説明

株価情報通知システム、株価情報取得端末、株価情報通知装置、株価情報取得プログラムおよび株価情報通知プログラム

【課題】 通信効率を悪化させることなく、リアルタイム性を向上させ、また、よりサーバの負担を低減化し、より正確な情報をタイムリーに利用者に通知可能とする。
【解決手段】 株価情報通知サーバ3は、ユーザ携帯端末5からの取得要求を受信すると、その都度、銘柄毎の単位時間当たりの約定回数に基づいて取得間隔を算出し、株価関連情報(株価、取得間隔)を通知する。ユーザ携帯端末5では、上記取得間隔経過後、取得要求を株価情報通知サーバ3に送出し、その都度、新たな株価関連情報を取得する。また、ユーザ携帯端末5は、前回取得した株価と新たに取得した株価とに基づいて通知条件に一致したか否かを判別し、通知条件が一致すると、表示色を変更するとともに、バイブレーションを駆動してユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、株価情報通知システム、株価情報取得端末、株価情報通知装置、株価情報取得プログラムおよび株価情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用する携帯端末で株式市場や債券市場などの金融証券市場での取引を行うために、株価の提供や通知するサービスが提供されている。
【0003】
例えば、ある銘柄の約定回数が設定値に達した場合、該銘柄の表示色を変更するという技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、利用者が指定する特定銘柄に対して上下限値を登録し、所定の時間間隔で携帯端末から銘柄株価の問い合わせを行い、上下限値を超えた場合に携帯端末からアラートを発して、その銘柄取引画面を提示するか、あるいは上下限値を登録しておき、サーバが監視を行い、範囲を超えた場合に携帯電話に非同期通信によるメールやショートメッセージを送信し、携帯端末でアラートを発して取引画面を提示する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−312422号公報
【特許文献2】特開2004−94404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、図16(a)に示すように、利用者に通知するためにメールやショートメッセージなどの非同期通信を利用するため、サーバは、その通知が利用者に届いたか否かを確認することができないという問題が生じる。また、非同期通信による通知は、サーバから利用者に対して一方的に行われるため、通知が届いた時点で、利用者はその通知を制御することができない。例えば、図16(b)に示すように、市場の騰落などの理由により上下限値を超えた通知が頻発したときは、利用者に多量のメッセージ、メールが通知されてしまうという問題が生じる。
【0005】
また、同期通信により携帯端末からサーバへ定期的にデータ取得を行う場合、図17(a)に示すように、利用者が情報を取得するまでにタイムラグが生じる場合があり、リアルタイム性が乏しくなる。さらに、図17(b)に示すように、取得間隔を短くすると、伝送データ量が増大し、サーバおよびネットワークに負荷がかかるという問題がある。
【0006】
また、株価などの相場では、約定回数などの動的な状態を着目することにより市場の状況をより正確に提示することが好ましい。しかしながら、従来技術のように、上下限値を登録し、該上下限値を閾値として所定の時間間隔でデータ取得を行う単なる定期的な同期通信では、相場の静的な状態のみに着目しているだけであり、正確な情報を提示できないという問題がある。また、通知の条件となる上下限値をサーバに登録するため、利用者増大に伴いサーバにおける条件処理の負担が大きくなる。
【0007】
また、単位時間当たりにおける急激な約定回数の変化は、その銘柄に関して何らかのニュースリリース等があったことを示唆すると考えられる。この場合、その旨をタイムリーに利用者に通知する必要がある。しかしながら、従来技術のように、単に銘柄の約定回数が設定値に達したか否かだけを判別して表示色を変えるだけでは、株価の上下限値の代わりに約定回数を用いているに過ぎず、タイムリーに情報を提供することが難しい。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、通信効率を悪化させることなく、リアルタイム性を向上させることができ、また、よりサーバの負担を低減化することができ、より正確な情報をタイムリーに利用者に通知することができる株価情報通知システム、株価情報取得端末、株価情報通知装置、株価情報取得プログラムおよび株価情報通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、株価情報取得端末と、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知装置とを備えた株価情報通知システムであって、前記株価情報通知装置は、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の株価関連情報を取得する株価関連情報取得手段と、前記銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するデータ取得間隔算出手段と、前記株価関連情報取得手段により取得された株価関連情報と前記データ取得間隔算出手段により算出されたデータ取得間隔とを、前記株価情報取得端末に送信する送信手段とを備え、前記株価情報取得端末は、前記株価情報通知装置からのデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うデータ取得要求手段と、前記データ取得要求手段によるデータ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別する通知条件判別手段と、前記通知条件判別手段により株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、株価情報通知装置にデータ取得要求を送出し、該データ取得要求に応じて株価情報通知装置から通知される株価関連情報を取得する株価情報取得端末であって、前記株価情報通知装置からのデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うデータ取得要求手段と、前記データ取得要求手段によるデータ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別する通知条件判別手段と、前記通知条件判別手段により株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知する報知手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記の発明において、前記通知条件判別手段における通知条件の閾値を約定回数とする第1の通知方式か、株価の上下限値とする第2の通知方式かのいずれとするかを決定する通知方式決定手段を具備することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記の発明において、前記報知手段は、少なくとも該当銘柄の株価関連情報の表示状態を変更する描画処理手段を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記の発明において、前記報知手段は、少なくとも自端末の筐体を振動させる振動発生手段を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知装置であって、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するデータ取得間隔算出手段と、前記データ取得間隔算出手段により算出されたデータ取得間隔を、前記株価情報取得端末による次回のデータ取得要求時期として前記株価情報取得端末に指示するデータ取得間隔指示手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記の発明において、前記データ取得間隔算出手段は、前記銘柄の単位時間当たりの約定回数が多いほどデータ取得間隔を短時間とすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、株価情報通知装置にデータ取得要求を送出し、該データ取得要求に応じて株価情報通知装置から通知される株価関連情報を取得する株価情報取得端末のコンピュータに、前記株価情報通知装置によって指示されるデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うステップと、前記データ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別するステップと、前記株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知するステップとを実行させるための株価情報取得プログラムである。
【0017】
また、本発明は、株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知装置のコンピュータに、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するステップと、前記算出されたデータ取得間隔を、前記株価情報取得端末による次回のデータ取得要求時期として前記株価情報取得端末に指示するステップとを実行させるための株価情報通知プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、前記株価情報通知装置は、株価関連情報取得手段により、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の株価関連情報を取得し、データ取得間隔算出手段により、前記銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいてデータ取得間隔を算出し、送信手段により、株価関連情報とデータ取得間隔とを前記株価情報取得端末に送信し、前記株価情報取得端末は、データ取得要求手段により、データ取得間隔に基づいてデータ取得要求を行い、通知条件判別手段により、株価情報通知装置からの株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別し、前記通知条件判別手段により株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、報知手段により、通知条件の一致を報知する。したがって、リアルタイム性を高めて通信効率を向上させることができ、タイムラグなしで迅速に株価関連情報を通知することができ、通信の効率化を実現することができるという利点が得られる。
【0019】
また、この発明によれば、データ取得要求手段により、前記株価情報通知装置からのデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行い、通知条件判別手段により、該データ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別し、前記通知条件判別手段により株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、報知手段により、通知条件の一致を報知する。したがって、リアルタイム性を高めて通信効率を向上させることができ、タイムラグなしで迅速に株価関連情報を取得することができ、通信の効率化を実現することができるという利点が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、通知方式決定手段により、前記通知条件判別手段における通知条件の閾値を約定回数とする第1の通知方式か、株価の上下限値とする第2の通知方式かのいずれとするかを決定する。したがって、約定回数が所定の閾値を超えた場合、または株価が上下限値を超えた場合に、より正確な情報をタイムリーに利用者に報知することができるという利点が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、株価関連情報が所定の通知条件に一致した場合、描画処理手段により、該当銘柄の株価関連情報の表示状態を変更する。したがって、より効果的に株価関連情報を利用者に報知することができるという利点が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、株価関連情報が所定の通知条件に一致した場合、振動発生手段により、株価情報取得端末の筐体を振動させる。したがって、より効果的に株価関連情報の変動を利用者に報知することができるという利点が得られる。
【0023】
この発明によれば、株価関連情報取得手段により、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の株価関連情報を取得し、データ取得間隔算出手段により、前記銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出し、データ取得間隔指示手段により、前記データ取得間隔算出手段により算出されたデータ取得間隔を、前記株価情報取得端末による次回のデータ取得要求時期として前記株価情報取得端末に指示する。したがって、リアルタイム性を高めて通信効率を向上させることができ、タイムラグなしで迅速に通知することができ、通信の効率化を実現することができるという利点が得られる。
【0024】
また、本発明によれば、前記データ取得間隔算出手段により、前記銘柄の単位時間当たりの約定回数が多いほどデータ取得間隔を短時間とする。したがって、株価変動に影響を及ぼすイベントの発生と単位時間当たりの約定回数増加の相関とに応じてタイムリーに情報を通知することができる。すなわち、金融取引における機会損失を低減することができるという利点が得られる。
【0025】
また、本発明によれば、株価情報取得端末のコンピュータで、株価情報通知装置にデータ取得要求を送出し、該データ取得要求に応じて株価情報通知装置から通知される株価関連情報を取得する株価情報取得プログラムであって、前記株価情報通知装置によって指示されるデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うステップと、前記データ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別するステップと、前記株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知するステップとを実行する。したがって、リアルタイム性を高めて通信効率を向上させることができ、タイムラグなしで迅速に株価関連情報を取得することができ、通信の効率化を実現することができるという利点が得られる。
【0026】
また、本発明によれば、株価情報通知装置のコンピュータで、株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知プログラムであって、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するステップと、前記算出されたデータ取得間隔を、前記株価情報取得端末による次回のデータ取得要求時期として前記株価情報取得端末に指示するステップとを実行する。したがって、リアルタイム性を高めて通信効率を向上させることができ、タイムラグなしで迅速に株価関連情報を通知することができ、通信の効率化を実現することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態による株価情報提供システムを、図面を参照して説明する。
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態による株価情報提供システムの構成を示すブロック図である。図1において、株価情報提供サーバ1は、市場の株価情報を同期/非同期通信ネットワーク2を介して株価情報通知サーバ3に提供する。株価情報通知サーバ3は、ユーザ毎の特定銘柄全てにおいて、単位時間当たりの約定回数に基づいて、同期通信ネットワーク4を介してのユーザ携帯端末5からのデータ取得間隔をその都度決定して、ユーザ携帯端末5に指示するとともに、ユーザ携帯端末5からの取得要求に対して最新の株価情報を通知する。ユーザ携帯端末5は、上記株価情報通知サーバ3により指示されるデータ取得間隔で、該株価情報通知サーバ3に対して取得要求を送出し、該取得要求に対して通知される最新の株価情報を取得してユーザに通知する。
【0028】
次に、図2は、本実施形態による株価情報通知サーバ3およびユーザ携帯端末5の構成を示すブロック図である。図において、株価情報通知サーバ3は、同期通信処理部3−1、情報提供処理部3−2、ユーザ情報DB3−3、取得間隔処理部3−4、株価情報提供処理部3−5および株価情報DB3−6からなる。同期通信処理部3−1は、同期通信ネットワーク4を介してユーザ携帯端末5との間で同期通信を行う。情報提供処理部3−2は、ユーザ携帯端末5からの取得要求に対して、ユーザ情報DB3−3からの銘柄情報の取得、株価情報DB3−6からの株価情報の取得、後述する取得間隔処理部3−4からの取得間隔の取得を行うとともに、取得した株価情報や取得間隔を上記同期通信処理部3−1を介してユーザ携帯端末5に提供する。
【0029】
ユーザ情報DB3−3は、図3に示すように、ユーザ毎に、ユーザを識別(認証)するためのユーザID、パスワード、指定銘柄数、銘柄コードC1、C2、C3、…を保持している。取得間隔処理部3−4は、情報提供処理部3−2からの取得間隔処理要求に応じて、ユーザ携帯端末5から取得要求を出す間隔を示す取得間隔を該当銘柄の約定回数に基づいて求める。なお、取得間隔の求め方の詳細については後述する。次に、株価情報提供処理部3−5は、株価情報提供サーバ1からの情報提供に従って、株価情報DB3−6の株価を更新する。株価情報DB3−6は、図4に示すように、銘柄毎に、銘柄を識別するための銘柄コード、株価、累積約定回数、更新時間を保持している。
【0030】
次に、ユーザ携帯端末5は、同期通信処理部5−1、通知処理部5−2、描画処理部5−3およびバイブレータ処理部5−4からなる。同期通信処理部5−1は、同期通信ネットワーク4を介して株価情報通知サーバ3との間で同期通信を行う。通知処理部5−2は、取得した株価情報に従って、株価が約定回数または上下限値を超えた場合、描画処理部5−3および/またはバイブレータ処理部5−4により通知する。描画処理部5−3は、約定回数の変化または株価の変化を通知すべく、該当銘柄の表示色などを変更する。バイブレータ処理部5−4は、約定回数の変化または株価の変化を通知すべく、ユーザ携帯端末5を振動させる。
【0031】
B.実施形態の動作
次に、上述した本実施形態の動作について説明する。
B−1.全体シーケンス
ここで、図5は、本実施形態による株価情報提供システムの全体動作を説明するためのシーケンス図である。まず、ユーザ携帯端末5が株価情報通知サーバ3に取得要求(Ack10)を送出する(Sa1)。株価情報通知サーバ3では、当該ユーザが登録した銘柄毎の約定回数に基づいて取得間隔を算出し(Sa2)、株価、AckID(図示の例ではID=11)、取得間隔(10秒後)をユーザ携帯端末5に通知する(Sa3)。
【0032】
ユーザ携帯端末5では、上記株価、AckID(ID=11)、取得間隔(10秒後)を取得すると、該取得間隔(10秒後)経過後、再度、前回の取得要求時に株価情報通知サーバ3から受信したAckID(ID=11)を付与した取得要求を株価情報通知サーバ3に送出する(Sa4)。すなわち、ユーザ携帯端末5は、前回の取得要求に応じて株価情報通知サーバ3から送信されてくるAckIDを、次回の取得要求時に株価情報通知サーバ3に送出する一方、株価情報通知サーバ3は、ユーザ携帯端末5からの取得要求に応じて、AckIDを1つだけインクリメントしてAck(ID+1)とし、株価とともにユーザ携帯端末5に通知する。したがって、株価情報通知サーバ3は、取得要求時のAckIDが直前の応答時のAckIDと不一致である場合、直前の株価情報通知サーバ3から応答が正しく受信されていなかった(未達)と判別することができる。
【0033】
株価情報通知サーバ3では、当該ユーザが登録した銘柄毎の約定回数に基づいて取得間隔を算出し(Sa5)、株価、AckID(ID=12)、取得間隔(5秒後)をユーザ携帯端末5に通知する(Sa6)。ユーザ携帯端末5では、前回取得した株価と新たに取得した株価とに基づいて、通知条件に一致したか否かを判別する(Sa7)。すなわち、通知条件は、クライアントであるユーザ携帯端末5で行う。図示の場合、ステップSa7では、通知条件が満足されなかったので通知を行っていない。
【0034】
次に、ユーザ携帯端末5では、上記ステップSa6で受信した取得間隔(5秒後)経過後、再度、前回の取得要求時に株価情報通知サーバ3から受信したAckID(ID=12)を付与した取得要求を株価情報通知サーバ3に送出する(Sa8)。株価情報通知サーバ3では、当該ユーザが登録した銘柄毎の約定回数に基づいて取得間隔を算出し(Sa9)、株価、AckID(ID=13)、取得間隔(5秒後)をユーザ携帯端末5に通知する(Sa10)。ユーザ携帯端末5では、上述したように、前回取得した株価と新たに取得した株価とに基づいて、通知条件に一致したか否かを判別する(Sa11)。図示の場合、ステップSa11では、通知条件が一致したので、表示色を変更するとともに、バイブレーションを駆動してユーザに通知を行う(Sa12)。
【0035】
B−2.各部のシーケンス
以下、各部の動作を詳細に説明する。
(1)ログイン要求シーケンス
図6は、本実施形態による株価情報提供システムでのログイン要求シーケンスを説明するためのシーケンス図である。まず、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1が株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1に対してログイン要求(ユーザID、パスワード)を送出すると(Sb1)、株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1は、Ack前処理を行い(Sb2)、情報提供処理部3−2にログイン要求(ユーザID、パスワード)を供給する(Sb3)。
【0036】
次に、情報提供処理部3−2は、ユーザIDを付加したユーザ情報取得をユーザ情報DB3−3に要求する(Sb4)。ユーザ情報DB3−3は、ユーザIDに従って、該当ユーザのパスワード、指定銘柄コード群を情報提供処理部3−2に返す(Sb5)。次に、情報提供処理部3−2は、銘柄コード群を付加した株価情報取得を株価情報DB3−6に要求する(Sb6)。株価情報DB3−6は、銘柄コード群に従って、該当銘柄の株価関連情報(株価、累積約定回数、更新時間)を情報提供処理部3−2に返す(Sb7)。さらに、情報提供処理部3−2は、株価関連情報を付加した取得間隔処理要求を取得間隔処理部3−4に送出する(Sb8)。これに対して、取得間隔処理部3−4は、後述する手順に従って、累積約定回数に基づいて取得間隔を算出し、情報提供処理部3−2に返す(Sb9)。
【0037】
次に、情報提供処理部3−2は、取得した株価情報および取得間隔を同期通信処理部3−1へ供給する(Sb10)。同期通信処理部3−1は、Ack後処理を行った後(Sb11)、AckID、取得間隔、セッション、株価情報を、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1に送信する(Sb12)。
【0038】
(2)取得要求シーケンス
図7は、本実施形態による株価情報提供システムでの取得要求シーケンスを説明するためのシーケンス図である。当該取得要求シーケンスは、上述したログイン要求シーケンスに続いて行われる。まず、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1が株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1に対して取得要求(AckID、セッション)を送信すると(Sc1)、株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1は、受信したAckIDを認証するAck前処理を行い(Sc2)、情報提供処理部3−2に取得要求(ユーザID)を供給する(Sc3)。
【0039】
次に、情報提供処理部3−2は、ユーザIDを付加したユーザ情報取得をユーザ情報DB3−3に要求する(Sc4)。ユーザ情報DB3−3は、ユーザIDに従って、該当ユーザの銘柄コード群を情報提供処理部3−2に返す(Sc5)。次に、情報提供処理部3−2は、銘柄コード群を付加した株価情報取得を株価情報DB3−6に要求する(Sc6)。株価情報DB3−6は、銘柄コード群に従って、該当銘柄の株価関連情報(株価、累積約定回数、更新時間)を情報提供処理部3−2に返す(Sc7)。
【0040】
次に、情報提供処理部3−2は、取得した株価のうち前回取得したものより新しいものだけを使用すべく、株価が更新されたか確認する(Sc8)。そして、株価が更新されていた場合には、株価関連情報を付加した取得間隔処理要求を取得間隔処理部3−4に送出する(Sc9)。これに対して、取得間隔処理部3−4は、後述する手順に従って、累積約定回数に基づいて取得間隔を算出し、情報提供処理部3−2に返す(Sc10)。
【0041】
次に、情報提供処理部3−2は、取得した株価情報および取得間隔を同期通信処理部3−1へ供給する(Sc11)。同期通信処理部3−1は、AckIDを1だけインクリメントするAck後処理を行った後(Sc12)、AckID、取得間隔、セッション、株価情報を、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1に送信する(Sc13)。
【0042】
(3)株価情報シーケンス
図8は、本実施形態による株価情報提供システムでの株価情報シーケンスを説明するためのシーケンス図である。株価情報シーケンスは、株価情報DB3−6の株価情報を更新するために、定期的あるいは株価変動が生じた場合に実行される。まず、株価情報提供サーバ1は、同期/非同期通信ネットワーク2を介して株価情報を含む情報を、株価情報通知サーバ3の株価情報提供処理部3−5に提供する(Sd1)。株価情報通知サーバ3の株価情報提供処理部3−5は、銘柄コード、株価、約定回数および更新日時を株価情報DB3−6に供給する(Sd2)。株価情報DB3−6は、上記銘柄コード、株価、約定回数および更新日時に従って、株価情報を更新する。株価情報が更新されると、株価情報提供処理部3−5は、銘柄コードを付与した株価変動を情報提供処理部3−2に供給する(Sd3)。
【0043】
(4)通知シーケンス
図9は、本実施形態による株価情報提供システムでの通知シーケンスを説明するためのシーケンス図である。該通知シーケンスは、前述した図5に示すステップSa8〜Sa12の詳細な動作を示している。まず、まず、ユーザ携帯端末5が株価情報通知サーバ3に取得要求(AckID、セッション)を送出する(Se1)。株価情報通知サーバ3では、同期通信処理部3−1が、銘柄毎の約定回数に基づいて取得間隔を算出し、AckID、取得間隔、株価情報をユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1に通知する(Se2)。
【0044】
同期通信処理部5―1は、株価情報を通知処理部5−2に通知する(Se3)。通知処理部5−2は、通知条件(約定回数または上下限値)を比較し(Se4)、通知条件が満足すると、通知方式(約定回数方式または上限値方式)を確認し(Se5)、描画処理部5−3に描画指示を送出するとともに(Se6)、バイブレータ処理部5−4にバイブレータ指示を送出する(Se8)。描画処理部5−3では、上記描画指示に従って、該当銘柄の株価情報の表示色を変更するなどして注意を促す(Se7)。一方、バイブレータ処理部5−4では、上記バイブレータ指示に従って、ユーザ携帯端末5を振動させることにより注意を促す(Se9)。
【0045】
また、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1は、上記通知処理と並行して、株価情報通知サーバ3から取得した取得間隔に従って待機し(Se10)、その後、再度、株価情報通知サーバ3に取得要求(AckID、セッション)を送出し(Se11)、銘柄毎の約定回数に基づいて算出された取得間隔、AckID、株価情報を取得し(Se12)、通知処理部5−2に通知する(Se13)。以下、上述したSe4〜Se9と同様に通知処理を実行する。
【0046】
(5)株価変動シーケンス
図10は、本実施形態による株価情報提供システムでの株価変動シーケンスを説明するためのシーケンス図である。まず、株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1が情報提供処理部3−2に対して取得要求(ユーザID)を送出すると(Sf1)、情報提供処理部3−2は、ユーザIDを付加した指定銘柄取得をユーザ情報DB3−3に要求する(Sf2)。ユーザ情報DB3−3は、ユーザIDに従って、該当ユーザの銘柄コード群を情報提供処理部3−2に返す(Sf3)。次に、情報提供処理部3−2は、銘柄コード群を付加した株価情報取得を株価情報DB3−6に要求する(Sf4)。株価情報DB3−6は、銘柄コード群に従って、該当銘柄の株価関連情報(株価、累積約定回数、更新時間)を情報提供処理部3−2に返す(Sf5)。
【0047】
次に、情報提供処理部3−2は、取得した株価のうち前回の取得した株価より新しいものがない場合、株価情報提供処理部3−5からの応答を待つ(Sf6)。そして、株価情報提供処理部3−5から株価に変動が生じた銘柄を示す銘柄コードが付加された株価変動が供給されると(Sf7)、情報提供処理部3−2は、銘柄コード群を付加した株価情報取得を株価情報DB3−6に要求する(Sf8)。株価情報DB3−6は、銘柄コード群に従って、該当銘柄の株価関連情報(株価、累積約定回数、更新時間)を情報提供処理部3−2に返す(Sf9)。これにより、株価変動が発生した銘柄の最新の株価関連情報が得られる。
【0048】
さらに、情報提供処理部3−2は、株価関連情報を付加した取得間隔処理要求を取得間隔処理部3−4に送出する(Sf10)。これに対して、取得間隔処理部3−4は、後述する手順に従って、累積約定回数に基づいて取得間隔を算出し、情報提供処理部3−2に返す(Sf11)。次に、情報提供処理部3−2は、取得した株価情報および取得間隔を同期通信処理部3−1へ供給する(Sf12)。以下、前述したように、同期通信処理部3−1は、Ack後処理を行った後、AckID、取得間隔、セッション、株価情報を、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1に送信する。
【0049】
B−3.動作詳細説明
次に、上述したシーケンス動作における各部の詳細な動作について説明する。
(1)通知処理部5−2
図11は、本実施形態によるユーザ携帯端末5の通知処理部5−2を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。同期通信処理部5−1が株価情報を通知すると(SA1)、通知処理部5−2が該株価情報を受信し(SA2)、まず、通信方式が規定回数方式か上下限値方式のいずれであるか確認する(SA3)。そして、約定回数方式である場合には、通知条件を約定回数に設定し(SA5)、算出値を計算する(SA6)。
【0050】
算出値の計算は次の通りである。前回取得した株価情報から累積約定回数をT(n+1)回、更新時間をt(n−1)秒とし、今回取得した累積約定回数をT(n)回、更新時間をt(n)秒とすると、今回の算出値X(n)回分は、X(n)=(T(n)−T(n−1))/(t(n)−t(n−1))×60となり、取得間隔Yは、Y=基準値(60 or 300 or 600)/X(n)となる。次に、上記算出値と通知条件である約定回数値とを比較し(SA7)、算出値>約定回数値であった場合に、通知動作させるべく、描画処理部5−3およびバイブレータ処理部5−4に通知動作信号を送信する(SA12)。
【0051】
一方、通知方式が上下限値方式である場合には、通常条件値を上下限値に設定し(SA9)、株価と通知条件値とを比較し(SA10)、下限値<株価であるか、株価>上限値である場合に、通知動作させるべく、描画処理部5−3およびバイブレータ処理部5−4に通知動作信号を送信する(SA12)。
【0052】
描画処理部5−3では、通知動作信号を受信すると(SA14)、表示色を変更するなどしてユーザに注意を促す(SA15)。一方、バイブレータ処理部5−4では、通知動作信号を受信すると(SA16)、ユーザ携帯端末5を振動させてユーザに注意を促す(SA17)。
【0053】
(2)同期通信処理部5−1
図12は、本実施形態によるユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。同期通信処理部5−1は、前回の取得要求に対して取得した取得間隔だけ待機すると、株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1に対して取得要求を送出する(SB1)。株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1では、取得要求を受信すると、Ack前処理を行い(SB2)、株価関連情報、取得間隔などを取得する要求処理を行った後(SB3)、Ack後処理を行い(SB4)、同期通信処理部5−1に応答する。
【0054】
ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1では、上記同期通信処理部3−1からの応答を受信すると、応答から株価情報、AckID、取得間隔を分離する応答処理を行った後(SB5)、株価情報を通知処理部5−2に送信する(SB6)。通知処理部5―2では、同期通信処理部5−2から株価情報を受信すると、前述した通知動作を行う(SB7)。
【0055】
同期通信処理部5−1では、分離した取得間隔を設定し(SB8)、該取得間隔だけ待機すると(SB9)、上述したSB1以降の動作を繰り返す。
【0056】
また、通知処理部5−2からユーザ操作により更新操作が行われた場合にも(SB10)、同期通信処理部5−1では、該更新操作を受信し(SB11)、上述したSB1以降の動作を繰り返す。
【0057】
(3)同期通信処理部3−1
図13は、本実施形態による株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。同期通信処理部5−1から取得要求が送信されると(SC1)、同期通信処理部3−1では、要求を分析してセッションがあるか、AckIDが前回生成したAckIDであるかを分析する(SC2)。そして、セッションがない場合には、セッションを生成し(SC3)、セッションはあるが、AckIDが前回のものではない場合には、全快の応答を削除することなく応答不良とし(SC4)、セッションがあり、かつAckIDが前回のものである場合には、前回の応答を削除する(SC5)。
【0058】
次に、いずれの場合も、情報提供処理部3−2に対して情報要求を行う(SC6)。情報提供処理部3−2では、情報要求に対して株価関連情報を提供する(SC8)。同期通信処理部3−1では、株価関連情報が提供されると、ユーザ携帯端末5への応答を生成するともに、株価情報DB3−6への保存を行う(SC9)。なお、同期通信処理部3−1は、一定時間待機し(SC7)、情報提供処理部3−2から応答がない場合には、そのまま応答なしとする。同期通信処理部3−1は、応答不良があった場合、すなわちAckIDに不整合があった場合には、前回の応答が正しく処理されていないと判別し、前回の応答を追加で付与する(SC10)。
【0059】
次に、同期通信処理部3−1は、新たなAckIDを生成するとともに株価情報に付与して(SC11)、ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1に送信する。ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1では、同期通信処理部3−1からの応答に対して、前述したような応答処理を行う(SC12)。
【0060】
(4)情報提供処理部3−2
図14は、本実施形態による情報提供処理部3−2を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。ユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1から取得要求が送信されると(SD1)、株価情報通知サーバ3の情報提供処理部3−2は、対象ユーザの特定銘柄コード群を取得し(SD2)、株価関連情報を取得する(SD3)。このとき、最新情報がない場合には、株価変動を受信する(SD6)。株価変動は、次のようにして送信される。株価情報提供処理部3−5は、株価情報を取得し(SD4)、該株価変動を情報提供処理部3−2に送信する(SD5)。なお、要求処理がない状態で価格変動があった場合には何もしない(SD7)。
【0061】
次に、情報提供処理部3−2は、取得間隔処理部3−4に取得間隔処理要求を送出する(SD8)。取得間隔処理部3−4では、取得間隔処理要求に応じて、取得間隔を算出する取得間隔処理を実行し(SD9)。情報提供処理部3−2に応答する。
【0062】
情報提供処理部3−2は、取得間隔処理要求に対する応答を受信し(SD10)、該応答情報(取得間隔)を同期通信処理部3−1に供給する。同期通信処理部3−1では、ユーザ携帯端末5への応答を生成するともに、株価情報DB3−6への保存を行う(SD11)。
【0063】
(5)取得間隔処理部3−4
図15は、本実施形態による取得間隔処理部3−4を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。情報提供処理部3−2から取得間隔処理要求が行われると(SE1)、取得間隔処理部3−4は、取得間隔を設定する(SE2)。すなわち、ハードの場合には、基準値を60とし(SE3)、ノーマルの場合には、基準値を300とし(SE4)、ライトの場合には、基準値を600とする(SE5)。
【0064】
次に、基準値を参考値として、取得間隔を算出する(SE6)。より具体的には、前回取得した株価情報から累積約定回数をT(n+1)回、更新時間をt(n−1)秒とし、今回取得した累積約定回数をT(n)回、更新時間をt(n)秒とすると、今回の算出値X(n)回分は、X(n)=(T(n)−T(n−1))/(t(n)−t(n−1))×60となり、取得間隔Yは、Y=基準値(60 or 300 or 600)/X(n)となる。次に、算出した取得間隔を取得間隔処理要求の応答として情報提供処理部3−2に送信する(SE7)。
【0065】
上述した実施形態によれば、同期通信においてユーザ携帯端末5からのデータ取得間隔をユーザ毎の特定銘柄全てにおいて単位時間当たりの約定回数に基づいて株価情報通知サーバ3側から指示することでリアルタイム性を高めて通信効率を向上させることができる。つまり、利用者が設定した約定回数に単位時間内で達しているか(達していない場合でも、一定の閾値に達しているか)によって、同期通信におけるユーザ携帯端末5からのデータ取得間隔を動的に変化(短縮)させることで、何らかのイベントが発生した銘柄の株価情報をタイムラグなしで迅速に通知することができる。さらに、一定間隔のデータ取得間隔に比べて、動的に変更することで、取得すべき情報がないときにデータ取得を試みるような無駄な通信を減らすことができ、通信の効率化を実現することができる。
【0066】
また、ユーザ携帯端末5で通知条件を管理し、通知の方法およびタイミングを全て制御することにより、株価情報通知サーバ3側の負荷を軽減することができる。株価情報通知サーバ3からは、前述したように、適切な取得間隔が指示され、該取得間隔の解釈や実際に取得するまでの間隔は、ユーザ携帯端末5で制御されるため、株価情報通知サーバ3で取得間隔算出処理を実行し、ユーザ携帯端末5で条件処理を実行するように役割分担することで、双方の負担を軽減することができる。
【0067】
通知条件およびユーザ携帯端末5のデータ取得間隔のそれぞれに単位時間当たりの約定回数を用いることで市場のダイナミズムに対応することができる。つまり、特定銘柄の単位時間当たりでの約定回数の増加に着目して同期通信におけるユーザ携帯端末5からのデータ取得間隔を動的に変更することにより、株価変動に影響を及ぼすイベントの発生と単位時間当たりの約定回数増加の相関に着目してタイムリーに情報を通知することができる。すなわち、金融取引における機会損失を低減することができる。
【0068】
なお、上述した実施形態においては、上述した株価情報通知サーバ3における同期通信処理部3−1、情報提供処理部3−2、取得間隔処理部3−4、株価情報提供処理部3−5ならびにユーザ携帯端末5における同期通信処理部5−1、通知処理部5−2などによる一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行されるようにしてもよい。すなわち、上述した株価情報通知サーバ3における同期通信処理部3−1、情報提供処理部3−2、取得間隔処理部3−4、株価情報提供処理部3−5ならびにユーザ携帯端末5における同期通信処理部5−1、通知処理部5−2などは、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現されてもよい。
【0069】
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受信したコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態による株価情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による株価情報通知サーバ3およびユーザ携帯端末5の構成を示すブロック図である。
【図3】ユーザ情報DBのデータ構成を示す概念図である。
【図4】株価情報DBのデータ構成を示す概念図である。
【図5】本実施形態による株価情報提供システムの全体動作を説明するためのシーケンス図である。
【図6】本実施形態による株価情報提供システムでのログイン要求シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図7】本実施形態による株価情報提供システムでの取得要求シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図8】本実施形態による株価情報提供システムでの株価情報シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図9】本実施形態による株価情報提供システムでの通知シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図10】本実施形態による株価情報提供システムでの株価変動シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図11】本実施形態によるユーザ携帯端末5の通知処理部5−2を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。
【図12】本実施形態によるユーザ携帯端末5の同期通信処理部5−1を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。
【図13】本実施形態による株価情報通知サーバ3の同期通信処理部3−1を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。
【図14】本実施形態による情報提供処理部3−2を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。
【図15】本実施形態による取得間隔処理部3−2を中心とする動作を説明するためのアクティビティ図である。
【図16】従来技術における課題を説明するためのシーケンス図である。
【図17】従来技術における課題を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0071】
1 株価情報提供サーバ
2 同期/非同期通信ネットワーク
3 株価情報通知サーバ
4 同期通信ネットワーク
5 ユーザ携帯端末
3−1 同期通信処理部(送信手段、データ取得間隔指示手段)
3−2 情報提供処理部(株価関連情報取得手段)
3−3 ユーザ情報DB
3−4 取得間隔処理部(データ取得間隔算出手段)
3−5 株価情報提供処理部
3−6 株価情報DB
5−1 同期通信処理部(データ取得要求手段)
5−2 通知処理部(通知条件判別手段、通知方式決定手段)
5−3 描画処理部(報知手段、描画処理手段)
5−4 バイブレータ処理部(報知手段、振動発生手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
株価情報取得端末と、前記株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知装置とを備えた株価情報通知システムであって、
前記株価情報通知装置は、
前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の株価関連情報を取得する株価関連情報取得手段と、
前記銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するデータ取得間隔算出手段と、
前記株価関連情報取得手段により取得された株価関連情報と前記データ取得間隔算出手段により算出されたデータ取得間隔とを、前記株価情報取得端末に送信する送信手段とを備え、
前記株価情報取得端末は、
前記株価情報通知装置からのデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うデータ取得要求手段と、
前記データ取得要求手段によるデータ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別する通知条件判別手段と、
前記通知条件判別手段により株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知する報知手段とを備えることを特徴とする株価情報通知システム。
【請求項2】
株価情報通知装置にデータ取得要求を送出し、該データ取得要求に応じて株価情報通知装置から通知される株価関連情報を取得する株価情報取得端末であって、
前記株価情報通知装置からのデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うデータ取得要求手段と、
前記データ取得要求手段によるデータ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別する通知条件判別手段と、
前記通知条件判別手段により株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知する報知手段と
を具備することを特徴とする株価情報取得端末。
【請求項3】
前記通知条件判別手段における通知条件の閾値を約定回数とする第1の通知方式か、株価の上下限値とする第2の通知方式かのいずれとするかを決定する通知方式決定手段を具備することを特徴とする請求項2記載の株価情報取得端末。
【請求項4】
前記報知手段は、少なくとも該当銘柄の株価関連情報の表示状態を変更する描画処理手段を含むことを特徴とする請求項2記載の株価情報取得端末。
【請求項5】
前記報知手段は、少なくとも自端末の筐体を振動させる振動発生手段を含むことを特徴とする請求項2記載の株価情報取得端末。
【請求項6】
株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知装置であって、
前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するデータ取得間隔算出手段と、
前記データ取得間隔算出手段により算出されたデータ取得間隔を、前記株価情報取得端末による次回のデータ取得要求時期として前記株価情報取得端末に指示するデータ取得間隔指示手段と
を具備することを特徴とする株価情報通知装置。
【請求項7】
前記データ取得間隔算出手段は、前記銘柄の単位時間当たりの約定回数が多いほどデータ取得間隔を短時間とすることを特徴とする請求項6記載の株価情報通知装置。
【請求項8】
株価情報通知装置にデータ取得要求を送出し、該データ取得要求に応じて株価情報通知装置から通知される株価関連情報を取得する株価情報取得端末のコンピュータに、
前記株価情報通知装置によって指示されるデータ取得間隔に基づいて、前記株価情報通知装置へのデータ取得要求を行うステップと、
前記データ取得要求に応じて前記株価情報通知装置から通知された株価関連情報が所定の通知条件に一致するか否かを判別するステップと、
前記株価関連情報が所定の通知条件に一致したと判別されると、通知条件の一致を報知するステップと
を実行させるための株価情報取得プログラム。
【請求項9】
株価情報取得端末からのデータ取得要求に応じて株価関連情報を通知する株価情報通知装置のコンピュータに、
前記株価情報取得端末からのデータ取得要求により指定される銘柄の単位時間当たりの約定回数に基づいて前記株価情報取得端末によるデータ取得間隔を算出するステップと、
前記算出されたデータ取得間隔を、前記株価情報取得端末による次回のデータ取得要求時期として前記株価情報取得端末に指示するステップと
を実行させるための株価情報通知プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−330816(P2006−330816A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149479(P2005−149479)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)