説明

柄経糸用部分整経機

【課題】整経ドラム(2)と少なくとも1つの糸ガイド(6)を有する糸ガイド装置(7)と複数のリーズロッド(9)とを有する柄経糸用部分整経機(1)であって、前記糸ガイド(6)と整経ドラム(2)が該整経ドラム(2)の軸線の周りを回転方向(4)に互いに相対的に移動可能であり、糸ガイド(6)によって案内された糸を各リーズロッド(9)の箇所で該リーズロッドの上方または下方に導く手段が設けられ、高い整経速度で整経可能な、柄経糸用部分整経機を提供することを目的とする。
【解決手段】このため、少なくとも1つの前記リーズロッド(9)が前記整経ドラム(2)の軸線に対して相対的に異なる位置で位置決め可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整経ドラムと、少なくとも1つの糸ガイドを有する糸ガイド装置と、複数のリーズロッドとを有する柄経糸用部分整経機であって、前記糸ガイドと前記整経ドラムが整経ドラムの軸線の周りを回転方向において互いに相対的に移動可能であり、糸ガイドによって案内された糸を各リーズロッドの箇所でリーズロッドの上方または下方に導く手段が設けられている柄経糸用部分整経機に、関する。
【背景技術】
【0002】
「短尺経糸用部分整経機」とも称される柄経糸用部分整経機は経糸を限定的長さで製造(整経)するのに役立ち、経糸の製造時に、極力大きな柄出しの多様性を維持することが求められる。
【0003】
前記目的のために、いわゆる経糸帯が整経ドラムの周面に巻き付けられる。このような経糸帯は、単数または複数の並置された糸を有することがある。所望する長さの経糸が巻き取られると、経糸帯は既に巻き取られた経糸帯の横方にずらされて、前記巻取り過程を再度行うことができる。場合によってはこのような過程のとき1つの経糸帯内で糸の順序および/または数を変更することができる。
【0004】
前述のように、所要幅の経糸が整経されると、経糸帯はその長さの初端と終端で切断される。これを可能とするために、周知の如くに経糸の初端と終端に綾を形成するリーズロッドが設けられている。他のリーズロッドは、例えばサイジング分割用に設けておくことができる。
【0005】
経糸の終端に糸綾を形成するには、例えば経糸帯の最終巻層はリーズロッドの上方に案内されねばならない。その場合、この経糸帯の別のすべての巻層はリーズロッドの下方になければならない。本明細書においてリーズロッドの「上方」との用語は、経糸帯が(整経ドラムを基準にして)リーズロッドの半径方向外側にあることを意味する。本明細書においてリーズロッドの「下方」との用語は、経糸帯が整経ドラムとリーズロッドとの間にあることを意味する。
【0006】
糸を適宜に案内するのには複数の手法がある。1つの手法は、必要な場合に糸を把持してリーズロッドの上方に導くために進出する捕捉フィンガまたは捕捉フックをリーズロッドに装備することである。別の手法は、リーズロッドの脇を通過するとき糸ガイドを整経ドラムの軸線と平行に短時間動かし、案内された糸がリーズロッドの上方で給糸されるか、または糸が軸線方向でリーズロッドの先端の脇を案内され、継続処理時に糸がリーズロッドの下方にくるようにすることである。
【0007】
この種の先行技術として、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−115522号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、糸がリーズロッドに対して相対的に所望する位置に達することを確保することは、整経速度が増加するのに伴ってますます困難となる。糸をリーズロッドの上方に配置すべきであるにもかかわらず、糸が間違ってリーズロッドの下方に配置される場合、またはその逆の場合には、後の時点において経糸を正常に切断して繰り出すことが比較的困難となる。それに応じてここでは整経速度に一定の限界がある。
【0010】
本発明の課題は、高い整経速度を可能とする柄経糸用部分整経機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した課題は、冒頭に指摘した種類の柄経糸用部分整経機において、少なくとも1つのリーズロッドが整経ドラムの軸線に対して相対的に異なる位置に位置決め可能であることによって解決される。
【0012】
リーズロッドの位置と巻着糸の半径方向厚さとが互いに適合するようにリーズロッドを位置決めすることが、こうして可能となる。このことは特に、糸巻層の大部分をリーズロッドの下方に配置しなければならないリーズロッドに適用できる。つまり、リーズロッドの位置は、所望する経糸長さに適合させることができる。経糸長さから、所望する長さを形成するのに不可欠な巻層数が判る。巻層数は、経糸長さを整経ドラムの周長で割ることによって判る。糸の厚さを掛けた巻層数は、巻着糸の半径方向厚さの尺度となる。ところで、整経ドラムに過度に密着した状態でリーズロッドが位置決めされて、前記厚さを下まわると、経糸用に十分なスペースを利用することができない。かかる場合、巻き取られた経糸がリーズロッドを外方に曲げ、リーズロッドの先端はもはや本来在るべき箇所になくなる。所望の状態でリーズロッドの上方または下方に給糸するのを確保することが、こうして困難となる。リーズロッドが整経ドラムから過度に離間しているときにも、前記したと同じ問題が生じる。その場合、確かに巻付けた糸の厚さのために十分なスペースが利用可能ではある。しかし、巻着けた糸とリーズロッドとの間に付加的空間が残る。その場合、リーズロッドの上方で巻き取られる糸は、リーズロッドを半径方向内方に曲げ、こうして同じ問題が生じる。それに反して、リーズロッドを整経ドラムの軸線に対して相対的に半径方向で位置決めできる場合、この問題は生じない。巻き取られた糸によってリーズロッドが僅かに曲がるだけか又は全く曲がらないように、リーズロッドを位置決めすることができ、こうして、リーズロッドの先端は常に所望位置に位置する。それゆえに、十分正確に位置決めされたリーズロッドによって、高い整経速度が実現できる。
【0013】
主として、リーズロッドは位置決め駆動部によって変位可能である。その場合、リーズロッドの位置決めはいわゆる遠隔制御で行うことができ、場合によっては、リーズロッドが正しい位置に位置していないことが判明した場合、なお操業時にも行うことができる。位置決め駆動部は、簡単には、直線駆動部として形成しておくことができる。かかる位置決め駆動部は、リーズロッドが整経ドラムの軸線を基準に半径方向で進出又は進入できるようにしなければならないだけである。半径方向は移動時に厳格に守る必要さえない。つまり、位置決め駆動部は、整経ドラムの接線に垂直に作用する必要がなく、必要なら、接線に対して或る角度をもって作用するようにすることもできる。
【0014】
主として、リーズロッドが取り外し可能に位置決め駆動部と結合されていることである。そのことの利点としては、例えば、仕上げた経糸を繰り出すときそのことが必要であるなら、リーズロッドは位置決め駆動部から僅かに離間させることができる。
【0015】
しかし、特別好ましくは、リーズロッドはその長さにわたって分散して少なくとも2つの位置決め駆動部と結合されており、この位置決め駆動部が相互に独自にリーズロッドから取り外し可能であるようにすることである。少なくとも2つの位置決め駆動部でもって、リーズロッドは整経過程の開始時に2つ以上の箇所でしっかり保持することができ、かかるリーズロッドは、例えば整経ドラムの軸線に対して正確に平行に延設することができ、そのことから経糸の形成が簡単となる。しかしながら、経糸は幅の増加に伴って整経ドラム上で、糸の載置される端面から離れる方向にずらされる。その場合、位置決め駆動部は経糸の継続的な移動を妨げることになる。そのため、まず位置決め駆動部は、糸の載置される端面に最も近いリーズロッドから取り外すことができる。位置決め駆動部の離脱と整経ドラム内への進入は、整経時に上記端面から離反する方向に搬送される経糸が、この位置決め駆動部に達する直前に行われる。この理由から、位置決め駆動部の取り外しは問題でない。この時点で、リーズロッドは既に経糸によって十分に固定されている。
【0016】
主として、巻着糸の高さを検出するセンサ装置が設けられており、このセンサ装置が位置決め駆動部と接続されているように構成することである。つまり、センサ装置は、位置が巻着糸の高さ即ち厚さに対して、比較的正確に適合するように位置決め駆動部によってリーズロッドを位置決めすることができる。このため、一般に、整経過程の最初に複数の経糸帯を整経する必要がある。この時点でリーズロッドが間違った位置を占めたとしても、そのことは問題でない。しかしながら、巻着糸の形成が安定したならリーズロッドはその正しい位置に移動させることができる。円錐形支持面を有する搬送ベルトが整経ドラムの周面に配置されている場合、巻着糸の厚さの検出は一般に第1経糸帯の形成後に既に可能である。
【0017】
その際、好ましくは、位置決め駆動部は、リーズロッドの下方で巻着糸の高さが自由に維持できる位置、つまりそのまま維持し得る位置で、リーズロッドを位置決めすることである。上述したように、これはリーズロッドの正しい位置である。リーズロッドは半径方向で整経ドラムの軸線方向で十分な空間を残しており、巻着糸または経糸の巻層はすべて収容することができる。しかしながら、リーズロッドは、糸が半径方向外側でリーズロッドに巻き取られるとき、該リーズロッドが半径方向内方に曲げられほどに巻着糸から遠く離間してはいない。
【0018】
主として、リーズロッドが整経ドラムに固着されている。その場合、ほぼ円筒状の横断面を有する整経ドラムを使用することができる。このような整経ドラムでもって高い整経速度を達成することができる。
【0019】
好ましくは、整経時に整経ドラムが回転し、糸ガイドが回転方向において固定されているように構成することである。このような構成も、比較的高い整経速度を達成するために寄与する。その場合、糸ガイドの運動は整経ドラムの軸線と正確に平行な運動に限定することができる。そのことで制御が容易となる。
【0020】
好ましくは、整経ドラムの周面に搬送面が配置されており、これらの搬送面は搬送駆動部によって整経ドラムの軸線と平行な方向へ変位可能であり、搬送駆動部と位置決め駆動部は互いに同期化されているように構成することである。搬送駆動部が搬送面を糸の巻き取られる整経ドラム端面から所定区間だけ離反方向に移動させたなら、第1位置決め駆動部はリーズロッドから離脱することができ、該位置決め駆動部は進入することができる。かかる位置決め駆動部が経糸用経路を解放する適切な時点はいわば自動的に確保される。
【0021】
選択的構成又は付加的構成において、整経ドラムと平行な巻着糸の長さを検出する経糸幅検出装置を設けておくことができ、この経糸幅検出装置は位置決め駆動部と接続された制御出力端を有するように構成することである。前記経糸幅検出装置は、例えばセンサによって形成しておくことができ、このセンサは経糸の幅を検出し、または上記端面とは反対の経糸側の位置のみを検出する。巻き取られた経糸帯の幅が既知であるので、経糸幅検出装置は単純に、巻き取られた経糸帯の数を検出する計数器によって形成しておくこともできる。糸が巻き取られる端面から経糸を離反するように搬送するとき、経糸が必要とする空間を解放するために、位置決め駆動部が適時に、つまり、過度に遅くでも過度に早くでもなく進入することが、こうして確保することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】柄経糸用部分整経機の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の柄経糸用部分整経機の位置決め駆動部の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に概略の構成を図示した柄経糸用部分整経機1は整経ドラム2を備えており、この整経ドラム2は略示した回転駆動部3と結合されている。この回転駆動部3は巻取り時に整経ドラム2を矢印4の方向に回転させることができる。
【0024】
詳しくは図示しないボビンクリール内に、多数のボビンが配置されている。この実施例では128個までのボビンをクリール内に配置しておくことができる。糸は各ボビンから引き出され、糸ガイド6の糸ガイド穴5に通される。全ての糸ガイド6が一緒になって、糸ガイド装置7を形成する。
【0025】
糸ガイド6は整経時、つまり、柄経糸の製造時に整経ドラム2の回転方向4において停止している。しかし、糸ガイド6は軸線方向で、つまり、整経ドラム2の軸線と平行に動かすことができ、詳しくは糸ガイド穴5が軸線方向で整経ドラム2上に案内される。糸ガイド穴5によって案内された糸は、次に、搬送面を形成する搬送ベルト8上に給糸され、整経ドラム2の端面から整経ドラム2を見たとき給糸された糸は多角形状に配置される。搬送ベルト8の半径方向外側の部分は、それぞれ、詳しくは図示しない搬送駆動部によって、糸ガイド装置7が配置されている端面から離反する方向に移動するよう構成されている。柄出し過程から糸を外すべき場合、糸は整経ドラム2の周面に給糸されるのでなく、糸ガイド穴5が整経ドラム2の端面の前方に動かされる。これらの糸ガイド5によって案内される糸は、次に、詳しくは図示しない中央紐に、巻き取られる。
【0026】
いわゆる糸綾又はサイジング分割を形成するために、リーズロッド9が設けられており、これらのリーズロッド9は搬送ベルト8と搬送ベルト8との間に配置されている。各リーズロッド9は糸ガイド装置7に向き合うその末端に先端10を有し、この先端10は実質的に整経ドラム2の半径方向外側を向いている。かかる先端10は運動不能にリーズロッド9に配置されている。
【0027】
各リーズロッド9は少なくとも2つの位置11、12において整経ドラム2に保持されている。つまり、リーズロッド9は整経ドラム2が回転するとき整経ドラム2と一緒に回転するよう構成されている。
【0028】
図2は、位置12でのリーズロッド9の保持を示している。ここで整経ドラム2が開口部13を有し、この開口部13を通して、位置決め駆動部14は半径方向外方に案内される。前記位置決め駆動部14は、図2に示す両方向矢印15の方向で、変位可能なプッシュロッド16を有している。このプッシュロッド16の半径方向外端(図2において左端)に配置された掴み具(グリッパー)が2つの顎部17、18を有し、この顎部17、18がリーズロッド9を締付けて保持する。しかし、この顎部17、18は、図2に示す矢印19、20の方向に揺動させることができる。このために必要な駆動部は、図を見易くする理由から、図示されていない。前記顎部17、18がリーズロッド9から揺動して離反したら、前記位置決め駆動部14はリーズロッド9から離脱する。すると、前記プッシュロッド16は半径方向内方に移動することができ、前記顎部17、18は整経ドラム2上に張り出さない。
【0029】
しかし、前記掴み具の顎部17、18が半径方向において搬送ベルト8の外側上に張り出さない程度に、プッシュロッド16が半径方向内方に変位したら、基本的に十分である。搬送ベルト8の外端は、整経ドラム2上に生成される巻着糸、つまり、生成する糸層用の内側限界(境界)21を規定する。
【0030】
前記整経ドラム2の端面には、センサ装置22が設けられている。このセンサ装置22は、一方でリーズロッド9の位置を検出する。他方でセンサ装置22は搬送ベルト8上の巻着糸の高さ即ち厚さも検出する。
【0031】
この厚さに関する情報は、位置決め駆動部14の制御入力端23に供給される。すると、前記位置決め駆動部14はこの厚さに関する情報によって、巻着糸がその厚さでちょうど必要とする空間が、リーズロッド9の半径方向内面と限界21との間で利用可能となるように、リーズロッド9を位置決めすることができる。その結果、リーズロッド9が巻着糸によって半径方向外方に押されて曲がることはない。しかし、他方でリーズロッド9は、半径方向外方でリーズロッド9上に案内される糸、換言するなら、リーズロッド9の上方に配置される糸によって、半径方向内方に曲げられることもない。
【0032】
この構成の利点として、前記リーズロッド9の先端10は、リーズロッド9が巻着糸によって曲げられることによってその位置(該先端の位置)を変えるようなことは生じない。それに応じて、綾を生成すべきである場合、相応に案内された糸をリーズロッド9の上方(つまりリーズロッド9の半径方向外側)又はリーズロッド9の下方(換言するならリーズロッド9の半径方向内方)のいずれかに案内できるように、糸ガイド穴5をリーズロッド9の先端10の周りに案内することが可能となる。つまり、巻き取られた糸によって前記先端10の位置が変化することはないので、前記糸ガイド6の制御のために必要とする経費を過大にすることはなく、従って、高い整経速度を達成することができる。
【0033】
巻着糸、つまり、生成される経糸が一定の幅(=整経ドラム2の軸線と平行な広がり)に達したなら、経糸は位置決め駆動部14に接近する。この位置決め駆動部14は、位置12、つまり、糸ガイド装置7の配置されている端面に隣接した位置に、配置されている。前記位置決め駆動部14のプッシュロッド16は、ここでは端面から離反する経糸の継続的な搬送を邪魔することになるであろう。しかしながら、前記経糸が前記位置12に達するとき、経糸は既に高い確実性をもってリーズロッド9をしっかり保持する。その場合、他の保持は基本的に必要ではない。次に、位置決め駆動部14は、前記顎部17、18の揺動による離反によって、リーズロッド9から離脱し、前記プッシュロッド16は、限界21とリーズロッド9との間に空間が拡がるように、半径方向内方に移動する。経糸が位置11に達し、場合によってはリーズロッド9が整経ドラム2でしっかり保持される他の位置に達すると、同じ過程(一連の動作)が再び繰り返される。
【0034】
各位置決め駆動部14のプッシュロッド16が、過度に早く、また過度に遅く進入することのないように、一連の情報を用いることができる。
【0035】
経糸、すなわち巻着糸は、搬送ベルト8、または一般に搬送面によって搬送されるので、搬送駆動部は、該搬送駆動部が搬送面をどの程度移動させたかの情報を、提供することができる。つまり、搬送駆動部が、搬送面を、整経ドラム2の、糸ガイド装置7の配置される端面から、所定距離だけ離反する方向に移動させたなら、巻着糸(=経糸)は、プッシュロッド16が進入することになる程度に、各位置12に接近している。
【0036】
選択的に又は付加的に、経糸または巻着糸の幅を検出する、詳しくは図示しない、センサを使用することもできる。糸ガイド装置7の配置されている整経ドラム2の端面から離れた方の経糸エッジの位置をセンサが検出すれば、多くの場合、十分である。
【0037】
他の可能性は、巻き取られた経糸帯の幅が既知のとき、これら経糸帯の幅を加算することによって、経糸幅を検出することである。1つの経糸帯は、単数の糸または同時に巻き取られる複数の糸から成る。既に簡単に触れたように、この場合、1つの経糸帯は、1本〜128本の糸を有することができる。すべての経糸帯が同じ幅である必要はない。しかし、所望する柄が既知であるので、経糸帯の構成、従って幅も既知である。
【0038】
前記リーズロッド9の先端10が、リーズロッド9と固定的に結合されていないときにも、基本的に同じ解決策を応用することができる。その場合、先端10が捕捉フックとして形成されており、この捕捉フックが糸をリーズロッドの上方に案内するために糸経路上に揺動することができ、またはリーズロッド9の下方で給糸するために糸経路の外側で糸が保持される。
【0039】
整経時に整経ドラム2が停止し、糸ガイド6が整経ドラム2の軸線の周りで回転するときにも、上記した構成を応用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明にかかる柄経糸用部分整経機は、いわゆる柄経糸または短尺経糸等を製造するのに使用できる。
【符号の説明】
【0041】
1…柄経糸用部分整経機
2…整経ドラム
4…回転方向
6…糸ガイド
7…糸ガイド装置
9…リーズロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整経ドラム(2)と、少なくとも1つの糸ガイド(6)を有する糸ガイド装置(7)と、複数のリーズロッド(9)とを有する柄経糸用部分整経機(1)であり、前記糸ガイド(6)と前記整経ドラム(2)とが、該整経ドラム(2)の軸線の周りを回転方向(4)に相対的に移動可能であり、前記糸ガイド(6)によって案内された糸を、各前記リーズロッド(9)の箇所で該リーズロッドの上方または下方に導く手段が設けられている、柄経糸用部分整経機(1)において、
少なくとも1つの前記リーズロッド(9)が、前記整経ドラム(2)の軸線に対して相対的に異なる位置で位置決め可能であることを特徴とする柄経糸用部分整経機。
【請求項2】
前記リーズロッド(9)が位置決め駆動部(14)によって変位可能であることを特徴とする請求項1記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項3】
前記リーズロッド(9)が離脱可能に前記位置決め駆動部(14)と結合されていることを特徴とする請求項2記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項4】
前記リーズロッド(9)が、その長さにわたって分散して少なくとも2つの前記位置決め駆動部(14)と結合されており、前記位置決め駆動部(14)が、互いに独自に前記リーズロッド(9)から離脱可能であることを特徴とする請求項3記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項5】
巻着糸の高さを検出するセンサ装置(22)が設けられており、このセンサ装置(22)が前記位置決め駆動部(14)と接続されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1の項に記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項6】
前記位置決め駆動部(14)が前記リーズロッド(9)を位置決め位置で位置決めし、前記位置決め位置において前記リーズロッド(9)の下方で前記巻着糸の高さがそのまま維持されることを特徴とする請求項5記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項7】
前記リーズロッド(9)が離脱可能に前記整経ドラム(2)に固着されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1の項に記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項8】
前記整経ドラム(2)が整経時に回転し、前記糸ガイド(6)が回転方向において固定されていることを特徴とする請求項7記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項9】
搬送駆動部によって前記整経ドラム(2)の軸線と平行に変位可能な搬送面(8)が、前記整経ドラム(2)の周面に配置されており、前記搬送駆動部と前記位置決め駆動部(14)が互いに同期されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項記載の柄経糸用部分整経機。
【請求項10】
前記整経ドラム(2)の軸線と平行に巻着糸の長さを検出する経糸幅検出装置が設けられており、前記経糸幅検出装置が前記位置決め駆動部(14)と接続された制御出力端を有することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1の項に記載の柄経糸用部分整経機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−11047(P2013−11047A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256480(P2011−256480)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(591008465)カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング (45)
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】