説明

材料帯上の開封テープを確認するための方法及び装置

材料帯(12)の長手方向に延在する開封テープ(11)の正確な配設に関して材料帯(12)、特にフィルム帯の点検をするため、超音波センサが、特に一方では超音波送信機(18)が、他方では超音波受信機(19)が使用される。これらのセンサは、場合によっては焦点合わせされた超音波が、特に開封テープ(11)の領域に整向されているように、材料帯(12)の向かい側に配設されている。開封テープ(11)が存在しない場合、相応の信号が超音波受信機(19)によって発生させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料又はフィルムの帯に取り付けられた開封テープ又は開封糸をセンサによって確認するための方法に関する。更に、本発明は、この方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムから成る外装を有するパックを、特にシガレットパック又はシガレットマルチパックを生産している間、フィルムは、パックが使用される際に外装の取外しを容易にするために、開封糸又は開封テープを備えている。開封テープは、連続的な材料帯又はフィルム帯に取り付けられ、この帯と接合される。その後、パックを包装するための裁断片が、帯から分離される(特許文献1)。
【0003】
材料帯における開封テープの存在及び正確な位置決めは、(連続的に)検査される。この目的のため、従来技術においては、開封テープの領域内で材料帯に整向されている光電及び容量センサが使用される。センサは、光学的に検出することができる開封テープ上のマーキングに反応する。
【0004】
開封テープ又は開封糸の光電的な検出は、十分な光学的なコントラストが何ら存在しない場合、又は例えば材料帯が全体的又は部分的に印刷又メタライズされている場合にはうまくいかない。
【特許文献1】欧州特許第1 209 083号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基本にある課題は、材料帯又はフィルム帯上の開封糸又は開封テープを、接触せずに、特に光学的なコントラストに何ら依存することなく確認することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明による方法は、
a)開封テープ又は開封糸を確認するためのセンサが、一方では超音波送信機であり、他方では超音波受信機であり、これらが材料帯の異なった側に位置決めされている、
b)超音波送信機及び超音波受信機が、本質的に正確に開封糸又は開封テープに整向されている、
c)超音波送信機は、この超音波送信機によって発生させられるローブ又は応答曲線がほぼ開封テープの幅に相当するように構成されている、
d)超音波受信機が、受け取った波の強さの変化に反応する評価ユニットと接続されている
という特徴によって特徴付けられている。
【0007】
薄肉のワークピースの超音波による点検は、基本的に公知である。これまで、この確認方法は、2重シートコントロールの場合に、即ち、薄い材料から成る(同じ大きさの)シートを、特に紙を、万一の2層性に関して検査する場合に使用されていた。
【0008】
本発明の基本にある認識は、超音波センサによって、連続的な薄い材料帯上での幅の狭い材料テープの、主に開封テープ又は開封糸の位置が可能であること、特に連続的な点検の間に可能であることである。この目的のため、送信機及び受信機は、特にその正確な位置にある開封テープ又は開封糸に整向されている。開封テープ又は開封糸を有する材料帯は、好ましくは、超音波が開封テープ又は開封糸の領域に集中されるように整向されるよう、連続的に送信機及び受信機の傍らを経て移動される。
【0009】
この場合、本発明の認識によれば、測定可能な相異が、超音波を受け取る際に、存在する開封テープと存在しない開封テープの間を区別するために受信機によって与えられている間は、受信機の応答曲線は、(極僅か)開封テープの幅から逸脱してもよい。その際、ローブ又は応答曲線の寸法設定は、送信機の強さによって設定することができる。しかしながら、1つの特徴は、送信機が、自由な送信面積を縮小し、かつ制限された一定の応答曲線の効果を有する開口絞りを有するような、本発明による送信機の構成である。
【0010】
本発明の更なる詳細は、(梱包)機械内での点検機構の合理的な配設に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の更なる特徴を、以下で、典型的な適用及び実施例を使用して詳細に説明する。
【0012】
示された模範的な実施例は、箱状のパック10の、特にフィルムから成る外装を備えているシガレットパックの、生産に関係している。この外装は、封止されたパックの開封作業を可能にするために一定の位置に位置決めされている開封テープ11又は開封糸を有する。
【0013】
開封テープ11は、この目的のためにフィルムの連続的な材料帯12に取り付けられている。この材料帯は、連続的にリール13から引き出される。連続的な開封テープ11は、テープリール14から引き出され、同じ方向に搬送されている間、押付けロール15によって材料帯12上に押付けられて、この材料帯と接合される。開封テープ11を有する材料帯12から成るこのユニットは、次に裁断ユニット16に供給される。この裁断ユニットの領域内で、個々の裁断片−開封テープ11を有する−は、材料帯12から分離され、それぞれパック10の周りに巻き付けられる。開封テープ11、即ち材料帯12を取り扱うための、及び裁断片を生産するための装置が、特許文献1に相当することが有効である。
【0014】
材料帯12が開封テープ11を備えているかどうか、また開封テープが正確に位置決めされているかどうか、点検する必要がある。点検ユニット17は、このために使用される。この点検ユニットは、超音波に基づいて接触することなく作動する。超音波送信機18及び超音波受信機19は、材料帯12の向かい側に位置決めされている。超音波送信機18は、超音波を特に材料帯12に、特に開封テープ11の領域内で整向する。向かい側の超音波受信機19は、音波を受け取る。送信機、受信機、及びこの受信機と接続されている評価ユニットは、受信した超音波の強さのいかなる変動も評価されず、開封テープ11の存在又は不在に関する認識が、これから得ることができないように構成されている。点検ユニット17の作用は、開封テープ11の存在が与えられると、発せられた音波の減衰が開封テープ11によって生じ、超音波受信機19の領域内で相当に低減された受信へと導くように行なわれる。
【0015】
点検ユニット17は、材料帯12の垂直な帯部分20の領域内に、特に転向ロール21に続いて裁断ユニット16の直ぐ上か、送り方向で上流に、位置決めされている。従って、この模範的な実施例では、点検ユニット17は、裁断ユニット16の領域内で材料帯12及び分離された裁断片を搬送するための吸引ベルト22の直ぐ上に位置決めされている。裁断片を分離するできるだけ直前に開封テープ11の点検を実施することが重要である。点検は、最後の転向ロール21の後が有利である。
【0016】
送信機及び受信機は、超音波が理想的に斜めに整向された軸23に沿って整向されているように配設されている。従って、超音波は、材料帯12に対して鋭角をなして、この材料帯12に整向されている。超音波送信機18は、この場合、開封テープ11の側に位置しており、超音波受信機19は、材料帯12の側に相対して位置している。材料帯12の面に対する軸23の角度は、ほぼ70°〜45°である。送信機と受信機の材料帯12からの距離は、同様に異なっている。超音波送信機18は、短い距離−約5mm〜15mm−で材料帯12から離れており、受信機19は、15mm〜65mmの大きな距離で離れている。選択的に、送信機と受信機は、材料帯12に対して横又は直角に配設されていてもよい。
【0017】
超音波センサは、特別な方法で、開封テープ11の領域に正確に整向された音波の制限された一定のローブ又は応答曲線が生じるように構成されている。−ほぼ開封テープ11の幅の−一定の応答曲線は、超音波送信機18を相応に構成することによって発生させることができる。特に、超音波送信機18は、出口側に、音波の出口を制限する開口絞り24を備えることができる。図4に示されている模範的な実施例では、開口絞り24は、(横断面が円形の)超音波送信機18が直径方向に延在する中央の間隙25を有するように形成されている。この間隙は、超音波のための出口面積を形成する。間隙25は、開封テープ11の方向に延在する。焦点合わせされた音波の領域は、開口絞り24又は間隙25を経て超音波送信機18から開封テープ11の領域内で材料帯12に整向される。
【0018】
超音波の「ローブ」又は応答曲線の経過が、概略的に図5及び図6に示されており、図5は、材料帯12をほとんど妨害されずに通過する音波でもって、開封テープが存在しない場合を示す。図6は、正確に形成された開封テープ11を有する材料帯12の図を示す。超音波送信機18から発せられる音波は、開封テープを有する材料帯12によって完全に又は大部分が吸収され、従って、超音波受信機19は、全く音波を受信しないか、大いに減衰された音波を受信する。
【0019】
評価ユニット(示されてない)は、材料帯が正確に開封テープ11を備えていない場合に、図5の効果でもって信号を発生させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】フィルムラッパー内で(シガレット)パックを包装するための梱包機械を概略側面図において示す。
【図2】図1による図からの詳細IIを拡大した尺度で示す。
【図3】更に拡大した図2からの詳細IIIを示す。
【図4】超音波送信機の詳細、即ち図3の平面図IV−IVを示す。
【図5】開封テープが存在しない場合の超音波送信機及び超音波受信機の概略的に図示した作業様式を示す。
【図6】正しい開封テープを有する相応の図を示す。
【符号の説明】
【0021】
10 パック
11 開封テープ
12 材料帯
13 リール
14 テープリール
15 押付けロール
16 裁断ユニット
17 点検ユニット
18 超音波送信機
19 超音波受信機
20 帯部分
21 転向ロール
22 吸引ベルト
23 軸
24 開口絞り
25 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料帯(12)又はフィルム帯上の開封テープ(11)又は開封糸をセンサによって確認するための方法において、
a)センサが、一方では超音波送信機(18)であり、他方では超音波受信機(19)であり、これらが材料帯(12)の異なった側に位置決めされていること、
b)超音波送信機(18)及び超音波受信機(19)は、超音波送信機(18)と超音波受信機(19)の間を送られる材料帯(12)が本質的に専ら開封テープ(11)又は開封糸の領域内で超音波によって検出されるように位置決めされていること、
c)超音波送信機(18)は、この超音波送信機によって発生させられるローブ又は応答曲線がほぼ開封テープ(11)の幅に相当するように構成されていること、
d)超音波受信機(19)が、受け取った波の強さの変化に反応する評価ユニットと接続されていること
を特徴とする方法。
【請求項2】
開封テープ(11)又は開封糸が、連続的に送られる材料帯(12)上に連続的に配置され、この材料帯と接合され、その後、包装のための裁断片を帯から分離することができる請求項1に記載の方法を実施するための装置において、
材料帯(12)と開封テープ(11)の接合ステーションに続いて、開封テープ(11)を確認するための点検装置が、位置不動に位置決めされており、フィルム帯が、この点検装置の傍らを経て移動することができ、点検装置が、少なくとも1つの超音波送信機(18)と少なくとも1つの超音波受信機(19)とから成り、超音波送信機(18)及び超音波受信機(19)は、超音波送信機(18)から発せられる音波が本質的に専ら開封テープ(11)の領域内で材料帯(12)に命中するように、また場合によっては、向かい側の超音波受信機(19)によって受け取ることができるように、材料帯(12)の両側に位置決めされていることを特徴とする装置。
【請求項3】
超音波送信機(18)と超音波受信機(19)とが、材料帯(12)の直立した部分(20)の領域内に位置決めされており、特に、裁断ユニット(16)の直立した帯コンベヤ、即ち吸引ベルト(22)の直ぐ上で、好ましくは転向ロール(21)の下に位置決めされていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
超音波送信機(18)と超音波受信機(19)とが、材料帯(12)に対して傾斜した位置に整向されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
超音波送信機(18)が、超音波受信機(19)の下に、好ましくは材料帯(12)の開封テープ(11)を有する側に配設されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
超音波送信機(18)が、応答曲線の特性又は幅に影響を与えるために、出力側の制限手段を、特に(スリット状の)開口絞り(24)を備えていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
開口絞り(24)が、直径方向に超音波送信機(18)にわたって延在し、かつ開封テープ(11)の方向に延在する間隙(25)を制限することを特徴とする請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−502053(P2006−502053A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542415(P2004−542415)
【出願日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010961
【国際公開番号】WO2004/033305
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504265684)フォッケ・ウント・コンパニー(ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト) (31)