説明

有価証券ノートの製造方法およびシステム

個別印刷シートまたは連続巻取紙の連続印刷部分が枚葉紙または巻取紙加工システム(300)で個別ノート(150)に裁断され、引き続いてこれらの個別ノートが複数の単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)を備える単一ノート加工システム(400)により加工される、有価証券ノート、具体的には銀行券を製造する方法およびシステムである。独立製造サイクル(A、B、C、D)または従属製造サイクル(A1、A2、A3、A4)に対応する個別ノート(150)は、枚葉紙または巻取紙加工システム(300)で製造され、各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)は、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の別々のステーションで加工される。各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)は、単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)で加工されるべき個別ノート(150)の一連のサブセットに対応する一連の別個の製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)にさらに分割される。個別ノート(150)のサブセットは、別個の製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)に対応する製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)の時間的交互配置シーケンスに従って、枚葉紙または巻取紙加工システム(300)で製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、個別印刷シートまたは連続巻取紙の連続印刷部分が、枚葉紙または巻取紙加工システムで個別ノートに裁断され、引き続きこれらの個別ノートが、複数の単一ノート加工ステーションを備える単一ノート加工システムで加工される、有価証券ノート、より詳細には銀行券の製造方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行券同様に有価証券は、通例、列と行のマトリックス状に配置される複数の個別有価証券印刷(security print)をそれぞれ担持する、個別シートまたは連続巻取紙の連続部分の形で製造される。これらのシートまたは巻取紙部分には、個別ノートに裁断される前に様々な印刷および加工ステップが施される。一般的に、銀行券の製造の間に実行される印刷および加工ステップには、オフセット印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、箔貼付け、凸版印刷、および/またはワニス塗布(varnishing)がある。製造の間に、ウィンドウ裁断(window cutting)、インクジェットマーキング、レーザマーキング、微小目打ちなどの他の加工ステップも実行され得る。全面的に印刷された後、シートまたは連続巻取紙の連続部分には、それらがノート束およびノート束のパックを形成するように加工すなわち裁断かつ集合されるという、いわゆる仕上げ加工が施される必要がある。
【0003】
さらに、銀行券同様に有価証券は、特にその印刷品質に関して、厳しい品質要求事項を満たさなければならない。それゆえに、一般的に、それらの製造過程の間、銀行券または有価証券は、不良ノートすなわち低品質の印刷、印刷エラー、物理的損傷などを呈するノートを検出、有利には選び出すために検査され、その結果これらの不良ノートが選別され得るようになる。検査は、製造の様々なステージにおいて、印刷機もしくは加工印刷機でオンライン中、および/または専用検査機械でオフライン中に、手作業で実行され得る。銀行券の最終検査は、従来技術を例示する図1、2A、2Bを参照して以下に説明されるように、仕上げ前および/またはその後に実行され得る。
【0004】
図1には、最終検査ステップが仕上げ前に実行される、有価証券の一般的な製造プロセスの概要が示される。図1に示される製造プロセスは、無駄を最低限にまで減らすことで製造効率を最大にすることができ、かつ絶え間ない番号付けシーケンスでのノート束およびノート束のパックの製造が可能である、という点で有利である。
【0005】
図1のステップS1は、一般的に有価証券製造の間に実行される様々な印刷段階を表す。上述のように、これらの様々な印刷段階には、具体的に、有価証券シートがオフセットバックグラウンドで片面または両面印刷されるオフセット印刷段階、シートが凹版機能(すなわち触ると容易に認識可能なエンボス加工機能)で片面または両面印刷される凹版印刷段階、シートが光学可変インク(OVI)製機能などのシルクスクリーン機能で片面または両面印刷されるシルクスクリーン印刷段階、および/あるいは箔またはパッチ具体的にはいわゆる光学可変デバイス(OVD)、ホログラム、もしくは同様の光学的回折構造がシートの片面または両面に施される箔/パッチ貼付段階がある。
【0006】
ステップS1の様々な印刷段階の結果、一連のシート100が製造される。有価証券の製造の間、通常、様々なステージで品質管理チェックが実施されるが、最終品質チェックは、一般的に、完全に印刷された後、全シートについて実行される。この全シート品質検査は、図1のステップS2に概要が示される。この全シート品質検査の結果、品質要求事項の観点からみて3つのカテゴリーのシートが作り出される。すなわち、(i)優良シート(すなわち品質要求事項の観点からまったく申し分ないとみなされる有価証券を担持するシート)、(ii)一部不良シート(すなわち品質要求事項の観点から申し分ない有価証券、および一般的に別個の取り消しマークを備える不良有価証券である不合格の有価証券の両方を担持するシート)、(iii)不合格の有価証券を担持する全不良シートである。ここから先、3つのカテゴリーのシートは別個の経路をたどる。より正確には、全不良シートはステップS10で破棄され、優良シートはステップS3〜S5で加工され、一部不良シートはステップS20〜S23で加工される。
【0007】
ステップS3〜S5を参照すると、一般的に優良シートがステップS3で番号付けされ、次いで任意選択でステップS4でワニス塗布され、ステップS5で最終的に裁断され最終仕上げ加工すなわちシート100の積み重ねの有価証券個別束200への裁断が施される。束200は、一般的に帯状のものがつけられ(banderoled)(すなわち固定バンドで囲繞され)、次いで束のパック210を形成するように積み重ねられる。シート100はステップS3、S4で連続的に加工されるが、ステップS5は、通常、100シートからなる積み重ねに対して実行され、それによって、一連の100有価証券からなるノート束200が製造され、ノート束200は、例えば10個のノート束からなるパック210を形成するように積み重ねられる。
【0008】
ステップS20〜S23を参照すると、一部不良シートは、まずステップS20で個別有価証券に裁断され、次いで、得られる有価証券がステップS21で(ステップS2で不良有価証券に前もってつけられる取り消しマークの有無に基づいて)選別され、不良有価証券はステップS10で破棄される一方優良有価証券はステップS22、S23でさらに加工される。個別有価証券は、ステップS22で連続的に番号付けされ、引き続いてステップS23で仕上げ加工が施される。仕上げ加工は、ステップS5で実行されるのと同様であり、すなわち有価証券ノート束200が形成され、そのノート束200に帯状のものがつけられ、次いでノート束のパック210を形成するように積み重ねられる。
【0009】
図1は個別シートの有価証券の製造の文脈で述べられるが、同様の原理が連続巻取紙の有価証券の製造にも適用可能であると理解されたい。この文脈において、ステップS1、S2、S3、S4はそれぞれ印刷材料である連続巻取紙を加工して進められ、その連続巻取紙は最終的に個別有価証券に裁断される。
【0010】
ワニス塗布作業に関して、図1には、そうしたワニス塗布が、一般的にステップS3での全シート番号付け後のステップS4で全シートに実行されることが示される。このワニス塗布ステップは好ましいが、必要不可欠なわけではない。その上、ワニス塗布は、製造の別のステージ、例えばステップS2の全シート検査の前(または優良および一部不良シートになった直後)に実行されてよい(この別の解決策は番号付けがワニス塗布後に実行されることを意味する)。
【0011】
一連の束200の有価証券全体を通して番号付けシーケンスを維持する必要がない場合、一部不良シートは、優良シートと多少似た経路をたどることができる。すなわち一部不良シートには、個別有価証券に裁断される前に、全シート番号付けステップ(それによって優良および不良有価証券両方が番号付けされる)次いで全シートワニス塗布が施され、不良有価証券を抜き出し破棄するために選別され、次いで束および束のパックを形成するように最終的な仕上げ加工が施される(この場合単一ノート番号付けは必要ない)。そうした代替の製造プロセスが図2Aに示される。
【0012】
図2AのステップS1は、図1のステップS1と同様であり、すなわち一連のシート100が、製造、すなわち連続的にオフセット印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、箔/パッチ貼付などがそれに施される。図2AのステップS2は、図1のステップS3と同様であり、すなわち全シートが適切な番号印字機で番号付けされる。しかし、この場合、優良および不良の両方のシートが番号付けされると理解されたい。次いで、番号付けされたシートは、ステップS4で個別ノートに裁断される前に、ステップS3で任意選択でワニス塗布される。
【0013】
単一ノート検査は、ステップS5で実行される。すなわち、各個別ノートが品質の観点から検査され、不良ノートはそのプロセスで選別されステップS7で破棄される。一方、優良ノートには、次いで、ステップS6で最終の仕上げ作業が施される。すなわち、個別ノート束200が形成され、そのノート束200が、例えば10個の束からなるパックであるノート束200のパック210を形成するように積み重ねられる。
【0014】
図2Aの製造プロセスの変形形態によれば、番号付けは、ステップS5の単一ノート検査選別の前または後の単一ノート番号付けプロセスで実行され得る。図2Bにはそのような変形形態が示される。ステップS1**、S2**、S3**、S4**、S6**、S7**は、図2AのS1、S3、S4、S5、S6、S7にそれぞれ対応しているので再度説明する必要はない。図2Aのプロセスと比べてみると、図2Bの変形形態において、全シート番号付けは、ステップS4**の単一ノート検査選別に続く単一ノート番号付けプロセス(ステップS5**)に置き換えられる。言い換えれば、ステップS4**後に選別された優良ノートは、ステップS6**で束にされパックされる前に好ましくは続けて番号付けされる。
【0015】
完全を期すため、図1のステップS2を実行する可能な全シート品質検査機の概要についての国際出願WO01/85457A1、WO01/85586A1、WO2005/008605A1、WO2005/008606A1およびWO2005/104045A2を参照することができる。特に興味深いものは、国際出願WO01/85457A1、WO01/85586A1、WO2005/008605A1およびWO2005/008606A1に開示されている機械であり、これらは全シート品質検査および全シート番号付けの機能を兼ね備える(したがって1工程でステップS2、S3の作業を実施することができる)。全シート検査機は、本出願人より、商品名Nota Check(登録商標)で販売され、一方全シート検査番号印字複合機は、本出願人より、商品名Super Check Numerota(登録商標)で販売されている。
【0016】
その上、興味を持っている読者は、図1のステップS5を実行するのに適する様々な裁断仕上げ機の検討についての、全て本出願人の名前の、欧州特許出願EP0656309、EP1607355および国際出願WO01/49464A1に対する米国特許第3,939,621号、米国特許第4,045,944号、米国特許第4,453,707号、米国特許第4,558,557号を参照することができる。そうした機械は、例えば、本出願人により、商品名CutPak(登録商標)で販売されている。それらの機械は、図1のステップS20、図2AのステップS4または図2BのステップS3**におけるシートの個別ノートへの裁断だけの実施に簡単に適合可能である。
【0017】
全シート番号付けのさらに詳細な論点に関して、欧州特許出願EP0598679A1および国際出願WO2004/016433A1が興味深いものである。WO2004/016433A1に記載の番号付けおよび仕上げの原理は、任意の複雑な束の丁調べシステムの必要なくして、シートの番号付けを、有価証券の束が仕上げプロセスの最後で継続的で途切れない番号付けシーケンスで製造されるやり方で実現するという、この文脈において特に興味深いものである。全シート番号付けを実行する番号印字機は、例えば、本出願人により、商品名SuperNumerota(登録商標)ならびに上記の商品名Super Check Numerota(登録商標)で販売されている。
【0018】
図1のステップS21、S22のもとで行われる単一ノート選別および番号付けの文脈で、米国特許第3,412,993号、米国特許第4,299,325号、米国特許第4,915,371号を参照することができる。単一ノート選別および番号付け(ならびに任意選択で結束およびパッキング)機能を兼ね備える機械は、例えば、本出願人により、商品名NotaNumber(登録商標)で販売されている。そうした機械は、例えば、図1のプロセス(ステップS21〜S23)および図2Bのプロセス(ステップS4**〜S6**)における単一ノートの選別、番号付けおよび仕上げを実行するのに使用され得る。
【0019】
図2AのプロセスのステップS5および図2BのプロセスのステップS4**を実行する単一ノート検査選別システムもやはり従来技術でそういうものとして既知である。
【0020】
図2Aに示される製造原理の欠点には、番号付けが単一ノート検査選別の前に実行されるので、継続的に番号が付いた有価証券の製造が容易にできない、ということがある。
【0021】
図2A、2Bに示される両製造原理に関して、図1に示される製造原理に匹敵する製造効率を達成するため、いくつかの単一ノート加工ステーションが並行に設置される必要がある。これについては以下で説明する。
【0022】
従来の枚葉紙製造ラインの製造速度は、1時間あたり10,000〜12,000シート程度である。同様の速度が巻取紙製造ラインにもあてはまる。シートのレイアウト次第で、そうした製造速度は、一般的に、1時間あたり400,000〜720,000ノートのノート産出に対応する(各シートは一般的に40〜60ノートを担持すると理解されよう)。単一ノート加工システムは、物理的過程の自然法則により、1時間あたり約120,000ノートの速度に制限される。
【0023】
図1の製造原理の文脈において、単一ノート加工システムが、製造量のほんの一部(例えば<10%)にしかならない一部不良シートの加工にステップS21、S22で使用されるだけなので、上述の制限は限界ではない。対照的に、図2A、2Bの製造原理の文脈において、製造量全部が、単一ノート加工システムにおいて、ステップS5、S6、S4**〜S6**それぞれで加工される。言い換えれば、より速い製造速度の枚葉紙製造ラインに対処するために、実際には、通常4または5つの単一ノート加工ステーションが、製造量全部を同時に加工するのに使用される。次に、やはりまた当技術を例示し図2Aの製造原理を実行する可能な実装形態を図示する図3を参照して説明する。
【0024】
図3において、参照番号300は、本例では、例えばオフセット印刷機301、シルクスクリーン印刷機302、箔貼付機303、凹版印刷機304、番号印字機305、任意選択のワニス塗布機306および裁断機307である、7つの連続する枚葉紙印刷すなわち加工ステーション301〜307がある、枚葉紙製造ライン(すなわち枚葉紙加工システム)を表す。ステーション301〜304は、図2AのステップS1に従って、印刷されていないシート100の全シート印刷を実施し、それによって一組の印刷シート100が得られ、それらは、ステーション307で個別ノート150に裁断される前に、ステーション305で番号付けされ次いでステーション306でワニス塗布される(すなわちシートは図2AのステップS2、S3、S4に従って連続的に加工される)。
【0025】
図3に示されるように、枚葉紙加工システム300は、単一ノート加工システム400に結合される。単一ノート加工システム400は、(参照番号401〜404によっても示される)複数の単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4を備える。単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4は、ノート束200およびノート束200のパック210を製造するために個別ノート150を加工するようにシート印刷加工ライン300の出力側に結合される(各ステーション401〜404は図2の少なくともステップS5、S6を実施する)。
【0026】
説明を目的として、図3の文脈において、各印刷シートに50ノートが記載される、つまり枚葉紙製造ラインの製造能力が1時間あたり10,000シートのシート加工速度で1時間あたり500,000ノートである場合を考えてみる。この場合、単一ノート加工速度が1時間あたり120,000ノートであると考えると、図3の場合のように、枚葉紙加工システム300の製造速度に最もよく適合するには4つの単一ノート加工システムが必要となる。
【0027】
一般的に、所与の番号付けサイクルに対応する特定量の個別有価証券を製造することが望まれる。説明を目的として、例えば、所与の番号付けサイクルが、通し番号x,0,000,001〜x,1,000,000(xは1つ以上のプリフィックスを表す)が付いた一組の100万ノートに対応する場合を考えてみる。図2、3に示される製造原理の文脈において、この固定量は、通常、単一ノート加工ステーション分のグループ(すなわち本例では250,000ノートずつの4グループ)にさらに分割され、それらのグループはSNPS1〜SNPS4によって連続的に加工される。言い換えれば、枚葉紙または巻取紙加工システム300は、ステーション401で加工される250,000ノートからなる第1のグループ(すなわちノートx,0,000,001〜x,0,250,000)、ステーション402で加工される第2のグループ(すなわちノートx,0,250,001〜x,0,500,000)など、ステーション404で加工される250,000ノートからなる第4つまり最終のグループ(すなわちx,0,750,001〜1,000,000)までの、単一ノート加工システム400に連続的に送り込まれるノートの連続流を産出する。
【0028】
図2Bの製造原理の実現のため、図3に示されるものと同様の製造設備が使用され得る。番号印字機305が除かれ、各単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4が、図2BのステップS5**の単一ノート番号付けプロセスを実行するそれ独自の番号付け機能を備えることだけが異なる。
【0029】
上述の既知の手法についての問題には、1つの単一ノート加工ステーションが(機械故障などの)不都合に遭遇し停止の必要があるとき、枚葉紙または巻取紙加工システム300からのノートの連続流が中断されなければならない、ということがある。結果的に製造サイクル全体が影響を受け、その不都合の解決後でなければ再開できない。
【0030】
したがって図2Aまたは2Bの製造原理を実施する改良解が必要とされる。
【発明の概要】
【0031】
本発明の目的は、このような改良解を提供することである。
【0032】
具体的には、本発明の目的は、既知の方法の制限を克服し、単一ノート加工ステーションの不都合による影響が少ない、有価証券製造方法およびシステムを提供することである。
【0033】
これらの目的は、特許請求の範囲に定義される方法およびシステムにより達成される。
【0034】
本発明によれば、枚葉紙または巻取紙加工システムで独立製造サイクルまたは従属製造サイクルに対応する個別ノートが製造される。引き続いて、各製造サイクルは、複数の単一ノート加工ステーションの別々のステーションで加工される。各製造サイクルは、単一ノート加工ステーションで加工されるべき個別ノートの一連のサブセットに対応する一連の別個の製造サブサイクルにさらに分割される。個別ノートのこれらのサブセットは、別個の製造サイクルに対応する製造サブサイクルの時間的交互配置(time−wise interleaved)シーケンスに従って枚葉紙または巻取紙加工システムで製造される。
【0035】
その結果、本明細書でより詳細に説明されるように、単一ノート加工ステーションの機械故障などの不都合が、従来のやり方の場合のように影響を及ぼさなくなり、製造プロセス全体の中断を引き起こさなくなる。さらに、この不都合は、それが発生した単一ノート加工ステーションによる加工だけに一時的に影響を及ぼす。
【0036】
好ましい実装形態によれば、個別ノートのサブセットは、対応する単一ノート加工ステーションの入力側で連続的に緩衝され、それによって単一ノート加工ステーションによるノートの連続加工が確実になる。
【0037】
やはり好ましい実装形態によれば、1サブセットあたりの個別ノートの数は、10,000〜50,000ノートになるように選ばれる。
【0038】
有利な実施形態によれば、自動搬送車システムが、ノートのサブセットの単一ノート加工ステーションとの行き来に使用される。
【0039】
さらなる諸実施形態は、従属請求項の主題を構成する。
【0040】
本発明の他の特徴および利点は、ただ単に非限定的な例として挙げられ添付の図面に示される本発明の諸実施形態の以下の詳細な説明を読めばより明確に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】製造のほんの一部だけに単一ノート加工が施される、既知の有価証券ノート製造プロセスを示す流れ図である。
【図2A】製造全てに単一ノート加工が施される、既知の代替の有価証券ノート製造プロセスを示す流れ図である。
【図2B】製造全てに単一ノート加工が施される、図2Aの有価証券ノート製造プロセスの変形形態を示す流れ図である。
【図3】図2Aの既知の製造プロセスの実装形態による製造設備の概略図である。
【図4】図2Aの製造プロセスを実行する、本発明の実装形態による製造設備の概略図である。
【図5】図4の製造設備を用いてどのように有価証券ノートが製造かつ加工され得るかを示す典型的な状況を示すダイヤグラムである。
【図6】図4の製造設備を用いてどのように有価証券ノートが製造かつ加工され得るかを示す典型的な状況を示すダイヤグラムである。
【図7】図4の製造設備を用いてどのように有価証券ノートが製造かつ加工され得るかを示す典型的な状況を示すダイヤグラムである。
【図8】図4の製造設備を用いてどのように有価証券ノートが製造かつ加工され得るかを示す典型的な状況を示すダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図4は、本発明の実装形態による製造設備の概略図である。図4には、図3に示されるものと類似の枚葉紙製造ライン(すなわち枚葉紙加工システム)300が図示される。枚葉紙製造ライン300は、本例においては、例えば、オフセット印刷機301、シルクスクリーン印刷機302、箔貼付機303、凹版印刷機304、番号印字機305、任意選択のワニス塗布機306および裁断機307である、7つの連続する枚葉紙印刷すなわち加工ステーション301〜307を備える。ステーション301〜304は、印刷されていないシート100の全シート印刷を図2AのステップS1に従って実施し、それによって一組の印刷シート100が得られ、それらは、ステーション307で個別ノート150に裁断される前に、ステーション305で番号付けされ、次いでステーション306でワニスを塗布される(すなわち、シートは図2AのステップS2、S3、S4に従って加工される)。
【0043】
図4の枚葉紙加工システム300により製造される個別ノート150は、次いで、図3の場合のように、単一ノート加工システム400において加工される。単一ノート加工システム400は、(参照番号401〜404によっても示される)複数の単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4を備える。単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4は、個別ノート150を加工し、ノート束200およびノート束200のパック210を製造するように設計される(各ステーション401〜404は図2Aの少なくともステップS5、S6を実施する)。
【0044】
本発明によれば、図3に示される従来技術の製造方法論とは異なり、個別ノート150は、製造全体が単一ノート加工ステーションのうちの1つ以上の不都合による影響を受けないように、異なるやり方で製造加工される。より正確には、本発明によれば、各単一ノート加工ステーションは、枚葉紙加工システム300によってもたらされる、独立製造サイクルおよび従属製造サイクルに対応する個別ノート150を加工するように設計される。本発明の範囲内で、「製造サイクル」は、枚葉紙(または巻取紙)加工システム300における、継続的な一組の個別ノートの形成を意図する、決められた数の個別ノート150の製造のことを指すと理解されよう。
【0045】
本発明の好ましい実施形態によれば、「製造サイクル」は、より具体的には、決められた一組の継続的に番号が付けられるノート、すなわち「番号付けサイクル」のことを指すと理解されよう。そのような場合、1つの「製造サイクル」すなわち「番号付けサイクル」は、例えば、一組の、例えばx,0,000,001〜x,1,000,000(「x」は、この場合も1つ以上のプリフィックスを表す)で変化する通し番号で継続的に番号が付けられる100万ノートに対応することができる。
【0046】
以下の説明では、
(i)指定文字A、B、Cなどにより指示される複数の独立製造サイクルが加工される状況、または
(ii)複数の従属製造サイクルA1、A2、A3などにさらに分割される、指定文字Aにより指示される単一の製造サイクルが加工される状況、
である2つの例示的な状況に言及する。
【0047】
さらに、例示を目的として、1時間あたり10,000シート、すなわち1時間あたり500,000ノートにのぼる速度で動作する枚葉紙加工システムを使用して、50ノートをそれぞれ担持するシートにノートが製造されると仮定する。
【0048】
状況(i)によれば、各単一ノート加工ステーションは、独立製造サイクルA、B、C、Dなどのうちの対応する一サイクルのノートを加工するように設計される。状況(ii)によれば、各単一ノート加工ステーションは、(共同して製造サイクルAを形成する)従属製造サイクルA1、A2、A3、A4などのうちの対応する一サイクルのノートを加工するように設計される。
【0049】
本発明によれば、枚葉紙加工システム300は、個別ノート150の連続サブセットを産出するようにそれに応じて設計される。各サブセットは、単一ノート加工ステーションのうちの対応する一ステーションによる加工が予定される。より正確には、上述の状況(i)では、各製造サイクルA、B、C、Dなどは、複数の別個の製造サブサイクルA.i、B.i、C.i、D.i(i=1、2、3、4、・・・)などにさらに分割され、それに対して、上述の状況(ii)では、従属製造サイクルA1、A2、A3、A4などは、複数の製造サブサイクルA1.i、A2.i、A3.i、A4.i(i=1、2、3、4、・・・)などにさらに分割される。
【0050】
1サブセットあたりのノートの数は、好ましくは、10,000〜50,000ノートになるように選択される。100ノートからなるノート束を考えてみると、これは、100〜500ノート束の量に相当する。この量は、本発明の文脈に特に適する。例示を目的として、寸法が13cm×7.5cm(すなわち表面積が約100cm)程度、通常のノート束の高さが1.5cm程度、対応する体積が15,000〜75,000cm(すなわち15〜75リットル)に相当する銀行券を考えてみる。1サブセットあたりのノートの数をより多くすることは本発明の範囲内で十分に可能であるが、結果として得られる各サブセットの寸法は、好ましくは、枚葉紙または巻取紙加工システム300から単一ノート加工システム400へ簡単に移送され得る適当な量に保たれるべきである。
【0051】
図4において、参照番号310、411〜414は、緩衝ステージを示す。より正確には、出力側緩衝ステージ310は、好ましくは、枚葉紙加工システム300の出力側に設けられ、それによって所与の製造サブサイクルに対応するノート製造の緩衝が可能となる。同様に、各単一ノート加工ステーションSNSP1〜SNPS4は、各単一ノート加工ステーションの入力側におけるノートの緩衝のための入力側緩衝ステージ411、412、413、414を備える。以下でよく認識されるように、これらの入力側緩衝411〜414によって、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4の連続運転が確実になり、単一ノート加工ステーションに連続的に供給される個別ノート150のサブセットの蓄積が可能となる。
【0052】
好ましくは、各連続製造サブサイクル中に製造されるノートの各サブセットは一時的に、対応する容器装置に格納される。そうした容器装置は、図4に概略的に示され、参照番号50A〜50Fで示される。容器装置50A、50B、50C、50E、50Fは、ハッチング付きで図示され、対応するノートのサブセットで満たされている容器装置を象徴する。その一方で、容器装置50Dは、ハッチングなしで図示され、空の容器装置を象徴する。その上、図4では、容器装置50Cは、単一ノート加工ステーションSNPS3に向けて移送されるように図示され、一方、空の容器装置50Dは、枚葉紙加工システム300の出力側に逆に移送されるように図示される。容器装置50E、50Fは、枚葉紙加工システム300の出力側に配置されるように図示される。容器装置50Eは、例えば、単一ノート加工ステーションSNPS4向けのノートのサブセットを含み、単一ノート加工ステーションSNPS4への移送の準備ができている。一方、容器装置50Fは、例えば、単一ノート加工ステーションSNPS1向けのノートのサブセットを含み、単一ノート加工ステーションSNPS1の容器装置50Aが空になるのを待っている。必要に応じて追加の容器装置が設けられてよく、各容器装置は、それが含むノートのサブセットおよび供給予定の対応する単一ノート加工ステーションに応じて、所与の単一ノート加工ステーションに割り当てられる、または単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4のうちの任意の一ステーションに力学的に帰属され得ると理解されよう。
【0053】
容器装置を用いる上記の実施形態において、容器装置は、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4の緩衝ステージ411〜414として働くことができる。
【0054】
特に有利な実装形態によれば、ノート150のサブセットは、枚葉紙加工システム300と単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4の間で、自動搬送車(AGV)システムによって移送される。自動搬送車(AGV)システムは、図4に参照番号500によって指示される破線で概略的に示される。AGVシステムは、当業界ではそういうものとして知られており、ここでもう一度説明する必要はない。AGVは、ノート150のサブセットの適当な移送のために、枚葉紙加工システム300の出力側と単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4の入力側に結合されるようになされることだけ注意しなければならない。
【0055】
次に、上述の状況(i)に対応する典型的な製造プロセスについて述べる。この文脈では、4つの独立製造サイクルA〜Dが加工され、各独立製造サイクルA〜Dが100万番まで継続的に番号が付けられる一組のノートに対応すると考える。すなわち、ノートには、製造サイクルAには通し番号A,0,000,001〜A,1,000,000、製造サイクルBには通し番号B,0,000,001〜B,1,000,000、製造サイクルCには通し番号C,0,000,001〜C,1,000,000、製造サイクルDには通し番号D,0,000,001〜D,1,000,000が記載される。各製造サイクルA〜Dは、下記のシーケンスに従って、枚葉紙加工システム300により製造される例えば5万ノートからなるサブセットにさらに分割される。
【0056】
【表1】

【0057】
上記の例において、各単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4は、5万ノートからなる20個の連続サブセットを加工すると理解されよう。さらに、1時間あたり120,000ノートの速度で動作する単一ノート加工ステーションでは、5万ノートからなる各サブセットを加工するのに25分かかり、一方、枚葉紙加工システム300は、同じ数のノートを6分で製造すると認識されよう。言い換えれば、正常動作状態のもとでは、24分間隔で、各単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4が加工すべき新しいノートのサブセットを受ける。
【0058】
その上、図2Aを参照して論じたように、全シート番号付け動作が実行される場合、図4の対応する番号印字機305は、好ましくは、1つの番号付けジョブから他への切り換え可能ないわゆる「インテリジェント」番号付け装置を備えると認識されよう。そうしたインテリジェント番号付け装置は、例えば、本出願人の名前の国際出願WO2004/016433A1、または欧州特許出願EP0718112A1に開示されている。それら両方の特許出願を参照により本明細書に組み込む。さらに、他のタイプのインテリジェント番号付け装置は、2006年6月23日出願の欧州特許出願06115994.3の優先権を主張する、2007年6月20日出願、本出願人の名前の「NUMBERING DEVICE FOR TYPOGRAPHIC NUMBERING」という名称の国際出願PCT/IB2007/052366(WO2007/148288として公開されている)で論じられており、これもやはり参照により本明細書に組み込む。
【0059】
代替の実装形態によれば、番号付けは、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4それぞれでの(図2Bを参照して論じたような)単一ノート加工ステップとして実行され得る。そのような場合、順次駆動の機械的番号付け装置のような従来の番号付け装置が使用され得る。
【0060】
図5のダイヤグラムには、表1にまとめられる正常動作状態が概略的に示される。図5のダイヤグラムの上の線は、図4の枚葉紙加工システム300によって製造されるノートのサブセット、すなわち(上記の表1の第3列に指示されるような)下記の製造サブサイクルの時間的交互配置シーケンス(1)に従って製造されるサブセットのシーケンスを示す。
A.1>B.1>C.1>D.1>A.2>B.2>C.2>D.2>A.3>B.3>C.3>... (1)
【0061】
図5のダイヤグラムにおいて、図5の右側に参照符「SNPS1」〜「SNPS4」で示される残りの4つの線は、それぞれ、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4による、上記シーケンスでの個別ノートサブセットの加工を概略的に示す。動作に際しては、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4が、同時および時間的にずれるやり方で動作すると認識されよう。
【0062】
次に、例示を目的として、単一ノート加工ステーションSNPS3(図4の参照符403)が、製造サイクルCに対応するノートの第1のサブセットC.1(表1の製造反復(iteration)3)の加工中に不都合に遭遇する場合を考えてみる。この不都合の結果、単一ノート加工ステーションSNPS3における第1のサブセットC.1の加工に必要な時間が必然的に増加する。
【0063】
上述のように、時間的交互配置シーケンスで個別ノートのサブセットが製造され、それらのサブセットが対応する単一ノート加工ステーションで加工されるため、従来技術の製造設備の場合のように製造プロセス全体がその不都合の結果停止されることがなく、少なくとも他の単一ノート加工ステーションでのノートの加工に関する限り継続することができる。
【0064】
単一ノート加工ステーションSNPS3がその第1の製造サブサイクルC.1の加工中に問題に遭遇するという典型的な状況が、図5と実質的に同様の図6のダイヤグラムに概略的に示される。図6において、単一ノート加工ステーションSNPS3の不都合はハッチングで図式化される。この不都合の結果、単一ノート加工ステーションSNPS3でのノートの加工だけが一時的に影響を受ける。後続の製造サブサイクルC.2の間枚葉紙加工システム300により製造される個別ノートのサブセットは、通常通り、単に単一ノート加工ステーションSNPS3の入力側で緩衝され、その加工は、前の製造サブサイクルC.1が完全に加工され次第開始可能である。他の単一ノート加工ステーションSNPS1、SNPS2、SNPS4でのノートの加工は、影響を受けないままである。
【0065】
代替実装形態によれば、枚葉紙加工システム300により実行される製造サブサイクルの時間的交互配置シーケンスは、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4の動作状態に応じて適合可能であってよい。そのような代替実装形態は、図5、6と実質的に同様の図7のダイヤグラムに概略的に示される。図7のダイヤグラムにおいて、例示を目的として、やはりまた単一ノート加工ステーションSNPS3が第1の製造サブサイクルC.1に対応するノートのサブセットの加工中に問題に遭遇すると仮定する。本代替実装形態によれば、製造サブサイクルの時間的交互配置シーケンスは、後続の製造サブサイクルC.2の製造を飛ばして進み、この製造サブサイクルC.2を後のステージに遅らせることで修正がなされる。本例において、サブセットは、例えば、下記の製造サブサイクルの時間的交互配置シーケンス(2)に従って製造される。
A.1>B.1>C.1>D.1>A.2>B.2>D.2>A.3>B.3>C.2>D.3>... (2)
【0066】
対応する枚葉紙加工システム300の製造シーケンスを下表にまとめてある。
【0067】
【表2】

【0068】
上記の代替実装形態において、単一ノート加工ステーション403の不都合は、製造反復10で製造される次のノートのサブセットC.2を適時に加工するために、それに間に合うように解決され得ると仮定される。もちろん、製造サイクルCについてのノートの第2のサブセットC.2の製造は、単一ノート加工ステーションSNPS3の不都合問題点を解決するのにさらに時間がかかる場合、さらに遅らされ得ると認識されよう。もちろん、上記の例は単なる例示である。
【0069】
次に、状況(ii)に移り、100万番まで継続的に番号が付けられるすなわち通し番号A,0,000,001〜A,1,000,000が記載される一組のノートに対応する製造サイクルAを考えてみる。この第2の状況では、単一製造サイクルAは、複数すなわち4つの従属製造サイクルA1〜A4にさらに分割される。各従属製造サイクルは、250,000番まで継続的に番号が付けられる一組のノート、すなわち製造サイクルA1には通し番号A,0,000,001〜A,0,250,000、製造サイクルA2には通し番号A,0,250,001〜A,0,500,000、製造サイクルA3には通し番号A,0,500,001〜A,0,750,000、製造サイクルA4には通し番号A,0,750,001〜A,1,000,000が記載されるノートに対応する。各製造サイクルA1〜A4は、上述の前の状況と同様のやり方で、下記のシーケンスに従って枚葉紙加工システム300により製造される例えば5万ノートからなる連続サブセットにさらに分割される。
【0070】
【表3】

【0071】
上記の例において、各単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPS4は、5万ノートからなる5つの連続サブセットを加工すると理解されよう。
【0072】
例示を目的として、単一ノート加工ステーション401が製造サイクルA1に対応するノートの第2のサブセットA1.2(表3の製造反復5)の加工中に不都合に遭遇する場合を考えてみる。そうした典型的な状況は、図5〜7と実質的に同様の図8のダイヤグラムに概略的に示される。図8において、単一ノート加工ステーションSNPS1の不都合は、やはりまたハッチングで図式化される。この不都合の結果、単一ノート加工ステーションSNPS1でのノートの加工だけが一時的に影響を受ける。後続の製造サイクルA1.3の間、枚葉紙加工システム300により製造される個別ノートのサブセットは、単に、単一ノート加工ステーションSNPS1の入力側で緩衝され、その加工は、前の製造サブサイクルA1.2が完全に加工され次第開始可能である。他の単一ノート加工ステーションSNPS2〜SNPS4でのノートの加工は、影響を受けないままである。
【0073】
添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に、当業者には明らかである様々な修正および改良を加えることができると理解されよう。
【0074】
例えば、図4の実装形態は、図2Aの製造原理の文脈で述べられたが、この実装形態は、図2Bの製造原理に従って動作するように簡単に修正され得る。この目的のため、図4の番号印字機305が除かれてよく、単一ノート加工ステーションSNPS1〜SNPSのそれぞれが個別ノート150に番号付けするそれ独自の番号付け手段を備えてもよい。
【0075】
加えて、本発明の上述の諸実施形態はシート加工に言及したが、本発明は、連続巻取紙の連続部分の加工に等しく適用可能である。
【0076】
最後に、上述の諸実施形態では、4つの単一ノート加工ステーションを備える単一ノート加工システムが使用された。より少ないまたはより多くの数の単一ノート加工ステーションが使用され得ると理解されよう。好ましくは、単一ノート加工ステーションの数は、下式(3)に等しくなるように選択されるべきである。式中で、NSTATIONは単一ノート加工ステーションの数、SSHEETは枚葉紙加工システムのシート加工速度、SNOTEは各単一ノート加工ステーションのノート加工速度、NNOTEは1シートあたりのノートの数、関数ROUNDDOWN(x)はxの切り捨てられる整数を戻す関数を示す。
STATION=ROUNDDOWN(NNOTE・SSHEET/SNOTE) (3)
【0077】
上式の数値例において、NNOTE=50、SNOTE=120,000ノート/時、SSHEET=10,000シート/時では、NSTATIONは4となる。
【0078】
本例では5つの単一ノート加工ステーションが使用可能であるが、これは、各ステーションに(上記の例の24分毎ではなく)30分毎に50,000ノートからなる新しいサブセットが供給されるということを示唆し、ひいては各ステーションが、2つの連続サブセットの加工の合間の5分間にわたり(正常動作状態のもとで)アイドリング状態になる、不連続なやり方で動作することを示唆する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別印刷シートまたは連続巻取紙の連続印刷部分が枚葉紙または巻取紙加工システム(300)で個別ノート(150)に裁断され、引き続いて前記個別ノートが複数の単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)を備える単一ノート加工システム(400)により加工される、有価証券ノート、具体的には銀行券を製造する方法であって、
独立製造サイクル(A、B、C、D)または従属製造サイクル(A1、A2、A3、A4)に対応する個別ノート(150)が前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)で製造され、各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)が前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の別々のステーションで加工され、
各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)が、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)で加工されるべき個別ノート(150)の一連のサブセットに対応する一連の別個の製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)にさらに分割され、前記個別ノート(150)のサブセットが、別個の製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)に対応する製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)の時間的交互配置シーケンスに従って前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)で製造されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記個別ノート(150)のサブセットが、対応する単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の入力側で連続的に緩衝される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1サブセットあたりの個別ノートの数が、10,000〜50,000ノートになるように選ばれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)が、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の動作状態に応じて実行される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
個別ノート(150)の各サブセットが、対応する容器装置(50A〜50F)で一時的に格納され、前記容器装置が、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の対応する一ステーションに移送され、空になった後前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)に戻される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ノートのサブセットの前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)との行き来を自動的に誘導かつ移送することをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記個別ノート(150)が、前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)において、選択された番号付けサイクルに従って継続的に番号が付けられるノートの形で製造され、各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)が、複数の独立番号付けサイクル(A、B、C、D)のうちの決められた1つ、または同じ番号付けサイクル(A)の複数の部分(A1、A2、A3、A4)のうちの決められた1つに対応する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記個別ノート(150)が、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)で番号付けされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
個別印刷シートまたは連続巻取紙の連続印刷部分を個別ノート(150)に裁断する枚葉紙または巻取紙加工システム(300)と、前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)により製造される前記個別ノート(150)を加工する、複数の単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)を含む単一ノート加工システム(400)とを備える、有価証券ノート、具体的には銀行券を製造するシステムであって、
前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)が、独立製造サイクル(A、B、C、D)または従属製造サイクル(A1、A2、A3、A4)に対応する個別ノート(150)を製造するように設計され、前記製造サイクルが前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の別々のステーションでそれぞれ加工され、
各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)が、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)で加工されるべき個別ノート(150)の一連のサブセットに対応する一連の別個の製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)にさらに分割され、
前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)が、さらに、別個の製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)に対応する製造サブサイクル(A.i、B.i、C.i、D.i;A1.i、A2.i、A3.i、A4.i、i=1、2、3、・・・)の時間的交互配置シーケンスに従って前記個別ノート(150)のサブセットを出力するように設計されることを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)のそれぞれが、前記個別ノート(150)のサブセットを緩衝する入力側緩衝ステージを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
1サブセットあたりの個別ノートの数が、10,000〜50,000ノートになるように選ばれる、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)が、さらに、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の動作状態に応じて前記個別ノート(150)のサブセットを製造するように設計される、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)により製造される前記個別ノート(150)のサブセットを一時的に格納する複数の容器装置(50A〜50F)であって、前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の対応する一ステーションに移送され、空になった後前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)に戻されるように設計される容器装置(50A〜50F)をさらに備える、請求項9から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)と前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)の間で前記ノート(150)のサブセットを移送する自動搬送車システム(500)をさらに備える、請求項9から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)が、選択された番号付けサイクルを実施する枚葉紙または巻取紙番号印字機(305)を備え、前記枚葉紙または巻取紙加工システム(300)の各製造サイクル(A、B、C、D;A1、A2、A3、A4)が、複数の独立番号付けサイクル(A、B、C、D)のうちの決められた1つまたは同じ番号付けサイクル(A)の複数の部分(A1、A2、A3、A4)のうちの決められた1つに対応する、請求項9から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記単一ノート加工ステーション(SNPS1〜SNPS4、401〜404)のそれぞれが、前記個別ノート(150)に番号付けする独自の番号付け手段を備える、請求項9から14のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−523377(P2010−523377A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502616(P2010−502616)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051316
【国際公開番号】WO2008/126005
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】