染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラム
【課題】 極めて高い学習効果を実現することができる染色体検査学習装置を提供する。
【解決手段】 染色体検査学習装置は、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるようにサンプルパターンデータを無作為に選択し、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、選択したサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして表示部にランダムに表示させ、表示したサンプルパターンデータについて学習者が行った解答の正誤判断を行い、判断した正誤に基づいて学習者の成績を評価して表示部に表示させる。
【解決手段】 染色体検査学習装置は、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるようにサンプルパターンデータを無作為に選択し、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、選択したサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして表示部にランダムに表示させ、表示したサンプルパターンデータについて学習者が行った解答の正誤判断を行い、判断した正誤に基づいて学習者の成績を評価して表示部に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
染色体は、その大きさ、動原体の位置、バンドパターンによって分類される。ヒトの染色体は、図12に示すように、A群からG群に分類されることが知られており、染色体のサンプルによって染色体の長さ、バンド数、明瞭さが異なる。染色体検査は、例えば図13に示すような染色体のサンプルをいわゆるG−band法によって染色した上で、国際規約(ISCN)に準じてバンドパターンを分析して正しく分類し、異常の有無を検査するものである。
【0003】
例えば原子力発電所等において万一事故が発生した場合には、基本的臨床所見である染色体検査を作業従事者や地域住民に対して行う必要がある。他にも、先天異常や白血病等の確定診断としても染色体検査を行う必要がある。
【0004】
このような染色体検査に関する技術は、近年の測定機器や実験方法、分析方法の発達によって進歩しているが、コンピュータのみを用いた診断は未だ不可能であり、人間による診断が必要である。
【0005】
しかしながら、染色体検査にもとづく診断は、確定診断であり、また、染色体を1本ずつ同定していく必要があることから、トレーニングと熟練が必要であり、このようなトレーニングは、熟練者が初心者に対してマン・ツー・マンで行っているのが現状である。また、染色体検査は、1つの検体の処理時間が長く、非常に根気がいる作業である。そのため、染色体検査を行うことができる技術者は少ないが、染色体検査の需要が増してきている昨今においては、検査を行うことができる人材の育成を速める必要がある。
【0006】
このような人材の育成のために、コンピュータや専用の用具等を用いてゲーム感覚で学習することができるシステムを構築することが考えられる。この種のシステムとしては、例えば特許文献1乃至特許文献3等に記載された技術がある。
【0007】
特許文献1には、専門家でない個人が遺伝子と生体機能との関係について学習することができるように、学習者が学習目的に応じて必要な分子生物学的情報を取得するためのコンピュータ情報システムを用いた分子生物学的学習システムが開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、楽しみながら遺伝学を学習させるために、ゲームカードの図柄にDNAやRNAの塩基アデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシル等を用いた遺伝学学習用具が開示されている。
【0009】
さらに、特許文献3には、塩基の種類や遺伝子の働きを効果的に学習させるために、アデニンを示す図形が表に記載されている複数のアデニンカード、ウラシルを示す図形が表に記載されている複数のウラシルカード、グアニンを示す図形が表に記載されている複数のグアニンカード、及び、シトシンを示す図形が表に記載されている複数のシトシンカードをはじめとする複数カードを備えた遺伝子学習教材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−40913号公報
【特許文献2】特開2004−275289号公報
【特許文献3】特開2004−333680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、検査を行うことができる人材の育成を速める必要がある状況において有効且つ極めて学習効果が高い学習システムは存在していないのが現状である。
【0012】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、極めて高い学習効果を実現することができる染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成する本発明にかかる染色体検査学習装置は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置であって、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段と、前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを格納するサンプルパターンデータ格納手段と、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、前記サンプルパターンデータ格納手段に格納されたサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段と、前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段と、前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段と、前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段と、前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段とを備え、前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴としている。
【0014】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる染色体検査学習方法は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習方法であって、染色体検査学習装置の演算手段が、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示手段に表示させる表示工程と、前記演算手段が、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択工程と、前記演算手段が、前記問題表示領域に、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御工程と、前記問題表示領域に表示したサンプルパターンデータについて、前記学習者が解答入力手段を介して前記解答表示領域に行った解答入力を前記演算手段が受け付ける解答入力工程と、前記演算手段が、前記解答入力工程にて受け付けた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断工程と、前記演算手段が、前記正誤判断工程にて判断した正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価工程とを備え、前記問題表示制御工程では、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記演算手段が、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴としている。
【0015】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる染色体検査学習プログラムは、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行うコンピュータ実行可能な染色体検査学習プログラムであって、前記コンピュータを、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段、サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段、前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段、前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段、前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段、及び、前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段して機能させ、前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴としている。ここで、前記選択手段や選択工程は、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるようにすることが好ましい。また、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を異ならせるときに、サンプルデータが一部重なっても良い。
【0016】
このような本発明にかかる染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムが実装された装置においては、染色体のサンプルパターンデータをランダムに選択し、さらに、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして問題として学習者に提示し、そのようなサンプルパターンデータについて、学習者が解答した成績を評価する。そのため、本発明にかかる染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムが実装された装置においては、学習者が複数回の学習を行った後であっても、特定の問題パターンに対する慣れを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、学習者が自立的に自己の学習の習熟度合いを把握しながら、極めて高い学習効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置において、染色体検査学習を行う際の一連の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置の実行画面を示す図である。
【図4】問題としてのサンプルパターンデータの具体例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置の実行画面の具体例を示す図であり、学習中の様子を説明するための図である。
【図6】解答としてのサンプルパターンデータの具体例を示す図である。
【図7】実験に用いたサンプルパターンデータとしての染色体画像の具体例を示す図である。
【図8】4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と正答率との関係を示す図である。
【図9】4人の被験者のトレーニング回数による正答率の平均値を示す図である。
【図10】4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と作業時間との関係を示す図である。
【図11】4人の被験者のトレーニング回数による作業時間の平均値を示す図である。
【図12】ヒトの染色体の分類を説明するための図である。
【図13】染色体のサンプルの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
この実施の形態は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置である。特に、この染色体検査学習装置は、例えばコンピュータを利用して、問題の提示及びその解答による成績評価を行うことにより、極めて高い学習効果を実現するものである。
【0021】
染色体検査学習装置は、例えばコンピュータ等から構成され、図1に示すように、各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)11と、各種プログラムを含む各種情報を格納する読み取り専用のROM(Read Only Memory)12と、ワークエリアとして機能するRAM(Random
Access Memory)13と、各種情報を読み出し及び/又は書き込み可能に記憶する記憶部14と、ユーザインターフェースとしての図示しない所定の操作デバイスを介した入力操作の処理及び制御を行う入力操作制御部15と、各種情報を表示する表示部16とを備える。
【0022】
CPU11は、記憶部14等に格納されている各種アプリケーションプログラムをはじめとする各種プログラムを実行し、各部を統括的に制御する。特に、CPU11は、記憶部14に格納されている染色体検査学習プログラムを実行し、コンピュータを染色体検査学習装置として機能させる。具体的には、CPU11は、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、記憶部14に格納された染色体のサンプルパターンデータをランダムに選択する選択手段、この選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示部16に表示させる問題表示制御手段、学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段、及び、正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて学習者の成績を評価して表示部16に表示させる成績評価手段として機能する。
【0023】
ROM12は、各種プログラムをはじめとする各種情報を格納している。このROM12に格納されている情報は、CPU11の制御のもとに読み出される。
【0024】
RAM13は、CPU11が各種プログラムを実行する際のワークエリアとして機能し、CPU11の制御のもとに、各種情報を一時記憶するとともに、記憶している各種情報を読み出す。
【0025】
記憶部14は、本発明にかかる染色体検査学習プログラム等のアプリケーションプログラムをはじめとする各種情報を格納する。特に、記憶部14は、学習者に提示する問題として予め用意された大量の染色体のサンプルパターンデータを格納するサンプルパターンデータ格納手段として機能するとともに、学習者毎の過去の成績データを格納する成績格納手段として機能する。この記憶部14としては、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリ等を用いることができる。また、記憶部14には、本体に対して着脱可能とされるフレキシブルディスクやメモリカード等の記憶媒体に対して、各種情報の読み出し及び/又は書き込みを行うドライブ装置も含まれる。この記憶部14に記憶されている各種情報は、CPU11の制御のもとに読み出される。
【0026】
入力操作制御部15は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、赤外線リモートコントローラ、スティックキー、又はプッシュボタンといった、ユーザインターフェースとしての図示しない所定の操作デバイスを介した入力操作を受け付け、操作内容を示す制御信号をCPU11に対して供給する。特に、入力操作制御部15は、表示部16に表示された染色体のサンプルパターンデータについて、学習者が解答入力手段としての所定の操作デバイスを介して行った解答入力を受け付け、その操作内容を示す制御信号をCPU11に対して供給する。
【0027】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(Plasma
Display Panel)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescent)ディスプレイ、又はCRT(Cathode Ray Tube)といった、各種表示デバイスであり、CPU11の制御のもとに各種情報を表示する。例えば、表示部16は、CPU11によって染色体検査学習プログラムが起動されると、後述するように、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、学習者による解答を表示する解答表示領域とを、その表示画面に表示し、問題としての染色体のサンプルパターンデータや学習者による解答等を表示する表示手段として機能する。また、表示部16は、学習者の過去の成績を表示する成績表示領域を、その表示画面に表示し、当該学習者の成績等を表示することもできる。
【0028】
このような各部を備える染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、染色体検査学習プログラムを実行すると、表示部16に問題としてのサンプルパターンデータを表示し、学習者に解答させる。そして、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、学習者による解答の正誤判断を行い、判断した正誤に基づいて学習者の成績を評価する。
【0029】
具体的には、染色体検査学習装置は、図2に示す一連の工程に従った処理を行う。
【0030】
まず、染色体検査学習装置は、図2に示すように、ステップS1において、CPU11の制御のもとに、染色体検査学習プログラムを実行し、その実行画面を表示部16に表示させる。この実行画面は、例えば図3に示すように、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域21と、学習者による解答を表示する解答表示領域22と、学習者の過去の成績を表示する成績表示領域23とから構成される。学習者は、このような画面を表示部16に表示させた状態で、図示しないログイン画面や学習者選択ダイアログ等を介して自己に相当するIDや氏名等を入力することにより、学習準備を整える。
【0031】
これに応じて、染色体検査学習装置は、ステップS2において、CPU11の制御のもとに、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、記憶部14に格納された染色体のサンプルパターンデータをランダムに選択し、問題を構成している。ここで、記憶部14には、カリオタイプの異常の度合いや重要性に応じてサンプルパターンデータに難易度を付与して格納しておく。そして、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、記憶部14に格納されている学習者の成績データを参照し、その成績レベルに基づいて、記憶部14に格納されたサンプルパターンデータをランダムに選択するのが望ましい。これにより、染色体検査学習装置は、問題の難易度を学習者のレベルに応じた適切なものとすることができ、学習効果を高めることができる。なお、染色体検査学習装置においては、学習者の選択操作に応じてサンプルパターンデータを選択するようにしてもよい。
【0032】
そして、染色体検査学習装置は、ステップS3において、CPU11の制御のもとに、例えば図4に示すような選択したサンプルパターンデータをランダムに表示部16における問題表示領域21に表示させる。このとき、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、各サンプルパターンデータの位置及び方位を問題毎に異ならせるように、選択したサンプルパターンデータを位置的及び方位的にシャッフルして問題表示領域21に表示させる。これは、学習者が複数回の学習を通じて、特定の問題パターンを覚えてしまうことによる不当な正答率のアップを回避するためである。染色体検査学習装置は、このようなシャッフル機能を有することにより、学習者の問題パターンに対する慣れを防止し、結果として、学習効果の大幅な向上を図ることができる。
【0033】
学習者は、このようにして問題が提示されると、ステップS4において、所定の操作デバイスを介して、問題表示領域21に表示された染色体のサンプルパターンデータについて解答入力を行う。この解答入力は、操作デバイスを介して、問題表示領域21に表示されたサンプルパターンデータの個々のカリオタイプを任意に移動させたり回転させたりして他のカリオタイプと比較し、例えば図5に示すように、解答を認識したカリオタイプから順次、解答表示領域22の対応位置にドラッグアンドドロップ操作等を行うことによって行われる。学習者は、例えば図6に示すように、全てのカリオタイプについて分類するまで、このような操作を行う。なお、このような学習者の操作は、入力操作制御部15によって受け付けられ、その操作内容を示す制御信号がCPU11に対して供給されることにより、表示部16に反映されることはいうまでもない。
ここで、染色体を検査する際には(或いは診断する際には)、染色体を対で表示させることや、対の右側に異常な染色体を表示させることが国際規格で定まっているので、本実施の形態でもこの国際規格に従って処理している。前記シャッフルに際しては、ランダム関数を使用する。例えば、対の染色体の一方と他方とにそれぞれ1a,1b等の識別ラベルを付け、選んだ識別ラベルの染色体を配置するための問題表示領域のXY座標の値を所定範囲内(例えば0から1999ピクセルの範囲内)でランダムな位置で表示させたり、上記識別ラベルの染色体の方向(角度)をランダムな方向で表示させたりする。染色体の逆位(染色体の一部が切断され、180度回転した状態)を上記シャッフルで作り出すことも有効である(この例は、位置は同じで方向が異なる場合である)。また、逆位とは区別が難しい場合がある欠失(染色体の一部が失われること)を問題表示領域に表示させる機能をCPU11に追加しても良い。なお、全てのカリオタイプについて分類する操作が終わった後であれば、学習者が、対の染色体の長さ、バンド数等をはっきりと認識できるように、上記1a,1bの一方を拡大させたり、反転させたり、長さを比較するために目盛り表示させる機能をCPU11に追加することも可能である。
【0034】
染色体検査学習装置は、このようにして学習者による解答が終了すると、ステップS5において、CPU11の制御のもとに、学習者の指示操作に応じて即時に、解答表示領域22における解答と、問題として提示したカリオタイプのサンプルパターンデータとが一致するか否かを検査して解答の正誤判断を行い、解答表示領域22において正答部分と誤答部分とを識別可能に表示させる。このとき、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、誤答部分をハイライト表示等によって強調表示させ、学習者に誤答部分を容易に把握させるのが望ましい。
【0035】
そして、染色体検査学習装置は、ステップS6において、CPU11の制御のもとに、判断した正誤に基づいて学習者の成績を評価して成績表示領域23に表示させる。具体的には、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、記憶部14に格納されている学習者の過去の成績データを参照し、過去の学習過程を通算した難易度、正答率、誤答パターン、及び解答時間等を評価して成績表示領域23に表示させることにより、誤答の傾向を学習者に提示し、学習者の苦手部分を明らかにする。
【0036】
染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、今回評価された学習者の成績を次回以降の学習に反映させるために、その成績データを記憶部14に格納させる。そして、染色体検査学習装置は、学習者によってさらなる学習を行いたい旨の入力操作が行われた場合には、CPU11の制御のもとに、ステップS1からの処理を繰り返す一方で、学習を終了する旨の入力操作が行われるのに応じて一連の処理を終了する。
【0037】
染色体検査学習装置は、このような一連の処理を行い、学習者に問題を繰り返し解答させることにより、学習者の誤答に関する情報を蓄積することができ、これにより、学習者が自立的に苦手なカリオタイプを的確に発見したり、解答時間に基づいて学習の習熟度合いを把握することが可能となる。また、染色体検査学習装置においては、学習者自らが学習の継続の是非を決定することができるため、学習者が納得するまで学習の機会を提供することができる。
【0038】
本願発明者は、このような染色体検査学習装置の効果を測定するために実験を行った。
【0039】
実験に用いたサンプルパターンデータは、G−band法によるヒト正常男性核型及びヒト正常女性核型である。実験は、4人の被験者に1日最大で2時間の学習を80回行わせ、その結果を評価することによって行った。なお、実験において、被験者は、図7に示すようなサンプルパターンデータとしての染色体画像がランダムに配置されて表示された元画像について、Gバンドパターンの特徴を模式化した教師画像を手元に置き、それを参考にしながら並び替えを行った。そして、46本全ての染色体画像を並び終えるのにともなって解答合わせを行い、これを1回のトレーニングとした。被験者は、トレーニング終了後、毎回解答合わせを行い、自己の解答と教師画像とを見比べ、不正解であった染色体のGバンドパターンを確認した。また、実験の主体者は、被験者が染色体を並び替え終えるまでの作業時間を計測した。
【0040】
図8に、4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と正答率との関係を示し、図9に、4人の被験者のトレーニング回数による正答率の平均値を示す。また、図10に、4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と作業時間との関係を示し、図11に、4人の被験者のトレーニング回数による作業時間の平均値を示す。
【0041】
図8及び図9に示す結果から、トレーニング初期の正答率は40%程度と低く、ばらつきも大きく、染色体画像のGバンドパターンの特徴を適切に抽出した学習を行うことができず、識別が不正確であることがわかる。これに対して、トレーニング回数が60回以上になると、正答率はトレーニング回数とともに80%程度にまで上昇し、また、ばらつきも小さいことから、染色体画像のGバンドパターンの特徴を適切に学習していたことがうかがえる。一方、作業時間については、図10及び図11に示すように、トレーニング回数に依存しないという結果が得られた。これは、学習者にとって、このトレーニングに用いた装置のインターフェースを含めた操作性が良好であり、学習が容易であったことを示唆している。
【0042】
これらのことから、染色体検査学習装置は、熟練者の指導がなくても、染色体並び替え技術を学習するために極めて有効であることが確認された。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、染色体検査学習装置によってソフトウェアによる処理を行うものとして説明したが、本発明は、サンプルパターンデータとしての画像を表示するのではなく、物理的なカードや絵等を提示し、それを学習者が並び替える操作を行う等、ハードウェアによっても実現することができる。
【0044】
また、本発明は、問題として提示したサンプルパターンデータについての解答の正誤判断の際に、例えばサンプルパターンデータが示す病気特有の欠損を付加的情報として表示部16に表示させる等、知識の習得を図るために有益な情報をあわせて表示するようにしてもよい。
【0045】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0046】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 入力操作制御部
16 表示部
21 問題表示領域
22 解答表示領域
23 成績表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
染色体は、その大きさ、動原体の位置、バンドパターンによって分類される。ヒトの染色体は、図12に示すように、A群からG群に分類されることが知られており、染色体のサンプルによって染色体の長さ、バンド数、明瞭さが異なる。染色体検査は、例えば図13に示すような染色体のサンプルをいわゆるG−band法によって染色した上で、国際規約(ISCN)に準じてバンドパターンを分析して正しく分類し、異常の有無を検査するものである。
【0003】
例えば原子力発電所等において万一事故が発生した場合には、基本的臨床所見である染色体検査を作業従事者や地域住民に対して行う必要がある。他にも、先天異常や白血病等の確定診断としても染色体検査を行う必要がある。
【0004】
このような染色体検査に関する技術は、近年の測定機器や実験方法、分析方法の発達によって進歩しているが、コンピュータのみを用いた診断は未だ不可能であり、人間による診断が必要である。
【0005】
しかしながら、染色体検査にもとづく診断は、確定診断であり、また、染色体を1本ずつ同定していく必要があることから、トレーニングと熟練が必要であり、このようなトレーニングは、熟練者が初心者に対してマン・ツー・マンで行っているのが現状である。また、染色体検査は、1つの検体の処理時間が長く、非常に根気がいる作業である。そのため、染色体検査を行うことができる技術者は少ないが、染色体検査の需要が増してきている昨今においては、検査を行うことができる人材の育成を速める必要がある。
【0006】
このような人材の育成のために、コンピュータや専用の用具等を用いてゲーム感覚で学習することができるシステムを構築することが考えられる。この種のシステムとしては、例えば特許文献1乃至特許文献3等に記載された技術がある。
【0007】
特許文献1には、専門家でない個人が遺伝子と生体機能との関係について学習することができるように、学習者が学習目的に応じて必要な分子生物学的情報を取得するためのコンピュータ情報システムを用いた分子生物学的学習システムが開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、楽しみながら遺伝学を学習させるために、ゲームカードの図柄にDNAやRNAの塩基アデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシル等を用いた遺伝学学習用具が開示されている。
【0009】
さらに、特許文献3には、塩基の種類や遺伝子の働きを効果的に学習させるために、アデニンを示す図形が表に記載されている複数のアデニンカード、ウラシルを示す図形が表に記載されている複数のウラシルカード、グアニンを示す図形が表に記載されている複数のグアニンカード、及び、シトシンを示す図形が表に記載されている複数のシトシンカードをはじめとする複数カードを備えた遺伝子学習教材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−40913号公報
【特許文献2】特開2004−275289号公報
【特許文献3】特開2004−333680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、検査を行うことができる人材の育成を速める必要がある状況において有効且つ極めて学習効果が高い学習システムは存在していないのが現状である。
【0012】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、極めて高い学習効果を実現することができる染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成する本発明にかかる染色体検査学習装置は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置であって、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段と、前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを格納するサンプルパターンデータ格納手段と、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、前記サンプルパターンデータ格納手段に格納されたサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段と、前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段と、前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段と、前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段と、前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段とを備え、前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴としている。
【0014】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる染色体検査学習方法は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習方法であって、染色体検査学習装置の演算手段が、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示手段に表示させる表示工程と、前記演算手段が、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択工程と、前記演算手段が、前記問題表示領域に、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御工程と、前記問題表示領域に表示したサンプルパターンデータについて、前記学習者が解答入力手段を介して前記解答表示領域に行った解答入力を前記演算手段が受け付ける解答入力工程と、前記演算手段が、前記解答入力工程にて受け付けた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断工程と、前記演算手段が、前記正誤判断工程にて判断した正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価工程とを備え、前記問題表示制御工程では、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記演算手段が、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴としている。
【0015】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる染色体検査学習プログラムは、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行うコンピュータ実行可能な染色体検査学習プログラムであって、前記コンピュータを、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段、サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段、前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段、前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段、前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段、及び、前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段して機能させ、前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴としている。ここで、前記選択手段や選択工程は、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるようにすることが好ましい。また、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を異ならせるときに、サンプルデータが一部重なっても良い。
【0016】
このような本発明にかかる染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムが実装された装置においては、染色体のサンプルパターンデータをランダムに選択し、さらに、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして問題として学習者に提示し、そのようなサンプルパターンデータについて、学習者が解答した成績を評価する。そのため、本発明にかかる染色体検査学習装置、染色体検査学習方法、及び染色体検査学習プログラムが実装された装置においては、学習者が複数回の学習を行った後であっても、特定の問題パターンに対する慣れを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、学習者が自立的に自己の学習の習熟度合いを把握しながら、極めて高い学習効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置において、染色体検査学習を行う際の一連の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置の実行画面を示す図である。
【図4】問題としてのサンプルパターンデータの具体例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態として示す染色体検査学習装置の実行画面の具体例を示す図であり、学習中の様子を説明するための図である。
【図6】解答としてのサンプルパターンデータの具体例を示す図である。
【図7】実験に用いたサンプルパターンデータとしての染色体画像の具体例を示す図である。
【図8】4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と正答率との関係を示す図である。
【図9】4人の被験者のトレーニング回数による正答率の平均値を示す図である。
【図10】4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と作業時間との関係を示す図である。
【図11】4人の被験者のトレーニング回数による作業時間の平均値を示す図である。
【図12】ヒトの染色体の分類を説明するための図である。
【図13】染色体のサンプルの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
この実施の形態は、臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置である。特に、この染色体検査学習装置は、例えばコンピュータを利用して、問題の提示及びその解答による成績評価を行うことにより、極めて高い学習効果を実現するものである。
【0021】
染色体検査学習装置は、例えばコンピュータ等から構成され、図1に示すように、各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)11と、各種プログラムを含む各種情報を格納する読み取り専用のROM(Read Only Memory)12と、ワークエリアとして機能するRAM(Random
Access Memory)13と、各種情報を読み出し及び/又は書き込み可能に記憶する記憶部14と、ユーザインターフェースとしての図示しない所定の操作デバイスを介した入力操作の処理及び制御を行う入力操作制御部15と、各種情報を表示する表示部16とを備える。
【0022】
CPU11は、記憶部14等に格納されている各種アプリケーションプログラムをはじめとする各種プログラムを実行し、各部を統括的に制御する。特に、CPU11は、記憶部14に格納されている染色体検査学習プログラムを実行し、コンピュータを染色体検査学習装置として機能させる。具体的には、CPU11は、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、記憶部14に格納された染色体のサンプルパターンデータをランダムに選択する選択手段、この選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示部16に表示させる問題表示制御手段、学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段、及び、正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて学習者の成績を評価して表示部16に表示させる成績評価手段として機能する。
【0023】
ROM12は、各種プログラムをはじめとする各種情報を格納している。このROM12に格納されている情報は、CPU11の制御のもとに読み出される。
【0024】
RAM13は、CPU11が各種プログラムを実行する際のワークエリアとして機能し、CPU11の制御のもとに、各種情報を一時記憶するとともに、記憶している各種情報を読み出す。
【0025】
記憶部14は、本発明にかかる染色体検査学習プログラム等のアプリケーションプログラムをはじめとする各種情報を格納する。特に、記憶部14は、学習者に提示する問題として予め用意された大量の染色体のサンプルパターンデータを格納するサンプルパターンデータ格納手段として機能するとともに、学習者毎の過去の成績データを格納する成績格納手段として機能する。この記憶部14としては、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリ等を用いることができる。また、記憶部14には、本体に対して着脱可能とされるフレキシブルディスクやメモリカード等の記憶媒体に対して、各種情報の読み出し及び/又は書き込みを行うドライブ装置も含まれる。この記憶部14に記憶されている各種情報は、CPU11の制御のもとに読み出される。
【0026】
入力操作制御部15は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、赤外線リモートコントローラ、スティックキー、又はプッシュボタンといった、ユーザインターフェースとしての図示しない所定の操作デバイスを介した入力操作を受け付け、操作内容を示す制御信号をCPU11に対して供給する。特に、入力操作制御部15は、表示部16に表示された染色体のサンプルパターンデータについて、学習者が解答入力手段としての所定の操作デバイスを介して行った解答入力を受け付け、その操作内容を示す制御信号をCPU11に対して供給する。
【0027】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(Plasma
Display Panel)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescent)ディスプレイ、又はCRT(Cathode Ray Tube)といった、各種表示デバイスであり、CPU11の制御のもとに各種情報を表示する。例えば、表示部16は、CPU11によって染色体検査学習プログラムが起動されると、後述するように、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、学習者による解答を表示する解答表示領域とを、その表示画面に表示し、問題としての染色体のサンプルパターンデータや学習者による解答等を表示する表示手段として機能する。また、表示部16は、学習者の過去の成績を表示する成績表示領域を、その表示画面に表示し、当該学習者の成績等を表示することもできる。
【0028】
このような各部を備える染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、染色体検査学習プログラムを実行すると、表示部16に問題としてのサンプルパターンデータを表示し、学習者に解答させる。そして、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、学習者による解答の正誤判断を行い、判断した正誤に基づいて学習者の成績を評価する。
【0029】
具体的には、染色体検査学習装置は、図2に示す一連の工程に従った処理を行う。
【0030】
まず、染色体検査学習装置は、図2に示すように、ステップS1において、CPU11の制御のもとに、染色体検査学習プログラムを実行し、その実行画面を表示部16に表示させる。この実行画面は、例えば図3に示すように、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域21と、学習者による解答を表示する解答表示領域22と、学習者の過去の成績を表示する成績表示領域23とから構成される。学習者は、このような画面を表示部16に表示させた状態で、図示しないログイン画面や学習者選択ダイアログ等を介して自己に相当するIDや氏名等を入力することにより、学習準備を整える。
【0031】
これに応じて、染色体検査学習装置は、ステップS2において、CPU11の制御のもとに、統計学的に毎回異なる問題となり且つ正解が少なくとも1つ含まれるように、記憶部14に格納された染色体のサンプルパターンデータをランダムに選択し、問題を構成している。ここで、記憶部14には、カリオタイプの異常の度合いや重要性に応じてサンプルパターンデータに難易度を付与して格納しておく。そして、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、記憶部14に格納されている学習者の成績データを参照し、その成績レベルに基づいて、記憶部14に格納されたサンプルパターンデータをランダムに選択するのが望ましい。これにより、染色体検査学習装置は、問題の難易度を学習者のレベルに応じた適切なものとすることができ、学習効果を高めることができる。なお、染色体検査学習装置においては、学習者の選択操作に応じてサンプルパターンデータを選択するようにしてもよい。
【0032】
そして、染色体検査学習装置は、ステップS3において、CPU11の制御のもとに、例えば図4に示すような選択したサンプルパターンデータをランダムに表示部16における問題表示領域21に表示させる。このとき、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、各サンプルパターンデータの位置及び方位を問題毎に異ならせるように、選択したサンプルパターンデータを位置的及び方位的にシャッフルして問題表示領域21に表示させる。これは、学習者が複数回の学習を通じて、特定の問題パターンを覚えてしまうことによる不当な正答率のアップを回避するためである。染色体検査学習装置は、このようなシャッフル機能を有することにより、学習者の問題パターンに対する慣れを防止し、結果として、学習効果の大幅な向上を図ることができる。
【0033】
学習者は、このようにして問題が提示されると、ステップS4において、所定の操作デバイスを介して、問題表示領域21に表示された染色体のサンプルパターンデータについて解答入力を行う。この解答入力は、操作デバイスを介して、問題表示領域21に表示されたサンプルパターンデータの個々のカリオタイプを任意に移動させたり回転させたりして他のカリオタイプと比較し、例えば図5に示すように、解答を認識したカリオタイプから順次、解答表示領域22の対応位置にドラッグアンドドロップ操作等を行うことによって行われる。学習者は、例えば図6に示すように、全てのカリオタイプについて分類するまで、このような操作を行う。なお、このような学習者の操作は、入力操作制御部15によって受け付けられ、その操作内容を示す制御信号がCPU11に対して供給されることにより、表示部16に反映されることはいうまでもない。
ここで、染色体を検査する際には(或いは診断する際には)、染色体を対で表示させることや、対の右側に異常な染色体を表示させることが国際規格で定まっているので、本実施の形態でもこの国際規格に従って処理している。前記シャッフルに際しては、ランダム関数を使用する。例えば、対の染色体の一方と他方とにそれぞれ1a,1b等の識別ラベルを付け、選んだ識別ラベルの染色体を配置するための問題表示領域のXY座標の値を所定範囲内(例えば0から1999ピクセルの範囲内)でランダムな位置で表示させたり、上記識別ラベルの染色体の方向(角度)をランダムな方向で表示させたりする。染色体の逆位(染色体の一部が切断され、180度回転した状態)を上記シャッフルで作り出すことも有効である(この例は、位置は同じで方向が異なる場合である)。また、逆位とは区別が難しい場合がある欠失(染色体の一部が失われること)を問題表示領域に表示させる機能をCPU11に追加しても良い。なお、全てのカリオタイプについて分類する操作が終わった後であれば、学習者が、対の染色体の長さ、バンド数等をはっきりと認識できるように、上記1a,1bの一方を拡大させたり、反転させたり、長さを比較するために目盛り表示させる機能をCPU11に追加することも可能である。
【0034】
染色体検査学習装置は、このようにして学習者による解答が終了すると、ステップS5において、CPU11の制御のもとに、学習者の指示操作に応じて即時に、解答表示領域22における解答と、問題として提示したカリオタイプのサンプルパターンデータとが一致するか否かを検査して解答の正誤判断を行い、解答表示領域22において正答部分と誤答部分とを識別可能に表示させる。このとき、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、誤答部分をハイライト表示等によって強調表示させ、学習者に誤答部分を容易に把握させるのが望ましい。
【0035】
そして、染色体検査学習装置は、ステップS6において、CPU11の制御のもとに、判断した正誤に基づいて学習者の成績を評価して成績表示領域23に表示させる。具体的には、染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、記憶部14に格納されている学習者の過去の成績データを参照し、過去の学習過程を通算した難易度、正答率、誤答パターン、及び解答時間等を評価して成績表示領域23に表示させることにより、誤答の傾向を学習者に提示し、学習者の苦手部分を明らかにする。
【0036】
染色体検査学習装置は、CPU11の制御のもとに、今回評価された学習者の成績を次回以降の学習に反映させるために、その成績データを記憶部14に格納させる。そして、染色体検査学習装置は、学習者によってさらなる学習を行いたい旨の入力操作が行われた場合には、CPU11の制御のもとに、ステップS1からの処理を繰り返す一方で、学習を終了する旨の入力操作が行われるのに応じて一連の処理を終了する。
【0037】
染色体検査学習装置は、このような一連の処理を行い、学習者に問題を繰り返し解答させることにより、学習者の誤答に関する情報を蓄積することができ、これにより、学習者が自立的に苦手なカリオタイプを的確に発見したり、解答時間に基づいて学習の習熟度合いを把握することが可能となる。また、染色体検査学習装置においては、学習者自らが学習の継続の是非を決定することができるため、学習者が納得するまで学習の機会を提供することができる。
【0038】
本願発明者は、このような染色体検査学習装置の効果を測定するために実験を行った。
【0039】
実験に用いたサンプルパターンデータは、G−band法によるヒト正常男性核型及びヒト正常女性核型である。実験は、4人の被験者に1日最大で2時間の学習を80回行わせ、その結果を評価することによって行った。なお、実験において、被験者は、図7に示すようなサンプルパターンデータとしての染色体画像がランダムに配置されて表示された元画像について、Gバンドパターンの特徴を模式化した教師画像を手元に置き、それを参考にしながら並び替えを行った。そして、46本全ての染色体画像を並び終えるのにともなって解答合わせを行い、これを1回のトレーニングとした。被験者は、トレーニング終了後、毎回解答合わせを行い、自己の解答と教師画像とを見比べ、不正解であった染色体のGバンドパターンを確認した。また、実験の主体者は、被験者が染色体を並び替え終えるまでの作業時間を計測した。
【0040】
図8に、4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と正答率との関係を示し、図9に、4人の被験者のトレーニング回数による正答率の平均値を示す。また、図10に、4人の被験者のそれぞれについてのトレーニング回数と作業時間との関係を示し、図11に、4人の被験者のトレーニング回数による作業時間の平均値を示す。
【0041】
図8及び図9に示す結果から、トレーニング初期の正答率は40%程度と低く、ばらつきも大きく、染色体画像のGバンドパターンの特徴を適切に抽出した学習を行うことができず、識別が不正確であることがわかる。これに対して、トレーニング回数が60回以上になると、正答率はトレーニング回数とともに80%程度にまで上昇し、また、ばらつきも小さいことから、染色体画像のGバンドパターンの特徴を適切に学習していたことがうかがえる。一方、作業時間については、図10及び図11に示すように、トレーニング回数に依存しないという結果が得られた。これは、学習者にとって、このトレーニングに用いた装置のインターフェースを含めた操作性が良好であり、学習が容易であったことを示唆している。
【0042】
これらのことから、染色体検査学習装置は、熟練者の指導がなくても、染色体並び替え技術を学習するために極めて有効であることが確認された。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、染色体検査学習装置によってソフトウェアによる処理を行うものとして説明したが、本発明は、サンプルパターンデータとしての画像を表示するのではなく、物理的なカードや絵等を提示し、それを学習者が並び替える操作を行う等、ハードウェアによっても実現することができる。
【0044】
また、本発明は、問題として提示したサンプルパターンデータについての解答の正誤判断の際に、例えばサンプルパターンデータが示す病気特有の欠損を付加的情報として表示部16に表示させる等、知識の習得を図るために有益な情報をあわせて表示するようにしてもよい。
【0045】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0046】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 入力操作制御部
16 表示部
21 問題表示領域
22 解答表示領域
23 成績表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置であって、
少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段と、
前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを格納するサンプルパターンデータ格納手段と、
前記サンプルパターンデータ格納手段に格納されたサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段と、
前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段と、
前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段と、
前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段と、
前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段とを備え、
前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴とする染色体検査学習装置。
【請求項2】
前記成績評価手段によって評価された前記学習者の過去の成績データを格納する成績格納手段を備え、
前記選択手段は、前記成績格納手段に格納された前記学習者の成績データを参照し、その成績レベルに基づいて、前記サンプルパターンデータ格納手段に格納されたサンプルパターンデータを無作為に選択することを特徴とする請求項1記載の染色体検査学習装置。
【請求項3】
前記正誤判断手段は、前記学習者による解答が終了すると即時に前記解答表示領域に表示された前記学習者による解答を判断し、誤答部分を強調表示させることを特徴とする請求項1記載の染色体検査学習装置。
【請求項4】
前記表示手段には、前記学習者の過去の成績を表示する成績表示領域が表示され、
前記成績評価手段は、過去の学習過程を通算した難易度、正答率、誤答パターン、及び解答時間を評価し、前記成績表示領域に表示させることを特徴とする請求項1記載の染色体検査学習装置。
【請求項5】
臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習方法であって、
染色体検査学習装置の演算手段が、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示手段に表示させる表示工程と、
前記演算手段が、サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択工程と、
前記演算手段が、前記問題表示領域に、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御工程と、
前記問題表示領域に表示したサンプルパターンデータについて、前記学習者が解答入力手段を介して前記解答表示領域に行った解答入力を前記演算手段が受け付ける解答入力工程と、
前記演算手段が、前記解答入力工程にて受け付けた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断工程と、
前記演算手段が、前記正誤判断工程にて判断した正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価工程とを備え、
前記問題表示制御工程では、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記演算手段が、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴とする染色体検査学習方法。
【請求項6】
臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行うコンピュータ実行可能な染色体検査学習プログラムであって、
前記コンピュータを、
少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段、
サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段、
前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段、
前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段、
前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段、及び、
前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段して機能させ、
前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴とする染色体検査学習プログラム。
【請求項1】
臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習装置であって、
少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段と、
前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを格納するサンプルパターンデータ格納手段と、
前記サンプルパターンデータ格納手段に格納されたサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段と、
前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段と、
前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段と、
前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段と、
前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段とを備え、
前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴とする染色体検査学習装置。
【請求項2】
前記成績評価手段によって評価された前記学習者の過去の成績データを格納する成績格納手段を備え、
前記選択手段は、前記成績格納手段に格納された前記学習者の成績データを参照し、その成績レベルに基づいて、前記サンプルパターンデータ格納手段に格納されたサンプルパターンデータを無作為に選択することを特徴とする請求項1記載の染色体検査学習装置。
【請求項3】
前記正誤判断手段は、前記学習者による解答が終了すると即時に前記解答表示領域に表示された前記学習者による解答を判断し、誤答部分を強調表示させることを特徴とする請求項1記載の染色体検査学習装置。
【請求項4】
前記表示手段には、前記学習者の過去の成績を表示する成績表示領域が表示され、
前記成績評価手段は、過去の学習過程を通算した難易度、正答率、誤答パターン、及び解答時間を評価し、前記成績表示領域に表示させることを特徴とする請求項1記載の染色体検査学習装置。
【請求項5】
臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行う染色体検査学習方法であって、
染色体検査学習装置の演算手段が、少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示手段に表示させる表示工程と、
前記演算手段が、サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択工程と、
前記演算手段が、前記問題表示領域に、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御工程と、
前記問題表示領域に表示したサンプルパターンデータについて、前記学習者が解答入力手段を介して前記解答表示領域に行った解答入力を前記演算手段が受け付ける解答入力工程と、
前記演算手段が、前記解答入力工程にて受け付けた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断工程と、
前記演算手段が、前記正誤判断工程にて判断した正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価工程とを備え、
前記問題表示制御工程では、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記演算手段が、前記選択工程にて選択したサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴とする染色体検査学習方法。
【請求項6】
臨床検体データに基づいて染色体検査を行う染色体技術者を育成するために必要な学習を行うコンピュータ実行可能な染色体検査学習プログラムであって、
前記コンピュータを、
少なくとも、学習者に提示する問題を表示する問題表示領域と、前記学習者による解答を表示する解答表示領域とを表示する表示手段、
サンプルパターンデータ格納手段に格納された前記学習者に提示する問題として予め用意された染色体のサンプルパターンデータを無作為に選択する選択手段、
前記問題表示領域に、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータをランダムに表示させる問題表示制御手段、
前記問題表示領域に表示されたサンプルパターンデータについて、前記学習者が前記解答表示領域に解答入力を行う解答入力手段、
前記解答入力手段を介して行われた前記学習者による解答の正誤判断を行う正誤判断手段、及び、
前記正誤判断手段によって判断された正誤に基づいて前記学習者の成績を評価する成績評価手段して機能させ、
前記問題表示制御手段は、各サンプルパターンデータの位置及び/又は方位を問題毎に異ならせるように、前記選択手段によって選択されたサンプルパターンデータを位置的及び/又は方位的にシャッフルして前記問題表示領域に表示させることを特徴とする染色体検査学習プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−227403(P2011−227403A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99270(P2010−99270)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(510066732)株式会社アドアテック (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(510066732)株式会社アドアテック (1)
【Fターム(参考)】
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