枚葉装置
【課題】搬送サクションコンベアにより二枚の重なったシート状物のうちの一方のシート状物が吸着されつつ搬送経路に沿って搬送されている前記二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置を提供する。
【解決手段】第二搬送経路Bに沿って搬送されている二枚の重なった第二シート状物12・12を枚葉する枚葉装置200であって、第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうちの他方の第二シート状物12bを吸着することにより他方の第二シート状物12bを一方の第二シート状物12aから浮いた状態とする吸着装置210と、第二サクションコンベア120の搬送面から所定距離離れた位置に対向して配置され、吸着装置210により一方の第二シート状物12aから浮いた状態となった他方の第二シート状物12bを吸着しつつ他方の第二シート状物12bを搬送する枚葉サクションコンベア220と、を具備した。
【解決手段】第二搬送経路Bに沿って搬送されている二枚の重なった第二シート状物12・12を枚葉する枚葉装置200であって、第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうちの他方の第二シート状物12bを吸着することにより他方の第二シート状物12bを一方の第二シート状物12aから浮いた状態とする吸着装置210と、第二サクションコンベア120の搬送面から所定距離離れた位置に対向して配置され、吸着装置210により一方の第二シート状物12aから浮いた状態となった他方の第二シート状物12bを吸着しつつ他方の第二シート状物12bを搬送する枚葉サクションコンベア220と、を具備した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を枚葉する枚葉装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層された複数枚のシート状物から、当該複数枚のシート状物の一番上に載置されたシート状物を一枚ずつ取り出す枚葉装置の技術は公知となっている。
【0003】
このような枚葉装置の一例としては、積層された複数枚のシート状物の側面にエアを噴出することによりシート状物を浮揚させ、一番上に載置されたシート状物を取り出し機構により取り出すものが知られている(特許文献1参照。)。
また、他の例としては、積層された複数枚のシート状物の上面に当接したロータを回転させることにより一番上に載置されたシート状物を取り出し、一番上に載置されたシート状物と共に連れ出されるシート状物を二枚取り防止ブロックにより吸着し分離するものが知られている(特許文献2参照。)。
【0004】
しかし、従来の枚葉装置は、シート状物が非常に薄く、可撓性に富んだ状態(例えば、シート面の中心を支持した場合に自重で大きく撓んで端部が下方に垂れ下がるような状態)である場合には、積層された複数のシート状物から一枚のみを取り出すことが困難であり、積層された薄いシート状物から二枚重なった状態で取り出してしまう場合がある。
【0005】
より詳細には、シート状物が非常に薄い場合、一番上に載置されたシート状物とその直下のシート状物との隙間に精度良くエアを側方から吹き込んで一番上に載置されたシート状物のみを浮揚させることは困難である。
また、シート状物が非常に薄い場合、二枚取り防止ブロックの上端部を一番上に載置されたシート状物とその直下のシート状物との当接面と同じ高さに調整するのは困難であり、仮にこのような調整が出来たとしてもシート状物が撓みやすいために二枚取り防止ブロックとの当接部が折れ曲がる、あるいは破れるといった事態が発生する場合がある。
【0006】
また、枚葉装置により供給されたシート状物を台紙や他のシート状物と貼り合わせる貼合装置において、前記枚葉装置による枚葉が適正に行われず、二枚のシート状物が重なった状態で貼合装置へ供給された場合、貼合装置の正常な動作を妨げたり不良品が発生したりする場合がある。
【特許文献1】特開2005−001838号公報
【特許文献2】特開2002−160843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑み、搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、
搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置であって、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着することにより前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態とする吸着装置と、
前記搬送サクションコンベアの搬送面から所定距離離れた位置に配置され、前記吸着装置により前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態となったシート状物を吸着しつつ搬送する枚葉サクションコンベアと、
を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、
前記吸着装置は、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物をエア吸引により吸着し、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物が前記枚葉サクションコンベアに吸着された後にエア吸引を停止する吸盤と、
前記吸盤を前記枚葉サクションコンベアの搬送面に沿って摺動可能に支持する支持部材と、
前記エア吸引を停止した吸盤を前記支持部材に沿って前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端側に移動させる摺動アクチュエータと、
を具備するものである。
【0011】
請求項3においては、
前記搬送経路において前記吸着装置よりも上流側に配置され、前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出する重複状態検出装置を具備し、
前記吸着装置は、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であることが検出された場合には、二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着し、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が一枚だけの状態であることが検出された場合には、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物を吸着しないものである。
【0012】
請求項4においては、
前記枚葉サクションコンベアの搬送面の下流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離は、前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離よりも大きいものである。
【0013】
請求項5においては、
前記枚葉サクションコンベアにより搬送されたシート状物を回収する回収容器を具備するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を枚葉することが可能である。
【0016】
請求項2においては、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を損傷することなく滑らかに枚葉サクションコンベアに吸着させることが可能である。
【0017】
請求項3においては、シート状物が二枚重複した状態で搬送されている場合にのみ吸着装置を作動させ、二枚の重なったシート状物のうち、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を枚葉することが可能である。
【0018】
請求項4においては、枚葉サクションコンベアにより吸着したシート状物と搬送サクションコンベアに吸着されている第二シート状物との間隔を離間させることが可能である。
【0019】
請求項5においては、枚葉したシート状物を散乱させることなく回収することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、図1から図13を用いて、本発明に係る枚葉装置の実施の一形態である枚葉装置200を具備する合紙機10について説明する。
なお、以下では説明の便宜上、図1、図2、図4、及び図8から図13における紙面の上方向を「上方向」、図1、図2、図4、及び図6から図13における紙面の左方向を「前方向」、図6及び図7における紙面の下方向を「左方向」とそれぞれ定義し、当該定義に基づいて方向の説明を行う。
【0021】
合紙機10は、第一シート状物11及び第二シート状物12を給紙、接着剤を塗布、切断、及び貼合し、合紙するものである。
【0022】
第一シート状物11及び第二シート状物12は本発明に係る「シート状物」の実施の一形態であり、略長方形に裁断された薄い紙からなり、可撓性に富む。
「シート状物」は長さ方向および幅方向に比べて厚さ方向が小さい対象物を指す。
シート状物の例としては、紙(和紙、洋紙、ボール紙等)、布、樹脂製のフィルム、金属製の薄板、金属箔、あるいはこれらに通気孔(上下のシート面を貫通する孔)を設けたものが挙げられる。
【0023】
合紙機10は主として給紙装置20、接着剤塗布装置30、素材搬送サクションコンベア40、切断装置50、貼合装置60等を具備する。
【0024】
以下では図1及び図2を用いて、給紙装置20について説明する。
給紙装置20は、貼合装置60に第二シート状物12を供給するものである。給紙装置20は主としてテーブル21、規制フレーム22、供給部23等を具備する。
【0025】
テーブル21は積層された第二シート状物12・12・・・を支持するための部材である。第二シート状物12・12・・・はテーブル21の上面に載置される。
【0026】
規制フレーム22はテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の移動を規制する部材である。規制フレーム22は平面視略長方形の枠を形成している。規制フレーム22の内周面は第二シート状物12・12・・・の側面と当接する。
【0027】
供給部23はテーブル21に積層された複数の第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12を貼合装置60へと繰り出すものである。供給部23は主としてサバキエアノズル23a、中央エアノズル23c、第一吸盤23e、第二吸盤23f、仕切り板23g、上咥えローラ23h、下咥えローラ23j等を具備する。
【0028】
サバキエアノズル23aはエアを吹き出す部材である。サバキエアノズル23aの先端部はテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後側面に対向する位置に配置される。サバキエアノズル23aの後端部はエアホース23bを介して図示せぬエア圧送手段(エアポンプ等)に接続される。当該エア圧送手段から圧送されたエアはエアホース23bを経てサバキエアノズル23aの先端部から吹き出され、第二シート状物12・12・・・の後側面に吹きつけられる。
【0029】
中央エアノズル23cはエアを吹き出す部材である。中央エアノズル23cの先端部はテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後側面に対向する位置であって、当該第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12の高さよりもわずかに高い位置に配置される。中央エアノズル23cの後端部はエアホース23dを介して図示せぬエア圧送手段(エアポンプ等)に接続される。当該エア圧送手段から圧送されたエアはエアホース23dを経て中央エアノズル23cの先端部から吹き出される。
【0030】
第一吸盤23eはゴムや樹脂等の柔らかい材質からなり、第二シート状物12に吸着するものである。第一吸盤23e・23eはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の上方の後部の左右にそれぞれ配置される。第一吸盤23eの下部にはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・と略平行に対向した面(以下、単に「吸着面」という)が形成される。第一吸盤23eは図示せぬエアホースを介して図示せぬエア吸引手段(エアポンプ等)に接続される。第一吸盤23eの内部には前記吸着面と前記エアホースとを連通する経路が形成される。前記エア吸引手段が作動すると、前記エアホース及び前記経路を経て第一吸盤23eの吸着面よりエアが吸引される。また、第一吸盤23eは上下に摺動可能に構成され、図示せぬ駆動手段により上下に摺動される。
【0031】
第二吸盤23fはゴムや樹脂等の柔らかい材質からなり、第二シート状物12に吸着するものである。第二吸盤23f・23fはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の上方の前後略中央部の左右にそれぞれ配置される。第二吸盤23fの下部にはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・と略平行に対向した面(以下、単に「吸着面」という)が形成される。第二吸盤23fは図示せぬエアホースを介して図示せぬエア吸引手段(エアポンプ等)に接続される。第二吸盤23fの内部には前記吸着面と前記エアホースとを連通する経路が形成される。前記エア吸引手段が作動すると、前記エアホース及び前記経路を経て第二吸盤23fの吸着面よりエアが吸引される。また、第二吸盤23fは前後に摺動可能に構成され、図示せぬ駆動手段により前後に摺動される。
【0032】
仕切り板23gは板状の部材であり、テーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の前側面に当接するものである。仕切り板23gの下端部は前後に回動可能に支持され、図示せぬ駆動手段により前後に回動する。
【0033】
上咥えローラ23hの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。上咥えローラ23hは図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。上咥えローラ23hの回転軸は上咥えローラ昇降機構23iにより上下方向に昇降可能に構成されており、下降して第二シート状物12と当接すると、上咥えローラ23hの回転により第二シート状物12を前方へ搬送する。
【0034】
下咥えローラ23jは上咥えローラ23hの下方に配置される。下咥えローラ23jの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。下咥えローラ23jは図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
上咥えローラ23hの周面と下咥えローラ23jの周面との間には第二シート状物12が上咥えローラ23hおよび下咥えローラ23jに挟まれた状態で通過することが可能な程度の隙間が形成される。
【0035】
上記の如く構成された給紙装置20による貼合装置60への第二シート状物12の供給動作について説明する。
サバキエアノズル23aの先端部から吹き出されたエアはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後側面に吹きつけられる。その結果、当該第二シート状物12・12・・・の隙間にエアが送り込まれる。
サバキエアノズル23aによりエアが吹き出されている間に第一吸盤23eは下方に摺動し、テーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12を第一吸盤23eの吸着面に吸着する。第一吸盤23eは第二シート状物12を吸着した後、再び上方に摺動する。
第一吸盤23eが上方に摺動することにより、第一吸盤23eが吸着した第二シート状物12の後部とテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後部との間に隙間が形成される。当該隙間が形成されると、中央エアノズル23cにより当該隙間へむけてエアが吹き出され、これにより第一吸盤23eが吸着した第二シート状物12とテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・との間に後部から前部にかけて隙間が形成される。つまり、第一吸盤23eが吸着した第二シート状物12がテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・から分離される。
分離された第二シート状物12の前後略中央部は第二吸盤23fにより吸着され、このとき第一吸盤23eによる吸引が停止される。分離された第二シート状物12の前側面に当接する仕切り板23gが前方へ回動すると、第二吸盤23fは前方へ摺動し、吸着した第二シート状物12を前方へ搬送する。
第二吸盤23fにより前方へ搬送された第二シート状物12の前部が上咥えローラ23h及び下咥えローラ23jに巻き込まれると、第二吸盤23fは吸引を停止する。上咥えローラ23h及び下咥えローラ23jに巻き込まれた第二シート状物12は前方へ搬送され、貼合装置60へと供給される。
【0036】
なお、本実施形態のテーブル21は上下方向に昇降可能であり、最上部の第二シート状物12が貼合装置60へと供給された後、テーブル21が第二シート状物12の厚みの分だけ上昇することにより、残りの第二シート状物12・12・・・を供給部23により取り出す際の最上部の第二シート状物12の高さを略一定に保つことが可能である。
【0037】
以下では図1を用いて、接着剤塗布装置30について説明する。
接着剤塗布装置30は、素材第一シート状物1に接着剤を塗布する装置である。
【0038】
素材第一シート状物1は第一シート状物11の素材であり、図示せぬロールに巻かれた一枚の長い(連続した)シート状物である。素材第一シート状物1を長手方向において所定の長さで切断することにより第一シート状物11が作製される。
【0039】
接着剤塗布装置30は主として接着剤塗布装置フレーム31、上接着剤塗布ローラ32、下接着剤塗布ローラ33、均しローラ34、接着剤供給部35等を具備する。
【0040】
接着剤塗布装置フレーム31は上接着剤塗布ローラ32、下接着剤塗布ローラ33、均しローラ34、接着剤供給部35を支持する部材である。
【0041】
上接着剤塗布ローラ32は、素材第一シート状物1に接着剤を塗布するものである。上接着剤塗布ローラ32の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。上接着剤塗布ローラ32は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。
【0042】
下接着剤塗布ローラ33は、上接着剤塗布ローラ32の下方に配置される。下接着剤塗布ローラ33の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。下接着剤塗布ローラ33は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0043】
均しローラ34は上接着剤塗布ローラ32の周面に塗布される接着剤の厚さを均一にするためのローラである。均しローラ34は、その周面が上接着剤塗布ローラ32の周面に対して所定の隙間を形成する位置に配置される。均しローラ34は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0044】
接着剤供給部35は、上接着剤塗布ローラ32に接着剤を供給するものである。より詳細には、接着剤供給部35は上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間の上部に接着剤を供給する。
接着剤供給部35は素材第一シート状物1の素材、寸法、搬送速度等に応じて接着剤の供給量を調節することが可能である。
【0045】
上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間に接着剤が供給された状態で上接着剤塗布ローラ32および均しローラ34が回転すると、上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間の下方における上接着剤塗布ローラ32の周面に塗布されている接着剤の厚さが上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間と略同じとなる。
【0046】
上接着剤塗布ローラ32の周面と下接着剤塗布ローラ33の周面との間には素材第一シート状物1が通過可能な隙間が形成される。素材第一シート状物1が当該隙間に差し込まれると、素材第一シート状物1の上面が上接着剤塗布ローラ32の周面に当接し、素材第一シート状物1は上接着剤塗布ローラ32及び下接着剤塗布ローラ33により巻き込まれる。
その結果、素材第一シート状物1は前方に搬送されるとともに素材第一シート状物1の上面に接着剤が塗布される。
【0047】
以下では図1を用いて、素材搬送サクションコンベア40について説明する。
素材搬送サクションコンベア40は接着剤塗布装置30により接着剤が塗布された素材第一シート状物1を所定の搬送速度で搬送し、切断装置50へ供給するサクションコンベアである。素材搬送サクションコンベア40は主として素材搬送ベルト41、前素材搬送プーリ42、後素材搬送プーリ43、素材吸引ケース44、素材エアホース45、素材吸引装置46等を具備する。
【0048】
素材搬送ベルト41はその外周面上に素材第一シート状物1を吸着して搬送するものである。素材搬送ベルト41の全面には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である素材搬送ベルト孔(図示せず)が形成されている。素材搬送ベルト41は前素材搬送プーリ42及び後素材搬送プーリ43間に巻回されている。
【0049】
前素材搬送プーリ42は後述する下ロータリカッター53の後方に配置される。前素材搬送プーリ42の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前素材搬送プーリ42は図示せぬ駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0050】
後素材搬送プーリ43は下接着剤塗布ローラ33の前方に配置される。後素材搬送プーリ43の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0051】
素材吸引ケース44は素材搬送ベルト41の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。素材吸引ケース44の上面、すなわち素材搬送ベルト41のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分に対向する面には素材吸引ケース44の内部空間と外部とを連通する複数の素材吸引ケース孔(図示せず)が形成される。
【0052】
素材エアホース45は素材吸引ケース44と素材吸引装置46とを連通接続するものである。
素材吸引装置46はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。素材吸引装置46の吸気ポートは素材エアホース45に接続される。
素材吸引装置46が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、素材吸引ケース44の内部空間は負圧となり、前記素材吸引ケース孔を通して素材吸引ケース44の内部空間にエアが吸引される。
素材吸引ケース44の上面と素材搬送ベルト41のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分との隙間は小さいので、前記素材吸引ケース孔を通して素材吸引ケース44の内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、前記素材搬送ベルト孔を通して当該隙間にエアが吸引される。
素材搬送ベルト41のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分に素材第一シート状物1が載置されると、当該部分に対応する前記素材吸引ケース孔が素材第一シート状物1により塞がれる形となり、素材第一シート状物1は素材搬送ベルト41に吸着される。
【0053】
接着剤塗布装置30により前方に搬送された素材第一シート状物1は、素材搬送ベルト41の外周面のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分に吸着された状態で搬送され、切断装置50へと供給される。
【0054】
以下では図1及び図2を用いて、切断装置50について説明する。
切断装置50は、素材第一シート状物1を所定の長さに切断することにより第一シート状物11を作製するものである。切断装置50は主として切断装置フレーム51、上ロータリカッター52、下ロータリカッター53等を具備する。
【0055】
切断装置フレーム51は上ロータリカッター52及び下ロータリカッター53を支持するための部材である。
【0056】
上ロータリカッター52は円筒状の部材である。上ロータリカッター52の周面には刃52aが形成されている。上ロータリカッター52の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。上ロータリカッター52は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。
【0057】
下ロータリカッター53は円筒状の部材である。下ロータリカッター53の周面には刃53aが形成されている。下ロータリカッター53は上ロータリカッター52の下方に配置される。下ロータリカッター53の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。下ロータリカッター53は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
上ロータリカッター52の周面と下ロータリカッター53の周面との間には素材第一シート状物1が通過可能な隙間が形成される。素材第一シート状物1が当該隙間に差し込まれると、素材第一シート状物1は上ロータリカッター52及び下ロータリカッター53により巻き込まれて、前方に搬送されると同時に刃52a及び53aにより所定の間隔ごとに切断され、第一シート状物11が作製される。
【0058】
なお、本実施形態では素材第一シート状物1を切断することにより第一シート状物11を作製し、その後で貼合装置60へと供給する構成としたが、予め作製された第一シート状物11を貼合装置60へ供給する構成とすることも可能である。
また、第二シート状物12は給紙装置20により貼合装置60へと供給される構成としたが、第二シート状物12の素材となるシート状物を切断することにより第二シート状物12を作製し、その後で貼合装置60へと供給する構成とすることも可能である。
【0059】
以下では図1から図13を用いて本発明に係る枚葉装置の実施の一形態である枚葉装置200を具備する貼合装置50について説明する。
なお、以下では説明の便宜上、第一シート状物11が切断装置50から第一サクションコンベア110を経て圧接ローラ130へ到達するまでに搬送される経路を第一搬送経路A、第二シート状物12が給紙装置20から同期供給装置140、第二サクションコンベア120及び補正装置150を経て圧接ローラ130へ到達するまでに搬送される経路を第二搬送経路B、第一シート状物11及び第二シート状物12が圧接ローラ130により貼合された後に搬送される経路を第三搬送経路Cとそれぞれ定義し、当該定義に基づいて以下の説明を行う。
【0060】
貼合装置60は第一シート状物11と第二シート状物12とを貼り合わせるものである。貼合装置60は主として第一サクションコンベア110、第二サクションコンベア120、圧接ローラ130、同期供給装置140、補正装置150、枚葉装置200等を具備する。
【0061】
以下では図1及び図3を用いて、第一サクションコンベア110について説明する。
第一サクションコンベア110は切断装置50により作製された第一シート状物11を所定の搬送速度で搬送し、圧接ローラ130へ供給するものである。第一サクションコンベア110は主として第一搬送ベルト111、前第一搬送プーリ112、後第一搬送プーリ113、第一吸引ケース114、第一エアホース115、第一吸引装置116等を具備する。
【0062】
第一搬送ベルト111はその外周面上に第一シート状物11を吸着して搬送するものである。第一搬送ベルト111の全面には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である第一搬送ベルト孔111a・111a・・・が形成されている。第一搬送ベルト111は前第一搬送プーリ112及び後第一搬送プーリ113間に巻回されている。
【0063】
前第一搬送プーリ112は第一搬送経路Aにおいて後述する圧接ローラ130の第二ローラ132の上流側となる位置に配置される。前第一搬送プーリ112の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前第一搬送プーリ112は図示せぬ第一駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0064】
後第一搬送プーリ113は第一搬送経路Aにおいて切断装置50の下流側かつ前第一搬送プーリ112の上流側となる位置に配置される。後第一搬送プーリ113の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0065】
第一吸引ケース114は第一搬送ベルト111の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。第一吸引ケース114の上面、すなわち第一搬送ベルト111のうち前第一搬送プーリ112の上端と後第一搬送プーリ113の上端との間に張られている部分に対向する面には第一吸引ケース114の内部空間と外部とを連通する複数の第一吸引ケース孔114a・114a・・・が形成される。
【0066】
第一エアホース115は第一吸引ケース114と第一吸引装置116とを連通接続するものである。
第一吸引装置116はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。第一吸引装置116の吸気ポートは第一エアホース115に接続される。
第一吸引装置116が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、第一吸引ケース114の内部空間は負圧となり、第一吸引ケース孔114a・114a・・・を通して第一吸引ケース114の内部空間にエアが吸引される。
第一吸引ケース114の上面と第一搬送ベルト111のうち前第一搬送プーリ112の上端と後第一搬送プーリ113の上端との間に張られている部分との隙間は小さいので、第一吸引ケース孔114a・114a・・・を通して第一吸引ケース114の内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、第一搬送ベルト孔111a・111a・・・を通して当該隙間にエアが吸引される。
第一搬送ベルト111のうち前第一搬送プーリ112の上端と後第一搬送プーリ113の上端との間に張られている部分、すなわち第一搬送経路Aを成す部分に第一シート状物11が載置されると、当該部分に対応する第一吸引ケース孔114a・114a・・・が第一シート状物11により塞がれる形となり、第一シート状物11は第一搬送ベルト111に吸着される。
【0067】
以下では図1を用いて第二サクションコンベア120について説明する。
第二サクションコンベア120は同期供給装置140により繰り出された第二シート状物12を所定の搬送速度で搬送し、補正装置150へ供給する搬送サクションコンベアである。第二サクションコンベア120は主として第二搬送ベルト121、前第二搬送プーリ122、後第二搬送プーリ123、第二吸引ケース124F・124M・124R、第二エアホース125F・125M・125R、第二吸引装置126等を具備する。
第二サクションコンベア120は第一サクションコンベア110の上方に配置される。
【0068】
第二搬送ベルト121はその外周面上に第二シート状物12を吸着して搬送するものである。第二搬送ベルト121の全面には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である第二搬送ベルト孔121a・121a・・・(図示せず)が形成されている。第二搬送ベルト121は前第二搬送プーリ122及び後第二搬送プーリ123の間に巻回されている。
【0069】
前第二搬送プーリ122は第二搬送経路Bにおいて補正装置150の上流側となる位置に配置される。前第二搬送プーリ122の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前第二搬送プーリ122は図示せぬ第二駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。前記第二駆動モータの回転数は、第二サクションコンベア120の搬送速度が第一サクションコンベア110の搬送速度と同じとなるように設定される。
【0070】
後第二搬送プーリ123は第二搬送経路Bにおいて同期供給装置140の下流側となる位置かつ前第二搬送プーリ122の上流側に配置される。後第二搬送プーリ123の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0071】
傾斜プーリ127a・127b・127c・127dは第二搬送ベルト121において前第二搬送プーリ122および後第二搬送プーリ123の間に張られている部分に回転自在に当接するプーリである。傾斜プーリ127a・127b・127c・127dが第二搬送ベルト121に当接することにより、第二搬送ベルト121の側面視の形状は上流端(後第二搬送プーリ123側の端部)から下流端(前第二搬送プーリ122側の端部)にかけて湾曲したものとなる。
その結果、第二搬送ベルト121において前第二搬送プーリ122の上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分は第二搬送ベルト121の上流端から第二搬送ベルト121の下流端に向かって徐々に下方に傾斜し、第二搬送ベルト121の下流端(前第二搬送プーリ122側の端部)は圧接ローラ130に近接する。
なお、本実施形態においては第二サクションコンベア120が第二搬送経路Bの下流方向に向かって湾曲することにより圧接ローラ130に近接する構成であるが、第一サクションコンベア110が第一搬送経路Aの下流方向に向かって湾曲することにより圧接ローラ130に近接する構成や、第一サクションコンベア110及び第二サクションコンベア120がいずれも第一搬送経路A及び第二搬送経路Bの下流方向に向かって湾曲することにより圧接ローラ130に近接する構成とすることも可能である。
【0072】
第二吸引ケース124F・124M・124Rは第二搬送ベルト121の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。第二吸引ケース124F・124M・124Rの上面、すなわち第二搬送ベルト121のうち前第二搬送プーリ122の上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分に対向する面には第二吸引ケース124F・124M・124Rの内部空間と外部とを連通する複数の第二吸引ケース孔(不図示)が形成される。
第二吸引ケース124Fは傾斜プーリ127bと前第二搬送プーリ122とで挟まれる位置に配置され、第二吸引ケース124Mは傾斜プーリ127aと傾斜プーリ127bとで挟まれる位置に配置され、第二吸引ケース124Rは後第二搬送プーリ123と傾斜プーリ127aとで挟まれる位置に配置される。
【0073】
第二エアホース125Fは第二吸引ケース124Fと第二吸引装置126とを連通接続するものである。第二エアホース125Mは第二吸引ケース124Mと第二吸引装置126とを連通接続するものである。第二エアホース125Rは第二吸引ケース124Rと第二吸引装置126とを連通接続するものである。
第二吸引装置126はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。第二吸引装置126の吸気ポートは第二エアホース125F、第二エアホース125Mおよび第二エアホース125Rに接続される。
第二吸引装置126が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、第二吸引ケース124F・124M・124Rの内部空間はいずれも負圧となり、第二吸引ケース孔を通して第二吸引ケース124F・124M・124Rの内部空間にエアが吸引される。
第二吸引ケース124Fの上面と第二搬送ベルト121のうち前第二搬送プーリ122の上端と傾斜プーリ127bの上端との間に張られている部分との隙間は小さいので、第二吸引ケース孔を通して第二吸引ケース124Fの内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、第二搬送ベルト孔121a・121a・・・を通して当該隙間にエアが吸引される。
第二吸引ケース124Mおよび第二吸引ケース124Rについても同様である。
第二搬送ベルト121のうち前第二搬送プーリ122の上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分、すなわち第二搬送経路Bを成す部分に第二シート状物12が載置されると、当該部分に対応する複数の第二吸引ケース孔が第二シート状物12により塞がれる形となり、第二シート状物12は第二搬送ベルト121に吸着される。
【0074】
第二サクションコンベア120による吸着力は、後で詳述する補正装置150による第二シート状物12の補正を妨げない程度の吸着力に予め調節される。
【0075】
以下では図4を用いて、圧接ローラ130について説明する。
圧接ローラ130は第一サクションコンベア110により供給された第一シート状物11と第二サクションコンベア120により供給された第二シート状物12とを圧接することにより貼合するものである。圧接ローラ130は主として第一ローラ131、第二ローラ132等を具備する。
【0076】
第一ローラ131は第一サクションコンベア110により供給された第一シート状物11と第二サクションコンベア120により供給された第二シート状物12とを重ね合わせて押圧するものである。第一ローラは前第一搬送プーリ112の上方に配置される。第一ローラ131は図示せぬ圧接ローラ駆動モータにより左側面司(図1)で時計回りに回転駆動される。
第一ローラ131の周面と第一搬送ベルト111の外周面との間には第一シート状物11及び第二シート状物12が重合した状態で通過可能な隙間が形成される。第一ローラ131の周面と第一搬送ベルト111の外周面との間へと供給された第一シート状物11と第二シート状物12は、第一ローラ131及び第一搬送ベルト111により巻き込まれながら重合し、当該重合したシート状物(以下、「重合シート状物13」という。)は第三搬送経路Cの前方に搬送される。
【0077】
第二ローラ132は重合シート状物13をさらに圧接するものである。第二ローラ132は第一ローラ131の前方に配置される。第二ローラ132は上第二ローラ132a及び下第二ローラ132bを具備する。
【0078】
上第二ローラ132aは第一ローラ131の前方に配置される。上第二ローラ132aは図示せぬ圧接ローラ駆動モータにより左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。
下第二ローラ132bは上第二ローラ132aの下方に配置される。下第二ローラ132bは図示せぬ圧接ローラ駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
上第二ローラ132aの周面と下第二ローラ132bの周面との間には重合シート状物13が通過可能な隙間が形成される。重合シート状物13が当該隙間に差し込まれると、第二ローラ132により巻き込まれて圧接されながら前方に搬送される。
【0079】
なお、本実施形態においては上第二ローラ132a及び下第二ローラ132bは共に前記圧接ローラ駆動モータにより駆動される構成としたが、上第二ローラ132a又は下第二ローラ132bのいずれか一方のみを駆動する構成とすることも可能である。
【0080】
以下では図2を用いて、同期供給装置140について説明する。
同期供給装置140は第一サクションコンベア110に第一シート状物11が供給されるタイミングと第二サクションコンベア120に第二シート状物12が供給されるタイミングとを同期させるものである。同期供給装置140は主として同期検出センサ141、同期繰り出し装置142等を具備する。
【0081】
同期検出センサ141は第一シート状物11の前端を検出するものである。同期検出センサ141は同期繰り出し制御部142gに接続されている。同期検出センサ141は光センサからなり、第一搬送経路Aの中途部に配置される。同期検出センサ141は第一サクションコンベア110により搬送される第一シート状物11の前端を検出し、当該検出信号を同期繰り出し制御部142gへ送信する。
【0082】
本実施形態における同期検出センサ141は光センサであるが、例えば超音波センサ、静電容量センサ等の他の非接触式センサを用いることも可能である。
【0083】
同期繰り出し装置142は同期検出センサ141による第一シート状物11の前端の検出に係る情報に基づいて第二サクションコンベア120に第二シート状物12を繰り出すものである。
同期繰り出し装置142は主として繰り出しベルト142a、前繰り出しプーリ142b、後繰り出しプーリ142c、前見当爪142L・142R、同期繰り出しローラ142e、同期繰り出し制御部142g等を具備する。
【0084】
繰り出しベルト142aは第二搬送経路Bにおいて第二サクションコンベア120の上流側に配置される。繰り出しベルト142aはその上側の外周面に給紙装置20から供給された第二シート状物12を載置して搬送する。繰り出しベルト142aは前繰り出しプーリ142b及び後繰り出しプーリ142c間に巻回されている。
【0085】
前繰り出しプーリ142bは後第二搬送プーリ123の後方に配置される。前繰り出しプーリ142bの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前繰り出しプーリ142bは図示せぬ駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0086】
後繰り出しプーリ142cは第二搬送経路Bにおいて下咥えローラ23jの下流側に配置される。後繰り出しプーリ142cの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0087】
前見当爪142L・142Rは繰り出しベルト142aにより搬送される第二シート状物12の前端の見当を合わせるものである。前見当爪142L・142Rは前繰り出しプーリ142bの前方であって第二搬送経路Bの下方に配置される。前見当爪142L・142Rは前見当爪昇降機構142d(アクチュエータ、モータ等)により上下方向に昇降可能に構成されており、上昇すると第二搬送経路Bを遮断し、前見当爪142Lは第二シート状物12の前端の左端部、前見当爪142Rは第二シート状物12の前端の右端部にそれぞれ当接する。
前見当爪142L・142Rを第二シート状物12の前端にそれぞれ当接させることにより、第二シート状物12の前端の辺の長手方向を左右方向に一致させ、ずれを修正することができる。
【0088】
同期繰り出しローラ142eは前見当爪142L・142Rに当接することによりずれが修正された第二シート状物12を第二サクションコンベアへ繰り出すものである。同期繰り出しローラ142eは前繰り出しプーリ142bの上方に配置される。同期繰り出しローラ142eの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。同期繰り出しローラ142eは図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。同期繰り出しローラ142eは同期繰り出しローラ昇降機構142f(アクチュエータ、モータ等)により上下方向に昇降可能に構成されており、下降すると繰り出しベルト142a上の第二シート状物12と当接し、同期繰り出しローラ142eの回転により第二シート状物12を第二サクションコンベア120へ繰り出す。
【0089】
同期繰り出し制御部142gは同期検出センサ141による第一シート状物11の前端の検出結果に基づいて、前見当爪142L・142R及び同期繰り出しローラ昇降機構142fの動作を制御するものである。同期繰り出し制御部142gは、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
【0090】
同期繰り出し制御部142gは同期検出センサ141に接続され、同期検出センサ141による第一シート状物11の前端の検出信号を取得することが可能である。
同期繰り出し制御部142gは前見当爪昇降機構142dに接続され、当該前見当爪昇降機構142dの動作を制御することが可能である。
同期繰り出し制御部142gは同期繰り出しローラ昇降機構142fに接続され、当該同期繰り出しローラ昇降機構142fの動作を制御することが可能である。
【0091】
また、同期繰り出し制御部142gには同期供給装置140の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納され、同期検出センサ141により検出される第一シート状物11の前端の検出信号に基づいて、同期供給装置140により第二シート状物12が繰り出されるタイミングを算出する。
【0092】
より詳細には、同期繰り出し制御部142gは、「第二サクションコンベア120に繰り出された第二シート状物12が第二サクションコンベア120により搬送され、かつ第二シート状物12の前端の第二搬送経路Bにおける位置を後述する補正装置150により補正されることなく圧接ローラ130に供給された場合に、第二シート状物12の前端の位置が同じく圧接ローラ130に供給された第一シート状物11の前端よりも所定距離遅れる」タイミングを算出する。
同期繰り出し制御部142gは、上記算出されたタイミングにおいて、(a)前見当爪昇降機構142dを作動させることにより前見当爪142L・142Rを下降させ、(b)同期繰り出しローラ昇降機構142fを作動させることにより同期繰り出しローラ142eを繰り出しベルト142a上の第二シート状物12に当接させ、(c)同期繰り出しローラ142eを回転駆動させることにより第一シート状物11を第二サクションコンベア120に繰り出させる、という一連の制御を行う。
【0093】
以下では図4を用いて、補正装置150について説明する。
補正装置150は第二シート状物12の前端の搬送方向の位置を補正することにより圧接ローラ130に供給される第一シート状物11及び第二シート状物12の前端を圧接時に一致させるものである。
補正装置150は主として第一補正センサ151、第二補正センサ152、補正ローラ153、補正モータ154、補正モータ制御部155等を具備する。
【0094】
第一補正センサ151は第一サクションコンベア110により搬送される第一シート状物11の前端を検出するものである。第一補正センサ151は光センサからなり、圧接ローラ130と第一サクションコンベア110の下流端(前第一搬送プーリ112)との間に配置される。
なお、第一補正センサ151を第一サクションコンベア110における第一シート状物11の搬送経路の中途部(例えば、第一搬送ベルト111の上側の外周面に対向する位置)に配置しても第一シート状物11の前端を検出することが可能である。
【0095】
第二補正センサ152は第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12の前端を検出するものである。第二補正センサ152は光センサからなり、圧接ローラ130と第二サクションコンベア120の下流端(前第二搬送プーリ122)との間、より詳細には圧接ローラ130と後述する補正ローラ153との間に配置される。
なお、第二補正センサ152を第二サクションコンベア120における第二シート状物12の第二搬送経路Bの中途部(例えば、第二搬送ベルト121の上側の外周面に対向する位置)に配置しても第二シート状物12の前端を検出することが可能である。
【0096】
本実施形態における第一補正センサ151及び第二補正センサ152は光センサであるが、例えば超音波センサ、静電容量センサ等の他の非接触式センサを用いることも可能である。
なお、第一シート状物11の前端および第二シート状物12の前端の位置を精度良く検出し、ひいては第二シート状物12の前端の搬送方向の位置を精度良く補正する観点からは、第一補正センサおよび第二補正センサを細く絞ったレーザ光を用いた光センサで構成することが望ましい。
【0097】
補正ローラ153は第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12を挟む一対のローラである。補正ローラ153は主として駆動補正ローラ153a、押圧補正ローラ153b等を具備する。
【0098】
駆動補正ローラ153aは前第二搬送プーリ122の第二搬送経路Bの下流方向に配置される。駆動補正ローラ153aの回転軸153cの軸線方向は左右方向に略一致する。駆動補正ローラ153aは補正モータ154により左側面視(図1)反時計回りに回転駆動される。
【0099】
押圧補正ローラ153bは第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12を駆動補正ローラ153aへ押圧するものであり、第二搬送経路Bを基準として駆動補正ローラ153aの反対側に配置される。押圧補正ローラ153bの回転軸153dの軸線方向は左右方向に略一致する。押圧補正ローラ153bはバネ部材153eの付勢力により駆動補正ローラ153aに接近する方向に付勢される。
【0100】
第二サクションコンベア120により搬送されてきた第二シート状物12の前端が補正ローラ153に到達すると、第二シート状物12は駆動補正ローラ153aと押圧補正ローラ153bの間に巻き込まれる。
【0101】
補正モータ154は駆動補正ローラ153aを駆動するものである。補正モータ154の回転数は補正モータ制御部155により制御される。
【0102】
補正モータ制御部155は第一補正センサ151による第一シート状物11の前端の検出に係る情報と第二補正センサ152による第二シート状物12の前端の検出に係る情報とに基づいて第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量を算出し、当該遅れ量に基づいて補正モータ154の回転数を制御するものである。
補正モータ制御部155は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
補正モータ制御部155には補正ローラ153の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
【0103】
補正モータ制御部155は第一補正センサ151に接続され、第一補正センサ151による第一シート状物11の前端の検出を検出信号として受信することが可能である。
補正モータ制御部155は第二補正センサ152に接続され、第二補正センサ152による第二シート状物12の前端の検出を検出信号として受信することが可能である。
補正モータ制御部155は補正モータ154に接続され、補正モータ154の回転数(ひいては補正ローラ153による第二シート状物12の搬送速度)の調整に係る信号を補正モータ154に送信することが可能である。
【0104】
補正モータ制御部155は、第二シート状物12の補正時以外は補正ローラ153による第二シート状物12の搬送速度と第二サクションコンベア120による第二シート状物12の搬送速度とが一致するように補正モータ154の回転数を調整する。
【0105】
補正モータ制御部155は、第一補正センサ151及び第二補正センサ152により検出される第一シート状物11及び第二シート状物12の前端の検出信号に基づいて、第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量を算出する。
具体的には、第一補正センサ151による第一シート状物11の前端の検出時から第二補正センサ152による第二シート状物12の前端の検出時までの時間間隔、及び、予め設定される第一補正センサ151及び第二補正センサ152から圧接ローラ130までのそれぞれの距離に基づいて上記遅れ量を算出する。
補正モータ制御部155は、算出された遅れ量に基づいて補正モータ154の回転数の上昇量および補正モータ154の回転数が上昇している時間を算出する。
補正モータ制御部155は、算出された「補正モータ154の回転数の上昇量」および「補正モータ154の回転数が上昇している時間」に基づいて、補正ローラ153が第二シート状物12を挟んでいるときに補正モータ154の回転数を上げるとともに補正モータ154の回転数が上がった状態を保持し、その後補正モータ154の回転数を再びもとの回転数へと戻す。
補正モータ154の回転数が上がっている間、補正ローラ153に挟まれている第二シート状物12の搬送速度は第二サクションコンベア120による搬送速度よりも大きい速度となるため、第二シート状物12は第二サクションコンベア120に吸着されつつも第二搬送経路Bの搬送方向に引っ張られることとなる。
このようにして、第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量は補正され、第一サクションコンベア110により搬送されてきた第一シート状物11の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングと第二サクションコンベア120により搬送されてきた第二シート状物12の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングとが一致する。
【0106】
以下では図1及び図5を用いて、合紙機10による第一シート状物11と第二シート状物12との合紙作業について当該第二シート状物12の速度変化と併せて説明する。
なお、本実施形態における第一シート状物11は一定の搬送速度V2で第一搬送経路Aを搬送される。
【0107】
接着剤塗布装置30により上面に接着剤が塗布された素材第一シート状物1は、接着剤塗布装置30の前方に配置される素材搬送サクションコンベア40によって切断装置50へ供給される。
【0108】
切断装置50は、素材第一シート状物1を所定の長さに切断することにより第一シート状物11を作製し、当該第一シート状物11を第一サクションコンベア110へと供給する。
【0109】
一方、給紙装置20のテーブル21上面に積層された複数の第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12は時間T0から時間T1にかけて給紙装置20の供給部23によって順次貼合装置60の同期供給装置140へと供給される。
【0110】
給紙装置20によって同期供給装置140へと供給された第二シート状物12は時間T1から時間T2にかけて繰り出しベルト142aにより前方へ搬送される。繰り出しベルト142aの搬送速度V1は第二サクションコンベア120の搬送速度V2よりも小さく、給紙装置20により同期供給装置140へ供給される第二シート状物12の前部はその直前に同期供給装置140へ供給された第二シート状物12の後部の下に重なるように供給される(図2参照)。
【0111】
同期繰り出し制御部142gは、繰り出しベルト142a上の第二シート状物12・12・・・のうち最初に第二サクションコンベア120へと繰り出される第二シート状物12が前見当爪142L・142Rよりも第二搬送経路Bの上流側にあるときに、前見当爪142L・142Rを上昇させ、時間T2において当該第二シート状物12の前端と前見当爪142L・142Rの後端とを当接させる。
これにより前見当爪142L・142Rと当接した第二シート状物12の前端の辺の長手方向を左右方向に一致させ、ずれを修正する。
【0112】
同期繰り出し制御部142gは前見当爪142L・142Rによって第二シート状物12のずれを修正した後、時間T3において前見当爪142L・142Rを下降させ、当該第二シート状物12は再び繰り出しベルト142aにより搬送速度V1で搬送される。
【0113】
同期繰り出し制御部142gは前見当爪142L・142Rを下降させた後、同期繰り出し制御部142gは時間T4において同期繰り出しローラ昇降機構142fを作動させることにより同期繰り出しローラ142eを繰り出しベルト142a上の第二シート状物12に当接させると共に回転駆動させる。これによって同期繰り出し制御部142gは、第二サクションコンベア120に繰り出された第二シート状物12が第二サクションコンベア120により搬送され、かつ補正装置150により補正されることなく圧接ローラ130に供給された場合に、第二シート状物12の前端の位置が同じく圧接ローラ130に供給された第一シート状物11の前端よりも所定距離遅れるタイミングで時間T4から時間T5にかけて当該第二シート状物12を第二サクションコンベア120へ繰り出す。
上記の如く繰り出しベルト142aにより第二シート状物12を搬送速度V1で搬送しながら同期繰り出しローラ142eにより第二サクションコンベア120へ繰り出すことで、第二シート状物12を繰り出す際の速度変化(第二サクションコンベア120による搬送速度V2と繰り出しベルト142aによる搬送速度V1との差)を小さくし慣性力の変化に伴う第二シート状物12の位置のずれの発生を抑制することが可能となる。
【0114】
切断装置50により作製された第一シート状物11は第一サクションコンベア110によって吸着されつつ搬送速度V2で圧接ローラ130へと搬送される。
同期供給装置140により繰り出された第二シート状物12は第二サクションコンベア120によって吸着されつつ第一サクションコンベア110の搬送速度と同じ速度(搬送速度V2)で補正装置150へと搬送される。
第一シート状物11及び第二シート状物12は第一サクションコンベア110及び第二サクションコンベア120に吸着されているため、搬送過程において位置のずれやたわみ等が発生することがない。
【0115】
第一シート状物11が第一サクションコンベア110により圧接ローラ130へと搬送される第一搬送経路Aの中途部において、第一補正センサ151は第一シート状物11の前端を検出する。
第二シート状物12が第二サクションコンベア120により補正装置150へと搬送される第二搬送経路Bの中途部において、第二補正センサ152は第二シート状物12の前端を検出する。
補正モータ制御部155は第一補正センサ151及び第二補正センサ152の検出信号に基づいて第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量を算出し、当該遅れ量に基づいて補正モータ154の回転数の上昇量および補正モータ154の回転数が上昇している時間を算出する。
補正モータ制御部155は上記「補正モータ154の回転数の上昇量」および「補正モータ154の回転数が上昇している時間」に基づいて、補正モータ154の回転数を制御する。
具体的には、補正モータ制御部155は補正ローラ153が第二シート状物12を挟んでいるときに時間T6から時間T7にかけて補正モータ154の回転数を上げ、補正装置150による搬送速度を搬送速度V3まで加速させる。
補正モータ制御部155は第二シート状物12を時間T7から時間T8にかけて搬送速度V3で搬送した後、時間T8から時間T9にかけて補正モータ154の回転数を下げ、再び補正装置150の搬送速度を搬送速度V2まで減速させる。
上記の如く、時間T6から時間T9にかけて補正モータ制御部155により補正装置150の搬送速度を制御することで、第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量が補正され、第一サクションコンベア110により搬送されてきた第一シート状物11の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングと第二サクションコンベア120により搬送されてきた第二シート状物12の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングとが一致する。
【0116】
第一シート状物11及び第二シート状物12を搬送する手段として第一サクションコンベア110及び第二サクションコンベア120を用いることで、第一シート状物11及び第二シート状物12を確実に搬送面に吸着させ、可撓性に富んだ第一シート状物11及び第二シート状物12であってもめくれやたわみが発生することがない。
さらに、補正装置150による上記補正において、第一補正センサ151及び第二補正センサ152として光センサを用いることで、第一シート状物11及び第二シート状物12の前端を精度よく検出することができる。
つまり上記の如く構成することで第一シート状物11及び第二シート状物12の前端の位置を確実に検出することができ、第一シート状物11及び第二シート状物12の前端を確実に一致させた状態で第一シート状物11及び第二シート状物12を圧接ローラ130へと供給することが可能となる。
【0117】
また、第一補正センサ151を第一サクションコンベア110における第一シート状物11の第一搬送経路Aの中途部に、第二補正センサ152を第二サクションコンベア120における第二シート状物12の第二搬送経路Bの中途部に、それぞれ配置すると、第一サクションコンベア110に吸着された状態の第一シート状物11及び第二サクションコンベア120に吸着された状態の第二シート状物12の前端の検出を行うことができる。これにより、上記検出時に第一シート状物11及び第二シート状物12の前端がそれぞれ宙に浮くことがないため、第一シート状物11及び第二シート状物12がたわむことがなく、よりいっそう第一補正センサ151及び第二補正センサ152による検出の精度を高め、ひいては補正装置150による補正の精度を高めることが可能となる。
【0118】
時間T9以降、第一サクションコンベア110及び補正装置150により前端を一致させて圧接ローラ130に供給された第一シート状物11及び第二シート状物12は、搬送速度V2で搬送されながら圧接ローラ130において圧接されることで重合シート状物13を形成し、第三搬送経路Cの下流方向へ搬送される。
【0119】
以下では図6から図8を用いて、枚葉装置200について説明する。
なお、図6に示す如く本実施形態に係る貼合装置60においては、同じ構造の二つの枚葉装置200・200が第二サクションコンベア120の上方に左右方向に間隔を空けて並んで配置されている。以下では一方の枚葉装置200についてのみ説明する。
【0120】
枚葉装置200は、二枚の第二シート状物12・12が重なった状態で第二サクションコンベア120により搬送される場合に、二枚の第二シート状物12・12を枚葉する(二枚の第二シート状物12・12の一方を他方から剥離する)装置である。
枚葉装置200は主として吸着装置210、枚葉サクションコンベア220、重複状態検出装置230、回収容器240等を具備する。
【0121】
吸着装置210は第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12(本実施形態の場合、上側の第二シート状物12)を吸着し、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12(本実施形態の場合、下側の第二シート状物12)から浮いた状態にするものである。
吸着装置210は後述する第一枚葉サクションコンベア220aと第二枚葉サクションコンベア220bとの間に配置される。吸着装置210は主として吸盤211、吸盤エアホース212、吸盤吸引装置213、支持部材214、摺動アクチュエータ215等を具備する。
【0122】
吸盤211はゴムや樹脂等の柔らかい材質からなり、下部には第二サクションコンベア120と略平行に対向した面(以下、単に「吸着面」という)が形成される。吸盤211の内部には前記吸着面と吸盤エアホース212とを連通する経路211aが形成される。
【0123】
吸盤エアホース212は吸盤211と吸盤吸引装置213とを連通接続するものである。
吸盤吸引装置213はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。吸盤吸引装置213の吸気ポートは吸盤エアホース212に接続される。
吸盤211と第二サクションコンベア120の搬送面との隙間(吸盤211の吸着面から第二サクションコンベア120の搬送面までの距離)は、吸盤211の吸着面からのエアの吸引により上側の第二シート状物12を吸着することが可能となる程度に設定される。
吸盤211の下方に第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12が到達したときに吸盤吸引装置213の吸気ポートからエアが吸引されると、吸盤エアホース212及び吸盤211内に形成された経路211aを介して吸盤211の吸着面からエアが吸引される。
その結果、上側の第二シート状物12、より詳細には上側の第二シート状物12の前端部は吸盤211の吸着面に吸着され、下側の第二シート状物12(の前端部)から浮いた状態となる(図9参照)。
【0124】
支持部材214は吸盤211を第二サクションコンベア120の搬送面に沿って摺動可能に支持するものである。支持部材214は主として摺動部材214a、摺動ガイド214b等を具備する。
【0125】
摺動部材214aは吸盤211を支持する部材であり、摺動ガイド214bの長手方向に摺動可能に係合される。
摺動ガイド214bはその長手方向が第二サクションコンベア120の搬送方向と略平行となるように後述する右プーリ支持部材228cに固定されるレール状の部材である。
【0126】
摺動アクチュエータ215は摺動部材214aを摺動ガイド214bの長手方向後方に摺動させるものである。
摺動アクチュエータ215はシリンダ本体215a、およびシリンダ本体215aに摺動可能に挿入されたシリンダロッド215bからなるエアシリンダである。
シリンダ本体215aは、その長手方向が摺動ガイド214bの長手方向に一致するように後述する左プーリ支持部材228bに固定される。シリンダロッド215bの先端部(シリンダ本体215aから突出している方の端部)は摺動部材214aの前端に当接する。
【0127】
本実施形態の摺動アクチュエータ215はエアシリンダからなるが、その他に油圧シリンダやソレノイドアクチュエータ等を用いることも可能である。
【0128】
枚葉サクションコンベア220は吸着装置210に吸着されることにより第二サクションコンベア120に吸着されている下側の第二シート状物12から浮いた状態となった上側の第二シート状物12を吸着しつつ回収容器240へ搬送するものである。
枚葉サクションコンベア220は主として第一枚葉サクションコンベア220a、第二枚葉サクションコンベア220b等を具備する。
【0129】
第一枚葉サクションコンベア220aは第二サクションコンベア120の上方に配置される。第一枚葉サクションコンベア220aは主として枚葉搬送ベルト221、前枚葉搬送プーリ222、後枚葉搬送プーリ223、枚葉吸引ケース224、枚葉エアホース225、枚葉吸引装置226、枚葉駆動モータ227、右プーリ支持部材228a、左プーリ支持部材228b等をそれぞれ具備する。
なお、図8では説明の便宜上、第二枚葉サクションコンベア220b、枚葉吸引ケース224、枚葉エアホース225、枚葉吸引装置226、及び枚葉駆動モータ227を省略している。
【0130】
枚葉搬送ベルト221はその外周面上に上側の第二シート状物12を吸着して搬送するものである。枚葉搬送ベルト221には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である枚葉搬送ベルト孔221a・221a・・・が全周にわたって形成されている。枚葉搬送ベルト221は前枚葉搬送プーリ222及び後枚葉搬送プーリ223の間に巻回されている。
【0131】
前枚葉搬送プーリ222の回転軸222aの軸線方向は左右方向に略一致する。前枚葉搬送プーリ222は枚葉駆動モータ227により左側面視(図8)で時計回りに回転駆動される。
後枚葉搬送プーリ223の回転軸223aの軸線方向は左右方向に略一致する。
【0132】
右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bは略長方形の板状の部材であり、前枚葉搬送プーリ222の回転軸222a及び後枚葉搬送プーリ223の回転軸223aを回動可能に支持するものである。右プーリ支持部材228aは前枚葉搬送プーリ222及び後枚葉搬送プーリ223の右方に、左プーリ支持部材228bは前枚葉搬送プーリ222及び後枚葉搬送プーリ223の左方にそれぞれ配置される。
右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bは、その長手方向が傾斜プーリ127aの上端と後第二搬送プーリ123の上端との間における第二搬送経路Bの方向と平行になるように配置される。また、右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bの長手方向略中央部が傾斜プーリ127aの上方に位置するよう配置される。前枚葉搬送プーリ222の回転軸222aは左側面視(図8)で右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bの前端部に、後枚葉搬送プーリ223の回転軸223aは左側面視(図8)で右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bの後端部に、それぞれ支持される。
左プーリ支持部材228bの左側面には摺動アクチュエータ215のシリンダ本体215aが固定される。
【0133】
枚葉吸引ケース224は枚葉搬送ベルト221の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。枚葉吸引ケース224の下面、すなわち枚葉搬送ベルト221のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分に対向する面には枚葉吸引ケース224の内部空間と外部とを連通する複数の枚葉吸引ケース孔224a・224a・・・が形成される。
【0134】
枚葉エアホース225は枚葉吸引ケース224と枚葉吸引装置226とを連通接続するものである。
枚葉吸引装置226はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。枚葉吸引装置226の吸気ポートは枚葉エアホース225に接続される。
枚葉吸引装置226が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、枚葉吸引ケース224の内部空間は負圧となり、枚葉吸引ケース孔224a・224a・・・を通して枚葉吸引ケース224の内部空間にエアが吸引される。
枚葉吸引ケース224の下面と枚葉搬送ベルト221のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分との隙間は小さいので、枚葉吸引ケース孔224a・224a・・・を通して枚葉吸引ケース224の内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、枚葉搬送ベルト孔221a・221a・・・を通して当該隙間にエアが吸引される。
【0135】
枚葉搬送ベルト221のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分に吸着装置210により吸着された上側の第二シート状物12の前端部が接すると、当該部分に対応する枚葉搬送ベルト孔221a・221a・・・が上側の第二シート状物12より塞がれる形となり、上側の第二シート状物12の前端部は枚葉搬送ベルト221に吸着される(図9参照)。
【0136】
なお、上側の第二シート状物12の前端部が枚葉搬送ベルト221に吸着された後に、吸盤吸引装置213によるエア吸引、ひいては吸着装置210による上側の第二シート状物12の吸着が停止される。
また、枚葉駆動モータ227の回転数(回転速度)は、枚葉搬送ベルト221の外周面の移動速度、ひいては枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度が第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度と同じとなるように設定される。
【0137】
上側の第二シート状物12の前端部が枚葉搬送ベルト221に吸着されると、上側の第二シート状物12は、その前端部から後端部にかけて徐々に下側の第二シート状物12から剥離され、順次枚葉搬送ベルト221に吸着される。
その結果、上側の第二シート状物12は最終的には下側の第二シート状物12から完全に剥離され、上側の第二シート状物12の上面が全面にわたって第二搬送ベルト121に当接した状態で吸着される。
【0138】
本実施形態では、枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度と第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度とを同じとしたが、これらの搬送速度は必ずしも同じでなくても良い。
ただし、第二搬送ベルト121に吸着された下側の第二シート状物から剥離された上側の第二シート状物12が伸びた状態で(撓むことなく)枚葉搬送ベルト221に吸着されるためには、枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度が第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度以上であることが望ましい。
さらに、上側の第二シート状物12が下側の第二シート状物12から剥離される過程で下側の第二シート状物12がまだ重なっている部分を有する上側の第二シート状物12に引きずられて第二搬送ベルト121における吸着位置がずれることを防止する観点からは、枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度と第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度とを同じとし、下側の第二シート状物12と上側の第二シート状物12とが重なっている部分にスラスト力(シート面に平行な方向の力)が極力作用しないようにすることが望ましい。
【0139】
第二枚葉サクションコンベア220bは第二サクションコンベア120の上方であって、第一枚葉サクションコンベア220aの左方に間隔を空けて並んで配置される。
本実施形態における第二枚葉サクションコンベア220bは、基本的には第一枚葉サクションコンベア220aと略同じ構成である。よって、図7において第一枚葉サクションコンベア220aと略同じ構成の部材については同じ部材番号を付し、説明を省略する。
【0140】
第二枚葉サクションコンベア220bが第一枚葉サクションコンベア220aと異なる点は、左プーリ支持部材228dの左側面には摺動アクチュエータ215が固設されておらず、右プーリ支持部材228cの右側面には摺動ガイド214bが固設されている点である。
また、第一枚葉サクションコンベア220aと第二枚葉サクションコンベア220bを左右に並べて配置し同一の回転軸222aを用いることで、一台の枚葉駆動モータ227で第一枚葉サクションコンベア220a及び第二枚葉サクションコンベア220bの前枚葉搬送プーリ222・222を回転させる構成としている。
【0141】
なお、本実施形態においては第二サクションコンベア120の上方に左右方向に間隔を空けて並んで配置されている同じ構造の二つの枚葉装置200・200についても同一の回転軸222aを用いて、一台の枚葉駆動モータ227でそれぞれの第一枚葉サクションコンベア220a及び第二枚葉サクションコンベア220bの前枚葉搬送プーリ222・222を回転させる構成とする。
【0142】
摺動アクチュエータ215及び摺動ガイド214bは、吸盤211の吸着面が枚葉搬送ベルト221の外周面のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分と略同じ高さとなるように左プーリ支持部材228b及び右プーリ支持部材228cにそれぞれ配置される。
【0143】
なお、第二搬送ベルト121の外周面のうち傾斜プーリ127aの上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分と吸盤211の吸着面との隙間は微小なものであるが、説明の便宜上図1、図8及び後述する図9から図13では当該隙間を大きく図示している。
【0144】
重複状態検出装置230は吸着装置210よりも第二搬送経路Bの上流側において第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出するものである。重複状態検出装置230は主として重複状態検出センサ231、重複状態検出制御部232等を具備する。
【0145】
重複状態検出センサ231は第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であることを検出するものである。
重複状態検出センサ231は第二搬送経路Bにおいて吸着装置210よりも上流側であって第二搬送経路Bの上方に配置される。重複状態検出センサ231は、その下方を第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であることを検出する。
重複状態検出センサ231として用いるセンサとしては、(1)第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12の上下に配置した平行平板電極間の静電容量の変化に基づいて第二シート状物12の枚数を検出する静電容量センサ、(2)超音波を第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12のシート面(上下面)に直交する向きに照射し、第二シート状物12を透過する超音波の強度(透過率)に基づいて第二シート状物12の枚数を検出する超音波センサ、等が挙げられる。
【0146】
重複状態検出制御部232は重複状態検出センサ231の検出結果に基づいて、吸着装置210及び枚葉サクションコンベア220の動作を制御するものである。重複状態検出制御部232は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
重複状態検出制御部232には吸着装置210及び枚葉サクションコンベア220の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
【0147】
重複状態検出制御部232は重複状態検出センサ231に接続され、第二サクションコンベア120により搬送されている第二シート状物12・12が二枚重なった状態であることを検出信号として受信することが可能である。
重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213に接続され、吸盤吸引装置213の作動及び停止の制御に係る信号を吸盤吸引装置213に送信することが可能である。
重複状態検出制御部232は摺動アクチュエータ215に接続され、摺動アクチュエータ215の作動及び停止の制御に係る信号を摺動アクチュエータ215に送信することが可能である。
重複状態検出制御部232は枚葉駆動モータ227に接続され、枚葉駆動モータ227の作動及び停止の制御に係る信号を枚葉駆動モータ227に送信することが可能である。
重複状態検出制御部232は枚葉吸引装置226に接続され、枚葉吸引装置226の作動及び停止の制御に係る信号を枚葉吸引装置226に送信することが可能である。
【0148】
重複状態検出制御部232は、重複状態検出センサ231より受信する第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態である旨の検出信号に基づいて、吸盤吸引装置213、摺動アクチュエータ215、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226を作動及び停止させ、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を枚葉させる。
【0149】
なお、上記吸盤吸引装置213、摺動アクチュエータ215、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226それぞれの作動及び停止のタイミングを決定する方法としては、重複状態検出センサ231により第二シート状物12・12が二枚重なった状態であることが検出された時点を基準として、(1)所定の時間が経過したときに作動及び停止させる方法、(2)枚葉駆動モータ227の回転回数をカウントし、枚葉駆動モータ227が所定の回数だけ回転したときに作動及び停止させる方法、等が挙げられる。
【0150】
回収容器240は枚葉サクションコンベア220により枚葉された第二シート状物12を回収するものである。回収容器240は主として回収テーブル241、前方規制部材242等を具備する(図1参照)。
【0151】
回収テーブル241は前枚葉搬送プーリ222の下方から前方にかけて下方に傾斜して配置される略長方形の板状の部材である。枚葉サクションコンベア220により枚葉された第二シート状物12は回収テーブル241上に回収される。
【0152】
前方規制部材242は回収テーブル241上に回収された第二シート状物12の前方への移動を規制する略長方形の板状の部材である。前方規制部材242は回収テーブル241の前端に回収テーブル241に対して垂直に固設される。
【0153】
以下では図9から図13を用いて、本実施形態に係る枚葉装置200による枚葉作業について説明する。
【0154】
重複状態検出制御部232は重複状態検出センサ231から第二サクションコンベア120によって搬送される第二シート状物12・12が二枚重なった状態である旨の検出信号を受信した場合、吸着装置210及び枚葉サクションコンベア220を作動させる。具体的には重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213、枚葉駆動モータ227、枚葉吸引装置226を作動させる。
【0155】
図9に示すように、二枚の重なった第二シート状物12・12が吸盤211の下方に到達すると、吸盤吸引装置213による吸引力により、当該二枚の重なった第二シート状物12・12のうち上側の第二シート状物12の前端部が吸盤211の吸着面に吸着され、当該上側の第二シート状物12の吸着された部分が第二サクションコンベア120に吸着されている下側の第二シート状物12から浮いた状態になる。
吸盤211の吸着面に吸着された上側の第二シート状物12の前端部は枚葉サクションコンベア220に接するため、枚葉サクションコンベア220の吸引力により枚葉搬送ベルト221の搬送面(枚葉搬送ベルト221の外周面のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分)に吸着される。
【0156】
図10に示すように、上側の第二シート状物12が枚葉搬送ベルト221に吸着されつつ前方へ搬送されることにより、当該上側の第二シート状物12を吸着している吸盤211も前方へ摺動される。
吸盤211が上記の如く摺動することにより、上側の第二シート状物12を損傷することなく滑らかに枚葉搬送ベルト221に吸着させることが可能となる。
【0157】
図10及び図11に示すように、上側の第二シート状物12は、その前端部から後端部にかけて徐々に下側の第二シート状物12から剥離され、順次枚葉搬送ベルト221に吸着される。
上側の第二シート状物12の前端部が枚葉搬送ベルト221に吸着された後であって吸盤211が前後に摺動可能な範囲の前端に到達する前に、吸盤吸引装置213によるエア吸引、ひいては吸着装置210による上側の第二シート状物12の吸着が停止される。
【0158】
図12に示すように、下側の第二シート状物12から剥離された上側の第二シート状物12は、その前端部から後端部までを枚葉搬送ベルト221に吸着されつつ前方へ搬送される。
下側の第二シート状物12は枚葉サクションコンベア220により吸着されたまま前方へ搬送される。
【0159】
図13に示すように、上側の第二シート状物12は枚葉サクションコンベア220の前端(前枚葉搬送プーリ222の下端)から回収容器240の回収テーブル241上へと排出され、その後、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226は停止される。
重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213を停止した後、摺動アクチュエータ215を作動させ、吸盤211を再び枚葉サクションコンベア220の後方(上側の第二シート状物12の前端部を吸着開始する位置)へと押し戻す。
【0160】
重複状態検出センサ231が第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が一枚だけの状態であることを検出した場合、重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213、摺動アクチュエータ215、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226を作動させない。
【0161】
本実施形態の如く、吸着装置210を第一枚葉サクションコンベア220aと第二枚葉サクションコンベア220bとの間に配置することで、吸着装置210により吸着された上側の第二シート状物12を吸着装置210の左右から第一枚葉サクションコンベア220a及び第二枚葉サクションコンベア220bにより吸着することができる。これにより当該第二シート状物12を確実に枚葉サクションコンベア220に吸着させることができる。
【0162】
以上の如く、本実施形態の枚葉装置200は、
第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12を枚葉する枚葉装置200であって、
第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を吸着することにより第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12から浮いた状態とする吸着装置210と、
第二サクションコンベア120の搬送面から所定距離離れた位置に配置され、吸着装置210により第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12から浮いた状態となった第二シート状物12を吸着しつつ搬送する枚葉サクションコンベア220と、
を具備するものである。
このように構成することにより、第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を枚葉することが可能である。
【0163】
また、枚葉装置200の吸着装置210は、
第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12をエア吸引により吸着し、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12が枚葉サクションコンベア220に吸着された後にエア吸引を停止する吸盤211と、
吸盤211を枚葉サクションコンベア220の搬送面に沿って摺動可能に支持する支持部材214と、
前記エア吸引を停止した吸盤211を支持部材214に沿って枚葉サクションコンベア220の搬送面の上流端側に移動させる摺動アクチュエータ215と、
を具備するものである。
このように構成することにより、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を損傷することなく滑らかに枚葉サクションコンベア220に吸着させることが可能である。
【0164】
また、本実施形態の枚葉装置200は、
第二搬送経路Bにおいて吸着装置210よりも上流側に配置され、第二搬送経路Bに沿って搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出する重複状態検出装置230を具備し、
吸着装置210は、
重複状態検出装置230により第二搬送経路Bに沿って搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であることが検出された場合には、二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を吸着し、
重複状態検出装置230により第二搬送経路Bに沿って搬送される第二シート状物12が一枚だけの状態であることが検出された場合には、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12を吸着しないものである。
このように構成することにより、第二シート状物12が二枚重複した状態で搬送されている場合にのみ吸着装置210を作動させ、二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を枚葉することが可能である。
【0165】
また、本実施形態の枚葉装置200は、
枚葉サクションコンベア220の搬送面の下流端から第二サクションコンベア120の搬送面までの距離は、枚葉サクションコンベア220の搬送面の上流端から第二サクションコンベア120の搬送面までの距離よりも大きいものである。
このように構成することにより、枚葉サクションコンベア220により吸着した第二シート状物12と第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12との間隔を離間させることが可能である。
【0166】
また、本実施形態の枚葉装置200は、
枚葉サクションコンベア220により搬送された第二シート状物12を回収する回収容器240を具備するものである。
このように構成することにより、枚葉した第二シート状物12を散乱させることなく回収することが可能である。
【0167】
以下では図14及び図15を用いて、貼合装置60の他の実施形態である貼合装置360を具備する合紙機310について説明する。
なお、以下の合紙機310に関する説明において、前述の合紙機10と略同一の構成の部材には同一の部材番号を付し、説明を省略する。
また、以下では説明の便宜上、図14及び図15における紙面の上方向を「上方向」、左方向を「前方向」とそれぞれ定義し、当該定義に基づいて方向の説明を行う。
【0168】
合紙機310は、第一シート状物11及び第二シート状物12を給紙、接着剤を塗布、切断、及び貼合し、合紙するものである。
合紙機310は、主として給紙装置20、接着剤塗布装置30、貼合装置360等を具備する。
【0169】
以下では図14及び図15を用いて、貼合装置360について説明する。
なお、以下の貼合装置360に関する説明において、前述の貼合装置60と略同一の構成の部材には同一の部材番号を付し、説明を省略する。
【0170】
貼合装置360は、第一シート状物11と第二シート状物12とを貼り合わせるものである。貼合装置360は、主として第一サクションコンベア110、第二サクションコンベア120、圧接ローラ130、同期供給装置140、補正装置150、第一給紙装置160、水塗布装置170、枚葉装置200等を具備する。
【0171】
以下では図14及び図15を用いて、第一給紙装置160について説明する。
第一給紙装置160は、積層された第一シート状物11・11・・・から一枚の第一シート状物11のみを枚葉し、給紙するものである。第一給紙装置160は、主として第一給紙テーブル161、枚葉仕切り板162、吸着タンク163、第一繰り出しローラ164、第一繰り出しモータ165、第一供給ローラ166、第一給紙センサ167、第一給紙制御部168等を具備する。
【0172】
第一給紙テーブル161は、積層された第一シート状物11・11・・・を支持するための部材である。第一シート状物11・11・・・は第一給紙テーブル161の上面に載置される。
【0173】
第一給紙テーブル161の上面には、サイドガイド161a・161aが配置される。サイドガイド161aは略長方形状に形成された板状の部材である。サイドガイド161a・161aは、互いに第一シート状物11の左右方向幅と略同一間隔だけ離間された状態で配置される。サイドガイド161a・161a間に載置された第一シート状物11・11・・・の左右両側面がサイドガイド161a・161aにそれぞれ当接することにより、左右方向にばらつく事なく積層される。
なお、サイドガイド161a・161a間の間隔を変更可能な構成とすることも可能である。これにより、第一シート状物11の左右方向幅と異なる幅を有するシート状物も、第一給紙装置160で給紙することが可能となる。
【0174】
第一給紙テーブル161の上面には、シート受けローラ161bが配置される。シート受けローラ161bの図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。シート受けローラ161bは、前記回転軸を中心に回動可能に支持される。シート受けローラ161bの上端は、積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11の下面に当接する。シート受けローラ161bは、積層された第一シート状物11・11・・・を支持するとともに、前記最下部の第一シート状物11が繰り出される際には当該第一シート状物11の移動に伴って回転する。これにより、当該第一シート状物11を円滑に繰り出すことが可能となる。
なお、本実施形態に限らず、シート受けローラ161bを複数設ける構成とすることも可能である。
【0175】
枚葉仕切り板162は板状の部材であり、サイドガイド161a・161aの前端に当接するよう配置される。枚葉仕切り板162は、第一給紙テーブル161上に積層された第一シート状物11・11・・・の前側面に当接し、当該第一シート状物11・11・・・の前端位置を揃える。枚葉仕切り板162は、枚葉仕切り板162の下端と第一給紙テーブル161の上面とが所定の間隔を置くように配置される。当該間隔は、第一シート状物11の厚みと略同一となるように配置される。
なお、枚葉仕切り板162を上下方向可動に構成し、枚葉仕切り板162の下端と第一給紙テーブル161の上面との間隔を変更可能にすることもできる。
【0176】
吸着タンク163は、第一給紙テーブル161の上面に配置される略直方体形状の箱である。吸着タンク163の上面は、側面視で第一給紙テーブル161の上面と一致するように配置される。吸着タンク163は、平面視でサイドガイド161a・161a間に位置するように配置される。吸着タンク163の上面、すなわち第一給紙テーブル161上に積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11の下面と当接する面には、吸着タンク163の内部空間と外部とを連通する複数の吸着タンク孔163a・163a・・・が形成される。
【0177】
吸着タンク163は、吸着エアホース163bによって給紙吸引装置163cと連通接続される。
給紙吸引装置163cは、エアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。給紙吸引装置163cの吸気ポートは、吸着エアホース163bに接続される。
給紙吸引装置163cが作動して前記吸気ポートからエアが吸引されると、吸着タンク163の内部空間は負圧となり、吸着タンク孔163a・163a・・・を通して吸着タンク163の内部空間にエアが吸引される。
第一給紙テーブル161上に第一シート状物11・11・・・が載置されると、第一シート状物11・11・・・が載置された部分に対応する吸着タンク孔163a・163a・・・が塞がれる形となり、第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11は吸着タンク163に吸着される。
【0178】
第一繰り出しローラ164・164は、吸着タンク163の左右にそれぞれ配置される。第一繰り出しローラ164・164の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。第一繰り出しローラ164・164の上端は、側面視で第一給紙テーブル161の上面と一致するように配置される。第一繰り出しローラ164・164は、平面視でサイドガイド161a・161a間に位置するように配置される。すなわち、第一繰り出しローラ164・164の上端は、第一給紙テーブル161上に積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11の下面と当接する。
なお、吸着タンク163及び第一繰り出しローラ164の個数は、本実施形態に限るものではない。
すなわち、吸着タンク163は、積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11を吸着することができる構成であればよい。また、第一繰り出しローラ164は、吸着タンク163により吸着される第一シート状物11を繰り出すことができる構成であればよい。
【0179】
第一繰り出しモータ165は、第一繰り出しローラ164・164を駆動するものである。第一繰り出しモータ165は、サーボモータ等の回転数を制御することが可能なモータにより構成される。
【0180】
第一供給ローラ166は、第一シート状物11を挟む一対のローラである。第一供給ローラ166は、主として駆動第一供給ローラ166a、押圧第一供給ローラ166b等を具備する。
【0181】
駆動第一供給ローラ166aは、枚葉仕切り板162の前方に配置される。駆動第一供給ローラ166aの図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。駆動第一供給ローラ166aは、駆動第一供給モータ166cにより左側面視(図14)反時計回りに所定の回転数で回転駆動される。
【0182】
押圧第一供給ローラ166bは、駆動第一供給ローラ166aの上方に配置される。押圧第一供給ローラ166bの図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。押圧第一供給ローラ166bは、バネ部材166dの付勢力により駆動第一供給ローラ166aに接近する方向に付勢される。
【0183】
第一給紙センサ167は、第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12の前端を検出するものである。第一給紙センサ167は光センサからなり、第二サクションコンベア120による第二シート状物12の第二搬送経路Bの中途部に配置される。
【0184】
本実施形態における第一給紙センサ167は光センサであるが、例えば超音波センサ、静電容量センサ等の他の非接触式センサを用いることも可能である。
なお、第一シート状物11の前端および第二シート状物12の前端の位置を精度良く検出し、ひいては第二シート状物12の前端の搬送方向の位置を精度良く補正する観点からは、第一給紙センサを、細く絞ったレーザ光を用いた光センサで構成することが望ましい。
【0185】
第一給紙制御部168は、第一給紙センサ167による第二シート状物12の前端の検出結果に基づいて、第一繰り出しモータ165の動作を制御するものである。第一給紙制御部168は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
補正モータ制御部155には、補正ローラ153の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
【0186】
第一給紙制御部168は、第一給紙センサ167に接続され、第一給紙センサ167による第二シート状物12の前端の検出信号を取得することが可能である。
第一給紙制御部168は、第一繰り出しモータ165に接続され、第一繰り出しモータ165の回転数(ひいては第一繰り出しローラ164による第一シート状物11の搬送速度)の調整に係る信号を第一繰り出しモータ165に送信することが可能である。
【0187】
第一給紙制御部168は、第一給紙センサ167による第二シート状物12の前端の検出信号に基づいて、第一給紙装置160により第一シート状物11が繰り出されるタイミングを算出する。
【0188】
より詳細には、第一給紙制御部168は、第二サクションコンベア120に繰り出された第二シート状物12が第二サクションコンベア120により搬送され、かつ第二シート状物12の前端の第二搬送経路Bにおける位置を補正装置150により補正されることなく圧接ローラ130に供給された場合に、第二シート状物12の前端の位置が同じく圧接ローラ130に供給された第一シート状物11の前端よりも所定距離遅れるタイミングを算出する。
【0189】
第一給紙制御部168は、第一繰り出しモータ165を制御することにより、上記算出されたタイミングにおいて第一シート状物11を第一サクションコンベア110へと供給する。
【0190】
より詳細には、第一給紙制御部168は、上記算出されたタイミングにおいて第一繰り出しモータ165を駆動し、第一繰り出しローラ164を左側面視(図14)反時計回りに回転駆動させる。第一繰り出しローラ164は、吸着タンク163に吸着されている第一シート状物11と当接しているため、当該第一シート状物11は前方へと繰り出される。前述の如く、吸着タンク163により第一シート状物11を吸着することにより、当該第一シート状物11と第一繰り出しローラ164との摩擦力を高め、当該第一シート状物11を確実に繰り出すことができる。
なお、吸着タンク163が第一シート状物11を吸着する際の吸着力は、第一繰り出しローラ164による当該第一シート状物11の繰り出しを妨げない程度に調整される。
第一繰り出しローラ164により繰り出された第一シート状物11は、枚葉仕切り板162の下端と第一給紙テーブル161の上面との隙間を通過して第一供給ローラ166へと供給される。当該隙間の間隔は、第一シート状物11の厚みと略同一であるため、積層された第一シート状物11・11・・・から確実に一枚だけを繰り出すことが可能である。
前記隙間を通過した第一シート状物11は、駆動第一供給ローラ166aが回転することにより、駆動第一供給ローラ166aと押圧第一供給ローラ166bとに挟まれた状態で前方へと搬送される。
【0191】
なお、本実施形態においては、前述の同期供給装置140による第二シート状物12を繰り出すタイミングの算出及び当該タイミングに合わせて第二シート状物12を繰り出す制御は不要である。この場合、同期供給装置140は所定の間隔で第二シート状物12を第二サクションコンベア120へと繰り出す構成とすればよい。
【0192】
以下では図14及び図15を用いて、水塗布装置170について説明する。
水塗布装置170は、第一シート状物11に所定量の水を塗布するものである。水塗布装置170は、主として水槽171、含水ローラ172、水塗布ローラ173、押圧ローラ174等を具備する。
【0193】
水槽171内には、所定量の水が蓄えられる。
含水ローラ172の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。含水ローラ172の下部は、水槽171内に蓄えられた水に浸かるよう配置される。
【0194】
水塗布ローラ173は、第一シート状物11に水を塗布するものである。水塗布ローラ173は、駆動第一供給ローラ166aの前方に配置される。水塗布ローラ173の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。水塗布ローラの下端は、含水ローラ172の上端と当接する。
水塗布ローラ173は、図示せぬ駆動モータにより左側面視(図14)反時計回りに回転駆動される。含水ローラ172は、水塗布ローラ173が回転することで左側面視(図14)時計回りに回転駆動される。水槽171に蓄えられた水は、含水ローラ172を介して水塗布ローラ173の外周面に付着する。
【0195】
押圧ローラ174は、水塗布ローラ173の上方に配置される。押圧ローラ174の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。押圧ローラ174は、バネ部材174aの付勢力により水塗布ローラ173に接近する方向に付勢される。
【0196】
第一給紙装置160により給紙された第一シート状物11は、水塗布ローラ173が回転することにより、水塗布ローラ173と押圧ローラ174とに挟まれた状態で前方へと搬送される。この際、水塗布ローラ173の外周面に付着した水が第一シート状物11の下面に塗布される。水塗布装置170を通過した第一シート状物11は、接着剤塗布装置30へと供給される。
【0197】
上記の如く、水塗布装置170により第一シート状物11に所定量の水を塗布することにより、第一シート状物11に塗布された接着剤が乾燥した際に当該第一シート状物11が湾曲することによる不良品の発生を抑制することができる。
【0198】
なお、本実施形態において、貼合装置360は水塗布装置170を具備するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、第一給紙装置160から給紙された第一シート状物11を直接接着剤塗布装置30へと供給する構成とすることも可能である。
【0199】
接着剤塗布装置30へと供給された第一シート状物11は、上接着剤塗布ローラ32の周面と下接着剤塗布ローラ33の周面との間に差し込まれ、接着剤塗布装置30により前方に搬送されるとともに当該第一シート状物11の上面に接着剤が塗布される。接着剤が塗布された第一シート状物11は、第一サクションコンベア110へと供給される。
【0200】
第一サクションコンベア110へと供給された第一シート状物11及び第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12は、前述の貼合装置60と同様に、補正装置150により第二シート状物12の前端位置を補正した後に、圧接ローラ130により圧接され、重合シート状物13を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本発明に係る枚葉装置を具備する合紙機を示す左側面模式図。
【図2】サクションコンベアを示す斜視図。
【図3】圧接ローラ及び補正装置を示す左側面模式図。
【図4】同期供給装置を示す左側面模式図。
【図5】第二シート状物の搬送速度の変化を示す図。
【図6】本発明に係る枚葉装置の配置される位置を示す平面模式図。
【図7】本発明に係る枚葉装置を示す平面模式図。
【図8】本発明に係る枚葉装置を示す左側面模式図。
【図9】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図10】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図11】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図12】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図13】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図14】本発明に係る枚葉装置を具備する合紙機の他の実施形態を示す左側面模式図。
【図15】第一給紙装置を示す左側面模式図。
【符号の説明】
【0202】
12 第二シート状物(シート状物)
50 貼合装置
110 第一サクションコンベア
120 第二サクションコンベア(搬送サクションコンベア)
130 圧接ローラ
140 同期供給装置
150 補正装置
200 枚葉装置
210 吸着装置
220 枚葉サクションコンベア
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を枚葉する枚葉装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層された複数枚のシート状物から、当該複数枚のシート状物の一番上に載置されたシート状物を一枚ずつ取り出す枚葉装置の技術は公知となっている。
【0003】
このような枚葉装置の一例としては、積層された複数枚のシート状物の側面にエアを噴出することによりシート状物を浮揚させ、一番上に載置されたシート状物を取り出し機構により取り出すものが知られている(特許文献1参照。)。
また、他の例としては、積層された複数枚のシート状物の上面に当接したロータを回転させることにより一番上に載置されたシート状物を取り出し、一番上に載置されたシート状物と共に連れ出されるシート状物を二枚取り防止ブロックにより吸着し分離するものが知られている(特許文献2参照。)。
【0004】
しかし、従来の枚葉装置は、シート状物が非常に薄く、可撓性に富んだ状態(例えば、シート面の中心を支持した場合に自重で大きく撓んで端部が下方に垂れ下がるような状態)である場合には、積層された複数のシート状物から一枚のみを取り出すことが困難であり、積層された薄いシート状物から二枚重なった状態で取り出してしまう場合がある。
【0005】
より詳細には、シート状物が非常に薄い場合、一番上に載置されたシート状物とその直下のシート状物との隙間に精度良くエアを側方から吹き込んで一番上に載置されたシート状物のみを浮揚させることは困難である。
また、シート状物が非常に薄い場合、二枚取り防止ブロックの上端部を一番上に載置されたシート状物とその直下のシート状物との当接面と同じ高さに調整するのは困難であり、仮にこのような調整が出来たとしてもシート状物が撓みやすいために二枚取り防止ブロックとの当接部が折れ曲がる、あるいは破れるといった事態が発生する場合がある。
【0006】
また、枚葉装置により供給されたシート状物を台紙や他のシート状物と貼り合わせる貼合装置において、前記枚葉装置による枚葉が適正に行われず、二枚のシート状物が重なった状態で貼合装置へ供給された場合、貼合装置の正常な動作を妨げたり不良品が発生したりする場合がある。
【特許文献1】特開2005−001838号公報
【特許文献2】特開2002−160843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑み、搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、
搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置であって、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着することにより前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態とする吸着装置と、
前記搬送サクションコンベアの搬送面から所定距離離れた位置に配置され、前記吸着装置により前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態となったシート状物を吸着しつつ搬送する枚葉サクションコンベアと、
を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、
前記吸着装置は、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物をエア吸引により吸着し、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物が前記枚葉サクションコンベアに吸着された後にエア吸引を停止する吸盤と、
前記吸盤を前記枚葉サクションコンベアの搬送面に沿って摺動可能に支持する支持部材と、
前記エア吸引を停止した吸盤を前記支持部材に沿って前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端側に移動させる摺動アクチュエータと、
を具備するものである。
【0011】
請求項3においては、
前記搬送経路において前記吸着装置よりも上流側に配置され、前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出する重複状態検出装置を具備し、
前記吸着装置は、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であることが検出された場合には、二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着し、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が一枚だけの状態であることが検出された場合には、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物を吸着しないものである。
【0012】
請求項4においては、
前記枚葉サクションコンベアの搬送面の下流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離は、前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離よりも大きいものである。
【0013】
請求項5においては、
前記枚葉サクションコンベアにより搬送されたシート状物を回収する回収容器を具備するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を枚葉することが可能である。
【0016】
請求項2においては、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を損傷することなく滑らかに枚葉サクションコンベアに吸着させることが可能である。
【0017】
請求項3においては、シート状物が二枚重複した状態で搬送されている場合にのみ吸着装置を作動させ、二枚の重なったシート状物のうち、搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を枚葉することが可能である。
【0018】
請求項4においては、枚葉サクションコンベアにより吸着したシート状物と搬送サクションコンベアに吸着されている第二シート状物との間隔を離間させることが可能である。
【0019】
請求項5においては、枚葉したシート状物を散乱させることなく回収することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、図1から図13を用いて、本発明に係る枚葉装置の実施の一形態である枚葉装置200を具備する合紙機10について説明する。
なお、以下では説明の便宜上、図1、図2、図4、及び図8から図13における紙面の上方向を「上方向」、図1、図2、図4、及び図6から図13における紙面の左方向を「前方向」、図6及び図7における紙面の下方向を「左方向」とそれぞれ定義し、当該定義に基づいて方向の説明を行う。
【0021】
合紙機10は、第一シート状物11及び第二シート状物12を給紙、接着剤を塗布、切断、及び貼合し、合紙するものである。
【0022】
第一シート状物11及び第二シート状物12は本発明に係る「シート状物」の実施の一形態であり、略長方形に裁断された薄い紙からなり、可撓性に富む。
「シート状物」は長さ方向および幅方向に比べて厚さ方向が小さい対象物を指す。
シート状物の例としては、紙(和紙、洋紙、ボール紙等)、布、樹脂製のフィルム、金属製の薄板、金属箔、あるいはこれらに通気孔(上下のシート面を貫通する孔)を設けたものが挙げられる。
【0023】
合紙機10は主として給紙装置20、接着剤塗布装置30、素材搬送サクションコンベア40、切断装置50、貼合装置60等を具備する。
【0024】
以下では図1及び図2を用いて、給紙装置20について説明する。
給紙装置20は、貼合装置60に第二シート状物12を供給するものである。給紙装置20は主としてテーブル21、規制フレーム22、供給部23等を具備する。
【0025】
テーブル21は積層された第二シート状物12・12・・・を支持するための部材である。第二シート状物12・12・・・はテーブル21の上面に載置される。
【0026】
規制フレーム22はテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の移動を規制する部材である。規制フレーム22は平面視略長方形の枠を形成している。規制フレーム22の内周面は第二シート状物12・12・・・の側面と当接する。
【0027】
供給部23はテーブル21に積層された複数の第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12を貼合装置60へと繰り出すものである。供給部23は主としてサバキエアノズル23a、中央エアノズル23c、第一吸盤23e、第二吸盤23f、仕切り板23g、上咥えローラ23h、下咥えローラ23j等を具備する。
【0028】
サバキエアノズル23aはエアを吹き出す部材である。サバキエアノズル23aの先端部はテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後側面に対向する位置に配置される。サバキエアノズル23aの後端部はエアホース23bを介して図示せぬエア圧送手段(エアポンプ等)に接続される。当該エア圧送手段から圧送されたエアはエアホース23bを経てサバキエアノズル23aの先端部から吹き出され、第二シート状物12・12・・・の後側面に吹きつけられる。
【0029】
中央エアノズル23cはエアを吹き出す部材である。中央エアノズル23cの先端部はテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後側面に対向する位置であって、当該第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12の高さよりもわずかに高い位置に配置される。中央エアノズル23cの後端部はエアホース23dを介して図示せぬエア圧送手段(エアポンプ等)に接続される。当該エア圧送手段から圧送されたエアはエアホース23dを経て中央エアノズル23cの先端部から吹き出される。
【0030】
第一吸盤23eはゴムや樹脂等の柔らかい材質からなり、第二シート状物12に吸着するものである。第一吸盤23e・23eはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の上方の後部の左右にそれぞれ配置される。第一吸盤23eの下部にはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・と略平行に対向した面(以下、単に「吸着面」という)が形成される。第一吸盤23eは図示せぬエアホースを介して図示せぬエア吸引手段(エアポンプ等)に接続される。第一吸盤23eの内部には前記吸着面と前記エアホースとを連通する経路が形成される。前記エア吸引手段が作動すると、前記エアホース及び前記経路を経て第一吸盤23eの吸着面よりエアが吸引される。また、第一吸盤23eは上下に摺動可能に構成され、図示せぬ駆動手段により上下に摺動される。
【0031】
第二吸盤23fはゴムや樹脂等の柔らかい材質からなり、第二シート状物12に吸着するものである。第二吸盤23f・23fはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の上方の前後略中央部の左右にそれぞれ配置される。第二吸盤23fの下部にはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・と略平行に対向した面(以下、単に「吸着面」という)が形成される。第二吸盤23fは図示せぬエアホースを介して図示せぬエア吸引手段(エアポンプ等)に接続される。第二吸盤23fの内部には前記吸着面と前記エアホースとを連通する経路が形成される。前記エア吸引手段が作動すると、前記エアホース及び前記経路を経て第二吸盤23fの吸着面よりエアが吸引される。また、第二吸盤23fは前後に摺動可能に構成され、図示せぬ駆動手段により前後に摺動される。
【0032】
仕切り板23gは板状の部材であり、テーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の前側面に当接するものである。仕切り板23gの下端部は前後に回動可能に支持され、図示せぬ駆動手段により前後に回動する。
【0033】
上咥えローラ23hの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。上咥えローラ23hは図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。上咥えローラ23hの回転軸は上咥えローラ昇降機構23iにより上下方向に昇降可能に構成されており、下降して第二シート状物12と当接すると、上咥えローラ23hの回転により第二シート状物12を前方へ搬送する。
【0034】
下咥えローラ23jは上咥えローラ23hの下方に配置される。下咥えローラ23jの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。下咥えローラ23jは図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
上咥えローラ23hの周面と下咥えローラ23jの周面との間には第二シート状物12が上咥えローラ23hおよび下咥えローラ23jに挟まれた状態で通過することが可能な程度の隙間が形成される。
【0035】
上記の如く構成された給紙装置20による貼合装置60への第二シート状物12の供給動作について説明する。
サバキエアノズル23aの先端部から吹き出されたエアはテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後側面に吹きつけられる。その結果、当該第二シート状物12・12・・・の隙間にエアが送り込まれる。
サバキエアノズル23aによりエアが吹き出されている間に第一吸盤23eは下方に摺動し、テーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12を第一吸盤23eの吸着面に吸着する。第一吸盤23eは第二シート状物12を吸着した後、再び上方に摺動する。
第一吸盤23eが上方に摺動することにより、第一吸盤23eが吸着した第二シート状物12の後部とテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・の後部との間に隙間が形成される。当該隙間が形成されると、中央エアノズル23cにより当該隙間へむけてエアが吹き出され、これにより第一吸盤23eが吸着した第二シート状物12とテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・との間に後部から前部にかけて隙間が形成される。つまり、第一吸盤23eが吸着した第二シート状物12がテーブル21の上面に載置された第二シート状物12・12・・・から分離される。
分離された第二シート状物12の前後略中央部は第二吸盤23fにより吸着され、このとき第一吸盤23eによる吸引が停止される。分離された第二シート状物12の前側面に当接する仕切り板23gが前方へ回動すると、第二吸盤23fは前方へ摺動し、吸着した第二シート状物12を前方へ搬送する。
第二吸盤23fにより前方へ搬送された第二シート状物12の前部が上咥えローラ23h及び下咥えローラ23jに巻き込まれると、第二吸盤23fは吸引を停止する。上咥えローラ23h及び下咥えローラ23jに巻き込まれた第二シート状物12は前方へ搬送され、貼合装置60へと供給される。
【0036】
なお、本実施形態のテーブル21は上下方向に昇降可能であり、最上部の第二シート状物12が貼合装置60へと供給された後、テーブル21が第二シート状物12の厚みの分だけ上昇することにより、残りの第二シート状物12・12・・・を供給部23により取り出す際の最上部の第二シート状物12の高さを略一定に保つことが可能である。
【0037】
以下では図1を用いて、接着剤塗布装置30について説明する。
接着剤塗布装置30は、素材第一シート状物1に接着剤を塗布する装置である。
【0038】
素材第一シート状物1は第一シート状物11の素材であり、図示せぬロールに巻かれた一枚の長い(連続した)シート状物である。素材第一シート状物1を長手方向において所定の長さで切断することにより第一シート状物11が作製される。
【0039】
接着剤塗布装置30は主として接着剤塗布装置フレーム31、上接着剤塗布ローラ32、下接着剤塗布ローラ33、均しローラ34、接着剤供給部35等を具備する。
【0040】
接着剤塗布装置フレーム31は上接着剤塗布ローラ32、下接着剤塗布ローラ33、均しローラ34、接着剤供給部35を支持する部材である。
【0041】
上接着剤塗布ローラ32は、素材第一シート状物1に接着剤を塗布するものである。上接着剤塗布ローラ32の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。上接着剤塗布ローラ32は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。
【0042】
下接着剤塗布ローラ33は、上接着剤塗布ローラ32の下方に配置される。下接着剤塗布ローラ33の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。下接着剤塗布ローラ33は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0043】
均しローラ34は上接着剤塗布ローラ32の周面に塗布される接着剤の厚さを均一にするためのローラである。均しローラ34は、その周面が上接着剤塗布ローラ32の周面に対して所定の隙間を形成する位置に配置される。均しローラ34は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0044】
接着剤供給部35は、上接着剤塗布ローラ32に接着剤を供給するものである。より詳細には、接着剤供給部35は上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間の上部に接着剤を供給する。
接着剤供給部35は素材第一シート状物1の素材、寸法、搬送速度等に応じて接着剤の供給量を調節することが可能である。
【0045】
上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間に接着剤が供給された状態で上接着剤塗布ローラ32および均しローラ34が回転すると、上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間の下方における上接着剤塗布ローラ32の周面に塗布されている接着剤の厚さが上接着剤塗布ローラ32と均しローラ34との隙間と略同じとなる。
【0046】
上接着剤塗布ローラ32の周面と下接着剤塗布ローラ33の周面との間には素材第一シート状物1が通過可能な隙間が形成される。素材第一シート状物1が当該隙間に差し込まれると、素材第一シート状物1の上面が上接着剤塗布ローラ32の周面に当接し、素材第一シート状物1は上接着剤塗布ローラ32及び下接着剤塗布ローラ33により巻き込まれる。
その結果、素材第一シート状物1は前方に搬送されるとともに素材第一シート状物1の上面に接着剤が塗布される。
【0047】
以下では図1を用いて、素材搬送サクションコンベア40について説明する。
素材搬送サクションコンベア40は接着剤塗布装置30により接着剤が塗布された素材第一シート状物1を所定の搬送速度で搬送し、切断装置50へ供給するサクションコンベアである。素材搬送サクションコンベア40は主として素材搬送ベルト41、前素材搬送プーリ42、後素材搬送プーリ43、素材吸引ケース44、素材エアホース45、素材吸引装置46等を具備する。
【0048】
素材搬送ベルト41はその外周面上に素材第一シート状物1を吸着して搬送するものである。素材搬送ベルト41の全面には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である素材搬送ベルト孔(図示せず)が形成されている。素材搬送ベルト41は前素材搬送プーリ42及び後素材搬送プーリ43間に巻回されている。
【0049】
前素材搬送プーリ42は後述する下ロータリカッター53の後方に配置される。前素材搬送プーリ42の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前素材搬送プーリ42は図示せぬ駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0050】
後素材搬送プーリ43は下接着剤塗布ローラ33の前方に配置される。後素材搬送プーリ43の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0051】
素材吸引ケース44は素材搬送ベルト41の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。素材吸引ケース44の上面、すなわち素材搬送ベルト41のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分に対向する面には素材吸引ケース44の内部空間と外部とを連通する複数の素材吸引ケース孔(図示せず)が形成される。
【0052】
素材エアホース45は素材吸引ケース44と素材吸引装置46とを連通接続するものである。
素材吸引装置46はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。素材吸引装置46の吸気ポートは素材エアホース45に接続される。
素材吸引装置46が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、素材吸引ケース44の内部空間は負圧となり、前記素材吸引ケース孔を通して素材吸引ケース44の内部空間にエアが吸引される。
素材吸引ケース44の上面と素材搬送ベルト41のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分との隙間は小さいので、前記素材吸引ケース孔を通して素材吸引ケース44の内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、前記素材搬送ベルト孔を通して当該隙間にエアが吸引される。
素材搬送ベルト41のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分に素材第一シート状物1が載置されると、当該部分に対応する前記素材吸引ケース孔が素材第一シート状物1により塞がれる形となり、素材第一シート状物1は素材搬送ベルト41に吸着される。
【0053】
接着剤塗布装置30により前方に搬送された素材第一シート状物1は、素材搬送ベルト41の外周面のうち前素材搬送プーリ42の上端と後素材搬送プーリ43の上端との間に張られている部分に吸着された状態で搬送され、切断装置50へと供給される。
【0054】
以下では図1及び図2を用いて、切断装置50について説明する。
切断装置50は、素材第一シート状物1を所定の長さに切断することにより第一シート状物11を作製するものである。切断装置50は主として切断装置フレーム51、上ロータリカッター52、下ロータリカッター53等を具備する。
【0055】
切断装置フレーム51は上ロータリカッター52及び下ロータリカッター53を支持するための部材である。
【0056】
上ロータリカッター52は円筒状の部材である。上ロータリカッター52の周面には刃52aが形成されている。上ロータリカッター52の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。上ロータリカッター52は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。
【0057】
下ロータリカッター53は円筒状の部材である。下ロータリカッター53の周面には刃53aが形成されている。下ロータリカッター53は上ロータリカッター52の下方に配置される。下ロータリカッター53の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。下ロータリカッター53は図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
上ロータリカッター52の周面と下ロータリカッター53の周面との間には素材第一シート状物1が通過可能な隙間が形成される。素材第一シート状物1が当該隙間に差し込まれると、素材第一シート状物1は上ロータリカッター52及び下ロータリカッター53により巻き込まれて、前方に搬送されると同時に刃52a及び53aにより所定の間隔ごとに切断され、第一シート状物11が作製される。
【0058】
なお、本実施形態では素材第一シート状物1を切断することにより第一シート状物11を作製し、その後で貼合装置60へと供給する構成としたが、予め作製された第一シート状物11を貼合装置60へ供給する構成とすることも可能である。
また、第二シート状物12は給紙装置20により貼合装置60へと供給される構成としたが、第二シート状物12の素材となるシート状物を切断することにより第二シート状物12を作製し、その後で貼合装置60へと供給する構成とすることも可能である。
【0059】
以下では図1から図13を用いて本発明に係る枚葉装置の実施の一形態である枚葉装置200を具備する貼合装置50について説明する。
なお、以下では説明の便宜上、第一シート状物11が切断装置50から第一サクションコンベア110を経て圧接ローラ130へ到達するまでに搬送される経路を第一搬送経路A、第二シート状物12が給紙装置20から同期供給装置140、第二サクションコンベア120及び補正装置150を経て圧接ローラ130へ到達するまでに搬送される経路を第二搬送経路B、第一シート状物11及び第二シート状物12が圧接ローラ130により貼合された後に搬送される経路を第三搬送経路Cとそれぞれ定義し、当該定義に基づいて以下の説明を行う。
【0060】
貼合装置60は第一シート状物11と第二シート状物12とを貼り合わせるものである。貼合装置60は主として第一サクションコンベア110、第二サクションコンベア120、圧接ローラ130、同期供給装置140、補正装置150、枚葉装置200等を具備する。
【0061】
以下では図1及び図3を用いて、第一サクションコンベア110について説明する。
第一サクションコンベア110は切断装置50により作製された第一シート状物11を所定の搬送速度で搬送し、圧接ローラ130へ供給するものである。第一サクションコンベア110は主として第一搬送ベルト111、前第一搬送プーリ112、後第一搬送プーリ113、第一吸引ケース114、第一エアホース115、第一吸引装置116等を具備する。
【0062】
第一搬送ベルト111はその外周面上に第一シート状物11を吸着して搬送するものである。第一搬送ベルト111の全面には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である第一搬送ベルト孔111a・111a・・・が形成されている。第一搬送ベルト111は前第一搬送プーリ112及び後第一搬送プーリ113間に巻回されている。
【0063】
前第一搬送プーリ112は第一搬送経路Aにおいて後述する圧接ローラ130の第二ローラ132の上流側となる位置に配置される。前第一搬送プーリ112の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前第一搬送プーリ112は図示せぬ第一駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0064】
後第一搬送プーリ113は第一搬送経路Aにおいて切断装置50の下流側かつ前第一搬送プーリ112の上流側となる位置に配置される。後第一搬送プーリ113の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0065】
第一吸引ケース114は第一搬送ベルト111の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。第一吸引ケース114の上面、すなわち第一搬送ベルト111のうち前第一搬送プーリ112の上端と後第一搬送プーリ113の上端との間に張られている部分に対向する面には第一吸引ケース114の内部空間と外部とを連通する複数の第一吸引ケース孔114a・114a・・・が形成される。
【0066】
第一エアホース115は第一吸引ケース114と第一吸引装置116とを連通接続するものである。
第一吸引装置116はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。第一吸引装置116の吸気ポートは第一エアホース115に接続される。
第一吸引装置116が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、第一吸引ケース114の内部空間は負圧となり、第一吸引ケース孔114a・114a・・・を通して第一吸引ケース114の内部空間にエアが吸引される。
第一吸引ケース114の上面と第一搬送ベルト111のうち前第一搬送プーリ112の上端と後第一搬送プーリ113の上端との間に張られている部分との隙間は小さいので、第一吸引ケース孔114a・114a・・・を通して第一吸引ケース114の内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、第一搬送ベルト孔111a・111a・・・を通して当該隙間にエアが吸引される。
第一搬送ベルト111のうち前第一搬送プーリ112の上端と後第一搬送プーリ113の上端との間に張られている部分、すなわち第一搬送経路Aを成す部分に第一シート状物11が載置されると、当該部分に対応する第一吸引ケース孔114a・114a・・・が第一シート状物11により塞がれる形となり、第一シート状物11は第一搬送ベルト111に吸着される。
【0067】
以下では図1を用いて第二サクションコンベア120について説明する。
第二サクションコンベア120は同期供給装置140により繰り出された第二シート状物12を所定の搬送速度で搬送し、補正装置150へ供給する搬送サクションコンベアである。第二サクションコンベア120は主として第二搬送ベルト121、前第二搬送プーリ122、後第二搬送プーリ123、第二吸引ケース124F・124M・124R、第二エアホース125F・125M・125R、第二吸引装置126等を具備する。
第二サクションコンベア120は第一サクションコンベア110の上方に配置される。
【0068】
第二搬送ベルト121はその外周面上に第二シート状物12を吸着して搬送するものである。第二搬送ベルト121の全面には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である第二搬送ベルト孔121a・121a・・・(図示せず)が形成されている。第二搬送ベルト121は前第二搬送プーリ122及び後第二搬送プーリ123の間に巻回されている。
【0069】
前第二搬送プーリ122は第二搬送経路Bにおいて補正装置150の上流側となる位置に配置される。前第二搬送プーリ122の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前第二搬送プーリ122は図示せぬ第二駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。前記第二駆動モータの回転数は、第二サクションコンベア120の搬送速度が第一サクションコンベア110の搬送速度と同じとなるように設定される。
【0070】
後第二搬送プーリ123は第二搬送経路Bにおいて同期供給装置140の下流側となる位置かつ前第二搬送プーリ122の上流側に配置される。後第二搬送プーリ123の図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0071】
傾斜プーリ127a・127b・127c・127dは第二搬送ベルト121において前第二搬送プーリ122および後第二搬送プーリ123の間に張られている部分に回転自在に当接するプーリである。傾斜プーリ127a・127b・127c・127dが第二搬送ベルト121に当接することにより、第二搬送ベルト121の側面視の形状は上流端(後第二搬送プーリ123側の端部)から下流端(前第二搬送プーリ122側の端部)にかけて湾曲したものとなる。
その結果、第二搬送ベルト121において前第二搬送プーリ122の上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分は第二搬送ベルト121の上流端から第二搬送ベルト121の下流端に向かって徐々に下方に傾斜し、第二搬送ベルト121の下流端(前第二搬送プーリ122側の端部)は圧接ローラ130に近接する。
なお、本実施形態においては第二サクションコンベア120が第二搬送経路Bの下流方向に向かって湾曲することにより圧接ローラ130に近接する構成であるが、第一サクションコンベア110が第一搬送経路Aの下流方向に向かって湾曲することにより圧接ローラ130に近接する構成や、第一サクションコンベア110及び第二サクションコンベア120がいずれも第一搬送経路A及び第二搬送経路Bの下流方向に向かって湾曲することにより圧接ローラ130に近接する構成とすることも可能である。
【0072】
第二吸引ケース124F・124M・124Rは第二搬送ベルト121の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。第二吸引ケース124F・124M・124Rの上面、すなわち第二搬送ベルト121のうち前第二搬送プーリ122の上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分に対向する面には第二吸引ケース124F・124M・124Rの内部空間と外部とを連通する複数の第二吸引ケース孔(不図示)が形成される。
第二吸引ケース124Fは傾斜プーリ127bと前第二搬送プーリ122とで挟まれる位置に配置され、第二吸引ケース124Mは傾斜プーリ127aと傾斜プーリ127bとで挟まれる位置に配置され、第二吸引ケース124Rは後第二搬送プーリ123と傾斜プーリ127aとで挟まれる位置に配置される。
【0073】
第二エアホース125Fは第二吸引ケース124Fと第二吸引装置126とを連通接続するものである。第二エアホース125Mは第二吸引ケース124Mと第二吸引装置126とを連通接続するものである。第二エアホース125Rは第二吸引ケース124Rと第二吸引装置126とを連通接続するものである。
第二吸引装置126はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。第二吸引装置126の吸気ポートは第二エアホース125F、第二エアホース125Mおよび第二エアホース125Rに接続される。
第二吸引装置126が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、第二吸引ケース124F・124M・124Rの内部空間はいずれも負圧となり、第二吸引ケース孔を通して第二吸引ケース124F・124M・124Rの内部空間にエアが吸引される。
第二吸引ケース124Fの上面と第二搬送ベルト121のうち前第二搬送プーリ122の上端と傾斜プーリ127bの上端との間に張られている部分との隙間は小さいので、第二吸引ケース孔を通して第二吸引ケース124Fの内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、第二搬送ベルト孔121a・121a・・・を通して当該隙間にエアが吸引される。
第二吸引ケース124Mおよび第二吸引ケース124Rについても同様である。
第二搬送ベルト121のうち前第二搬送プーリ122の上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分、すなわち第二搬送経路Bを成す部分に第二シート状物12が載置されると、当該部分に対応する複数の第二吸引ケース孔が第二シート状物12により塞がれる形となり、第二シート状物12は第二搬送ベルト121に吸着される。
【0074】
第二サクションコンベア120による吸着力は、後で詳述する補正装置150による第二シート状物12の補正を妨げない程度の吸着力に予め調節される。
【0075】
以下では図4を用いて、圧接ローラ130について説明する。
圧接ローラ130は第一サクションコンベア110により供給された第一シート状物11と第二サクションコンベア120により供給された第二シート状物12とを圧接することにより貼合するものである。圧接ローラ130は主として第一ローラ131、第二ローラ132等を具備する。
【0076】
第一ローラ131は第一サクションコンベア110により供給された第一シート状物11と第二サクションコンベア120により供給された第二シート状物12とを重ね合わせて押圧するものである。第一ローラは前第一搬送プーリ112の上方に配置される。第一ローラ131は図示せぬ圧接ローラ駆動モータにより左側面司(図1)で時計回りに回転駆動される。
第一ローラ131の周面と第一搬送ベルト111の外周面との間には第一シート状物11及び第二シート状物12が重合した状態で通過可能な隙間が形成される。第一ローラ131の周面と第一搬送ベルト111の外周面との間へと供給された第一シート状物11と第二シート状物12は、第一ローラ131及び第一搬送ベルト111により巻き込まれながら重合し、当該重合したシート状物(以下、「重合シート状物13」という。)は第三搬送経路Cの前方に搬送される。
【0077】
第二ローラ132は重合シート状物13をさらに圧接するものである。第二ローラ132は第一ローラ131の前方に配置される。第二ローラ132は上第二ローラ132a及び下第二ローラ132bを具備する。
【0078】
上第二ローラ132aは第一ローラ131の前方に配置される。上第二ローラ132aは図示せぬ圧接ローラ駆動モータにより左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。
下第二ローラ132bは上第二ローラ132aの下方に配置される。下第二ローラ132bは図示せぬ圧接ローラ駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
上第二ローラ132aの周面と下第二ローラ132bの周面との間には重合シート状物13が通過可能な隙間が形成される。重合シート状物13が当該隙間に差し込まれると、第二ローラ132により巻き込まれて圧接されながら前方に搬送される。
【0079】
なお、本実施形態においては上第二ローラ132a及び下第二ローラ132bは共に前記圧接ローラ駆動モータにより駆動される構成としたが、上第二ローラ132a又は下第二ローラ132bのいずれか一方のみを駆動する構成とすることも可能である。
【0080】
以下では図2を用いて、同期供給装置140について説明する。
同期供給装置140は第一サクションコンベア110に第一シート状物11が供給されるタイミングと第二サクションコンベア120に第二シート状物12が供給されるタイミングとを同期させるものである。同期供給装置140は主として同期検出センサ141、同期繰り出し装置142等を具備する。
【0081】
同期検出センサ141は第一シート状物11の前端を検出するものである。同期検出センサ141は同期繰り出し制御部142gに接続されている。同期検出センサ141は光センサからなり、第一搬送経路Aの中途部に配置される。同期検出センサ141は第一サクションコンベア110により搬送される第一シート状物11の前端を検出し、当該検出信号を同期繰り出し制御部142gへ送信する。
【0082】
本実施形態における同期検出センサ141は光センサであるが、例えば超音波センサ、静電容量センサ等の他の非接触式センサを用いることも可能である。
【0083】
同期繰り出し装置142は同期検出センサ141による第一シート状物11の前端の検出に係る情報に基づいて第二サクションコンベア120に第二シート状物12を繰り出すものである。
同期繰り出し装置142は主として繰り出しベルト142a、前繰り出しプーリ142b、後繰り出しプーリ142c、前見当爪142L・142R、同期繰り出しローラ142e、同期繰り出し制御部142g等を具備する。
【0084】
繰り出しベルト142aは第二搬送経路Bにおいて第二サクションコンベア120の上流側に配置される。繰り出しベルト142aはその上側の外周面に給紙装置20から供給された第二シート状物12を載置して搬送する。繰り出しベルト142aは前繰り出しプーリ142b及び後繰り出しプーリ142c間に巻回されている。
【0085】
前繰り出しプーリ142bは後第二搬送プーリ123の後方に配置される。前繰り出しプーリ142bの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。前繰り出しプーリ142bは図示せぬ駆動モータにより左側面視(図1)で反時計回りに回転駆動される。
【0086】
後繰り出しプーリ142cは第二搬送経路Bにおいて下咥えローラ23jの下流側に配置される。後繰り出しプーリ142cの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。
【0087】
前見当爪142L・142Rは繰り出しベルト142aにより搬送される第二シート状物12の前端の見当を合わせるものである。前見当爪142L・142Rは前繰り出しプーリ142bの前方であって第二搬送経路Bの下方に配置される。前見当爪142L・142Rは前見当爪昇降機構142d(アクチュエータ、モータ等)により上下方向に昇降可能に構成されており、上昇すると第二搬送経路Bを遮断し、前見当爪142Lは第二シート状物12の前端の左端部、前見当爪142Rは第二シート状物12の前端の右端部にそれぞれ当接する。
前見当爪142L・142Rを第二シート状物12の前端にそれぞれ当接させることにより、第二シート状物12の前端の辺の長手方向を左右方向に一致させ、ずれを修正することができる。
【0088】
同期繰り出しローラ142eは前見当爪142L・142Rに当接することによりずれが修正された第二シート状物12を第二サクションコンベアへ繰り出すものである。同期繰り出しローラ142eは前繰り出しプーリ142bの上方に配置される。同期繰り出しローラ142eの図示せぬ回転軸の軸線方向は左右方向に略一致する。同期繰り出しローラ142eは図示せぬ駆動手段(モータ等)により左側面視(図1)で時計回りに回転駆動される。同期繰り出しローラ142eは同期繰り出しローラ昇降機構142f(アクチュエータ、モータ等)により上下方向に昇降可能に構成されており、下降すると繰り出しベルト142a上の第二シート状物12と当接し、同期繰り出しローラ142eの回転により第二シート状物12を第二サクションコンベア120へ繰り出す。
【0089】
同期繰り出し制御部142gは同期検出センサ141による第一シート状物11の前端の検出結果に基づいて、前見当爪142L・142R及び同期繰り出しローラ昇降機構142fの動作を制御するものである。同期繰り出し制御部142gは、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
【0090】
同期繰り出し制御部142gは同期検出センサ141に接続され、同期検出センサ141による第一シート状物11の前端の検出信号を取得することが可能である。
同期繰り出し制御部142gは前見当爪昇降機構142dに接続され、当該前見当爪昇降機構142dの動作を制御することが可能である。
同期繰り出し制御部142gは同期繰り出しローラ昇降機構142fに接続され、当該同期繰り出しローラ昇降機構142fの動作を制御することが可能である。
【0091】
また、同期繰り出し制御部142gには同期供給装置140の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納され、同期検出センサ141により検出される第一シート状物11の前端の検出信号に基づいて、同期供給装置140により第二シート状物12が繰り出されるタイミングを算出する。
【0092】
より詳細には、同期繰り出し制御部142gは、「第二サクションコンベア120に繰り出された第二シート状物12が第二サクションコンベア120により搬送され、かつ第二シート状物12の前端の第二搬送経路Bにおける位置を後述する補正装置150により補正されることなく圧接ローラ130に供給された場合に、第二シート状物12の前端の位置が同じく圧接ローラ130に供給された第一シート状物11の前端よりも所定距離遅れる」タイミングを算出する。
同期繰り出し制御部142gは、上記算出されたタイミングにおいて、(a)前見当爪昇降機構142dを作動させることにより前見当爪142L・142Rを下降させ、(b)同期繰り出しローラ昇降機構142fを作動させることにより同期繰り出しローラ142eを繰り出しベルト142a上の第二シート状物12に当接させ、(c)同期繰り出しローラ142eを回転駆動させることにより第一シート状物11を第二サクションコンベア120に繰り出させる、という一連の制御を行う。
【0093】
以下では図4を用いて、補正装置150について説明する。
補正装置150は第二シート状物12の前端の搬送方向の位置を補正することにより圧接ローラ130に供給される第一シート状物11及び第二シート状物12の前端を圧接時に一致させるものである。
補正装置150は主として第一補正センサ151、第二補正センサ152、補正ローラ153、補正モータ154、補正モータ制御部155等を具備する。
【0094】
第一補正センサ151は第一サクションコンベア110により搬送される第一シート状物11の前端を検出するものである。第一補正センサ151は光センサからなり、圧接ローラ130と第一サクションコンベア110の下流端(前第一搬送プーリ112)との間に配置される。
なお、第一補正センサ151を第一サクションコンベア110における第一シート状物11の搬送経路の中途部(例えば、第一搬送ベルト111の上側の外周面に対向する位置)に配置しても第一シート状物11の前端を検出することが可能である。
【0095】
第二補正センサ152は第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12の前端を検出するものである。第二補正センサ152は光センサからなり、圧接ローラ130と第二サクションコンベア120の下流端(前第二搬送プーリ122)との間、より詳細には圧接ローラ130と後述する補正ローラ153との間に配置される。
なお、第二補正センサ152を第二サクションコンベア120における第二シート状物12の第二搬送経路Bの中途部(例えば、第二搬送ベルト121の上側の外周面に対向する位置)に配置しても第二シート状物12の前端を検出することが可能である。
【0096】
本実施形態における第一補正センサ151及び第二補正センサ152は光センサであるが、例えば超音波センサ、静電容量センサ等の他の非接触式センサを用いることも可能である。
なお、第一シート状物11の前端および第二シート状物12の前端の位置を精度良く検出し、ひいては第二シート状物12の前端の搬送方向の位置を精度良く補正する観点からは、第一補正センサおよび第二補正センサを細く絞ったレーザ光を用いた光センサで構成することが望ましい。
【0097】
補正ローラ153は第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12を挟む一対のローラである。補正ローラ153は主として駆動補正ローラ153a、押圧補正ローラ153b等を具備する。
【0098】
駆動補正ローラ153aは前第二搬送プーリ122の第二搬送経路Bの下流方向に配置される。駆動補正ローラ153aの回転軸153cの軸線方向は左右方向に略一致する。駆動補正ローラ153aは補正モータ154により左側面視(図1)反時計回りに回転駆動される。
【0099】
押圧補正ローラ153bは第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12を駆動補正ローラ153aへ押圧するものであり、第二搬送経路Bを基準として駆動補正ローラ153aの反対側に配置される。押圧補正ローラ153bの回転軸153dの軸線方向は左右方向に略一致する。押圧補正ローラ153bはバネ部材153eの付勢力により駆動補正ローラ153aに接近する方向に付勢される。
【0100】
第二サクションコンベア120により搬送されてきた第二シート状物12の前端が補正ローラ153に到達すると、第二シート状物12は駆動補正ローラ153aと押圧補正ローラ153bの間に巻き込まれる。
【0101】
補正モータ154は駆動補正ローラ153aを駆動するものである。補正モータ154の回転数は補正モータ制御部155により制御される。
【0102】
補正モータ制御部155は第一補正センサ151による第一シート状物11の前端の検出に係る情報と第二補正センサ152による第二シート状物12の前端の検出に係る情報とに基づいて第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量を算出し、当該遅れ量に基づいて補正モータ154の回転数を制御するものである。
補正モータ制御部155は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
補正モータ制御部155には補正ローラ153の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
【0103】
補正モータ制御部155は第一補正センサ151に接続され、第一補正センサ151による第一シート状物11の前端の検出を検出信号として受信することが可能である。
補正モータ制御部155は第二補正センサ152に接続され、第二補正センサ152による第二シート状物12の前端の検出を検出信号として受信することが可能である。
補正モータ制御部155は補正モータ154に接続され、補正モータ154の回転数(ひいては補正ローラ153による第二シート状物12の搬送速度)の調整に係る信号を補正モータ154に送信することが可能である。
【0104】
補正モータ制御部155は、第二シート状物12の補正時以外は補正ローラ153による第二シート状物12の搬送速度と第二サクションコンベア120による第二シート状物12の搬送速度とが一致するように補正モータ154の回転数を調整する。
【0105】
補正モータ制御部155は、第一補正センサ151及び第二補正センサ152により検出される第一シート状物11及び第二シート状物12の前端の検出信号に基づいて、第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量を算出する。
具体的には、第一補正センサ151による第一シート状物11の前端の検出時から第二補正センサ152による第二シート状物12の前端の検出時までの時間間隔、及び、予め設定される第一補正センサ151及び第二補正センサ152から圧接ローラ130までのそれぞれの距離に基づいて上記遅れ量を算出する。
補正モータ制御部155は、算出された遅れ量に基づいて補正モータ154の回転数の上昇量および補正モータ154の回転数が上昇している時間を算出する。
補正モータ制御部155は、算出された「補正モータ154の回転数の上昇量」および「補正モータ154の回転数が上昇している時間」に基づいて、補正ローラ153が第二シート状物12を挟んでいるときに補正モータ154の回転数を上げるとともに補正モータ154の回転数が上がった状態を保持し、その後補正モータ154の回転数を再びもとの回転数へと戻す。
補正モータ154の回転数が上がっている間、補正ローラ153に挟まれている第二シート状物12の搬送速度は第二サクションコンベア120による搬送速度よりも大きい速度となるため、第二シート状物12は第二サクションコンベア120に吸着されつつも第二搬送経路Bの搬送方向に引っ張られることとなる。
このようにして、第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量は補正され、第一サクションコンベア110により搬送されてきた第一シート状物11の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングと第二サクションコンベア120により搬送されてきた第二シート状物12の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングとが一致する。
【0106】
以下では図1及び図5を用いて、合紙機10による第一シート状物11と第二シート状物12との合紙作業について当該第二シート状物12の速度変化と併せて説明する。
なお、本実施形態における第一シート状物11は一定の搬送速度V2で第一搬送経路Aを搬送される。
【0107】
接着剤塗布装置30により上面に接着剤が塗布された素材第一シート状物1は、接着剤塗布装置30の前方に配置される素材搬送サクションコンベア40によって切断装置50へ供給される。
【0108】
切断装置50は、素材第一シート状物1を所定の長さに切断することにより第一シート状物11を作製し、当該第一シート状物11を第一サクションコンベア110へと供給する。
【0109】
一方、給紙装置20のテーブル21上面に積層された複数の第二シート状物12・12・・・のうち最上部の第二シート状物12は時間T0から時間T1にかけて給紙装置20の供給部23によって順次貼合装置60の同期供給装置140へと供給される。
【0110】
給紙装置20によって同期供給装置140へと供給された第二シート状物12は時間T1から時間T2にかけて繰り出しベルト142aにより前方へ搬送される。繰り出しベルト142aの搬送速度V1は第二サクションコンベア120の搬送速度V2よりも小さく、給紙装置20により同期供給装置140へ供給される第二シート状物12の前部はその直前に同期供給装置140へ供給された第二シート状物12の後部の下に重なるように供給される(図2参照)。
【0111】
同期繰り出し制御部142gは、繰り出しベルト142a上の第二シート状物12・12・・・のうち最初に第二サクションコンベア120へと繰り出される第二シート状物12が前見当爪142L・142Rよりも第二搬送経路Bの上流側にあるときに、前見当爪142L・142Rを上昇させ、時間T2において当該第二シート状物12の前端と前見当爪142L・142Rの後端とを当接させる。
これにより前見当爪142L・142Rと当接した第二シート状物12の前端の辺の長手方向を左右方向に一致させ、ずれを修正する。
【0112】
同期繰り出し制御部142gは前見当爪142L・142Rによって第二シート状物12のずれを修正した後、時間T3において前見当爪142L・142Rを下降させ、当該第二シート状物12は再び繰り出しベルト142aにより搬送速度V1で搬送される。
【0113】
同期繰り出し制御部142gは前見当爪142L・142Rを下降させた後、同期繰り出し制御部142gは時間T4において同期繰り出しローラ昇降機構142fを作動させることにより同期繰り出しローラ142eを繰り出しベルト142a上の第二シート状物12に当接させると共に回転駆動させる。これによって同期繰り出し制御部142gは、第二サクションコンベア120に繰り出された第二シート状物12が第二サクションコンベア120により搬送され、かつ補正装置150により補正されることなく圧接ローラ130に供給された場合に、第二シート状物12の前端の位置が同じく圧接ローラ130に供給された第一シート状物11の前端よりも所定距離遅れるタイミングで時間T4から時間T5にかけて当該第二シート状物12を第二サクションコンベア120へ繰り出す。
上記の如く繰り出しベルト142aにより第二シート状物12を搬送速度V1で搬送しながら同期繰り出しローラ142eにより第二サクションコンベア120へ繰り出すことで、第二シート状物12を繰り出す際の速度変化(第二サクションコンベア120による搬送速度V2と繰り出しベルト142aによる搬送速度V1との差)を小さくし慣性力の変化に伴う第二シート状物12の位置のずれの発生を抑制することが可能となる。
【0114】
切断装置50により作製された第一シート状物11は第一サクションコンベア110によって吸着されつつ搬送速度V2で圧接ローラ130へと搬送される。
同期供給装置140により繰り出された第二シート状物12は第二サクションコンベア120によって吸着されつつ第一サクションコンベア110の搬送速度と同じ速度(搬送速度V2)で補正装置150へと搬送される。
第一シート状物11及び第二シート状物12は第一サクションコンベア110及び第二サクションコンベア120に吸着されているため、搬送過程において位置のずれやたわみ等が発生することがない。
【0115】
第一シート状物11が第一サクションコンベア110により圧接ローラ130へと搬送される第一搬送経路Aの中途部において、第一補正センサ151は第一シート状物11の前端を検出する。
第二シート状物12が第二サクションコンベア120により補正装置150へと搬送される第二搬送経路Bの中途部において、第二補正センサ152は第二シート状物12の前端を検出する。
補正モータ制御部155は第一補正センサ151及び第二補正センサ152の検出信号に基づいて第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量を算出し、当該遅れ量に基づいて補正モータ154の回転数の上昇量および補正モータ154の回転数が上昇している時間を算出する。
補正モータ制御部155は上記「補正モータ154の回転数の上昇量」および「補正モータ154の回転数が上昇している時間」に基づいて、補正モータ154の回転数を制御する。
具体的には、補正モータ制御部155は補正ローラ153が第二シート状物12を挟んでいるときに時間T6から時間T7にかけて補正モータ154の回転数を上げ、補正装置150による搬送速度を搬送速度V3まで加速させる。
補正モータ制御部155は第二シート状物12を時間T7から時間T8にかけて搬送速度V3で搬送した後、時間T8から時間T9にかけて補正モータ154の回転数を下げ、再び補正装置150の搬送速度を搬送速度V2まで減速させる。
上記の如く、時間T6から時間T9にかけて補正モータ制御部155により補正装置150の搬送速度を制御することで、第二シート状物12の第一シート状物11に対する遅れ量が補正され、第一サクションコンベア110により搬送されてきた第一シート状物11の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングと第二サクションコンベア120により搬送されてきた第二シート状物12の前端が圧接ローラ130に到達するタイミングとが一致する。
【0116】
第一シート状物11及び第二シート状物12を搬送する手段として第一サクションコンベア110及び第二サクションコンベア120を用いることで、第一シート状物11及び第二シート状物12を確実に搬送面に吸着させ、可撓性に富んだ第一シート状物11及び第二シート状物12であってもめくれやたわみが発生することがない。
さらに、補正装置150による上記補正において、第一補正センサ151及び第二補正センサ152として光センサを用いることで、第一シート状物11及び第二シート状物12の前端を精度よく検出することができる。
つまり上記の如く構成することで第一シート状物11及び第二シート状物12の前端の位置を確実に検出することができ、第一シート状物11及び第二シート状物12の前端を確実に一致させた状態で第一シート状物11及び第二シート状物12を圧接ローラ130へと供給することが可能となる。
【0117】
また、第一補正センサ151を第一サクションコンベア110における第一シート状物11の第一搬送経路Aの中途部に、第二補正センサ152を第二サクションコンベア120における第二シート状物12の第二搬送経路Bの中途部に、それぞれ配置すると、第一サクションコンベア110に吸着された状態の第一シート状物11及び第二サクションコンベア120に吸着された状態の第二シート状物12の前端の検出を行うことができる。これにより、上記検出時に第一シート状物11及び第二シート状物12の前端がそれぞれ宙に浮くことがないため、第一シート状物11及び第二シート状物12がたわむことがなく、よりいっそう第一補正センサ151及び第二補正センサ152による検出の精度を高め、ひいては補正装置150による補正の精度を高めることが可能となる。
【0118】
時間T9以降、第一サクションコンベア110及び補正装置150により前端を一致させて圧接ローラ130に供給された第一シート状物11及び第二シート状物12は、搬送速度V2で搬送されながら圧接ローラ130において圧接されることで重合シート状物13を形成し、第三搬送経路Cの下流方向へ搬送される。
【0119】
以下では図6から図8を用いて、枚葉装置200について説明する。
なお、図6に示す如く本実施形態に係る貼合装置60においては、同じ構造の二つの枚葉装置200・200が第二サクションコンベア120の上方に左右方向に間隔を空けて並んで配置されている。以下では一方の枚葉装置200についてのみ説明する。
【0120】
枚葉装置200は、二枚の第二シート状物12・12が重なった状態で第二サクションコンベア120により搬送される場合に、二枚の第二シート状物12・12を枚葉する(二枚の第二シート状物12・12の一方を他方から剥離する)装置である。
枚葉装置200は主として吸着装置210、枚葉サクションコンベア220、重複状態検出装置230、回収容器240等を具備する。
【0121】
吸着装置210は第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12(本実施形態の場合、上側の第二シート状物12)を吸着し、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12(本実施形態の場合、下側の第二シート状物12)から浮いた状態にするものである。
吸着装置210は後述する第一枚葉サクションコンベア220aと第二枚葉サクションコンベア220bとの間に配置される。吸着装置210は主として吸盤211、吸盤エアホース212、吸盤吸引装置213、支持部材214、摺動アクチュエータ215等を具備する。
【0122】
吸盤211はゴムや樹脂等の柔らかい材質からなり、下部には第二サクションコンベア120と略平行に対向した面(以下、単に「吸着面」という)が形成される。吸盤211の内部には前記吸着面と吸盤エアホース212とを連通する経路211aが形成される。
【0123】
吸盤エアホース212は吸盤211と吸盤吸引装置213とを連通接続するものである。
吸盤吸引装置213はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。吸盤吸引装置213の吸気ポートは吸盤エアホース212に接続される。
吸盤211と第二サクションコンベア120の搬送面との隙間(吸盤211の吸着面から第二サクションコンベア120の搬送面までの距離)は、吸盤211の吸着面からのエアの吸引により上側の第二シート状物12を吸着することが可能となる程度に設定される。
吸盤211の下方に第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12が到達したときに吸盤吸引装置213の吸気ポートからエアが吸引されると、吸盤エアホース212及び吸盤211内に形成された経路211aを介して吸盤211の吸着面からエアが吸引される。
その結果、上側の第二シート状物12、より詳細には上側の第二シート状物12の前端部は吸盤211の吸着面に吸着され、下側の第二シート状物12(の前端部)から浮いた状態となる(図9参照)。
【0124】
支持部材214は吸盤211を第二サクションコンベア120の搬送面に沿って摺動可能に支持するものである。支持部材214は主として摺動部材214a、摺動ガイド214b等を具備する。
【0125】
摺動部材214aは吸盤211を支持する部材であり、摺動ガイド214bの長手方向に摺動可能に係合される。
摺動ガイド214bはその長手方向が第二サクションコンベア120の搬送方向と略平行となるように後述する右プーリ支持部材228cに固定されるレール状の部材である。
【0126】
摺動アクチュエータ215は摺動部材214aを摺動ガイド214bの長手方向後方に摺動させるものである。
摺動アクチュエータ215はシリンダ本体215a、およびシリンダ本体215aに摺動可能に挿入されたシリンダロッド215bからなるエアシリンダである。
シリンダ本体215aは、その長手方向が摺動ガイド214bの長手方向に一致するように後述する左プーリ支持部材228bに固定される。シリンダロッド215bの先端部(シリンダ本体215aから突出している方の端部)は摺動部材214aの前端に当接する。
【0127】
本実施形態の摺動アクチュエータ215はエアシリンダからなるが、その他に油圧シリンダやソレノイドアクチュエータ等を用いることも可能である。
【0128】
枚葉サクションコンベア220は吸着装置210に吸着されることにより第二サクションコンベア120に吸着されている下側の第二シート状物12から浮いた状態となった上側の第二シート状物12を吸着しつつ回収容器240へ搬送するものである。
枚葉サクションコンベア220は主として第一枚葉サクションコンベア220a、第二枚葉サクションコンベア220b等を具備する。
【0129】
第一枚葉サクションコンベア220aは第二サクションコンベア120の上方に配置される。第一枚葉サクションコンベア220aは主として枚葉搬送ベルト221、前枚葉搬送プーリ222、後枚葉搬送プーリ223、枚葉吸引ケース224、枚葉エアホース225、枚葉吸引装置226、枚葉駆動モータ227、右プーリ支持部材228a、左プーリ支持部材228b等をそれぞれ具備する。
なお、図8では説明の便宜上、第二枚葉サクションコンベア220b、枚葉吸引ケース224、枚葉エアホース225、枚葉吸引装置226、及び枚葉駆動モータ227を省略している。
【0130】
枚葉搬送ベルト221はその外周面上に上側の第二シート状物12を吸着して搬送するものである。枚葉搬送ベルト221には外周面と内周面とを貫通する複数の孔である枚葉搬送ベルト孔221a・221a・・・が全周にわたって形成されている。枚葉搬送ベルト221は前枚葉搬送プーリ222及び後枚葉搬送プーリ223の間に巻回されている。
【0131】
前枚葉搬送プーリ222の回転軸222aの軸線方向は左右方向に略一致する。前枚葉搬送プーリ222は枚葉駆動モータ227により左側面視(図8)で時計回りに回転駆動される。
後枚葉搬送プーリ223の回転軸223aの軸線方向は左右方向に略一致する。
【0132】
右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bは略長方形の板状の部材であり、前枚葉搬送プーリ222の回転軸222a及び後枚葉搬送プーリ223の回転軸223aを回動可能に支持するものである。右プーリ支持部材228aは前枚葉搬送プーリ222及び後枚葉搬送プーリ223の右方に、左プーリ支持部材228bは前枚葉搬送プーリ222及び後枚葉搬送プーリ223の左方にそれぞれ配置される。
右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bは、その長手方向が傾斜プーリ127aの上端と後第二搬送プーリ123の上端との間における第二搬送経路Bの方向と平行になるように配置される。また、右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bの長手方向略中央部が傾斜プーリ127aの上方に位置するよう配置される。前枚葉搬送プーリ222の回転軸222aは左側面視(図8)で右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bの前端部に、後枚葉搬送プーリ223の回転軸223aは左側面視(図8)で右プーリ支持部材228a及び左プーリ支持部材228bの後端部に、それぞれ支持される。
左プーリ支持部材228bの左側面には摺動アクチュエータ215のシリンダ本体215aが固定される。
【0133】
枚葉吸引ケース224は枚葉搬送ベルト221の内周面で囲まれた空間に配置される略直方体形状の箱である。枚葉吸引ケース224の下面、すなわち枚葉搬送ベルト221のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分に対向する面には枚葉吸引ケース224の内部空間と外部とを連通する複数の枚葉吸引ケース孔224a・224a・・・が形成される。
【0134】
枚葉エアホース225は枚葉吸引ケース224と枚葉吸引装置226とを連通接続するものである。
枚葉吸引装置226はエアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。枚葉吸引装置226の吸気ポートは枚葉エアホース225に接続される。
枚葉吸引装置226が作動して吸気ポートからエアが吸引されると、枚葉吸引ケース224の内部空間は負圧となり、枚葉吸引ケース孔224a・224a・・・を通して枚葉吸引ケース224の内部空間にエアが吸引される。
枚葉吸引ケース224の下面と枚葉搬送ベルト221のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分との隙間は小さいので、枚葉吸引ケース孔224a・224a・・・を通して枚葉吸引ケース224の内部空間にエアが吸引されると、当該隙間も負圧となる。
その結果、枚葉搬送ベルト孔221a・221a・・・を通して当該隙間にエアが吸引される。
【0135】
枚葉搬送ベルト221のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分に吸着装置210により吸着された上側の第二シート状物12の前端部が接すると、当該部分に対応する枚葉搬送ベルト孔221a・221a・・・が上側の第二シート状物12より塞がれる形となり、上側の第二シート状物12の前端部は枚葉搬送ベルト221に吸着される(図9参照)。
【0136】
なお、上側の第二シート状物12の前端部が枚葉搬送ベルト221に吸着された後に、吸盤吸引装置213によるエア吸引、ひいては吸着装置210による上側の第二シート状物12の吸着が停止される。
また、枚葉駆動モータ227の回転数(回転速度)は、枚葉搬送ベルト221の外周面の移動速度、ひいては枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度が第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度と同じとなるように設定される。
【0137】
上側の第二シート状物12の前端部が枚葉搬送ベルト221に吸着されると、上側の第二シート状物12は、その前端部から後端部にかけて徐々に下側の第二シート状物12から剥離され、順次枚葉搬送ベルト221に吸着される。
その結果、上側の第二シート状物12は最終的には下側の第二シート状物12から完全に剥離され、上側の第二シート状物12の上面が全面にわたって第二搬送ベルト121に当接した状態で吸着される。
【0138】
本実施形態では、枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度と第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度とを同じとしたが、これらの搬送速度は必ずしも同じでなくても良い。
ただし、第二搬送ベルト121に吸着された下側の第二シート状物から剥離された上側の第二シート状物12が伸びた状態で(撓むことなく)枚葉搬送ベルト221に吸着されるためには、枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度が第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度以上であることが望ましい。
さらに、上側の第二シート状物12が下側の第二シート状物12から剥離される過程で下側の第二シート状物12がまだ重なっている部分を有する上側の第二シート状物12に引きずられて第二搬送ベルト121における吸着位置がずれることを防止する観点からは、枚葉搬送ベルト221に吸着された上側の第二シート状物12の搬送速度と第二搬送ベルト121による下側の第二シート状物12の搬送速度とを同じとし、下側の第二シート状物12と上側の第二シート状物12とが重なっている部分にスラスト力(シート面に平行な方向の力)が極力作用しないようにすることが望ましい。
【0139】
第二枚葉サクションコンベア220bは第二サクションコンベア120の上方であって、第一枚葉サクションコンベア220aの左方に間隔を空けて並んで配置される。
本実施形態における第二枚葉サクションコンベア220bは、基本的には第一枚葉サクションコンベア220aと略同じ構成である。よって、図7において第一枚葉サクションコンベア220aと略同じ構成の部材については同じ部材番号を付し、説明を省略する。
【0140】
第二枚葉サクションコンベア220bが第一枚葉サクションコンベア220aと異なる点は、左プーリ支持部材228dの左側面には摺動アクチュエータ215が固設されておらず、右プーリ支持部材228cの右側面には摺動ガイド214bが固設されている点である。
また、第一枚葉サクションコンベア220aと第二枚葉サクションコンベア220bを左右に並べて配置し同一の回転軸222aを用いることで、一台の枚葉駆動モータ227で第一枚葉サクションコンベア220a及び第二枚葉サクションコンベア220bの前枚葉搬送プーリ222・222を回転させる構成としている。
【0141】
なお、本実施形態においては第二サクションコンベア120の上方に左右方向に間隔を空けて並んで配置されている同じ構造の二つの枚葉装置200・200についても同一の回転軸222aを用いて、一台の枚葉駆動モータ227でそれぞれの第一枚葉サクションコンベア220a及び第二枚葉サクションコンベア220bの前枚葉搬送プーリ222・222を回転させる構成とする。
【0142】
摺動アクチュエータ215及び摺動ガイド214bは、吸盤211の吸着面が枚葉搬送ベルト221の外周面のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分と略同じ高さとなるように左プーリ支持部材228b及び右プーリ支持部材228cにそれぞれ配置される。
【0143】
なお、第二搬送ベルト121の外周面のうち傾斜プーリ127aの上端と後第二搬送プーリ123の上端との間に張られている部分と吸盤211の吸着面との隙間は微小なものであるが、説明の便宜上図1、図8及び後述する図9から図13では当該隙間を大きく図示している。
【0144】
重複状態検出装置230は吸着装置210よりも第二搬送経路Bの上流側において第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出するものである。重複状態検出装置230は主として重複状態検出センサ231、重複状態検出制御部232等を具備する。
【0145】
重複状態検出センサ231は第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であることを検出するものである。
重複状態検出センサ231は第二搬送経路Bにおいて吸着装置210よりも上流側であって第二搬送経路Bの上方に配置される。重複状態検出センサ231は、その下方を第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であることを検出する。
重複状態検出センサ231として用いるセンサとしては、(1)第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12の上下に配置した平行平板電極間の静電容量の変化に基づいて第二シート状物12の枚数を検出する静電容量センサ、(2)超音波を第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12のシート面(上下面)に直交する向きに照射し、第二シート状物12を透過する超音波の強度(透過率)に基づいて第二シート状物12の枚数を検出する超音波センサ、等が挙げられる。
【0146】
重複状態検出制御部232は重複状態検出センサ231の検出結果に基づいて、吸着装置210及び枚葉サクションコンベア220の動作を制御するものである。重複状態検出制御部232は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
重複状態検出制御部232には吸着装置210及び枚葉サクションコンベア220の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
【0147】
重複状態検出制御部232は重複状態検出センサ231に接続され、第二サクションコンベア120により搬送されている第二シート状物12・12が二枚重なった状態であることを検出信号として受信することが可能である。
重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213に接続され、吸盤吸引装置213の作動及び停止の制御に係る信号を吸盤吸引装置213に送信することが可能である。
重複状態検出制御部232は摺動アクチュエータ215に接続され、摺動アクチュエータ215の作動及び停止の制御に係る信号を摺動アクチュエータ215に送信することが可能である。
重複状態検出制御部232は枚葉駆動モータ227に接続され、枚葉駆動モータ227の作動及び停止の制御に係る信号を枚葉駆動モータ227に送信することが可能である。
重複状態検出制御部232は枚葉吸引装置226に接続され、枚葉吸引装置226の作動及び停止の制御に係る信号を枚葉吸引装置226に送信することが可能である。
【0148】
重複状態検出制御部232は、重複状態検出センサ231より受信する第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態である旨の検出信号に基づいて、吸盤吸引装置213、摺動アクチュエータ215、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226を作動及び停止させ、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を枚葉させる。
【0149】
なお、上記吸盤吸引装置213、摺動アクチュエータ215、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226それぞれの作動及び停止のタイミングを決定する方法としては、重複状態検出センサ231により第二シート状物12・12が二枚重なった状態であることが検出された時点を基準として、(1)所定の時間が経過したときに作動及び停止させる方法、(2)枚葉駆動モータ227の回転回数をカウントし、枚葉駆動モータ227が所定の回数だけ回転したときに作動及び停止させる方法、等が挙げられる。
【0150】
回収容器240は枚葉サクションコンベア220により枚葉された第二シート状物12を回収するものである。回収容器240は主として回収テーブル241、前方規制部材242等を具備する(図1参照)。
【0151】
回収テーブル241は前枚葉搬送プーリ222の下方から前方にかけて下方に傾斜して配置される略長方形の板状の部材である。枚葉サクションコンベア220により枚葉された第二シート状物12は回収テーブル241上に回収される。
【0152】
前方規制部材242は回収テーブル241上に回収された第二シート状物12の前方への移動を規制する略長方形の板状の部材である。前方規制部材242は回収テーブル241の前端に回収テーブル241に対して垂直に固設される。
【0153】
以下では図9から図13を用いて、本実施形態に係る枚葉装置200による枚葉作業について説明する。
【0154】
重複状態検出制御部232は重複状態検出センサ231から第二サクションコンベア120によって搬送される第二シート状物12・12が二枚重なった状態である旨の検出信号を受信した場合、吸着装置210及び枚葉サクションコンベア220を作動させる。具体的には重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213、枚葉駆動モータ227、枚葉吸引装置226を作動させる。
【0155】
図9に示すように、二枚の重なった第二シート状物12・12が吸盤211の下方に到達すると、吸盤吸引装置213による吸引力により、当該二枚の重なった第二シート状物12・12のうち上側の第二シート状物12の前端部が吸盤211の吸着面に吸着され、当該上側の第二シート状物12の吸着された部分が第二サクションコンベア120に吸着されている下側の第二シート状物12から浮いた状態になる。
吸盤211の吸着面に吸着された上側の第二シート状物12の前端部は枚葉サクションコンベア220に接するため、枚葉サクションコンベア220の吸引力により枚葉搬送ベルト221の搬送面(枚葉搬送ベルト221の外周面のうち前枚葉搬送プーリ222の下端と後枚葉搬送プーリ223の下端との間に張られている部分)に吸着される。
【0156】
図10に示すように、上側の第二シート状物12が枚葉搬送ベルト221に吸着されつつ前方へ搬送されることにより、当該上側の第二シート状物12を吸着している吸盤211も前方へ摺動される。
吸盤211が上記の如く摺動することにより、上側の第二シート状物12を損傷することなく滑らかに枚葉搬送ベルト221に吸着させることが可能となる。
【0157】
図10及び図11に示すように、上側の第二シート状物12は、その前端部から後端部にかけて徐々に下側の第二シート状物12から剥離され、順次枚葉搬送ベルト221に吸着される。
上側の第二シート状物12の前端部が枚葉搬送ベルト221に吸着された後であって吸盤211が前後に摺動可能な範囲の前端に到達する前に、吸盤吸引装置213によるエア吸引、ひいては吸着装置210による上側の第二シート状物12の吸着が停止される。
【0158】
図12に示すように、下側の第二シート状物12から剥離された上側の第二シート状物12は、その前端部から後端部までを枚葉搬送ベルト221に吸着されつつ前方へ搬送される。
下側の第二シート状物12は枚葉サクションコンベア220により吸着されたまま前方へ搬送される。
【0159】
図13に示すように、上側の第二シート状物12は枚葉サクションコンベア220の前端(前枚葉搬送プーリ222の下端)から回収容器240の回収テーブル241上へと排出され、その後、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226は停止される。
重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213を停止した後、摺動アクチュエータ215を作動させ、吸盤211を再び枚葉サクションコンベア220の後方(上側の第二シート状物12の前端部を吸着開始する位置)へと押し戻す。
【0160】
重複状態検出センサ231が第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12が一枚だけの状態であることを検出した場合、重複状態検出制御部232は吸盤吸引装置213、摺動アクチュエータ215、枚葉駆動モータ227及び枚葉吸引装置226を作動させない。
【0161】
本実施形態の如く、吸着装置210を第一枚葉サクションコンベア220aと第二枚葉サクションコンベア220bとの間に配置することで、吸着装置210により吸着された上側の第二シート状物12を吸着装置210の左右から第一枚葉サクションコンベア220a及び第二枚葉サクションコンベア220bにより吸着することができる。これにより当該第二シート状物12を確実に枚葉サクションコンベア220に吸着させることができる。
【0162】
以上の如く、本実施形態の枚葉装置200は、
第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12を枚葉する枚葉装置200であって、
第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を吸着することにより第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12から浮いた状態とする吸着装置210と、
第二サクションコンベア120の搬送面から所定距離離れた位置に配置され、吸着装置210により第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12から浮いた状態となった第二シート状物12を吸着しつつ搬送する枚葉サクションコンベア220と、
を具備するものである。
このように構成することにより、第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を枚葉することが可能である。
【0163】
また、枚葉装置200の吸着装置210は、
第二サクションコンベア120により搬送される二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12をエア吸引により吸着し、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12が枚葉サクションコンベア220に吸着された後にエア吸引を停止する吸盤211と、
吸盤211を枚葉サクションコンベア220の搬送面に沿って摺動可能に支持する支持部材214と、
前記エア吸引を停止した吸盤211を支持部材214に沿って枚葉サクションコンベア220の搬送面の上流端側に移動させる摺動アクチュエータ215と、
を具備するものである。
このように構成することにより、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を損傷することなく滑らかに枚葉サクションコンベア220に吸着させることが可能である。
【0164】
また、本実施形態の枚葉装置200は、
第二搬送経路Bにおいて吸着装置210よりも上流側に配置され、第二搬送経路Bに沿って搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出する重複状態検出装置230を具備し、
吸着装置210は、
重複状態検出装置230により第二搬送経路Bに沿って搬送される第二シート状物12が二枚重なった状態であることが検出された場合には、二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を吸着し、
重複状態検出装置230により第二搬送経路Bに沿って搬送される第二シート状物12が一枚だけの状態であることが検出された場合には、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12を吸着しないものである。
このように構成することにより、第二シート状物12が二枚重複した状態で搬送されている場合にのみ吸着装置210を作動させ、二枚の重なった第二シート状物12・12のうち、第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12に重なっている第二シート状物12を枚葉することが可能である。
【0165】
また、本実施形態の枚葉装置200は、
枚葉サクションコンベア220の搬送面の下流端から第二サクションコンベア120の搬送面までの距離は、枚葉サクションコンベア220の搬送面の上流端から第二サクションコンベア120の搬送面までの距離よりも大きいものである。
このように構成することにより、枚葉サクションコンベア220により吸着した第二シート状物12と第二サクションコンベア120に吸着されている第二シート状物12との間隔を離間させることが可能である。
【0166】
また、本実施形態の枚葉装置200は、
枚葉サクションコンベア220により搬送された第二シート状物12を回収する回収容器240を具備するものである。
このように構成することにより、枚葉した第二シート状物12を散乱させることなく回収することが可能である。
【0167】
以下では図14及び図15を用いて、貼合装置60の他の実施形態である貼合装置360を具備する合紙機310について説明する。
なお、以下の合紙機310に関する説明において、前述の合紙機10と略同一の構成の部材には同一の部材番号を付し、説明を省略する。
また、以下では説明の便宜上、図14及び図15における紙面の上方向を「上方向」、左方向を「前方向」とそれぞれ定義し、当該定義に基づいて方向の説明を行う。
【0168】
合紙機310は、第一シート状物11及び第二シート状物12を給紙、接着剤を塗布、切断、及び貼合し、合紙するものである。
合紙機310は、主として給紙装置20、接着剤塗布装置30、貼合装置360等を具備する。
【0169】
以下では図14及び図15を用いて、貼合装置360について説明する。
なお、以下の貼合装置360に関する説明において、前述の貼合装置60と略同一の構成の部材には同一の部材番号を付し、説明を省略する。
【0170】
貼合装置360は、第一シート状物11と第二シート状物12とを貼り合わせるものである。貼合装置360は、主として第一サクションコンベア110、第二サクションコンベア120、圧接ローラ130、同期供給装置140、補正装置150、第一給紙装置160、水塗布装置170、枚葉装置200等を具備する。
【0171】
以下では図14及び図15を用いて、第一給紙装置160について説明する。
第一給紙装置160は、積層された第一シート状物11・11・・・から一枚の第一シート状物11のみを枚葉し、給紙するものである。第一給紙装置160は、主として第一給紙テーブル161、枚葉仕切り板162、吸着タンク163、第一繰り出しローラ164、第一繰り出しモータ165、第一供給ローラ166、第一給紙センサ167、第一給紙制御部168等を具備する。
【0172】
第一給紙テーブル161は、積層された第一シート状物11・11・・・を支持するための部材である。第一シート状物11・11・・・は第一給紙テーブル161の上面に載置される。
【0173】
第一給紙テーブル161の上面には、サイドガイド161a・161aが配置される。サイドガイド161aは略長方形状に形成された板状の部材である。サイドガイド161a・161aは、互いに第一シート状物11の左右方向幅と略同一間隔だけ離間された状態で配置される。サイドガイド161a・161a間に載置された第一シート状物11・11・・・の左右両側面がサイドガイド161a・161aにそれぞれ当接することにより、左右方向にばらつく事なく積層される。
なお、サイドガイド161a・161a間の間隔を変更可能な構成とすることも可能である。これにより、第一シート状物11の左右方向幅と異なる幅を有するシート状物も、第一給紙装置160で給紙することが可能となる。
【0174】
第一給紙テーブル161の上面には、シート受けローラ161bが配置される。シート受けローラ161bの図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。シート受けローラ161bは、前記回転軸を中心に回動可能に支持される。シート受けローラ161bの上端は、積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11の下面に当接する。シート受けローラ161bは、積層された第一シート状物11・11・・・を支持するとともに、前記最下部の第一シート状物11が繰り出される際には当該第一シート状物11の移動に伴って回転する。これにより、当該第一シート状物11を円滑に繰り出すことが可能となる。
なお、本実施形態に限らず、シート受けローラ161bを複数設ける構成とすることも可能である。
【0175】
枚葉仕切り板162は板状の部材であり、サイドガイド161a・161aの前端に当接するよう配置される。枚葉仕切り板162は、第一給紙テーブル161上に積層された第一シート状物11・11・・・の前側面に当接し、当該第一シート状物11・11・・・の前端位置を揃える。枚葉仕切り板162は、枚葉仕切り板162の下端と第一給紙テーブル161の上面とが所定の間隔を置くように配置される。当該間隔は、第一シート状物11の厚みと略同一となるように配置される。
なお、枚葉仕切り板162を上下方向可動に構成し、枚葉仕切り板162の下端と第一給紙テーブル161の上面との間隔を変更可能にすることもできる。
【0176】
吸着タンク163は、第一給紙テーブル161の上面に配置される略直方体形状の箱である。吸着タンク163の上面は、側面視で第一給紙テーブル161の上面と一致するように配置される。吸着タンク163は、平面視でサイドガイド161a・161a間に位置するように配置される。吸着タンク163の上面、すなわち第一給紙テーブル161上に積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11の下面と当接する面には、吸着タンク163の内部空間と外部とを連通する複数の吸着タンク孔163a・163a・・・が形成される。
【0177】
吸着タンク163は、吸着エアホース163bによって給紙吸引装置163cと連通接続される。
給紙吸引装置163cは、エアを吸引するものであり、真空ポンプ等で構成される。給紙吸引装置163cの吸気ポートは、吸着エアホース163bに接続される。
給紙吸引装置163cが作動して前記吸気ポートからエアが吸引されると、吸着タンク163の内部空間は負圧となり、吸着タンク孔163a・163a・・・を通して吸着タンク163の内部空間にエアが吸引される。
第一給紙テーブル161上に第一シート状物11・11・・・が載置されると、第一シート状物11・11・・・が載置された部分に対応する吸着タンク孔163a・163a・・・が塞がれる形となり、第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11は吸着タンク163に吸着される。
【0178】
第一繰り出しローラ164・164は、吸着タンク163の左右にそれぞれ配置される。第一繰り出しローラ164・164の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。第一繰り出しローラ164・164の上端は、側面視で第一給紙テーブル161の上面と一致するように配置される。第一繰り出しローラ164・164は、平面視でサイドガイド161a・161a間に位置するように配置される。すなわち、第一繰り出しローラ164・164の上端は、第一給紙テーブル161上に積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11の下面と当接する。
なお、吸着タンク163及び第一繰り出しローラ164の個数は、本実施形態に限るものではない。
すなわち、吸着タンク163は、積層された第一シート状物11・11・・・のうち最下部の第一シート状物11を吸着することができる構成であればよい。また、第一繰り出しローラ164は、吸着タンク163により吸着される第一シート状物11を繰り出すことができる構成であればよい。
【0179】
第一繰り出しモータ165は、第一繰り出しローラ164・164を駆動するものである。第一繰り出しモータ165は、サーボモータ等の回転数を制御することが可能なモータにより構成される。
【0180】
第一供給ローラ166は、第一シート状物11を挟む一対のローラである。第一供給ローラ166は、主として駆動第一供給ローラ166a、押圧第一供給ローラ166b等を具備する。
【0181】
駆動第一供給ローラ166aは、枚葉仕切り板162の前方に配置される。駆動第一供給ローラ166aの図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。駆動第一供給ローラ166aは、駆動第一供給モータ166cにより左側面視(図14)反時計回りに所定の回転数で回転駆動される。
【0182】
押圧第一供給ローラ166bは、駆動第一供給ローラ166aの上方に配置される。押圧第一供給ローラ166bの図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。押圧第一供給ローラ166bは、バネ部材166dの付勢力により駆動第一供給ローラ166aに接近する方向に付勢される。
【0183】
第一給紙センサ167は、第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12の前端を検出するものである。第一給紙センサ167は光センサからなり、第二サクションコンベア120による第二シート状物12の第二搬送経路Bの中途部に配置される。
【0184】
本実施形態における第一給紙センサ167は光センサであるが、例えば超音波センサ、静電容量センサ等の他の非接触式センサを用いることも可能である。
なお、第一シート状物11の前端および第二シート状物12の前端の位置を精度良く検出し、ひいては第二シート状物12の前端の搬送方向の位置を精度良く補正する観点からは、第一給紙センサを、細く絞ったレーザ光を用いた光センサで構成することが望ましい。
【0185】
第一給紙制御部168は、第一給紙センサ167による第二シート状物12の前端の検出結果に基づいて、第一繰り出しモータ165の動作を制御するものである。第一給紙制御部168は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
補正モータ制御部155には、補正ローラ153の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
【0186】
第一給紙制御部168は、第一給紙センサ167に接続され、第一給紙センサ167による第二シート状物12の前端の検出信号を取得することが可能である。
第一給紙制御部168は、第一繰り出しモータ165に接続され、第一繰り出しモータ165の回転数(ひいては第一繰り出しローラ164による第一シート状物11の搬送速度)の調整に係る信号を第一繰り出しモータ165に送信することが可能である。
【0187】
第一給紙制御部168は、第一給紙センサ167による第二シート状物12の前端の検出信号に基づいて、第一給紙装置160により第一シート状物11が繰り出されるタイミングを算出する。
【0188】
より詳細には、第一給紙制御部168は、第二サクションコンベア120に繰り出された第二シート状物12が第二サクションコンベア120により搬送され、かつ第二シート状物12の前端の第二搬送経路Bにおける位置を補正装置150により補正されることなく圧接ローラ130に供給された場合に、第二シート状物12の前端の位置が同じく圧接ローラ130に供給された第一シート状物11の前端よりも所定距離遅れるタイミングを算出する。
【0189】
第一給紙制御部168は、第一繰り出しモータ165を制御することにより、上記算出されたタイミングにおいて第一シート状物11を第一サクションコンベア110へと供給する。
【0190】
より詳細には、第一給紙制御部168は、上記算出されたタイミングにおいて第一繰り出しモータ165を駆動し、第一繰り出しローラ164を左側面視(図14)反時計回りに回転駆動させる。第一繰り出しローラ164は、吸着タンク163に吸着されている第一シート状物11と当接しているため、当該第一シート状物11は前方へと繰り出される。前述の如く、吸着タンク163により第一シート状物11を吸着することにより、当該第一シート状物11と第一繰り出しローラ164との摩擦力を高め、当該第一シート状物11を確実に繰り出すことができる。
なお、吸着タンク163が第一シート状物11を吸着する際の吸着力は、第一繰り出しローラ164による当該第一シート状物11の繰り出しを妨げない程度に調整される。
第一繰り出しローラ164により繰り出された第一シート状物11は、枚葉仕切り板162の下端と第一給紙テーブル161の上面との隙間を通過して第一供給ローラ166へと供給される。当該隙間の間隔は、第一シート状物11の厚みと略同一であるため、積層された第一シート状物11・11・・・から確実に一枚だけを繰り出すことが可能である。
前記隙間を通過した第一シート状物11は、駆動第一供給ローラ166aが回転することにより、駆動第一供給ローラ166aと押圧第一供給ローラ166bとに挟まれた状態で前方へと搬送される。
【0191】
なお、本実施形態においては、前述の同期供給装置140による第二シート状物12を繰り出すタイミングの算出及び当該タイミングに合わせて第二シート状物12を繰り出す制御は不要である。この場合、同期供給装置140は所定の間隔で第二シート状物12を第二サクションコンベア120へと繰り出す構成とすればよい。
【0192】
以下では図14及び図15を用いて、水塗布装置170について説明する。
水塗布装置170は、第一シート状物11に所定量の水を塗布するものである。水塗布装置170は、主として水槽171、含水ローラ172、水塗布ローラ173、押圧ローラ174等を具備する。
【0193】
水槽171内には、所定量の水が蓄えられる。
含水ローラ172の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。含水ローラ172の下部は、水槽171内に蓄えられた水に浸かるよう配置される。
【0194】
水塗布ローラ173は、第一シート状物11に水を塗布するものである。水塗布ローラ173は、駆動第一供給ローラ166aの前方に配置される。水塗布ローラ173の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。水塗布ローラの下端は、含水ローラ172の上端と当接する。
水塗布ローラ173は、図示せぬ駆動モータにより左側面視(図14)反時計回りに回転駆動される。含水ローラ172は、水塗布ローラ173が回転することで左側面視(図14)時計回りに回転駆動される。水槽171に蓄えられた水は、含水ローラ172を介して水塗布ローラ173の外周面に付着する。
【0195】
押圧ローラ174は、水塗布ローラ173の上方に配置される。押圧ローラ174の図示せぬ回転軸の軸線方向は、左右方向に略一致する。押圧ローラ174は、バネ部材174aの付勢力により水塗布ローラ173に接近する方向に付勢される。
【0196】
第一給紙装置160により給紙された第一シート状物11は、水塗布ローラ173が回転することにより、水塗布ローラ173と押圧ローラ174とに挟まれた状態で前方へと搬送される。この際、水塗布ローラ173の外周面に付着した水が第一シート状物11の下面に塗布される。水塗布装置170を通過した第一シート状物11は、接着剤塗布装置30へと供給される。
【0197】
上記の如く、水塗布装置170により第一シート状物11に所定量の水を塗布することにより、第一シート状物11に塗布された接着剤が乾燥した際に当該第一シート状物11が湾曲することによる不良品の発生を抑制することができる。
【0198】
なお、本実施形態において、貼合装置360は水塗布装置170を具備するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、第一給紙装置160から給紙された第一シート状物11を直接接着剤塗布装置30へと供給する構成とすることも可能である。
【0199】
接着剤塗布装置30へと供給された第一シート状物11は、上接着剤塗布ローラ32の周面と下接着剤塗布ローラ33の周面との間に差し込まれ、接着剤塗布装置30により前方に搬送されるとともに当該第一シート状物11の上面に接着剤が塗布される。接着剤が塗布された第一シート状物11は、第一サクションコンベア110へと供給される。
【0200】
第一サクションコンベア110へと供給された第一シート状物11及び第二サクションコンベア120により搬送される第二シート状物12は、前述の貼合装置60と同様に、補正装置150により第二シート状物12の前端位置を補正した後に、圧接ローラ130により圧接され、重合シート状物13を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本発明に係る枚葉装置を具備する合紙機を示す左側面模式図。
【図2】サクションコンベアを示す斜視図。
【図3】圧接ローラ及び補正装置を示す左側面模式図。
【図4】同期供給装置を示す左側面模式図。
【図5】第二シート状物の搬送速度の変化を示す図。
【図6】本発明に係る枚葉装置の配置される位置を示す平面模式図。
【図7】本発明に係る枚葉装置を示す平面模式図。
【図8】本発明に係る枚葉装置を示す左側面模式図。
【図9】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図10】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図11】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図12】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図13】本発明に係る枚葉装置による枚葉作業の様子を示す左側面模式図。
【図14】本発明に係る枚葉装置を具備する合紙機の他の実施形態を示す左側面模式図。
【図15】第一給紙装置を示す左側面模式図。
【符号の説明】
【0202】
12 第二シート状物(シート状物)
50 貼合装置
110 第一サクションコンベア
120 第二サクションコンベア(搬送サクションコンベア)
130 圧接ローラ
140 同期供給装置
150 補正装置
200 枚葉装置
210 吸着装置
220 枚葉サクションコンベア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置であって、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着することにより前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態とする吸着装置と、
前記搬送サクションコンベアの搬送面から所定距離離れた位置に配置され、前記吸着装置により前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態となったシート状物を吸着しつつ搬送する枚葉サクションコンベアと、
を具備する枚葉装置。
【請求項2】
前記吸着装置は、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物をエア吸引により吸着し、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物が前記枚葉サクションコンベアに吸着された後にエア吸引を停止する吸盤と、
前記吸盤を前記枚葉サクションコンベアの搬送面に沿って摺動可能に支持する支持部材と、
前記エア吸引を停止した吸盤を前記支持部材に沿って前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端側に移動させる摺動アクチュエータと、
を具備する請求項1に記載の枚葉装置。
【請求項3】
前記搬送経路において前記吸着装置よりも上流側に配置され、前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出する重複状態検出装置を具備し、
前記吸着装置は、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であることが検出された場合には、二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着し、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が一枚だけの状態であることが検出された場合には、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物を吸着しない請求項1または請求項2に記載の枚葉装置。
【請求項4】
前記枚葉サクションコンベアの搬送面の下流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離は、前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離よりも大きい請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の枚葉装置。
【請求項5】
前記枚葉サクションコンベアにより搬送されたシート状物を回収する回収容器を具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の枚葉装置。
【請求項1】
搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物を枚葉する枚葉装置であって、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着することにより前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態とする吸着装置と、
前記搬送サクションコンベアの搬送面から所定距離離れた位置に配置され、前記吸着装置により前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物から浮いた状態となったシート状物を吸着しつつ搬送する枚葉サクションコンベアと、
を具備する枚葉装置。
【請求項2】
前記吸着装置は、
前記搬送サクションコンベアにより搬送される二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物をエア吸引により吸着し、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物が前記枚葉サクションコンベアに吸着された後にエア吸引を停止する吸盤と、
前記吸盤を前記枚葉サクションコンベアの搬送面に沿って摺動可能に支持する支持部材と、
前記エア吸引を停止した吸盤を前記支持部材に沿って前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端側に移動させる摺動アクチュエータと、
を具備する請求項1に記載の枚葉装置。
【請求項3】
前記搬送経路において前記吸着装置よりも上流側に配置され、前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であるか一枚だけの状態であるかを検出する重複状態検出装置を具備し、
前記吸着装置は、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が二枚重なった状態であることが検出された場合には、二枚の重なったシート状物のうち、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物に重なっているシート状物を吸着し、
前記重複状態検出装置により前記搬送経路に沿って搬送されるシート状物が一枚だけの状態であることが検出された場合には、前記搬送サクションコンベアに吸着されているシート状物を吸着しない請求項1または請求項2に記載の枚葉装置。
【請求項4】
前記枚葉サクションコンベアの搬送面の下流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離は、前記枚葉サクションコンベアの搬送面の上流端から前記搬送サクションコンベアの搬送面までの距離よりも大きい請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の枚葉装置。
【請求項5】
前記枚葉サクションコンベアにより搬送されたシート状物を回収する回収容器を具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の枚葉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−166981(P2009−166981A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8520(P2008−8520)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(390031691)株式会社二上鉄工所 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(390031691)株式会社二上鉄工所 (7)
【Fターム(参考)】
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