説明

核医学診断装置

【課題】全身撮影に要する時間を短縮することのできる核医学診断装置を提供する。
【解決手段】放射性薬剤が投与され、ベッド150に横臥した被検者101の周囲に相対向する少なくとも2つの検出手段100A〜Dを備える。各検出手段100A〜Dは、被検者101に投与された放射性薬剤の集積箇所から体外に向けて放出される光子と反応し、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成する。被検者101の周囲に相対向する検出手段100A〜Dは、相対向する検出手段100A〜Dの対向軸が被検者101の体軸に対して、傾斜角をもって配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核医学診断装置に係り、詳しくは、ガンマ線を検出して、ガンマ線の発生場所を特定し、ガンマ線源の空間分布を画像化する核医学診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
核医学検査は、RI(アール・アイ)検査とも称されており、微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)と、人体の臓器や組織に特異的に集まる薬とを合わせた薬品(放射性医薬品)を用いて、人体の臓器や組織に病巣があるか否かを検査するものである。
【0003】
すなわち、人体の臓器や組織に集まった放射性薬剤は、薬に含有させた微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)から体外に向けて放出する放射線(複数有るが、その中のガンマ(γ)線を使用する)をガンマカメラ(複数有る放射線の中からガンマ(γ)線を検出する)と称する専用のカメラを用いて撮像し、人体の臓器の形や、臓器や組織の働きがどのようになっているかを検査する。
【0004】
このように核医学検査は、化学的性質は同じで重さの違う元素(同位元素=アイソトープ)のうち,放射線を出すもの(放射性=ラジオ)、すなわち極微量の放射線(ガンマ(γ)線)を放出する放射性同位元素を含む薬剤(放射性薬剤)を注射などによって体内に注入し、臓器や病変部に取り込まれる薬剤から放出されるガンマ線を、体外から高感度のカメラで撮影して、肉眼で見えない人体の内部を検査するのが特徴である。
【0005】
代表的な核医学診断装置としては、ポジトロン断層撮影法によるPET装置や単光子放出断層撮影法によるSPECT装置がある。
【0006】
近年、がんの検査方法の1つとして、PET装置が開発され、現在主流となっている。このポジトロンCT(陽電子放出断層撮影、PET:Positron Emission Tomography)は、核医学診断法のひとつでポジトロンを放出する放射性同位元素によって標識された放射性薬剤を被検者に投与し、この放射性同位元素から放出される放射線の分布をPETカメラで断層画像に撮影することによって、臓器や組織を画像に映し出して、病巣の有無を診断する検査法である。
【0007】
すなわち、放射性同位元素によって標識された放射性薬剤を被検者に投与すれば、放射性薬剤から放出される放射線の分布は、臓器局所の血流、代謝など生理学的生化学的機能を反映するので、放射線の分布を体外からPETカメラで撮影することによって、臓器の血流や代謝などの機能を測定し病気を診断することができる。
【0008】
放射性薬剤から放出されるた陽電子は、電子と衝突し、消滅する。このときに生じる2本の消滅ガンマ線をPETスキャナーでは検出する。このPETスキャナーは、数千個の検出器がリング上に配列され、被検者を取り囲み、ガントリーに収まっており、その外観は、X線CTスキャナーと似た形状となっている。
【0009】
がん細胞が正常細胞に比べて3〜8倍のグルコース(ブドウ糖)の類似物質であるFDGが嫌気的糖代謝の活発な癌細胞に非常によく取り込まれるという性質を有していることは、よく知られている。PET検査は、FDGに放射性同位元素によって目印をつけて 体内に注射し、全身をPETで撮影する。するとFDGが多く集まるところがわかり、がんを発見するというものである。
【0010】
このようなPET装置は、従来、短時間に測定することができ高精度の再構成画像を得ることができる装置が開発されている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1は、検出部10の内側に設けられた回転セプタ20は、隣接する検出器リングRの間の位置に互いに平行に配された9枚のシールド板S〜Sを含み、コリメート作用を奏し、スライス面に平行に飛来した光子対のみを、その後方にある光子検出器Dに入射させ、各シールド板Sを、リング状でなく、各検出器リングRを構成するN個の光子検出器Dのうちに一部のものの測定視野1側に設け、回転セプタ20を、中心軸を中心に回転自在とし、各シールド板Sに、棒状の陽電子放出線源3を挿入して支持し得る棒状線源挿入孔20aおよび20bを設けて構成してある。
【特許文献1】特開2002−71813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように核医学検査においては、放射性薬剤を被検者に投与し、核医学診断装置を用いて、被検者体内の臓器や組織に特異的に集まる薬剤(放射性医薬品)の分布を調べることが行われている。
通常、被検者体内の臓器や組織を検査する場合、病巣が人体のどの臓器やどの組織に潜んでいるか分からないので、被検者の全身を撮影することが行われる。この被検者の全身を撮影するに当たっては、被検者の負担が大きい。そこで、被検者の負担を極力軽減するためには、被検者の全身を覆う視野をもつカメラを使用することが最も良い。
【0012】
しかしながら、被検者の全身を覆うような視野をもつカメラは、装置自体が大型となり、一度に検出する検出素子数も膨大となり、装置自体のコストが高くなり、被検者が負担する検査費用も大きなものになる。
そこで、現在、被検者の全身を撮影する場合、比較的小さな視野をもつカメラを用いて、撮影を複数回に分けて実施することが行われている。このように比較的小さな視野をもつカメラによって複数回に分けて撮影するには、被検者の移動またはカメラの移動が必要となる。
【0013】
この特許文献1のPET装置は、このような比較的小さな視野をもつカメラを用いて、被検者の全身を複数回に分けて撮影するものとなっている。
このため、特許文献1にあっては、視野の狭い装置となっているため、複数回の撮影を実施することになり、撮影時間が増加するという問題点を有している。
【0014】
本発明の目的は、被検者の全身撮影に要する時間を短縮することのできる核医学診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明においては、アドバンスト・コンプトンカメラを用いて被検者の全身撮影を行っている。この本発明におけるアドバンスト・コンプトンカメラとは、コンプトン散乱の運動学よって、入射ガンマ線の方向を一意に決定することができるガンマ線検出器のことである。
このアドバンスト・コンプトンカメラは、被検者に投与された放射性同位元素を含む放射性薬剤が人体の臓器や組織に特異的に集まり、この臓器や組織に集まった放射性薬剤の集積箇所から、薬剤に含有させた微量の放射性同位元素(RI)から体外に向けて放射される任意のガンマ線を、前段検出器でコンプトン散乱させ、後段検出器でコンプトン散乱したガンマ線を検出すると共に、前段検出器でガンマ線により反跳された電子を検出する。
【0016】
そして、このアドバンスト・コンプトンカメラは、この散乱ガンマ線と反跳電子の運動学的情報を基に、放射性薬剤の集積箇所から薬剤に含有させた微量の放射性同位元素(RI)から体外に向けて放射される任意のガンマ線の検出器に対する入射方向を算出し、ガンマ線の発生箇所を算出した方向の線上に推定する。
アドバンスト・コンプトンカメラは、このようにして放射性薬剤の集積箇所から得られたガンマ線の方向情報をもとに、画像再構成を行い、放射性同位元素の体内分布画像を取得する構成になっている。
【0017】
また、アドバンスト・コンプトンカメラは、従来のPET装置とは異なり、計測するガンマ線(放射性薬剤の集積箇所から薬剤に含有させた微量の放射性同位元素(RI)から体外に向けて放射される任意のガンマ線)に対して、入射方向に関する幾何学的な制限はない。
さらに、アドバンスト・コンプトンカメラは、従来のPET装置とは異なり、ガンマ線(放射性薬剤の集積箇所から薬剤に含有させた微量の放射性同位元素(RI)から体外に向けて放射される任意のガンマ線)検出器部分に対して、任意の角度で入射したガンマ線を計測することができるようになっている。
このため、アドバンスト・コンプトンカメラは、従来のPET装置よりも広範な視野を有している。
【0018】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の核医学診断装置は、放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲に相対向する少なくとも2つの検出手段を備え,
前記各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記被検者の周囲に相対向する検出手段を、前記相対向する検出手段の対向軸が前記ベッド(診察台)横臥する被検者の体軸に対して、傾斜角をもって配置し,
相対向する検出手段によって形成される視野を最大の大きさで利用することを特徴としている。
【0019】
すなわち、請求項1に記載の核医学診断装置は、被検者の周囲に配置された複数のアドバンスト・コンプトンカメラを、アドバンスト・コンプトンカメラによって形成される対向軸が被検者の体軸に対して、体軸方向に傾斜角をもって配置するものである。
このように複数のアドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の体軸に対して傾斜角をもって配置することによって、アドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野を最大の大きさで利用できるようにし、被検体の全身を撮影する際にアドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野を最大の大きさで被検者の体をカバーし、対となるアドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野が重ならないように、かつ視野が連続するように、アドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の体軸方向に所定間隔をおいて移動して撮影する。
このように構成することにより、請求項1に記載の核医学診断装置によれば、被検者の全身撮影に要する時間を短縮することができる。
【0020】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の核医学診断装置は、放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲に、相対向する2つの検出手段を対とする少なくとも2つの検出手段対を備え,
前記検出手段対を構成する各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記ベッド(診察台)に横臥した前記被検者の周囲に相対向する2つの検出手段を対とする2つの検出手段対を,
前記対をなす一方の2つの検出器手段の組の対向軸と、他方の2つの検出器手段の組の対向軸とが直角に交差するように配置すると共に、
前記対をなす一方の2つの検出器手段を前記ベッド(診察台)に横臥した被検者の体軸方向に検出器手段の半個分ずらして配置し、前記対をなす他方の2つの検出器手段を前記ベッド(診察台)に横臥した被検者の体軸方向に検出器手段の半個分ずらして配置して、
前記2つの検出手段対を構成する4つの検出器手段が段違いになるように配置してなり,
前記2つの検出手段対を構成する4つの検出器手段によって形成される視野を拡大させたことを特徴としている。
【0021】
すなわち、請求項2に記載の核医学診断装置は、被検者の周囲に配置された複数のアドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の周囲に段違いに配置するものである。
このように複数のアドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の周囲に段違いに配置することによって、アドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野を最大の大きさで利用できるようにし、被検体の全身を撮影する際にアドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野を最大の大きさで被検者の体をカバーし、対となるアドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野が重ならないように、かつ視野が連続するように、アドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の体軸方向に所定間隔をおいて移動して撮影する。
このように構成することにより、請求項2に記載の核医学診断装置によれば、被検者の全身撮影に要する時間を短縮することができる。
【0022】
上記課題を解決するため、請求項3に記載の核医学診断装置は、放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲を一定の軌道で回転する検出手段を備え、
前記各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記被検者の周囲を回転する検出手段の回転軌道は、前記ベッド(診察台)横臥する被検者の体軸に対する垂直角よりも被検者の体軸方向に傾斜した傾斜角をもって配置し,
前記被検者の周囲を回転する検出手段の回転によって形成される視野を利用して撮影することを特徴としている。
【0023】
すなわち、請求項3に記載の核医学診断装置は、被検者の周囲を回転する機構を備えたアドバンスト・コンプトンカメラを、回転平面の法線が被検者の体軸に対して傾斜した回転軌道で撮影できるようにしたものである。
【0024】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の核医学診断装置は、放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲に方形状に形成される相対向する2つの検出手段を対とする少なくとも4つの検出手段対を備え,
前記検出手段対を構成する各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記ベッド(診察台)に横臥した前記被検者の周囲に相対向する2つの検出手段を対とする4つの検出手段対を,
前記4つの検出手段対を構成する8つの検出器手段をリング状に連接して配置構成すると共に、
前記4つの検出手段対を構成する8つの検出器手段で形成されるリングによって構成する空間平面が前記ベッド(診察台)横臥する被検者の体軸に対して、傾斜角をもって配置構成し,
前記相対向し対をなす検出手段によって形成される視野を最大の大きさで利用することを特徴としている。
【0025】
すなわち、請求項4に記載の核医学診断装置は、被検者の周囲に方形状に形成される相対向する2つの検出手段を対を、相対向する2つの検出手段によって形成される対向軸が被検者の体軸に対して、体軸方向に傾斜角をもって配置するものである。
このように複数のアドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の体軸に対して傾斜角をもって配置することによって、アドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野を最大の大きさで利用できるようにし、被検体の全身を撮影する際にアドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野を最大の大きさで被検者の体をカバーし、対となるアドバンスト・コンプトンカメラによって形成される視野が重ならないように、かつ視野が連続するように、アドバンスト・コンプトンカメラを、被検者の体軸方向に所定間隔をおいて移動して撮影する。
このように構成することにより、請求項4に記載の核医学診断装置によれば、被検者の全身撮影に要する時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、放射性薬剤を投与された被検者の全身撮影を実施するにあたり、検出器を大きくすることなく、撮影回数を低減することができ、全身撮影に要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明について、図面を用いて説明する。
図1には、本発明に係る核医学診断装置の全体構成が示されている。
図1において、100は、検出器ヘッドで、101は、被検者である。そして、この検出器ヘッド100は、複数個によって形成されており、この複数の検出器ヘッドによって構成される検出器ヘッド100は、被検者101の周囲に配置されている。
また、この被検者101は、放射性同位元素によって標識された放射性薬剤が投与されており、ベッド(診察台)150に横臥した状態となっている。
【0028】
複数の検出器ヘッドによって構成される各検出器ヘッド100は、それぞれ被検者101の周囲に配置されており、被検者101側に前段検出器102が設けられている。この前段検出器102と所定間隔をおいて後段検出器103が配置されている。
この複数の検出器ヘッドによって構成されるそれぞれの検出器ヘッド100の検出信号は、処理装置110によって収集され、処理される。この処理装置110によって収集され、処理された信号は、画像再構成装置120によって画像の再構成が行われる。
この画像再構成装置120によって画像が再構成されると、画像表示装置130において、再構成した画像が表示される。
【0029】
ここでは、検出器ヘッド100は、複数の検出器ヘッドによって構成されているとして説明したが、必ずしも複数個でなくても良く、1台でも複数台でもよい。
さらに、ここでは、検出器ヘッド100は、被検者101の周囲に配置されていると説明してあるが、検出器ヘッド100の配置は、検出器ヘッド100と被検者101の間の立体角が大きいほど望ましい。また、検出器ヘッド100は、複数の検出器ヘッド100によって構成し、被検者101の周囲に環状に配置してもよい。
【0030】
また、診察台(ベッド)150には、駆動機構が備えられていてもよい。
そして、検出器ヘッド100には、前段検出器102は、少なくとも1台あればよい。また、後段検出器103は、1台に限らず、複数台あってもよい。さらに、前段検出器102は、気体検出器でもよいし、液体検出器でもよいし、固体検出器でもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0031】
〔第1の実施形態〕
図2には、本発明に係る核医学診断装置の第1の実施形態が示されている。
図2に図示の第1の実施形態は、図2(a)に示される如く、複数の検出器ヘッド100を被検者101の周囲に環状に配置して構成した核医学診断装置1000となっている。
図2に図示の第1の実施形態の複数の検出器ヘッド100は、環状の検出器ヘッド100の1セグメントを構成し、1セグメントを構成する検出器ヘッド100は、図2(b)に示す如く、被検者101側に前段検出器102が設けられており、前段検出器102の後部側(被検者101から離れる側)に後段検出器103が配置されている。
【0032】
この第1の実施形態の核医学診断装置1000は、図3に示すように、放射性同位元素によって標識された放射性薬剤が投与されてベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸に対して、傾斜角300をもって配置されている。すなわち、核医学診断装置1000を構成する検出器ヘッド100の相対向する検出器ヘッド100間を結ぶ対向軸が、放射性同位元素によって標識された放射性薬剤が投与されてベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸と所定の角度をもって配置されている。
この傾斜角300の大きさは、被検者101の体長および装置1000の視野の大きさによって決定される。
【0033】
この第1の実施形態の核医学診断装置1000は、ベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸に対して、傾斜角300をもって配置されているため、被検者101を挟む検出器ヘッド100によって、図4に示すように、ハニカム状に視野が形成される。
このように構成される第1の実施形態の核医学診断装置1000を用いて被検者101の全身撮影を実施するには、ベッド(診察台)150、又は核医学診断装置1000を図3に図示の移動方向200に示す方向に移動して行う。
【0034】
第1の実施形態の核医学診断装置1000によって、放射性同位元素によって標識された放射性薬剤を投与しベッド(診察台)150に横臥した被検者101の全身撮影を行うときの例が図5に示されている。
図5において、位置100A、位置100B、位置100C、位置100Dは、それぞれ、撮影位置A、撮影位置B、撮影位置C、撮影位置Dにおける検出器ヘッド100の位置を示している。また、図5において、視野1100A、1100B、1100C、1100Dは、撮影位置A、撮影位置B、撮影位置C、撮影位置Dのそれぞれの位置における検出器ヘッド100で形成される核医学診断装置1000の視野を示している。
【0035】
図6には、第1の実施形態の核医学診断装置1000の検出器ヘッド100と同様の大きさの検出器ヘッド500からなる、図6(a)に図示の従来のPET装置を用いて、図6(b)に図示するように被検体の全身を撮影する例が示してある。
この図6(b)に図示の従来のPET装置を用いた被検体の全身撮影の例と、図5に図示の第1の実施形態の核医学診断装置1000を用いた被検体の全身撮影の例とを比較すると、被検体の全身を撮影するのに図5に図示の第1の実施形態の核医学診断装置1000の場合は、4回の撮影で済むのが、図6(b)に図示の従来のPET装置を用いた場合は、6回の撮影を行わなければならないことが分かる。
【0036】
このように、図5に図示の第1の実施形態の核医学診断装置1000によれば、検出器ヘッド100がベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸に対して、傾斜角300をもって配置されているため、広範な視野を形成することができる。
したがって、図5に図示の第1の実施形態の核医学診断装置1000によれば、被検体の全身を撮影する場合、検出器ヘッド100によって形成される広範な視野を利用して、検出器を大きくすることなく、撮影回数を低減することができ、被検体の全身の撮影に要する時間を短縮することができる。
【0037】
〔第2の実施形態〕
図7には、本発明に係る核医学診断装置の第2の実施形態が示されている。
図2に図示の核医学診断装置の第1の実施形態は、環状型装置1000を被検者101の体軸に対して傾斜して撮影する場合が示されている。
これに対し、図7に図示の第2の実施形態は、図7(a)に示す如く、複数の検出器ヘッド100−1,100−2,100−3,100−4(第2の実施形態においては、4個)を放射性同位元素によって標識された放射性薬剤を投与しベッド(診察台)150に横臥した被検者101の周囲に90°の間隔をもって環状に配置して構成した核医学診断装置2000となっている。
【0038】
図7に図示の第2の実施形態の複数の検出器ヘッド100−1,100−2,100−3,100−4は、検出器ヘッド100−1と検出器ヘッド100−2とが対をなす検出手段対を構成し、検出器ヘッド100−3と検出器ヘッド100−4とが対をなす検出手段対を構成している。
そして、図7に図示の第2の実施形態の複数の検出器ヘッド100−1,100−2,100−3,100−4は、図7(b)に示す如く、被検者101側に前段検出器102が設けられており、前段検出器102の後部側(被検者101から離れる側)に後段検出器103が配置されている。
【0039】
このように4個の検出器ヘッド100は、検出器ヘッド100−1と検出器ヘッド100−2とが対をなし、検出器ヘッド100−3と検出器ヘッド100−4とが対をなしている。そして、この対をなす検出器ヘッド100−1と検出器ヘッド100−2の組の対向軸と、対をなす検出器ヘッド100−3と検出器ヘッド100−4の組の対向軸とが十字状になるように配置されている。
【0040】
さらに、4個の検出器ヘッド100は、図8に示すように、4個の検出器ヘッド100−1,100−2,100−3,100−4をベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸方向に検出器ヘッド100の半個分ずらした「段違い」になるように配置した構成が取られている。
ここで言う「段違い」とは、4個の検出器ヘッド100−1,100−2,100−3,100−4のそれぞれの検出器ヘッドの視野中心軸がお互いに一致しないような配置することを意味している。
【0041】
したがって、検出器ヘッド100−1と検出器ヘッド100−2とは、図9に示す如く、ベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸に垂直な検出器ヘッド100−1の中心線と、検出器ヘッド100−2のエッジとが一致するように、検出器ヘッド100−1に対して検出器ヘッド100−2が半個分ずれた状態に配置されている。
また、同様に、検出器ヘッド100−3と検出器ヘッド100−4とは、図10に示す如く、ベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸に垂直な検出器ヘッド100−3の中心線と、検出器ヘッド100−4のエッジとが一致するように、検出器ヘッド100−3に対して検出器ヘッド100−4が半個分ずれた状態に配置されている。
【0042】
図7に図示の第2の実施形態においては、特に、検出器ヘッドの個数が4個の例を挙げて説明している。しかし、この検出器ヘッドの個数は、必ずしも4個である必要はなく、少なくとも2台以上あればよく、その配置も「段違い」であればよい。
【0043】
図9には、核医学診断装置2000の被検者101の上下に配置された検出器ヘッド100−1と検出器ヘッド100−2の体軸方向の視野1200が示されている。
図10には、核医学診断装置2000の被検者101の左右に配置された検出器ヘッド100−3と検出器ヘッド100−4の体軸方向の視野1300が示されている。
【0044】
図7に図示の核医学診断装置の第2の実施形態はを用いて被検者101の全身の撮影を行う場合の例が図11,図12に示されている。
この図7に図示の核医学診断装置2000を用いて被検者101の全身の撮影を行う場合、図11は、被検者101の側面から見た核医学診断装置2000の視野1200を示している。
【0045】
図11において、位置100−1A(位置100−2A)、位置100−1B(位置100−2B)、位置100−1C(位置100−2C)は、それぞれ、撮影位置A、撮影位置B、撮影位置Cにおける検出器ヘッド100−1(検出器ヘッド100−2)の位置を示している。
また、図11において、視野1200A、1200B、1200Cは、撮影位置A、撮影位置B、撮影位置Cのそれぞれの位置における検出器ヘッド100−1(検出器ヘッド100−2)で形成される核医学診断装置2000の視野を示している。
【0046】
図12は、被検者101の上面から見た核医学診断装置2000の視野1300が示されている。
図12において、位置100−3A(位置100−4A)、位置100−3B(位置100−4B)は、それぞれ、撮影位置A、撮影位置Bにおける検出器ヘッド100−3(検出器ヘッド100−4)の位置を示している。
また、図12において、視野1300A、1300Bは、撮影位置A、撮影位置Bのそれぞれの位置における検出器ヘッド100−3(検出器ヘッド100−4)で形成される核医学診断装置2000の視野を示している。
【0047】
このように、図7に図示の第2の実施形態の核医学診断装置2000によれば、被検者101に検出器ヘッド100(100−1〜100−4)を近接して撮影できるので、ガンマ線の収集効率を向上することができ、各撮影位置での撮影時間を短縮することができる。
かつ、段違い配置による視野の拡大により、撮影回数を低減できるので、全身撮影に要する時間を短縮することができる。
【0048】
〔第3の実施形態〕
図13には、本発明に係る核医学診断装置の第3の実施形態が示されている。
図2に図示の核医学診断装置の第1の実施形態は、図7に図示の核医学診断装置の第2の実施形態は、被検者101の周囲に複数の検出器ヘッド101を配置して撮影する場合が示されている。
【0049】
これに対し、図13に図示の第3の実施形態は、検出器ヘッド100が回転軌道3000において、被検者101の周囲を回転するように構成されている。
また、検出器ヘッド100の回転軌道3000は、被検者101の体軸と傾斜角度300を有している。この傾斜角度300は、回転軌道3000の回転平面の法線と、被検者101の体軸とのなす角を示している。
そして、図13に図示の第3の実施形態による被検者101の全身の撮影は、図5において示した場合と同様である。
【0050】
〔第4の実施形態〕
図14には、本発明に係る核医学診断装置の第4の実施形態が示されている。
図2に図示の核医学診断装置の第1の実施形態が、複数の検出器ヘッド100を被検者101の周囲に環状に配置して構成しているのに対し、図14に図示の核医学診断装置の第4の実施形態が方形状に形成される検出器ヘッド100を複数個(第4の実施形態では、8個)の検出器ヘッド100をリング状に並べて構成したものである。
このように構成することにより、図14の第4の実施形態によれば、検出器ヘッド100を少ない数で構成することができる。
【0051】
なお、複数個(第4の実施形態では、8個)の検出器ヘッド100(100−1〜100−8)をリング状に並べて構成した検出器ヘッド100は、図2に図示の核医学診断装置の第1の実施形態において配置したように放射性同位元素によって標識された放射性薬剤が投与されてベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸に対して、傾斜角をもって配置されている。
すなわち、核医学診断装置1000を構成する検出器ヘッド100の相対向する検出器ヘッド100−1と検出器ヘッド100−5間、検出器ヘッド100−2と検出器ヘッド100−6間、検出器ヘッド100−3と検出器ヘッド100−7間、検出器ヘッド100−4と検出器ヘッド100−8間を結ぶ対向軸が、放射性同位元素によって標識された放射性薬剤が投与されてベッド(診察台)150に横臥した被検者101の体軸と所定の角度をもって配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の核医学診断装置を示す図
【図2】本発明の核医学診断装置の第1の実施形態に示す核医学診断装置の構成図である。
【図3】図2に図示の核医学診断装置の検出器ヘッドが傾斜角度をもって配置されていることを示す核医学診断装置の構成図である。
【図4】図3に図示の核医学診断装置の検出器ヘッドを断面して視野の状態を示す図である。
【図5】図2に図示の核医学診断装置によって、被検者の全身撮影を行うときの例を示す図である。
【図6】実施の形態1に示す核医学診断装置と比較するための従来装置の全身撮影を示す図である。
【図7】本発明の核医学診断装置の第2の実施形態に示す核医学診断装置の構成図である。
【図8】図7に図示の核医学診断装置の第2の実施形態における検出器ヘッドの配置を示す図である。
【図9】図8に図示の核医学診断装置の第2の実施形態における検出器ヘッドの被検者の上下に配置された検出器ヘッド同士による体軸方向の視野を示す図である。
【図10】図8に図示の核医学診断装置の第2の実施形態における検出器ヘッドの被検者の左右に配置された検出器ヘッド同士による体軸方向の視野を示す図である。
【図11】図8に図示の核医学診断装置の第2の実施形態における検出器ヘッドの被検者の側面から見た核医学診断装置の視野を示す図である。
【図12】図8に図示の核医学診断装置の第2の実施形態における検出器ヘッドの被検者の上面から見た核医学診断装置の視野を示す図である。
【図13】本発明の核医学診断装置の第3の実施形態に示す核医学診断装置の構成図である。
【図14】本発明の核医学診断装置の第4の実施形態に示す核医学診断装置の構成図である。
【符号の説明】
【0053】
100……………………検出器ヘッド
101……………………被検者
102……………………前段検出器
103……………………後段検出器
110……………………信号処理装置
120……………………画像再構成装置
130……………………画像表示装置
150……………………ベッド
200……………………移動方向
300……………………傾斜角
500……………………従来装置の検出器ヘッド
1000…………………実施形態1の装置
1100…………………実施形態1の装置の視野
1200…………………実施形態2の装置の視野
1300…………………実施形態2の装置の視野
2000…………………実施形態2の装置
3000…………………実施形態3の装置の回転軌道
5000…………………従来装置の視野

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲に相対向する少なくとも2つの検出手段を備え,
前記各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記被検者の周囲に相対向する検出手段を、前記相対向する検出手段の対向軸が前記ベッド(診察台)横臥する被検者の体軸に対して、傾斜角をもって配置し,
相対向する検出手段によって形成される視野を最大の大きさで利用する
ことを特徴とする核医学診断装置。
【請求項2】
放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲に、相対向する2つの検出手段を対とする少なくとも2つの検出手段対を備え,
前記検出手段対を構成する各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記ベッド(診察台)に横臥した前記被検者の周囲に相対向する2つの検出手段を対とする2つの検出手段対を,
前記対をなす一方の2つの検出器手段の組の対向軸と、他方の2つの検出器手段の組の対向軸とが直角に交差するように配置すると共に、
前記対をなす一方の2つの検出器手段を前記ベッド(診察台)に横臥した被検者の体軸方向に検出器手段の半個分ずらして配置し、前記対をなす他方の2つの検出器手段を前記ベッド(診察台)に横臥した被検者の体軸方向に検出器手段の半個分ずらして配置して、
前記2つの検出手段対を構成する4つの検出器手段が段違いになるように配置してなり,
前記2つの検出手段対を構成する4つの検出器手段によって形成される視野を拡大させた
ことを特徴とする核医学診断装置。
【請求項3】
放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲を一定の軌道で回転する検出手段を備え、
前記各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記被検者の周囲を回転する検出手段の回転軌道は、前記ベッド(診察台)横臥する被検者の体軸に対する垂直角よりも被検者の体軸方向に傾斜した傾斜角をもって配置し,
前記被検者の周囲を回転する検出手段の回転によって形成される視野を利用して撮影する
ことを特徴とする核医学診断装置。
【請求項4】
放射性同位元素を含む放射性薬剤が投与されたベッド(診察台)に横臥した被検者の周囲に方形状に形成される相対向する2つの検出手段を対とする少なくとも4つの検出手段対を備え,
前記検出手段対を構成する各検出手段は,
前記被検者の薬剤に微量の前記放射性同位元素(RI)を含有させた放射性薬剤の集積箇所から、体外に向けて放出される光子を反応させ、少なくとも一回目の反応点における位置情報と、該反応によって生じる荷電粒子の運動量の情報とを検出する前段検出器と,
前記反応によって散乱された光子に関する情報を検出する後段検出器とを順次配置して構成してなり,
前記検出手段から収集した検出情報によって画像を再構成する画像再構成手段を備え,
前記ベッド(診察台)に横臥した前記被検者の周囲に相対向する2つの検出手段を対とする4つの検出手段対を,
前記4つの検出手段対を構成する8つの検出器手段をリング状に連接して配置構成すると共に、
前記4つの検出手段対を構成する8つの検出器手段で形成されるリングによって構成する空間平面が前記ベッド(診察台)横臥する被検者の体軸に対して、傾斜角をもって配置構成し,
前記相対向し対をなす検出手段によって形成される視野を最大の大きさで利用する
ことを特徴とする核医学診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−101666(P2010−101666A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271553(P2008−271553)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度、「到来方向測定による高感度ガンマ線3Dカメラの開発」 独立行政法人科学技術振興機構(略称JST)委託研究、産業活力再生特別措置法第30条第1項の適用をうけるもの)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】