果菜収穫機の果菜類検出装置
【目的】 収穫しようとするきゅうりを正確に検出しようとするものである。
【構成】 カラーカメラ2で撮影して得た画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)信号の中から、R色−B色、又G色−R色から各輝度差画像が検出され、これら輝度差画像が2値化され、2値化画像が作成されて、この2値化画像によって、きゅうりであるか又は葉であるかが検出される。
【効果】 きゅうり判定は輝度の相対値を用いることにより、正確にきゅうりが検出できる。
【構成】 カラーカメラ2で撮影して得た画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)信号の中から、R色−B色、又G色−R色から各輝度差画像が検出され、これら輝度差画像が2値化され、2値化画像が作成されて、この2値化画像によって、きゅうりであるか又は葉であるかが検出される。
【効果】 きゅうり判定は輝度の相対値を用いることにより、正確にきゅうりが検出できる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、果菜収穫機の果菜類検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従来は、果菜収穫機で、例えば果菜類がきゅうりであり、このきゅうりを検出して収穫するときは、栽培された植条に沿って自走しながら、きゅうりの形状はカメラで撮影されて、この撮影によって得られる検出された画像信号を2値化して2値化画像が作成され、この2値化画像の輪郭の縦と横との比が算出され、この算出した比によってきゅうりであるか、又はきゅうり以外の葉であるかが判定され、きゅうりのみが収穫される。
【0003】上記のきゅうり収穫作業のときに、カメラできゅうりを撮影のとき、きゅうりと葉とが重なった状態で撮影されると、2値化画像はきゅうりと葉とが一体になった画像となり、このため縦・横の比が変って、きゅうりでないと誤検出されることがあったが、これを解消して正確にきゅうりを検出させて、正確にきゅうりを収穫させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、果菜類を含む所定範囲をカラーカメラ2で撮影し、これらによって得られる検出画像信号を2値化し、2値化画像を作成する視覚手段6を設けた果菜収穫機において、該カラーカメラ2からのR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)信号の中から該G色(緑)−該R色(赤)の輝度差画像、及び該R色(赤)−該B色(青)の輝度差画像を検出し、これら検出輝度差画像に基づいて果菜類であるか否かを検出する検出制御装置20を設けたことを特徴とする果菜収穫機の果菜類検出装置の構成とする。
【0005】
【発明の作用、及び効果】果菜収穫機では、きゅうりを検出して収穫するときは、栽培された植条に沿って自走させながら、きゅうりの形状をカラーカメラ2で撮影され、この撮影によって得られる検出された画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中から、R色(赤)−B色(青)でG色(緑)系部分の抽出する処理が行われて、輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)で濃いG色(緑)の部分の抽出する処理が行われて、輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)でG色(緑)中から濃いG色(緑)部分を除く処理が行われて、輝度差画像(ハ)が検出されて、この輝度差画像(ハ)を2値化して2値化画像が作成され、この2値化画像から、きゅうりであるか、又は葉であるかが検出され、きゅうりであると検出された、このきゅうりのみが収穫される。
【0006】上記によって、カラーカメラ2は汎用のカメラを使用することができて、低コストであり、又きゅうりの検出には、輝度の相対値を用いることにより、明るさの影響を受けにくく、このために、正確にきゅうりを検出することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図例は、果菜収穫機1を示す図であり、例えばきゅうりの形状をカラーカメラ2で撮影して、この撮影によって得られる検出された画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中からR色(赤)−B色(青)の輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)の輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)で輝度差画像(ハ)が検出され、この輝度差画像(ハ)を2値化して、この2値化画像を作成して、この2値化画像から、きゅうり7を検出する果菜類検出装置について説明する。
【0008】前記果菜収穫機1は、電動式の走行部3上には、果菜類のきゅうり7収穫用のマニピュレータ4、収穫するきゅうりの形状を撮影するカラーカメラ2、きゅうりの位置を検出する位置センサ5よりなる視覚手段6を設けた構成としている。前記果菜収穫機1を使用する栽培圃場は、斜めに設けた支持体9にきゅうり7の樹体8を支持させて生育させる。
【0009】前記マニピュレータ4は、対面する樹体8の傾斜とほぼ平行となるように傾斜させた傾斜枠10と、該傾斜枠10のガイドレール11に沿って昇降自在に装着した基台12と、該基台12の上に水平状に回動自在に設けた本体13と、該マニピュレータ4に設けた関節型を形成するアーム14と、該アーム14先端部に設けたきゅうり7を挟持して切断するハンド装置15とからなる構成である。
【0010】前記傾斜枠10は、ヒンジ16を用いて走行部3に装着させ、背面側を支持リンク17で支えている。該支持リンク17の下端部は、支持板19の長孔18の任意位置へ装着され、この装着位置を調節して該傾斜枠10の傾斜角度を任意に調節することのできる構成としている。マニピュレータ4の各部を作動させることにより、ハンド装置15を収穫対象とするきゅうり7を挟持して、このきゅうり7の果柄部を切断する構成としている。
【0011】前記視覚手段6は、図2の如く、カラーカメラ2、このカラーカメラ2の視野内を水平及び垂直に走査して、対象物のきゅうり7までの距離を測定する位置センサ5及び該カラーカメラ2で、所定の波長の光で撮影した画像を取り込むときの照度を検出する照度センサ19′等よりなる構成である。検出制御装置20は、図1及び図2の如く、視覚手段6内へ設け、カラーカメラ2、位置センサ5及び照度センサ19′が検出する各種検出が、入力回路21を経てCPU22へ入力され、このCPU22で分析処理されて、各種指令が出力回路23を経て指令され、マニピュレータ4等を作動する構成としている。
【0012】前記検出制御装置20は、カラーカメラ2で撮影して、これによって得られる検出画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中から、R色(赤)−B色(青)でG色(緑)系部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)で濃いG色(緑)の部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)でG色(緑)中から濃いG色(緑)部分を除く処理が行われて、輝度差画像(ハ)が検出され、この輝度差画像(ハ)が2値化され、2値化画像が作成され、この2値化画像が該検出制御装置20のCPU22へ入力され、この2値化画像からきゅうり7であるか、又は葉及び茎であると検出されて、この検出により、きゅうり7であると検出されたときは、ハンド装置15で挟持されると共に、切断される構成であり、又この検出により、葉及び茎であると検出されたときは、該ハンド装置15で挟持及び切断されない構成としている。図3は原画像であり、図4は(R色−B色)−(G色−R色)を2値化処理された2値化処理画像である。
【0013】前記検出制御装置20によるきゅうり7の検出手段制御は、下記の如く行われる構成としている。きゅうり7の収穫作業がスタートされ(ステップ101)、カラーカメラ2で撮影されたカラー画像が入力され(ステップ102)、検出画像信号のR色(赤)−B色(青)でG色(緑)系部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(イ)が検出され(ステップ103)、又G色(緑)−R色(赤)で濃いG色(緑)の部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(ロ)が検出され(ステップ104)、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)でG色(緑)中から濃いG色(緑)部分を除く処理が行われて、輝度差画像(ハ)が検出され(ステップ105)、この輝度差画像(ハ)が2値化されて、2値化画像が作成され、この2値化画像からきゅうり7であるか、又は葉及び茎であるかが検出され(ステップ106)、RETされる構成としている(ステップ107)。
【0014】以下、上記実施例の作用について説明する。果菜収穫機1で、例えば果菜類がきゅうり7であり、このきゅうり7を検出して収穫するときは、栽培された植条に沿って、この果菜収穫機1を自走させながら、きゅうり7の形状は、視覚手段6のカラーカメラ2で、所定の波長の光で撮影される。
【0015】この撮影によって得られる検出されたされた画像信号のR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中から、R色(赤)−B色(青)で輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)で輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)で輝度差画像(ハ)が検出されて、検出制御装置20のCPU22へ入力されて2値化され、2値化画像が作成され、この2値化画像から、きゅうり7であるか、又は葉及び茎であるかが検出され、きゅうり7であると検出された、このきゅうり7のみがハンド装置15で挟持されると共に、切断されて収穫される。
【0016】図6〜図13は他の実施例を示す図で、きゅうり7の果実中央部の径から、この果実長の推定を行い、収穫可能なきゅうり7の果実の仮判定を行う構成であり、図6は、きゅうり7の果実、葉、果柄及び茎等を表示した図であり、果実部の中央部の径を検出させる構成である。図7は傾斜栽培角70°で栽培したきゅうり7(91本)の果実部の隠れている箇所数の割合を示す図である。図8は、きゅうり7の果実が1箇所のみが隠れているきゅうり7の隠れの状態を示す図である。図9は、栽培方法、測定方向、テスト結果の内の相関係数について、きゅうり7の果実長との相関、相関係数の差、果実中央の相関係数の95%信頼区間及び曲がり補正による相関係数の変化等を示す図である。図10は、テスト結果の内の回帰によるきゅうり7の果実長の推定精度について、曲がり補正なし、曲がり補正あり等を示す図である。図11及び図12はきゅうり7の果実長の95%信頼区間推定図である。
【0017】前記検出制御装置20によるきゅうり7の果実中央部の径から、この果実長の推定を行い、収穫可能なきゅうり7の果実であるか否かの判定制御は、下記の如く行われる構成としている。きゅうり7の収穫作業がスタートされ(ステップ201)、カラーカメラ2で撮影された画像が入力され(ステップ202)、きゅうり7の果実の識別が行われ(ステップ203)、画像内の果実の数が測定されてn個であると検出され(ステップ204)、測定個数のn個がリセットされ(ステップ205)、n個がn個+1か検出され(ステップ206)、きゅうり7の果実が完全露出しているか検出され(ステップ207)、NOと検出されると果実の中央部、又は果柄部か検出され(ステップ208)、YES(中央部)と検出されると果実長が推定され(ステップ209)、このきゅうり7の果実位置データがセーブされ(ステップ210)、きゅうり7が全て測定されたか検出され(ステップ211)、NOと検出されるとステップ206へ戻る。YESと検出されるとRETされる構成としている(ステップ212)。
【0018】ステップ207でYESと検出されるときゅうり7の果実長が計算され(ステップ213)、ステップ210へ進む構成であり、又ステップ208でNOと検出されるとステップ211へ進む構成としている。上記の構成にしたことにより、きゅうり7の果実の完全露出は約60%程度であり、このためきゅうり7の果実の収穫率の向上を図るためには、障害物に隠れている果実長の推定を行って収穫する必要があり、果実径としては、果柄部、中央部の果実径と果実長の間で相関が認められ、その内で、中央部の方が相関が強いことにより、果実長と果実径(中央部)の回帰式から果実長の推定を行うことにより、収穫率の向上を図ることができる。果実長の推定精度は、標準正規分布より±16〜18mmの誤差で約70%収穫が可能であり、この値はきゅうり7の果実の選別規格の範囲内に入ることにより、問題になることなく、きゅうり7の収穫ができる。
【0019】図14〜図17は、他の実施例を示す図で、図14は、果菜収穫機24の全体正面図である。図1515は、果菜収穫機24の全体平面図である。図16はブロック図である。図17はフローチャートである。果菜収穫機24は、車体25下側の前部の左右両側には前車輪26,26を回転自在に設け、又車体25下側の後部の左右両側には後車輪27,27を回転自在に設け、左側の該後車輪27は駆動モータ(A)28で回転駆動させ、右側の該後車輪27は駆動モータ(B)29で回転駆動する構成としている。
【0020】誘導センサ前(左)、(右)30a,30bは、前車輪26,26の後方部に設け、又誘導センサ後(左)、(右)31a,31bは、後車輪27,27の後方部に設けている。磁気センサ32は、前車輪26,26後方の中間部に設けている。又ターン関節用エンコーダ33,33は、前車輪26,26内側に設けている。34はターン関節原点SWである。
【0021】傾斜板35は、車体25上側に設け、この傾斜板35は、ターン関節モータ36の回転によって、きゅうり7の樹体8の傾斜とほぼ平行となるように傾斜させる構成である。CCDカメラ37は、ステアリングモータ38上部に設け、このステアリングモータ38で該CCDカメラ37、マニピュレータ39、アーム40及びハンド装置41等の収穫部全体を回動調節する構成としている。
【0022】CPU42は、誘導センサ前(左)、(右)30a,30b、誘導センサ後(左)、(右)31a,31bの検出電圧値が入力され、又磁気センサ32の検出値、ターン関節用エンコーダ33,33の検出値及びターン関節原点SWの操作等が入力される構成であり、このCPU42からの出力指令で各種モータ28,29,36,38等が回転駆動する構成としている。
【0023】前記果菜収穫機24は、走行を停止した状態での畝溝の中央線とのずれ(角度)を検出し、このずれ分だけ車体25上部のCCDカメラ37を有する収穫部を水平方向へ回転させ、収穫対象の棚(樹体8)と該CCDカメラ37の光軸とが直角になるように構成している。前記CPU42による収穫部の制御は、下記の如く行われる構成としている。
【0024】きゅうり7の収穫作業がスタートされ(ステップ301)、畝間を果菜収穫機24の走行が開始され(ステップ302)、停止位置が検出され(ステップ303)、移動機構(走行)が停止され(ステップ304)、各誘導センサ前(左)、(右)30a,30b、後(左)、(右)31a,31bの電圧値が読み込みされ(ステップ305)、該誘導センサ前(左)30aの電圧値(gR1)−該誘導センサ前(右)30bの電圧値(gL1)>補正有無基準値(a)であるか検出され(ステップ306)、NOと検出されると該誘導センサ後(左)31aの電圧値(gR2)−該誘導センサ後(右)31bの電圧値(gL2)>補正有無基準値(a)であるか検出され(ステップ307)、YESと検出されるとターン関節の回転角(θT )が次記式θT =tan-1kによって計算され(ステップ308)、計算されたターン関節の回転角(θT )<0であるか検出され(ステップ309)、YESと検出されると左回転補正され(ステップ310)、ウエスト関節角=ターン関節の回転角(θT )か検出され(ステップ311)、NOと検出されるとステップ310へ戻る。YESと検出されると収穫動作が開始される構成としている(ステップ312)。
【0025】ステップ306でYESと検出されるとステップ308へ進む。ステップ307でNOと検出されるとステップ312へ進む構成であり、又ステップ309でNOと検出されると右回転補正され(ステップ313)、ウエスト関節角=ターン関節の回転角(θT )か検出され(ステップ314)、NOと検出されるとステップ313へ戻る。YESと検出されるとステップ312へ進む構成としている。
【0026】上記により、収穫対象物とCCDカメラ37の位置関係とを常にほぼ一定にすることができ、これによって画像入力範囲を特定でき、画像の重ねしろを小さくすることができる。画像処理範囲を小さくでき、処理速度を向上させることができる。又収穫対象物までの距離のばらつきが小さくなり、大きさ等の特微量の抽出精度がきゅうり7の果実の位置によってのばらつきがなくなった。
【図面の簡単な説明】
図は、この発明の一実施例を示すものである。
【図1】果菜類栽培圃場における果菜収穫機の全体正面図
【図2】ブロック図
【図3】原画像図
【図4】(R色−B色)−(G色−R色)の2値化処理画像図
【図5】フローチャート
【図6】他の実施例を示す図で、きゅうりの名称図
【図7】他の実施例を示す図で、きゅうりの隠れている箇所数の割合図
【図8】他の実施例を示す図で、きゅうりの1箇所のみ隠れているきゅうりの隠れ状態図
【図9】他の実施例を示す図で、テスト結果の相関係数についての表示図
【図10】他の実施例を示す図で、テスト結果の回帰による果実長の推定精度表示図
【図11】他の実施例を示す図で、きゅうり果長の95%信頼区間推定図
【図12】他の実施例を示す図で、きゅうり果長の95%信頼区間推定図
【図13】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図14】他の実施例を示す図で、果菜収穫機の全体正面図
【図15】他の実施例を示す図で、果菜収穫機の全体平面図
【図16】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図17】他の実施例を示す図で、フローチャート
【符号の説明】
2 カラーカメラ
6 視覚手段
20 検出制御装置
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、果菜収穫機の果菜類検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従来は、果菜収穫機で、例えば果菜類がきゅうりであり、このきゅうりを検出して収穫するときは、栽培された植条に沿って自走しながら、きゅうりの形状はカメラで撮影されて、この撮影によって得られる検出された画像信号を2値化して2値化画像が作成され、この2値化画像の輪郭の縦と横との比が算出され、この算出した比によってきゅうりであるか、又はきゅうり以外の葉であるかが判定され、きゅうりのみが収穫される。
【0003】上記のきゅうり収穫作業のときに、カメラできゅうりを撮影のとき、きゅうりと葉とが重なった状態で撮影されると、2値化画像はきゅうりと葉とが一体になった画像となり、このため縦・横の比が変って、きゅうりでないと誤検出されることがあったが、これを解消して正確にきゅうりを検出させて、正確にきゅうりを収穫させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、果菜類を含む所定範囲をカラーカメラ2で撮影し、これらによって得られる検出画像信号を2値化し、2値化画像を作成する視覚手段6を設けた果菜収穫機において、該カラーカメラ2からのR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)信号の中から該G色(緑)−該R色(赤)の輝度差画像、及び該R色(赤)−該B色(青)の輝度差画像を検出し、これら検出輝度差画像に基づいて果菜類であるか否かを検出する検出制御装置20を設けたことを特徴とする果菜収穫機の果菜類検出装置の構成とする。
【0005】
【発明の作用、及び効果】果菜収穫機では、きゅうりを検出して収穫するときは、栽培された植条に沿って自走させながら、きゅうりの形状をカラーカメラ2で撮影され、この撮影によって得られる検出された画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中から、R色(赤)−B色(青)でG色(緑)系部分の抽出する処理が行われて、輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)で濃いG色(緑)の部分の抽出する処理が行われて、輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)でG色(緑)中から濃いG色(緑)部分を除く処理が行われて、輝度差画像(ハ)が検出されて、この輝度差画像(ハ)を2値化して2値化画像が作成され、この2値化画像から、きゅうりであるか、又は葉であるかが検出され、きゅうりであると検出された、このきゅうりのみが収穫される。
【0006】上記によって、カラーカメラ2は汎用のカメラを使用することができて、低コストであり、又きゅうりの検出には、輝度の相対値を用いることにより、明るさの影響を受けにくく、このために、正確にきゅうりを検出することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図例は、果菜収穫機1を示す図であり、例えばきゅうりの形状をカラーカメラ2で撮影して、この撮影によって得られる検出された画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中からR色(赤)−B色(青)の輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)の輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)で輝度差画像(ハ)が検出され、この輝度差画像(ハ)を2値化して、この2値化画像を作成して、この2値化画像から、きゅうり7を検出する果菜類検出装置について説明する。
【0008】前記果菜収穫機1は、電動式の走行部3上には、果菜類のきゅうり7収穫用のマニピュレータ4、収穫するきゅうりの形状を撮影するカラーカメラ2、きゅうりの位置を検出する位置センサ5よりなる視覚手段6を設けた構成としている。前記果菜収穫機1を使用する栽培圃場は、斜めに設けた支持体9にきゅうり7の樹体8を支持させて生育させる。
【0009】前記マニピュレータ4は、対面する樹体8の傾斜とほぼ平行となるように傾斜させた傾斜枠10と、該傾斜枠10のガイドレール11に沿って昇降自在に装着した基台12と、該基台12の上に水平状に回動自在に設けた本体13と、該マニピュレータ4に設けた関節型を形成するアーム14と、該アーム14先端部に設けたきゅうり7を挟持して切断するハンド装置15とからなる構成である。
【0010】前記傾斜枠10は、ヒンジ16を用いて走行部3に装着させ、背面側を支持リンク17で支えている。該支持リンク17の下端部は、支持板19の長孔18の任意位置へ装着され、この装着位置を調節して該傾斜枠10の傾斜角度を任意に調節することのできる構成としている。マニピュレータ4の各部を作動させることにより、ハンド装置15を収穫対象とするきゅうり7を挟持して、このきゅうり7の果柄部を切断する構成としている。
【0011】前記視覚手段6は、図2の如く、カラーカメラ2、このカラーカメラ2の視野内を水平及び垂直に走査して、対象物のきゅうり7までの距離を測定する位置センサ5及び該カラーカメラ2で、所定の波長の光で撮影した画像を取り込むときの照度を検出する照度センサ19′等よりなる構成である。検出制御装置20は、図1及び図2の如く、視覚手段6内へ設け、カラーカメラ2、位置センサ5及び照度センサ19′が検出する各種検出が、入力回路21を経てCPU22へ入力され、このCPU22で分析処理されて、各種指令が出力回路23を経て指令され、マニピュレータ4等を作動する構成としている。
【0012】前記検出制御装置20は、カラーカメラ2で撮影して、これによって得られる検出画像信号は、視覚手段6でR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中から、R色(赤)−B色(青)でG色(緑)系部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)で濃いG色(緑)の部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)でG色(緑)中から濃いG色(緑)部分を除く処理が行われて、輝度差画像(ハ)が検出され、この輝度差画像(ハ)が2値化され、2値化画像が作成され、この2値化画像が該検出制御装置20のCPU22へ入力され、この2値化画像からきゅうり7であるか、又は葉及び茎であると検出されて、この検出により、きゅうり7であると検出されたときは、ハンド装置15で挟持されると共に、切断される構成であり、又この検出により、葉及び茎であると検出されたときは、該ハンド装置15で挟持及び切断されない構成としている。図3は原画像であり、図4は(R色−B色)−(G色−R色)を2値化処理された2値化処理画像である。
【0013】前記検出制御装置20によるきゅうり7の検出手段制御は、下記の如く行われる構成としている。きゅうり7の収穫作業がスタートされ(ステップ101)、カラーカメラ2で撮影されたカラー画像が入力され(ステップ102)、検出画像信号のR色(赤)−B色(青)でG色(緑)系部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(イ)が検出され(ステップ103)、又G色(緑)−R色(赤)で濃いG色(緑)の部分の抽出処理が行われて、輝度差画像(ロ)が検出され(ステップ104)、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)でG色(緑)中から濃いG色(緑)部分を除く処理が行われて、輝度差画像(ハ)が検出され(ステップ105)、この輝度差画像(ハ)が2値化されて、2値化画像が作成され、この2値化画像からきゅうり7であるか、又は葉及び茎であるかが検出され(ステップ106)、RETされる構成としている(ステップ107)。
【0014】以下、上記実施例の作用について説明する。果菜収穫機1で、例えば果菜類がきゅうり7であり、このきゅうり7を検出して収穫するときは、栽培された植条に沿って、この果菜収穫機1を自走させながら、きゅうり7の形状は、視覚手段6のカラーカメラ2で、所定の波長の光で撮影される。
【0015】この撮影によって得られる検出されたされた画像信号のR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)の信号の中から、R色(赤)−B色(青)で輝度差画像(イ)が検出され、又G色(緑)−R色(赤)で輝度差画像(ロ)が検出され、これら輝度差画像(イ)−輝度差画像(ロ)で輝度差画像(ハ)が検出されて、検出制御装置20のCPU22へ入力されて2値化され、2値化画像が作成され、この2値化画像から、きゅうり7であるか、又は葉及び茎であるかが検出され、きゅうり7であると検出された、このきゅうり7のみがハンド装置15で挟持されると共に、切断されて収穫される。
【0016】図6〜図13は他の実施例を示す図で、きゅうり7の果実中央部の径から、この果実長の推定を行い、収穫可能なきゅうり7の果実の仮判定を行う構成であり、図6は、きゅうり7の果実、葉、果柄及び茎等を表示した図であり、果実部の中央部の径を検出させる構成である。図7は傾斜栽培角70°で栽培したきゅうり7(91本)の果実部の隠れている箇所数の割合を示す図である。図8は、きゅうり7の果実が1箇所のみが隠れているきゅうり7の隠れの状態を示す図である。図9は、栽培方法、測定方向、テスト結果の内の相関係数について、きゅうり7の果実長との相関、相関係数の差、果実中央の相関係数の95%信頼区間及び曲がり補正による相関係数の変化等を示す図である。図10は、テスト結果の内の回帰によるきゅうり7の果実長の推定精度について、曲がり補正なし、曲がり補正あり等を示す図である。図11及び図12はきゅうり7の果実長の95%信頼区間推定図である。
【0017】前記検出制御装置20によるきゅうり7の果実中央部の径から、この果実長の推定を行い、収穫可能なきゅうり7の果実であるか否かの判定制御は、下記の如く行われる構成としている。きゅうり7の収穫作業がスタートされ(ステップ201)、カラーカメラ2で撮影された画像が入力され(ステップ202)、きゅうり7の果実の識別が行われ(ステップ203)、画像内の果実の数が測定されてn個であると検出され(ステップ204)、測定個数のn個がリセットされ(ステップ205)、n個がn個+1か検出され(ステップ206)、きゅうり7の果実が完全露出しているか検出され(ステップ207)、NOと検出されると果実の中央部、又は果柄部か検出され(ステップ208)、YES(中央部)と検出されると果実長が推定され(ステップ209)、このきゅうり7の果実位置データがセーブされ(ステップ210)、きゅうり7が全て測定されたか検出され(ステップ211)、NOと検出されるとステップ206へ戻る。YESと検出されるとRETされる構成としている(ステップ212)。
【0018】ステップ207でYESと検出されるときゅうり7の果実長が計算され(ステップ213)、ステップ210へ進む構成であり、又ステップ208でNOと検出されるとステップ211へ進む構成としている。上記の構成にしたことにより、きゅうり7の果実の完全露出は約60%程度であり、このためきゅうり7の果実の収穫率の向上を図るためには、障害物に隠れている果実長の推定を行って収穫する必要があり、果実径としては、果柄部、中央部の果実径と果実長の間で相関が認められ、その内で、中央部の方が相関が強いことにより、果実長と果実径(中央部)の回帰式から果実長の推定を行うことにより、収穫率の向上を図ることができる。果実長の推定精度は、標準正規分布より±16〜18mmの誤差で約70%収穫が可能であり、この値はきゅうり7の果実の選別規格の範囲内に入ることにより、問題になることなく、きゅうり7の収穫ができる。
【0019】図14〜図17は、他の実施例を示す図で、図14は、果菜収穫機24の全体正面図である。図1515は、果菜収穫機24の全体平面図である。図16はブロック図である。図17はフローチャートである。果菜収穫機24は、車体25下側の前部の左右両側には前車輪26,26を回転自在に設け、又車体25下側の後部の左右両側には後車輪27,27を回転自在に設け、左側の該後車輪27は駆動モータ(A)28で回転駆動させ、右側の該後車輪27は駆動モータ(B)29で回転駆動する構成としている。
【0020】誘導センサ前(左)、(右)30a,30bは、前車輪26,26の後方部に設け、又誘導センサ後(左)、(右)31a,31bは、後車輪27,27の後方部に設けている。磁気センサ32は、前車輪26,26後方の中間部に設けている。又ターン関節用エンコーダ33,33は、前車輪26,26内側に設けている。34はターン関節原点SWである。
【0021】傾斜板35は、車体25上側に設け、この傾斜板35は、ターン関節モータ36の回転によって、きゅうり7の樹体8の傾斜とほぼ平行となるように傾斜させる構成である。CCDカメラ37は、ステアリングモータ38上部に設け、このステアリングモータ38で該CCDカメラ37、マニピュレータ39、アーム40及びハンド装置41等の収穫部全体を回動調節する構成としている。
【0022】CPU42は、誘導センサ前(左)、(右)30a,30b、誘導センサ後(左)、(右)31a,31bの検出電圧値が入力され、又磁気センサ32の検出値、ターン関節用エンコーダ33,33の検出値及びターン関節原点SWの操作等が入力される構成であり、このCPU42からの出力指令で各種モータ28,29,36,38等が回転駆動する構成としている。
【0023】前記果菜収穫機24は、走行を停止した状態での畝溝の中央線とのずれ(角度)を検出し、このずれ分だけ車体25上部のCCDカメラ37を有する収穫部を水平方向へ回転させ、収穫対象の棚(樹体8)と該CCDカメラ37の光軸とが直角になるように構成している。前記CPU42による収穫部の制御は、下記の如く行われる構成としている。
【0024】きゅうり7の収穫作業がスタートされ(ステップ301)、畝間を果菜収穫機24の走行が開始され(ステップ302)、停止位置が検出され(ステップ303)、移動機構(走行)が停止され(ステップ304)、各誘導センサ前(左)、(右)30a,30b、後(左)、(右)31a,31bの電圧値が読み込みされ(ステップ305)、該誘導センサ前(左)30aの電圧値(gR1)−該誘導センサ前(右)30bの電圧値(gL1)>補正有無基準値(a)であるか検出され(ステップ306)、NOと検出されると該誘導センサ後(左)31aの電圧値(gR2)−該誘導センサ後(右)31bの電圧値(gL2)>補正有無基準値(a)であるか検出され(ステップ307)、YESと検出されるとターン関節の回転角(θT )が次記式θT =tan-1kによって計算され(ステップ308)、計算されたターン関節の回転角(θT )<0であるか検出され(ステップ309)、YESと検出されると左回転補正され(ステップ310)、ウエスト関節角=ターン関節の回転角(θT )か検出され(ステップ311)、NOと検出されるとステップ310へ戻る。YESと検出されると収穫動作が開始される構成としている(ステップ312)。
【0025】ステップ306でYESと検出されるとステップ308へ進む。ステップ307でNOと検出されるとステップ312へ進む構成であり、又ステップ309でNOと検出されると右回転補正され(ステップ313)、ウエスト関節角=ターン関節の回転角(θT )か検出され(ステップ314)、NOと検出されるとステップ313へ戻る。YESと検出されるとステップ312へ進む構成としている。
【0026】上記により、収穫対象物とCCDカメラ37の位置関係とを常にほぼ一定にすることができ、これによって画像入力範囲を特定でき、画像の重ねしろを小さくすることができる。画像処理範囲を小さくでき、処理速度を向上させることができる。又収穫対象物までの距離のばらつきが小さくなり、大きさ等の特微量の抽出精度がきゅうり7の果実の位置によってのばらつきがなくなった。
【図面の簡単な説明】
図は、この発明の一実施例を示すものである。
【図1】果菜類栽培圃場における果菜収穫機の全体正面図
【図2】ブロック図
【図3】原画像図
【図4】(R色−B色)−(G色−R色)の2値化処理画像図
【図5】フローチャート
【図6】他の実施例を示す図で、きゅうりの名称図
【図7】他の実施例を示す図で、きゅうりの隠れている箇所数の割合図
【図8】他の実施例を示す図で、きゅうりの1箇所のみ隠れているきゅうりの隠れ状態図
【図9】他の実施例を示す図で、テスト結果の相関係数についての表示図
【図10】他の実施例を示す図で、テスト結果の回帰による果実長の推定精度表示図
【図11】他の実施例を示す図で、きゅうり果長の95%信頼区間推定図
【図12】他の実施例を示す図で、きゅうり果長の95%信頼区間推定図
【図13】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図14】他の実施例を示す図で、果菜収穫機の全体正面図
【図15】他の実施例を示す図で、果菜収穫機の全体平面図
【図16】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図17】他の実施例を示す図で、フローチャート
【符号の説明】
2 カラーカメラ
6 視覚手段
20 検出制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 果菜類を含む所定範囲をカラーカメラ2で撮影し、これらによって得られる検出画像信号を2値化し、2値化画像を作成する視覚手段6を設けた果菜収穫機において、該カラーカメラ2からのR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)信号の中から該G色(緑)−該R色(赤)の輝度差画像、及び該R色(赤)−該B色(青)の輝度差画像を検出し、これら検出輝度差画像に基づいて果菜類であるか否かを検出する検出制御装置20を設けたことを特徴とする果菜収穫機の果菜類検出装置。
【請求項1】 果菜類を含む所定範囲をカラーカメラ2で撮影し、これらによって得られる検出画像信号を2値化し、2値化画像を作成する視覚手段6を設けた果菜収穫機において、該カラーカメラ2からのR色(赤)、G色(緑)及びB色(青)信号の中から該G色(緑)−該R色(赤)の輝度差画像、及び該R色(赤)−該B色(青)の輝度差画像を検出し、これら検出輝度差画像に基づいて果菜類であるか否かを検出する検出制御装置20を設けたことを特徴とする果菜収穫機の果菜類検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図14】
【図15】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図6】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図14】
【図15】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開平8−23748
【公開日】平成8年(1996)1月30日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−162338
【出願日】平成6年(1994)7月14日
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【公開日】平成8年(1996)1月30日
【国際特許分類】
【出願日】平成6年(1994)7月14日
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
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