枠付きバーコード、集合的バーコードおよびカラーバーコード、並びに枠付きバーコード描画プログラム、集合的バーコード描画プログラムおよびバーコード着色プログラム
【課題】 第1の課題は、印刷物中にあってバーコードを目立たせることが出来るようにする。また第2の課題は、バーコードを見る人に美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がなく、カラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることがないようにする。
【解決手段】 第1の課題を達成するためのバーコードは、バーコードの図の周囲に枠を備えたり、複数個のバーコードを集めて表示して成るものである。また第2の課題を達成するためのバーコードは、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地をカラーに着色して成るものである。
【解決手段】 第1の課題を達成するためのバーコードは、バーコードの図の周囲に枠を備えたり、複数個のバーコードを集めて表示して成るものである。また第2の課題を達成するためのバーコードは、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地をカラーに着色して成るものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、図と地とから成るバーコードの、その図を枠囲いして図を際立たせるようにした枠付きバーコードとこの描画プログラム、複数のバーコードを集めて表示した集合的バーコードとこの描画プログラム、図や地をカラーで表わしたカラーバーコードとこの着色プログラムに関する。なおバーコードには2次元バーコード(図柄がバーではないため2次元コードとも称呼される)が含まれる。また規格外のバーコードであってもリーダの対応で読み取れるものであれば含まれる。
【背景技術】
【0002】
人がものを見ている時には背景と言うものを意識している。見ているものを図といい、背景を地という。バーコードでは機械で識別できるように、図と地の濃度の隔たりが最大となる白黒2値が用いられており、通常は図を黒とし地を白としている。近年用いられるようになって来た2次元バーコードでも構成要素(バーではなく多くはドットである)は黒、地は白、を踏襲している。なお特開2003−91697号では、白黒2値の2次元コードよりもデータ容量を大きく持たせたいとして、白黒の間の4階調を2ビットデータの00、01、10、11に対応させた2次元コードが提案されている。なお下記文献にはバーコードの種類と特徴が記載されている。
【特許文献1】特開2003−91697号公報
【非特許文献1】黒沢康雄、(財)流通システム開発センター、「2次元バーコードの特徴と種類」、[online]、[2005年7月7日検索]、インターネット<URL:http//www.barcode.ne.jp/about_barcode/subject/subject_08.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなバーコードは一般的に印刷物の形で提供される。すなわち雑誌やポスターなどの印刷の主として隅の方に表示されている。また近年雑誌やポスターなどに印刷されている2次元コードをカメラ付き携帯電話のカメラで撮影して、デコードプログラムで復号した情報を携帯電話の画面に表示すると言うことが行なわれるようになって来た。2次元コードにはインターネットアドレスなどがコード化されている。
【0004】
しかしながら2次元コードを含むバーコードは、直接人の目でこれを見て内容を読むと言うことが出来ず、人には単なる記号のようにしか見えないものである。従って目立つこともなく人に探されることもなく、たとえ目に入っても無視されるものでしかない。特に2次元コードの持つ情報は人に読み取ってもらうことが目的であるにもかかわらず、上述したようになかなか目立たないと言う問題がある。当発明者はデザイナーとしてこのようなバーコードの取り扱いに手を焼いていた。
【0005】
従ってこの発明は、印刷物中のバーコードを目立たせるようにして見る人に興味を持たせることが出来るようにすることを第1の課題とする。さらに紙に印刷されたパズルなどのように何等かのゲーム性を付与することが出来ればなお良いであろう。
【0006】
また上述したように機械読み取りでの正確さを求めた結果、バーコードは白黒で表わされるものと言う暗黙の了解が提供側にも利用者側にも出来上がっている。特開2003−91697号はこの範疇に属するものであって、せいぜい白黒の間の4階調としているに過ぎない。
【0007】
バーコードは商品例えば本のカバージャケットに印刷されたり、告知手段例えば雑誌やフライヤーやポスターなどに印刷されている。このような印刷物は美感の追及からカラー印刷に成るものが殆どであるが、この中に上述したような暗黙の了解に基づく白黒のバーコードが印刷されている。これまでこのような状況が問題視されることはなかったが、当発明者はデザイナーとして常々違和感を感じていた。美麗なカラー印刷の中に無粋な白黒のバーコード(2次元コードを含む)が印刷されていることは、美感の点からはまったく好ましいものではない。それどころかその部分のみ白黒で印刷されたバーコードは美麗なデザインの邪魔をしているとさえ言うことが出来る。
【0008】
当発明者は、このような問題があってもなおカラーデザインの中に白黒のバーコードをうまく納めてデザインするようにしてはいる。しかしながら例えば2次元コードをシール化して既に出来上がっている印刷物の上に後から貼付すると言うような用途の場合では、デザイナーの手を離れてコントロール外となってしまうのである。
【0009】
従ってこの発明では、美麗なカラー印刷の中に在っても違和感や嫌悪感を与えることのないようなバーコードを提供すること、さらに美麗なカラー印刷の中に在って美感を催させ得るバーコードを提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち第1の課題は、請求項1の発明では、図と地とから成るバーコードに於いて、図の周囲に枠を備えていることを特徴とする枠付きバーコードとすることにより達成される。この枠の存在によってバーコードを印刷の中に紛れさせることなく目立たせて人目をバーコードに引き付けることが出来る。枠にはそれが囲む内部のものを浮き出させて見せるような作用があるのである。なお枠の形状は任意であって、枠を構成する線種も実線や鎖線など自由である。また影を付けて枠の線を表現することも可能である。枠の色に関しても任意であり、カラーも自由に使用出来る。またこの場合の枠にグラデーションを付けることが出来る。枠を2重3重とすることも可能であり、また内外で形状等が異なっていても良い。このように枠にも種々の工夫が可能である。なお枠内は無地であっても、バーコードの図の構成要素が識別出来る範囲であれば絵柄があっても良い。またバーコードが枠から幾分はみ出すようなことがあっても少しも問題はない。また一つの枠内に2以上のバーコードを配置することが出来る。これは後述する集合的バーコードの思想とも関連する。
【0011】
また前記枠の形状が図形であるものとすることが出来る。図形は円形、角丸方形、トランプのハート形、星形、人や兎などの動物や本などの物の形など任意である。これにより枠の形に意味を付けることが出来、より一層の注目を引くようにすることが可能である。人はバーコードの外観だけから意味を見出だすことはないが、この枠からは何等かの意味を感じ取ることが出来る。また例えば鳥羽僧正の鳥獣人物戯画に登場する蛙と兎とのように、2つの2次元コードの一方の枠を蛙形状とし、他方の枠を兎形状として、両者を向かい合わせたりすることで、ここにストーリー性が発生する。さらに2次元コードの内容を例えば一方を蛙の台詞とし、他方を兎の台詞とすれば、これをカメラ付き携帯電話などのデコーダで読み取って表示させることで、ゲーム性が付与されていることが明かとなる。なおこれは後述する集合的バーコードの思想とも関係する。
【0012】
なお枠だけから成る図形以外にも、枠の内部が描画されている図形を用いることが出来る。一般的に図を描くと、図と背景との境には枠があるものと見ることが出来る。これは境が線などで明示されているか否かに限らない。例えば上述した鳥獣人物戯画の蛙と兎の漫画には各々枠があると見做すことが可能である。従ってこのような蛙や兎にバーコードを配置することによりバーコードに注目させることが出来るのである。
【0013】
また枠の内側の地が、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色されて成るものとすることが出来る。これによってより一層の注目を引くようにすることが可能である。例えば図が黒で表わされている時の地を、白、地から図が識別出来ると言う条件付きで白黒の中間色、またこれ以外のカラーを選択することが出来る。なお着色すると言う場合、印刷のインクの色で実現する方法や、台紙などの印刷対象の持つ色で実現する方法などがある。
【0014】
また枠付きのバーコードが接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されているものとすることが出来る。これによれば枠と共に目立つように為されたバーコードを印刷物や印刷物以外の対象に貼付することが可能になる。従って例えば後からポスターにこのように目立つバーコードのシールを貼り付けることが出来るし、また例えば教材へのリンクを示すURL(Uniform Resource Locator)をエンコードした2次元コードのシールを学習ノートに貼り付けることが出来るなどその用途は広い。
【0015】
なお上述した第1の課題は、請求項5の発明では、枠に、図と地とから成るバーコードの図、を合成し、枠の内側の地を、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、枠付きバーコード描画プログラムを提供することにより達成される。この枠付きバーコード描画プログラムによれば、バーコードが与えられたならばこれに枠を描画し、枠の内側の地を、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色して描画する。枠は幾つも用意した中からユーザーに選択させるようにしたり、ランダムに選択するようにしたり、あるいは図に重ならないようにして図の外側を囲うように描画するなどすれば良い。また地の着色に関しては、色をユーザーに選択させるようにしたり、図の構成要素が読み取れるか否かの判定を行なう読み取り判定機能を設けて、候補とした色の中から濃さを自動判別して適宜選択するようにするなど、任意の設計が可能である。なおこの枠付きバーコード描画プログラムにバーコード作成機能を追加することが出来る。
【0016】
また上述した第1の課題は、請求項6の発明では、図と地とから成るバーコードの複数個を集めて表示して成ることを特徴とする、集合的バーコードとすることにより達成される。これまで単独で表示されていたバーコードを集めて表示することによって見慣れないものとなり、見る人に「オヤ?」と思わせるなどして注目を集めることが出来る。2個のバーコードの集合体でも人目を引くことが可能であるが、さらに多く集めることによってスケールメリットが生ずる。またこれは上述の枠付きバーコードの思想とも関連するが、例えば2次元コードを集合させてその各々に記録された情報を繋ぎあわせてストーリーを構成するようにしておけば、これ等を上述したカメラ付き携帯電話で復号して読み取ることが可能である。また例えば複数の2次元コードから特定の情報を探させるゲームなどを提供することが可能である。なお上記で集合とは、バーコードを複数個使用することや、複数個のバーコードを、隣り合わせたり読み取り可能な範囲で接触させるなど、近接させて表示することを言う。なおこれ等の複数個のバーコードの中に読み取れない(デコード出来ない)バーコードを意図的に混入させるようにしても良い。
【0017】
この集合的バーコードに付いて、複数個のバーコードによって図形が表わされて成るものとすることが出来る。人はバーコードの見掛けから内容を読み取ることは出来ないが、図形的に配置されたバーコードであればその形から意味を読み取ることが出来る。例えば複数個のバーコードを花の形状に並べれば、それが花であることは一目瞭然である。この場合花の名前や意味とバーコードに記録された情報とは、一致していても一致していなくても良い。あるいは例えばポスターの制作でバーコードを並べて文字を作れば、人はその意図を読み取ることが出来る。
【0018】
また図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成るものとすることが出来る。上述したようにバーコードを集めて表示することにより注目を集めることが出来る。この集合は2個よりも3個と数が増えるほど目立つようになる。従って集合的バーコードは白黒であるよりもカラーである方が好ましい。特に雑誌やポスターなどカラーの印刷物の場合に使い勝手が向上する。なおこれは後述するカラーバーコードの思想とも関連する。
【0019】
また図の構成要素が地から識別出来ない濃さの読み取り不能なバーコードが混入しているものとすることが出来る。この発明によってバーコードを集合させてデザインした印刷物と言うものを提供することが出来るようになったわけであるが、そのすべてが読み取り可能なバーコードである必要はない。逆に言うならば例えば読み取り可能な2次元コードをカメラ付き携帯電話をかざして探し当てその内容を読み取る、と言うような新規ゲームとしてその印刷物を構成することが出来るのである。なお図と地との濃度差で識別出来ないものとする以外に、一定の規則に基づかず出鱈目に作ったバーコードを混入させるようにしても同様の作用効果を得ることが可能である。
【0020】
なお上述した第1の課題は、請求項10の発明では、与えられた文字や図形に、図と地とから成るバーコードの複数個を当て填めて合成する処理をコンピュータに実行させる、集合的バーコード描画プログラムを提供することにより達成される。複数個のバーコードの1個1個を手作業で配置して行き一定の文字の形や図形に近い形状に仕上げるのは根気のいる作業である。そこでこの集合的バーコード描画プログラムは、複数個のバーコードを並べて行き与えられた文字や図形を描く処理を行なっている。このバーコードは1種類のものである場合と複数種類である場合とがある。複数種類ある場合のバーコードを並べる順序は、例えばランダムとしたりバーコードの名前順などとすれば良い。バーコードが不足するようであれば同一のものを繰り返して使用するなどと設計すれば良い。なおこの集合的バーコード描画プログラムにバーコード作成機能を追加することが出来る。
【0021】
さて上述した第2の課題は請求項11の発明によって達成される。すなわち図と地とから成るバーコードに於いて、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成ることを特徴とするカラーバーコードとした。上述したようにこれまでの印刷業界ではバーコード(2次元コードを含む)の表示は白黒であるものと言う先入観で支配されていた。この発明はこのような先入観を打破して、図か地の何れでも良いからカラー化して見せたのである。このカラーバーコードは美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がなくなっている。またカラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることもない。従って上述したように2次元コードをシール化して既に出来上がっている印刷物の上に後から貼付すると言うような用途の場合でもまったく問題がない。なおこの発明の目的はデータ容量を大きくすることにあるのではなく、また読み取り精度を最大にすることでもない。言わば審美眼の問題(あるいは遊び心の問題)であるから機械で読み取ることが出来さえすればよい。この機械読み取りに付いて特定の機種に限定したものであっても構わないのは言うまでもない。なお請求項11の発明では白黒とその中間色とを排除しないがこれ以外の色を必ず含んでいる。地の着色に付いては印刷のインクの色による場合と、台紙などの印刷対象の持つ色による場合と、両者の混合による場合などがある。
【0022】
ところで伊藤若沖の白象群獣図などのように、桝目の一コマ一コマを埋めるようにして描くテクニックがあるが、これを用いて絵柄の中に機械可読な2次元コードを紛れ込ませることが出来る。伊藤若沖から発想を広げれば、この発明のバーコード(2次元コードを含む)は印刷物に適用するのみならず、例えば織物でバーコードの図と地を表わすことが可能である。西陣織でははつりが用いられているが、このようなテクニックを参考にすることが出来る。
【0023】
また図の構成要素または地が2色以上に着色されて成るものとすることが出来る。これによってさらにカラフルなものとなる。前記図の構成要素(多くはドットである)の着色に関しては構成要素の1つ1つに対して2分割3分割して色を変えることが可能である。またグラデーションを付けるようにしても良い。また構成要素の周縁部が構成要素のまたは背景の色とは異なる色で縁取りされて成るものとすることが可能である。地に関してはやはり2分割3分割して色を変えたり、グラデーションを施したり、模様を描いたものとすることが可能である。
【0024】
また図に図柄が表われるように、図の構成要素が着色されて成るものとすることが出来る。これを単純化して説明すれば、例えば縦横3ドットずつの計9ドットから成る図であって、最上行の3ドットと中央列の3ドットとに着色を施して成るものでは、これは全体として英文字のTに見える。このようなドット文字以外にもドット絵が表現可能である。すなわちどのような図柄とするかは任意であるが、これにより見る人に対して美感と共に意味を与えることが出来る。
【0025】
また地に着色によって図柄が表わされて成るものとすることが出来る。これによっても見る人に対して美感と意味とを与えることが出来る。なお地の着色の要件は図の構成要素が地から識別出来る濃さでなくてはならないことである。
【0026】
また接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されているものとすることが出来る。これによればカラーバーコードのシールを、例えばポスターのような印刷物や、印刷物以外の対象物として例えば根付けなどのアクセサリーに、後から貼り付けることが出来る。このようにしても見る人に違和感を与えることなく美感を催させることが出来、またカラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることもない。
【0027】
さて上述した第2の課題は請求項16の発明により達成される。すなわち図と地とから成るバーコードの図または地を、図と地が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、バーコード着色プログラムとした。このバーコード着色プログラムによれば、バーコードが与えられると共に図または地の指定が得られたならば、指定された図または地に対して地と図の構成要素とが識別出来る濃さで着色して描画する処理を行なう。地と図の両方に対して着色する処理を行なわせることも可能である。地に付いても図または図の構成要素に付いてもどのような着色を施すかをユーザーに指定させるように設計することが可能である。あるいは着色のステップと読み取り判定機能による識別の可否判断を行なうステップとを組み合わせて、識別出来る濃さが得られるように試しながら着色するように設計することが出来る。なおこのバーコード着色プログラムにはバーコード作成機能を追加することが出来る。
【発明の効果】
【0028】
この発明は、バーコードの図の周囲に枠を備えたり、複数個のバーコードを集めて表示して成るものとしたので、印刷物中のバーコードを目立たせることが出来るようになっている。またこの発明は、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように図または地をカラーに着色して成るバーコードとしたので、見る人に美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がなく、カラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることもなくなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
第1実施形態(枠付きバーコード)
図1で示すように、台紙1上には1次元バーコードと共に、この1次元バーコードを囲むようにして細枠3と太枠30とが印刷されている。細枠3と太枠30とは閉空間を構成していないが、影を表わす太枠30の作用によってこの1次元バーコードが浮き上がって見える。なお細枠3と太枠30との内側は1次元バーコードの地部分31を作り出しており、相対的に1次元バーコードの図部分2が生ずる。このように枠囲いをすることによって、1次元バーコードに注意を向けさせることが出来る。
【0030】
第2実施形態(枠付きバーコード)
図2で示すように、2次元コードを兎の形状を呈する枠32で囲って成るものであり、2次元コードの図部分20と2次元コードの地部分33とが形成されている。なお枠32は連続しており、枠32内は閉空間を構成している。枠囲いも然ることながら、その兎の形状が人目を引く。
【0031】
第3実施形態(枠付きバーコード)
図3で示すように、台紙1上には2次元コードと共に、この2次元コードを囲むようにして矢印形状の枠34が印刷されている。この枠34によって2次元コードの図部分20と地部分とが作り出されているが、この実施形熊ではこの地部分が着色部35と成っている点に特徴を有する。当然のことながら図と地が識別出来る濃さで着色部35が着色されている。例えば2次元コードの図部分20が黒で、着色部35が黄である。
【0032】
第4実施形態(枠付きバーコード)
図4で示すように、シール台紙4には9個のシール40が切り抜き線41によって剥離可能に設けられている。シール台紙4の裏面には粘着剤が塗布されており、ここに剥離紙が接着されている(図示せず)。従ってシール台紙4からシール40を剥離すると、任意の対象物に接着可能となる。この9個のシール40の各々に、上述第2実施形態で説明した兎の形状の枠32と、この枠32で囲われた2次元コードが印刷されている。なお符号20は2次元コードの図部分である。
【0033】
第5実施形態(枠付きバーコード)
図5で示すように、白い台紙1上に於いて2次元コードの図部分21(白)の背景となるようにして、黒の角丸方形が印刷されている。従ってこの角丸方形は2次元コードの地部分36となっている。このように台紙1とは異なる色で背景を塗ることにより、背景は台紙1との間に枠を生ずることになる。このようにしても2次元コードの機械読み取りは可能であり、かつ人目を引くものとなっている。
【0034】
第6実施形態(枠付きバーコード)
図6で示したものはこの実施形態の枠付きバーコード描画プログラムのフローチャートである。このプログラムはパーソナルコンピュータ上で動作するものであるがパーソナルコンピュータの装置構成は良く知られているため説明を省略する。このパーソナルコンピュータのオペレータがURLなどの情報を入力すると、プログラムはこれをエンコードして2次元コードを生成する(ステップS1)。またこのプログラムは形状の異なるいくつもの枠を予め用意してあり、これがオペレータに選択可能に提示してある。そこでオペレータが好みの枠を選択すると(ステップS2)、この枠の中に前記作成した2次元コード(図は黒である)を納めて描画する(ステップS3)。またこのプログラムはカラーパレットを所有しており、色の選択が可能なようにオペレータに提示してある。そこでオペレータが好みの色を選択すると(ステップS4)、前記枠内の地をこの色に置き換えて描画し(ステップS5)、続いてこの色の地に対して図が判読出来るか否かすなわち前記2次元コードが読み取れるか否かを判定し(ステップS6)、判読出来ない場合はオペレータに再度地の色の選択を要求し、判読出来た場合には確定して終了する。なおここでは地の色を塗ることに付いて説明したが、図の色の変更を取り扱うことも、また地と図共に取り扱い得るように設計することも可能である。
【0035】
第7実施形態(集合的バーコード)
図7で示すように、集合的2次元コード5は、機械可読な2次元コード50と非可読なダミーコード51とにより花の形に配置され印刷されて成るものである。この中で機械可読なものは花弁に囲まれた中心の2次元コード50である。なおここでは全体を覆う花の形の枠を描いているがこれは必須なものではない。この実施形態のように見せ掛けも含めて複数の2次元コードを集合させることによって、人目を引くようにすることが出来る。さらにこれが花と言う意味のある形を持っていることから、2次元コードを用いているにもかかわらず興趣のあるものとなっている。なお全て機械可読な2次元コード50を用いても良いのは言うまでもない。
【0036】
第8実施形態(集合的バーコード)
図8で示すように、この実施形態では3個の2次元コードを並べて集合的2次元コード52を構成している。右端のものは黒図53とカラー地54とから成る。また中央のものはカラー図55と黒地56とから成る。また左端のものは黒図53とカラー地57とから成る。何れも地と図の構成要素とは識別出来る濃さに調整されている。この集合的2次元コード52も人の注意を引くには十分である。
【0037】
第9実施形態(集合的バーコード)
図9で示すように、集合的2次元コード58は、袋文字様の文字枠59の中に全て同一の2次元コード50を並べて成るものである。すなわち2次元コード50を並べることによって文字を表わすことが出来、人目を引くことが出来るのである。従って文字枠59はこれを取り払ってしまうことも可能である。
【0038】
第10実施形態(集合的バーコード)
図10で示したものは集合的バーコード描画プログラムのフローチャートである。このプログラムはパーソナルコンピュータ上で動作するものであるがパーソナルコンピュータの装置構成は周知であるため説明を省略する。このパーソナルコンピュータのオペレータがURLなどの情報を入力するとプログラムはこれをエンコードして2次元コードを生成する(ステップS7)。次に例えば図9で示すような文字枠59がオペレータにより図形として与えられたら(ステップS8)、この袋文字様の文字枠59の中の空間を埋めるようにして前記2次元コードを配置して行く(ステップS9)。これは空間がなくなるまで繰り返され(ステップS10)、終了する。なお左から右へ、上から下へ、途なりになどと空間を埋める規則を設定しておくようにする。袋文字ではなく線文字の場合には、その線に沿って前記2次元コードを並べて行くように設定すれば良い。また文字ではなく図形を処理対象とすることも可能である。
【0039】
第11実施形態(集合的バーコード)
図11で示すように、台紙6の上には兎の絵60と蛙の絵61が描かれており、兎の絵60には2次元コード7が、また蛙の絵61には2次元コード70が、2次元コード7,70が上位となるようにして合成描画されている。体の線は上述の枠囲いであると見做すことも可能であり、兎の絵60では2次元コード7の一部が体の線からはみ出しているが問題ない。なお2次元コード7,70には各々のキャラクターの台詞がコード化されている。このように漫画と2次元コードとを一体化させることにより、人目を良く引くと共に意味を生じて興趣を催させることが出来る。
【0040】
第12実施形態(カラーバーコード)
図12で示すように、この実施形態のカラーバーコードは、2次元コードの地部分8と2種のカラー図90,91とから成る。例えば地部分8を白とし、カラー図90を青またカラー図91を赤などとする。これは非常にカラフルなものであり、見る人に美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がない。それどころかカラー印刷の美麗なデザインの邪魔をすることもないのである。
【0041】
第13実施形態(カラーバーコード)
図13で示すように、この実施形態のカラーバーコードは、右半分がカラー地80であり、左半分がカラー地81である地と、2次元コードの図部分9とから成る。例えば2次元コードの図部分9を黒とし、カラー地80を薄黄またカラー地81を薄緑などとする。なおこれは上述した第12実施形態とも関係するが、図も地もカラフルな印刷とすることが可能である。要件は地と図の構成要素とが識別出来る濃さに調整されていると言うことである。
【0042】
第14実施形態(カラーバーコード)
図14で示すように、この実施形態のカラーバーコードは、2次元コードの地部分8と2色のカラー図9,92とから成る。基本的に図はカラー図9なのであるが、このドットの中に「太陽」「花」「歩く人」に見えるドット構成を見出だし、これ等のドットに別色の着色を施して成るものである。従って2色のカラー図9,92が用いられていることになる。
【0043】
第15実施形態(カラーバーコード)
図15で示すように、シール台紙42には9個のシール43が切り抜き線44によって剥離可能に設けられている。シール台紙42の裏面には粘着剤が塗布されており、ここに剥離紙が接着されている(図示せず)。従ってシール台紙42からシール43を剥離すると、任意の対象物に接着可能となる。この9個のシール43の各々に、リンゴの形状の枠で囲われた2次元コードが印刷されている。なお符号93はカラー図(赤)であり、符号82はカラー地(薄黄)である。
【0044】
第16実施形態(カラーバーコード)
図16で示したものはバーコード着色プログラムのフローチャートである。このプログラムはパーソナルコンピュータ上で動作するものであるが、その装置構成は周知であるために説明を省略する。このパーソナルコンピュータのオペレータが情報を入力するとプログラムはこれをエンコードして2次元コードを生成する(ステップS11)。次いでこのパーソナルコンピュータのオペレータがカラーパレットの中から任意の地の色を選択すると、プログラムはその色を塗って地を描画する(ステップS12)。続いてオペレータがカラーパレットの中から任意の図の色を選択すると、プログラムはその色を塗り図を描画し(ステップS13)、前記の色の地に対してこの色の図が判読出来るか否か、すなわち前記2次元コードが読み取れるか否かを判定し(ステップS14)、判読出来ない場合はオペレータに図の色の変更を要求し、判読出来た場合には確定して終了する。なお地の色や図の色の選択をオペレータに任せずに、プログラムが一定の規則に則って選択して行くように設計することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明で使用が可能なバーコードには既存のものがすべて含まれる。例えば株式会社デンソーウェーブのQRコード(登録商標)などが利用出来る。またこれから開発されるであろう容量の大きなバーコードに対しても適用可能であろう。またこの発明によれば、絵画や絵本や漫画などのストーリー性を備えたものの中に、枠付きバーコードを挿入することが出来る。このように枠囲いは図を際立たせることが出来るものであるためTシャツなどの衣類に枠付きバーコードを印刷すると興味深いものとなる。バーコードの読み取りに機種異存があっても仕方ないが、なるべく汎用に近付けるべく、前記各種のバーコードの表面に読み取り精度を保持するための透明な保護カバーを掛けるなどの工夫も好ましいものである。また上述したように、この発明のバーコードを織物で構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1実施形態の説明図である。
【図2】第2実施形態の説明図である。
【図3】第3実施形態の説明図である。
【図4】第4実施形態の説明図である。
【図5】第5実施形態の説明図である。
【図6】第6実施形態のフローチャートである。
【図7】第7実施形態の説明図である。
【図8】第8実施形態の説明図である。
【図9】第9実施形態の説明図である。
【図10】第10実施形態のフローチャートである。
【図11】第11実施形態の説明図である。
【図12】第12実施形態の説明図である。
【図13】第13実施形態の説明図である。
【図14】第14実施形態の説明図である。
【図15】第15実施形態の説明図である。
【図16】第16実施形態のフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 台紙
2 1次元バーコードの図部分
20 2次元コードの図部分
21 2次元コードの図部分
3 枠
30 枠
31 1次元バーコードの地部分
32 枠
33 2次元コードの地部分
34 枠
35 着色部
36 2次元コードの地部分
4 シール台紙
40 シール
41 切り抜き線
42 シール台紙
43 シール
441 切り抜き線
5 集合的2次元コード
50 2次元コード
51 ダミーコード
52 集合的2次元コード
53 黒図
54 カラー地
55 カラー図
56 黒地
57 カラー地
58 集合的2次元コード
59 文字枠
6 台紙
60 兎の絵
61 蛙の絵
7 2次元コード
70 2次元コード
8 2次元コードの地部分
80 カラー地
81 カラー地
82 カラー地
9 2次元コードの図部分
90 カラー図
91 カラー図
92 カラー図
93 カラー図
【技術分野】
【0001】
この発明は、図と地とから成るバーコードの、その図を枠囲いして図を際立たせるようにした枠付きバーコードとこの描画プログラム、複数のバーコードを集めて表示した集合的バーコードとこの描画プログラム、図や地をカラーで表わしたカラーバーコードとこの着色プログラムに関する。なおバーコードには2次元バーコード(図柄がバーではないため2次元コードとも称呼される)が含まれる。また規格外のバーコードであってもリーダの対応で読み取れるものであれば含まれる。
【背景技術】
【0002】
人がものを見ている時には背景と言うものを意識している。見ているものを図といい、背景を地という。バーコードでは機械で識別できるように、図と地の濃度の隔たりが最大となる白黒2値が用いられており、通常は図を黒とし地を白としている。近年用いられるようになって来た2次元バーコードでも構成要素(バーではなく多くはドットである)は黒、地は白、を踏襲している。なお特開2003−91697号では、白黒2値の2次元コードよりもデータ容量を大きく持たせたいとして、白黒の間の4階調を2ビットデータの00、01、10、11に対応させた2次元コードが提案されている。なお下記文献にはバーコードの種類と特徴が記載されている。
【特許文献1】特開2003−91697号公報
【非特許文献1】黒沢康雄、(財)流通システム開発センター、「2次元バーコードの特徴と種類」、[online]、[2005年7月7日検索]、インターネット<URL:http//www.barcode.ne.jp/about_barcode/subject/subject_08.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなバーコードは一般的に印刷物の形で提供される。すなわち雑誌やポスターなどの印刷の主として隅の方に表示されている。また近年雑誌やポスターなどに印刷されている2次元コードをカメラ付き携帯電話のカメラで撮影して、デコードプログラムで復号した情報を携帯電話の画面に表示すると言うことが行なわれるようになって来た。2次元コードにはインターネットアドレスなどがコード化されている。
【0004】
しかしながら2次元コードを含むバーコードは、直接人の目でこれを見て内容を読むと言うことが出来ず、人には単なる記号のようにしか見えないものである。従って目立つこともなく人に探されることもなく、たとえ目に入っても無視されるものでしかない。特に2次元コードの持つ情報は人に読み取ってもらうことが目的であるにもかかわらず、上述したようになかなか目立たないと言う問題がある。当発明者はデザイナーとしてこのようなバーコードの取り扱いに手を焼いていた。
【0005】
従ってこの発明は、印刷物中のバーコードを目立たせるようにして見る人に興味を持たせることが出来るようにすることを第1の課題とする。さらに紙に印刷されたパズルなどのように何等かのゲーム性を付与することが出来ればなお良いであろう。
【0006】
また上述したように機械読み取りでの正確さを求めた結果、バーコードは白黒で表わされるものと言う暗黙の了解が提供側にも利用者側にも出来上がっている。特開2003−91697号はこの範疇に属するものであって、せいぜい白黒の間の4階調としているに過ぎない。
【0007】
バーコードは商品例えば本のカバージャケットに印刷されたり、告知手段例えば雑誌やフライヤーやポスターなどに印刷されている。このような印刷物は美感の追及からカラー印刷に成るものが殆どであるが、この中に上述したような暗黙の了解に基づく白黒のバーコードが印刷されている。これまでこのような状況が問題視されることはなかったが、当発明者はデザイナーとして常々違和感を感じていた。美麗なカラー印刷の中に無粋な白黒のバーコード(2次元コードを含む)が印刷されていることは、美感の点からはまったく好ましいものではない。それどころかその部分のみ白黒で印刷されたバーコードは美麗なデザインの邪魔をしているとさえ言うことが出来る。
【0008】
当発明者は、このような問題があってもなおカラーデザインの中に白黒のバーコードをうまく納めてデザインするようにしてはいる。しかしながら例えば2次元コードをシール化して既に出来上がっている印刷物の上に後から貼付すると言うような用途の場合では、デザイナーの手を離れてコントロール外となってしまうのである。
【0009】
従ってこの発明では、美麗なカラー印刷の中に在っても違和感や嫌悪感を与えることのないようなバーコードを提供すること、さらに美麗なカラー印刷の中に在って美感を催させ得るバーコードを提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち第1の課題は、請求項1の発明では、図と地とから成るバーコードに於いて、図の周囲に枠を備えていることを特徴とする枠付きバーコードとすることにより達成される。この枠の存在によってバーコードを印刷の中に紛れさせることなく目立たせて人目をバーコードに引き付けることが出来る。枠にはそれが囲む内部のものを浮き出させて見せるような作用があるのである。なお枠の形状は任意であって、枠を構成する線種も実線や鎖線など自由である。また影を付けて枠の線を表現することも可能である。枠の色に関しても任意であり、カラーも自由に使用出来る。またこの場合の枠にグラデーションを付けることが出来る。枠を2重3重とすることも可能であり、また内外で形状等が異なっていても良い。このように枠にも種々の工夫が可能である。なお枠内は無地であっても、バーコードの図の構成要素が識別出来る範囲であれば絵柄があっても良い。またバーコードが枠から幾分はみ出すようなことがあっても少しも問題はない。また一つの枠内に2以上のバーコードを配置することが出来る。これは後述する集合的バーコードの思想とも関連する。
【0011】
また前記枠の形状が図形であるものとすることが出来る。図形は円形、角丸方形、トランプのハート形、星形、人や兎などの動物や本などの物の形など任意である。これにより枠の形に意味を付けることが出来、より一層の注目を引くようにすることが可能である。人はバーコードの外観だけから意味を見出だすことはないが、この枠からは何等かの意味を感じ取ることが出来る。また例えば鳥羽僧正の鳥獣人物戯画に登場する蛙と兎とのように、2つの2次元コードの一方の枠を蛙形状とし、他方の枠を兎形状として、両者を向かい合わせたりすることで、ここにストーリー性が発生する。さらに2次元コードの内容を例えば一方を蛙の台詞とし、他方を兎の台詞とすれば、これをカメラ付き携帯電話などのデコーダで読み取って表示させることで、ゲーム性が付与されていることが明かとなる。なおこれは後述する集合的バーコードの思想とも関係する。
【0012】
なお枠だけから成る図形以外にも、枠の内部が描画されている図形を用いることが出来る。一般的に図を描くと、図と背景との境には枠があるものと見ることが出来る。これは境が線などで明示されているか否かに限らない。例えば上述した鳥獣人物戯画の蛙と兎の漫画には各々枠があると見做すことが可能である。従ってこのような蛙や兎にバーコードを配置することによりバーコードに注目させることが出来るのである。
【0013】
また枠の内側の地が、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色されて成るものとすることが出来る。これによってより一層の注目を引くようにすることが可能である。例えば図が黒で表わされている時の地を、白、地から図が識別出来ると言う条件付きで白黒の中間色、またこれ以外のカラーを選択することが出来る。なお着色すると言う場合、印刷のインクの色で実現する方法や、台紙などの印刷対象の持つ色で実現する方法などがある。
【0014】
また枠付きのバーコードが接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されているものとすることが出来る。これによれば枠と共に目立つように為されたバーコードを印刷物や印刷物以外の対象に貼付することが可能になる。従って例えば後からポスターにこのように目立つバーコードのシールを貼り付けることが出来るし、また例えば教材へのリンクを示すURL(Uniform Resource Locator)をエンコードした2次元コードのシールを学習ノートに貼り付けることが出来るなどその用途は広い。
【0015】
なお上述した第1の課題は、請求項5の発明では、枠に、図と地とから成るバーコードの図、を合成し、枠の内側の地を、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、枠付きバーコード描画プログラムを提供することにより達成される。この枠付きバーコード描画プログラムによれば、バーコードが与えられたならばこれに枠を描画し、枠の内側の地を、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色して描画する。枠は幾つも用意した中からユーザーに選択させるようにしたり、ランダムに選択するようにしたり、あるいは図に重ならないようにして図の外側を囲うように描画するなどすれば良い。また地の着色に関しては、色をユーザーに選択させるようにしたり、図の構成要素が読み取れるか否かの判定を行なう読み取り判定機能を設けて、候補とした色の中から濃さを自動判別して適宜選択するようにするなど、任意の設計が可能である。なおこの枠付きバーコード描画プログラムにバーコード作成機能を追加することが出来る。
【0016】
また上述した第1の課題は、請求項6の発明では、図と地とから成るバーコードの複数個を集めて表示して成ることを特徴とする、集合的バーコードとすることにより達成される。これまで単独で表示されていたバーコードを集めて表示することによって見慣れないものとなり、見る人に「オヤ?」と思わせるなどして注目を集めることが出来る。2個のバーコードの集合体でも人目を引くことが可能であるが、さらに多く集めることによってスケールメリットが生ずる。またこれは上述の枠付きバーコードの思想とも関連するが、例えば2次元コードを集合させてその各々に記録された情報を繋ぎあわせてストーリーを構成するようにしておけば、これ等を上述したカメラ付き携帯電話で復号して読み取ることが可能である。また例えば複数の2次元コードから特定の情報を探させるゲームなどを提供することが可能である。なお上記で集合とは、バーコードを複数個使用することや、複数個のバーコードを、隣り合わせたり読み取り可能な範囲で接触させるなど、近接させて表示することを言う。なおこれ等の複数個のバーコードの中に読み取れない(デコード出来ない)バーコードを意図的に混入させるようにしても良い。
【0017】
この集合的バーコードに付いて、複数個のバーコードによって図形が表わされて成るものとすることが出来る。人はバーコードの見掛けから内容を読み取ることは出来ないが、図形的に配置されたバーコードであればその形から意味を読み取ることが出来る。例えば複数個のバーコードを花の形状に並べれば、それが花であることは一目瞭然である。この場合花の名前や意味とバーコードに記録された情報とは、一致していても一致していなくても良い。あるいは例えばポスターの制作でバーコードを並べて文字を作れば、人はその意図を読み取ることが出来る。
【0018】
また図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成るものとすることが出来る。上述したようにバーコードを集めて表示することにより注目を集めることが出来る。この集合は2個よりも3個と数が増えるほど目立つようになる。従って集合的バーコードは白黒であるよりもカラーである方が好ましい。特に雑誌やポスターなどカラーの印刷物の場合に使い勝手が向上する。なおこれは後述するカラーバーコードの思想とも関連する。
【0019】
また図の構成要素が地から識別出来ない濃さの読み取り不能なバーコードが混入しているものとすることが出来る。この発明によってバーコードを集合させてデザインした印刷物と言うものを提供することが出来るようになったわけであるが、そのすべてが読み取り可能なバーコードである必要はない。逆に言うならば例えば読み取り可能な2次元コードをカメラ付き携帯電話をかざして探し当てその内容を読み取る、と言うような新規ゲームとしてその印刷物を構成することが出来るのである。なお図と地との濃度差で識別出来ないものとする以外に、一定の規則に基づかず出鱈目に作ったバーコードを混入させるようにしても同様の作用効果を得ることが可能である。
【0020】
なお上述した第1の課題は、請求項10の発明では、与えられた文字や図形に、図と地とから成るバーコードの複数個を当て填めて合成する処理をコンピュータに実行させる、集合的バーコード描画プログラムを提供することにより達成される。複数個のバーコードの1個1個を手作業で配置して行き一定の文字の形や図形に近い形状に仕上げるのは根気のいる作業である。そこでこの集合的バーコード描画プログラムは、複数個のバーコードを並べて行き与えられた文字や図形を描く処理を行なっている。このバーコードは1種類のものである場合と複数種類である場合とがある。複数種類ある場合のバーコードを並べる順序は、例えばランダムとしたりバーコードの名前順などとすれば良い。バーコードが不足するようであれば同一のものを繰り返して使用するなどと設計すれば良い。なおこの集合的バーコード描画プログラムにバーコード作成機能を追加することが出来る。
【0021】
さて上述した第2の課題は請求項11の発明によって達成される。すなわち図と地とから成るバーコードに於いて、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成ることを特徴とするカラーバーコードとした。上述したようにこれまでの印刷業界ではバーコード(2次元コードを含む)の表示は白黒であるものと言う先入観で支配されていた。この発明はこのような先入観を打破して、図か地の何れでも良いからカラー化して見せたのである。このカラーバーコードは美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がなくなっている。またカラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることもない。従って上述したように2次元コードをシール化して既に出来上がっている印刷物の上に後から貼付すると言うような用途の場合でもまったく問題がない。なおこの発明の目的はデータ容量を大きくすることにあるのではなく、また読み取り精度を最大にすることでもない。言わば審美眼の問題(あるいは遊び心の問題)であるから機械で読み取ることが出来さえすればよい。この機械読み取りに付いて特定の機種に限定したものであっても構わないのは言うまでもない。なお請求項11の発明では白黒とその中間色とを排除しないがこれ以外の色を必ず含んでいる。地の着色に付いては印刷のインクの色による場合と、台紙などの印刷対象の持つ色による場合と、両者の混合による場合などがある。
【0022】
ところで伊藤若沖の白象群獣図などのように、桝目の一コマ一コマを埋めるようにして描くテクニックがあるが、これを用いて絵柄の中に機械可読な2次元コードを紛れ込ませることが出来る。伊藤若沖から発想を広げれば、この発明のバーコード(2次元コードを含む)は印刷物に適用するのみならず、例えば織物でバーコードの図と地を表わすことが可能である。西陣織でははつりが用いられているが、このようなテクニックを参考にすることが出来る。
【0023】
また図の構成要素または地が2色以上に着色されて成るものとすることが出来る。これによってさらにカラフルなものとなる。前記図の構成要素(多くはドットである)の着色に関しては構成要素の1つ1つに対して2分割3分割して色を変えることが可能である。またグラデーションを付けるようにしても良い。また構成要素の周縁部が構成要素のまたは背景の色とは異なる色で縁取りされて成るものとすることが可能である。地に関してはやはり2分割3分割して色を変えたり、グラデーションを施したり、模様を描いたものとすることが可能である。
【0024】
また図に図柄が表われるように、図の構成要素が着色されて成るものとすることが出来る。これを単純化して説明すれば、例えば縦横3ドットずつの計9ドットから成る図であって、最上行の3ドットと中央列の3ドットとに着色を施して成るものでは、これは全体として英文字のTに見える。このようなドット文字以外にもドット絵が表現可能である。すなわちどのような図柄とするかは任意であるが、これにより見る人に対して美感と共に意味を与えることが出来る。
【0025】
また地に着色によって図柄が表わされて成るものとすることが出来る。これによっても見る人に対して美感と意味とを与えることが出来る。なお地の着色の要件は図の構成要素が地から識別出来る濃さでなくてはならないことである。
【0026】
また接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されているものとすることが出来る。これによればカラーバーコードのシールを、例えばポスターのような印刷物や、印刷物以外の対象物として例えば根付けなどのアクセサリーに、後から貼り付けることが出来る。このようにしても見る人に違和感を与えることなく美感を催させることが出来、またカラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることもない。
【0027】
さて上述した第2の課題は請求項16の発明により達成される。すなわち図と地とから成るバーコードの図または地を、図と地が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、バーコード着色プログラムとした。このバーコード着色プログラムによれば、バーコードが与えられると共に図または地の指定が得られたならば、指定された図または地に対して地と図の構成要素とが識別出来る濃さで着色して描画する処理を行なう。地と図の両方に対して着色する処理を行なわせることも可能である。地に付いても図または図の構成要素に付いてもどのような着色を施すかをユーザーに指定させるように設計することが可能である。あるいは着色のステップと読み取り判定機能による識別の可否判断を行なうステップとを組み合わせて、識別出来る濃さが得られるように試しながら着色するように設計することが出来る。なおこのバーコード着色プログラムにはバーコード作成機能を追加することが出来る。
【発明の効果】
【0028】
この発明は、バーコードの図の周囲に枠を備えたり、複数個のバーコードを集めて表示して成るものとしたので、印刷物中のバーコードを目立たせることが出来るようになっている。またこの発明は、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように図または地をカラーに着色して成るバーコードとしたので、見る人に美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がなく、カラー印刷のその美麗なデザインの邪魔をすることもなくなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
第1実施形態(枠付きバーコード)
図1で示すように、台紙1上には1次元バーコードと共に、この1次元バーコードを囲むようにして細枠3と太枠30とが印刷されている。細枠3と太枠30とは閉空間を構成していないが、影を表わす太枠30の作用によってこの1次元バーコードが浮き上がって見える。なお細枠3と太枠30との内側は1次元バーコードの地部分31を作り出しており、相対的に1次元バーコードの図部分2が生ずる。このように枠囲いをすることによって、1次元バーコードに注意を向けさせることが出来る。
【0030】
第2実施形態(枠付きバーコード)
図2で示すように、2次元コードを兎の形状を呈する枠32で囲って成るものであり、2次元コードの図部分20と2次元コードの地部分33とが形成されている。なお枠32は連続しており、枠32内は閉空間を構成している。枠囲いも然ることながら、その兎の形状が人目を引く。
【0031】
第3実施形態(枠付きバーコード)
図3で示すように、台紙1上には2次元コードと共に、この2次元コードを囲むようにして矢印形状の枠34が印刷されている。この枠34によって2次元コードの図部分20と地部分とが作り出されているが、この実施形熊ではこの地部分が着色部35と成っている点に特徴を有する。当然のことながら図と地が識別出来る濃さで着色部35が着色されている。例えば2次元コードの図部分20が黒で、着色部35が黄である。
【0032】
第4実施形態(枠付きバーコード)
図4で示すように、シール台紙4には9個のシール40が切り抜き線41によって剥離可能に設けられている。シール台紙4の裏面には粘着剤が塗布されており、ここに剥離紙が接着されている(図示せず)。従ってシール台紙4からシール40を剥離すると、任意の対象物に接着可能となる。この9個のシール40の各々に、上述第2実施形態で説明した兎の形状の枠32と、この枠32で囲われた2次元コードが印刷されている。なお符号20は2次元コードの図部分である。
【0033】
第5実施形態(枠付きバーコード)
図5で示すように、白い台紙1上に於いて2次元コードの図部分21(白)の背景となるようにして、黒の角丸方形が印刷されている。従ってこの角丸方形は2次元コードの地部分36となっている。このように台紙1とは異なる色で背景を塗ることにより、背景は台紙1との間に枠を生ずることになる。このようにしても2次元コードの機械読み取りは可能であり、かつ人目を引くものとなっている。
【0034】
第6実施形態(枠付きバーコード)
図6で示したものはこの実施形態の枠付きバーコード描画プログラムのフローチャートである。このプログラムはパーソナルコンピュータ上で動作するものであるがパーソナルコンピュータの装置構成は良く知られているため説明を省略する。このパーソナルコンピュータのオペレータがURLなどの情報を入力すると、プログラムはこれをエンコードして2次元コードを生成する(ステップS1)。またこのプログラムは形状の異なるいくつもの枠を予め用意してあり、これがオペレータに選択可能に提示してある。そこでオペレータが好みの枠を選択すると(ステップS2)、この枠の中に前記作成した2次元コード(図は黒である)を納めて描画する(ステップS3)。またこのプログラムはカラーパレットを所有しており、色の選択が可能なようにオペレータに提示してある。そこでオペレータが好みの色を選択すると(ステップS4)、前記枠内の地をこの色に置き換えて描画し(ステップS5)、続いてこの色の地に対して図が判読出来るか否かすなわち前記2次元コードが読み取れるか否かを判定し(ステップS6)、判読出来ない場合はオペレータに再度地の色の選択を要求し、判読出来た場合には確定して終了する。なおここでは地の色を塗ることに付いて説明したが、図の色の変更を取り扱うことも、また地と図共に取り扱い得るように設計することも可能である。
【0035】
第7実施形態(集合的バーコード)
図7で示すように、集合的2次元コード5は、機械可読な2次元コード50と非可読なダミーコード51とにより花の形に配置され印刷されて成るものである。この中で機械可読なものは花弁に囲まれた中心の2次元コード50である。なおここでは全体を覆う花の形の枠を描いているがこれは必須なものではない。この実施形態のように見せ掛けも含めて複数の2次元コードを集合させることによって、人目を引くようにすることが出来る。さらにこれが花と言う意味のある形を持っていることから、2次元コードを用いているにもかかわらず興趣のあるものとなっている。なお全て機械可読な2次元コード50を用いても良いのは言うまでもない。
【0036】
第8実施形態(集合的バーコード)
図8で示すように、この実施形態では3個の2次元コードを並べて集合的2次元コード52を構成している。右端のものは黒図53とカラー地54とから成る。また中央のものはカラー図55と黒地56とから成る。また左端のものは黒図53とカラー地57とから成る。何れも地と図の構成要素とは識別出来る濃さに調整されている。この集合的2次元コード52も人の注意を引くには十分である。
【0037】
第9実施形態(集合的バーコード)
図9で示すように、集合的2次元コード58は、袋文字様の文字枠59の中に全て同一の2次元コード50を並べて成るものである。すなわち2次元コード50を並べることによって文字を表わすことが出来、人目を引くことが出来るのである。従って文字枠59はこれを取り払ってしまうことも可能である。
【0038】
第10実施形態(集合的バーコード)
図10で示したものは集合的バーコード描画プログラムのフローチャートである。このプログラムはパーソナルコンピュータ上で動作するものであるがパーソナルコンピュータの装置構成は周知であるため説明を省略する。このパーソナルコンピュータのオペレータがURLなどの情報を入力するとプログラムはこれをエンコードして2次元コードを生成する(ステップS7)。次に例えば図9で示すような文字枠59がオペレータにより図形として与えられたら(ステップS8)、この袋文字様の文字枠59の中の空間を埋めるようにして前記2次元コードを配置して行く(ステップS9)。これは空間がなくなるまで繰り返され(ステップS10)、終了する。なお左から右へ、上から下へ、途なりになどと空間を埋める規則を設定しておくようにする。袋文字ではなく線文字の場合には、その線に沿って前記2次元コードを並べて行くように設定すれば良い。また文字ではなく図形を処理対象とすることも可能である。
【0039】
第11実施形態(集合的バーコード)
図11で示すように、台紙6の上には兎の絵60と蛙の絵61が描かれており、兎の絵60には2次元コード7が、また蛙の絵61には2次元コード70が、2次元コード7,70が上位となるようにして合成描画されている。体の線は上述の枠囲いであると見做すことも可能であり、兎の絵60では2次元コード7の一部が体の線からはみ出しているが問題ない。なお2次元コード7,70には各々のキャラクターの台詞がコード化されている。このように漫画と2次元コードとを一体化させることにより、人目を良く引くと共に意味を生じて興趣を催させることが出来る。
【0040】
第12実施形態(カラーバーコード)
図12で示すように、この実施形態のカラーバーコードは、2次元コードの地部分8と2種のカラー図90,91とから成る。例えば地部分8を白とし、カラー図90を青またカラー図91を赤などとする。これは非常にカラフルなものであり、見る人に美感を催させ、美麗なカラー印刷の中にあってもまったく違和感がない。それどころかカラー印刷の美麗なデザインの邪魔をすることもないのである。
【0041】
第13実施形態(カラーバーコード)
図13で示すように、この実施形態のカラーバーコードは、右半分がカラー地80であり、左半分がカラー地81である地と、2次元コードの図部分9とから成る。例えば2次元コードの図部分9を黒とし、カラー地80を薄黄またカラー地81を薄緑などとする。なおこれは上述した第12実施形態とも関係するが、図も地もカラフルな印刷とすることが可能である。要件は地と図の構成要素とが識別出来る濃さに調整されていると言うことである。
【0042】
第14実施形態(カラーバーコード)
図14で示すように、この実施形態のカラーバーコードは、2次元コードの地部分8と2色のカラー図9,92とから成る。基本的に図はカラー図9なのであるが、このドットの中に「太陽」「花」「歩く人」に見えるドット構成を見出だし、これ等のドットに別色の着色を施して成るものである。従って2色のカラー図9,92が用いられていることになる。
【0043】
第15実施形態(カラーバーコード)
図15で示すように、シール台紙42には9個のシール43が切り抜き線44によって剥離可能に設けられている。シール台紙42の裏面には粘着剤が塗布されており、ここに剥離紙が接着されている(図示せず)。従ってシール台紙42からシール43を剥離すると、任意の対象物に接着可能となる。この9個のシール43の各々に、リンゴの形状の枠で囲われた2次元コードが印刷されている。なお符号93はカラー図(赤)であり、符号82はカラー地(薄黄)である。
【0044】
第16実施形態(カラーバーコード)
図16で示したものはバーコード着色プログラムのフローチャートである。このプログラムはパーソナルコンピュータ上で動作するものであるが、その装置構成は周知であるために説明を省略する。このパーソナルコンピュータのオペレータが情報を入力するとプログラムはこれをエンコードして2次元コードを生成する(ステップS11)。次いでこのパーソナルコンピュータのオペレータがカラーパレットの中から任意の地の色を選択すると、プログラムはその色を塗って地を描画する(ステップS12)。続いてオペレータがカラーパレットの中から任意の図の色を選択すると、プログラムはその色を塗り図を描画し(ステップS13)、前記の色の地に対してこの色の図が判読出来るか否か、すなわち前記2次元コードが読み取れるか否かを判定し(ステップS14)、判読出来ない場合はオペレータに図の色の変更を要求し、判読出来た場合には確定して終了する。なお地の色や図の色の選択をオペレータに任せずに、プログラムが一定の規則に則って選択して行くように設計することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明で使用が可能なバーコードには既存のものがすべて含まれる。例えば株式会社デンソーウェーブのQRコード(登録商標)などが利用出来る。またこれから開発されるであろう容量の大きなバーコードに対しても適用可能であろう。またこの発明によれば、絵画や絵本や漫画などのストーリー性を備えたものの中に、枠付きバーコードを挿入することが出来る。このように枠囲いは図を際立たせることが出来るものであるためTシャツなどの衣類に枠付きバーコードを印刷すると興味深いものとなる。バーコードの読み取りに機種異存があっても仕方ないが、なるべく汎用に近付けるべく、前記各種のバーコードの表面に読み取り精度を保持するための透明な保護カバーを掛けるなどの工夫も好ましいものである。また上述したように、この発明のバーコードを織物で構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1実施形態の説明図である。
【図2】第2実施形態の説明図である。
【図3】第3実施形態の説明図である。
【図4】第4実施形態の説明図である。
【図5】第5実施形態の説明図である。
【図6】第6実施形態のフローチャートである。
【図7】第7実施形態の説明図である。
【図8】第8実施形態の説明図である。
【図9】第9実施形態の説明図である。
【図10】第10実施形態のフローチャートである。
【図11】第11実施形態の説明図である。
【図12】第12実施形態の説明図である。
【図13】第13実施形態の説明図である。
【図14】第14実施形態の説明図である。
【図15】第15実施形態の説明図である。
【図16】第16実施形態のフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 台紙
2 1次元バーコードの図部分
20 2次元コードの図部分
21 2次元コードの図部分
3 枠
30 枠
31 1次元バーコードの地部分
32 枠
33 2次元コードの地部分
34 枠
35 着色部
36 2次元コードの地部分
4 シール台紙
40 シール
41 切り抜き線
42 シール台紙
43 シール
441 切り抜き線
5 集合的2次元コード
50 2次元コード
51 ダミーコード
52 集合的2次元コード
53 黒図
54 カラー地
55 カラー図
56 黒地
57 カラー地
58 集合的2次元コード
59 文字枠
6 台紙
60 兎の絵
61 蛙の絵
7 2次元コード
70 2次元コード
8 2次元コードの地部分
80 カラー地
81 カラー地
82 カラー地
9 2次元コードの図部分
90 カラー図
91 カラー図
92 カラー図
93 カラー図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図と地とから成るバーコードに於いて、図の周囲に枠を備えていることを特徴とする、枠付きバーコード。
【請求項2】
枠の形状が図形である、請求項1に記載の枠付きバーコード。
【請求項3】
枠の内側の地が、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色されて成る、請求項1に記載の枠付きバーコード。
【請求項4】
接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されている、請求項1に記載の枠付きバーコード。
【請求項5】
枠に、図と地とから成るバーコードの図、を合成し、枠の内側の地を、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、枠付きバーコード描画プログラム。
【請求項6】
図と地とから成るバーコードの複数個を集めて表示して成ることを特徴とする、集合的バーコード。
【請求項7】
複数個のバーコードによって図形が表わされて成る、請求項6に記載の集合的バーコード。
【請求項8】
図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成る、請求項6に記載の集合的バーコード。
【請求項9】
図の構成要素が地から識別出来ない濃さの読み取り不能なバーコードが混入している、請求項6に記載の集合的バーコード。
【請求項10】
与えられた文字や図形に、図と地とから成るバーコードの複数個を当て填めて合成する処理をコンピュータに実行させる、集合的バーコード描画プログラム。
【請求項11】
図と地とから成るバーコードに於いて、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成ることを特徴とする、カラーバーコード。
【請求項12】
図の構成要素または地が2色以上に着色されて成る、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項13】
図に図柄が表われるように図の構成要素が着色されて成る、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項14】
地に着色によって図柄が表わされて成る、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項15】
接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されている、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項16】
図と地とから成るバーコードの図または地を、図と地が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、バーコード着色プログラム。
【請求項1】
図と地とから成るバーコードに於いて、図の周囲に枠を備えていることを特徴とする、枠付きバーコード。
【請求項2】
枠の形状が図形である、請求項1に記載の枠付きバーコード。
【請求項3】
枠の内側の地が、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色されて成る、請求項1に記載の枠付きバーコード。
【請求項4】
接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されている、請求項1に記載の枠付きバーコード。
【請求項5】
枠に、図と地とから成るバーコードの図、を合成し、枠の内側の地を、この地から図の構成要素が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、枠付きバーコード描画プログラム。
【請求項6】
図と地とから成るバーコードの複数個を集めて表示して成ることを特徴とする、集合的バーコード。
【請求項7】
複数個のバーコードによって図形が表わされて成る、請求項6に記載の集合的バーコード。
【請求項8】
図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成る、請求項6に記載の集合的バーコード。
【請求項9】
図の構成要素が地から識別出来ない濃さの読み取り不能なバーコードが混入している、請求項6に記載の集合的バーコード。
【請求項10】
与えられた文字や図形に、図と地とから成るバーコードの複数個を当て填めて合成する処理をコンピュータに実行させる、集合的バーコード描画プログラム。
【請求項11】
図と地とから成るバーコードに於いて、図の構成要素が地から識別出来る濃さであるように、図または地がカラーに着色されて成ることを特徴とする、カラーバーコード。
【請求項12】
図の構成要素または地が2色以上に着色されて成る、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項13】
図に図柄が表われるように図の構成要素が着色されて成る、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項14】
地に着色によって図柄が表わされて成る、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項15】
接着面とその上を覆う剥離紙とを備えたシールに印刷されている、請求項11に記載のカラーバーコード。
【請求項16】
図と地とから成るバーコードの図または地を、図と地が識別出来る濃さで着色する処理をコンピュータに実行させる、バーコード着色プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−18478(P2007−18478A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228804(P2005−228804)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(301052180)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(301052180)
【Fターム(参考)】
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