。例えば、患者が労作下にある場合、吸気流は吸気の初めに急であり、したがって、非常に早期の増強トリガがより快適であってもよく、または、患者が安静である場合は、吸気流曲線が吸気の初めにゆっくりである時に、増強トリガ時間のわずかな遅延がより快適となる場合がある。さらに、本発明では、増強パルス送達の開始点は、手動調整によって、または、例えば、呼吸パラメータからのフィードバックによる自動調整によって、所望のように吸気相において前後に調整することが可能である。送達時間は、個人の吸気相の長さおよびI:Eに応じて、典型的には0.1から0.8秒である。さらに、本発明の主要な実施形態では、呼吸曲線を測定する場合に、カテーテルまたは呼吸回路管腔中の空気流量または気圧を測定する、全ての他の従来技術のシステムとは対照的に、気管内の吸気および呼気流量を直接測定するように、呼吸センサがカテーテル上に含まれる。流動の方向性および流動の振幅の両方が測定されて、呼吸パターンの全体を通して呼吸の相および呼吸の深さの両方を識別する。従来技術のシステムは、呼吸曲線の他の部分ではなく、吸気の開始を測定することのみに優れている。
【0031】
また、本発明では、吸気内で多重パルスを送達することが可能であり、パルス振幅を調整52することが可能であり、吸気の初期54または吸気の後期56にパルスを移動することが可能である。また、増強量パルス50に付随して、2次少量増強パルス58を送達することが可能であるか、または、増強量パルス50に付随して、2次換気ガス流60を送達することが可能である。
【0032】
さらに、本発明の主要な実施形態では、図5〜19は、TIJVに必要とされる圧力および流動を提供する、独特の空気圧式駆動システムを表す。
【0033】
第1に、図5では、人工呼吸器100、LOXユニット110、LOX112、LOXユニット真空チャンバ114、LOX出口チューブ116、熱交換器124、ヒータ120、逆止め弁122、酸素ガス貯蔵部128、貯蔵部圧力調節器126、ガス出口オン/オフ弁130、患者Ptへの出口、および入来呼吸信号Sを含む、独自のLOXシステムが、TIJVに必要とされる圧力および流動を提供するように表されている。典型的なLOXシステムは、液相酸素区画、および液体酸素の沸騰によって絶えず満たされている酸素気相区画を含む。相変化は、熱交換器ユニットによって触媒される。これらのシステムは、ガスを雰囲気に流出させて23psiを超える加圧を回避することによって、気相区画を約23psiに維持する。典型的な医療用LOXシステムは、とりわけ酸素を節約するように設計されており、そのようなものとして、それらの出力は、TIJVの要件と比較して相対的に弱い。携帯性のために考案されている小型LOXシステムは、非常に低い流量(<3LPM)および低い圧力(5psi以下)でガスを送達するように設計されている。より大きい、携帯性の低いLOXユニットは、より大きい流動出力のために設計されており、しかしながら、より大きいサイズのため、現実的には活動的な歩行可能患者には適さない。システムが患者に対して開放されると、瞬時に気相区画中の圧力が低下するため、典型的なシステムは、23psiをはるかに下回る圧力において、毎分4リットル以下の連続流量で酸素ガスを送達することが可能である。気相区画は、典型的に50ml未満のガスを含有し、沸騰によるガス生成の割合は、典型的に20平方インチ未満の表面積である熱交換器の設計および構造のため、毎分4リットル以下に限定される。患者へのガス流出力もまた、典型的には直径が0.10”未満である、出口弁の開口のサイズによって限定され、よって、空気流量を制限する。本発明では、熱交換器ユニット54は、毎分6〜10リットルの割合でガスを生成するように、典型的には30平方インチより大きい、より広い表面積を伴って設計され、典型的には直径が0.15”より大きい出口開口も、その流量出力を可能にする。ヒータ56を追加して、気体O2の生産の割合を増加してもよい。気相区画のガス量は、典型的には80ml以上であり、250mlとなり得て、それは典型的には、圧力調節器60、貯蔵部58、逆止め弁66、オン/オフ弁62、および入来呼吸信号64を含む。この独特の設計は、継続的に20psi以上で6LPM以上の酸素ガス出力流量を提供し、よって、TIJVで必要とされる換気パラメータの需要を満たす。独特のLOXシステムは、正しい圧力で、かつ呼吸曲線の正しい時間で、必要量のガスを送達するために、カテーテル、ならびに前述の全ての必須感知部品およびタイミング機能を含む。
【0034】
図6では、2つの圧力設定を伴うLOXシステムを備える、付加的な実施形態が示される。患者があまり強力でない治療法を必要とする、またはLOXを節約する必要がある時に使用される、23psiの設定を伴う1つの低圧調節器126、および、必要とされる時、またはLOXの節約が懸案事項ではない時に、ユニットの出力を増加させるための、例えば30〜50psiの設定を伴う高圧調節器127である。例えば、飛行機で旅をする時、LOXシステムは、低23psi設定で設定し、飛行後、または補給ステーションがある目的地に到着した時に、高設定にリセットすることが可能である。2つの圧力調節器は、設定を切り替えるスイッチ129によって操作することが可能である、多岐管131で構成される。飛行中、23psi設定に対応するより低いレベルの増強ではあるが、患者はなおもTIJV療法を受けることが可能であるが、飛行後および患者が再びさらに活動的になると、圧力がさらに高い出力設定に設定されるため、増強レベルを増加させることが可能である。2つの圧力設定は、模範的なものであり、任意の数の圧力設定、または最小値と最大値との間の圧力設定の連続調整にもなり得る。
【0035】
図7は、圧縮酸素ガス源がTIJV人工呼吸器機能に組み合わせられて、統合型人工呼吸器およびガス源ユニットを作成する、代替実施形態を表す。酸素シリンダの出力調節器には、典型的には直径が0.1〜0.2インチである、従来の酸素療法ガス流調節器より大きい開口があるため、流動出力を>6LPMに上げて、TIJVの需要を満たすことが可能である。
【0036】
図8では、必須換気パラメータを提供するために使用することが可能である、独特の酸素発生装置を備える、本発明の代替実施形態が示される。酸素発生器ユニット160は、ポンプ162、圧力増幅器164、ガス貯蔵部/蓄積器168、貯蔵部入口調節器166、および貯蔵部出口オン/オフ弁130を含む、人工呼吸器100に組み込まれる。典型的な酸素発生装置は、酸素の相対的に弱い出力を生じる(<5psiで<2LPM)。格納容量を増加させ、任意で空気圧式圧力増幅器を含むことによって、出力を4〜10LPMおよび10〜30psiに上げることが可能であり、よって、TIJVの圧力および量の必要性を満たすのに十分に強力である。この独特の酸素発生器システムは、TIJV療法で必要とされるように、正しい圧力で、かつ呼吸曲線の正しい時間で、必要量のガスを送達するために、カテーテル、ならびに前述の全ての必須感知部品およびタイミング機能を含む。
【0037】
図9:本発明の別の主要な実施形態では、TIJV療法は、LOXシステム、圧縮ガスタンク、または酸素発生器システム等の従来のガス源170を使用することによって達成することが可能であるが、独特の量蓄積器168および入口弁132がガス源と患者との間に配置される。蓄積器は、コンデンサの役割を果たし、患者の近くに加圧量のガスを格納する。蓄積器の出口は、増強時間中に相対的に高い流量が患者に送達され、したがって、必須量および圧力要件を満たすことができるように、相対的に無制限である。増強送達期間中、蓄積器は、切り替えられて開放する弁を通して患者へと減圧され、非増強時間中、蓄積器は、患者弁を閉じて、蓄積器とガス源との間の弁を開くことによって、ガス源から再加圧される。増強:非増強時間の比が典型的に1:2〜1:3であるため、増強パルス間で蓄積器は十分に再加圧されることが可能である。蓄積器がないと、従来のガス供給システムには、TIJVの換気パラメータを満たすのに十分な流量出力および/または圧力出力がない。この実施形態のさらなる利益は、安全性であり、弁構造のため、弁が開放できなかった場合には、シリンダ量のみを患者に送達することが可能である。この独特の蓄積器システムは、正しい圧力で、かつ呼吸曲線の正しい時間で、必要量のガスを送達するために、前述の全ての必須感知部品およびタイミング機能を伴う。
【0038】
図10:本発明の別の主要な実施形態では、TIJV療法は、従来のガス源(LOXシステム、圧縮ガス、またはO2濃縮器)を使用することによって達成することが可能であるが、独特のシリンダおよびピストンが、ガス源と患者との間に配置される。ガス源170からの流動は、入口弁132を通ってシリンダ180の中へ流れ、ピストン182を動かす一方で、出口弁130は患者Ptに対して開放し、ガス源170に対して閉鎖される。弁球183または同様の弁機能は、ガス源が患者に直接接続されるのを防ぐ。シリンダは、患者への流量を上げてTIJV要件を満たすために、前述の蓄積器システムと同様に、加圧量のガスを格納する。また、しかしながら、シリンダ中のピストンは、ガスが患者に送達されるにつれてシリンダ中の量を圧縮し、したがって、(圧縮により)シリンダ中で発生する圧力および流量の減衰を低減し、したがって、所与の期間に患者に送達される量を上げ、より長期間にわたって送達されるガスのピーク圧力を維持する。この実施形態のさらなる利益は、安全性であり、弁構造のため、弁が開放できなかった場合には、シリンダ量のみを患者に送達することが可能である。この独特の蓄積器/ピストンシステムは、正しい圧力で、かつ呼吸曲線の正しい時間で、必要量のガスを送達するために、前述の全ての必須感知部品およびタイミング機能を伴う。ピストンを伴わないシリンダ180を表す図10bと、ピストン182を伴うシリンダ180を表す図10cとの比較は、ピストンを使用することによって引き起こされる、平均圧力出力および量の増加を示す。
【0039】
図12は、本発明のジェット効果を詳細に表す。独特のカテーテル500は、適切な方法で患者にガスを送達するように表されている。送達カテーテルは、気管Tの内腔L中で竜骨Cの上方に位置する、その遠位先端(患者端)において、ノズル506または直径制限を含んでもよい。ノズルは、ガスの出口速度が増加され、カテーテル先端の周囲の局部においてベンチュリ効果を生成するような寸法である。ベンチュリは、カテーテルの上方の上部気道から空気を吸い込み、増強ジェット流21とともに左肺LLおよび右肺RLの中にその吸い込んだ空気400を入れる。よって、患者に提供される治療ガスの総量は、人工呼吸器から送達されているTIJV増強量(VA)50と吸い込んだ量(VE)400であり、よって、VA単独によって提供される換気補助を増大させる。VEは、上部気道から引き寄せられるため、自然に加湿されて、この方法で、人工加湿を加えずに、より長い期間にわたってTIJVが成功し得る。さらに、出口速度は、治療量の半分のみが人工呼吸器に由来するように、例えば50%吸い込みがあるように設計することが可能であり、よって、使用されている携帯型酸素供給の使用の長さを倍にする。ジェットは、5%〜100%吸い込みを提供するように調整することが可能であり、所望であれば、>100%吸い込みを引き起こすことさえも可能である。比較のために、TIJVの効果は、DODと比較されると、TIJVが吸い込んだ量を増加させ、そして患者の呼吸があまり活発でなくなるため、患者の呼吸数を減少させることを示すが、DODはこれらのパラメータに影響しない。
【0040】
あるいは、図13に示されるように、カテーテルの先端におけるノズル寸法は、例えば、内部要素を動かすことによって、または先端ID付近の要素を膨張または収縮することによって、自動的および/または遠隔的に調整可能となり得る。例えば、ノズル制限器要素510は、収縮512されて、低ジェット出力を生じることが可能であり、かつ、膨張514されて、高ジェット出力を生じることが可能である。または、ノズル制限器スライド520は、あまり制限されていないノズル位置522から、より制限された位置524へ動かされて、ジェット効果を増加させることが可能である。この実施形態では、ノズルは、吸い込まれる空気流量の割合を変更するように調整され、例えば、患者が鼻腔の乾燥を感じた場合、または唾液が気管の中へ吸引されているのを感じた場合、カテーテルの上方から吸い込まれるガスの量を低減するために、カテーテルを除去せずに、ジェット速度の量が低減され得る。または、患者がより機械的な支援を必要とする場合は、ジェットが増加され得る。ジェット調整は、任意で、生理的フィードバック信号の使用によって自動的に行われ得る。
【0041】
図14:本発明のさらなる実施形態では、周囲空気は、低または無消費電力混合装置を用いて送達されている酸素ガスと混合することが可能である。例えば、周囲空気は、加圧流動酸素ガスでベンチュリ効果を生成することによって空気を吸引することによって、加圧酸素と混合することが可能であるか、または、空気は、適切な弁調節によって追加することが可能であるか、または、混合チャンバ中の逆止め弁によって追加することが可能であるか、または、小型の低消費電力ポンプを用いて混合チャンバに追加することが可能である。例えば、図14aでは、ベンチュリ空気混合ユニット220が示され、ガス源から酸素を豊富に含むガス222を受領し、逆止め弁226を伴うベンチュリポート225が周囲空気224を吸引する。また、例えば、図14bでは、ピストンシステムが示され、ピストンがストロークして250、患者に量を送達するときは、逆止め弁が閉鎖され、ピストンが補給を行うときには、空気が逆止め弁を通ってチャンバに進入するように、逆止め弁230を伴うピストン182を備える。空気224は、入口弁132を通ってシリンダ180に運び込まれ、酸素を豊富に含む換気ガス222は、出口弁130を通ってシリンダに運び込まれる。次いで、空気と混合された酸素を豊富に含む換気ガスは、出口弁を通って患者に放出される。酸素ガスへの空気の追加は、小型携帯型システムの使用の持続時間を延長する。例えば、人工呼吸器が100%酸素の増強パルスを送達している場合、1リットルシリンダの圧縮酸素を使用するシステムは、2時間持続することが可能である、しかしながら、増強パルスが50%酸素および50%窒素となるように周囲空気が混合される場合は、1リットルシリンダは、約5時間持続することが可能である。
【0042】
図15:本発明の別の実施形態では、患者へのシステムの圧力出力を上げるために、圧力増幅装置が使用される。人工呼吸器100は、ガス源170、圧力増幅器ユニット530、貯蔵部/蓄積器168、オン/オフ弁130、患者Ptへの流動、および入来呼吸信号Sを含む。圧力増幅器ユニットは、駆動空気圧542を受領する入口ステージ540、および増幅空気圧546を発する出口ステージ544を含む。図式的に、増幅器は、ガス供給548、フィルタ550、調節器552、ガス駆動入口554、およびガス供給出口558を含む。ガス供給からの引き込んだ圧力は、1psiほどの低さとなり、かつ10〜30psiに増幅されることが可能であり、よって、十分な圧力および流動を提供してTIJVを達成する。あるいは、圧力増幅器の出力は、前述のように増強パルス中の蓄積器の減圧中に、送達することが可能である量を上げる、蓄積器に格納することが可能である。圧力増幅器は、小型LOXシステム、酸素濃縮器システム、または低出力電気式空気ポンプ等の相対的に弱いガス供給が、ガス源に使用されることを可能にする。圧力増幅器ユニットは、空気圧式でパワー供給されるか、または電空式でパワー供給されることが可能である。
【0043】
図16:本発明の別の実施形態では、増強量を格納および送達するために、複数の蓄積器またはピストンが使用される。人工呼吸器100は、ガス源170、出口弁574および576を伴う蓄積器570および572の配列、および患者Ptへの主要出口弁130を含む。例えば、第1の蓄積器またはピストンが第1の増強パルスに対して患者へ減圧し、第2の蓄積器またはピストンが次の増強パルスにおいて患者へ減圧するように、蓄積器またはピストンは、交代することが可能である。この方法で、各蓄積器またはピストンには、より長い再加圧時間(1つの蓄積器またはピストンを伴うシステムと比較して2倍長い)があり、したがって、より高い圧力から減圧し始めるため、増強パルス中に十分な量を送達することが可能である。この実施形態は、速い呼吸数の状況、例えば、毎分30回より多い呼吸において、特に有用である。
【0044】
図17:本発明の別の実施形態では、独特のシステムは、TIJVを送達するための増強量および増強時間の独立制御を提供するが、圧力または量フィードバックループを使用しない。図17aは、針593、可変開口592、弁本体591、弁入口590および出口594、圧力または流動センサ596、およびフィードバック調整信号598を伴う、流動制御弁の従来の方法を表す。図17bに示される本発明では、逆止め弁600を伴う蓄積器602、604、および606の配列、ならびに異なるサイズの開口616、618、および620の配列は、正しい組み合わせの蓄積器を起動し、正しい開口サイズを使用することによって、任意の合理的な所定の増強時間および増強量を送達できるように、弁調節システム608、610、および612ならびに多岐管614とともに配設される。この実施形態は、増強量送達時間および増強量の独立した選択を可能にする。例えば、所望されるものに応じて、100mlを0.2秒で送達され得るか、または0.4秒で送達され得る。
【0045】
図18:本発明の別の実施形態では、患者に送達される量を増幅するために、バネを伴うピストンが使用される。貯蔵部/蓄積器168は、シリンダ180、移動ピストン182、患者PTへの出口弁130、加圧および減圧出口チャンバ640、およびバネ232を含む。ピストンは、患者への弁130を通して減圧するシリンダによって、1つの方向にストロークする。ピストンの反対側の圧縮バネ232は、移動ピストンに速さを加え、よって患者へのシリンダ出口流量を増加させる。次いで、シリンダは、弁130を通して再加圧し、バネ232を圧縮し、次の増強送達のためにサイクルを反復する。
【0046】
図19:本発明の別の実施形態では、量送達を修正するために、調整可能量シリンダが使用される。示されるこの実施形態では、シリンダ中のピストンは、左右にストロークし、各ストロークは、患者へ量を送る一方で、ピストンの他方の側のチャンバの反対側へ、患者への次のストロークに備えて、ガス供給から再加圧している。シリンダ180は、移動可能ピストン182、シリンダの両端上の入口および出口弁(130および132)、移動可能端キャップ650、端キャップを動かすために使用されるネジ山システム652、調整ノブおよびネジ654、任意で、調整駆動ベルト656または他の駆動システム、任意で、ノブおよびネジ回転位置センサ658、任意で、端キャップ軸方向位置センサ660を含む。調整は、例えば、シリンダの1つの端キャップを内側または外側に向けて動かすためのノブおよびネジの使用による、手動となり得る。変更量は、蓄積器の変更容量のため、シリンダ減圧中に送達される量に影響を及ぼす。あるいは、調整は、電気的に制御することが可能であり、任意で、調整位置は、センサ660または658の使用によって、表示または制御ループ機能のために感知することが可能である。また、あるいは、同じ調整機構を前述のピストン実施形態に適用することが可能である。
【0047】
図20:本発明の別の実施形態では、増強パルスを所望の波形に成形することが可能である。これは、例えば、シリンダの出口上の可変開口、またはガス源圧力、またはストローク速度により制御することが可能である、ピストンストローク速度の制御によって、達成される。例えば、グラフに示されるように、TIJV量50は、正弦波、方形波、下降波、または上昇波となり得る。
【0048】
図21:本発明の別の実施形態では、気道に圧力を与え戻すことによって、罹患した虚脱可能な遠位気道の虚脱を低減する効果を及ぼす、呼気逆流が表される。次いで、呼気流722の増加およびさらなる量は、呼気中に患者によって吐き出されることが可能である。呼気逆流は、方形呼気逆流の流動曲線720、短パルス728、多重パルス732、上昇または下降プロファイル730および734、振動724、サイン波726等の、種々の圧力または流動プロファイルで、あるいは呼気の開始または終了に、および高、中、または低振幅において、送達することが可能である。ピストンが増強ストロークの反対方向にストロークしている間に、呼気逆流は、前述のピストンによって送達することが可能であるか、または患者とガス供給との間の単純弁によって、または増強送達機構から独立している第2のシリンダまたはピストンによって、送達することが可能である。カテーテル500が、気管Tの内腔Lに示される。カテーテルからの呼気逆流ガス退出は、不均一な速度プロファイル760を引き起こすように非拡散性762となり得るか、またはより均一な速度プロファイル764を生成するように拡散性766となり得る。ガス退出動態は、カテーテル上のガス退出ポートによって調整され、単一ポートは、非拡散ガス退出に有用であり、いくつかの小さい側面ポートは拡散ガス退出に有用である。速度プロファイルは、患者の気道の虚脱可能性に基づいて選択され、例えば、より均一なプロファイルが、より高度の虚脱可能性に使用される。逆流振幅はまた、CO2、呼気流動、量変化等の生理的信号に基づいて、手動または自動で調整することも可能である。
【0049】
図11:本発明の別の実施形態では、気管ガス吸入流210が送達されて、TIJV増強流21に付随して、上部気道中でより高い酸素ガス濃度を生成することが可能である。カテーテル50は、増強流退出ポート502および吸入流退出ポート504を含む。吸入は、患者の吸気相中の計略的時間で送達することが可能であるか、または患者の呼気相中の計略的時間で送達することが可能である。例えば、吸入が増強パルスに先行する250ミリ秒の吸気中に送達される場合には、増強ジェットによって肺の中へ吸引される吸い込まれる空気は、O2含有量がより高くなる。または、吸入が呼気中に送達される場合、所望の効果を及ぼし、また前述の呼気逆流を提供することも可能である。吸入流の振幅は、手動または自動で調整可能となり得る。
【0050】
図22:本発明の別の実施形態では、気管中のCO2含有量を低下させるために気管ガス排出が使用され、それは、濃度勾配のために発生する混合および拡散により、肺の遠位区画中でより低いCO2含有量を引き起こす。排出流780は、吸気、呼気、または両方の間に適用することが可能であり、排出プロファイルは、一定、振動性、同期、正弦等となり得るか、または気管中のCO2レベルを監視すること等によって、バイオフィードバックによって判定されるような割合および振幅で、断続的に適用することが可能である。
【0051】
図23:本発明の別の実施形態では、最適に小型の人口呼吸器は、ガスシリンダの従来の形状を収容しない場合があるため、人工呼吸器は、小型人工呼吸器の全体的形状を最適化するために、非円筒形ガス蓄積器またはガス供給貯蔵部を含むことが可能である。例えば、形状は、凹面800、または相互接続した一連のシリンダ802、または導管システム806となり得る。または人工呼吸器筐体804自体が、二重層ケーシング805を有することによって、ガス貯蔵部またはガス供給を備えることが可能である。示されている場合において、人工呼吸器筐体の断面は骨型であるが、しかしながら、任意の合理的な形状となり得る。非伝統的な形状の貯蔵部は、50psi未満である、本発明の典型的な作動圧量を扱うことが可能である。
【0052】
本発明の別の実施形態では、人工呼吸器は、人工呼吸器の内部にある、または人工呼吸器に外部接続されるかのいずれかである、手動手回し式充電発電機による電動である(図示せず)。
【0053】
本発明の別の実施形態では、人工呼吸器は、ユーザによって作動される手動空気圧式ポンプシステムによって、ガス流および圧力を受領することが可能である。(図示せず)。
【0054】
図24〜33に示される本発明の他の実施形態では、気管の中心にカテーテル先端を離間させ、先端が突き出てなく、他の経気管カテーテルでは説明される問題である、気管の壁を刺激または損傷しないカテーテル設計が表される。また、ジェットパルス中に先端が打ちつけないように、気管内腔の中心にカテーテル先端を安定させることが重要である。打ちつけることは、他のカテーテルでは問題であり、気管壁の外傷を引き起こし得る。さらに、増強パルスが左肺LLおよび右肺RLの下位部に効果的に到達するために、先端は、気管壁Wに向かってではなく、概ね竜骨Cの方向に方向付けられるべきである。
【0055】
図24:本発明の一実施形態では、瘻孔スリーブ808を通って挿入され、前壁AWに接触し、後壁PWから間隔をあけ、気管内腔Lの中心にカテーテルガス退出ポート811を離間させる、約360度の湾曲部809を伴うループ状カテーテルが表される。退出ポートを越えるカテーテル管腔が閉塞されるため、ガスはポート811から外へ退出することが可能であり、または、カテーテル先端が竜骨に向かって下向きに指すように、ループは延在することが可能である。カテーテルループは、ループの前部分が常に気管前壁に接触しているように付勢され、よって、カテーテル退出ポートは、気管内腔の中央のどこかになることを確実にする。あるいは、図25に示されるように、カテーテルは、遠位先端が竜骨に向かって下に方向付けられるように、約450〜540度のループ810を備えることが可能である。この実施形態では、気管前壁および後壁のいずれか、または両方との接触があるように、カテーテルが付勢されるように曲がることがより有利であり得る。この実施形態はまた、気管壁に穏やかな張力を印加して、それを定位置に保つことに役立つが、しかしながら、咳とともに気管が虚脱すると、湾曲カテーテルが気管を圧迫する。
【0056】
図26:本発明の別の実施形態では、二重カニューレ設計が、造孔または瘻孔スリーブ808を伴って表される。外部誘導カニューレ820は、誘導カニューレを便利に除去および再挿入することができるように、取り外し可能にスリーブに取着する。誘導カニューレは、特に薄壁、例えば0.010”〜0.030”であり、典型的には、編組またはコイル強化エラストマーまたは熱可塑性物質で作られて、よじれに抵抗する。誘導カニューレは、半剛性であるものの、気管の前後幅と比較して短く、したがって、非外傷性である。内部カニューレは、TIJVカテーテルであり、誘導カニューレのIDにぴったりと適合するような寸法である。TIJVカテーテルの先端は、誘導カニューレの先端を越えて延在する。誘導カニューレの半剛性は、TIJVカテーテルが辿る所定の既知の進路を提供し、したがって、気管内腔のどこかにTIJVカテーテル先端を位置付け、気管壁に接触しない。
【0057】
図27:本発明の別の実施形態では、気管の前壁の近くにとどまることを目的とし、よって、咳または気管支けいれん中に患者の気管が虚脱する時に後壁が刺激されない、形成カテーテル設計が表される。カテーテルの先端付近では、先端が気管前壁から離れて方向付けられるように、カテーテルは穏やかな前部屈曲842および後部屈曲843を成す。瘻孔スリーブの内部フランジ922は、その場所で前壁から離れたカテーテルの離間を提供する。カテーテルは、調整可能となり得るフランジ844を含む。あるいは、カテーテル先端は、気管前壁からそれを押しのける、非外傷性スペーサを含むことが可能である。
【0058】
図28:本発明の別の実施形態では、気管壁と接触した時にそれを刺激しないように、例えば30〜60ショアAの、極めて軟質の材料から成る、カテーテル設計が表される。軟質の非常に柔軟なカテーテルの形状は、カテーテル構造に埋め込まれる硬いフィラメント硬化部材830、例えば、必要および所望形状に形状設定された、薄いステンレス鋼、熱可塑性または形状記憶ワイヤによって維持される。
【0059】
図29:別の実施形態では、短い気管切開チューブ860または喉頭切除チューブ等の標準気管チューブのオスコネクタに接続され、かつ気管チューブの長さを通って、センサが空気流を感知することが可能な気管気道の中へ延在する、突出または延長センサ900を含む、カテーテルが表される。
【0060】
図30:本発明の別の実施形態では、気管内腔中でカテーテルを中心化する固着バスケット850を有する、カテーテル設計が表される。バスケットは、(咳またはけいれん中の)気管直径の部分または完全虚脱がバスケットによって妨げられず、いずれの接触も非外傷性となるように、非常に寛容である。バスケット材料は、肉芽組織成長を促進せず気管壁に取着しないように、潤滑で丸くなければならない。バスケットは、典型的に、容易な挿入および除去のためにスリーブから解放可能であるが、その柔軟性質により、造孔を通して容易に挿入および除去することも可能である。あるいは、バスケットは、膨張可能な有窓カフとなり得る。
【0061】
図31:本発明の別の実施形態では、気管の前壁から間隔をあけるスペーサ840を含む、カテーテル設計が表される。スペーサは、軟質材料、または高度柔軟膜に被包される形状記憶発泡体となり得る。または、スペーサは、膨張可能カフとなり得る。カフは、ユーザによる膨張を必要とする、通常は収縮したカフとなり得るか、または挿入および除去のために収縮を必要とする、通常は膨張した自己膨張式カフとなり得る。スペーサは、瘻孔スリーブ808またはカテーテル50の突出部となり得る。
【0062】
図32:本発明の別の実施形態では、直角またはほぼ直角864に形成されることによって、気管内腔中で最小限に拡張することを目的とする、形成カテーテル設計が表される。この形状は、カテーテルの先端が竜骨に向かって下に方向付けられることを可能にするが、カテーテルの長さが非常に短い。気管が虚脱されない限り、カテーテルの本体が気管壁に接触しないため、気管が動き、伸長している時に、この形状は有利であり得る。カテーテルはまた、調整可能フランジ860も含み、カテーテルの挿入の必要な深さを設定する。
【0063】
図33:別の実施形態では、経皮的に造孔術部位にカテーテルシャフトを密封および固定するための、柔軟および/または膨張可能密封スリーブ870を備える、カテーテルが表される。スリーブは、自己収縮式または膨張式、または手動収縮式または膨張式設計、例えば、収縮流出ポートを伴う柔軟エラストマー膜に被包された記憶フォームとなり得る。
【0064】
図34:別の実施形態では、互いに接続する、近位外部カテーテル部分900および遠位内部カテーテル部分902がある、スマートカテーテルが表される。各部分は、電気的署名を生じる微小装置を含有し、遠位部分署名タグ908は、近位部分認識タグ910によって認識される。この方法で、異なる治療モードに対する異なるカテーテル設計を人工呼吸器ユニットに取着することが可能であり、人工呼吸器ユニットは、どのカテーテル、したがってどのモードを使用するべきかを検出する。例えば、非ジェットカテーテル904を取着することが可能で、人工呼吸器は非ジェットモードに切り替えることが可能であり、かつジェットカテーテル906を取着することが可能で、人工呼吸器はジェットモードに切り替わる。または、電気的署名は、使用時間を追跡し、カテーテルの交換または掃除が必要である時をユーザに警告することが可能である。または、署名は、患者特有となり得るか、または成人および小児患者を区別するか、または、治療法の順守を報告することが可能である。
【0065】
図35:別の実施形態では、気管経皮造孔術部位における配置のための、経気管カテーテルスリーブ808が表される。スリーブは、かろうじて気管内腔の内側にスリーブの遠位端を位置付け、スリーブの不注意な抜去を防ぐ目的で、近位フランジ920および遠位フランジ922を含む。スリーブが造孔の中へ挿入されている時に、引き込んだフランジ924が突出せず、スリーブが容易かつ非外傷性の挿入のために低い外形をとることができるように、遠位フランジは、スリーブの主要管腔の中に引き込み可能である。よって、気管の中へ挿入されると、引き込んだフランジに対して套管針を押すことによって、またはフランジを引き込んだ状態に保っていた解放コード930を解放することによって、フランジを展開することが可能である。
【0066】
図36:呼吸流動の方向性を判定する目的で、負温度係数NTCおよび正温度係数PTCサーミスタを組み合わせて冷却および加熱を検出する、センサ配設が表される。NTCサーミスタは、吸気を検出するのに特に有効であり、サーミスタがより冷たい吸気した空気によって冷却されると、吸気の開始が検出される。PTCサーミスタは、呼気を検出するのに特に有効であり、サーミスタがより暖かい呼気した空気によって加熱されると、呼気の開始が検出される。周囲温度を測定するために、外部参照サーミスタが使用される。周囲温度が、体温よりも冷たい場合、それは通常の場合であり、記載される配設が使用され、しかしながら、周囲温度が体温よりも暖かい場合には、NTCおよびPTCサーミスタの操作が逆転される。各サーミスタは、参照サーミスタNTCrおよびPTCrと対になり、各対の感知サーミスタおよびその参照サーミスタからの信号は、ブリッジを完成する抵抗Rを伴うホイートストン・ブリッジ960等の電子比較器を通して処理され、呼吸パターンにおけるアーチファクトおよび周囲条件のために発生するドリフトを緩和する、緩和出力信号952および954をもたらす。あるいは、静止温度および抵抗が既知の一定値に保たれるように電圧を印加することによって、サーミスタセンサを加熱することが可能である。したがって、吸気および呼気からの加熱および冷却は、周囲温度が分かっている時には高度に予測可能である。例えば、サーミスタは、120°Fに加温することが可能である。呼気は、吸気ほどサーミスタを冷却せず、したがって、呼吸相を判定することが可能である。正係数サーミスタは、カテーテルが呼気流に面する側に位置し、負係数サーミスタは、カテーテルが吸気流に面する側に位置するように、サーミスタをカテーテル上に配設することが可能である、962。または、代案として、空気流に完全に暴露されるように感知サーミスタを、および空気流にあまり暴露されないように参照サーミスタを配置する等、サーミスタは、何らかの他の計略的配向性で空間的に配設することが可能である964。
【0067】
本発明の別の側面では、センサが含まれ、種々の目的でバイオフィードバックを提供する。例えば、咳、または喘鳴、または呼吸困難の存在は、測定した呼気曲線をソフトウェア中のアルゴリズムと比較することによって監視される。悪化が検出された場合、気管支拡張剤等の薬剤を送達することが可能である。または、肺が乾燥しないように送達した量を増加または減少させる目的で、気管の湿度を監視することが可能であるか、あるいは、正しい肺湿度または正しい換気量を維持するために、上部気道の吸い込みを増加または減少させるように、ジェットベンチュリを増加または減少することが可能である。または、アクティグラフィセンサで患者活動レベルを監視することが可能であり、それに応じて換気パラメータを調整し、患者の活動レベルに整合させることが可能である。または、造孔スリーブ中またはカテーテル中に配置されたパルス酸素測定センサによって、経皮造孔において患者の静脈血酸素飽和度を測定することが可能であり、換気パラメータは、それに応じて調整される。または、患者の気管CO2レベルは、CO2センサで測定することが可能であり、換気パラメータは、それに応じて調整される。これら全ての予期される測定パラメータは、患者の状態の外部遠隔監視のために、テレメトリによって、またはインターネットによって、臨床医に伝送することが可能である。
【0068】
図37:新規の低侵襲換気および酸素療法の別の潜在的な問題は、新規治療法への患者の受け入れおよび耐性、ならびにミニ気管切開術等の介入への身体の順応である。例えば、患者は、治療法の効果がどのようなものであるかを体験することができない限り、介入が行われることを望まない場合がある。または、例えば、介入によって身体が最初に刺激を受ける場合があり、治療法が介入の直後に開始される場合、他の生理的反応によって利益が損なわれる場合がある。したがって、本発明の別の側面では、患者が治療法を体験することを可能にし、かつ治療法が開始される前に患者を介入に慣れさせる、新規の医療処置順序が表される。患者は、マスクまたは鼻・胃管、あるいはラリンゲルマスクまたは中咽頭気道(NGT、LMA、またはOPA)等の非侵襲性患者インターフェースを使用することによって、負荷試験を受ける。NGTを使用する場合、患者の鼻腔に麻酔をかけて、患者が容易にNGTに耐えることを可能にすることができる。次いで、この方法で、急性期の間にわたって患者にTIJVを適用し、患者が治療法にどれだけよく耐えるかを判定する。また、負荷試験から情報を抽出して、その患者にとって治療換気パラメータがどうあるべきかを推定することが可能である。負荷試験後に、ミニ気管切開手技を行い、順応スリーブおよび/または順応カテーテルを気道に導入する。例えば1週間の、一時的スリーブ/カテーテルを伴う亜慢性順応期間後、治療カテーテルおよび/または造孔スリーブを患者に挿入し、治療法を開始するか、または代案として、換気療法を開始する前に、別の短い順応期間をとる。患者が、例えば機械的換気から引き離されている、気管切開術の既往患者であった場合は、気管切開を通して気管へ直接負荷試験を適用することが可能である。患者が、例えば3mmの経気管カテーテルによるTTOTの既往患者であった場合、成熟造孔管がTIJVカテーテルにとって小さすぎる場合は、前述のように、鼻マスク、NGT、LMA、またはOPAから負荷試験を施行することが可能であるか、または代案として、既存の造孔に嵌合することが可能な、通常のTIJVカテーテルよりも小さいものを使用して、負荷試験を行う。または代案として、同じ、または同様の経気管カテーテル、または必要センサを伴う経気管カテーテルを使用して、経気管カテーテルから以前より存在する造孔を直接通して、負荷試験を送達する。次いで、必要であれば、より大きい順応カテーテルおよび/またはスリーブを造孔に配置し、それを拡張し、正しい順応期間後に、治療法を開始する。
【0069】
図38:本発明の別の実施形態では、階段状または先細拡張部分を伴う、特殊カテーテルが表される。カテーテルは、適切な深さに挿入することによって、順応期間中または治療期間中に適切な量まで造孔を拡張するために使用することが可能であるか、または、ますます大きい直径に造孔を連続して拡張するために使用することが可能である。カテーテルの先細部分は、固定または膨張可能となり得る。適切な直径が使用されるように、長さおよび直径の印が提供される。
【0070】
図39は、本発明全体を表し、統合ガス供給170、バッテリ101、量貯蔵部/蓄積器168、オン/オフ出口弁130、経気管カテーテル500、気管気流呼吸センサ101および信号S、ならびに任意の呼気逆流ユニット980、ガス排出ユニット982、および薬剤送達ユニット984、および各流動出力または入力988、およびバイオフィードバック信号986を含む、患者Ptによって装着されている装着型人工呼吸器100を示す。
【0071】
上記の異なる実施形態は、種々の方法で組み合わせられて、患者に独特の治療法を送達することが可能であることに注目するべきであり、その一方で、本発明は、その好ましい実施形態を参照して詳細に説明されており、本発明から逸脱することなく、様々な変更および組み合わせを行うことが可能であることが、当業者にとって明白であろう。また、本発明は、患者に対する可動式呼吸支援のための手段として説明されている一方で、なおも本発明の範囲内で、治療法が、より著しく障害され、かつおそらく非歩行可能な患者に対する、より高いレベルの支援を提供することができるように、あるいは、呼吸をしていない、または危機的に機能低下した患者に対する、完全またはほぼ完全な換気補助を提供することができるように、あるいは、緊急、現場、または輸送の状況で支援を提供することができるように、実施形態を適切に拡大縮小することが可能であることを、十分理解することが可能である。また、本発明は、経気管カテーテルを介して施行されるとして説明されているが、ETチューブ、気管切開チューブ、喉頭切除チューブ、輪状甲状間膜切開チューブ、気管支内カテーテル、ラリンゲルマスク気道、中咽頭気道、鼻マスク、鼻カニューレ、鼻・胃チューブ、フルフェイスマスク等の、種々の他の気道インターフェース装置により、換気パラメータを施行することが可能であることに、注目すべきである。実施形態で開示される換気パラメータは、成人呼吸増強に適合するように指定されている一方で、適切な拡大縮小により、治療法は、小児および新生児患者に適用することが可能であることに、注目すべきである。
【符号の説明】
【0072】
(参照番号)
Q:LPM単位の流量
t:秒単位の時間
y:y軸
x:x軸
I:吸気相
E:呼気相
V:量
Pt:患者
S:センサ信号
P:肺または気道圧力
T:気管
L:気管内腔
W:気管壁
C:竜骨
LL:左肺
RL:右肺
AW:気管前壁
PW:気管後壁
PTCr:正温度係数参照サーミスタ
PTC:正温度係数サーミスタ
NTCr:負温度係数参照サーミスタ
NTC:負温度係数サーミスタ
R:レジスタ
Prox:近位
Dist:遠位
LPM:毎分リットル
L:リットル
m/s:毎秒メートル
cwp:水圧のセンチメートル
cmH2O:水圧のセンチメートル
cl:中心線
1:HFJV流動曲線
2:患者呼吸流曲線
10:高流動O2治療の流動曲線
14:長期酸素療法(LTOT)の連続流動
15:長期的経気管酸素療法の連続流動曲線
16:LTOTパルス需要酸素送達(DOD)の流動曲線
18:機械的人工呼吸器の流動曲線
20:患者自発呼吸努力の流動曲線
24:持続的気道陽圧(CPAP)の流動曲線
21:経気管吸気増強換気(TIJV)の流動曲線
25:経気管吸気増強換気の肺圧力曲線
30:1次呼吸センサ
32:緩和呼吸センサ
34:1次呼吸センサと緩和呼吸センサとの間の信号差
36:従来技術の圧力または流動センサ信号
38:36におけるドリフト
40:36におけるアーチファクト
42:34の1次微分
43:患者量曲線
44:LTOT量曲線
46:LTOT DOD量曲線
50:TIJV量曲線
52:TIJV振幅の増加
54:TIJVタイミングの前への調整
56:TlJVタイミングの後への調整
58:2次TIJV量曲線
60:2次換気ガス流
100:人工呼吸器
101:バッテリ
102:逆流送達弁
103:ガス排出送達弁
104:薬剤送達ユニット
105:バイオフィードバック信号
110:液体酸素(LOX)ユニット
112:LOX貯蔵部
114:真空チャンバ
116:LOX退出チューブ
120:ヒータ
122:逆止め弁
124:熱交換器
126:圧力調節器
127:第2の圧力調節器
128:酸素ガス貯蔵部
129:トグルスイッチ
130:出口オン/オフ弁
131:圧力調節器多岐管
132:貯蔵部/蓄積器入口弁
140:開口の直径が>0.1”のO2ガスシリンダ出力調節器
160:酸素濃縮器ユニット
162:ポンプ
164:圧力増幅器
166:圧力調節器
168:ガス貯蔵部/蓄積器
170:ガス供給
180:シリンダ
182:ピストン
183:弁球
210:吸入ガス流
220:ベンチュリ混合弁
222:換気ガス
224:周囲空気
225:ベンチュリ入口ポート
226:ベンチュリ逆止め弁
230:ピストン逆止め弁
232:ピストン増強ストロークバネ
250:増強ストローク
252:補給ストローク
500:カテーテル
501:呼吸センサ
502:カテーテル換気ガス退出ポート
504:カテーテル吸入ガス退出ポート
506:ガス退出ノズル
510:ノズル制限器要素
512:低ジェット位置におけるノズル制限器要素
514:高ジェット位置におけるノズル制限器要素
520:ノズル制限器スライド
522:低ジェット位置におけるノズル制限器スライド
524:高ジェット位置におけるノズル制限器スライド
530:貯蔵部入口逆止め弁
540:圧力増幅器入口ステージ
542:圧力増幅器入口ガス駆動圧力
544:圧力増幅器出口ステージ
546:圧力増幅器出口圧力
548:圧力増幅器ガス供給
550:圧力増幅器フィルタ
552:圧力増幅器ガス供給調節器
554:圧力増幅器ガス駆動入口
556:圧力増幅器ガス供給入口
558:圧力増幅器ガス供給出口
570:蓄積器A1
572:蓄積器A2
574:蓄積器A1出口弁
576:蓄積器A2出口弁
590:量制御弁ガス入口
591:量制御弁可変開口
592:量制御弁本体
593:量制御弁針
594:量制御弁出口
596:量制御弁出口圧力センサ
598:量制御弁調整信号
600:蓄積器入口逆止め弁
602:蓄積器A
604:蓄積器B
606:蓄積器C
608:弁A
610:弁B
612:弁C
614:多岐管
616:開口1
618:開口2
620:開口3
640:ピストン出口チャンバ
650:移動端キャップ
652:ネジ山システム
654:調整ノブおよびネジ
656:調整駆動ベルト
658:回転位置センサ
660:端キャップ位置センサ
662:空気圧式調整ライン
720:呼気逆流の流動曲線
722:増加した呼気流
724:振動逆流曲線
726:正弦波逆流曲線
728:短パルス逆流曲線
730:上昇逆流曲線
732:多重パルス逆流曲線
734:下降逆流曲線
760:不均一速度プロファイル
762:非拡散ガス退出
764:均一速度プロファイル
766:拡散ガス退出
780:ガス退出の流動曲線
800:凹面蓄積器/貯蔵部
802:蓄積器シリンダ配列
804:人工呼吸器筐体
805:中空二重層ケーシング
806:導管蓄積器
808:瘻孔スリーブ
809:カテーテルの360度屈曲
810:カテーテルの540度屈曲
811:ガス退出ポート
820:誘導カニューレ
830:硬化部材
840:前壁スペーサ
842:カテーテルの前部湾曲部
843:カテーテルの後部湾曲部
844:調整可能フランジ
850:中心化/固着バスケット
860:短気管切開チューブ
864:カテーテルの90度屈曲
870:瘻孔密封
900:外部カテーテル部分
902:内部カテーテル部分
904:非ジェットカテーテル
906:ジェットカテーテル
908:署名タグ
910:認識タグ
920:スリーブの外部フランジ
922:スリーブが折り畳まれていない内部フランジ
924:折り畳まれた内部フランジ
930:フランジ解放コード
952:信号出力1
954:信号出力2
960:ホイートストン・ブリッジ回路
962:吸入または呼気流に暴露されるサーミスタ配設
964:空気流に暴露される、およびあまり暴露されないサーミスタ配設
980:呼気逆流ユニット
982:ガス排出ユニット
984:薬剤送達ユニット
986:バイオフィードバック信号
988:補助流動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)人工呼吸器と、
(b)患者の気道と連通するように構成される管類と、
(c)該患者の気道の自発気流量を測定するように構成される呼吸センサと、
(d)該患者の自発呼吸に同期した割合で換気ガスを送達し、かつ該患者の吸気相中に送達される、送達機構
を備え、
該人工呼吸器は、統合型酸素発生システムを含む、換気補助装置。
【請求項2】
換気ガス送達振幅は、補助されていない呼吸中の陰圧と比較して、吸気中に患者の肺の中でより小さい陰圧を引き起こすように選択される、請求項に記載の装置。
【請求項3】
換気ガス送達振幅は、補助されていない呼吸中の陰圧と比較して、吸気中に患者の肺の中で陽圧を引き起こすように選択される、請求項に記載の装置。
【請求項4】
呼吸筋がその最大仕事に到達した後にガスを送達するための手段を備える、請求項に記載の装置。
【請求項5】
吸気中に多重パルスで前記ガスを送達するための手段を備える、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記患者の快適性および換気の必要性に応じて、前記吸気相内で任意の時に発生するように前記換気ガス送達を調整するための手段を備え、該吸気相における時は、前記呼吸センサからの情報によって判定される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記調整手段は、気道ガス濃度に基づく生理的フィードバック機構によって前記換気ガス送達を自動的に調整することが可能である、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記調整手段は、呼吸の深さに基づく生理的フィードバック機構によって前記換気ガス送達を自動的に調整することが可能である、、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記調整手段は、呼吸の割合に基づく生理的フィードバック機構によって前記換気ガス送達を自動的に調整することが可能である、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記調整手段は、パルス酸素測定に基づく生理的フィードバック機構によって前記換気ガス送達を自動的に調整することが可能である、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記調整手段は、ユーザによって手動で行われることが可能である、請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記調整手段は、患者によって調整されることが可能である、請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記調整手段は、臨床医によって調整されることが可能である、請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記換気ガス送達手段は、1次換気ガス送達手段であり、前記装置は、2次換気ガスを送達するための手段であって、該1次換気ガス送達と比較して、より低いガス流量を備える2次換気ガス送達手段をさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項15】
吸気の初期において前記2次換気ガスを送達する手段を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
吸気の全体を通して前記2次換気ガスを送達する手段を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
呼気中に前記2次換気ガスを送達する手段を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記2次換気ガスは、前記上部気道中のCO2を置換し、その結果、前記1次換気ガスは、送達されるとき、該上部気道から下部気道の中へ空気を吸い込み、該吸い込まれた空気は、CO2が少なく、好ましくは、該2次換気ガスをオフにした時と比較して、CO2が少なくとも2%少ない、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記2次換気ガスは、50%〜100%、および好ましくは80%〜100%等の、高酸素濃度を備え、前記1次換気ガスは、21%〜60%等の低酸素濃度を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記換気ガス送達の圧力および流量振幅のうちの一方を調整する手段を備える、請求項に記載の装置。
【請求項21】
前記換気ガス送達圧力または流量の波形を、正弦波、上昇波、下降波、または方形波のうちの少なくとも1つを含む、所望の波形に調整する手段を備え、該調整手段は、弁、開口、ピストン、および調節器のうちの少なくとも1つを備える、請求項に記載の装置。
【請求項22】
前記換気ガス送達は、1次換気ガス送達を備え、前記装置は、呼気中にガスを気道の中へ送達して呼気流への逆抵抗を提供する手段をさらに備え、該逆抵抗ガス流動態は、気道虚脱を低減するように選択される、請求項に記載の装置。
【請求項23】
呼気の初期または呼気の後期のうちの一方を含む、前記呼気相内の選択可能な計略的時間に前記逆抵抗ガスを送達する手段を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記逆抵抗ガス送達は、呼気の全体を通して発生する、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記逆抵抗ガス送達動態は、前記気道における略均一の速度プロファイルを生成する、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記逆抵抗ガス送達動態は、前記気道における略不均一の速度プロファイルを生成する、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記1次換気ガス送達に加えて、前記気道から気道ガスを能動的に除去し、該気道中のガスのCO2含有量を低減する手段を備える、請求項に記載の装置。
【請求項28】
前記換気ガスは、酸素、またはヘリウム・酸素混合物、または酸化窒素混合物、またはその他の治療ガスのうちの少なくとも1つを備える、請求項に記載の装置。
【請求項29】
薬剤を送達する手段を備える、請求項に記載の装置。
【請求項30】
1つ以上の連結治療法、および(a)2次ガス送達、(b)呼気流逆抵抗を引き起こす、呼気中のガスの送達、(c)前記気道からのガスの除去、(d)ヘリウム・酸素または酸化窒素等の治療ガスの送達、(e)医薬の送達、を送達する手段をさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項31】
前記患者の必要性に基づいて前記連結治療法を調整する手段をさらに備え、該調整手段は、フィードバックに基づいて手動または自動となり得、該調整手段は、該連結治療法をオンまたはオフにすること、または該連結治療法の幅を変えることを可能にすることができる、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
肺に向かって主要換気ガスを送達する、遠位先端における主要換気ガス流動開口部を備え、かつ喉頭に向かって上方に2次ガスの送達を方向付けるように構成される、2次開口部を備える、請求項に記載の装置。
【請求項33】
遠位先端の付近にガス流動ポートを備え、該ポートは、ガスが多方向に前記管類を退出することを可能にするように構成され、該ポートおよび多方向流動は、前記気道における均一または半均一な速度プロファイルを生じるように選択される、請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記人工呼吸器によって認識可能な信号要素を備え、該信号要素は、患者適合性、意図された病状、または前記患者による治療法の使用の長さ等の、前記管類の治療属性を定義し、該人工呼吸器は、該信号要素を認識し、該信号に基づいてその出力を変更する能力を備える、請求項に記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2013−31758(P2013−31758A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−253112(P2012−253112)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2009−522894(P2009−522894)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(508341360)ブリーズ テクノロジーズ, インコーポレイテッド (3)