説明

来店セッション管理システム

【課題】
利用者が店舗へ来店したことをほぼ正確に認識し、その利用者が来店をしている間に、さまざまなサービスを当該利用者に対して提供可能とする来店セッション管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
店舗に設置された読取装置とユーザが利用する利用者端末との間で接触または非接触による通信が行われることで、少なくとも利用者識別情報と読取装置識別情報とを含む来店情報を、利用者端末または読取装置から取得し、取得した来店情報に基づいてユーザの来店セッション終了時刻を算出する来店情報処理部と、来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを記憶する連携情報記憶部と、連携情報記憶部を参照することで、取得した来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを判定し、判定したコンピュータに対して、取得した来店情報の一部または全部を送る連携処理部と、を有する来店セッション管理システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が店舗へ来店したことをほぼ正確に認識し、その利用者が来店をしている間に、さまざまなサービスを当該利用者に対して提供可能とする来店セッション管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯端末(携帯電話、スマートフォン、PHS、PDAなどの可搬型通信端末)の技術の発達に伴い、携帯端末にはGPS機能が内蔵されるようになっている。そして携帯端末のGPS機能を利用して位置情報を取得し、その位置情報を契機として、特定のサービスを開始するシステムが下記特許文献1、特許文献2などに存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−18472号公報
【特許文献2】特開2002−49681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの各特許文献やその他のGPS機能を用いた従来のサービスなどによれば、GPS機能を利用することで、携帯端末の利用者の現在の位置情報を容易に取得し、その位置情報に基づく各種サービスの提供が可能となる。
【0005】
しかしながら、このシステムが機能するための前提としては、GPS機能の精度に依存する。すなわち、GPS機能により取得できる位置情報にずれが発生してしまう場合、本来、サービスを受けられるにもかかわらず、サービスを受けられない、あるいは逆に、サービスを受けられないにもかかわらず、サービスを受けられる、といったことがあり得る。そしてGPS機能は天候によって精度が変化する。また都市部ではビルが密集していることから、位置情報を正確に取得できない場合も多い。そして地下ではGPS衛星からの電波を受信できないので、GPS機能を利用することができない。
【0006】
そのため、携帯端末の利用者の位置情報に基づいてサービスを行う場合、GPS機能を利用してしまうと、正確なサービスの提供が出来ないほか、場合によっては不正利用にも繋がりかねない。
【0007】
特に、飲食店のような店舗に携帯端末の利用者がいることで何らかのサービスを提供しようとする場合、店舗がビルに入っていることも多く、位置情報を正確に取得できないほか、ビル内のほかの店舗との区別も容易ではない。
【0008】
しかしながら、店舗としては、利用者サービスのため、店舗に来店したことに対して何らかのサービスを提供できることが好ましいが、上述のようにGPS機能を用いた場合では精度に問題があることから事実上、容易ではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は、上記課題に鑑み、来店セッション管理システムを発明した。
【0010】
第1の発明は、ユーザが店舗に来店したことを判定する来店セッション管理システムであって、前記来店セッション管理システムは、前記店舗に設置された読取装置と前記ユーザが利用する利用者端末との間で接触または非接触による通信が行われることで、少なくとも利用者識別情報と読取装置識別情報とを含む来店情報を、前記利用者端末または読取装置から取得し、前記取得した来店情報に基づいて前記ユーザの来店セッション終了時刻を算出する来店情報処理部と、前記来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを記憶する連携情報記憶部と、前記連携情報記憶部を参照することで、前記取得した来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを判定し、判定したコンピュータに対して、前記取得した来店情報の一部または全部を送る連携処理部と、を有する来店セッション管理システムである。
【0011】
本発明のように構成することで、管理サーバは、ユーザが店舗に訪れたことを把握することが出来る。そして店舗の所在位置はもともと把握されていることから、結果、管理サーバは、ユーザのほぼ正確な現在位置を把握可能となる。従って、GPS機能よりもより正確にユーザの現在位置を特定し、当該ユーザに対するサービス提供を行うことが可能となる。
【0012】
上述の発明において、前記来店セッション管理システムから前記来店情報の一部または全部を取得したコンピュータは、前記来店セッション終了時刻になるまで、前記取得した来店情報に基づいて、前記利用者端末に対して、あらかじめ定められたサービス処理を実行する、来店セッション管理システムのように構成することができる。
【0013】
来店情報を取得したコンピュータでは、ユーザが当該店舗に滞在していると思われる時刻(来店セッション終了時刻)になるまで、特別なサービス処理を実行するようにしても良い。
【0014】
上述の発明において、前記来店情報処理部は、さらに、前記算出した来店セッション終了時刻よりも前に、前記利用者識別情報と同一の利用者識別情報であって異なる読取装置識別情報を含む新たな来店情報を、前記利用者端末または新たな読取装置から取得した場合には、前記算出した来店セッション終了時刻をその時点で終了とし、前記取得した新たな来店情報に基づいて前記ユーザの新たな来店セッション終了時刻を算出し、前記連携処理部は、さらに、前記連携情報記憶部を参照することで、前記取得した新たな来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを判定し、判定したコンピュータに対して、前記取得した新たな来店情報の一部または全部を送る、来店セッション管理システムのように構成することができる。
【0015】
来店セッション終了時刻は目安に過ぎない。そのため、最初の店舗の来店セッション終了時刻の到来前にユーザが別の店舗をおとずれる可能性がある。そのような場合、正確な位置の取得に支障を来す。そこで、本発明のように構成することで、ユーザの現在位置取得の精度向上につなげることが出来る。
【発明の効果】
【0016】
本発明によって、携帯端末の利用者がほぼ正確に店舗に来店したことを判定することが出来る来店セッション管理システムが可能となる。また、それに伴い、当該利用者に対して、来店セッション管理システムで来店中と判定している間に、店舗が何らかのサービスを提供することが可能となる。また、来店中の情報をほかのサービスシステムに提供することによって、当該情報を受け取ったほかのサービスシステムからのサービスを受けることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の全体の概要を示す図である。
【図2】本発明のシステム構成の一例を模式的に示す図である。
【図3】管理サーバのハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。
【図4】本発明の処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。
【図5】来店情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図6】連携情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図7】来店セッションの概念を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の全体の概念を図1に、システム構成の一例を図2に示す。本発明の来店セッション管理システム1では、利用者が利用する携帯端末やICカード(以下、「利用者端末3」という)と、利用者端末3と接触または非接触により情報の送受信が可能な読取装置4と、管理サーバ2とを利用する。来店セッション管理システム1は、店舗の担当者が利用するコンピュータ端末である店舗端末5は、管理サーバ2から所定の情報を受け取ることで、所定のサービス処理を実行する。また、管理サーバ2から受け取った情報に基づいて所定のサービス処理を実行するサービス提供サーバ6とも通信が可能であると良い。
【0019】
来店セッション管理システム1における管理サーバ2は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と、ディスプレイ(画面)などの表示装置72と、キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と、演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置70に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置71に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置71から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置70における処理に用いる。図3に管理サーバ2のハードウェア構成の一例を模式的に示す。また、管理サーバ2における処理は、複数のサーバに、その機能が分散配置されていても良い。
【0020】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0021】
利用者端末3は、利用者がクーポンを利用する際に用いる携帯端末やICカードであって、後述する読取装置4と接触または非接触により情報の送受信が可能である。
【0022】
利用者端末3は、利用者情報記憶部30を有している。利用者情報記憶部30では、少なくとも利用者または利用者が利用する携帯端末を識別する識別情報(利用者識別情報)を記憶している。
【0023】
読取装置4は、接触または非接触によって利用者端末3と通信が可能な装置であって、店舗または読取装置4を識別可能な情報(以下、総称して「読取装置識別情報」という)が記憶されている。読取装置4と利用者端末3との間の通信にはさまざまな通信方式があるが、たとえばNFC方式(Near Field Communication)などのRFIDが一例としてある。なお、これには限定されない。また、読取装置4には、インターネットなどのネットワークでの通信が可能な装置と、ネットワークでの通信が行えない装置のいずれも用いることができる。
【0024】
ネットワークでの通信が可能な読取装置4の場合、利用者端末3の利用者情報記憶部30に記憶された利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報と読取装置識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送信する。なお、ここでネットワークでの通信が可能な読取装置4とは、読取装置4そのものに通信機能が内蔵されているほか、読取装置4と接続された、ネットワークでの通信が可能な装置(たとえばPOSレジやコンピュータ端末など)の場合も含む。
【0025】
ネットワークでの通信が行えない読取装置4の場合、読取装置4に記憶された読取装置識別情報を利用者端末3に送り、利用者端末3から、利用者識別情報と読取装置識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送信する。
【0026】
管理サーバ2は、来店情報処理部20と来店情報記憶部21と連携情報記憶部22と連携処理部23とを有する。
【0027】
来店情報処理部20は、読取装置4または利用者端末3から、読取装置識別情報と利用者識別情報と来店日時情報とを含む来店情報を取得し、来店日時情報に基づいて、当該利用者がいつまで店舗に滞在するかの目安を示す来店セッション終了時刻を算出し、読取装置識別情報と利用者識別情報と来店日時情報と来店セッション終了時刻とを対応づけて来店情報記憶部21に記憶させる。来店セッション終了時刻は、来店日時情報に当該店舗に滞在する平均時間を加算することで算出できる。たとえば来店日時情報が「2011年4月5日18時30分」で、平均滞在時間が「90分」の場合、来店セッション終了時刻は「2011年4月5日20時00分」と算出する。なお、平均滞在時間は、店舗ごとあるいはサービスごとに任意に設定可能である。また、来店情報を取得後、来店情報自体を識別する識別情報を付与して来店情報記憶部21に記憶させても良い。なお、読取装置識別情報とその位置情報(たとえば緯度、経度などの位置情報)とを任意の記憶手段に記憶しておき、その対応関係を参照可能としても良い。
【0028】
来店情報記憶部21は、来店情報処理部20における来店情報を記憶する。図5に来店情報記憶部21の一例を模式的に示す。
【0029】
連携情報記憶部22は、店舗ごとに、サービスを提供するどのサーバに、利用者識別情報と来店日時情報と来店セッション終了時刻と含む来店セッション情報を送るかの対応関係を記憶する。図6に連携情報記憶部22の一例を模式的に示す。
【0030】
連携処理部23は、来店情報記憶部21に記憶した来店情報における読取装置識別情報に基づいて、連携情報記憶部22を参照することで、当該来店情報の一部または全部(連携情報)を、あらかじめ定められた連携先となるサービス提供サーバ6に送る。また、読取装置識別情報を送る場合には、読取装置識別情報そのものを送っても良いし、読取装置識別情報に対応する位置情報を来店情報の一部に含めて送っても良い。
【0031】
連携処理部23が送った連携情報を、送り先となるサービス提供サーバ6が受け取り、そのサービス提供サーバ6において連携情報に基づく所定のサービス処理が実行される。
【0032】
たとえば連携情報における利用者識別情報があるサービス提供サーバ6に渡された場合、利用者が当該利用者端末3から当該サービス提供サーバ6のサービス処理の操作、たとえば口コミを投稿する、当該サービス提供サーバ6が処理を実行しているサービスの会員に登録する、メールマガジンを登録する、といった処理の操作を行った場合、当該サービス提供サーバ6において、当該利用者識別情報に基づいて、当該利用者に対して特典、たとえばポイントの付与率を変更する、といったことが可能となる。また、当該利用者が利用する店舗端末5にアクセスしてクーポンのダウンロードを実行する場合には、通常よりも特典の大きい(たとえば割引率の高い)クーポンのダウンロードを可能とさせる、などがある。またポイントを使う場合には、当該利用者識別情報に対応づけてポイント情報が記憶されているので、ポイントの換算率を通常よりも高くして換算する、といったことも可能となる。さらに、ポイントを蓄積する場合には、当該利用者識別情報に対応づけてポイント情報が記憶されるので、ポイントの換算率を通常よりも高く換算して、ポイント情報に加算する、といった方法がある。
【0033】
次に本発明の来店セッション管理システム1を用いた処理プロセスの一例を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
まず店舗を訪れた利用者は、店舗内の所定箇所に設置された読取装置4に、利用者端末3をかざす。これによって、読取装置4と利用者端末3との間で通信が行われ、利用者端末3の利用者情報記憶部30に記憶されている利用者識別情報が読取装置4に読み取られる(S100)。そして、読取装置4がネットワーク通信機能を備えている場合には、利用者が利用者端末3を読取装置4にかざすことで、読取装置4が利用者端末3の利用者情報記憶部30に記憶された利用者識別情報を読み取る。そして利用者識別情報と、読取装置4の所定の記憶領域に記憶された読取装置識別情報と、来店日時情報とを含む来店情報として、ネットワークを介して、管理サーバ2に送信する(S110)。
【0035】
一方、読取装置4がネットワーク通信機能を備えていない場合には、利用者が利用者端末3を読取装置4にかざすことで、読取装置4が利用者端末3に記憶された利用者識別情報を管理サーバ2に送信するためのアプリケーション(このアプリケーションはあらかじめ利用者端末3に記憶されている)を起動させる。そして、読取装置4の所定の記憶領域に記憶された読取装置識別情報を利用者端末3に送る。利用者端末3は読取装置識別情報を読取装置4から受け取ると、起動したアプリケーションを用いて、利用者情報記憶部30に記憶した利用者識別情報と、来店日時(来店日時は読取装置4から受け取っても良いし、利用者端末3で特定しても良い)とを来店情報として、ネットワークを介して、管理サーバ2に送信する(S110)。
【0036】
たとえば読取装置識別情報が「A001」、利用者識別情報が「12345」、来店日時情報が「2011年4月5日18時30分」の場合、これらの情報が、読取装置4または利用者端末3から管理サーバ2に送られる。
【0037】
読取装置4または利用者端末3から送信された来店情報は、管理サーバ2の来店情報処理部20で取得し、来店情報処理部20は、来店情報における来店日時情報に基づいて来店セッション終了時刻を算出する(S120)。そして、読取装置識別情報と利用者識別情報と来店日時情報と来店セッション終了時刻とを対応づけて来店情報記憶部21に記憶させる。
【0038】
当該読取装置識別情報に対応づけられた平均滞在時間が90分の場合、来店日時情報が「2011年4月5日18時30分」なので、来店セッション終了時刻として「2011年4月5日20時00分」を算出する。そして来店情報処理部20は、読取装置識別情報「A001」、利用者識別情報「12345」、来店日時情報「2011年4月5日18時30分」、来店セッション終了時刻「2011年4月5日20時00分」を記憶させる。
【0039】
なお平均滞在時間については、店舗によって「30分」、「60分」、「90分」のように設定可能であっても良い。また、同一店舗内でもサービスごと(来店情報の一部または全部が送られるサービス提供サーバ6ごと)に設定されていても良い。たとえばあるスポンサー企業Aのサービス提供サーバ6に来店情報の一部または全部が送られる場合には、平均滞在時間として15分とし、スポンサー企業Bのサービス提供サーバ6に来店情報の一部または全部が送られる場合には、平均滞在時間として120分としてもよい。
【0040】
なお来店セッション終了時刻を算出するにあたって、上述では来店日時情報に平均滞在時間を加算することで算出しているが、利用者に、その店舗を訪れたことによる特別なサービスを提供したい時間(サービス提供時間)を加算することで来店セッション終了時刻を算出することもできる。また、来店セッション終了時刻とするのではなく、来店セッション終了時刻とは別に、来店日時情報にサービス提供時間を加算してサービス提供終了時刻として算出し、後述する来店セッション情報に含めても良い。
【0041】
以上のようにして、当該利用者が店舗に来店した日時、退店の予想日時を特定することができる。退店の予想日時である来店セッション終了時刻は、平均滞在時間などに基づいて算出される。そのため実際の滞在時間とは異なる。そのため、利用者が複数店舗を利用した場合、最初の店舗と後の店舗の2箇所に滞在していることになってしまう可能性がある。そこで最初の店舗の来店セッション終了時刻の前に、新たに来店日時情報を来店情報処理部20で受け取った場合には、最初の店舗の来店セッション終了時刻を、新たな店舗の来店日時情報として更新し、新たな店舗の来店情報には、新たな店舗の来店日時情報とそれに基づいて算出された来店セッション終了時刻とを記憶させる。
【0042】
このようにすることで、来店セッションの重複を防止できる。これを模式的に図7に示す。図7(a)は通常の来店セッションの場合であり、図7(b)は最初の店舗(A店)の来店セッション終了時刻の前に、別の店舗(B店)に来店し、B店の読取装置4に利用者端末3をかざした場合である。なお、来店セッション終了時刻は、利用者が利用者端末3で明示の操作を行うことで、退店したことを利用者識別情報とともに管理サーバ2に送り、来店情報記憶部21に記憶した来店セッション終了時刻を更新可能とすることも出来る。この場合、後述する連携処理部23でサービス提供サーバ6に来店情報をすでに送っていた場合、更新情報として当該利用者識別情報、読取装置識別情報、来店セッション終了時刻とを更新の指示情報とともに送っても良い。この情報をサービス提供サーバ6で受け取ることで、来店していない場合と同様のサービス処理に変更することも出来る。
【0043】
次に、連携処理部23は、来店情報における読取装置識別情報「A001」に基づいて、連携情報記憶部22を参照することで、当該読取装置識別情報に対応づけられたサービス提供サーバ6を特定する。すなわち、来店情報における利用識別情報、端末装置識別情報(あるいは店舗名や位置情報などの情報)、来店日時情報、来店セッション終了時刻を含む来店セッション情報を送る先となるサービス提供サーバ6を特定する。
【0044】
連携情報記憶部22が図6の場合、読取装置識別情報「A001」に「X社サーバ、A店の店舗端末5」が対応づけられているので、連携処理部23は、読取装置識別情報「A001」、利用者識別情報「12345」、来店日時情報「2011年4月5日18時30分」、来店セッション終了時刻「2011年4月5日20時00分」を「X社サーバ、A店の店舗端末5」に送る(S130)。
【0045】
X社サーバ、A店の店舗端末5では、管理サーバ2からの読取装置識別情報「A001」、利用者識別情報「12345」、来店日時情報「2011年4月5日18時30分」、来店セッション終了時刻「2011年4月5日20時00分」の情報に基づいて、当該利用者が利用者端末3にアクセスし、X社サーバのサービスを利用する場合、来店セッション終了時刻前までにそのサービス処理が実行された場合、通常とは異なる特典を付加した処理を実行する。たとえばX社の提供するメールマガジンに登録をする処理の場合、利用者識別情報として「12345」を受け付け、その登録処理が来店日時情報と来店セッション終了時刻との間であれば、たとえばX社のポイントを通常よりも多く付加する、といった処理をX社サーバで実行する。また、来店セッション終了時刻「2011年4月5日20時00分」を経過した場合には、通常のサービス処理を実行する。
【0046】
同様に、A店の店舗端末5でも、通常とは異なる特典が付加されたサービス処理を実行する。
【0047】
以上のような処理を実行することで、サービス提供サーバ6や店舗端末5では、利用者がほぼ正確に店舗に来店したことを判定することが出来る。そのためGPS機能を用いた場合よりも精度が高い。そのため、当該店舗を利用したことによるさまざまなサービスの処理をサービス提供サーバ6で実行することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によって、携帯端末の利用者がほぼ正確に店舗に来店したことを判定することが出来る来店セッション管理システム1が可能となる。また、それに伴い、当該利用者に対して、来店セッション管理システム1で来店中と判定している間に、店舗が何らかのサービスを提供することが可能となる。また、来店中の情報をほかのサービスシステムに提供することによって、当該情報を受け取ったほかのサービスシステムからのサービスを受けることも可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1:来店セッション管理システム
2:管理サーバ
3:利用者端末
4:読取装置
5:店舗端末
6:サービス提供サーバ
20:来店情報処理部
21:来店情報記憶部
22:連携情報記憶部
23:連携処理部
30:利用者情報記憶部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが店舗に来店したことを判定する来店セッション管理システムであって、
前記来店セッション管理システムは、
前記店舗に設置された読取装置と前記ユーザが利用する利用者端末との間で接触または非接触による通信が行われることで、少なくとも利用者識別情報と読取装置識別情報とを含む来店情報を、前記利用者端末または読取装置から取得し、前記取得した来店情報に基づいて前記ユーザの来店セッション終了時刻を算出する来店情報処理部と、
前記来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを記憶する連携情報記憶部と、
前記連携情報記憶部を参照することで、前記取得した来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを判定し、判定したコンピュータに対して、前記取得した来店情報の一部または全部を送る連携処理部と、
を有することを特徴とする来店セッション管理システム。
【請求項2】
前記来店セッション管理システムから前記来店情報の一部または全部を取得したコンピュータは、
前記来店セッション終了時刻になるまで、前記取得した来店情報に基づいて、前記利用者端末に対して、あらかじめ定められたサービス処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の来店セッション管理システム。
【請求項3】
前記来店情報処理部は、さらに、
前記算出した来店セッション終了時刻よりも前に、前記利用者識別情報と同一の利用者識別情報であって異なる読取装置識別情報を含む新たな来店情報を、前記利用者端末または新たな読取装置から取得した場合には、前記算出した来店セッション終了時刻をその時点で終了とし、前記取得した新たな来店情報に基づいて前記ユーザの新たな来店セッション終了時刻を算出し、
前記連携処理部は、さらに、
前記連携情報記憶部を参照することで、前記取得した新たな来店情報の一部または全部をどのコンピュータに送るかを判定し、判定したコンピュータに対して、前記取得した新たな来店情報の一部または全部を送る、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の来店セッション管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−226561(P2012−226561A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93654(P2011−93654)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(500175565)株式会社ぐるなび (43)