説明

木材搬送システム及び木材搬送ステップ

【課題】急峻で複雑な地形において効率的且つ残存木を傷つけずに間伐材を搬出するシステムを提供する。
【解決手段】先端に第1アイが連結された第1ワイヤ15を巻取り及び繰出し可能な第1ウィンチ1と、先端に第2アイが連結された第2ワイヤ16を巻取り及び繰出し可能な第2ウィンチ2とを備え、前記第2ワイヤ16の進行経路の途中には、前記第2ワイヤ16の進行方向を変換する1つまたは複数の滑車5、6,7が連結され、荷掛け具の進行経路の途中には、前記荷掛け具の進行方向を変換する1つまたは複数のジグザグ滑車3、4とが連結され、前記木材搬送装置8は前記作業道上の荷卸し位置の近傍に配置されていることを特徴とする間伐材搬送システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、間伐材の搬送システム及び搬送ステップに関するものであって、更に詳細には、タワーヤーダ等の機械位置を固定したまま伐採した間伐材を効率的に集材することを実現したものである。
【背景技術】
【0002】
従来、伐採された木材を伐採位置(荷掛け位置)から集材位置(荷降し位置)に直線的に搬送するための手段として、自走式の支柱(タワー)を有するタワーヤーダと呼ばれる木材搬送装置が用いられている。更に、伐採された木材を確実に、かつ容易に搬送するために、タワーヤーダには第1と第2の索条(ワイヤ)とその各々を巻き取り及び繰り出し可能な第1と第2のウインチとが備えられている。
このような構成のタワーヤーダは、例えば以下の特許文献に開示されている。
【特許文献1】特開2002−160888号公報
【0003】
従来は、このタワーヤーダを用いて図9に示すような列状間伐を行っていた。即ち、列Aの間伐材の搬送(集材)を行った後、列Bの下部にタワーヤーダを移動して列Bの間伐材の搬送(集材)を行い、次に列Cの下部にタワーヤーダを移動して列Cの間伐材の搬送(集材)を行う、というような手順で間伐材の搬送(集材)を行っていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のこの種の木材搬送システムにおいては、列状間伐を1列実施するごとに、集材位置及びタワーヤーダの移動が必要になるため、ホールライン(引寄索)及びホールバックライン(引戻索)の張り替えが必要となり効率性の低さが問題になっていた。
また、集材中における木材の方向転換時の搬器を架けかえるための人員が必要で、かつ吊荷索条のフックにて荷掛けされた木材はタワーヤーダの支柱(タワー)の手前(道路の外)までしか寄せられないため、造材・積み込み位置まで材の移動にグラップルによる運搬工程とそれに伴う人員が必要となり効率性の低さが問題となっていた。
また、従来の搬送法では、作業道(林道)に対し、略直角方向に列状に索を設置し、木材の搬出を行うため、集材中の木材により残存木が傷つけられることが問題になっていた。
さらに、従来の搬送法では、尾根や谷のある複雑な地形での間伐において、吊荷索条等を具備する搬器がジグザグ滑車を通過できないため、搬器を架け替える人員が必要となり効率性の低さが問題になっていた。
【0005】
この発明は上記事情に鑑み考案されたもので、タワーヤーダなどの高性能林業機械とジグザク滑車を組み合わせ、木材搬送の方向転換を容易にしたことで、木材搬出における木材の方向転換に際しての搬器の架け替えを必要とせず、また集材位置及びタワーヤーダを固定したまま、複数の列から道端までの木材の搬送を可能とすることで作業効率の向上を目的とするものである。
また、魚骨状に間伐することで、地形に沿った間伐材の搬出が可能となり、且つ残存木の保全に有効な搬送法の確立も目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)間伐材を伐採位置から作業道上の荷卸し位置へ搬送する木材搬送システムであって、先端に第1アイが連結された第1ワイヤを巻取り及び繰出し可能な第1ウィンチと先端に第2アイが連結された第2ワイヤを巻取り及び繰出し可能な第2ウィンチとを備えた木材搬送装置と、前記間伐材を荷掛けする荷掛け具と、前記第一アイと前記第2アイと前記荷掛け具とを連結する双輪と、を備え、前記第2ワイヤの進行経路の途中には、前記第2ワイヤの進行方向を変換する1つまたは複数の滑車が連結され、前記荷掛け具の進行経路の途中には、前記荷掛け具の進行方向を変換する1つまたは複数のジグザグ滑車とが連結され、前記木材搬送装置は前記作業道上の荷卸し位置の近傍に配置されていることを特徴とする木材搬送システム。
(2)前記荷掛け具は、木材を荷掛けする荷掛けフックと、前記荷掛けフックと連結したシャックルと、前記シャックルと連結した素輪とを備え、前記第1アイと前記第2アイと前記素輪とは、前記双輪に連結されていることを特徴とする木材搬送システム。
(3)前記木材搬送装置は前記林道上にそのまま配置され、前記荷掛けフックに荷掛けされた間伐材は、前記荷掛け具によって搬送され、前記ジグザグ滑車を経由して、前記荷降し位置に搬送されることを特徴とする木材搬送システム。
【0007】
このように構成することにより、荷掛け位置から、木材の掛け変えを行わずに、荷掛け木材を林道上の荷卸し位置まで搬送できる。
このことで、グラップルによる運搬工程が必要なくなり、荷卸し位置からプロセッサによる造材、トラックなど運送機械への積み込みが効率化する。
【0008】
(4)上記(1)、(2)、(3)のいずれかに記載の木材搬送システムを用いて、前記林道と交叉する複数の直線列状に間伐載置された木材を搬送する木材搬送システムであって、前記複数の直線列のうち、前記木材搬送装置から見て遠い直線列に間伐載置された木材を最初に前記林道上の荷降し位置に搬送し、次いで順次手前側に向かって設置された直線列に間伐載置された木材を、前記木材搬送装置を移動することなく、前記林道上の荷降し位置に搬送していくことを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、ウィンチの巻き取り、繰り出しによって荷掛け具に装着された木材についてジグザグ滑車を用いて、複数の直線列状に間伐載置された木材を作業道上に搬送する木材搬送システムが完成し、間伐材の搬出作業の効率を大きく向上させることができる。
【0010】
(5)上記(1)、(2)、(3)のいずれかに記載の木材搬送システムを用いた木材搬送ステップであって、前記間伐材を伐採する領域として、前記作業道上に隣接し、かつ前記作業道より高所に位置する山腹であり、前記作業道から見て1本の沢筋と前記沢筋の左側に隣接する左側傾斜面と前記沢筋の右側に隣接する右側傾斜面とを含む所定領域を設定する伐採領域設定ステップと、前記荷卸し位置を、前記沢筋の最下点の位置に隣接した前記作業道上に設定する荷卸し位置設定ステップと、前記沢筋と、前記左側傾斜面において前記沢筋と交叉する1つまたは複数の左側伐採列と、前記右側傾斜面において前記沢筋と交叉する1つまたは複数の右側伐採列と、を伐採列として設定する伐採列設定ステップと、前記伐採列における間伐材を伐採する伐採ステップと、伐採後の間伐材を前記荷降し位置へ搬送する搬送ステップと、を備えることを特徴とする木材搬送ステップ。
【0011】
(6)上記搬送ステップは、まず第1に前記沢筋の間伐材を搬送し、次に前記左側伐採列または前記右側伐採列のいずれか一方の間伐材を搬送し、次に反対側の伐採列の間伐材を搬送することを特徴とする木材搬送ステップ。
(7)上記搬送ステップは、前記左側伐採列または前記右側伐採列の間伐材を搬送する場合は、前記荷降し位置から見て最も遠い列から始めて順次近い列の間伐材を搬送することを特徴とする木材搬送ステップ。
【0012】
このような構成とすることで、まず中央の沢筋の間伐材を搬送し、その後に搬送する左側斜面と右側斜面の間伐材の搬送路を形成することができる。
また、左右斜面の伐採列を左右斜面から見てほぼ直下に位置する沢筋に向かって設定することにより、効率的な搬送作業を実現でき、かつ、残存木を傷つけることがない。
また、本発明では、左側斜面の間伐材を搬送し、次いで右側斜面の間伐材を搬送するステップとしたが、その順序は逆でも良い。要は、第1及び第2ワイヤの長さが長く、かつ、傾斜がきつく難度が高い高所から搬送作業を始めて、徐々に第1及び第2ワイヤの長さを短くし、緩斜面の搬送とすることで、全体的に効率が高い搬送作業を実現できる。
また、間伐材の伐採及び搬送完了後に、バランスが良い優れた景観の森林を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<第一実施形態>
以下、本発明の木材搬送システムについて説明する。
図1は1列目の搬送形態を示す概略構成図、図2は2列目の搬送形態を示す概略構成図、図3は3列目の搬送形態を示す概略構成図、図4は4列目の搬送形態を示す概略構成図、図5はこの発明における荷掛け具19である。
【0014】
図1に示すように、列状間伐した後に、タワーヤーダ8を1箇所に固定したまま、それぞれ巻き取り及び繰り出し可能な第1及び第2ウィンチに巻回しされる第1のワイヤと第2のワイヤとで形成された領域において、第1ウィンチ1に巻回される第1の索条(第1ワイヤ)15の先端をジグザグ滑車3とジグザグ滑車4に通し荷掛けする第1の列1に配置する。
さらに第2ウィンチ2に巻回される第2の索条(第2ワイヤ)16は列4の滑車5と滑車6を通す。
次に、第1の列1の滑車7を通しこれを第1の列1に配置する。
次に図5に示すように、両ワイヤの先端のループ状の第1アイ9と第2アイ10をワイヤーのストランドを使った双輪11でつなぎ、双輪11にワイヤーのストランドで素輪12を作り、素輪12にシャックル13と荷掛けフック14をつけ荷掛け具19を作る。
上記荷掛け具19に列1の木材を装着し、タワーヤーダ8の第1及び第2ウィンチの巻き取り、繰り出しによって、荷掛け具19に装着された木材をジグザグ滑車4とジグザグ滑車3を通して作業道上の荷卸し位置に搬送する。
作業道としては、一般に林道を用いるが、林道がない場合には作業道を形成して作業を行う。
【0015】
次に列2の搬送について、図2を用いて説明する。
列1の木材搬出の終了後、タワーヤーダ8を固定したまま、上記第1ワイヤ15と第2ワイヤ16のつなぎである双輪11を切断する。
次に、第1ワイヤ15は列2の作業道上部に移動したジグザグ滑車3と作業道下部に移動したジグザグ滑車4を通して列2に配置する。
荷掛け具19の構造については前記のとおりで、その荷掛け具19に列2の木材を装着して、タワーヤーダ8の第1及び第2ウィンチの巻き取り、繰り出しによって、荷掛け具19に装着された木材をジグザグ滑車4とジグザグ滑車3を通して作業道上の荷卸し位置に搬送する。
【0016】
列3の搬送について、図3を用いて説明する。
列2の木材搬出の終了後、タワーヤーダ8を固定したまま、上記第1ワイヤ15と第2ワイヤ16のつなぎである双輪11を切断する。
次に第1ワイヤ15は列3の作業道上部に移動したジグザグ滑車3と作業道下部に移動したジグザグ滑車4を通し列3に配置し、第2ワイヤ16は列3の下部に移動した滑車7を通し列3に配置する。
荷掛け具19の構造については前記のとおりで、これに列3の木材を装着し、タワーヤーダ8の第1及び第2ウィンチの巻き取り、繰り出しによって、荷掛け具19に装着された木材をジグザグ滑車4とジグザグ滑車3を通して作業道上の荷卸し位置に搬送する。
【0017】
列4の搬送について、図4で説明する。
列3の木材搬出の終了後、タワーヤーダ8を固定したまま、第1ワイヤ15と第2ワイヤ16のつなぎにある荷掛け具19と第1ワイヤ15をタワーヤーダ8の第1及び第2ウィンチの巻き取り、繰り出しによって、列4に配置する。
次に、第2のウィンチから出る第2ワイヤ16側の列4の作業道上部に移動したジグザグ滑車3と作業道下部に移動したジグザグ滑車4に通し、荷掛け具19に列4の木材を装着する。
タワーヤーダ8の第1及び第2ウィンチの巻き取り、繰り出しによって、荷掛け具に装着された木材をジグザグ滑車4とジグザグ滑車3を通して、作業道上の荷卸し位置に搬送可能にすることで、間伐材搬出における木材の方向転換に際しての機器の架け替えを必要とせず、また集材位置及びタワーヤーダを固定したまま、複数の列から道端までの搬送が可能となることで作業効率が向上する。
以上、図1から図5を用いて説明したように、集材位置及びタワーヤーダを固定したまま、タワーヤーダから遠い位置の列から順に近い列に向かって搬送を進める手順について説明した。
このことで、木材の搬送に際して、大きな労力を有する木材搬送装置(タワーヤーダ)8の移設を伴わず、またワイヤ及びそれに伴う機材の架け替えの省略化が図られたことで、効率的な搬送作業が可能となる。
【0018】
<第二実施形態>
次に、谷や尾根が複雑に入り組んだ地形においての木材搬送システム及び搬送ステップについて説明する。この搬送システム及びステップは、沢筋を魚の背骨と仮定し、その沢筋に交叉する列を枝骨と仮定することから魚骨状搬送システム及び魚骨状搬送ステップと呼ぶ。
【0019】
図6に示すように、谷(沢筋)や尾根が複雑に入り組んだ地形においては、まず、作業道に交わる沢筋を設定し、沢筋直下の作業道上を荷卸し位置とし、その隣の作業道上に木材搬送装置(タワーヤーダ)8を設置する。
また、沢筋と両尾根(左側斜面と右側斜面)で構成された領域を間伐材の伐採領域として設定し、沢筋を中心として、沢筋に流れ落ちる左側斜面及び右側斜面における伐採列を各々選定する。
次いで、まず沢筋の間伐材を伐採し、搬出する。これにより、その後に搬送する左側斜面と右側斜面の間伐材の搬送路を形成することができる。
次に、左側斜面と右側斜面において伐採した間伐材の搬送については、まず左側斜面の搬送を行い、続いて右側斜面の搬送を行う。
本発明においては、タワーヤーダ8を荷降し位置の右側に設置したために、左側斜面の搬送を先に行い、次いで右側斜面の搬送を行う順序としたが、タワーヤーダ8を荷降し位置の左側に設置した場合には、左側斜面と右側斜面の間伐材の搬送順序を逆にした方が効率的である。
【0020】
次に、図7を用いて左側斜面の間伐材の搬送ステップを事例として説明する。
タワーヤーダ8を固定したまま、第1ワイヤ15と第2ワイヤ16のつなぎである双輪を切断する。
次に、第1のワイヤ15は第1のジグザグ滑車3を通し、列2と列1の交点に設置した第2のジグザグ滑車4を通して列2に配置し、第2ワイヤ16は第3の滑車7を通し、列2の上部に設置した第4の滑車17を通し列2に配置する。
第1ワイヤ15の先端のループ状の第1アイ9と第2ワイヤ16の先端のループ状の第2アイ10をワイヤのストランドを使った双輪11でつなぎ、ワイヤーのストランドで素輪12を作り、これにシャックル13と荷掛けフック14をつけ荷掛け具19を作る。
これに、列2の木材を装着し、タワーヤーダ8の第1及び第2ウィンチの巻き取り、繰り出しによって、荷掛け具19に装着された木材を第2のジグザグ滑車4と第1のジグザグ滑車3を通して作業道上の荷卸し位置に搬送にする。
【0021】
3列目以降の搬送については、図8で示してあるが、具体的な手順については、第一実施形態で説明したものと同じであるので説明を省く。
【0022】
以上説明したように、最初に沢筋を伐採し、次に左側または右側斜面について、タワーヤーダ8から見て、遠い列から近い列へ順に伐採を行い、次に反対側斜面も同様に伐採をすることで、作業効率を高めることができる。
以下にその理由をあげる。
1)最初に沢筋の伐採及び搬送を行うことで、左右斜面の効率的で、残存木の保全に最適な伐採列の選定が可能になる。
2)次に、左側斜面または右側斜面の間伐材の搬送を行う場合には、のタワーヤーダから遠い列から近い列へ順に伐採、搬送を行うことで、間伐材の集荷が、高低の差を最大限利用して効率的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材搬送システムにおける1列目の搬送形態を示す概略構成図
【図2】本発明の木材搬送システムにおける2列目の搬送形態を示す概略構成図
【図3】本発明の木材搬送システムにおける3列目の搬送形態を示す概略構成図
【図4】本発明の木材搬送システムにおける4列目の搬送形態を示す概略構成図
【図5】本発明の木材搬送システムに係る荷掛け具を示す構成図
【図6】本発明の魚骨状搬送システム及びステップの1列目の搬送形態を示す概略構成図
【図7】本発明の魚骨状搬送システム及びステップの2列目の搬送形態を示す概略構成図
【図8】本発明の魚骨状搬送システム及びステップの3列目の搬送形態を示す概略構成図
【図9】従来の列状間伐の構成図
【符号の説明】
1・・・・第1ウィンチ
2・・・・第2ウィンチ
3・・・・第1のジグザグ滑車
4・・・・第2のジグザグ滑車
5・・・・第1の滑車
6・・・・第2の滑車
7・・・・第3の滑車
8・・・・木材搬送装置(タワーヤーダ)
9・・・・第1アイ
10・・・第2アイ
11・・・双輪
12・・・素林
13・・・シャックル
14・・・荷掛けフック
15・・・第1ワイヤ
16・・・第2ワイヤ
17・・・第4の滑車
18・・・第5の滑車
19・・・荷掛け具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間伐材を伐採位置から作業道上の荷卸し位置へ搬送する木材搬送システムであって、
先端に第1アイが連結された第1ワイヤを巻取り及び繰出し可能な第1ウィンチと先端に第2アイが連結された第2ワイヤを巻取り及び繰出し可能な第2ウィンチとを備えた木材搬送装置と、前記間伐材を荷掛けする荷掛け具と、前記第一アイと前記第2アイと前記荷掛け具とを連結する双輪と、を備え、
前記第2ワイヤの進行経路の途中には、前記第2ワイヤの進行方向を変換する1つまたは複数の滑車が連結され、
前記荷掛け具の進行経路の途中には、前記荷掛け具の進行方向を変換する1つまたは複数のジグザグ滑車とが連結され、
前記木材搬送装置は前記作業道上の荷卸し位置の近傍に配置されていることを特徴とする木材搬送システム。
【請求項2】
請求項1記載の木材搬送システムにおいて、
前記荷掛け具は、木材を荷掛けする荷掛けフックと、前記荷掛けフックと連結したシャックルと、前記シャックルと連結した素輪とを備え、
前記第1アイと前記第2アイと前記素輪とは、前記双輪に連結されていることを特徴とする木材搬送システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の木材搬送システムにおいて、
前記木材搬送装置は前記林道上にそのまま配置され、
前記荷掛けフックに荷掛けされた間伐材は、前記荷掛け具によって搬送され、
前記ジグザグ滑車を経由して、前記荷降し位置に搬送されることを特徴とする木材搬送システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の木材搬送システムにおいて、
前記間伐材を伐採する領域は、前記作業道上に隣接し、かつ前記作業道より高所に位置する山腹であり、前記作業道から見て1本の沢筋と前記沢筋の左側に隣接する左側傾斜面と前記沢筋の右側に隣接する右側傾斜面とを含む所定領域であって、
前記荷卸し位置は、前記沢筋の最下点の位置に隣接した前記作業道上に設定されていることを特徴とする木材搬送システム。
【請求項5】
請求項1及至3のいずれかに記載の木材搬送システムを用いた木材搬送ステップであって、
前記間伐材を伐採する領域として、前記作業道上に隣接し、かつ前記作業道より高所に位置する山腹であり、前記作業道から見て1本の沢筋と前記沢筋の左側に隣接する左側傾斜面と前記沢筋の右側に隣接する右側傾斜面とを含む所定領域を設定する伐採領域設定ステップと、
前記荷卸し位置を、前記沢筋の最下点の位置に隣接した前記作業道上に設定する荷卸し位置設定ステップと、
前記沢筋と、前記左側傾斜面において前記沢筋と交叉する1つまたは複数の左側伐採列と、前記右側傾斜面において前記沢筋と交叉する1つまたは複数の右側伐採列と、を伐採列として設定する伐採列設定ステップと、
前記伐採列における間伐材を伐採する伐採ステップと、
伐採後の間伐材を前記荷降し位置へ搬送する搬送ステップと、を備えることを特徴とする木材搬送ステップ。
【請求項6】
請求項5記載の木材搬送ステップにおいて、
前記搬送ステップは、まず第1に前記沢筋の間伐材を搬送し、次に前記左側伐採列または前記右側伐採列のいずれか一方の間伐材を搬送し、次に反対側の伐採列の間伐材を搬送することを特徴とする木材搬送ステップ。
【請求項7】
請求項6記載の木材搬送ステップにおいて、
前記左側伐採列または前記右側伐採列の間伐材を搬送する場合は、前記荷降し位置から見て最も遠い列から始めて順次近い列の間伐材を搬送することを特徴とする木材搬送ステップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−109918(P2008−109918A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319289(P2006−319289)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(506394186)北信木材生産センター協同組合 (1)
【出願人】(391001619)長野県 (64)