説明

未閉塞取付管の閉塞工法

【課題】大掛かりな開削工事及び撤去作業を必要とせず、未閉塞取付管への対策を有効に採る。
【解決手段】充填材を封入したバルーン31で径方向外側へ向かって拡張する構造の閉塞用キャップ6、キャップ昇降装置3及びナット回転機構が搭載された施工用ロボット1を、本管8内にマンホール9を介して搬入することにより設置し、ロボット1を本管8内で走行させて、本管8に連結された地中の未閉塞取付管10の埋設位置まで移動させ、その後、昇降装置3により充填材を封入したバルーン31及びキャップ6を上昇させて未閉塞取付管10の本管8側に挿入し、ナット回転機構によりボルト等を締め込んでキャップ6を径方向外側へ拡張させて、キャップ6の外周面を未閉塞取付管10の内周面に圧接させた状態で固定し、キャップ6により未閉塞取付管10を封鎖し、この状態でバルーン31を破断し、キャップ6の上部の未閉塞取付管10の空隙を充填して閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在実施されている開削工事及び撤去作業を行わず、地中に埋設された未閉塞取付管を効率的に閉塞し得る未閉塞取付管の閉塞工法に関する。
【背景技術】
【0002】
東京都下などの多くの地域では、図10に示すように、地上家屋の下水管(図示せず)と地中埋設の下水道本管50とが地中の汚水枡51及び通常の取付管52を介して連結されている。かかる連結構造においては、家屋が撤去されるなどの事態が生じた場合、これに伴って地上部付近の汚水枡51だけが撤去され、多くの取付管52はそのまま地中部に残されており、未閉塞取付管52aとなって放置されている。すなわち、未閉塞取付管52aとは、地上部付近の汚水枡51だけが撤去されて、地中部の取付管52のみが残されている管をいう。
このような未閉塞取付管52aが地中に放置されていると、周囲の土砂53が当該管の上部開口を通じて下水道本管50内に引き込まれることになり、陥没事故の原因の一つとなっている。
【0003】
そこで、未閉塞取付管52aの対策として、担当の下水管理者などは、未閉塞取付管52aの設置箇所を調査し、当該設置箇所の周囲の土砂53などを適宜手段で地上から開削して、地中に埋設された未閉塞状態の取付管52aを露出させ、当該未閉塞取付管52aを撤去した後、土砂53などの埋め戻しを行う工事が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−28034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の未閉塞取付管52aへの対策は、大掛かりな開削工事及び撤去作業を伴い、かつ大型の施工装置や比較的長い工事期間も必要となるので、工事費用が嵩む上に作業効率が悪く、撤去作業や工事の改善が強く望まれていた。また、自動車等の車両の通行量が多い道路の地域などでは、開削工事及び撤去作業時に車両通行止めなどを行う必要があるので、交通渋滞が起こるなどの問題を有していた。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、現在実施中の大掛かりな開削工事及び撤去作業を必要とせず、工事及び作業効率が良くかつ低コストの方法によって、未閉塞取付管への対策を有効に採ることが可能な未閉塞取付管の閉塞工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、充填材を封入した容器、ボルト及びナットによる締め込みで径方向外側へ向かって拡張する構造の閉塞用キャップ、キャップ昇降装置及びナット回転機構が搭載されている搬送装置を、地中に埋設された本管内にマンホールを介して搬入することにより設置し、前記搬送装置を前記本管内で走行させて、前記本管に連結されかつ対処の必要な地中の未閉塞取付管の埋設位置まで移動させ、その後、前記昇降装置により前記充填材を封入した容器及び前記閉塞用キャップを上昇させて前記未閉塞取付管の本管側に挿入し、前記ナット回転機構により前記ボルト及びナットを締め込んで前記閉塞用キャップを径方向外側へ向かって拡張させていき、前記閉塞用キャップの外周面を前記未閉塞取付管の内周面に圧接させた状態で固定し、前記閉塞用キャップにより前記未閉塞取付管を封鎖し、この状態で前記容器を破断することにより前記閉塞用キャップの上部に位置する前記未閉塞取付管の空隙を充填材で充填して閉塞している。
【0008】
また、本発明において、前記容器は、充填材を封入したバルーンであり、前記未閉塞取付管の空隙を充填材で充填する際、前記閉塞用キャップに設けた破裂針を突き出して前記バルーンを破裂させている。
【発明の効果】
【0009】
上述の如く、本発明に係る未閉塞取付管の閉塞工法は、充填材を封入した容器、ボルト及びナットによる締め込みで径方向外側へ向かって拡張する構造の閉塞用キャップ、キャップ昇降装置及びナット回転機構が搭載されている搬送装置を、地中に埋設された本管内にマンホールを介して搬入することにより設置し、前記搬送装置を前記本管内で走行させて、前記本管に連結されかつ対処の必要な地中の未閉塞取付管の埋設位置まで移動させ、その後、前記昇降装置により前記充填材を封入した容器及び前記閉塞用キャップを上昇させて前記未閉塞取付管の本管側に挿入し、前記ナット回転機構により前記ボルト及びナットを締め込んで前記閉塞用キャップを径方向外側へ向かって拡張させていき、前記閉塞用キャップの外周面を前記未閉塞取付管の内周面に圧接させた状態で固定し、前記閉塞用キャップにより前記未閉塞取付管を封鎖し、この状態で前記容器を破断することにより前記閉塞用キャップの上部に位置する前記未閉塞取付管の空隙を充填材で充填して閉塞しているので、現在実施されている大掛かりな開削工事及び撤去作業を行わなくても、地中に埋設された未閉塞取付管を効率的に閉塞することができる。それに伴い、大型の施工装置が不要となり、工事期間も短くなる上、車両の通行量が多い道路などの地域でも、交通渋滞を生じる車両の通行止めをせずに未閉塞取付管の閉塞作業を迅速かつ確実に行うことができる。
したがって、本発明の閉塞工法によれば、未閉塞取付管への対策として、非開削化及び非撤去化を図ることが可能となり、作業効率を向上させたいという施工業者の強いニーズに応えることができ、未閉塞取付管をより迅速かつ確実に封鎖することができる。
【0010】
特に、本発明において、前記容器は、充填材を封入したバルーンであり、前記未閉塞取付管の空隙を充填材で充填する際、前記閉塞用キャップに設けた破裂針を突き出して前記バルーンを破裂させると、簡単かつ安価に未閉塞取付管の空隙を充填材で充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法において使用される搬送装置の施工用ロボットを示す概略側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法を説明するものであって、図1における施工用ロボットをマンホールから下水道本管に搬入して設置した状態を示す断面図である。
【図3】上記施工用ロボットを下水道本管内で走行させている状態を示す縦断面図である。
【図4】上記施工用ロボットを対処の必要な未閉塞取付管の埋設位置まで移動させた状態を示す断面図である。
【図5】上記施工用ロボットに搭載した閉塞用キャップを未閉塞取付管の下水道本管側に挿入して固定する状態を示す断面図である。
【図6】上記未閉塞取付管を閉塞用キャップにより封鎖し、施工作業を完了した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法を説明するものであって、図1における施工用ロボットの充填材ホースから噴出させた充填材により閉塞用キャップの上部に位置する未閉塞取付管の空隙を充填する状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法を説明するものであって、図1における施工用ロボットに搭載され、充填材を封入したバルーンを未閉塞取付管の下水道本管側に挿入した状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法を説明するものであって、図1における施工用ロボットに搭載され、充填材を封入したバルーン及び閉塞用キャップを未閉塞取付管の下水道本管側に挿入し、閉塞用キャップの封鎖後にバルーンを破裂させる状態を示す断面図である。
【図10】地中に埋設された下水道本管、汚水枡、通常の取付管及び未閉塞取付管の位置関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法において使用される搬送装置の施工用ロボットの概略側面図である。
図1に示すように、搬送装置である施工用ロボット1は、主として、本体フレーム2の中央部に搭載されるキャップ昇降装置3と、本体フレーム2の前後部に回動自在に取付けられる平面移動用タイヤ装置4と、本体フレーム2の後部に設置される小型テレビカメラ(例えば、CCDカメラ)5と、ナット回転機構(図示せず)とを備えている。
【0013】
キャップ昇降装置3は、昇降可能なシリンダロッド3aを具備しており、該シリンダロッド3aの上端には、円盤形状の閉塞用キャップ6が着脱可能に取付けられている。この閉塞用キャップ6は、外周面が後述する未閉塞取付管の内周面に圧接した状態で固定すべく、ボルト及びナットによる締め込みで径方向外側へ向かって拡張する構造となっており、ボルト及びナットによる締め込みは、施工用ロボット1に設けられたナット回転機構(図示せず)により行われるように構成されている。
また、小型テレビカメラ5は、地上のオペレーション車内に設置されたモニタリング装置(後述する)にケーブル7を介して電気的に接続されており、小型テレビカメラ5により映し出された映像をモニタリング装置で確認しながら、図示しない制御装置などで施工用ロボット1を遠隔操作することによって施工用ロボット1の位置を制御するように構成されている。なお、平面移動用タイヤ装置4は、施工用ロボット1に設けられたモータ(図示せず)によって駆動されるようになっている。
【0014】
[第1実施形態]
図2〜図6は本発明の第1実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法を説明するためのものであり、図2は図1に示す施工用ロボットをマンホールから下水道本管に搬入して設置した状態の断面図、図3は上記施工用ロボットを下水道本管内で走行させている状態の縦断面図、図4は上記施工用ロボットを対処の必要な未閉塞取付管の埋設位置まで移動させた状態の断面図、図5は上記施工用ロボットに搭載した閉塞用キャップを未閉塞取付管の下水道本管側に挿入して固定する状態の断面図、図6は上記未閉塞取付管を閉塞用キャップにより封鎖し、施工作業を完了した状態の断面図である。
図2〜図6に示すように、地面G中には、略水平方向に沿って設けられ、地上家屋から排出される下水を浄水場などへ導く下水道本管8、上下方向に沿って設けられ、かつ下水道本管8の途中に設置されて接続されるマンホール9、地上家屋の下水管及び汚水枡(図示せず)を下水道本管8に接続する取付管のうちで汚水枡が撤去されて残された未閉塞取付管10などが埋設されている。一方、マンホール9の付近に位置する地面Gの上には、オペレーション車11が配置されており、該オペレーション車11の車室内には、ケーブル7を介して施工用ロボット1の小型テレビカメラ5に接続されるモニタリング装置12が搭載されている。
【0015】
次に、本発明の第1実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法の手順を説明する。
まず、準備段階として、担当の下水管理者の指示や地図などからの情報に基づき、対処の必要な未閉塞取付管10とその付近のマンホール9の設置箇所を調査する。また、オペレーション車11などに施工用ロボット1、キャップ昇降装置3、小型テレビカメラ5、閉塞用キャップ6、モニタリング装置12等を積載する。しかる後、オペレーション車11を該当するマンホール9の設置箇所まで走行させ、そのマンホール9の付近で駐車する。
【0016】
次いで、施工用ロボット1の所定位置にキャップ昇降装置3、小型テレビカメラ5、閉塞用キャップ6等のそれぞれを搭載し、この状態にある施工用ロボット1をマンホール9から降ろし、地面G中に埋設された下水道本管8内に該マンホール9を介して搬入することにより設置する(図2参照)。設置した後、図3に示すように、平面移動用タイヤ装置4を駆動させることにより施工用ロボット1を下水道本管8内で走行させ、小型テレビカメラ5により映し出される下水道本管8内の映像を地上のオペレーション車11のモニタリング装置12でモニタ確認しながら遠隔操作し、施工用ロボット1を対処の必要な未閉塞取付管10の埋設位置まで移動させる(図4参照)。
【0017】
その後、図5に示すように、施工用ロボット1に搭載したキャップ昇降装置3のシリンダロッド3aを作動させることにより、閉塞用キャップ6を上昇させて下水道本管8に連通する未閉塞取付管10の本管側の内部に挿入する。この状態において、施工用ロボット1に設けられたナット回転機構(図示せず)によりボルト及びナットを締め込み、閉塞用キャップ6を径方向外側へ向かって拡張させていき、閉塞用キャップ6の外周面を未閉塞取付管10の内周面に圧接させた状態で固定し、キャップ昇降装置3から取外す。すると、未閉塞取付管10は、閉塞用キャップ6により封鎖されて閉塞されることになり、未閉塞取付管10の閉塞工法における施工作業は完了する(図6参照)。なお、閉塞用キャップ6は、未閉塞取付管10内に入り込む周囲の土砂等の負荷よりも強い保持力を有している。
施工完了後は、上記と逆の遠隔操作で施工用ロボット1を下水道本管8内で走行させ、元のマンホール9の位置まで移動させ、地面Gの上まで持ち上げてマンホール9から取出し、そのまま状態であるいはキャップ昇降装置3などを外してオペレーション車11内に積載し、次の施工に備える。
【0018】
本発明の第1実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法では、閉塞用キャップ6、キャップ昇降装置3、小型テレビカメラ5などが搭載されている施工用ロボット1をマンホール9から降ろし、地中の下水道本管8内にマンホール9を介して搬入することにより設置し、施工用ロボット1を下水道本管8内で走行させ、地上のオペレーション車11内のモニタリング装置12で小型テレビカメラ5からの映像をモニタ確認しながら遠隔操作し、対処の必要な未閉塞取付管10の埋設位置まで移動させ、昇降装置3により閉塞用キャップ6を上昇させて未閉塞取付管10の本管側に挿入し、閉塞用キャップ10を拡張させてその外周面を未閉塞取付管10の内周面に圧接させた状態で固定し、閉塞用キャップ6により未閉塞取付管10を封鎖して閉塞しているため、現在実施されている大掛かりな開削工事及び撤去作業を行わずに済み、未閉塞取付管10を効率的に閉塞することができる。したがって、大型の施工装置が不要となり、工事期間の短縮化も図れ、コストダウンも期待できるとともに、車両の通行量が多い道路などでも、交通渋滞を生じる大規模な車両の通行止めを行わずに未閉塞取付管10の閉塞作業を行うことができる。
【0019】
[第2実施形態]
図7は本発明の第2実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法を説明するものであって、図1における施工用ロボットの充填材ホースから噴出させた充填材により閉塞用キャップの上部に位置する未閉塞取付管の空隙を充填する状態の断面図である。
本発明の第2実施形態における施工用ロボット1は、図7に示すように、一端が充填材供給源(図示せず)に接続され、他端がキャップ昇降装置3上の閉塞用キャップ6を貫通して接続されている充填材ホース21をさらに備えている。この充填材ホース21内には、充填材22が送給されるようになっており、他端側の先端部は、閉塞用キャップ6の上面に臨んで開口している。なお、充填材ホース21には、充填材22の逆流を防ぐ逆止弁機構(図示せず)が設けられている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0020】
本発明の第2実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法では、充填材ホース21をさらに備えた施工用ロボット1を用いており、上記第1実施形態で行った閉塞用キャップ6による未閉塞取付管10の封鎖後、充填材ホース21を介して図示しない充填材供給源から充填材22を送り、充填材ホース21の他端側先端部から充填材22を噴出させ、閉塞用キャップ6の上部に位置する未閉塞取付管10の空隙を充填材22で充填している。なお、閉塞用キャップ6及び逆止弁機構(図示せず)は、未閉塞取付管10内に入り込む周囲の土砂や充填材22の負荷よりも強い保持力を有している。その他の手順は上記第1実施形態と同様である。
【0021】
本発明の第2実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法によれば、閉塞用キャップ6による未閉塞取付管10の封鎖後、充填材ホース21を介して、閉塞用キャップ6の上部に位置する未閉塞取付管10の空隙を充填材22で充填するため、未閉塞取付管10をより確実に封鎖することができる。
【0022】
[第3実施形態]
図8及び図9は本発明の第3実施形態に係る未閉塞取付管の閉塞工法を説明するものであって、図8は図1における施工用ロボットに搭載され、充填材を封入したバルーンを未閉塞取付管の下水道本管側に挿入した状態の断面図、図9は図1における施工用ロボットに搭載され、充填材を封入したバルーン及び閉塞用キャップを未閉塞取付管の下水道本管側に挿入し、閉塞用キャップの封鎖後にバルーンを破裂させる状態の断面図である。
本発明の第3実施形態の閉塞工法では、図8及び図9に示すように、充填材を封入した容器であるバルーン31と、該バルーン31を入れる保持用かご32が用いられている。また、本実施形態の閉塞用キャップ6には、キャップ上面から突出する破裂針33が出没自在に内装されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0023】
本発明の第3実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法では、上記第1実施形態と同様の手順で、施工用ロボット1を対処の必要な未閉塞取付管10の埋設位置まで移動させ、その後、キャップ昇降装置3により充填材を封入したバルーン31を保持用かご32と一緒に上昇させて未閉塞取付管10の本管側に挿入する。しかる後、キャップ昇降装置3により閉塞用キャップ6を上昇させて未閉塞取付管10の本管側に挿入する。なお、下水道本管8の径の大きさなどによっては、閉塞用キャップ6上にバルーン31及び保持用かご32載せて、これらを同時にキャップ昇降装置3により上昇させることも可能である。
そして、上記第1実施形態と同様の手順で閉塞用キャップ6を固定し、該閉塞用キャップ6により未閉塞取付管10を封鎖する。その後、閉塞用キャップ6の上面から破裂針33を突き出してバルーン31を破裂させる。すると、閉塞用キャップ6の上部に位置する未閉塞取付管10の空隙がバルーン31内の充填材で充填され、閉塞されることになる。その他の手順は上記第1実施形態と同様である。
【0024】
本発明の第3実施形態における未閉塞取付管の閉塞工法によれば、閉塞用キャップ6による未閉塞取付管10の封鎖後、破裂針33でバルーン31を破裂させて、閉塞用キャップ6の上部に位置する未閉塞取付管10の空隙を充填材で充填するため、未閉塞取付管10をより簡単かつ安価で、迅速かつ確実に封鎖することができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、既述の第1実施形態〜第3実施形態における閉塞工法は、未閉塞取付管10の内径及び長さなどの条件により選択することが可能である。また、本発明の閉塞工法は、下水道本管10以外の上水道本管等の各種本管に接続される未閉塞取付管に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 施工用ロボット(搬送装置)
2 本体フレーム
3 キャップ昇降装置
4 平面移動用タイヤ装置
5 小型テレビカメラ
6 閉塞用キャップ
7 ケーブル
8 下水道本管
9 マンホール
10 未閉塞取付管
11 オペレーション車
12 モニタリング装置
21 充填材ホース
22 充填材
31 バルーン(容器)
32 保持用かご
33 破裂針
G 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填材を封入した容器、ボルト及びナットによる締め込みで径方向外側へ向かって拡張する構造の閉塞用キャップ、キャップ昇降装置及びナット回転機構が搭載されている搬送装置を、地中に埋設された本管内にマンホールを介して搬入することにより設置し、前記搬送装置を前記本管内で走行させて、前記本管に連結されかつ対処の必要な地中の未閉塞取付管の埋設位置まで移動させ、その後、前記昇降装置により前記充填材を封入した容器及び前記閉塞用キャップを上昇させて前記未閉塞取付管の本管側に挿入し、前記ナット回転機構により前記ボルト及びナットを締め込んで前記閉塞用キャップを径方向外側へ向かって拡張させていき、前記閉塞用キャップの外周面を前記未閉塞取付管の内周面に圧接させた状態で固定し、前記閉塞用キャップにより前記未閉塞取付管を封鎖し、この状態で前記容器を破断することにより前記閉塞用キャップの上部に位置する前記未閉塞取付管の空隙を充填材で充填して閉塞することを特徴とする未閉塞取付管の閉塞工法。
【請求項2】
前記容器は、充填材を封入したバルーンであり、前記未閉塞取付管の空隙を充填材で充填する際、前記閉塞用キャップに設けた破裂針を突き出して前記バルーンを破裂させることを特徴とする請求項1に記載の未閉塞取付管の閉塞工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−163214(P2012−163214A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102964(P2012−102964)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2007−212775(P2007−212775)の分割
【原出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【出願人】(000165424)株式会社コンセック (30)
【出願人】(512022262)サンソー技研株式会社 (1)
【出願人】(000229667)日本ヒューム株式会社 (70)
【Fターム(参考)】