説明

柄経糸用部分整経機

【課題】巻取り駆動部によって軸線の周りを回転可能な整経ドラムと複数の糸ガイド(6)とを有し、前記糸ガイドがそれぞれ駆動部(14、18〜20)によって前記軸線と平行に非動作位置と巻取り領域との間を移動可能であり、前記非動作位置がラインに沿って配置されている、生産性の高い柄経糸用部分整経機を提供することを目的とする。
【解決手段】前記目的は、前記軸線と平行に前記ラインを投影することによって形成される面の、両側に、前記駆動部(14、18〜20)が分散配置されている構成によって達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取り駆動部によって軸線の周りを回転可能な、整経ドラムと複数の糸ガイドとを有し、糸ガイドが、それぞれ、駆動部によって軸線と平行に非動作位置と巻取り領域との間を移動可能であり、非動作位置がラインに沿って配置されている柄経糸用部分整経機に関する。
【背景技術】
【0002】
柄経糸用部分整経機は、「短尺経糸」とも称される柄経糸を製造するのに役立つ。この目的のために、糸はエンドレスで整経ドラムの周面に巻き取られる。これらの糸は、次に、限定的長さの経糸を得るために特定箇所で切断される。
【0003】
公知の柄経糸用部分整経機では、糸の巻取り時に停止する整経ドラムが利用される。糸は回転する糸ガイドによって整経ドラムの周面に案内される。その際、糸はボビンから引き出され、ボビンは糸ガイドと一緒に回転する回転式クリール内に配置されている。このような処理工程は確かに基本的に実証済みである。しかし、公知の柄経糸用部分整経機では、回転式クリール内で所定数(限定数)だけのボビンを一緒に案内できるにすぎないことに、制約がある。それに対応して、同時に整経できる糸の数が限定される。
【0004】
そのため、巻取り時に整経ドラムを回転させ、整経ドラムの周方向を基準に糸ガイドを定置に留めておくように構成された柄経糸用部分整経機が試みられた。その際、糸ガイドは整経ドラムの軸線と平行に移動可能であり、軸線方向で整経ドラムの端面の前かまたは整経ドラムの軸線方向の端面の後のいずれかに位置決めすることができる。前者の場合、糸は柄出し過程から外され、例えば中央紐に巻き取られる。後者の場合、糸は整経ドラムの周面に巻き取られる。整経ドラムの周面にしばしば搬送ベルトまたは別の搬送面が配置されており、搬送ベルトは整経ドラムの軸線と平行に端面から離れる方向に移動する。
【0005】
前記柄経糸用部分整経機として、特許文献1に記載されるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 2008/092802 A1号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
理論的には、前述のような柄経糸用部分整経機は、従来のものに比べて、はるかに多くの糸を同時に巻き取ることができる。従来の定置式クリールを使用できるので、はるかに多くのボビンを収容することができる。しかし、同時に使用可能な糸の本数は、糸ガイドがそれぞれ駆動部を有しなければならないという構成に起因して、限定されてしまう。この駆動部が一定の取付空間を必要とすることから、同時に巻き取りまたは整経できる糸の本数は、やはり限定される。この制約のため、柄経糸用部分整経機の生産性も限定されている。
【0008】
本発明の課題は、生産性の高い柄経糸用部分整経機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、冒頭に指摘した種類の柄経糸用部分整経機において、軸線と平行にラインを投影することによって形成される面の両側に駆動部を分散配置することによって解決される。
【0010】
つまり、駆動部が2つのグループに振り分けられ、これら両方のグループが2つの位置に分散して配置される。こうしていわば二倍のスペースが利用可能となり、それ相応に多くの駆動部を収容することができる。しかしながら、このためには糸ガイドに一定の変更が必要である。一方のグループの駆動部は整経ドラムの軸線を基準に半径方向外側から糸ガイドに作用するのに対して、別のグループの駆動部は経ドラムの軸線を基準に半径方向内側から糸ガイドに作用するようにする。それに応じて駆動部と糸ガイドとの間の作用関係は相応に構成されなければならない。
【0011】
主として、前記面の片側に配置される駆動部は複数の領域に分散されており、これらの領域は軸線と平行に非動作位置に対して異なる距離を有する。つまり、駆動部は両方のグループに分散して配置されるだけでなく、1つのグループの内においても異なる領域に分散させることができ、これにより一層増大した取付空間が得られ、この取付空間内に、相応に多くの糸ガイド用駆動部を収容することができる。
【0012】
その際、異なる領域に配置される駆動部が、前記面に対して異なる間隔を有するように構成することは、有利な構成となる。このような構成が有利であるのは、特に、大部分の電気駆動部において該当することであるが、駆動部が磁石を有するものであるときである。その場合、相隣接する駆動部は、相手の駆動部の磁石に起因する互いの干渉を排除できるような大きさの相互間隔で、配置されることができる。つまり、この間隔は干渉可能な距離よりも大きい。干渉可能な距離は、普通、駆動部の製造業者によって設定される。前記駆動部を空間の3つの方向に多重に配分することによって多数の駆動部を使用することができ、しかも、これらの駆動部は相互に邪魔または干渉し合うことがない。
【0013】
主として、前記ラインは弧状の形態を有する。つまり、糸ガイドを非動作位置に配置するのに直線を利用しなければならないという訳ではない。むしろ、糸ガイドはいわば任意に配置することができる。ラインが弧状の形態である場合、面は相応する湾曲を有するものとなる。
【0014】
その際、弧状の形態が整経ドラムに適合されていると好ましい。こうして、例えば、糸が案内される箇所ですべての糸ガイドがいずれにしても整経ドラムの周面に対して等間隔(等距離)であるようにすることができる。
【0015】
主として、駆動部はそれぞれ、ステータと可動要素とを有する直線駆動部として形成されており、かかる可動要素は延長部を介して糸ガイドと結合されていることである。こうして他の形態の構成を採る可能性が得られる。前記延長部を使用することによって、最終的に糸が案内される位置に対して相対的に駆動部を配置する際の選択が比較的自由になる。前記案内される位置は、一般に、糸案内穴である。前記延長部は比較的低質量に、例えば炭素繊維強化プラスチック製の管によって形成することができる。
【0016】
好ましくは、糸ガイドの移動方向で、相互に間隔を有する2つの位置で、前記可動要素が前記糸ガイドと連結されているようにすることである。こうして、糸ガイドが、主として駆動力で付勢されるようにすることができ、この駆動力は糸ガイドの長手方向において作用し、しかも糸ガイドの長手方向が前記可動要素の移動軸と一致するのでなく、例えば移動軸と平行に延びている場合にも作用する。それに応じて、すべての糸ガイドの非動作位置が前記ラインに沿って整列し、駆動部を異なる平面に、つまり前記面に対して異なる距離に配置することが可能となる。
【0017】
主として、前記可動要素が糸ガイドと連結された三角形状のレバーに作用するようにすることである。例えば、前記可動要素が三角形状のレバーの先端に作用できる一方、三角形状のレバーの底は糸ガイドによって形成される。これは、所望する駆動コンセプトを実現するための比較的単純な構成である。
【0018】
その際、前記三角形状のレバーの少なくとも幾つかが補強ストラット(補強用筋交い)を有することが好ましい。この構成が有利であるのは、特に、前記面から最大距離を有する駆動部に糸ガイドを連結するレバーにおいてである。前記補強ストラットが三角形状のレバーをなお多少補強し、こうして三角形状のレバーは駆動部の移動を高い精度で糸ガイドに伝達することができる。
【0019】
主として、糸ガイドがそれぞれレバーの両側に支承箇所を有するようにすることである。こうして、レバー等の使用時にも駆動部が傾動モーメントを糸ガイドに持ち込むことが防止される。前記糸ガイドは、むしろ、整経ドラムの軸線と平行にのみ線形の移動を実行するように支承されている。
【0020】
好ましくは、前記駆動部がそれぞれモジュールにまとめられており、1つのモジュールは4によって余りなく割り切ることのできる数の駆動部を有するようにすることである。その場合、4つの駆動部の各グループは、2つの駆動部が面の片側に配置され、残りの2つの駆動部が面の反対側に配置されているように配分することができる。かかる面の各側の2つの駆動部は、該面に対して異なる距離にも、非動作位置に対して異なる距離にも、配置される。こうして4つのモジュールの1グループのすべての駆動部が十分な相互間隔を有し、相互に干渉または邪魔することはない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】柄経糸用部分整経機の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】複数の糸ガイドを有する1つのモジュールの斜視図である。
【図3】図2に示すモジュールの平面図である。
【図4】図2に示すモジュールの側面図である。
【図5】4つの駆動部の配置を表した基本的な斜視図である。
【図6】図5の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ好ましい1の実施例に基づいて本発明を説明する。
【0023】
図1に図示するように、柄経糸用部分整経機1は整経ドラム2を有し、この整経ドラム2は図で略示した巻取り駆動部3と連結されている。前記巻取り駆動部3は、巻取り時に整経ドラム2を矢印4の方向に回転させることができる。
【0024】
図示しないが、ボビンクリール内に多数のボビンが配置されている。この実施例では128個までのボビンを前記ボビンクリール内に配置しておくことができる。
【0025】
糸は各ボビンから引き出され、図1,図2に示す糸ガイド6の糸案内穴5に通される。すべての糸ガイド6が一体になって糸変位ユニット7(図1参照)を形成する。図から判るように、前記糸ガイド6は4つのグループに分かれて配置されており、各グループ32が糸ガイド6を有する。
【0026】
前記糸ガイド6は、糸ガイド穴5が整経ドラム2上に案内されるように軸線方向へ動かすことができ、こうして糸ガイド穴5に通された糸は整経ドラム2の周面に巻き取られる。糸は、整経ドラム2上の搬送ベルト8上に給糸され、これらの搬送ベルト8が形成する搬送面は、整経ドラム2の軸線と平行に該整経ドラム2の端面から離れる方向へ移動する。前記端面に糸変位ユニット7が配置されている。整経ドラム2の周面に給糸すべきでないとき、糸ガイド穴5は整経ドラム2の端面の前方(反整経ドラム2方)へ動かされる。このように前方に動かされた糸ガイド穴5の、柄経糸製造用に必要とされない糸は、中央紐(図示せず)に巻き取られる。この状態がすべての糸ガイド穴5について図1に示されている。つまり、図1に示されるすべての糸ガイド6は、非動作位置にある。前記糸ガイド穴5は、すべてラインに沿って配置されている(図2参照)。本実施例において、このラインは弧状に形成されている。すべての糸ガイド穴5が整経ドラム2の軸線に対して事実上同じ間隔(距離)を有し、従って、整経ドラム2の周面に対してもすべてが実質上同じ間隔(距離)を有するように、前記ラインは形成されている。前記整経ドラム2が回転し、糸ガイド穴5が糸を整経ドラム2の周面に案内するように糸ガイド6が移動されられた場合に、すべての糸について同じ巻取り条件が生じる。
【0027】
いわゆる綾またはサイジング分割を形成するためにリーズロッド9が設けられており、これらのリーズロッド9は、隣接する搬送ベルト8間に配置されている。各リーズロッド9は糸変位ユニット7と向き合うその端に先端10を有し、この先端10は実質的に半径方向外側を向いている(図1参照)。前記先端10はここで移動不能にリーズロッド9と一体になっている。
【0028】
半径方向外側でリーズロッド9上に給糸すべきである場合、糸ガイド穴5は、糸変位ユニット7から離れた前記先端10に糸がリーズロッド9側に載置されるように、軸線方向で移動されられる。しかし、リーズロッド9の半径方向内側へ給糸すべきである場合、糸ガイド6は、当該リーズロッド9が糸ガイド穴5の脇を通過する瞬間に整経ドラム2の端面の方に移動し、糸が先端10によって把持されることはない。リーズロッド9の通過後、糸ガイド穴5は再び元の位置に戻され、巻取り過程はさらに進展させることができる。
【0029】
前記整経ドラム2に対して相対的なリーズロッド9の位置を把握するためにセンサ装置11が設けられている。このセンサ装置11は機枠12の定位置に配置されており、リーズロッド9がセンサ装置11の脇を通過する毎に、整経ドラム2の周面でのリーズロッド9の位置を把握することができるようになっている。
【0030】
前記整経ドラム2とリーズロッド9との相対的関係が既知である場合、リーズロッド9の上または下に給糸できるように糸ガイド6の移動を相応に制御することが比較的簡単に可能である。
【0031】
前記糸ガイド6はさらに整経ドラム2の回転のたびに該整経ドラム2の端面から離れる方向へ移動して該整経ドラム2の軸線方向の内部側(中央部側)へと小さな値(距離)だけ動かされ、円錐形端面を有する糸層が整経ドラム2の周面に生じる。こうして、糸層の端面において糸が巻層の所定位置から落下することが防止される。糸が落下すると後の経糸繰り出しは困難となり、または不可能となることさえある。
【0032】
図2は、32個の糸ガイド6と相応する数の糸ガイド穴5とを有するモジュール13を示している。
【0033】
前記糸ガイド6は、それぞれ直線駆動部14の態様をした駆動部を有する。上下に配置される糸ガイド6が湾曲面(面という)を形成する。この面は、糸ガイド穴5によって形成されるラインを整経ドラム2の軸線と平行にずらすことによって生成することもできる。換言するなら、前記面は整経ドラム2の軸線と平行にラインを投影することによって形成されている。
【0034】
前記整経ドラム2の軸線を基準にして、前記面の半径方向外側に第1取付壁15があり、整経ドラム2の軸線を基準にして前記面の半径方向内側に第2取付壁16がある。それに応じて、各取付壁15、16に合計16台の直線駆動部14を取り付けることが可能である。第1取付壁15に取り付けられた直線駆動部14が第1グループを形成する。第2取付壁16に取り付けられた直線駆動部が第2グループを形成する。
【0035】
両方の取付壁15、16の間に内部空間17が形成されている。各グループにおいて半分の直線駆動部が内部空間17内にあり、残り半分は内部空間17の外側にある。それに応じて、内部空間17の外側(整経ドラム2の軸線側)で第2取付壁16に固着された直線駆動部14のみ図2において完全に視認することができる。これらの直線駆動部14は垂直方向において上下に配置されており、1つの積重ね体を形成する。
【0036】
第2積重ね体の直線駆動部18は内部空間17内で第2取付壁16に取り付けられている。図から判るように、第2直線駆動部18は非動作位置に対して僅かな距離を有するのみである。
【0037】
前記直線駆動部14は、前記面に対して直線駆動部18よりも大きな間隔を有する。さらに、直線駆動部14は非動作位置に対して直線駆動部18よりも大きな間隔を有する。
【0038】
直線駆動部19、20の鏡像的配置は第1取付壁15において生じる。直線駆動部19は内部空間17の外側で第1取付壁15に配置されている。直線駆動部20は内部空間17の内部で第1取付壁15に配置されている。それに応じて直線駆動部19は面に対して直線駆動部20よりも大きな距離を有し、非動作位置に対しても大きな距離を有する。
【0039】
つまり、すべての直線駆動部は、相互に邪魔し又は別の仕方で干渉し合うことのないように、十分な相互間隔を有するように配置することができる。
【0040】
特に、図3において直線駆動部20について認めることができるように、直線駆動部20はステータ21と可動要素22とを有する。直線駆動部20においてそれ自体知られている如くにステータ21内にコイル装置があり、このコイル装置内で移動磁界を生成することができる。「回転子」と称することもできる可動要素22は、例えば永久磁石を有し、これらの永久磁石は移動磁界によって駆動されて可動要素22を動かすことができる。
【0041】
前記可動要素22は、例えば炭素繊維強化プラスチック製の管によって形成された、延長部23と結合されている。つまり、このような延長部23は、比較的僅かな質量で構成することができる。
【0042】
前記延長部23が、前記可動要素22を実質三角形またはV形状のレバー24と結合させる。より正確に述べるなら、前記延長部23を介してレバー24の先端25に作用する。かかるレバー24は2つの足点26、27を介して糸ガイド6に作用する。つまり、直線駆動部20は、糸ガイド6の移動方向において相互間隔を有する2つの位置で、糸ガイド6と結合されている。これにより、前記直線駆動部20によって生成された駆動力が実質的に糸ガイド6の移動方向を向いている構成を実現することができる。
【0043】
前記糸ガイド6は、レバー24の両側で支承され、詳細にはレバー24と直線駆動部20との間の「第1ガイド28」内と、レバー24と糸ガイド穴5との間の「第2ガイド29」内とで支承されている。
【0044】
ちなみに、糸ガイド穴5は、それぞれ相対回転不能に糸ガイド6と結合されている。前記レバー24は同時に糸ガイド6用回転防止部を形成し、こうして、糸ガイド穴5が一旦占めた整列を維持することを保証することができる。
【0045】
前記内部空間17の外側にある直線駆動部(リニアモータ)14と当該糸ガイド6との間の結合のために大きなレバー30が不可欠であり、このレバー30は、その場合、該レバー30をなお一層補強するために補強ストラット31を備えている。
【0046】
図5と図6は、4つの直線駆動部14、18〜20の配置を、取付壁を省略した状態で、再度概略的に示している。これらの直線駆動部14、18〜20はそれぞれ1つの可動要素22を有し、この可動要素22が延長部23と結合されている。ここでは見易くする理由から、延長部23が、図2、図3よりもかなり短く図示されている。
【0047】
前記直線駆動部14、20の可動要素22が完全に進出(伸長)している。前記直線駆動部18の可動要素22は完全に後退(収縮)している。つまり、後者の場合、糸ガイド穴5は整経ドラム2に対して最大距離を有する。この場合、糸ガイド穴5は、例えば非動作位置に位置することになる。
【0048】
図6からは、1グループの直線駆動部14、18〜20の相対位置が判る。前記糸ガイド6によって形成される面の片側に2つの直線駆動部14、18もしくは19、20が配置されている。これらのグループのそれぞれにおいて直線駆動部18、20は前記面に対して小さな距離に配置され、直線駆動部14、19は大きな距離に配置されている。図2から明らかとなるように、1グループの直線駆動部14、18もしくは19、20は、糸ガイド6の移動方向と平行に、従って整経ドラム2の軸線と平行に相互にずらされて配置されている。
【0049】
4つのモジュール13を使用した場合、長さ1.6mの弧の内部に配置される合計128個の個々に、駆動可能な糸ガイドを使用することがこうして可能となる。このような弧内で操作員はすべての糸ガイド穴5に手を伸ばして、例えば糸を装着し、または目視点検することができ、従来のように梯子または昇降台等の他の補助手段を必要とすることはない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明にかかる柄経糸用部分整経機は、いわゆる柄経糸または短尺経糸等を製造するのに使用できる。
【符号の説明】
【0051】
1…柄経糸用部分整経機
2…整経ドラム
3…巻取り駆動部
6…糸ガイド
14、18〜20…(糸ガイドの)駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取り駆動部(3)によって軸線の周りを回転可能な整経ドラム(2)と、複数の糸ガイド(6)とを有し、前記複数の糸ガイド(6)がそれぞれ駆動部(14、18〜20)によって前記軸線と平行に非動作位置と巻取り領域との間を移動可能であり、複数の前記非動作位置がラインに沿って配置されている柄経糸用部分整経機(1)において、
前記軸線と平行に前記ラインを投影することによって形成される面の、両側に、前記駆動部(14、18〜20)が分散配置されていることを特徴とする柄経糸用部分整経機。
【請求項2】
前記面の片側に配置される前記駆動部(14、18;19、20)が複数の領域に分散されており、前記領域が前記軸線と平行に前記非動作位置に対して異なる距離を有することを特徴とする請求項1記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項3】
異なる領域に配置される前記駆動部(14、18;19、20)が、前記面に対して異なる間隔を有することを特徴とする請求項2記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項4】
前記ラインが弧状の形態を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項5】
前記弧状の形態が前記整経ドラム(2)に適合されていることを特徴とする請求項4記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項6】
前記駆動部(14、18〜20)がそれぞれ、ステータ(21)と可動要素(22)とを有する直線駆動部として形成されており、前記可動要素(22)が延長部(23)を介して前記糸ガイド(6)と結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1の項に記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項7】
前記糸ガイド(6)の移動方向で相互に間隔を有するところの2つの位置(26、27)において、前記可動要素(22)が前記糸ガイド(6)と結合されていることを特徴とする請求項6記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項8】
前記可動要素(22)が、前記糸ガイド(6)と結合された三角形状のレバー(24、30)に作用することを特徴とする請求項7記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項9】
前記三角形状のレバー(30)の少なくとも幾つかが補強ストラット(31)を有することを特徴とする請求項8記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項10】
前記糸ガイド(6)が、それぞれ、前記レバー(24、30)の両側に支承箇所(28、29)を有することを特徴とする請求項8または9記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項11】
前記駆動部(14、18〜20)がそれぞれモジュール(13)にまとめられており、1つの前記モジュール(13)が、4によって余りなく割り切ることのできる数の前記駆動部(14、18〜20)を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1の項に記載の柄経糸用部分整経機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−11045(P2013−11045A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244842(P2011−244842)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(591008465)カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング (45)
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】