説明

有孔部品自動供給作業装置

【課題】溶接装置の上下電極間の作業空間を確保しつつナットを一方の電極例えば上部電極に確実に供給し保持させること。
【解決手段】上昇位置にある上部可動電極2Aに対し、シュート56内の先頭ナット200Aが上部可動電極2Aの軸心の真下に位置するとき、ガイドシャフト26は下降し弾性先端部26bが先頭ナット200Aのねじ孔200aに挿入され、その後、シュート56の後退時、弾性先端部26bで保持された先頭ナット200Aは、弾性部材61の閉弾性付勢力に抗してストッパープレート63を押し開き、シュート56の外方へ出て弾性先端部26bで弾性保持される。下部固定電極1Aには水平方向へ移動可能にワーク100がセットされ、このワーク100に、上部可動電極2Aの弾性先端部26に弾性保持されたナット200を溶接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有孔部品自動供給作業装置、詳しくは、板金部品等(以下、ワークともいう。)に、孔を有するナット等(以下、有孔部品ともいう。)を溶接する溶接装置等(以下、作業装置ともいう。)と、作業装置に有孔部品を供給する部品自動供給装置とからなる有孔部品自動供給作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークにナットを溶接する溶接装置(作業装置)においては、下部電極(一対の作業部のうちの一方の作業部)のガイドピンにワークをセットし、ワークの上面にナットを載置し、上部電極(一対の作業部のうちの他方の作業部)でナットを加圧しながら通電することにより、ワークにナットを溶接している。
【0003】
ワークの上面に載置されるナットを供給する装置として、従来から、下部電極側へナットを供給する装置が知られている。
【0004】
しかし、下部電極側へナットを供給する場合、ナットの搬送機構を上下電極の軸線から退避させなければ上部電極を下降して加圧することができないため、ナットの供給サイクル時間が長くなり、溶接の自動化に伴う溶接作業時間短縮という重要課題にとってマイナスの要因となっていた。また、下部電極側へナットを供給する場合、下部電極側においてワークを入れ替えする間、ナットを下部電極側へ供給することができない等の問題もあった。
【0005】
そこで、溶接作業時間の短縮を図るために、ワークのローディング作業と並行して上部電極側へナットを供給することが考えられ、その上部電極側へナットを供給する方法及び上部電極にナットを保持させる技術として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6等に記載される技術が提案されている。
【0006】
ここで、特許文献1〜4は、定置式溶接装置を対象にした技術であり、また、特許文献5、6は、溶接ガンなどを溶接ロボットなどに搭載した可搬式溶接装置を対象にした技術である。
【0007】
特許文献1には、上昇位置(後退端)にある上部電極の直下までナットを供給し、この位置にナットを磁石の磁力で吸着保持しておき、その後、下降する上部電極によって磁石からナットを引き離して下部電極側のワーク上まで落下させる技術が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、ナット座に支持されたナットを上部電極の直下まで運んでおき、その後、下降する上部電極によってナットをナット座からガイドピンへと移し変えると同時にナット座を下方へ回転させて上部電極から退避させる技術が開示されている。
【0009】
また、特許文献3には、上部電極のガイドピン内の空気通路とピン外周との間にノズルを設け、このノズルから上向きの空気圧流を吹き出してナットを押し上げ、ナットを上部電極の下端面に押し付け保持させる技術が開示されている。
【0010】
また、特許文献4には、特許文献1に記載の技術と同様、上部電極のガイドピン内の空気通路とピン外周との間にノズルを設け、このノズルから上向きの空気圧流を吹き出してナットを押し上げ、ナットを上部電極の下端面に押し付け保持させる技術が開示されている。
【0011】
また、特許文献5には、ロボットで支持されるスポット溶接ガンの下部電極に、供給ヘッドのスピンドルを下部電極の斜め上方から前進させてナットを供給する技術が開示されている。
【0012】
また、特許文献6には、ロボットによって移動される溶接フレームにボルト供給装置を取付け、溶接フレームに設置した上下電極のいずれか一方に形成されたボルト受入孔にボルトを挿入する技術が開示されている。
【特許文献1】実願昭59-52555号(実開昭60-166478号)のマイクロフィルム
【特許文献2】特許第2577177号公報
【特許文献3】実願昭55-179524号(実開昭57-102490号)のマイクロフィルム
【特許文献4】特開平10-43870号公報
【特許文献5】実公平3-47750号公報
【特許文献6】特開2001-314975公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1に記載の技術によると、磁石の側面に有孔部品の側面を磁力で吸着保持しているため、ナットのプロジェクション(溶接突起部)がナットの側面の外方へ突き出た通称外プロジェクションナット等、側面が一様に形成されていないタイプのナットを用いる場合、ナットが傾斜した状態で磁石の側面に吸着保持されるようになる。このため、上部電極が下降する際にナットの姿勢、方向が不安定になり、供給ミスを起こしやすい。また、磁石が配置される位置が上下電極間であるため、上下電極間における作業空間が狭くなり、作業性が悪くなるという問題もある。
【0014】
また、特許文献2に記載の技術によると、上部電極にはナットを係止保持する機能が無いため、上部電極にナットを係止保持してワーク上まで移送するためには上部電極の下降速度をナットの自然落下速度以上に設定する必要がある。また、始動時にはナット座にナットが載っていないため、ナットをナット座に載せるためにピストンロッドを一往復させる必要がある。さらに、上部スライド内において、ねじ孔が水平状態にあるナットをねじ孔が垂直状態になるよう回動させてナット座に載せ、上部電極の直下まで運ぶ際に、ナット座に載るナットと待機中の次回ナット座に載るナットとが干渉を起こしやすく、動作が不安定になるという問題がある。
【0015】
また、特許文献3及び特許文献4に記載の技術によると、ノズルから空気圧流の吹き出しを停止すると上部電極がナットを保持できなくなるため、作業休憩時間や装置の調整作業等を行う際に電源やエアー源を遮断すると上部電極からナットが落下し、作業再開時にナットを上部電極にセットし直す必要がある。また、作業中、ワークの入れ替え等待ち時間が発生するが、その時間中も空気圧流の吹出しを止めずに継続しなければならないため、エアー消費量が増大する。さらに、溶接によってはナットの向きを略一定にしたい場合があるが、ナットが空気圧流によって回転移動し、ナットの向きを一定に保つことが難しいという問題がある。
【0016】
また、特許文献5及び特許文献6に記載の技術によると、ナット又はボルトを供給する装置には、ナット又はボルトの補給を受けるために、フレキシブルな送給管などが接続されており、この送給管の存在によりロボットの作動範囲や移動速度などが制限を受け、ロボット本来の機能を十分に発揮させることが難しいという問題がある。
【0017】
本発明は、上部電極と下部電極を備える溶接装置に限らず、かしめ装置など広く一対の作業部を備える作業装置と、この作業装置に対して孔を有する部品つまり有孔部品を供給する部品自動供給装置とからなる有孔部品自動供給作業装置であって、上記のような従来技術の問題点を解決し、一対の作業部間の作業空間例えば上下電極間の作業空間を確保しつつ有孔部品例えばナットを一方の作業部例えば上部電極に確実に供給し保持させることができる有孔部品自動供給作業装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の有孔部品自動供給作業装置は、可動側作業部と固定側作業部とを有する作業装置と、前記可動側作業部又は前記固定側作業部のいずれか一方の作業部に対して有孔部品を供給する部品自動供給装置とからなる有孔部品自動供給作業装置であって、前記部品自動供給装置は、有孔部品を一列に整列して収容し、前進及び後退可能なシュートと、前記シュートの先端開口部を開放及び閉鎖するストッパープレートと、前記ストッパープレートに対し、前記シュート先端開口部を閉鎖させる方向の第1の付勢力を常に作用する弾性部材と、前記有孔部品が供給される側の作業部に設けられ、往復動可能なガイドシャフトと、を備え、前記シュートが前進端にあるとき、前記ガイドシャフトの弾性先端部が前記シュート内の先頭有孔部品の孔に挿入され、その後、前記シュートが後退するとき、前記弾性先端部で保持された前記先頭有孔部品は、前記弾性部材による前記第1の付勢力に打ち勝って前記ストッパープレートを押し開き、前記先頭有孔部品は前記シュートの前記先端開口部から外方へ出て前記弾性先端部で弾性保持されるよう構成されることを特徴とする。前記有孔部品が供給される作業部は、例えば上側作業部又は下側作業部である。
【0019】
本発明によると、シュート内に有孔部品を一列に収容し、その先頭有孔部品を一方の作業部に供給すると共にガイドシャフトの弾性先端部で有孔部品を弾性保持するようにしたため、外プロジェクションナット等にも適用可能となり、しかも、一対の作業部間例えば上下電極間の作業空間を確保しつつ有孔部品を一方の作業部例えば上部電極に確実に供給し保持させることができる。
【0020】
前記有孔部品が供給される作業部は例えば上側作業部である。
【0021】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記上側作業部は前記溶接装置の上部可動電極であり、前記溶接装置は、前記固定側作業部である下部固定電極側に水平方向へ移動可能にセットされた前記ワークに対して、前記上部可動電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットを溶接する。
【0022】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記上側作業部は前記溶接装置の上部固定電極であり、前記溶接装置は、前記可動側作業部である下部可動電極側に水平方向へ移動可能にセットされた前記ワークに対して、前記上部固定電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットを溶接する。
【0023】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記上側作業部は前記溶接装置の上部固定電極であり、前記溶接装置は、前記上部固定電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットの溶接位置に前記ワークをセットした後、該ワークに前記ナットを溶接する。
【0024】
前記有孔部品が供給される作業部は例えば下側作業部である。
【0025】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記下側作業部は前記溶接装置の下部可動電極であり、前記溶接装置は、上側作業部である上部固定電極側に水平方向へ移動可能にセットされた前記ワークに対して、前記下部可動電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットを溶接する。
【0026】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記下側作業部は前記溶接装置の下部固定電極であり、前記溶接装置は、前記下部固定電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットの溶接位置に前記ワークをセットした後、該ワークに前記ナットを溶接する。
【0027】
また、本発明の有孔部品自動供給作業装置は、前記シュート内の前記先頭有孔部品に続く後続有孔部品の側面を押圧し、該後続有孔部品の前進を規制するナット押え機構を備え、該ナット押え機構は、前記シュートが後退端にあるとき、前記後続有孔部品の側面から離れて該後続有孔部品の前進を許容するよう制御される。このような構成を採用することにより、シュート内の先頭有孔部品がガイドシャフトの弾性先端部で保持されながらストッパープレートを押し開いてシュートの外方へ出るとき、後続有孔部品はナット押え機構によって確実にシュート内に保持されるようになり、押し開かれたストッパープレートを越えて後続有孔部品がシュートから脱落する不具合を防止できる。
【0028】
また、本発明の有孔部品自動供給作業装置は、前記ストッパープレートに対し、前記シュート先端開口部の閉鎖状態を維持できる第2の付勢力を作用可能なゲート閉鎖機構を備え、該ゲート閉鎖機構は、前記シュートが前記前進端にあるときから、該シュートが後退し前記シュート内の前記先頭有孔部品が該シュートの外方へ出るまでの期間、前記ストッパープレートに対し前記第2の付勢力を作用しない。このような構成を採用することにより、先頭有孔部品をシュート先端開口部から外方へ取り出す作業を行わない間、ゲート閉鎖機構により、有孔部品をシュート内に確実に係留させることができ、また、弾性部材による第1の付勢力の大きさを小さく設定することにより、小さな力で先頭有孔部品をシュート先端開口部から外方へ出すことができる。
【0029】
ここで、前記弾性部材は、前記ストッパープレートが先端部に設けられたゲートヒンジを介して前記ストッパープレートに前記第1の付勢力を作用し、また、前記ゲート閉鎖機構は、ローラと、前記ゲートヒンジの後端部に設けられたヒンジプレートとを備え、前記ゲート閉鎖機構は、前記ヒンジプレートが前記ローラから押圧力を受けることにより、前記ゲートヒンジを介して前記ストッパープレートに対し前記第2の付勢力を作用し、また、前記ゲート閉鎖機構は、前記ヒンジプレートが前記ローラと非接触状態のとき、前記ストッパープレートに対し前記第2の付勢力を作用しない。このような構成を採用することにより、第1の付勢力と第2の付勢力をストッパープレートに作用させる機構の簡素化を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る第1有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第1溶接システムの概略構成図、図2は、第1有孔部品自動供給作業装置の正面断面図、図3は、第1有孔部品自動供給作業装置の正面図、図4は、第1有孔部品自動供給作業装置の平面図、図5は、第1有孔部品自動供給作業装置の背面図、図6は、図4図示VI矢視図、図7は、図3図示VII-VII断面図、図8は、図3図示VIII-VIII断面図、図9は、ナット押え機構の説明図であって、シュートが後退端にあるときの平面断面図、図10は、ナット押え機構の説明図であって、ナットを拘束しているときの平面断面図、図11は、後続ナットを移送保持する動作を説明するための正面断面図、図12は、図11の要部拡大図、図13は、先頭有孔部品をシュート内から取り出す動作を説明するための正面断面図、図14は、第1有孔部品自動供給作業装置の位置合せの説明図、図15は、ガイドシャフトの正面図、図16は、ガイドシャフトの底面図、図17は、第1有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図、図18は、本発明の実施形態に係る第2有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第2溶接システムの概略構成図、図19は、第2有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図、図20は、第2有孔部品自動供給作業装置を用いた他の溶接作業の工程図、図21は、本発明の実施形態に係る第3有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第3溶接システムの概略構成図、図22は、第3有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図、図23は、本発明の実施形態に係る第4有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第4溶接システムの概略構成図、図24は、第4有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図をそれぞれ示す。
【0032】
A. 第1有孔部品自動供給作業装置(図1〜図17)
図1図示の第1溶接システムは、第1有孔部品自動供給作業装置としての第1ナット自動供給作業装置300Aと有孔部品フィーダーとしてのナットフィーダー400とロボット500とにより構成される。
【0033】
第1ナット自動供給作業装置300Aは、部品自動供給装置としての第1ナット自動供給装置3Aと、作業装置としての定置式第1溶接装置4Aとからなる。
【0034】
第1溶接装置4Aは、固定側作業部かつ下側作業部としての下部固定電極1Aと、可動側作業部かつ上側作業部としての上部可動電極2Aとを備える。上部可動電極2Aは、駆動手段301によって昇降可能とされる。上部可動電極2Aには、図2等に図示するガイドシャフト26が設けられる。ガイドシャフト26はシリンダ302によって昇降可能とされる。
【0035】
第1ナット自動供給装置3Aは、第1溶接装置4Aに取付位置が調整可能に取付けられ、上部可動電極2Aの下方位置に接近及び離隔可能とされる。第1ナット自動供給装置3Aはナットフィーダー400に接続され、ナットフィーダー400から第1ナット自動供給装置3Aに図2等に図示する有孔部品としてのナット200がエアーによって送給される。
【0036】
(1) 下部固定電極1A
下部固定電極1Aは、溶接装置4Aにおいて固定配置されている。下部固定電極1Aは、図14に示すように、その上端部に下部電極チップ11を備え、下部電極チップ11に、上下方向に進退可能なガイドピン12が配され、ガイドピン12の下側は図示しないエアーシリンダ等に連結されている。ガイドピン12は、ワーク100が下部電極チップ11の上面付近を移動しているときは後退端にあり、下部電極チップ11の上端面11aの下に埋もれた状態に保たれる。また、ワーク100がロボット500により下部電極チップ11の上端面11aとガイドピン12に対して正規の位置に載置されると、ガイドピン12は上昇移動して前進端に位置し、下部電極チップ11の上端面11aから上方へ突出した状態に保たれる。また、ナット200もガイドピン12で位置合せされワーク100の上面100aに載置され、上部可動電極2Aでナット200を加圧しながら通電することにより、ワーク100に溶接される。
【0037】
(2) 上部可動電極2A
上部可動電極2Aは、図14に示すように、その軸心が下部固定電極1Aの軸心と一致するよう下部固定電極1Aの真上に配置される。上部可動電極2Aは、駆動手段301によって上昇、下降する。上部可動電極2Aは、チップホルダー23と、チップホルダー23に固定された上部電極チップ24とを備える。チップホルダー23及び上部電極チップ24は、上下方向に貫通するガイド孔25を形成しており、このガイド孔25にガイドシャフト26が収容されている。ガイドシャフト26は、上部可動電極2Aの上部に配置されたシリンダ302に連結されており、軸心が一定に保たれた状態でシリンダ302によって上下方向に進退する。ガイドシャフト26は、前進端(下降位置)、つまりガイドシャフト26の弾性先端部が上部電極チップ24の下端電極面24aから下方へ突出した状態と、図14に実線で示した後退端(上昇位置)、つまり、ガイドシャフト26がガイド孔25内に格納された状態をとり得る。また、図16に示すように、ガイドシャフト26の弾性先端部には、底面視十字状の切込み26aが形成され、ガイドシャフト26の弾性先端部は弾性を有する。切込み26aを形成する4つの分割片26bは、それぞれ先端に向かって拡径するよう弓なり状に形成されており、4つの分割片26bの先端部全体の外径はガイドシャフト26の外径よりも僅かに大きい。この先端部の外径は、4つの分割片26bをナット200のねじ孔200aに僅かな圧入力で挿入することができ、しかも、挿入後4つの分割片26bがナット200を保持し続ける弾性力を発揮できるように設定される。尚、分割片26bは、本実施形態では4つとしたが、2つ以上あればよい。
【0038】
ガイドシャフト26、ガイド孔25、シリンダ302等は、有孔部品弾性保持手段としてのナット弾性保持手段を構成する。
【0039】
(3) 第1ナット自動供給装置3A
図1〜図16において、第1ナット自動供給装置3Aは、供給ヘッド部3aとナット供給部3bとを有する。
【0040】
[3a] 供給ヘッド部3a
供給ヘッド部3aは、ヘッド取付板101を有し、ヘッド取付板101に円柱状の装置保持具101aが溶接されている。装置保持具101aは、溶接装置4Aに取付位置の調整が可能に固定される。
【0041】
ヘッド取付板101の正面(ナット供給部3b側の面)には、ベースプレート102がネジ103によって固定される。
【0042】
ベースプレート102の正面には、リニア軸受104が固定される。また、ベースプレート102の後面には、ナット供給部3bの前進端を調整可能に規制するストローク規制バー106がねじ込まれている。また、ベースプレート102の前面には、ナット押え機構Bのリンクバー107を保持する保持プレート108がネジ109で固定されている。また、ベースプレート102の正面には、エアーシリンダ110を片持ち保持するシリンダブラケット111が固定されている。また、図5及び図6に示すように、ベースプレート102の下面には、ヘッド取付板101に対して供給ヘッド部3aを位置合わせするヘッド位置決め板112がネジ113で固定されている。また、ベースプレート102の正面には、ゲート閉鎖機構Cのローラ114を回動自在に保持するローラ保持ロッド115が固定されている。
【0043】
エアーシリンダ110はシリンダロッド116を有し、シリンダロッド116は、エアーシリンダ110内部に流入、流出するエアーによって前後方向へ移動される。エアーは、図示しないエアー源に接続される2つのシリンダ継手117、118からエアーシリンダ110内部に流入、流出される。エアーシリンダ110には、シリンダロッド116の後退端、換言するとナット供給部3bの前進端を検出する前進端センサ119と、シリンダロッド116の前進端、換言するとナット供給部3bの後退端を検出する後退端センサ120とが配設される。
【0044】
シリンダロッド116の先端部は、ロッド継手121を介してストッパーブラケット122に固定され、ストッパーブラケット122は、スライドプレート105の背面後端部に固定される。スライドプレート105は、背面に前後方向に沿ったスライドレール123を有し、スライドレール123は、リニア軸受104によって前後方向へ移動可能に保持されている。
【0045】
スライドプレート105の背面前端部には、ナット押え機構Bが設けられる。
【0046】
ナット押え機構Bは、スライドプレート105の背面に固定されるハウジング124を備える。ハウジング124の背面側端面には、エンドプレート125が固定される。ハウジング124の内部には、ナット押えピン126が収容される。ナット押えピン126の先端部126aは、スライドプレート105及びシュート127にそれぞれ形成された押え孔105a、127a内に位置する。ナット押えピン126の後端部126bは、エンドプレート125の孔を通り、エンドプレート125の外方に位置する。ナット押えピン126の後端部126bには、リンク受板128が固定される。ナット押えピン126の中央部126cは、ハウジング124の内部に、ナット押えピン126の軸方向へ移動可能に収容される。ナット押えピン126の中央部126cとエンドプレート125との間には、スプリング129が収容される。スプリング129は、ナット押えピン126の中央部126cに対しナット供給部3bに接近させる方向の付勢力を加えている。ハウジング124及びエンドプレート125は、板状リンク130を収容するリンク収容溝131を有している。板状リンク130は、リンク収容溝131内のリンクピン132回りに回動自在とされる。板状リンク130の先端部130aは、リンク受板128と係合可能とされる。板状リンク130の後端部130bは、リンクバー107と係合可能とされる。
【0047】
[3b] ナット供給部3b
ナット供給部3bは、スライドプレート105の正面に固定されたシュート127を備える。シュート127の上部は、断面略U字状のナット送給路127bを構成する。ナット送給路127bの通路幅は、ナット200の幅よりも僅かに大きく設定されている。ナット送給路127bの上端面には、一対のシュートカバー145、145が所定間隔を置いて固定される。一対のシュートカバー145、145間の間隔は、ガイドシャフト26の先端部の外径よりも大きく設定され、ガイドシャフト26の先端部がナット送給路127b内に下降可能とされる。シュート127の前端部には、位置合せピン孔127cが形成されている。
【0048】
ナット送給路127bの後端面には、前端部にフランジ133aを有する供給パイプ133がネジ134で固定される。供給パイプ133には、ナットフィーダー400側のエスケープメント401に接続されるフレキシブルな送給ホース402が接続される。エスケープメント401は、ナットフィーダー400から連続して送り出されるナット200を一個ごとに切り離し送給ホース402へ送る。
【0049】
シュート127の前部下面には、ゲートヒンジ135が配される。ゲートヒンジ135は、上下方向に貫通した角孔部135aを有する。ゲートヒンジ135の前端部には、上下方向に貫通した位置合せピン孔135bが形成されている。また、ゲートヒンジ135の前端部には、ストッパープレート136がネジ137で固定される。ストッパープレート136の上面136aは、後端がナット送給路127bの床面よりも高く、かつ、後端から前端に向かって高くなる傾斜面で構成されている。
【0050】
ゲートヒンジ135の角孔部135aには、ヒンジスプリング138が収容される。スライドプレート105と正面プレート139との間に、ヒンジピン140が掛渡される。ヒンジスプリング138のコイル部138aはヒンジピン140に装着され、ヒンジスプリング138の前端部138bはゲートヒンジ135の下面に、後端部138cはシュート127の下面にそれぞれ係止される。ヒンジスプリング138は、ゲートヒンジ135に対し、ゲートヒンジ135をシュート127の下面に軽く押し付ける第1の付勢力を常に加える。
【0051】
ゲートヒンジ135の後端部下面には、ヒンジプレート141がネジ142で固定される。ヒンジプレート141の前部141aは、シュート127の移動方向と平行に構成され、後部141bは、後方へ向かって下方へ傾斜するよう構成される。ヒンジプレート141の上面141c側には、ローラ114が配される。
【0052】
シュート127の正面には、正面プレート139が固定される。正面プレート139には、シュート127内の先頭ナット200Aを検出する先頭ナットセンサ143、及び、シュート127内の後端ナット200Eつまり第n番目のナット200Eを検出する第n番目ナットセンサ144が配設される。
【0053】
(4) 第1ナット自動供給作業装置300Aの操作手順及び動作
次に、上記のように構成された第1ナット自動供給作業装置300Aの操作手順及び動作を説明する。
【0054】
1) 準備作業
a.上部可動電極2Aに対しシュート127の位置合せを行う。
【0055】
第1溶接装置4Aの所定位置にヘッド取付板101の装置保持具101aを固定する。ヘッド位置決め板112をヘッド取付板101の下面に下方から当てた状態で仮締めする。上部可動電極2Aのガイドシャフト26を後退(上昇)させる。手動で又はエア回路を遮断して第1ナット自動供給装置3Aを前進させる。位置合せピン72を位置合せピン孔135b、127cの下方から挿入し、位置合せピン72の先端部が上部可動電極2Aのガイド孔25に嵌まるよう前進端を調整する。そして、位置合せピン72の先端部がガイド孔25に嵌った位置、つまり上部可動電極2Aの軸心とシュート127内の先頭ナット200Aのねじ孔200aの中心とが一致する位置をシュート127の前進端として決定し、供給ヘッド部3aをヘッド取付板101に本締めする。
【0056】
b.シュート127等可動部を手動で後退端まで戻し、供給パイプ133に送給ホース402を接続し、ナットフィーダー400からシュート127内にナット200を複数個送給する。
【0057】
シュート127が後退端にあるときには、図9に示すように、ナット押え機構Bの板状リンク130はリンクバー107と係合しており、板状リンク130の先端部130aが、スプリング129の付勢力に打ち勝ってリンク受板128を押上げ、ナット押えピン126の先端部126aは、シュート127の内部に侵入しない後退端に保たれる。このため、シュート127内に送給されてくる先頭ナット200Aは、ナット押えピン68eによって移動が規制されずにストッパープレート136の後面まで送給され、また、先頭ナット200Aの後方に後続ナット200Bなどその他のナット200が連続して送給される。
【0058】
シュート127が後退端にあるときには、図2に示すように、ゲート閉鎖機構Cのローラ114がヒンジプレート141を下方へ押圧している。このため、ゲートヒンジ135の前端部はヒンジピン140を支点としてシュート127の下面に強く押し付けられている。このローラ114による力は、ヒンジスプリング136による小さな付勢力と比べて十分に大きな第2の付勢力である。このため、ストッパープレート136は、ヒンジスプリング138による小さな第1の付勢力とローラ114による大きな第2の付勢力を受け、シュート127の先端開口部127dを閉鎖状態に維持する。したがって、シュート127内に送給されてきた複数個のナット200は、シュート127内に確実に保持される。
【0059】
2) 溶接作業
a.ロボット500によりガイドピン12にワーク100をセットする(図17(A))。なお、図17(A)において、符号501はロボット500のハンドを表しており、ハンド501は、ワーク100に、外力例えばワーク100の位置決め孔に加わるガイドピン12の力が加えられたとき、ワーク100の水平方向への移動を許容し得るようワーク100を保持する。このハンド501によるワーク保持方法は、後述する第2ナット自動供給作業装置300B、第3ナット自動供給作業装置300C及び第4ナット自動供給作業装置300Dの各溶接作業においても同様である。
【0060】
b.第1溶接装置4Aを起動する。
【0061】
第1溶接装置4Aが起動されると、シリンダ110のエア回路が切替わり、シリンダロッド116が後退し、スライドプレート105がスライドレール123にガイドされながら前進する。
【0062】
この前進時、板状リンク130はリンクバー107から離れるため、スプリング129の付勢力によりナット押えピン126は前進し、図10に示すように、ナット押えピン126は後続ナット200Bの側面200bを押圧するようになる。このため、後続ナット200Bは前方への移動が規制される。
【0063】
また、シュート127が前進端まで達したとき、換言すると、ストッパーブラケット122がストローク規制バー106に当たるようになったとき、図13に示すように、ヒンジプレート141はローラ114から離れて位置し、ローラ114から下方への押圧力を受けていない。このため、ゲートヒンジ135は、ヒンジスプリング138による小さな第1の付勢力のみによってシュート56の下面に押し付けられている。したがって、ストッパープレート136は、小さな第1の付勢力によりシュート127の先端開口部127dを閉鎖状態に維持している。
【0064】
c.シュートが前進端まで達したことが前進端センサ119により検出されると、上部可動電極2Aの駆動手段301によりガイドシャフト26が前進端(下降位置)まで下降する。
【0065】
ガイドシャフト26が前進端まで下降するとき、ガイドシャフト26の4つの分割片26bは、シュート127内の先頭ナット200Aのねじ孔200aに弾性変形して挿入され、先頭ナット200Aを保持する(図17(B))。
【0066】
d.所定時間経過後、シリンダ110のエア回路が切り替わり、シリンダロッド116が前進し、シュート127は後退端まで後退する(図17(C))。
【0067】
このシュート127の後退に伴い、上部可動電極2Aが下降し、ガイドシャフト26に弾性保持された保持ナット200Dが下部固定電極1Aのガイドピン12に嵌る。ここで、ガイドシャフト26は、保持ナット200Dをガイドピン12に受け渡したときに上昇し上部可動電極2A内に後退する。このガイドシャフト26の上昇タイミングは制御回路(図示せず。)のタイマーでコントロールされる。また、ナット受け渡し時にオンするセンサーを設け、このセンサーの検出信号に基づいてガイドシャフト26を上昇させるようにしてもよい。下部固定電極1Aと上部可動電極2Aとの間に加圧通電してワーク100に溶接ナット200E(ワーク100上にセットされた保持ナット200D)を溶接する(図17(D))。溶接完了と同時に上部可動電極2Aを上昇させる。
【0068】
シュート127の後退開始直後において、ゲートヒンジ135は、ヒンジスプリング138による小さな第1の付勢力のみによってシュート127の下面に押し付けられているため、上部可動電極2Aのガイドシャフト26の4つの分割片26bによって弾性保持されている先頭ナット200Aは、ストッパープレート136を押し開け、ストッパープレート136の上面136aを滑りながらシュート127の先端開口部127dから外部に出る。このとき、先頭ナット200Aのねじ孔200aのねじ径が正規のねじ径よりも大きい場合は、4つの分割片26bが先頭ナット200Aを弾性保持することができないため、落下するようになる。また、先頭ナット200Aが正規のねじ径よりも小さなねじ径を有するものである場合、4つの分割片26bがねじ孔200aに嵌らないため、先頭ナット200Aがシュート127の外に出たとき、同様に落下するようになる。このため、ガイドシャフト26の4つの分割片26bは、正規ナットと異種ナットを自動的に選別する作用を発揮することになる。さらに、4つの分割片26bは、先頭ナット200A(この時点では保持ナット200Dとなる。)のねじ孔200aの全周に均等に力を作用して保持ナット200Dを弾性保持するため、保持ナット200Dは一定の姿勢を保ちながら保持されるようになり、個々の保持ナット200Dを常に同一の姿勢でワーク100の上にセットすることができる。
【0069】
また、シュート127が後退端付近まで後退するまでの間、ナット押えピン126は後続ナット200Bの側面200bを押圧し続け、後続ナット200Bは前方への移動が規制される。そして、シュート127が後退端付近まで後退すると、板状リンク130はリンクバー107に当たり、リンクピン132を支点として回動し、スプリング129の付勢力に打ち勝って板状リンク130の先端部130aがリンク受板128を押し上げる。このため、ナット押えピン126は後退し、後続ナット200Bの側面200bから離れ、後続ナット200Bは前進可能になる。
【0070】
また、シュート127の後退時、ヒンジプレート141はローラ114と当接を開始してローラ114から下方への押圧力を受けるようになり、ゲートヒンジ135は、ヒンジスプリング138による小さな第1の付勢力の他に、ローラ114からヒンジピン140を支点とする大きな第2の付勢力を受け、ゲートヒンジ135をシュート127の下面に強く押し付ける。このため、シュート127内の後続ナット200B及びその他のナット200はシュート127内に確実に保持されるようになる。
【0071】
e.シリンダロッド116が前進端まで達したこと、換言すると、シュート127が後退端まで達したことが、後退端センサ120によって検出されると、1ストロークが完了する。
【0072】
f.ナットフィーダー400のエスケープメント401からシュート127内に新たなナット200が補給され、先頭ナットセンサ143及び第n番目ナットセンサ144が各々新たな先頭ナット200A及び後端ナット200Fつまり第n番目ナット200Fを検出するまで次の起動を待機させる。
【0073】
以後、上記a〜fを繰り返す。ここで、下部固定電極1Aへのワーク100のセットは、溶接完了後に上部可動電極2Aが上昇を開始した後から、上部可動電極2Aのガイドシャフト26がナット200を弾性保持した状態で上部可動電極2Aが下降を開始するまでの間に行われる。そして、ワーク100のセット方法は、下部固定電極1Aのガイドピン12を下降させ、次のナット200が溶接されるワーク位置(位置決め孔)がガイドピン12の位置に達するまでロボット500によりワーク100を水平移動させ、その後、ガイドピン12を上昇させることによって行われる。
【0074】
このように上部可動電極2Aにナット200を保持させる作業は、ワーク100を下部固定電極1Aに出し入れする作業とは独立して行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
【0075】
以上説明したように、第1ナット自動供給作業装置300Aは、上部可動電極(可動側作業部)2Aと下部固定電極(固定側作業部)1Aとを有する第1溶接装置(作業装置)4Aと、上部可動電極2Aに対してナット(有孔部品)200を供給する第1ナット自動供給装置(部品自動供給装置)3Aとからなり、第1ナット自動供給装置3Aは、ナット200を一列に整列して収容し、前進及び後退可能なシュート127と、シュート127の先端開口部127dを開放及び閉鎖するストッパープレート136と、ストッパープレート136に対し、シュート先端開口部127dを閉鎖させる方向の第1の付勢力を常に作用するヒンジスプリング(弾性部材)138と、ナット200が供給される上部可動電極2Aに設けられ、往復動可能なガイドシャフト26と、を備え、シュート127が前進端にあるとき、ガイドシャフト26の4つの分割片(弾性先端部)26bがシュート127内の先頭ナット200Aの孔に挿入され、その後、シュート127が後退するとき、分割片26bで保持された先頭ナット200Aは、ヒンジスプリング138による第1の付勢力に打ち勝ってストッパープレート136を押し開き、先頭ナット200Aはシュート127の先端開口部127dから外方へ出て分割片26bで弾性保持される。
【0076】
この第1ナット自動供給作業装置300Aによると、シュート127内にナット200を一列に収容し、その先頭ナット200Aを上昇位置にある上部可動電極2Aに供給すると共にガイドシャフト26の弾性先端部26bでナット200Dを弾性保持するようにしたため、外プロジェクション有孔部品等にも適用可能となり、しかも、上下電極1、2間の作業空間を確保しつつナット200を上部可動電極2Aに確実に供給し保持させることができる。
【0077】
また、第1ナット自動供給作業装置300Aは、シュート127内の先頭ナット200Aに続く後続ナット200Bの側面200bを押圧し、後続ナット200Bの前進を規制するナット押え機構Bを備え、ナット押え機構Bは、シュート127が後退端にあるとき、後続ナット200Bの側面200bから離れて後続ナット200Bの前進を許容するよう制御される。このような構成を採用したため、シュート127内の先頭ナット200Aがガイドシャフト26の弾性先端部26bで保持されながらストッパープレート136を押し開いてシュート127の外方へ出るとき、後続ナット200Bはナット押え機構Bによって確実にシュート127内に保持されるようになり、押し開かれたストッパープレート136を越えて後続ナット200Bがシュート127から脱落する不具合を防止できる。
【0078】
また、第1ナット自動供給作業装置300Aは上述したような構成であるため装置の小型化を図ることができ、また、確実性の高い動作を行うことができる。
【0079】
また、第1ナット自動供給作業装置300Aは、ストッパープレート136に対し、シュート先端開口部127dの閉鎖状態を維持できる第2の付勢力を作用可能なゲート閉鎖機構Cを備え、ゲート閉鎖機構Cは、シュート127が前進端にあるときから、シュート127が後退しシュート127内の先頭ナット200Aがシュート127の外方へ出るまでの期間、ストッパープレート136に対し第2の付勢力を作用しない。このような構成を採用したため、先頭ナット200Aをシュート先端開口部127dから外方へ取り出す作業を行わない間、ゲート閉鎖機構Cにより、ナット200をシュート127内に確実に係留させることができ、また、ヒンジスプリング138による第1の付勢力の大きさを小さく設定することにより、小さな力で先頭ナット200Aをシュート先端開口部127dから外方へ出すことができる。
【0080】
また、ヒンジスプリング138は、ストッパープレート136が先端部に設けられたゲートヒンジ135を介してストッパープレート136に第1の付勢力を作用し、また、ゲート閉鎖機構Cは、ローラ114と、ゲートヒンジ135の後端部に設けられたヒンジプレート141とを備え、ゲート閉鎖機構Cは、ヒンジプレート141がローラ114から押圧力を受けることにより、ゲートヒンジ135を介してストッパープレート136に対し第2の付勢力を作用し、また、ゲート閉鎖機構Cは、ヒンジプレート141がローラ114と非接触状態のとき、ストッパープレート136に対し第2の付勢力を作用しない。このような構成を採用したため、第1の付勢力と第2の付勢力をストッパープレート136に作用させる機構の簡素化を図ることができる。
【0081】
また、ガイドシャフト26の弾性先端部26bを、正規のねじ径を有する正規ナットのみを弾性保持し得るよう構成したため、ねじ径が正規のねじ径と異なる異種ナットはガイドシャフトの弾性先端部によって弾性保持されなくなるため、正規ナットと異種ナットを自動的に選別することができる。
【0082】
また、ゲートヒンジ135及びシュート127の床部にそれぞれ形成された上下方向に貫通した位置合せピン孔135b、127cに下方から挿入され、先端部が上部可動電極2Aのガイド孔25に嵌ることによってシュート127の前進端を初期設定するための位置合せピン72を設けたため、シュート127の前進端の初期設定を容易に行うことができる。
【0083】
また、先頭ナット200Aを上部可動電極2Aに供給する際、後続ナット200Bを先頭ナット200Aから確実に分離してシュート127内に拘束することができる。また、ガイドシャフト26に弾性保持される保持ナット200Dの姿勢を一定に保つことができるため、ナット200に姿勢の方向性が求められる溶接にも効果的に対応できる。また、上部可動電極2Aにナット200を保持させた状態でワーク100の出し入れを行えるため、作業時間の短縮を図ることができる。
【0084】
B. 第2有孔部品自動供給作業装置(図18〜図20)
図18図示の第2溶接システムは、第2有孔部品自動供給作業装置としての第2ナット自動供給作業装置300Bと有孔部品フィーダーとしてのナットフィーダー400とロボット500とにより構成される。
【0085】
第2ナット自動供給作業装置300Bは、部品自動供給装置としての第2ナット自動供給装置3Bと、作業装置としての定置式第2溶接装置4Bとからなる。
【0086】
第2溶接装置4Bは、可動側作業部かつ下側作業部としての下部可動電極1Bと、固定側作業部かつ上側作業部としての上部固定電極2Bとを備える。
【0087】
第2ナット自動供給装置3Bは、第2溶接装置4Bに取り付けられた駆動手段304によって昇降可能とされ、かつ、上部固定電極2Bの下方位置に接近及び離隔可能とされる。第2ナット自動供給装置3Bはナットフィーダー400に接続され、ナットフィーダー400から第2ナット自動供給装置3Bに有孔部品としてのナット200がエアーによって送給される。
【0088】
(1) 下部可動電極1B
下部可動電極1Bは、上述した第1溶接装置4Aの下部固定電極1Aと同様に構成され、かつ、駆動手段303によって昇降可能とされる。
【0089】
(2) 上部固定電極2B
上部固定電極2Bは、上述した第1溶接装置4Aの上部可動電極2Aと同様に構成されるが、昇降不可能とされる。ガイドシャフト26はシリンダ302によって昇降される。
【0090】
(3) 第2ナット自動供給装置3B
第2ナット自動供給装置3Bは、供給ヘッド部3aとナット供給部3bとを有する。
【0091】
[3a] 供給ヘッド部3a
供給ヘッド部3aは、上述した第1ナット自動供給装置3Aの供給ヘッド部3aと同様に構成され、かつ、駆動手段304によって昇降可能とされる。
【0092】
[3b] ナット供給部3b
ナット供給部3bは、上述した第1ナット自動供給装置3Aのナット供給部3bと同様に構成される。
【0093】
(4) 第2ナット自動供給作業装置300Bの操作手順及び動作
次に、上記のように構成された第2ナット自動供給作業装置300Bの操作手順及び動作を説明する。
【0094】
第2ナット自動供給作業装置300Bは、上述した第1ナット自動供給作業装置300Aの準備作業と同様な準備作業を行い、次に、第1ナット自動供給作業装置300Aの溶接作業と同様な溶接作業(図19(A)〜(E)又は図20(A)〜(E))を行う。ここで、図19(A)〜(E)は、ロボット500によってワーク100を下部可動電極1Bにセットする場合の溶接作業に対応し、また、図20(A)〜(E)は、ロボットによってワーク100を上部固定電極2Bと下部可動電極1Bとの間に保持する場合に対応する。
【0095】
ただし、溶接作業において、上部固定電極2Bがナット200を保持した状態(図19(C)又は図20(C))の後は、ワーク100の形状による第2ナット自動供給装置3Bとワーク100との干渉を防止するために第2ナット自動供給装置3Bを上昇させる(図19(D)又は図20(D))。その後、下部可動電極1Bを上昇させて溶接を行い(図19(E))、あるいは、ワーク100をナット200の溶接位置まで上昇させ(図20(D))、次に下部可動電極1Bを上昇させて溶接を行う(図20(E))。また、ナット200を1個ずつ溶接した後は、下部可動電極1Bを元の位置まで下降させるとともに、第2ナット自動供給装置3Bを上昇させた場合は、元の位置まで下降させるようにする。なお、図19に示した溶接作業の場合、ワーク100のセット方法は、上述した第1ナット自動供給作業装置300Aと同様、次のナット200が溶接されるワーク位置(位置決め孔)がガイドピン12の位置に達するまでロボット500によりワーク100を水平移動させ、その後、ガイドピン12を上昇させることによって行われる。
【0096】
第2ナット自動供給作業装置300Bは上記のように構成されているため、上述した第1ナット自動供給作業装置300Aと同様な効果を奏することができる。
【0097】
C. 第3有孔部品自動供給作業装置(図21、図22)
図21図示の第3溶接システムは、第3有孔部品自動供給作業装置としての第3ナット自動供給作業装置300Cと有孔部品フィーダーとしてのナットフィーダー400とロボット500とにより構成される。
【0098】
第3ナット自動供給作業装置300Cは、部品自動供給装置としての第3ナット自動供給装置3Cと、作業装置としての定置式第3溶接装置4Cとからなる。
【0099】
第3溶接装置4Cは、可動側作業部かつ下側作業部としての下部可動電極1Cと、固定側作業部かつ上側作業部としての上部固定電極2Cとを備える。
【0100】
第3ナット自動供給装置3Cは、下部可動電極1Cの上方位置に接近及び離隔可能とされる。第3ナット自動供給装置3Cはナットフィーダー400に接続され、ナットフィーダー400から第3ナット自動供給装置3Cに有孔部品としてのナット200がエアーによって送給される。
【0101】
(1) 下部可動電極1C
下部可動電極1Cは、上述した第1溶接装置4Aの上部可動電極2Aと同様に構成され、駆動手段303によって昇降可能とされる。ガイドシャフト26は、シリンダ302によって昇降される。
【0102】
(2) 上部固定電極2C
上部固定電極2Cは、上述した第1溶接装置4Aの下部固定電極1Aと同様に構成される。
【0103】
(3) 第3ナット自動供給装置3C
第3ナット自動供給装置3Cは、供給ヘッド部3aとナット供給部3bとを有する。第3ナット自動供給装置3Cは、上述した第1ナット自動供給装置3Aを、ナット供給部3bにおけるナット送り方向に沿った水平軸を回転中心として反転させたものに対応する。なお、図21には、説明を分かり易くするため供給ヘッド部3aとナット供給部3bの図面表裏方向の配置を逆にして表している。
【0104】
(4) 第3ナット自動供給作業装置300Cの操作手順及び動作
第3ナット自動供給作業装置300Cの操作手順及び動作は、図21図示の状態を上下反転させた状態における上述した第1ナット自動供給作業装置300Aの準備作業及び溶接作業と同様である(図17(A)〜(D)、図22(A)〜(D))。
【0105】
D. 第4有孔部品自動供給作業装置(図23、図24)
図23図示の第4溶接システムは、第4有孔部品自動供給作業装置としての第4ナット自動供給作業装置300Dと有孔部品フィーダーとしてのナットフィーダー400とロボット500とにより構成される。
【0106】
第4ナット自動供給作業装置300Dは、部品自動供給装置としての第4ナット自動供給装置3Dと、作業装置としての定置式第4溶接装置4Dとからなる。
【0107】
第4溶接装置4Dは、固定側作業部かつ下側作業部としての下部固定電極1Dと、可動側作業部かつ上側作業部としての上部可動電極2Dとを備える。
【0108】
第4ナット自動供給装置3Dは、下部可動電極1Dの上方位置に接近及び離隔可能とされる。第4ナット自動供給装置3Dはナットフィーダー400に接続され、ナットフィーダー400から第4ナット自動供給装置3Dに有孔部品としてのナット200がエアーによって送給される。
【0109】
(1) 下部固定電極1D
下部可動電極1Dは、上述した第2溶接装置4Bの上部可動電極2Bと同様に構成されるが、昇降不可能とされる。ガイドシャフト26は、シリンダ302によって昇降可能とされる。
【0110】
(2) 上部可動電極2D
上部可動電極2Dは、上述した第2溶接装置4Bの下部固定電極1Bと同様に構成され、かつ、駆動手段301により昇降可能とされる。
【0111】
(3) 第4ナット自動供給装置3D
第4ナット自動供給装置3Dは、上述した第3ナット自動供給装置3Cと同様に構成され、かつ、供給ヘッド部3aは、駆動手段304によって昇降可能とされる。
【0112】
(4) 第4ナット自動供給作業装置300Dの操作手順及び動作
第4ナット自動供給作業装置300Dの操作手順及び動作は、図23図示の状態を上下反転させた状態における上述した第2ナット自動供給作業装置300Bの準備作業及び溶接作業と同様である(図20(A)〜(E)、図24(A)〜(E))。
【0113】
以上説明したように、第1ナット自動供給作業装置300A及び第2ナット自動供給作業装置300Bは、上側作業部としての上部可動電極2A又は上部固定電極2Bに有孔部品としてのナット200を供給する。
【0114】
そして、第1ナット自動供給作業装置300Aは、図17に示したように、下部固定電極1A側に水平方向へ移動可能にセットされたワーク100に対して、上部可動電極2Aの弾性先端部26bに弾性保持されたナット200を溶接する。
【0115】
また、第2ナット自動供給作業装置300Bは、図19に示したように、下部可動電極1B側に水平方向へ移動可能にセットされたワーク100に対して、上部固定電極2Bの弾性先端部26bに弾性保持されたナット200を溶接する。
【0116】
また、第2ナット自動供給作業装置300Bは、図20に示したように、上部固定電極2Bの弾性先端部26bに弾性保持されたナット200の溶接位置にワーク100をセットした後、ワーク100にナット200を溶接する。
【0117】
また、以上説明したように、第3ナット自動供給作業装置300C及び第4ナット自動供給作業装置300Dは、下側作業部としての下部可動電極1C又は上部可動電極2Dに有孔部品としてのナット200を供給する。
【0118】
そして、第3ナット自動供給作業装置300Cは、図22に示したように、上部固定電極2C側に水平方向へ移動可能にセットされたワーク100に対して、下部可動電極1Cの弾性先端部26bに弾性保持されたナットを溶接する。
【0119】
また、第4ナット自動供給作業装置300Dは、図24に示したように、下部固定電極1Dの弾性先端部26bに弾性保持されたナット200の溶接位置にワーク100をセットした後、ワーク100にナット200を溶接する。
【0120】
なお、上記実施形態では、有孔部品としてナットを使用し、かつ、作業装置として溶接装置を用いたが、本発明は、ナット以外の孔を有する部品に広く適用可能であり、また、溶接装置以外のかしめ装置など、一対の作業部を有する作業装置に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施形態に係る第1有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第1溶接システムの概略構成図である。
【図2】第1有孔部品自動供給作業装置の正面断面図である。
【図3】第1有孔部品自動供給作業装置の正面図である。
【図4】第1有孔部品自動供給作業装置の平面図である。
【図5】第1有孔部品自動供給作業装置の背面図である。
【図6】図4図示VI矢視図である。
【図7】図3図示VII-VII断面図である。
【図8】図3図示VIII-VIII断面図である。
【図9】ナット押え機構の説明図であって、シュートが後退端にあるときの平面断面図である。
【図10】ナット押え機構の説明図であって、ナットを拘束しているときの平面断面図である。
【図11】後続ナットを移送保持する動作を説明するための正面断面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【図13】先頭有孔部品をシュート内から取り出す動作を説明するための正面断面図である。
【図14】第1有孔部品自動供給作業装置の位置合せの説明図である。
【図15】ガイドシャフトの正面図である。
【図16】ガイドシャフトの底面図である。
【図17】第1有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図である。
【図18】本発明の実施形態に係る第2有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第2溶接システムの概略構成図である。
【図19】第2有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図である。
【図20】第2有孔部品自動供給作業装置を用いた他の溶接作業の工程図である。
【図21】本発明の実施形態に係る第3有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第3溶接システムの概略構成図である。
【図22】第3有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図である。
【図23】本発明の実施形態に係る第4有孔部品自動供給作業装置が組み込まれた第4溶接システムの概略構成図である。
【図24】第4有孔部品自動供給作業装置を用いた溶接作業の工程図である。
【符号の説明】
【0122】
1A 下部固定電極(固定側作業部)
1B 下部可動電極(可動側作業部)
1C 下部可動電極(可動側作業部)
1D 下部固定電極(固定側作業部)
2A 上部可動電極(可動側作業部)
2B 上部固定電極(固定側作業部)
2C 上部固定電極(固定側作業部)
2D 上部可動電極(可動側作業部)
3A 第1ナット自動供給装置(有孔部品自動供給装置)
3B 第2ナット自動供給装置(有孔部品自動供給装置)
3C 第3ナット自動供給装置(有孔部品自動供給装置)
3D 第4ナット自動供給装置(有孔部品自動供給装置)
4A 第1溶接装置(作業装置)
4B 第2溶接装置(作業装置)
4C 第3溶接装置(作業装置)
4D 第4溶接装置(作業装置)
26 ガイドシャフト
26b 分割片(弾性先端部)
100 ワーク
114 ローラ
127 シュート
127d 先端開口部
136 ストッパープレート
138 ヒンジスプリング(弾性部材)
141 ヒンジプレート
200 ナット(有孔部品)
300A 第1ナット自動供給作業装置(有孔部品自動供給作業装置)
300B 第2ナット自動供給作業装置(有孔部品自動供給作業装置)
300C 第3ナット自動供給作業装置(有孔部品自動供給作業装置)
300D 第4ナット自動供給作業装置(有孔部品自動供給作業装置)
B ナット押え機構
C ゲート閉鎖機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動側作業部と固定側作業部とを有する作業装置と、前記可動側作業部又は前記固定側作業部のいずれか一方の作業部に対して有孔部品を供給する部品自動供給装置とからなる有孔部品自動供給作業装置であって、
前記部品自動供給装置は、
有孔部品を一列に整列して収容し、前進及び後退可能なシュートと、
前記シュートの先端開口部を開放及び閉鎖するストッパープレートと、
前記ストッパープレートに対し、前記シュート先端開口部を閉鎖させる方向の第1の付勢力を常に作用する弾性部材と、
前記有孔部品が供給される側の作業部に設けられ、往復動可能なガイドシャフトと、
を備え、
前記シュートが前進端にあるとき、前記ガイドシャフトの弾性先端部が前記シュート内の先頭有孔部品の孔に挿入され、その後、前記シュートが後退するとき、前記弾性先端部で保持された前記先頭有孔部品は、前記弾性部材による前記第1の付勢力に打ち勝って前記ストッパープレートを押し開き、前記先頭有孔部品は前記シュートの前記先端開口部から外方へ出て前記弾性先端部で弾性保持されるよう構成されることを特徴とする有孔部品自動供給作業装置。
【請求項2】
前記有孔部品が供給される作業部は上側作業部である請求項1に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項3】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記上側作業部は前記溶接装置の上部可動電極であり、前記溶接装置は、前記固定側作業部である下部固定電極側に水平方向へ移動可能にセットされた前記ワークに対して、前記上部可動電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットを溶接することを特徴とする請求項2に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項4】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記上側作業部は前記溶接装置の上部固定電極であり、前記溶接装置は、前記可動側作業部である下部可動電極側に水平方向へ移動可能にセットされた前記ワークに対して、前記上部固定電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットを溶接することを特徴とする請求項2に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項5】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記上側作業部は前記溶接装置の上部固定電極であり、前記溶接装置は、前記上部固定電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットの溶接位置に前記ワークをセットした後、該ワークに前記ナットを溶接することを特徴とする請求項2に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項6】
前記有孔部品が供給される作業部は下側作業部である請求項1に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項7】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記下側作業部は前記溶接装置の下部可動電極であり、前記溶接装置は、上側作業部である上部固定電極側に水平方向へ移動可能にセットされた前記ワークに対して、前記下部可動電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットを溶接することを特徴とする請求項6に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項8】
前記有孔部品はワークに溶接可能なナットであり、かつ、前記作業装置は前記ワークに前記ナットを溶接する溶接装置であるとともに前記下側作業部は前記溶接装置の下部固定電極であり、前記溶接装置は、前記下部固定電極の前記弾性先端部に弾性保持されたナットの溶接位置に前記ワークをセットした後、該ワークに前記ナットを溶接することを特徴とする請求項6に記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項9】
前記シュート内の前記先頭有孔部品に続く後続有孔部品の側面を押圧し、該後続有孔部品の前進を規制するナット押え機構を備え、該ナット押え機構は、前記シュートが後退端にあるとき、前記後続有孔部品の側面から離れて該後続有孔部品の前進を許容するよう制御されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項10】
前記ストッパープレートに対し、前記シュート先端開口部の閉鎖状態を維持できる第2の付勢力を作用可能なゲート閉鎖機構を備え、該ゲート閉鎖機構は、前記シュートが前記前進端にあるときから、該シュートが後退し前記シュート内の前記先頭有孔部品が該シュートの外方へ出るまでの期間、前記ストッパープレートに対し前記第2の付勢力を作用しないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の有孔部品自動供給作業装置。
【請求項11】
前記弾性部材は、前記ストッパープレートが先端部に設けられたゲートヒンジを介して前記ストッパープレートに前記第1の付勢力を作用し、
また、前記ゲート閉鎖機構は、ローラと、前記ゲートヒンジの後端部に設けられたヒンジプレートとを備え、
前記ゲート閉鎖機構は、前記ヒンジプレートが前記ローラから押圧力を受けることにより、前記ゲートヒンジを介して前記ストッパープレートに対し前記第2の付勢力を作用し、
また、前記ゲート閉鎖機構は、前記ヒンジプレートが前記ローラと非接触状態のとき、前記ストッパープレートに対し前記第2の付勢力を作用しない
ことを特徴とする請求項10に記載の有孔部品自動供給作業装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−229717(P2008−229717A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77473(P2007−77473)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(593038000)矢島技研株式会社 (13)