根菜作物収穫機
【解決手段】走行装置1の一側がわに、条植した根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を前端を低く後端を高く斜設し、上下2箇所に根菜部の高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、引抜いた根菜作物を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、更に、葉茎部を一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式根菜作物収穫機において、根切り装置84を後方倒れに傾設して設けた根菜作物収穫機。
【効果】根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことにより、根部6cの二度切を防止するとともに、根菜部6bが円板カッター85上を搬送中に円板カッター85による傷付きの発生を抑制し、ニンニクの根菜部6b捌き(流れ)が良くなる。
【効果】根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことにより、根部6cの二度切を防止するとともに、根菜部6bが円板カッター85上を搬送中に円板カッター85による傷付きの発生を抑制し、ニンニクの根菜部6b捌き(流れ)が良くなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体一側がわに設けた引抜搬送処理装置で、ニンニクや玉葱などのような根菜部が球形に近い根菜作物を収穫する根菜作物収穫機の根切り切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圃場に植生された根菜作物を挟持搬送装置でその葉茎部を挟持して根菜部を地中から引き抜き、引き抜いた根菜作物を吊持姿勢に保って後上方に搬送するとともに、搬送途中に設けられた切断装置で葉茎部を切断して根菜部を収穫する根菜作物収穫機が存在し、一方、根菜作物には、根菜部の底部に根が生えており、この根も切断しなければならないことがある。このため、根を切断して除去する収穫機が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−073061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、挟持搬送装置による根菜作物の吊持高さは、引抜き時の抵抗等によって一定にはならない。このため、根菜部を揃え装置で根菜部の底面(根菜部を後方搬送する保持ベルトから根菜部の底面の上下関係)を設定しても、切断刃の高さがすべての根菜部において合致するとは限らず、根菜部の一部を切断したり、根切りした根菜部側の根が揃わない、などの問題が発生していた。
加えて、根菜部の大きさは一様ではなく、これによって根菜部に傷の発生が生じることがある。
【0005】
本発明は、このような課題に対処するものであり、整姿装置で伸びた根を根切り装置で切断する際に、根菜部を安定支持して根切り作業工程で均一に根切りして、根菜部に切傷等が入らないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の第1発明は、請求項1に記載したように、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする葉茎菜作物収穫機ものである。
【0007】
また、請求項2の記載したように、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする請求項1記載の葉茎菜作物収穫機ものである。
【0008】
また、第2の発明は、請求項3に記載したように、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設するとともに、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81を支点として揺動支持したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機ものである。
【0009】
また、第3の発明は、請求項4に記載したように、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、根切り装置84を付勢部材100で吊下げ支持するとともに、前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設し、さらに、後方のレイキ116も後端が下りに配設したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果が得られる。すなわち、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことにより、根菜部6bから伸びた根部6cを二度切防止するとともに、根菜部6bが円板カッター85上を搬送中に円板カッター85による傷付きが発生するのを抑制するとともに、ニンニクの根菜部6b捌き(流れ)が良くなりニンニクの停滞がないものである。
【0011】
また、請求項2の記載のものによれば、請求項1において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設して設けたことにより、上揃え装置49で根菜部6bの肩の位置(高さ揃え装置と根菜部の底面は根菜部の大きさにより多少は上下している)を揃えた根菜部6bを一定姿勢で搬送するため伸びた根部6cを二度切防止するとともに、上揃え装置49が葉茎部6aを挟持しているときに、根部6cを切断することができるので根菜部6bへやさしく、ニンニクを容易に後方へ排出することができる。
【0012】
また、請求項3の記載のものによれば、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設するとともに、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81を支点として揺動支持したことにより、請求項1、2で記載した効果の他に、根菜部6bの大きさに応じて根切り装置84と上揃え装置49の上下間隔を大きく調整でき、取付姿勢は大幅に変わることがないため、根切り作業において、安定して作業が可能となる。(微細に調整ができる)。さらに、根整姿装置37、上揃え装置49、根切り装置84等の近傍に付着した土壌あるいは、切断した根等を除去する作業空間ができ作業が容易となる。
【0013】
また、請求項4の記載のものによれば、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、根切り装置84を付勢部材100で吊下げ支持するとともに、前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設し、さらに、後方のレイキ116も後端が下りに配設したことにより、請求項1,2、3で記載した効果の他に、機体2の振動を付勢部材100で吸収して根切り装置84へ振動を伝えることがなく安定して維持することができる。そして、切断処理した根菜部6bが円滑にながれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、図1乃至図2において、本発明に係る根菜収穫機の一実施形態について説明する。
この根菜収穫機(以下、収穫機という)は、左右にクローラ形の走行装置1備えた機体2の左右方向の一側がわに、エンジン3や運転席4、操作部5を設け、また、機体2の他方には、ニンニクや玉葱などの根菜作物6を自走しながら土壌中から引抜き、そして、根菜部6bから伸びた根部6cを一定長さに揃え、さらに、切断した葉茎部6aを機外へ排出する排出シュータ11等を設けた引抜搬送処理装置12を備えている。
ニンニクや玉葱等などの根菜作物6は、畝7に4条から6条で条植栽倍している。このニンニクを栽培している土壌は、「くろぼく」あるいは、「強粘土質」の土壌で栽培し、しかも、ニンニクの根部6cは根菜部6bから長く伸び、さらに、広がる性質があるため、土壌を根部6cで包むようになって引抜きされている。
この収穫機は、畝7に沿う方向に走行しながら根菜作物6の葉茎部6aを挟持して根菜部6bごと引き抜き、次いで、これを後上方に搬送(吊り下げ姿勢を保ったままで)する間に、根菜部6bの底面に生えている根部6cと葉茎部6aを切断し、残った根菜部6bを収穫するものである。
【0015】
さらに詳細には、運転席4の側方前に、側面視で、垂直面内の後上がり傾斜状に配列した分草タイン8aを後方回動する分葉装置8によって、いまから収穫する葉茎部6aとそうでない葉茎部6aを捌き、その後、後上がり傾斜状の水平面内で後上がりに後方回動する掻込タイン9aからなる掻込装置9で収穫する葉茎部6aを後方に掻き込む。
そして、この掻込装置9で掻き込まれた葉茎部6aは、後方に設けた後上がりに傾斜した水平面内で対向面によって葉茎部6aを挟持しながら共に後方回動する一対の挟持搬送ベルト14からなる挟持搬送装置13で、根菜部6bを挟持して地中から引抜く。
このとき、挟持搬送装置13の始端下部には、正面視L字形の振動刃10aを土中に差し込み根菜部6bの周りの土を緩める振動装置10を設けており、これによって、引抜き時に、根菜部6aに傷の発生防止と、付着した土壌が落下しやすくなり引抜き作業が容易になる。
【0016】
引抜いた根菜部6bは、葉茎部6aと共に挟持搬送装置13で後上方へ搬送されて行くが、このとき、根菜作物6は、挟持搬送装置13によって根菜部6bを下方にしてほぼ垂直状の正立姿勢に吊持された状態となる。
なお、葉茎部6aの挟持位置は、畝7と挟持搬送装置13の始端高さにより決まり、この高さは適宜変更する必要がある。
挟持搬送装置13の始端高さは、機体2の前部に設けた畝7を走行するゲージホイル15によって挟持搬送装置13の先端部を上下調整して高さを設定維持している。
ゲージホイル15の上下調整は、操作部5に設けた操作部材(図示していない)によって、挟持搬送フレーム17上端から機体2前方へ延出したゲージホイルフレーム15aとホイル取付具15b間に設けた電動油圧シリンダー15cによって調整する構成にしている。
そこで、この挟持搬送装置13と、後述する下揃え装置、上揃え装置、葉茎部保持搬送装置及び葉茎部挟持搬送装置等とを一体状に構成して、機体2の一側がわ(運転席より他方)に設けた回動支持台2aに備えた回動軸2b回りに上下に回動して前端を低く後端を高く斜設している。
【0017】
挟持搬送装置13は、図3に示すように、機体2に設けた回動軸2bに回動自在に支持している。
この挟持搬送装置13は、葉茎部6aを保持する左右方向に対向して設けた挟持搬送ベルト14、14を巻き掛けする挟持搬送フレーム17と、エンジン3からの回転力を受けて伝える駆動プーリ14a、14aと、従動プーリ14b、14b等で構成している。
そして、挟持搬送フレーム17は、機体2の上部に設けた回動軸2bに回動自在に支持して設けている。
この挟持搬送フレーム17は、回動軸2bへ回動自在に支持する回動フレーム17aと、挟持搬送ベルト14、14を巻き掛けする駆動プーリ14a、14aや従動プーリ14b、14b等を支持するベルトフレーム17bを側面視で略T字形に一体構成にしている。
【0018】
次に、下揃え装置18は、図3乃至図5に示すように、挟持搬送装置13で引抜いた根菜部6bを挟持搬送ベルト14,14から下方側を揃える(一定にする)装置である。
詳しくは、後上がりに傾斜した一対の挟持搬送ベルト14、14を対向して後方回動する挟持搬送装置13の前端近傍下方に、挟持搬送装置13の後方上がりの傾斜角Aより緩やかな傾斜角Bを設定した下揃え装置18を構成している。
【0019】
下揃え装置18は、ベルトフレーム17bから下方へ延出した前吊下げ具20、20と、挟持搬送ベルト14、14背面に巻き掛けした上プーリ22、22(軸と上プーリを固着して軸を下方へ延出している)を回動自在に支持した後吊下げ具21、21を設け、この吊下げ具20、20、21、21の下方に、前プーリ24、24と後プーリ(軸を後プーリに固着した)23、23を回動自在に架設した吊具25、25を前吊下げ具20、20と後吊下げ具21、21に締結部材47を介して固設している。
そして、前プーリ24、24と後プーリ(軸を後プーリに固着した)23、23間に左右方向に対向して設けた揃えベルト19、19を対向間に隙間を有して巻き掛けしている。そして、上プーリ22、22から下方へ延出した軸と、後プーリ23、23から上方へ延出した軸を自在継手26、26を介して連動連結して後プーリ23、23に回転力を付与している。
【0020】
そして、挟持搬送装置13で葉茎部6aを挟持した根菜作物6が下揃え搬送装置18の始端部に達すると、下揃え搬送装置18で根菜部6bの上部を挟持して挟持搬送装置13とともに引継ぎ搬送する。
このとき、下揃え搬送装置18の後方に行くほど、挟持搬送装置13との上下間隔が開くから、このままでは、葉茎部6aがちぎれてしまう(但し、挟持搬送装置13の搬送速度と下揃え装置18の搬送速度を同じに設定してある)。このため、下揃え搬送装置18の揃えベルト19、19の挟持力を、挟持搬送ベルト14、14よりも弱くしておき、葉茎部6aが一対の揃えベルト19、19間を上方に滑り移動できるようにしている。
そして、根菜部6bは、揃えベルト19、19間を通過できないようにしている。従って、揃えベルト19、19の搬送中に、根菜部6bの肩が揃えベルト19、19の下端に擦り付けられるまで上昇する。これにより、根菜部6bの肩の高さが揃うようになる。
【0021】
直交泥落し装置27は、図3乃至図5に示すように、下揃え装置18の終端部下方に、放射状に形成した回転体28を、挟持搬送装置13(下揃え装置18)の搬送方向に対して直交して配設し、この回転体28を側面視で時計方向に回転させて根菜部6bから伸びた根部6cや根菜部6bに付着した土壌を落す装置である。
【0022】
詳しくは、下揃え装置18で搬送中の根菜作物6の根部6cに付着した土壌を叩き落す回転体28を、中央ボス部32から半径方向に複数個(本実施例では3本)突出する突出部33を設け、これらを、軟質合成樹脂で一体形成し、この回転体28を駆動する軸に、回転体28と間座(図示していない)を幾重も組み合わせた回転軸34に一体構成している。
この回転軸34を軸支した伝動ケース31を、回動フレーム17a(図3に示す)の側方から斜め前方へ延出した取付具29と、伝動ケース31を側面に固設した取付具30を締結部材47を介して下揃え装置18の下方へ固設している。
そして、取付具29には、取付具30を上下調整できるように、取付孔35、35を上下に長孔を形成して、取付具30を上下調整する機能を構成することで、ニンニク大きさ直径で5〜8cmで高さ3〜6cmの大きさであるため、収穫する圃場によって適宜に調整することが可能である。
【0023】
上記した構造において、下揃え装置18で葉茎部6aを挟持した根菜作物6の根部6cが、直交泥落し装置27の回転体28が側面視で時計方向に回転しているため、回転体28が根部6cの先端(端根)部から根元方向に向けて土壌を叩き落すので、葉茎部6aを下揃え装置18で挟持した状態で、土壌を叩き落しするが、回転体28の回転方向が時計方向のため根菜部6b側から下揃え装置18が葉茎部6aを挟持している側へ押し上げるように作用するために根菜部6bが回転体28で踊らされることがないので傷つき防止が図られる。
【0024】
次に、根整姿装置37は、図3、図5、図14、図15に示すように、側面視で下揃え装置18の後方に、挟持搬送装置13の挟持搬送ベルト14に略平行に設置されて回転する左右一対の軸回転ブラシ42、42を左右方向に対向して配設した根整姿装置37を設けている。
この根整姿装置37は、軸回転ブラシ42,42に設けた第1回転体39、39と第2回転体40、40が時計方向の回転と反時計方向で回転することによって、根菜部6bの底面や根部6cに作用して、土壌を落すとともに、根切り装置84で根部6cを切断するために、根部6cの姿勢を整えることを目的としている。
【0025】
詳しくは、図3、図5、図14、図15に示すように、根整姿装置37は、回動フレーム17aから斜め前方下方へ延出した取付具29の側面に軸回転ブラシ42、42の支持と、ベベルギヤー伝動機構を軸支した駆動ケース38を挟持搬送装置13の搬送経路C(搬送ベルト14,14で葉茎部6Aを挟持して後方搬送する通路)に向けて固設している。
そして、前述した駆動ケース38に、平面視で挟持搬送装置13の挟持搬送ベルト14の下方位置に、搬送経路Cを挟んで挟持搬送ベルト14、14と略平行に左右一対の第1回転体39、39と、その後方に、第2回転体40、40を軸41を挟んで一体構成にした軸回転ブラシ42、42を回転自在に設けている。
この、軸回転ブラシ42、42の前端部に軟質樹脂等で構成したボス部32と、ボス部32から半径方向へ突出する複数の突出部33を一体構成したブラシと、間座(図示していない)を交互に繰返して重設した第1回転体39を駆動ケース38から後方へ延出した軸41の前端部に一体構成している。
また、軸41の後端部には、ナイロン毛44等を植設した第2回転体40を固設している。
第1回転体39、39と第2回転体40、40は、各々突出部33あるいは、ナイロン毛44が重設するように設けている。(図14、図15に示す)
【0026】
そして、駆動ケース38の出力側には、前述した軸回転ブラシ42が着脱自在にできる凹凸機構で回転力を伝える凸部(ピン)を設け、この凸部(ピン)に連動連結する軸回転ブラシ42の前端部には凹部(長孔)を設けている。
軸回転ブラシ42後端部は、軸回転ブラシ42を軸架する着脱具45を設け、この着脱具45の他方は、茎葉排出フレーム77から延出した延出部材と締結部材47を介して着脱自在に構成している。
【0027】
又、第1回転体39は、一方の突起部33が搬送経路Cを越えて他方の凹陥部に突入する径、芯間距離、位相で配されており、両方の突起部33で確実に根部6c全体をすごくようになっている。
更に、第2回転体40のナイロン毛44等は、互いに相手方の回転半径内に入り込む径、芯間距離に設定されており、両者で根部6cを挟み込んですり潰すようになっている。
加えて、両者の回転方向は、根部6cを上から下(時計回転方向と反時計方向の組合せ)にすごくように設定されており、これによって、特に、第2回転体40ですり潰された根部6cは根菜部6bから大きく広がった根部6cを細く絞られ、根部6cの先端が先行する姿勢となり、後続する根切り装置84で切断に都合の良いように整姿されている。
これらのことから、第1回転体39や第2回転体40は、軟質樹脂、ゴム、ナイロン毛等といった根菜部6bの表面を傷付けない素材で構成されている。
【0028】
第1回転体39や第2回転体40を一体に構成した軸回転ブラシ42に、上記した作用をさせるには、強制回転させられる必要があるが、本例における駆動構成は、挟持搬送装置13の姿勢(高さ)を変更してもその位置は不変である回動軸2bに設けた動力をプーリ・ベルト機構を介して駆動ケース38まで導いている。
そして、駆動ケース38に伝えた動力を、ベベルギヤー伝動機構等によって軸回転ブラシ42に伝えている。
【0029】
次に、排出搬送装置60は、図1、図3、図6乃至図8に示すように、挟持搬送装置13の中途より後端部に、引抜きした根菜作物6の茎葉部6aを保持して後方へ排出する茎葉部保持搬送装置61と、茎葉部6aを保持して後方排出する茎葉部保持搬送装置61より上方の茎葉部6aを先端が先行する姿勢に整姿する茎葉部狭扼搬送装置69を設けている。
さらに、茎葉部保持搬送装置61の下方に根菜部6bの高さを揃える上揃え装置49を茎葉部保持搬送装置61より下方前端に設けている。
そして、根菜部6bから伸びた根部6cを一定長さで切断する根切り装置84を上揃え装置49の下方近傍に設け、茎葉部6bを一定長さで揃えて切断する茎葉部切断装置120を上揃え装置49の後方に設け、茎葉部切断装置120で切断した茎葉部6bを機外に放出する樋状に形成した排出シュータ11で構成している。
【0030】
そして、図6乃至図8に示すように、上揃え搬送装置49は、挟持搬送装置13の挟持搬送フレーム17(ベルトフレーム17b)から下方に延出した取付部材に保持ベルト50を巻き掛けする駆動プーリ54と、従動プーリ55を吊下げする吊下げ具53を締結部材47を介して挟持搬送装置13の下方に搬送経路Cを挟んで左右方向で対向して吊下げしている。
吊り下げ具53は、一方に、従動プーリ55を回動自在に吊下げし、他方は、保持ベルト50を巻き掛けする駆動プーリ54を軸着した回転軸を軸支した縦ケース51を立設している。
そして、駆動プーリ54、54と従動プーリ55、55と間に左右方向に対向して設けた保持ベルト50、50を巻き掛けしている。
【0031】
挟持搬送装置13で葉茎部6aを挟持した根菜作物6が上揃え装置49に到達すると、上揃え装置49で根菜部6bの上方を挟持して挟持搬送装置13とで引継ぎ後方へ搬送される。
このとき、上揃え装置49の後方に行くほど、挟持搬送装置13との上下間隔が開くから、このままでは、葉茎部6aがちぎれてしまう(但し、挟持搬送装置13の搬送速度と上揃え装置21の搬送速度を同じに設定してある)。このため、上揃え装置49の保持ベルト50、50の挟持力を、挟持搬送装置13の挟持搬送ベルト14、14よりも弱くしておき、葉茎部6aが一対の保持ベルト50、50間を上方に滑り移動できるようにしている。
なお、根菜部6bは、保持ベルト50、50間を通過できないようにしている。従って、保持ベルト50、50の搬送中根菜部6bの肩が保持ベルト50、50の下端に擦り付けられるまで上昇する。
これにより、根菜部6bの肩の高さが揃うようになる。
【0032】
次に、茎葉部排出装置60は、図6乃至図8に示すように、下側に茎葉部保持搬送装置61と上側に葉茎部狭扼搬送装置69を水平に並列して構成している。下側の茎葉部保持搬送装置61は、挟持搬送フレーム17から挟持搬送装置13の搬送経路Cを挟んで下方に延出した延出部材に固設した茎葉排出フレーム77を前後方向けて略横L字状に形成した後端部材の上方に、左駆動ケース63と、左駆動ケース63より前方へ右駆動ケース64を左右方向で前後して対向して固設している。
この左駆動ケース63と右駆動ケース64の下端に、駆動プーリ65、65と上揃え装置49の略中央上方へ従動プーリ66、66を配設している。
また、駆動プーリ65は、上下2段に伝動プーリ溝を形成している。上段側の伝動プーリ溝は茎葉部保持搬送装置61を構成している保持ベルト62を巻き掛けしている、
そして、下段側の伝動プーリ溝は、上揃え装置49を駆動する上プーリ56に保持駆動ベルト52を巻き掛けしている。
そして、左駆動ケース63と右駆動ケース64に、従動プーリ66、66を吊下げする板材で形成した吊下げ具67、67を左右に挟持搬送装置13の搬送経路Cを挟んで対向して設けている。
さらに、茎葉部保持搬送装置61の始端部が上揃え装置49と一部重合して設けられており、水平面内で対向面によって葉茎部6aを挟持しながら共に後方回動する水平方向に張設した保持ベルト62を備えた構成としている。
上揃え装置49で受継いだ茎葉部6aを後方に向けて茎葉部保持搬送装置61で搬送する。
【0033】
そして、茎葉部狭扼搬送装置69は、図1、図3、図6乃至図8に示すように、葉茎部保持搬送装置61の上段に設けて、茎葉部6aの搬送姿勢を茎葉部狭扼搬送装置69で茎葉部6aが先行する姿勢に変更して茎葉部狭扼搬送装置69や葉茎部保持搬送装置61の終端部で放出される葉茎部6aの先端から排出シューター11へ落下するようになる。(茎葉部狭扼搬送装置69の搬送速度を葉茎部保持搬送速度61より速くしている。)
【0034】
詳細は、図6乃至図8に示すように、左駆動ケース63から上部に延出した駆動軸に設けた駆動スプロケット71と、左駆動ケース63から前方へ延出したチエンガイド73と、このチエンガイド73の先端に前後調節可能な調節部材を介して従動スプロケット72を設け、この駆動スプロケット71と従動スプロケット72に巻き掛けした狭扼チエン70と、この狭扼チエン70に右から左に向け押圧する前後方向へ長いチエン押え板74等で構成している。
そして、チエンガイド73の駆動スプロケット71側の前端からチエン押え板74の終端後方へ向けて茎葉部6aを放出ガイドするガイド部材75を設けている。
【0035】
次に、本発明である根切り装置84は、図1、図3、図6、図11、図12に示すように、上揃え装置49の搬送経路Cを挟んで下方に左右方向に対向して一対の円板カッター85を設け、この円板カッター85によって、根菜部6bから伸びた根部6cを一定長さに揃える装置である。
この根切り装置84の取付姿勢は、上揃え装置49の搬送姿勢に対して、根切り装置84の前端部が後端部より常に上揃え装置49へ接近する状態(後方倒れに傾斜状)に、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81から上揃え装置49の下方へ向けて延出した根切りフレーム92により揺動支持している。
【0036】
まず、根切り装置84を揺動する支持構造について、図6、図10、図11、図12で説明する。
根切り装置84を支持する茎葉排出フレーム77は、横L字形にパイプ材で形成した後端に左右の排出フレーム体78、78を連結する連結パイプ79に回動パイプ81を固設する取付板80を斜め上方へ向けて設けている。この取付板80に、根切りフレーム92を回動支持する回動パイプ81を締結部材47で上下調節可能に固設している。
そして、この回動パイプ81に、根切り装置84を支持する根切りフレーム92の後端部に設けた支持軸を左から右向きに挿入して根切りフレーム92を回動自在に支持している。
また、この根切りフレーム92の前端部(根切り装置84の側部外側)に設けたチエン伝動機構を内装したチエンボックス93の側面に締結部材47を介して根切りフレーム92と連結固定している。
このチエンボックス93の前端側方に、チエンボックス93からの回転力を根切り装置84に伝達するギヤー伝動機構を内装したギヤーボックス94を前記チエンボックス93と一体構成している。
【0037】
このギヤーボックス94の側面から、図9、図11に示すように、上揃え装置49の下方に向けて延出した横伝動ケース88を設け、この横伝動ケース88から上揃え装置49側へ向けて立設した左右の縦ケース89、89等を一体に構成にしている。
この縦ケース89の上端部で円板カッター85、85より下方に、根整姿装置37で整姿した根部6cを円板カッター85,85で切断する前に、根部6cを挟持する誘導挟持ローラ87、87を軟質材でドーナツ状に形成し、内側に後述する筒フランジ95が挿入可能な孔部と、筒フランジ95から立設した連結ピン96が挿入可能な孔を設け、さらに、円板カッター85,85の外径よりやや大きく形成して設け、この誘導挟持ローラ87、87の上に根部6cを切断する円板カッター85、85を対向して一部重設するように配設して設けている。
【0038】
前述した、縦ケース89,89に軸支した縦軸90、90の上端部に軸着した筒状に形成した筒フランジ95、95を設け、この筒フランジ95、95の下端面に上向きの連結ピン96、96を複数個立設固着している。この連結ピン96、96に誘導挟持ローラ87、87を挿入して円板カッター85,85とともに回転するように構成している。
そして、筒フランジ95、95の上端に円板カッター85、85を取付けるカッターフランジ97、97を縦軸90、90に軸着している。このカッターフランジ97、97の上面に円板カッター85,85を取付ける案内部を設けている。この案内部に円板カッター85、85を挿入して座材98、98を介して締結部材47で固設している。
【0039】
また、筒フランジ95,95の下端面から下方(横伝動ケース88)に向けて板材で形成した払出し板99、99を筒フランジ95、95に固設している。この払出し板95、95は、前方の詰り防止棒110から後方で縦ケース89,89の縦面に、沿って円板カッター85、85と同時回転するように設けている。
この払出し板99、99が円板カッター85、85や誘導挟持ローラ87,87等とともに回転することによって起風した風によって、根切りした根部6cが根切り装置84やその周辺に土壌や切り根が付着するのを吹き飛ばし(払い除ける)とともに、収穫時期を逸したニンニクは茎部より割れて根菜部6bが離れやすくなり、伝動ケース等に落下して後続する根菜作物6の搬送に影響することが発生するので、常に払出し板99の回転により伝動ケース付近の詰まりを防止することができる。
【0040】
根切り装置84は図6、図10に示すように、ギヤーボックス94の前方内側に設けた付勢部材100によって根切り装置84を上方に吊り上げる構成にしている。
詳しくは、茎葉排出フレーム77の上方に調節自在に設けた調整式バネ掛け101とギヤーボックス94の側方に設けた取付具103にバネ取付ピン104を設け、このバネ取付ピン104と調整式バネ掛け101間を付勢部材100で張設している。
そして、根切り装置84の上方移動を規制する規制具102は、上揃え装置49と根切り装置84との上下間隔を調整するもので、根菜部6bの大きさにより、上揃え装置49と根切り装置84の上下間隔を大きくまた、小さくするものである。
そして、規制具102は、板材で逆コ字形状に形成したストッパーガイド105を取付具103に固定し、このストッパーガイド105のコ字形内に、排出フレーム体78の底面に当接によって上方規制するストッパーレバー106を挿架している。
そして、このストッパーガイド105の側面にストッパーレバー106の伸縮量を規制するレバー107を付勢部材を介して抜き差し可能に構成している。
根菜部6bから伸びた根部6cを切断する(揃える)ことが必要でない場合は、付勢部材100を張設している調整式バネ掛け101あるいは、バネ取付ピン104のいずれかのバネフックを外すことにより根切り装置84は下方へ移動して根切りは行われなく後方搬送される。
【0041】
つぎに、詰り防止棒110は、図9、図11に示すように、縦向きの縦ケース89、89のフランジ面から挟持搬送装置13側へ向けて立設した取付具111,111の途中から丸材で形成した詰り防止棒110,110を搬送経路Cを挟んで左右に設けている。
この詰り防止棒110,110は、平面視で、左右それぞれの、誘導挟持ローラ87、87(円板カッター85、85)の中心前方から誘導挟持ローラ87、87の下方に向け、その後、誘導挟持ローラ87の外形に沿わせて水平状で、左右の円板カッター85,85の重合近傍まで延出し、その後、下方(横伝動ケース88)へ向けて屈曲形成したものである。
【0042】
この詰り防止棒110は、根菜部6bを上揃え装置49で引上げ(肩揃え)が不十分のときあるいは、ニンニクの収穫時期を逸したニンニクを収穫するときに、円板カッター85で葉茎部6a、根菜部6bを切断したものあるいは、葉茎部6aから根菜部6bが離れて落下した根菜部6bが横伝動ケース88の上面あるいは、縦ケース89間に根菜部6bが詰まるのを防止するものである。
【0043】
次に、根菜支持部材113,113は、図9、図11に示すように、円板カッター85、85の上面に始端部から後端部に亘って、根菜部6bの底面を2本の弾性材(鋼硬線材)で支持して円板カッター85、85で根部6cを切断する際に、根菜部6bに円板カッター85、85による傷の発生を防止するものである。
【0044】
横伝動ケース88から縦向きの縦ケース89、89の底面前方から挟持搬送装置13側へ向けて立設した取付具111の上面から弾性材(鋼硬線材)等で形成した根菜支持部材113,113を設けている。
この根菜支持部材113,113は根菜部6bの底面を支持する根菜支持部材113,113を、平面視で根菜支持部材113,113の前端部は円板カッター85,85の外周に沿わせ、後端部は円板カッター85,85の外周より外側に沿わせ、中途部は順次後退する略へ字形状して他方に設けた根菜支持部材113,113との対向間隔が順次広がるように形成したものである。この根菜支持部材113,113を締結部材47で取付具111に固定している。
【0045】
根菜支持部材113によって支えられた根菜部6bは、根部6cを切断するときは狭い範囲で根菜部6bを支えられ、搬送後方に向かうほど広い幅で支えることによって根菜部6bの安定が図られる(摺動抵抗を低くする)と同時に、根菜支持部材113支える根菜部6bの形状により上揃え装置49の保持ベルト50より下方へ突出した根菜部6bの底面を根菜支持部材113のばね作用により円板カッター85の始端で速やかに上方側(保持ベルト50)へ向けて押し上げて根菜部6bの底面に傷付きが発生することが防止できる。
また、円板カッター85,85の上面と根菜支持部材113,113の下線は任意の間隔を保って取付けている。この任意の間隔がニンニクの大きさのバラツキを調整(吸収)して根菜部に円板カッター85,85による傷付きの発生が防止できるとともに、円板カッター85,85上を移動する際に、根菜部の安定した支持部材となっている。
【0046】
次に、根切り装置84の後方に設けた落下シューター115は、図1、図3、図9、図11に示すように、上段に串状のレイキ116と3方を軟質材で囲んだ3壁シューター117で構成している。
この落下シューター115は、根切り装置84で処理した根菜部6bを機体後方に設けた横搬送装置123の始端部へ向けて落下させるものである。
【0047】
レイキ116は、図9、図11に示すように、根切り装置84の後方に、側面視で後方下がりに傾斜し、平面視で搬送経路Cを挟んで本実施例では、左右均等に計6本の丸材で形成した串状のレイキ116を設けている。
このレイキ116の取付は、チエンボックス93の下端内に設けた取付具108にレイキ116の下端を締結部材47を介して固設している。
このレイキ116の上端部は、根切り装置84に連接し、下方は3壁シューター117へ連接して根菜部6bが機外に落下するのを防止している。
【0048】
次に、3壁シューター116は、図9、図11に示すように、レイキ116の後方に排出フレーム体78,78から搬送経路Cに向けて延出した取付具82、82に締結部材を介して固設している。この3壁シューター117は、軟質材で3方に遮壁を設けて根切りあるいは、茎切りした根菜部6bを機体側方に設けたコンテナCTに搬送する横搬送装置123(図1、図2、図13に示すよう)の始端部へ根菜部6bが落下するように導くものである。
【0049】
次に、茎葉部切断装置120は、図3、図6に示すように、上揃え装置49の後方で、茎葉部保持搬送装置61の下方に根菜部6bから茎を一定長さに揃えるものである。
排出フレーム体78の上面に左右方向から葉茎部保持搬送装置61の搬送経路Cに向けて設けたケース取付具83,83に、茎葉駆動ケース122を、葉茎部保持搬送装置61の搬送経路Cを挟んで左右に対向して固設している。
葉茎部保持搬送装置61で保持した茎葉部6aを、挟持搬送装置13からチエン伝動機構を介して入力した回転力を茎葉駆動ケース122に入力し、この回転力をベベル伝動機構を介して上方に設けた円板カッター121,121を駆動させて茎葉部6aを切断するように構成している。
【0050】
切断した茎葉部6aは、葉茎部保持搬送装置61で後方に搬出して、回動パイプ81の外側後方に設けた排出シューター取付具126に排出シュータ11を回動自在に設けている。
この排出シューター11によって機外に放出するようにしている。
【0051】
次に、横搬送装置123は、図1、図2、図13に示すように、排出搬送装置60の下方に、機体2の後方に左から右方向に横設している。
この横搬送装置123は、前述した根切り装置84の後方下方を始端部にして、機体側方に設けた側部荷受け台135に向けて収穫した根菜部6bをベルト上に載置して搬送するものである。
【0052】
この、横搬送装置123は、エンジン3からベルト・チエン伝動機構によって伝達した回転動力をベベル機構を内装した横搬送駆動ケース128に入力して搬送ベルト129を回転させる幅広な駆動ローラ130を横搬送フレーム131に設けている。
この横搬送フレーム131の他方に幅広の従動ローラ132を設け、この駆動ローラ130と従動ローラ132間に、表面に突起部を有する幅広の搬送ベルト129を張設している。この搬送ベルト129の上面に落下した根菜部6bを載置してコンテナCTへ搬送するようにしている。
【0053】
機体2の後端部と右側部に、図1、図2、図13に示すように、コンテナCTを載置する後部荷受け台134と側部荷受け台135を設けている。この後部荷受け台134、側部荷受け台135は、機体2に設けた荷受け取付金具2cの支点軸2dを基点にして上下揺動する構成にしている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】根菜収穫機の側面図である。
【図2】根菜収穫機の平面図である
【図3】根菜収穫機の引抜搬送処理装置の側面図である。
【図4】根菜収穫機の下揃え装置・直交泥落し装置の側面図である。
【図5】根菜収穫機の下揃え装置・直交泥落し装置・根整姿装置の平面図である。
【図6】根菜収穫機の排出搬送装置の側面図である。
【図7】根菜収穫機の排出搬送装置の平面図である。
【図8】根菜収穫機の排出搬送装置の後部断面図である
【図9】根菜収穫機の根切り装置の断面図である。
【図10】根菜収穫機の根切り装置の側面図である。
【図11】根菜収穫機の根切り装置の平面図である。
【図12】根菜収穫機の根切り装置・茎葉部切断装置の後部断面図である。
【図13】根菜収穫機の横搬送装置・荷受け台の平面図である。
【図14】根菜収穫機の根整姿装置の第1回転体の断面図である。
【図15】根菜収穫機の根整姿装置の第2回転体の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 走行装置
2 機体
2b 回動軸
6 根菜作物
6a 葉茎部
6b 根菜部
6c 根部
7 畝
13 挟持搬送装置
18 下揃え装置
49 上揃え装置
60 排出搬送装置
77 茎葉排出フレーム
81 回動パイプ
84 根切り装置
100 付勢部材
116 レイキ
120 葉茎部切断装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体一側がわに設けた引抜搬送処理装置で、ニンニクや玉葱などのような根菜部が球形に近い根菜作物を収穫する根菜作物収穫機の根切り切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圃場に植生された根菜作物を挟持搬送装置でその葉茎部を挟持して根菜部を地中から引き抜き、引き抜いた根菜作物を吊持姿勢に保って後上方に搬送するとともに、搬送途中に設けられた切断装置で葉茎部を切断して根菜部を収穫する根菜作物収穫機が存在し、一方、根菜作物には、根菜部の底部に根が生えており、この根も切断しなければならないことがある。このため、根を切断して除去する収穫機が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−073061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、挟持搬送装置による根菜作物の吊持高さは、引抜き時の抵抗等によって一定にはならない。このため、根菜部を揃え装置で根菜部の底面(根菜部を後方搬送する保持ベルトから根菜部の底面の上下関係)を設定しても、切断刃の高さがすべての根菜部において合致するとは限らず、根菜部の一部を切断したり、根切りした根菜部側の根が揃わない、などの問題が発生していた。
加えて、根菜部の大きさは一様ではなく、これによって根菜部に傷の発生が生じることがある。
【0005】
本発明は、このような課題に対処するものであり、整姿装置で伸びた根を根切り装置で切断する際に、根菜部を安定支持して根切り作業工程で均一に根切りして、根菜部に切傷等が入らないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の第1発明は、請求項1に記載したように、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする葉茎菜作物収穫機ものである。
【0007】
また、請求項2の記載したように、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする請求項1記載の葉茎菜作物収穫機ものである。
【0008】
また、第2の発明は、請求項3に記載したように、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設するとともに、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81を支点として揺動支持したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機ものである。
【0009】
また、第3の発明は、請求項4に記載したように、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、根切り装置84を付勢部材100で吊下げ支持するとともに、前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設し、さらに、後方のレイキ116も後端が下りに配設したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果が得られる。すなわち、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことにより、根菜部6bから伸びた根部6cを二度切防止するとともに、根菜部6bが円板カッター85上を搬送中に円板カッター85による傷付きが発生するのを抑制するとともに、ニンニクの根菜部6b捌き(流れ)が良くなりニンニクの停滞がないものである。
【0011】
また、請求項2の記載のものによれば、請求項1において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設して設けたことにより、上揃え装置49で根菜部6bの肩の位置(高さ揃え装置と根菜部の底面は根菜部の大きさにより多少は上下している)を揃えた根菜部6bを一定姿勢で搬送するため伸びた根部6cを二度切防止するとともに、上揃え装置49が葉茎部6aを挟持しているときに、根部6cを切断することができるので根菜部6bへやさしく、ニンニクを容易に後方へ排出することができる。
【0012】
また、請求項3の記載のものによれば、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設するとともに、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81を支点として揺動支持したことにより、請求項1、2で記載した効果の他に、根菜部6bの大きさに応じて根切り装置84と上揃え装置49の上下間隔を大きく調整でき、取付姿勢は大幅に変わることがないため、根切り作業において、安定して作業が可能となる。(微細に調整ができる)。さらに、根整姿装置37、上揃え装置49、根切り装置84等の近傍に付着した土壌あるいは、切断した根等を除去する作業空間ができ作業が容易となる。
【0013】
また、請求項4の記載のものによれば、走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、根切り装置84を付勢部材100で吊下げ支持するとともに、前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設し、さらに、後方のレイキ116も後端が下りに配設したことにより、請求項1,2、3で記載した効果の他に、機体2の振動を付勢部材100で吸収して根切り装置84へ振動を伝えることがなく安定して維持することができる。そして、切断処理した根菜部6bが円滑にながれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、図1乃至図2において、本発明に係る根菜収穫機の一実施形態について説明する。
この根菜収穫機(以下、収穫機という)は、左右にクローラ形の走行装置1備えた機体2の左右方向の一側がわに、エンジン3や運転席4、操作部5を設け、また、機体2の他方には、ニンニクや玉葱などの根菜作物6を自走しながら土壌中から引抜き、そして、根菜部6bから伸びた根部6cを一定長さに揃え、さらに、切断した葉茎部6aを機外へ排出する排出シュータ11等を設けた引抜搬送処理装置12を備えている。
ニンニクや玉葱等などの根菜作物6は、畝7に4条から6条で条植栽倍している。このニンニクを栽培している土壌は、「くろぼく」あるいは、「強粘土質」の土壌で栽培し、しかも、ニンニクの根部6cは根菜部6bから長く伸び、さらに、広がる性質があるため、土壌を根部6cで包むようになって引抜きされている。
この収穫機は、畝7に沿う方向に走行しながら根菜作物6の葉茎部6aを挟持して根菜部6bごと引き抜き、次いで、これを後上方に搬送(吊り下げ姿勢を保ったままで)する間に、根菜部6bの底面に生えている根部6cと葉茎部6aを切断し、残った根菜部6bを収穫するものである。
【0015】
さらに詳細には、運転席4の側方前に、側面視で、垂直面内の後上がり傾斜状に配列した分草タイン8aを後方回動する分葉装置8によって、いまから収穫する葉茎部6aとそうでない葉茎部6aを捌き、その後、後上がり傾斜状の水平面内で後上がりに後方回動する掻込タイン9aからなる掻込装置9で収穫する葉茎部6aを後方に掻き込む。
そして、この掻込装置9で掻き込まれた葉茎部6aは、後方に設けた後上がりに傾斜した水平面内で対向面によって葉茎部6aを挟持しながら共に後方回動する一対の挟持搬送ベルト14からなる挟持搬送装置13で、根菜部6bを挟持して地中から引抜く。
このとき、挟持搬送装置13の始端下部には、正面視L字形の振動刃10aを土中に差し込み根菜部6bの周りの土を緩める振動装置10を設けており、これによって、引抜き時に、根菜部6aに傷の発生防止と、付着した土壌が落下しやすくなり引抜き作業が容易になる。
【0016】
引抜いた根菜部6bは、葉茎部6aと共に挟持搬送装置13で後上方へ搬送されて行くが、このとき、根菜作物6は、挟持搬送装置13によって根菜部6bを下方にしてほぼ垂直状の正立姿勢に吊持された状態となる。
なお、葉茎部6aの挟持位置は、畝7と挟持搬送装置13の始端高さにより決まり、この高さは適宜変更する必要がある。
挟持搬送装置13の始端高さは、機体2の前部に設けた畝7を走行するゲージホイル15によって挟持搬送装置13の先端部を上下調整して高さを設定維持している。
ゲージホイル15の上下調整は、操作部5に設けた操作部材(図示していない)によって、挟持搬送フレーム17上端から機体2前方へ延出したゲージホイルフレーム15aとホイル取付具15b間に設けた電動油圧シリンダー15cによって調整する構成にしている。
そこで、この挟持搬送装置13と、後述する下揃え装置、上揃え装置、葉茎部保持搬送装置及び葉茎部挟持搬送装置等とを一体状に構成して、機体2の一側がわ(運転席より他方)に設けた回動支持台2aに備えた回動軸2b回りに上下に回動して前端を低く後端を高く斜設している。
【0017】
挟持搬送装置13は、図3に示すように、機体2に設けた回動軸2bに回動自在に支持している。
この挟持搬送装置13は、葉茎部6aを保持する左右方向に対向して設けた挟持搬送ベルト14、14を巻き掛けする挟持搬送フレーム17と、エンジン3からの回転力を受けて伝える駆動プーリ14a、14aと、従動プーリ14b、14b等で構成している。
そして、挟持搬送フレーム17は、機体2の上部に設けた回動軸2bに回動自在に支持して設けている。
この挟持搬送フレーム17は、回動軸2bへ回動自在に支持する回動フレーム17aと、挟持搬送ベルト14、14を巻き掛けする駆動プーリ14a、14aや従動プーリ14b、14b等を支持するベルトフレーム17bを側面視で略T字形に一体構成にしている。
【0018】
次に、下揃え装置18は、図3乃至図5に示すように、挟持搬送装置13で引抜いた根菜部6bを挟持搬送ベルト14,14から下方側を揃える(一定にする)装置である。
詳しくは、後上がりに傾斜した一対の挟持搬送ベルト14、14を対向して後方回動する挟持搬送装置13の前端近傍下方に、挟持搬送装置13の後方上がりの傾斜角Aより緩やかな傾斜角Bを設定した下揃え装置18を構成している。
【0019】
下揃え装置18は、ベルトフレーム17bから下方へ延出した前吊下げ具20、20と、挟持搬送ベルト14、14背面に巻き掛けした上プーリ22、22(軸と上プーリを固着して軸を下方へ延出している)を回動自在に支持した後吊下げ具21、21を設け、この吊下げ具20、20、21、21の下方に、前プーリ24、24と後プーリ(軸を後プーリに固着した)23、23を回動自在に架設した吊具25、25を前吊下げ具20、20と後吊下げ具21、21に締結部材47を介して固設している。
そして、前プーリ24、24と後プーリ(軸を後プーリに固着した)23、23間に左右方向に対向して設けた揃えベルト19、19を対向間に隙間を有して巻き掛けしている。そして、上プーリ22、22から下方へ延出した軸と、後プーリ23、23から上方へ延出した軸を自在継手26、26を介して連動連結して後プーリ23、23に回転力を付与している。
【0020】
そして、挟持搬送装置13で葉茎部6aを挟持した根菜作物6が下揃え搬送装置18の始端部に達すると、下揃え搬送装置18で根菜部6bの上部を挟持して挟持搬送装置13とともに引継ぎ搬送する。
このとき、下揃え搬送装置18の後方に行くほど、挟持搬送装置13との上下間隔が開くから、このままでは、葉茎部6aがちぎれてしまう(但し、挟持搬送装置13の搬送速度と下揃え装置18の搬送速度を同じに設定してある)。このため、下揃え搬送装置18の揃えベルト19、19の挟持力を、挟持搬送ベルト14、14よりも弱くしておき、葉茎部6aが一対の揃えベルト19、19間を上方に滑り移動できるようにしている。
そして、根菜部6bは、揃えベルト19、19間を通過できないようにしている。従って、揃えベルト19、19の搬送中に、根菜部6bの肩が揃えベルト19、19の下端に擦り付けられるまで上昇する。これにより、根菜部6bの肩の高さが揃うようになる。
【0021】
直交泥落し装置27は、図3乃至図5に示すように、下揃え装置18の終端部下方に、放射状に形成した回転体28を、挟持搬送装置13(下揃え装置18)の搬送方向に対して直交して配設し、この回転体28を側面視で時計方向に回転させて根菜部6bから伸びた根部6cや根菜部6bに付着した土壌を落す装置である。
【0022】
詳しくは、下揃え装置18で搬送中の根菜作物6の根部6cに付着した土壌を叩き落す回転体28を、中央ボス部32から半径方向に複数個(本実施例では3本)突出する突出部33を設け、これらを、軟質合成樹脂で一体形成し、この回転体28を駆動する軸に、回転体28と間座(図示していない)を幾重も組み合わせた回転軸34に一体構成している。
この回転軸34を軸支した伝動ケース31を、回動フレーム17a(図3に示す)の側方から斜め前方へ延出した取付具29と、伝動ケース31を側面に固設した取付具30を締結部材47を介して下揃え装置18の下方へ固設している。
そして、取付具29には、取付具30を上下調整できるように、取付孔35、35を上下に長孔を形成して、取付具30を上下調整する機能を構成することで、ニンニク大きさ直径で5〜8cmで高さ3〜6cmの大きさであるため、収穫する圃場によって適宜に調整することが可能である。
【0023】
上記した構造において、下揃え装置18で葉茎部6aを挟持した根菜作物6の根部6cが、直交泥落し装置27の回転体28が側面視で時計方向に回転しているため、回転体28が根部6cの先端(端根)部から根元方向に向けて土壌を叩き落すので、葉茎部6aを下揃え装置18で挟持した状態で、土壌を叩き落しするが、回転体28の回転方向が時計方向のため根菜部6b側から下揃え装置18が葉茎部6aを挟持している側へ押し上げるように作用するために根菜部6bが回転体28で踊らされることがないので傷つき防止が図られる。
【0024】
次に、根整姿装置37は、図3、図5、図14、図15に示すように、側面視で下揃え装置18の後方に、挟持搬送装置13の挟持搬送ベルト14に略平行に設置されて回転する左右一対の軸回転ブラシ42、42を左右方向に対向して配設した根整姿装置37を設けている。
この根整姿装置37は、軸回転ブラシ42,42に設けた第1回転体39、39と第2回転体40、40が時計方向の回転と反時計方向で回転することによって、根菜部6bの底面や根部6cに作用して、土壌を落すとともに、根切り装置84で根部6cを切断するために、根部6cの姿勢を整えることを目的としている。
【0025】
詳しくは、図3、図5、図14、図15に示すように、根整姿装置37は、回動フレーム17aから斜め前方下方へ延出した取付具29の側面に軸回転ブラシ42、42の支持と、ベベルギヤー伝動機構を軸支した駆動ケース38を挟持搬送装置13の搬送経路C(搬送ベルト14,14で葉茎部6Aを挟持して後方搬送する通路)に向けて固設している。
そして、前述した駆動ケース38に、平面視で挟持搬送装置13の挟持搬送ベルト14の下方位置に、搬送経路Cを挟んで挟持搬送ベルト14、14と略平行に左右一対の第1回転体39、39と、その後方に、第2回転体40、40を軸41を挟んで一体構成にした軸回転ブラシ42、42を回転自在に設けている。
この、軸回転ブラシ42、42の前端部に軟質樹脂等で構成したボス部32と、ボス部32から半径方向へ突出する複数の突出部33を一体構成したブラシと、間座(図示していない)を交互に繰返して重設した第1回転体39を駆動ケース38から後方へ延出した軸41の前端部に一体構成している。
また、軸41の後端部には、ナイロン毛44等を植設した第2回転体40を固設している。
第1回転体39、39と第2回転体40、40は、各々突出部33あるいは、ナイロン毛44が重設するように設けている。(図14、図15に示す)
【0026】
そして、駆動ケース38の出力側には、前述した軸回転ブラシ42が着脱自在にできる凹凸機構で回転力を伝える凸部(ピン)を設け、この凸部(ピン)に連動連結する軸回転ブラシ42の前端部には凹部(長孔)を設けている。
軸回転ブラシ42後端部は、軸回転ブラシ42を軸架する着脱具45を設け、この着脱具45の他方は、茎葉排出フレーム77から延出した延出部材と締結部材47を介して着脱自在に構成している。
【0027】
又、第1回転体39は、一方の突起部33が搬送経路Cを越えて他方の凹陥部に突入する径、芯間距離、位相で配されており、両方の突起部33で確実に根部6c全体をすごくようになっている。
更に、第2回転体40のナイロン毛44等は、互いに相手方の回転半径内に入り込む径、芯間距離に設定されており、両者で根部6cを挟み込んですり潰すようになっている。
加えて、両者の回転方向は、根部6cを上から下(時計回転方向と反時計方向の組合せ)にすごくように設定されており、これによって、特に、第2回転体40ですり潰された根部6cは根菜部6bから大きく広がった根部6cを細く絞られ、根部6cの先端が先行する姿勢となり、後続する根切り装置84で切断に都合の良いように整姿されている。
これらのことから、第1回転体39や第2回転体40は、軟質樹脂、ゴム、ナイロン毛等といった根菜部6bの表面を傷付けない素材で構成されている。
【0028】
第1回転体39や第2回転体40を一体に構成した軸回転ブラシ42に、上記した作用をさせるには、強制回転させられる必要があるが、本例における駆動構成は、挟持搬送装置13の姿勢(高さ)を変更してもその位置は不変である回動軸2bに設けた動力をプーリ・ベルト機構を介して駆動ケース38まで導いている。
そして、駆動ケース38に伝えた動力を、ベベルギヤー伝動機構等によって軸回転ブラシ42に伝えている。
【0029】
次に、排出搬送装置60は、図1、図3、図6乃至図8に示すように、挟持搬送装置13の中途より後端部に、引抜きした根菜作物6の茎葉部6aを保持して後方へ排出する茎葉部保持搬送装置61と、茎葉部6aを保持して後方排出する茎葉部保持搬送装置61より上方の茎葉部6aを先端が先行する姿勢に整姿する茎葉部狭扼搬送装置69を設けている。
さらに、茎葉部保持搬送装置61の下方に根菜部6bの高さを揃える上揃え装置49を茎葉部保持搬送装置61より下方前端に設けている。
そして、根菜部6bから伸びた根部6cを一定長さで切断する根切り装置84を上揃え装置49の下方近傍に設け、茎葉部6bを一定長さで揃えて切断する茎葉部切断装置120を上揃え装置49の後方に設け、茎葉部切断装置120で切断した茎葉部6bを機外に放出する樋状に形成した排出シュータ11で構成している。
【0030】
そして、図6乃至図8に示すように、上揃え搬送装置49は、挟持搬送装置13の挟持搬送フレーム17(ベルトフレーム17b)から下方に延出した取付部材に保持ベルト50を巻き掛けする駆動プーリ54と、従動プーリ55を吊下げする吊下げ具53を締結部材47を介して挟持搬送装置13の下方に搬送経路Cを挟んで左右方向で対向して吊下げしている。
吊り下げ具53は、一方に、従動プーリ55を回動自在に吊下げし、他方は、保持ベルト50を巻き掛けする駆動プーリ54を軸着した回転軸を軸支した縦ケース51を立設している。
そして、駆動プーリ54、54と従動プーリ55、55と間に左右方向に対向して設けた保持ベルト50、50を巻き掛けしている。
【0031】
挟持搬送装置13で葉茎部6aを挟持した根菜作物6が上揃え装置49に到達すると、上揃え装置49で根菜部6bの上方を挟持して挟持搬送装置13とで引継ぎ後方へ搬送される。
このとき、上揃え装置49の後方に行くほど、挟持搬送装置13との上下間隔が開くから、このままでは、葉茎部6aがちぎれてしまう(但し、挟持搬送装置13の搬送速度と上揃え装置21の搬送速度を同じに設定してある)。このため、上揃え装置49の保持ベルト50、50の挟持力を、挟持搬送装置13の挟持搬送ベルト14、14よりも弱くしておき、葉茎部6aが一対の保持ベルト50、50間を上方に滑り移動できるようにしている。
なお、根菜部6bは、保持ベルト50、50間を通過できないようにしている。従って、保持ベルト50、50の搬送中根菜部6bの肩が保持ベルト50、50の下端に擦り付けられるまで上昇する。
これにより、根菜部6bの肩の高さが揃うようになる。
【0032】
次に、茎葉部排出装置60は、図6乃至図8に示すように、下側に茎葉部保持搬送装置61と上側に葉茎部狭扼搬送装置69を水平に並列して構成している。下側の茎葉部保持搬送装置61は、挟持搬送フレーム17から挟持搬送装置13の搬送経路Cを挟んで下方に延出した延出部材に固設した茎葉排出フレーム77を前後方向けて略横L字状に形成した後端部材の上方に、左駆動ケース63と、左駆動ケース63より前方へ右駆動ケース64を左右方向で前後して対向して固設している。
この左駆動ケース63と右駆動ケース64の下端に、駆動プーリ65、65と上揃え装置49の略中央上方へ従動プーリ66、66を配設している。
また、駆動プーリ65は、上下2段に伝動プーリ溝を形成している。上段側の伝動プーリ溝は茎葉部保持搬送装置61を構成している保持ベルト62を巻き掛けしている、
そして、下段側の伝動プーリ溝は、上揃え装置49を駆動する上プーリ56に保持駆動ベルト52を巻き掛けしている。
そして、左駆動ケース63と右駆動ケース64に、従動プーリ66、66を吊下げする板材で形成した吊下げ具67、67を左右に挟持搬送装置13の搬送経路Cを挟んで対向して設けている。
さらに、茎葉部保持搬送装置61の始端部が上揃え装置49と一部重合して設けられており、水平面内で対向面によって葉茎部6aを挟持しながら共に後方回動する水平方向に張設した保持ベルト62を備えた構成としている。
上揃え装置49で受継いだ茎葉部6aを後方に向けて茎葉部保持搬送装置61で搬送する。
【0033】
そして、茎葉部狭扼搬送装置69は、図1、図3、図6乃至図8に示すように、葉茎部保持搬送装置61の上段に設けて、茎葉部6aの搬送姿勢を茎葉部狭扼搬送装置69で茎葉部6aが先行する姿勢に変更して茎葉部狭扼搬送装置69や葉茎部保持搬送装置61の終端部で放出される葉茎部6aの先端から排出シューター11へ落下するようになる。(茎葉部狭扼搬送装置69の搬送速度を葉茎部保持搬送速度61より速くしている。)
【0034】
詳細は、図6乃至図8に示すように、左駆動ケース63から上部に延出した駆動軸に設けた駆動スプロケット71と、左駆動ケース63から前方へ延出したチエンガイド73と、このチエンガイド73の先端に前後調節可能な調節部材を介して従動スプロケット72を設け、この駆動スプロケット71と従動スプロケット72に巻き掛けした狭扼チエン70と、この狭扼チエン70に右から左に向け押圧する前後方向へ長いチエン押え板74等で構成している。
そして、チエンガイド73の駆動スプロケット71側の前端からチエン押え板74の終端後方へ向けて茎葉部6aを放出ガイドするガイド部材75を設けている。
【0035】
次に、本発明である根切り装置84は、図1、図3、図6、図11、図12に示すように、上揃え装置49の搬送経路Cを挟んで下方に左右方向に対向して一対の円板カッター85を設け、この円板カッター85によって、根菜部6bから伸びた根部6cを一定長さに揃える装置である。
この根切り装置84の取付姿勢は、上揃え装置49の搬送姿勢に対して、根切り装置84の前端部が後端部より常に上揃え装置49へ接近する状態(後方倒れに傾斜状)に、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81から上揃え装置49の下方へ向けて延出した根切りフレーム92により揺動支持している。
【0036】
まず、根切り装置84を揺動する支持構造について、図6、図10、図11、図12で説明する。
根切り装置84を支持する茎葉排出フレーム77は、横L字形にパイプ材で形成した後端に左右の排出フレーム体78、78を連結する連結パイプ79に回動パイプ81を固設する取付板80を斜め上方へ向けて設けている。この取付板80に、根切りフレーム92を回動支持する回動パイプ81を締結部材47で上下調節可能に固設している。
そして、この回動パイプ81に、根切り装置84を支持する根切りフレーム92の後端部に設けた支持軸を左から右向きに挿入して根切りフレーム92を回動自在に支持している。
また、この根切りフレーム92の前端部(根切り装置84の側部外側)に設けたチエン伝動機構を内装したチエンボックス93の側面に締結部材47を介して根切りフレーム92と連結固定している。
このチエンボックス93の前端側方に、チエンボックス93からの回転力を根切り装置84に伝達するギヤー伝動機構を内装したギヤーボックス94を前記チエンボックス93と一体構成している。
【0037】
このギヤーボックス94の側面から、図9、図11に示すように、上揃え装置49の下方に向けて延出した横伝動ケース88を設け、この横伝動ケース88から上揃え装置49側へ向けて立設した左右の縦ケース89、89等を一体に構成にしている。
この縦ケース89の上端部で円板カッター85、85より下方に、根整姿装置37で整姿した根部6cを円板カッター85,85で切断する前に、根部6cを挟持する誘導挟持ローラ87、87を軟質材でドーナツ状に形成し、内側に後述する筒フランジ95が挿入可能な孔部と、筒フランジ95から立設した連結ピン96が挿入可能な孔を設け、さらに、円板カッター85,85の外径よりやや大きく形成して設け、この誘導挟持ローラ87、87の上に根部6cを切断する円板カッター85、85を対向して一部重設するように配設して設けている。
【0038】
前述した、縦ケース89,89に軸支した縦軸90、90の上端部に軸着した筒状に形成した筒フランジ95、95を設け、この筒フランジ95、95の下端面に上向きの連結ピン96、96を複数個立設固着している。この連結ピン96、96に誘導挟持ローラ87、87を挿入して円板カッター85,85とともに回転するように構成している。
そして、筒フランジ95、95の上端に円板カッター85、85を取付けるカッターフランジ97、97を縦軸90、90に軸着している。このカッターフランジ97、97の上面に円板カッター85,85を取付ける案内部を設けている。この案内部に円板カッター85、85を挿入して座材98、98を介して締結部材47で固設している。
【0039】
また、筒フランジ95,95の下端面から下方(横伝動ケース88)に向けて板材で形成した払出し板99、99を筒フランジ95、95に固設している。この払出し板95、95は、前方の詰り防止棒110から後方で縦ケース89,89の縦面に、沿って円板カッター85、85と同時回転するように設けている。
この払出し板99、99が円板カッター85、85や誘導挟持ローラ87,87等とともに回転することによって起風した風によって、根切りした根部6cが根切り装置84やその周辺に土壌や切り根が付着するのを吹き飛ばし(払い除ける)とともに、収穫時期を逸したニンニクは茎部より割れて根菜部6bが離れやすくなり、伝動ケース等に落下して後続する根菜作物6の搬送に影響することが発生するので、常に払出し板99の回転により伝動ケース付近の詰まりを防止することができる。
【0040】
根切り装置84は図6、図10に示すように、ギヤーボックス94の前方内側に設けた付勢部材100によって根切り装置84を上方に吊り上げる構成にしている。
詳しくは、茎葉排出フレーム77の上方に調節自在に設けた調整式バネ掛け101とギヤーボックス94の側方に設けた取付具103にバネ取付ピン104を設け、このバネ取付ピン104と調整式バネ掛け101間を付勢部材100で張設している。
そして、根切り装置84の上方移動を規制する規制具102は、上揃え装置49と根切り装置84との上下間隔を調整するもので、根菜部6bの大きさにより、上揃え装置49と根切り装置84の上下間隔を大きくまた、小さくするものである。
そして、規制具102は、板材で逆コ字形状に形成したストッパーガイド105を取付具103に固定し、このストッパーガイド105のコ字形内に、排出フレーム体78の底面に当接によって上方規制するストッパーレバー106を挿架している。
そして、このストッパーガイド105の側面にストッパーレバー106の伸縮量を規制するレバー107を付勢部材を介して抜き差し可能に構成している。
根菜部6bから伸びた根部6cを切断する(揃える)ことが必要でない場合は、付勢部材100を張設している調整式バネ掛け101あるいは、バネ取付ピン104のいずれかのバネフックを外すことにより根切り装置84は下方へ移動して根切りは行われなく後方搬送される。
【0041】
つぎに、詰り防止棒110は、図9、図11に示すように、縦向きの縦ケース89、89のフランジ面から挟持搬送装置13側へ向けて立設した取付具111,111の途中から丸材で形成した詰り防止棒110,110を搬送経路Cを挟んで左右に設けている。
この詰り防止棒110,110は、平面視で、左右それぞれの、誘導挟持ローラ87、87(円板カッター85、85)の中心前方から誘導挟持ローラ87、87の下方に向け、その後、誘導挟持ローラ87の外形に沿わせて水平状で、左右の円板カッター85,85の重合近傍まで延出し、その後、下方(横伝動ケース88)へ向けて屈曲形成したものである。
【0042】
この詰り防止棒110は、根菜部6bを上揃え装置49で引上げ(肩揃え)が不十分のときあるいは、ニンニクの収穫時期を逸したニンニクを収穫するときに、円板カッター85で葉茎部6a、根菜部6bを切断したものあるいは、葉茎部6aから根菜部6bが離れて落下した根菜部6bが横伝動ケース88の上面あるいは、縦ケース89間に根菜部6bが詰まるのを防止するものである。
【0043】
次に、根菜支持部材113,113は、図9、図11に示すように、円板カッター85、85の上面に始端部から後端部に亘って、根菜部6bの底面を2本の弾性材(鋼硬線材)で支持して円板カッター85、85で根部6cを切断する際に、根菜部6bに円板カッター85、85による傷の発生を防止するものである。
【0044】
横伝動ケース88から縦向きの縦ケース89、89の底面前方から挟持搬送装置13側へ向けて立設した取付具111の上面から弾性材(鋼硬線材)等で形成した根菜支持部材113,113を設けている。
この根菜支持部材113,113は根菜部6bの底面を支持する根菜支持部材113,113を、平面視で根菜支持部材113,113の前端部は円板カッター85,85の外周に沿わせ、後端部は円板カッター85,85の外周より外側に沿わせ、中途部は順次後退する略へ字形状して他方に設けた根菜支持部材113,113との対向間隔が順次広がるように形成したものである。この根菜支持部材113,113を締結部材47で取付具111に固定している。
【0045】
根菜支持部材113によって支えられた根菜部6bは、根部6cを切断するときは狭い範囲で根菜部6bを支えられ、搬送後方に向かうほど広い幅で支えることによって根菜部6bの安定が図られる(摺動抵抗を低くする)と同時に、根菜支持部材113支える根菜部6bの形状により上揃え装置49の保持ベルト50より下方へ突出した根菜部6bの底面を根菜支持部材113のばね作用により円板カッター85の始端で速やかに上方側(保持ベルト50)へ向けて押し上げて根菜部6bの底面に傷付きが発生することが防止できる。
また、円板カッター85,85の上面と根菜支持部材113,113の下線は任意の間隔を保って取付けている。この任意の間隔がニンニクの大きさのバラツキを調整(吸収)して根菜部に円板カッター85,85による傷付きの発生が防止できるとともに、円板カッター85,85上を移動する際に、根菜部の安定した支持部材となっている。
【0046】
次に、根切り装置84の後方に設けた落下シューター115は、図1、図3、図9、図11に示すように、上段に串状のレイキ116と3方を軟質材で囲んだ3壁シューター117で構成している。
この落下シューター115は、根切り装置84で処理した根菜部6bを機体後方に設けた横搬送装置123の始端部へ向けて落下させるものである。
【0047】
レイキ116は、図9、図11に示すように、根切り装置84の後方に、側面視で後方下がりに傾斜し、平面視で搬送経路Cを挟んで本実施例では、左右均等に計6本の丸材で形成した串状のレイキ116を設けている。
このレイキ116の取付は、チエンボックス93の下端内に設けた取付具108にレイキ116の下端を締結部材47を介して固設している。
このレイキ116の上端部は、根切り装置84に連接し、下方は3壁シューター117へ連接して根菜部6bが機外に落下するのを防止している。
【0048】
次に、3壁シューター116は、図9、図11に示すように、レイキ116の後方に排出フレーム体78,78から搬送経路Cに向けて延出した取付具82、82に締結部材を介して固設している。この3壁シューター117は、軟質材で3方に遮壁を設けて根切りあるいは、茎切りした根菜部6bを機体側方に設けたコンテナCTに搬送する横搬送装置123(図1、図2、図13に示すよう)の始端部へ根菜部6bが落下するように導くものである。
【0049】
次に、茎葉部切断装置120は、図3、図6に示すように、上揃え装置49の後方で、茎葉部保持搬送装置61の下方に根菜部6bから茎を一定長さに揃えるものである。
排出フレーム体78の上面に左右方向から葉茎部保持搬送装置61の搬送経路Cに向けて設けたケース取付具83,83に、茎葉駆動ケース122を、葉茎部保持搬送装置61の搬送経路Cを挟んで左右に対向して固設している。
葉茎部保持搬送装置61で保持した茎葉部6aを、挟持搬送装置13からチエン伝動機構を介して入力した回転力を茎葉駆動ケース122に入力し、この回転力をベベル伝動機構を介して上方に設けた円板カッター121,121を駆動させて茎葉部6aを切断するように構成している。
【0050】
切断した茎葉部6aは、葉茎部保持搬送装置61で後方に搬出して、回動パイプ81の外側後方に設けた排出シューター取付具126に排出シュータ11を回動自在に設けている。
この排出シューター11によって機外に放出するようにしている。
【0051】
次に、横搬送装置123は、図1、図2、図13に示すように、排出搬送装置60の下方に、機体2の後方に左から右方向に横設している。
この横搬送装置123は、前述した根切り装置84の後方下方を始端部にして、機体側方に設けた側部荷受け台135に向けて収穫した根菜部6bをベルト上に載置して搬送するものである。
【0052】
この、横搬送装置123は、エンジン3からベルト・チエン伝動機構によって伝達した回転動力をベベル機構を内装した横搬送駆動ケース128に入力して搬送ベルト129を回転させる幅広な駆動ローラ130を横搬送フレーム131に設けている。
この横搬送フレーム131の他方に幅広の従動ローラ132を設け、この駆動ローラ130と従動ローラ132間に、表面に突起部を有する幅広の搬送ベルト129を張設している。この搬送ベルト129の上面に落下した根菜部6bを載置してコンテナCTへ搬送するようにしている。
【0053】
機体2の後端部と右側部に、図1、図2、図13に示すように、コンテナCTを載置する後部荷受け台134と側部荷受け台135を設けている。この後部荷受け台134、側部荷受け台135は、機体2に設けた荷受け取付金具2cの支点軸2dを基点にして上下揺動する構成にしている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】根菜収穫機の側面図である。
【図2】根菜収穫機の平面図である
【図3】根菜収穫機の引抜搬送処理装置の側面図である。
【図4】根菜収穫機の下揃え装置・直交泥落し装置の側面図である。
【図5】根菜収穫機の下揃え装置・直交泥落し装置・根整姿装置の平面図である。
【図6】根菜収穫機の排出搬送装置の側面図である。
【図7】根菜収穫機の排出搬送装置の平面図である。
【図8】根菜収穫機の排出搬送装置の後部断面図である
【図9】根菜収穫機の根切り装置の断面図である。
【図10】根菜収穫機の根切り装置の側面図である。
【図11】根菜収穫機の根切り装置の平面図である。
【図12】根菜収穫機の根切り装置・茎葉部切断装置の後部断面図である。
【図13】根菜収穫機の横搬送装置・荷受け台の平面図である。
【図14】根菜収穫機の根整姿装置の第1回転体の断面図である。
【図15】根菜収穫機の根整姿装置の第2回転体の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 走行装置
2 機体
2b 回動軸
6 根菜作物
6a 葉茎部
6b 根菜部
6c 根部
7 畝
13 挟持搬送装置
18 下揃え装置
49 上揃え装置
60 排出搬送装置
77 茎葉排出フレーム
81 回動パイプ
84 根切り装置
100 付勢部材
116 レイキ
120 葉茎部切断装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする葉茎菜作物収穫機。
【請求項2】
前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする請求項1記載の葉茎菜作物収穫機。
【請求項3】
走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設するとともに、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81を支点として揺動支持したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機。
【請求項4】
走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、根切り装置84を付勢部材100で吊下げ支持するとともに、前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設し、さらに、後方のレイキ116も後端が下りに配設したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機。
【請求項1】
走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84を後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする葉茎菜作物収穫機。
【請求項2】
前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設して設けたことを特徴とする請求項1記載の葉茎菜作物収穫機。
【請求項3】
走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、前記根切り装置84の前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設するとともに、茎葉排出フレーム77の後端部に設けた回動パイプ81を支点として揺動支持したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機。
【請求項4】
走行装置1の一側がわに、畝7に条植したニンニクなどの根菜作物6の葉茎部6aを挟持して地中から引抜く挟持搬送装置13を、機体2に設けた回動軸2bを基点として前端を低く後端を高く斜設し、前記挟持搬送装置13の途中下方に、上下2箇所に根菜部6bの高さを揃えながら後方へ搬送する下揃え装置18と、上揃え装置49を設け、前記上揃え装置49の上方に、引抜いた根菜作物6を挟持して後方へ搬送する排出搬送装置60を設け、前記上揃え装置49の終端近傍から下方に根菜部6bから伸びた根部6cを一定の長さに揃える根切り装置84を設け、さらに、前記上揃え装置49の終端上方に葉茎部6aを一定長さに揃える葉茎部切断装置120等を設けた自走式の根菜作物収穫機において、根切り装置84を付勢部材100で吊下げ支持するとともに、前端部を前記上揃え装置49の下方に近設して後方倒れに傾設し、さらに、後方のレイキ116も後端が下りに配設したことを特徴とする葉茎菜作物収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−254864(P2006−254864A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79934(P2005−79934)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】
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