説明

来場者自己表示方法およびそれに用いる来場者受付装置

【課題】会場等の受付セクションにおいて、来場者が、自己の保有する自己識別資料を用いて、簡単に、自己を表示しうるようにする方法、およびその方法の実施に直接使用する、簡便な来場者受付装置を提供する。
【解決手段】会場等の受付セクションにおいて、来場者が保有する自己識別資料である名刺M等を、来場者受付装置1における名刺投入口10に挿入し、その名刺M等を複写して、自己表示資料であるカードを作成するとともに、来場者の情報を登録し、上記カードを、各来場者に、他の来場者から視認しうるようにして取付けさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議場やパーティー会場等の会場、式場、会社等(これらを総称して会場等という)への来場者が、自己を表示する方法、およびその方法の実施に使用する来場者受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会場等への来場者が、会場等内での相互認識を高め、意思疎通を図るための手段として、会場等の受付において、芳名帳の裏面に感圧式の記帳シートを複写可能に設け、記帳後にこの記帳シートをはがして、記帳した本人に着用させることにより、その人の顔と名前を一致させるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−8142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載されているものにおいては、手書により本人が記帳するものであり、全てに人手がかかるため面倒である。また、建物内に多数の会場があったり、大規模なイベント会場の総合受付などには適用できない。さらに、特許文献1に記載のものは、単に相互コミニュケーションを図ることを目的としているので、例えば会社などを訪問した際などにおける他人へのなりすましには、対応できない。
【0004】
この点につき、例えば会社によっては、セキュリティ上の問題から、各社員が認証カードなどを携帯し、このカードに書込まれた認証データにより、ドアのロックを掛け外して室内への出入りを可能にするほか、カードに印刷した名前や写真を互いに視認することによって、人名も覚えることができるようにしている。これに対し、部外者が来社した場合には、その名前を確認することができない。
【0005】
但し、部外者が自分の名刺を差出すことによって、相手方に名前を覚えてもらうことができるものの、名刺の受取人に同行しないと、目的とする部屋が施錠されている場合には、自由に入室できない。このため従来の慣行では、来社した人は、建物の出入口近傍に設けられたフリースペースとなっている待合室の受付で、来社の旨を告げ、社内の面会者が来るまで、その待合室で待たなければならず、自由な移動ができないだけでなく、相手の面会者にとっても、その待合室まで移動して来訪者を迎えなければならない煩わしさがあり、その移動や待ち時間分だけ互いの時間が無駄になっていた。
【0006】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、会場等の受付セクションにおいて、来場者が、自己の保有する自己識別資料を用いて、簡単に、自己を表示しうるようにする方法、およびその方法の実施に直接使用する、簡便な来場者受付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1)来場者自己表示方法として、会場等の受付セクションにおいて、来場者が保有する自己識別資料を複写して、自己表示資料を作成するとともに、来場者の情報を登録し、前記自己表示資料を、各来場者に、他の来場者から視認しうるようにして取付けさせる。
【0008】
このような方法によると、会場等の受付セクションにおいて、短時間で、自己表示資料を作成することができるとともに、来場者がそれを身につけて会場等内に入場することにより、会場等内での来場者の相互認識を高め、意思疎通を図ることができる。
【0009】
(2) 上記(1)項において、自己識別資料を、名刺、または免許証もしくは学生証を含む身分証明書のいずれかとする。
【0010】
このようにすると、自己識別資料を特別に用意する必要がなく、普段持ち歩いているものを利用することができる。
【0011】
(3) 上記(1)または(2)項において、登録した来場者の情報を、来場者リストとして保存するとともに、保存した情報に基づいて、来場者リストを印刷する。
【0012】
このようにすると、手間を掛けずに、来場者リストを作成することができる。
【0013】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、受付セクションにおいて、来場者の写真を撮影し、撮影した画像を、自己識別資料とともに、自己表示資料に含める。
【0014】
このようにすると、写真をも自己識別資料に含めることができ、容易に本人確認を行うことができ、自己識別資料の質を高めることができる。
【0015】
(5)会場の受付セクションに設置される来場者受付装置において、来場者の自己識別資料が投入される資料投入口と、資料投入口に投入された自己識別資料を拡大して、来場者における他の来場者から視認しうる部位に取付け可能なカードに自己表示資料として複写する複写手段とを筐体内に設ける。
【0016】
このような構成とすると、会場等の受付セクションにおいて、来場者が、自己の保有する自己識別資料を用いて、簡単に、自己を表示しうるようにすることができるとともに、受付セクションに配設するのに好適な、簡便な来場者受付装置を提供することができる。
【0017】
(6)上記(5)項において、複写手段が、資料投入口に投入された自己識別資料を撮影する撮像手段と、撮影した画像データに基づき、給紙トレイに設けたカードに自己表示資料をプリントするプリンタと、プリンタの排紙口に接続したカード払出し口とを備えているものとする。
【0018】
このような構成とすると、複写手段の構成を簡素化することができ、容易に実施することができる。
【0019】
(7)上記(5)または(6)項において、撮像手段の光軸を、第1の被写体である自己識別資料投入口に投入された自己識別資料と、第2の被写体である自己識別資料を投入する来場者の顔とに切換える切換手段を備え、複写手段が、第1の被写体の画像データを、カードの第1のエリアに印刷し、第2の被写体の画像データを、カードの第2のエリアに印刷するようにする。
【0020】
このような構成とすると、1台の撮像手段により、自己識別資料と来場者の顔とを、効率よく撮影することができる。
【0021】
(8)上記(5)〜(7)項のいずれかにおいて、表示ガイドに従って、来場者が入力操作可能な入力手段と、入力手段によって入力された情報と、予めメモリ内に蓄えられた情報とを比較して、その情報が一致しているならば、カードの第3のエリアに画像読取り手段によってのみ読取り可能な画像を印刷するようにする。
【0022】
このような構成とすると、来場者受付装置を利用して、バーコードやQRコードを利用した本人確認機能を伴う各種の制御システムと併用することができる。
例えば、ガイドに従って、会話形式により、アポイントの有無、行先、用件、面会者等の秘匿情報を入力し、この入力データが適正であると判定されたなら、その秘匿情報のコードデータを画像として、また自己表示資料の一部として、カードに印刷し、このカードを、画像読取り手段にかざすことにより、行先の部屋の扉のロックを開錠できるようにするなどの制御システムと併用することができる。
【0023】
(9)上記(8)項において、入力手段が、来場者の音声を聴取するマイクロホンと、マイクロホンからの音声情報を認識する音声認識手段を備えているものとする。
【0024】
このような構成とすると、来場者は、マイクロホンに向かって話すだけで操作でき、面倒なキーボード操作等を行う必要がないので、操作性が向上する。
【0025】
(10)上記(8)または(9)項において、表示ガイドを、操作要領を説明するための音声ガイドとし、予めメモリ内に蓄えられた音声データを、来場者の入力状態に応じてスピーカより音声として出力させる音声発生装置を備えるものとする。
【0026】
このような構成とすると、音声ガイドに従って入力操作すればよいので、実質的な対話方式により、操作を進行させることができる。
【0027】
(11)上記(5)〜(10)項のいずれかにおいて、印刷内容を予め表示するモニタディスプレイと、ディスプレイの表示画面の印刷の可否を来場者に選択させる印刷スタートボタンとを備えるものとする。
【0028】
このような構成とすると、カードに印刷する自己表示資料を確認することができるとともに、来場者の同意の下に顔写真などの印刷が可能となるので、肖像権を侵害することもなくなる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、会場等の受付セクションにおいて、来場者が、自己の保有する自己識別資料を用いて、簡単に、自己を表示しうるようにする方法、およびその方法の実施に直接使用する、簡便な来場者受付装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の来場者自己表示方法は、会場等の受付セクションにおいて、来場者が保有する自己識別資料を複写して、自己表示資料を作成するとともに、来場者の情報を登録し、前記自己表示資料を、各来場者に、他の来場者から視認しうるようにして取付けさせるものである。
【0031】
自己識別資料としては、名刺、または免許証もしくは学生証を含む身分証明書のいずれかとすることができる。
【0032】
登録した来場者の情報は、来場者リストとして保存するとともに、保存した情報に基づいて、来場者リストを印刷することができる。
【0033】
また、受付セクションにおいて、来場者の写真を撮影し、撮影した画像を、自己識別資料とともに、自己表示資料に含めるのが望ましい。
【0034】
次に、上記のような本発明の来場者自己表示方法を実施するのに直接使用する本発明の来場者受付装置の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る来場者受付装置の外観図、図2は、同じく内部構成を示す断面図、図3は、同じく電気的構成を示すブロック図である。
【0035】
図1および図2に示すように、この受付装置1は、受付カウンター2の天板2a上に置かれるものであり、前部中央に、底面が前下方に向かって傾斜する凹入段部状のカード払出し部3aが形成された偏平箱状の第1の筐体3と、この第1の筐体3の上面中央におけるカード払出し部3aの奥部に一体的に設けられた第2の筐体4と、第2の筐体4の背面に給紙トレー5aを覗かせた状態で各筐体3、4の背部に一体的に組付けられたプリンタ5とを備え、プリンタ5の前下部に設けられた排紙トレー5bは、カード払出し部3aの奥部壁面に設けられた払出し口3bを通して、カード払出し部3aに連通している。
【0036】
第1の筐体3の前面右側部には、スピーカグリル3cが形成されており、このグリル3cの背面における第1の筐体3内には、音声データ出力用のスピーカ6(図2参照)が設けられている。また、第1の筐体3における上面右側部には、Yes、Noを選択する1対のスイッチ7が設けられている。
【0037】
第1の筐体3の上面における左側前部には、不要となった自己識別資料である名刺等を入れる名刺受口8が設けられおり、この内部に不要名刺を回収できるようになっている。さらに、名刺受口8の後方における第1の筐体3の上面には、音声データ入力用のマイクロホン9が配設されている。
【0038】
第2の筐体4の前面には、名刺Mを取込むための名刺トレー10と、液晶モニタTV11と、来場者Aの目線にほぼ一致させた透視窓部12とが、下部から上方に向かって順に設けられている。
【0039】
図2に示すように、名刺トレー10に対応して、第2の筐体4の内部には、モータ13によって駆動されるコンベア装置14が設けられ、このコンベア装置14は、名刺検出センサ(図略)の検出により、その前部上面に配設されたピンチローラ15の間に名刺Mを挟み込んで、筐体4の内部の撮影位置まで移送し、位置センサ(図略)の検出により停止するとともに、撮影終了後モータ13の逆転により、名刺トレー10に返送する動作がなされるようになっている。
【0040】
液晶モニタTV11は各種案内表示を行うとともに、撮影された名刺Mとともに、来場者Aの顔写真を表示するものである。
【0041】
図2に示すように、透視窓部12に対向して第2の筐体4内奥部には、撮像手段としてのCCDカメラ16が取付けられており、そのレンズの光軸Lを透視窓部12を通じて、外方に向けている。また光路中には切替用モータ17によって角度変更可能な反射ミラー18が設けられ、実線で示す前下方への45°の傾き位置では、光軸Lは90°曲げられ、カメラ16はコンベア装置14上に置かれた名刺Mを撮影し、破線で示す水平位置に折畳まれた状態では、カメラ16は透視窓部12を通して、来場者Aを撮影するようになっている。
【0042】
プリンタ5は、葉書印刷専用のカラープリンタであり、その給紙トレー5aには、複数枚の葉書大のカードCが積層され、印刷指令に応じて、名刺Mに印刷された文字、記号、模様などを、カードCに拡大印刷するとともに、来場者Aの顔画像データおよび、秘匿データを化体したQRコードやバーコード等の画像を印刷し、排紙トレー5bを通じてカード払出し部3aに排出するようになっている。
【0043】
なお、図示は省略してあるが、受付装置1の近傍には、名刺大のメモ帳および、ボールペンなどの筆記具を用意しておくのがよい。
【0044】
上記各デバイスは、図3に示すように、筐体3、4内に内蔵したパーソナルコンピュータ(以下単にパソコンと称する)20によって駆動される。なお図3において、一点鎖線で示すものは、来場者受付装置1が配設されるホール、待合所などの人が自由にできるフリースペースFSと、一般人が立ちいることのできないセキュリティスペースSSとを区画する境界19である。パソコン20は入出力インターフェース(I/Oポート)を介して、上記各デバイスおよび、上述したセンサ21に接続している。
【0045】
また、このパソコン20内には、マイクロホン9により検出された音声をデータ化し、そのデータを判定するソフト、外部からの入力状態に応じてスピーカ6を介して音声として出力する内部音声データソフト、得られた秘匿データからQRコード等に変換するソフト、得られた名刺Mの文字を読取って認識するOCRソフトなどを内蔵しているほか、LAN回線22を通じてセキュリティスペースSS内に配設されたサーバコンピュータ23に、同じくセキュリティスペースSS内の各部署でサーバ23に接続した他の複数のクライアントコンピュータ24とともに接続されており、パソコン20は、各デバィス、来場者Aの接近を検出するとともに、その検出状態と、来場者Aの入力操作状態に応じて、内部メモリ、LAN回線22などを活用して、判定を実行し、来場者Aと受付側の条件が一致したならば、会場等またはセキュリティスペースSSへの入場を許可する自己表示資料であるカードCを発券する。
【0046】
図4は、その操作を実行するためのフローチャートを示し、図5および図6は、モニタTV11に表示されたカードCの画面を示し、図7は、印刷された実際のカードCを示す。なお、図5〜7において、「山田製作所」なる具体的会社名および、「山田花子」なる具体的氏名は、実名の存在如何に関わらず、架空の存在として例示されるものである。また図4では、来場者Aが会社内の特定部署の特定または非特定個人にセキュリティスペースSS内で面会することを前提として説明するものである。
【0047】
図4において、装置1の起動後、来場者の有無が判定される(ステップ111)。この来場者の検出手段としては、CCDカメラ16に人が映るか否かで判定されるほか、赤外線センサなどであっても良く、来場者がない場合には、装置1はスリープ状態に保たれ、モニタ画面は暗視野のまま推移する。
【0048】
ステップ111において、来場者有りと判定されたなら、モニタの初期画面が起動するとともに、最初のメッセージが音声出力される(ステップ112)。この出力内容としては、「これから入場のご案内をします。名刺があれば名刺を名刺トレーにお入れ下さい。お持ちでない場合は、近くにある(名刺大の)メモ帳にご記入の上、名刺トレーにお入れ下さい。」等々である。
【0049】
ステップ113において、No、すなわち、名刺Mが名刺トレー10上に置かれない場合であって、来場者が未だいる場合には、同じメッセージが繰返され、来場者が立去り、検出されなくなった場合には、再びステップ111が繰返される。
【0050】
ステップ113において、Yes、すなわち名刺Mが名刺トレー10上に置かれ、センサ21がこれを検出すると、コンベア装置14が作動させられて、名刺Mを撮影位置まで移送し(ステップ114)、次いでCCDカメラ16により名刺Mを撮影し(ステップ115)、その後ミラー18を水平にして来場者Aの顔を撮影する(ステップ116)。これらの画像データは、パソコン内の一時記憶エリア内に記憶される。
【0051】
その後は、ステップ114以降において、内部音声データによる問い掛けと、来場者Aによる音声応答がなされる。これの内容としては、例えば、1.どの部署か、2.どの担当者か、3.アポイントは取ってあるか等々である。各問いかけに対し、回答がない場合(ステップ118でNo)であって、所定時間以上経過した場合、あるいは来場者Aが「やっぱりやめます」などの中止回答があった場合(ステップ119)は、終了処理(ステップ120)がなされる。これの内容は音声により、名刺の返却の宣言と、要不要によって払出された名刺Mを持ち帰るか、名刺受口8への投入の依頼を宣言する一方で、パソコン20の内部では、所定時間経過後に再び装置をスリープ状態に移行するための準備を行い、その後、コンベア装置14により名刺Mを名刺トレー10上に払出し(ステップ121)、所定時間後再度ステップ111に移行する。
【0052】
ステップ118でYes、すなわち回答がある場合には、以下の組合せがある。
(1)面会者の部署、氏名が回答され、アポイントも取ってある。
(2)面会相手の名前だけ回答されているが、アポイントは取ってある。
(3)面会相手の名前だけが回答され、しかもアポイントも取っていない。
(4)名前が分っていないが、部署が回答され、アポイントは取っている。
(5)名前は分らず、部署が回答されているが、アポイントも取っていない。
【0053】
(1)の場合には、サーバ側に該当する部署、氏名、アポイントの有無を照合し、その結果により条件が一致したとみなす(ステップ122,123)。
【0054】
(2)の場合には、予めメモリ内に登録されている該当する氏名を検索し、その結果により、「この人はどこそこにいるがこれでよいのか」と確認する一方でサーバ23側に該当する氏名、アポイントの有無を照合し、その結果により、条件が一致したとみなす(ステップ122,23)。
【0055】
(3)の場合には、内部メモリに登録されている該当する氏名を検索し、「この人の部署はどこそこだが、この人で良いのか」と来場者Aに問い、この人で良いという回答があれば、該当者の出社の有無、およびアポイントの有無をサーバ23側に照合し、該当するクライアントパソコン24をサーバ23を通じて呼出し、面会の有無を照合する。このとき予めメモリ内に一時記憶された名刺データ、顔写真データを表示させることによって、該当する人に来場者を紹介し、その人が否定したら、再びステップ117にジャンプして同一手順を対話形式により繰返し、その人が肯定したら条件が一致したとみなす(ステップ122,123)。
【0056】
(4)の場合には、該当する部署でどの程度のアポイントがあるかを検索し、それが複数人である場合、内部メモリに登録されている氏名や、写真をモニタ表示させて、面会者Aに選択させ、その結果により、条件が一致したとみなす(ステップ122,123)。
【0057】
(5)の場合には、該当する部署全体のクライアントパソコン24をサーバ23を通じて呼出し、面会の有無を照合する。このとき予めメモリ内に一時記憶された名刺データ、顔写真データを表示させることによって、部署内の人に来場者を紹介し、部署内の全員が否定したら、再びステップ117にジャンプして同一手順を対話形式により繰返し、面会者が肯定したら条件が一致したとみなす(ステップ122,123)。
【0058】
ステップ123において、来場者Aの条件が一致したならば、QRコードが取得され、次いで終了メッセージが音声で出力される(ステップ124,125)。メッセージとしては、「全ての条件がクリヤしました。これからカードを胸に付け、会場(またはセキュリティエリア)に入場することができます。あなたの名刺、顔写真を印刷したカードをモニタに表示しますが、このとおりで良ければYesボタンを、訂正したい場合は、Noボタンをお押し下さい。」などの内容であり、その後モニタには画像データが表示される(ステップ126)。
【0059】
図5および図6に示すように、モニタに表示されるカードC(画像であるが、実際のカードCと同一の縦横寸法で表示されているので、カードCとしている)には、拡大文字により名刺内容をデータにより表示した、破線内に囲まれた名刺表示エリアC1と、その右下半分に形成された同じく破線で囲まれた顔写真表示エリアC2と、右上半分に形成された同じく破線で囲まれたQRコード表示エリアC3に区画されている。なお名刺Mには縦書、横書やフォントの違いなど各種のものがあり、かつ反射ミラー18を介して撮影するため、文字の左右も反転してしまうが、得られた文字情報はOCR処理により、全て横書の拡大データに変換される。
【0060】
また、図5に示す場合は、Noボタンを押す確率が高く、図6に示す場合は、Yesボタンを押す確率が高い。つまり、図5では被写体が目を閉じている姿が撮影され、図6では被写体が目を見開いているからであり、その他見られたくない顔や、うつむき姿であり、来場者Aが取直しと判断したら、Noボタンが押され、再度撮影が行われ、その画像をモニタに表示する動作が繰返される(ステップ127〜131)。
【0061】
ステップ127において、Yesボタンが押されると、プリンタ5が起動してモニタ画面上の画像を印刷し(ステップ129)、その結果、図7に示す実際のカードCを得ることができ、その後は終了処理がなされ、名刺Mを排出(ステップ129、131)した後、再びステップ11の待機状態に戻る。
【0062】
図7において、得られた印刷済カードCの名刺表示エリアC1の大きさは元の名刺サイズ(B8版弱)に対して葉書サイズ(A7版)と、2倍強の大きさであるため、遠くからでも視認でき、また近くに寄れば、写真画像により、そのカードの着用者が本人であるか否かも直ちに確認でき、さらにはQRコードにより、セキュリティスペースSSへの入室と、その内部の指定された部屋の扉のロック解除が可能となる。
【0063】
また、得られた印刷済カードCは、予め裏面に剥離紙によって剥離可能な弱粘着剤層を形成しておき、着用時は、これをはがして、来場者Aの胸などに着けさせてもよいし、クリップ、紐などを用意しておき、このクリップにより、カードCを来場者の衣服に付けたり、首からぶら下げるようにしてもよい。
【0064】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、幾多の変形した態様による実施が可能である。
例えば、上記実施形態では、来場者の入力手段として来場者の音声としているが、簡単なキーボードによる操作や、タッチパネル式モニタの操作としてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、会場等への入場者の受付と、会社等への訪問者の受付との両方に使用できるものとして説明してあるが、そのいずれか一方のみに使用する場合は、不要な機能は削除して実施してもよい。
また、本発明は、会員制クラブなどでの入会手続や、会員制クラブ員に対する面会など、セキュリティ性の高い場所での入場と、その入場を許容するためのカードを発券するための装置としても使用できるほか、結婚式場や、各種会場などにおける特段にセキュリティを必要としない場では、単に名刺を拡大してカードに複写するだけとしてもよいし、これに加えて顔写真などの画像も同時に形成するしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態である来場者受付装置の斜視図である。
【図2】同じく、内部構成を示す断面説明図である。
【図3】同じく電気的構成を示すブロック図である
【図4】受付け装置における操作手順を示すフローチャートである。
【図5】モニタに表示されたカードの正面図である。
【図6】同じくモニタに表示されたカードの正面図である。
【図7】得られたカードの印刷形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 来場者受付装置
2 受付カウンター
2a 天板
3 第1の筐体
3a カード払出し部
3b 払出し口
3c スピーカグリル
4 第2の筐体
5 プリンタ
5a 給紙トレー
5b 排紙トレー
6 スピーカ
7 スイッチ
8 名刺受口
9 マイクロホン
10 名刺トレー
11 液晶モニタTV
12 透視窓部
13、17 モータ
14 コンベア装置
15 ピンチローラ
16 CCDカメラ
18 ミラー
19 境界
20 パーソナルコンピュータ
21 センサ
22 LAN回線
23 サーバコンピュータ
24 クライアントパソコン
A 来場者
C カード
C1 名刺表示エリア
C2 顔写真表示エリア
C3 QRコード表示エリア
M 名刺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会場等の受付セクションにおいて、来場者が保有する自己識別資料を複写して、自己表示資料を作成するとともに、来場者の情報を登録し、前記自己表示資料を、各来場者に、他の来場者から視認しうるようにして取付けさせることを特徴とする来場者自己表示方法。
【請求項2】
自己識別資料が、名刺、または免許証もしくは学生証を含む身分証明書のいずれかである請求項1記載の来場者自己表示方法。
【請求項3】
登録した来場者の情報を、来場者リストとして保存するとともに、保存した情報に基づいて、来場者リストを印刷することを特徴とする請求項1または2記載の来場者自己表示方法。
【請求項4】
受付セクションにおいて、来場者の写真を撮影し、撮影した画像を、自己識別資料とともに、自己表示資料に含めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の来場者自己表示方法。
【請求項5】
会場の受付セクションに設置される来場者受付装置であって、
来場者の自己識別資料が投入される資料投入口と、資料投入口に投入された自己識別資料を拡大して、来場者における他の来場者から視認しうる部位に取付け可能なカードに自己表示資料として複写する複写手段とを筐体内に設けたことを特徴とする来場者受付装置。
【請求項6】
複写手段が、資料投入口に投入された自己識別資料を撮影する撮像手段と、撮影した画像データに基づき、給紙トレイに設けたカードに自己表示資料をプリントするプリンタと、プリンタの排紙口に接続したカード払出し口とを備えている請求項5記載の来場者受付装置。
【請求項7】
撮像手段の光軸を、第1の被写体である自己識別資料投入口に投入された自己識別資料と、第2の被写体である自己識別資料を投入する来場者の顔とに切換える切換手段を備え、複写手段が、第1の被写体の画像データを、カードの第1のエリアに印刷し、第2の被写体の画像データを、カードの第2のエリアに印刷するようにした請求項5または6記載の来場者受付装置。
【請求項8】
表示ガイドに従って、来場者が入力操作可能な入力手段と、入力手段によって入力された情報と、予めメモリ内に蓄えられた情報とを比較して、その情報が一致しているならば、カードの第3のエリアに画像読取り手段によってのみ読取り可能な画像を印刷するようにした請求項5〜7の何れかに記載の来場者受付装置。
【請求項9】
入力手段が、来場者の音声を聴取するマイクロホンと、マイクロホンからの音声情報を認識する音声認識手段を備えている請求項8記載の来場者受付装置。
【請求項10】
表示ガイドを、操作要領を説明するための音声ガイドとし、予めメモリ内に蓄えられた音声データを、来場者の入力状態に応じてスピーカより音声として出力させる音声発生装置を備えるものとした請求項8または9記載の来場者受付装置。
【請求項11】
印刷内容を予め表示するモニタディスプレイと、ディスプレイの表示画面の印刷の可否を来場者に選択させる印刷スタートボタンとを備えている請求項5〜10の何れかに記載の来場者受付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−248462(P2009−248462A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99502(P2008−99502)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(500076778)
【Fターム(参考)】