説明

有機質肥料及びその施用方法

【課題】栽培植物の十分な収量の確保しつつ、体内硝酸イオン濃度の低減を図ることができる極めて安価な有機質肥料及びその施用方法を提供する。
【解決手段】醤油粕よりなる有機質肥料。醤油粕と乾燥菌体とよりなる有機質肥料。醤油粕と燃焼灰とよりなる有機質肥料。醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰とよりなる有機質肥料。上記有機質肥料の施用量を土壌の塩素濃度が500ppm以下になるように決定することを特徴とする有機質肥料の施用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機質肥料及びその施用方法に関するものであり、更に詳しくは、野菜類、果菜類、根菜類等の栽培植物の硝酸イオン濃度を低減させる有機質肥料及びその施用方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜類、果菜類、根菜類等の栽培植物の栽培において、多量の窒素を速効性の化学肥料等により施用してきた結果、該栽培植物の体内に高濃度の硝酸イオンが存在する事例が多いことが明らかになりつつある。
【0003】
これらの硝酸イオンは、通常食べ物から摂取する程度では人体に有害ではないが、消化器官で亜硝酸に還元されると呼吸阻害を生じ、又、体内で肉、魚、大豆等のタンパク質に含まれているアミンと結合すると、発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあることが指摘されている。
【0004】
そのため、WHO(世界保健機構)は、硝酸イオンの摂取量につき、1,540mg/週の制限値を設けている。又、硝酸塩の主たる摂取源が野菜であることから、EU委員会ではホウレンソウ、レタス等の野菜の硝酸イオン濃度に2,500〜3,000ppmの上限値を設定している。
【0005】
しかし、我が国で生産される野菜の硝酸イオン濃度はその値より高い傾向にあり、2002年農林水産省消費技術センターの暫定分析値の上限値は、ホウレンソウ9,200ppm、レタス2,800ppmと発表されている。
【0006】
現在、栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる技術として、栽培期間を通じ緩効性肥料や液肥を用いたり、収穫期前にアンモニア態窒素肥料に切り替えたり、追肥後に収穫期を遅らせたりする方法等が提案されているが、十分に収量を確保し、普遍的に硝酸イオン濃度を低下させる技術は未だ開発されていない。
【0007】
栽培植物の硝酸イオン濃度を低減させる有機質肥料及びその施用方法に関する特許文献は、本発明者が知る限りにおいて、存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の如き状況に鑑み、本発明は、栽培植物の十分な収量の確保しつつ、体内硝酸イオン濃度の低減を図ることができる有機質肥料及びその施用方法を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の有機質肥料及びその施用方法を提供する。
【0010】
(1)醤油粕よりなる有機質肥料(請求項1)。
【0011】
(2)醤油粕と乾燥菌体とよりなる有機質肥料(請求項2)。
【0012】
(3)醤油粕と燃焼灰とよりなる有機質肥料(請求項3)。
【0013】
(4)醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰とよりなる有機質肥料(請求項4)。
【0014】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの有機質肥料の施用量を土壌の塩素濃度が500ppm以下になるように決定することを特徴とする有機質肥料の施用方法(請求項5)。
【0015】
乾燥菌体は、食品工業、パルプ工業、ゼラチン工業、発酵工業等の廃液を活性汚泥法により浄化したときに得られる微生物の菌体を乾燥したものである。
【0016】
燃焼灰はパームアッシュを含む。
【発明の効果】
【0017】
[請求項1の発明]
醤油粕は栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる有用成分を有するため、醤油粕よりなる有機質肥料を施用したときには、栽培植物の硝酸イオン濃度が低下する。従って、栽培植物の食品としての安全性が確保される。
【0018】
請求項1の有機質肥料は、大部分が廃棄されている醤油粕よりなるものであるため、極めて安価に提供される。
【0019】
[請求項2の発明]
有機質肥料中の醤油粕は栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる有用成分を有するため、醤油粕を含有する請求項2の有機質肥料を施用したときには、栽培植物の硝酸イオン濃度が低下する。
【0020】
有機質肥料中の乾燥菌体に含まれるカリ、モリブデン等は、更に栽培植物の硝酸イオン濃度の低下に寄与する。
【0021】
また、有機質肥料中の乾燥菌体は、土壌耐水性団粒の形成を促進し、栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる。
【0022】
従って、栽培植物の食品としての安全性が確保される。
【0023】
更に、有機質肥料中の乾燥菌体に含まれる窒素、リン酸等により、栽培植物の育成が促進される。
【0024】
請求項2の有機質肥料は醤油粕に乾燥菌体を加えているため、この有機質肥料を施用したときには、高濃度の塩素による栽培植物の枯死を防止することができる。
【0025】
請求項2の有機質肥料は、大部分が廃棄されている醤油粕と、乾燥菌体とよりなるものであるため、極めて安価に提供される。
【0026】
[請求項3の発明]
有機質肥料中の醤油粕は栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる有用成分を有するため、醤油粕を含有する請求項3の有機質肥料を施用したときには、栽培植物の硝酸イオン濃度が低下する。
【0027】
有機質肥料中の燃焼灰に含まれるカリ等は、更に栽培植物の硝酸イオン濃度の低下に寄与する。
【0028】
従って、栽培植物の食品としての安全性が確保される。
【0029】
請求項3の有機質肥料は醤油粕に燃焼灰を加えているため、この有機質肥料を施用したときには、高濃度の塩素による栽培植物の枯死を防止することができる。
【0030】
請求項3の有機質肥料は、大部分が廃棄されている醤油粕と、燃焼灰とよりなるものであるため、極めて安価に提供される。
【0031】
[請求項4の発明]
有機質肥料中の醤油粕は栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる有用成分を有するため、醤油粕を含有する請求項4の有機質肥料を施用したときには、栽培植物の硝酸イオン濃度が低下する。
【0032】
有機質肥料中の乾燥菌体と燃焼灰とに含まれるカリ、モリブデン等は、更に栽培植物の硝酸イオン濃度の低下に寄与する。
【0033】
また、有機質肥料中の醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰は、土壌耐水性団粒の形成を促進し、栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる。
【0034】
従って、栽培植物の食品としての安全性が確保される。
【0035】
有機質肥料中の乾燥菌体に含まれる窒素、リン酸等により、栽培植物の育成が促進される。
【0036】
請求項4の有機質肥料は醤油粕に乾燥菌体と燃焼灰とを加えているため、この有機質肥料を施用したときには、高濃度の塩素による栽培植物の枯死を防止することができる。
【0037】
請求項4の有機質肥料は、醤油粕と、乾燥菌体と、燃焼灰とよりなるものであるため、極めて安価に提供される。
【0038】
[請求項5の発明]
土壌の塩素濃度に基づいて有機質肥料の施用量を決定することにより、高濃度の塩素による栽培植物の枯死を防止しつつ、栽培植物の硝酸イオン濃度を低減させることができる。有機質肥料の施用量を土壌の塩素濃度が500ppm以下になるようにすれば、塩素による栽培植物の枯死を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明による有機質肥料は、(1)醤油粕よりなる有機質肥料、(2)醤油粕と乾燥菌体とよりなる有機質肥料、(3)醤油粕と燃焼灰とよりなる有機質肥料、又は(4)醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰とよりなる有機質肥料である。表1参照。
【0040】
上記有機質肥料(1)(2)(3)(4)の施用量は、土壌の塩素濃度が500ppm以下になるように決定する。
【0041】
即ち、本発明による有機質肥料は、まず、好ましくは醤油粕100重量部と乾燥菌体0〜500重量部とよりなる有機質肥料である。
【0042】
この事例において、乾燥菌体が500重量部を上回ると、土壌の塩素濃度が低下しすぎ、栽培植物の硝酸イオン濃度が十分に低下しなくなる。
【0043】
また、本発明による有機質肥料は、好ましくは醤油粕100重量部と燃焼灰0〜20重量部とよりなる有機質肥料である。
【0044】
この事例において、燃焼灰が20重量部を上回ると、カリ濃度が高まり、他の成分とのバランスが崩れ、生育障害等の障害が発生するおそれがある。
【0045】
更に、本発明による有機質肥料は、醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰とよりなる有機質肥料である。
【0046】
この事例においては、醤油粕100重量部に対し、乾燥菌体は好ましくは0〜500重量部を用いるのであるが、燃焼灰については、乾燥菌体の範囲内において、図2に示す
Y=0.301X+20.5
の回帰式から得た数値以下を乾燥菌体に対応する燃焼灰の重量部とする。
【0047】
例えば、乾燥菌体が200重量部の場合には、上記回帰式から燃焼灰は80.7(80)重量部となる。
【0048】
この事例において、乾燥菌体が500重量部を上回ると、土壌の塩素濃度が低下しすぎ、栽培植物の硝酸イオン濃度が十分に低下しなくなる。
【0049】
この事例において、燃焼灰が上限を上回ると、カリ濃度が高まり、他の成分とのバランスが崩れ、生育障害等の障害が発生するおそれがある。
【0050】
但し、上記回帰式は、下記を条件とする。
【0051】
(イ)醤油粕の塩素濃度の上限を7%とする。
【0052】
(ロ)乾燥菌体の塩素濃度を0%とする。
【0053】
(ハ)燃焼灰の塩素濃度を0%とする。
【0054】
(ニ)醤油粕の窒素濃度を4.5%とする。
【0055】
(ホ)乾燥菌体の窒素濃度を7%とする。
【0056】
(チ)栽培植物を正常に成長させ、体内硝酸イオン濃度を低下させることができる塩素濃度の上限を500ppmとし、その下限を50ppmとする。
【0057】
(リ)栽培植物を正常に成長させ、体内硝酸イオン濃度を低下させることができるカリ濃度の上限を400ppmとする。
【0058】
因みに、塩素濃度500ppmは、土1kg当たり500mgの塩素量に相当し、土100g当たりでは塩素量50mgとなる。この値を農耕地10a(1000m、作土10cm)当たりに換算すると、塩素量50kgとなる。従って、塩素濃度500ppmは、農耕地10a当たりに換算すると、塩素量50kgに相当する。
【0059】
【表1】

【0060】
醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰との無機成分の一例を下記の表2〜4に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
また、ク溶性カリのコマツナ体内硝酸イオン濃度低下と株当たり収量を表5に示す。
【0065】
【表5】

試験規模:ドレンベッド(0.84m×2.32m)
試験場所:温室
供試土壌:細粒黄色土
供試作物:コマツナ
施肥:各区とも加燐硝安(13−10−11)で10a当たりN10kg、P8kg、KO8.5kg施用。
施肥・播種:2004年7月12日
収穫:2004年8月11日
【0066】
醤油粕と乾燥菌体とを主原料とする有機質肥料の遊離アミノ酸成分を表6に示す。
【0067】
【表6】

【0068】
醤油粕に含まれるビタミンB群を大豆粕との比較において表7に示す。
【0069】
【表7】

【0070】
本発明者は、塩素濃度が一般栽培植物の害を評価しうる基準になりうることを確かめた上で、塩素濃度の安全基準値は、植物種で相違するが、最も弱いレタス、イチゴ等で500ppm以下であることを確認した。
【0071】
【表8】

【0072】
一般栽培植物種とは、キャベツ、カブ等のアブラナ科、トマト、ナス等のナス科、ホウレンソウ等のアカザ科、タマネギ等のユリ科、キュウリ、カボチャ等のウリ科、レタス等のキク科、ニンジン等のセリ科、イチゴ等のバラ科、トウモロコシ等のイネ科等をいう。
【0073】
(試験1)
上記有機質肥料による栽培植物の硝酸イオン濃度低減効果を把握するため、食塩を用いて以下により確認した。本試験では、食塩無添加、塩素濃度250ppm,500ppm,750ppmの3種の食塩添加区を設定した。
【0074】
ノイバイエルポット4鉢に淡色黒ボク土を500ml充填し、各鉢に上記設定塩素濃度となるよう食塩を添加し、化成肥料を用い窒素、リン酸、カリを各25mg添加した。コマツナを平成16年8月23日に鉢当たり20粒を播種し、9月11日に収穫した。収穫物の茎葉中の硝酸イオン濃度を測定した結果を表9に示す。表9から明らかなように、食塩無添加区に比べ、食塩を添加した方が硝酸イオン濃度が低下している。
【0075】
【表9】

【0076】
上記食塩を添加したときのコマツナの収量を表10に示す。表10から明らかなように、食塩無添加区に比べ食塩を添加した方が、収量が増加している。
【0077】
【表10】

【0078】
(試験2)
上記有機質肥料による栽培植物の硝酸イオン濃度低減効果を把握するため、常法液肥(大塚液肥用肥料:SR処方)にモリブデンを添加した液肥を適宜灌水し、以下により確認した。本試験では、常法液肥灌水、モリブデン濃度0.08ppm添加常法液肥灌水の2区を設定した。
【0079】
平成16年9月23日にイチゴ高設栽培用ベッドにイチゴ苗を定植し、2種の所定の液肥を適宜灌水し、翌年の平成17年6月23日に地上部と地下部を採取し、モリブデン及び硝酸イオン濃度を測定した結果を表11に示す。表11から明らかなように、いずれの部位ともモリブデンを添加した液肥を灌水した方が硝酸イオン濃度が低下している。
【0080】
【表11】

【0081】
モリブデンを添加した上記常法液肥を灌水したときのイチゴの地上部重を、表12に示す。表12から明らかなように、モリブデンを添加すると、地上部重、地下部重とも生育量が増加する。
【0082】
【表12】

【0083】
(試験3)
栽培植物の硝酸イオン濃度を低下させる技術として、速効性の窒素供給を絶ち、緩効性の有機態窒素を供給させる方法が有効であると考えられる。100mlの培養ビンに50gの淡色黒ボク土を充填し、有機質肥料をN25mg添加し、窒素無機化率を測定した。比較用として、同様に処理した化学肥料を用いた。
【0084】
培養は、充填した土壌水分を最大容水量の60%に保ち、30℃の恒温槽で25時間行った。結果は表13にみられるように、有機質肥料の窒素無機化率は化成肥料に対し、初期においては20%以下であり、その後60-70%と低く推移し、窒素供給力が化成肥料に比べ緩効的であることが分かる。
【0085】
【表13】

【0086】
(試験4)
上記有機質肥料は、土壌施用後培養することにより、数日で土壌構造が発達し、水食・風食に強い耐水性団粒の形成が著しく促進されることが図1の写真から明らかである。耐水性団粒は、土壌中の有機態窒素の無機化発現や土壌水分の制御に関与し、栽培植物の硝酸イオン濃度を高めない働きがあると考えられる。
【0087】
図1は培養2週間後の耐水性団粒の形成状態を示す。図1における右側容器は化成肥料を用いたものであって、耐水性団粒の発達がなく、懸濁する。図1における中央容器と左側容器は本発明による有機質肥料を用いたものであって、耐水性団粒の発達がよく、懸濁しない。
【0088】
土壌構造の発達や耐水性団粒の形成は、土壌中の微生物の働きでもたらされる。有機質肥料には、種々のアミノ酸、ミネラル、ビタミンB群等が豊富に含まれ、最大80%を超える土壌微生物群の増殖に役立つことが表14から分かる。
【0089】
【表14】

【0090】
上記の各試験結果から、栽培植物の硝酸イオン濃度は塩素やモリブデンを添加したときには、添加しないときに比べ明らかに低下し、収量も増加することから、これら成分を含有する有機質肥料を施用することにより、植物体の硝酸イオン濃度を低減できることが明確となった。又、有機質肥料を施用すると、土壌微生物の増殖が著しく促進され、土壌構造が発達し、窒素や水分供給が制御され、栽培植物の硝酸イオン濃度を高めない土壌基盤が構築されることが明らかとなった。なお、酸化還元電位を有する各種微量要素群における植物体の硝酸イオン濃度低減効果については、引き続き究明中である。
【実施例1】
【0091】
醤油粕100重量部と、乾燥菌体185重量部と、燃焼灰50重量部とよりなる有機質肥料を作った。
【0092】
この有機質肥料を10アール当たり、夏作で450kg(塩素濃度110ppm)、秋冬作で300kg(塩素濃度75ppm)を施用し、窒素濃度を合わせ化成肥料(塩素濃度0ppm)と比較した。土壌条件は砂丘未熟土、ビニールハウスでハネギを夏作7月20日、秋冬作10月7日に播種し、各々9月16日、12月19日に収穫を行った。
【0093】
収穫したハネギの茎葉部の硝酸イオンをRQフレックスにより測定したところ、夏作で化成肥料144ppm(100)に対し18ppm(12)、秋冬作で化成肥料1450ppm(100)に対し860ppm(59)と大幅に低減した。又、収量は化学肥料を100とし指数で表すと夏作で170%、秋冬作で115%の増収となった。
【実施例2】
【0094】
実施例1と同様に、醤油粕100重量部と、乾燥菌体185重量部と、燃焼灰50重量部とよりなる有機質肥料を作った。
【0095】
この有機質肥料を10アール当たり250kg(追肥4回を含む。塩素濃度65ppm)を施用し、窒素濃度を合わせ化成肥料(塩素濃度0ppm)と比較した。土壌条件は灰色低地土、露地栽培でトマトを7月20日に定植し、10月12日までに9回収穫を行った。
【0096】
収穫は3段果房まで行い、全玉を調査対象とし化成肥料と比較した結果、果実の硝酸イオン濃度は約20%低下し、収量は115%増収した。
【0097】
その他の実施例は表9に示した通りであり、硝酸イオン濃度はいずれも低減することが明らかとなった。
【実施例3】
【0098】
実施例1と同様に、醤油粕100重量部と、乾燥菌体185重量部と、燃焼灰50重量部とよりなる有機質肥料を作った。
【0099】
この有機質肥料をホウレンソウ、エダマメ、キュウリに施用したところ、表14に示すように、硝酸イオン濃度はいずれも低減した。
【実施例4】
【0100】
醤油粕100重量部と、乾燥菌体220重量部と、燃焼灰40重量部とよりなる有機質肥料を作った。
【0101】
この有機質肥料をミズナ、コマツナに施用したところ、表14に示すように、硝酸イオン濃度はいずれも低減した。
【0102】
【表15】

【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】培養2週間後の耐水団粒の形成状態を示す写真である。
【図2】醤油粕を100としたときの乾燥菌体の配合割合から見た燃焼灰の配合割合の上限を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
醤油粕よりなる有機質肥料。
【請求項2】
醤油粕と乾燥菌体とよりなる有機質肥料。
【請求項3】
醤油粕と燃焼灰とよりなる有機質肥料。
【請求項4】
醤油粕と乾燥菌体と燃焼灰とよりなる有機質肥料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の有機質肥料の施用量を土壌の塩素濃度が500ppm以下になるように決定することを特徴とする有機質肥料の施用方法。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−326746(P2007−326746A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159735(P2006−159735)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(592053387)富士見工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】