根菜類収穫機の茎葉・土砂類処理装置
【課題】土砂や小石だけでなく離脱した茎葉等をも篩い分けることができ、また、茎葉切断装置に対する根菜類の供給を偏りなく均等に分散して行うことのできる根菜類収穫機の茎葉・土砂類処理装置の提供。
【解決手段】掬い上げ装置と茎葉切断装置の間に、複数の棒状体を間隔をおいて横杆に固定した篩い部材を配設した根菜収穫機の茎葉・土砂類処理装置において、篩い部材が根菜類案内方向に直交する方向に水平に往復動するようにしてなることを特徴とする茎葉・土砂類処理装置。
【解決手段】掬い上げ装置と茎葉切断装置の間に、複数の棒状体を間隔をおいて横杆に固定した篩い部材を配設した根菜収穫機の茎葉・土砂類処理装置において、篩い部材が根菜類案内方向に直交する方向に水平に往復動するようにしてなることを特徴とする茎葉・土砂類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、根菜類収穫機の茎葉・土砂類処理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、玉ねぎなどの根菜類を掘り起こして、これに付着した小石を篩い落とすとともにその茎葉の切断処理を行う根菜類収穫機として、たとえば特許文献１や２に記載されたものが知られている。
これらの根菜類収穫機は、掘り起こした根菜類を移送するための所要幅のコンベアからなる移送装置と、スクリュー付きローラおよびスクリューなしローラを対にして複数組並べた、根菜類の茎葉を切断する茎葉切断装置（カッティング装置）との間に、根菜類に付着した小石を篩い落とすための振り分け装置（篩い落とし装置）を配設している。
【０００３】
その振り分け装置は、支持杆に複数の棒状体を平行に配していわば櫛形状にしたものを、茎葉切断装置側を低くして傾斜状態にし、かつ、上下方向に振動可能に支持してある。
上記移送装置から供給される根菜類は、この振分け装置の傾斜した棒状体を転動して上記茎葉切断装置に移送されるが、その際、移送される根菜類に付着した小石を上記棒状体の上下振動により落下させるようになっている。
【０００４】
また、掘り起こした根菜類に付着した土砂や小石等を篩い落とす装置としては、他にも特許文献３，４に記載されたものが知られている。
【０００５】
特許文献３に記載された装置は、複数のスポーク棒を広い間隔をおいて櫛形状に並設した大玉選別部と、同じく複数のスポーク棒を狭い間隔にして櫛形状に並設した小玉選別部とを上下に位置させて揺動枠に取り付け、この揺動枠ごと上下揺動するようにしたものである。
この装置は、その大玉選別部と小玉選別部の上方から供給され土篩いおよび選別を行った作物を、各選別部の一側にそれぞれ設けられた横送りコンベアへと供給するようになっている。
【０００６】
また、特許文献４に記載された装置は、互いに間隔をおいた複数の揺動杆から構成される櫛形状の揺動ふるい体を上下方向に揺動させることで、その上を搬送される根菜類に付着した土をふるい落とすようにしたものである。
【０００７】
このように、いずれの装置も、根菜類等を、上下に振動する櫛形状の部材の上を搬送する過程で、これに付着した小石や土砂等をふるい落とすようにしているものである。
【特許文献１】特開昭５６−７２６２３号公報
【特許文献２】実開昭６１−２０１６号公報
【特許文献３】実用新案登録第２５８２０６４号公報
【特許文献４】実公昭５４−１２３５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかし、収穫された根菜類には小石や土砂だけでなく、枯れて根菜類から自然に離脱した茎葉が含まれていることがある。その離脱した茎葉等は上記のような装置によっても篩い分けが行えず、徐々に堆積して、下流への根菜類の搬送を滞らせる原因となることがあった。
また、離脱した茎葉等が上記茎葉切断装置まで搬送されてしまった場合、そのロ−ラの表面に付着して茎葉の切断精度を低下させ、特に小石等が搬送ロ−ラ間に挟まるとロ−ラを損傷させたり、ロ−ラの回転を止めたりするなどして、切断装置を故障させることになる。
【０００９】
さらには、上記特許文献１や２の装置のように、複数組のローラを有し、幅方向の複数箇所で並行して茎葉の切断を行えるような茎葉切断装置に根菜類を搬送する場合には、順次供給される根菜類をその幅いっぱいに均等に分散させて供給するのが効率的であり望ましいが、従来は、搬送過程で一箇所に偏ったまま茎葉切断装置に供給されてしまうことがあった。
このように根菜類が片方に偏って重なり合ったまま茎葉切断装置に供給されると、茎葉の切断が正常に行えないとか、一部の螺旋ローラと平滑ローラだけが使用され不均一に摩耗するなどの不都合を生じる。
【００１０】
そこで、本発明は、土砂や小石だけでなく離脱した茎葉等をも篩い分けることができ、また、茎葉切断装置に対する根菜類の供給を偏りなく均等に分散して行うことのできる根菜類収穫機の茎葉・土砂類処理装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
請求項１記載の本発明は、掬い上げ装置Ｂと茎葉切断装置Ｃの間に、複数の棒状体２２を間隔をおいて横杆２３に固定した篩い部材２１を配設した根菜収穫機の茎葉・土砂類処理装置Ｄにおいて、篩い部材２１が根菜類案内方向に直交する方向に水平に往復動するようにしてなる茎葉・土砂類処理装置である。
【００１２】
請求項２記載の本発明は、上記篩い部材２１を支持する支持体２４が、左右一対の側板２５，２５の間に前後一対のレール２６，２７を横架してなり、該支持体２４が、そのレール２６，２７を、基台ａの左右側板５，５間に横架した前側支持枠３１および後側支持枠３２のローラ３３，３３，３４，３４に往復動自在に支持させてなる請求項１記載の茎葉・土砂類処理装置である。
【００１３】
請求項３記載の本発明は、上記篩い部材２１が、茎葉切断装置Ｃのローラ８……，９……を回転させる動力により往復動する請求項１または２記載の茎葉・土砂類処理装置である。
【００１４】
請求項４記載の本発明は、上記茎葉切断装置Ｃのローラ８……，９……の軸８ａ’に固定されたスプロケット３６との間にチェーン３７を掛け回したスプロケット３８を固定した揺動軸３５に、その軸心とずらして偏心軸３９を設け、この偏心軸３９と篩い部材２１を支持する支持体２４とを揺動ロッド４０により接続した請求項３記載の茎葉・土砂類処理装置である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明は次の効果を奏する。
圃場から根菜類と一緒に掬い上げられた小石や土砂、また、離脱した茎葉等が堆積して根菜類の搬送を停滞させたり、茎葉切断装置に搬送されて茎葉の切断精度を低下さたり、該装置を故障させる事を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【実施例１】
【００１７】
以下本発明の実施例について詳述する。
【００１８】
図１は、圃場の根菜類例えば玉ねぎを収穫し、その茎葉を切断処理する根菜類収穫機全体の概略側面図である。
【００１９】
この根菜類収穫機は、クローラ等の走行装置Ａに基台ａを架設し、その基台ａの前側に掬い上げ装置Ｂを、中央に茎葉切断装置Ｃを、その掬い上げ装置Ｂと茎葉切断装置Ｃの間に茎葉・土砂類処理装置Ｄを、また、上記基台ａの後側に積載装置Ｅを乗載設置している。
【００２０】
上記掬い上げ装置Ｂは、圃場の根菜類を掻き込む羽根１を有する掻込みコンベア２と、掻き込んだ根菜類を掬い上げる掬上げコンベア３と、掬い上げられた根菜類を後側上方に搬送し、上記茎葉・土砂類処理装置Ｄに落下供給する搬送コンベア４とからなるものである。
【００２１】
上記茎葉切断装置Ｃの構成は次のとおりである。
ｃは左右側枠５，５に前枠６と後枠７とを横架してなるローラ列設枠体で、その前枠６と後枠７との間には、周面に螺旋状の突条を有する螺旋ローラ８とこれと対になる平滑ローラ９とが複数組、その軸方向を前後に向けて支承されている。
【００２２】
各螺旋ローラ８の軸８’に固定した連動用スプロケット１０……間には互いにチェーン１０’……が掛け回され、全ての螺旋ローラ８は一斉に回転するようになっている。
また、ローラ列設枠体ｃのほぼ中央に位置する螺旋ローラ８ａの軸８ａ’に固定した駆動用スプロケット１１は、モータ１２の軸に固定したスプロケット１３との間にチェーン１４を掛け回してあり、上記各螺旋ローラ８はこのモータ１２により回転されるようになっている。
また、上記各平滑ローラ９は、対になる各螺旋ローラ８に圧接しているので、従動回転する。
対になる平滑ローラ９と螺旋ローラ８とは互いに対向する部分を下方に、すなわち内向きに回転することによって、根菜類の茎葉を下方に引き込んで挟み込み、切断することができるようにしているものである。
【００２３】
上記茎葉・土砂類処理装置Ｄの構成は次のとおりである。
２１は、複数の棒状体２２を適宜の間隔をおいて横杆２３の側面（後面）に固定した、いわば櫛形の篩い部材である。
上記棒状体２２には、ゴム等の弾性体からなるクッション材（図示を省略した）を嵌め込んである。なお、上記棒状体２２の断面形状は丸状・管状・角状など適宜の形状でよい。
【００２４】
２４は、左右一対の側板２５，２５の間に前後に間隔をおいて平行に横架した断面コ字形のレール２６，２７を横架してなり、上記篩い部材２１を支持する支持体である。
この支持体２４は、支持板２８，２８と、支持杆２９，２９により、上記篩い部材２１を、上記棒状体２２の先端を後側下方に向け斜めにした状態にして支持している。
上記支持板２８，２８の下端は上記支持体の側板２５，２５に、上端は上記篩い部材２１の横杆２３の左右両端に固定されている。
上記支持杆２９，２９の下端は上記支持体の側板２５，２５に、上端は上記篩い部材２１の横杆２３の左右両端に固定されている
３０は、その前側のレール２７の下側に突出させて固定した揺動ブラケットである。
【００２５】
３１は基台ａの上記左右側板５，５間の、上記茎葉切断装置Ｃの前側の位置に横架した後側支持枠、３２は同じく左右側板５，５間の上記後側支持枠３１の前側に横架した前側支持枠である。
上記後側支持枠３１は、その上側に、上記支持体２４の後側のレール２６に嵌合してこれを支持する回転自在なローラ３３，３３を２つ取り付けてある。
また前側支持枠３２は、上記支持体２４の前側のレール２７に嵌合してこれを支持する回転自在なローラ３４，３４を２つ取り付けている。
３５は、上記螺旋ローラ８ａの軸８ａ’に固定されたスプロケット３６との間にチェーン３７を掛け回したスプロケット３８を固定した揺動軸である。この揺動軸３５には、その軸心とずらした位置に偏心軸３９が設けられている。
【００２６】
篩い部材２１を支持している支持体２４は、そのレール２６を上記後側支持枠３１のローラ３３，３３において支持させ、またレール２７を上記前側支持枠３２のローラ３４，３４に支持させることにより、掬い上げ装置Ａと茎葉切断装置Ｃの間に、根菜類を案内する方向（すなわち掬い上げ装置Ａから茎葉切断装置Ｃに向かう方向）に直交する方向に左右に水平揺動ないし水平振動（往復動）自在に配設され、上記掬い上げ装置Ａから根菜類の供給を受ける上記篩い部材２１を、その棒状体２２の先端を下側にして傾けた状態に支持しており、掬い上げ装置Ｂから落下供給された根菜類を茎葉切断装置Ｃに案内するようになっている。
【００２７】
また、上記偏心軸３９と上記揺動ブラケット３０とが揺動ロッド４０により接続されており、上記支持体２４は、上記モータ１２の回転によりチェーン１４，軸８ａ’，チェーン３７，揺動軸３５、揺動ロッド４０を介して左右に一定振幅内で揺動する。
すなわち、支持体２４は、茎葉切断装置Ｃのローラ８……，９……と共通の動力で往復動する。
なお、支持体２４を、上記ローラ８……，９……を回転させる上記モータ１２とは別に設けたモータにより揺動させるようにしてもよい。
【００２８】
上記篩い部材２１は、支持体２４ごと上記ローラ列設枠体ｃに対して左右揺動するから、根菜類を茎葉切断装置Ｃに案内する際に、上記掬い上げ装置Ｂにより供給された根菜類に付着している土砂や小石だけでなくさらに離脱した茎葉等をも篩い落として排出する。
【００２９】
したがって、茎葉切断装置Ｃの手前で離脱した茎葉等が堆積することを防止するので、根菜類の搬送を滞らせてしまうようなことがない。
また、離脱した茎葉等が茎葉切断装置Ｃに転載されてしまうことを防止するので、これが平滑ローラ９や螺旋ローラ８に巻き付いて切断精度を低下させたり、ローラ８，９を損傷させたり、その回転を止めてしまうことがない。
【００３０】
また、篩い部材２１は左右に揺動するものであるから、根菜類をその左右方向に均等に分散させて、後続の茎葉切断装置Ｃに案内する。
したがって、根菜類を一箇所に偏った状態で供給して茎葉切断装置Ｃにおける茎葉の切断効率を悪化させるようなことが防げる。
なお、篩い部材２１の棒状体２２にはクッション材を嵌め込んであるので、根菜類を傷付けない。
【００３１】
上記積載装置Ｅは、基台ａの後側に設立した左右一対のマスト４１（片方のみ図示）に架設され、上記茎葉切断装置Ｃにおいて茎葉を切断した根菜類を受入するリフト４２と、そのリフト４２により上方に搬送した根菜類をコンテナ４３に案内し投入するためのシュート４４とからなる。
上記茎葉切断装置Ｃで茎葉を切断された根菜類は、この積載装置Ｅによってコンテナ４３に投入される。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明の実施例に係る茎葉・土砂類処理装置を搭載した根菜類収穫機の概略側面図である。
【図２】上記茎葉・土砂類処理装置周辺の拡大側面図である。
【図３】その拡大平面図である。
【図４】その拡大正面図である。
【図５】（ａ）は篩い部材および支持体の正面図、（ｂ）はそれらの側面図である。
【図６】（ａ）は前側支持枠と後側支持枠の側面図、（ｂ）はそれぞれの正面図である。
【図７】ローラおよび篩い部材の駆動系統を示した拡大平面図である。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、根菜類収穫機の茎葉・土砂類処理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、玉ねぎなどの根菜類を掘り起こして、これに付着した小石を篩い落とすとともにその茎葉の切断処理を行う根菜類収穫機として、たとえば特許文献１や２に記載されたものが知られている。
これらの根菜類収穫機は、掘り起こした根菜類を移送するための所要幅のコンベアからなる移送装置と、スクリュー付きローラおよびスクリューなしローラを対にして複数組並べた、根菜類の茎葉を切断する茎葉切断装置（カッティング装置）との間に、根菜類に付着した小石を篩い落とすための振り分け装置（篩い落とし装置）を配設している。
【０００３】
その振り分け装置は、支持杆に複数の棒状体を平行に配していわば櫛形状にしたものを、茎葉切断装置側を低くして傾斜状態にし、かつ、上下方向に振動可能に支持してある。
上記移送装置から供給される根菜類は、この振分け装置の傾斜した棒状体を転動して上記茎葉切断装置に移送されるが、その際、移送される根菜類に付着した小石を上記棒状体の上下振動により落下させるようになっている。
【０００４】
また、掘り起こした根菜類に付着した土砂や小石等を篩い落とす装置としては、他にも特許文献３，４に記載されたものが知られている。
【０００５】
特許文献３に記載された装置は、複数のスポーク棒を広い間隔をおいて櫛形状に並設した大玉選別部と、同じく複数のスポーク棒を狭い間隔にして櫛形状に並設した小玉選別部とを上下に位置させて揺動枠に取り付け、この揺動枠ごと上下揺動するようにしたものである。
この装置は、その大玉選別部と小玉選別部の上方から供給され土篩いおよび選別を行った作物を、各選別部の一側にそれぞれ設けられた横送りコンベアへと供給するようになっている。
【０００６】
また、特許文献４に記載された装置は、互いに間隔をおいた複数の揺動杆から構成される櫛形状の揺動ふるい体を上下方向に揺動させることで、その上を搬送される根菜類に付着した土をふるい落とすようにしたものである。
【０００７】
このように、いずれの装置も、根菜類等を、上下に振動する櫛形状の部材の上を搬送する過程で、これに付着した小石や土砂等をふるい落とすようにしているものである。
【特許文献１】特開昭５６−７２６２３号公報
【特許文献２】実開昭６１−２０１６号公報
【特許文献３】実用新案登録第２５８２０６４号公報
【特許文献４】実公昭５４−１２３５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかし、収穫された根菜類には小石や土砂だけでなく、枯れて根菜類から自然に離脱した茎葉が含まれていることがある。その離脱した茎葉等は上記のような装置によっても篩い分けが行えず、徐々に堆積して、下流への根菜類の搬送を滞らせる原因となることがあった。
また、離脱した茎葉等が上記茎葉切断装置まで搬送されてしまった場合、そのロ−ラの表面に付着して茎葉の切断精度を低下させ、特に小石等が搬送ロ−ラ間に挟まるとロ−ラを損傷させたり、ロ−ラの回転を止めたりするなどして、切断装置を故障させることになる。
【０００９】
さらには、上記特許文献１や２の装置のように、複数組のローラを有し、幅方向の複数箇所で並行して茎葉の切断を行えるような茎葉切断装置に根菜類を搬送する場合には、順次供給される根菜類をその幅いっぱいに均等に分散させて供給するのが効率的であり望ましいが、従来は、搬送過程で一箇所に偏ったまま茎葉切断装置に供給されてしまうことがあった。
このように根菜類が片方に偏って重なり合ったまま茎葉切断装置に供給されると、茎葉の切断が正常に行えないとか、一部の螺旋ローラと平滑ローラだけが使用され不均一に摩耗するなどの不都合を生じる。
【００１０】
そこで、本発明は、土砂や小石だけでなく離脱した茎葉等をも篩い分けることができ、また、茎葉切断装置に対する根菜類の供給を偏りなく均等に分散して行うことのできる根菜類収穫機の茎葉・土砂類処理装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
請求項１記載の本発明は、掬い上げ装置Ｂと茎葉切断装置Ｃの間に、複数の棒状体２２を間隔をおいて横杆２３に固定した篩い部材２１を配設した根菜収穫機の茎葉・土砂類処理装置Ｄにおいて、篩い部材２１が根菜類案内方向に直交する方向に水平に往復動するようにしてなる茎葉・土砂類処理装置である。
【００１２】
請求項２記載の本発明は、上記篩い部材２１を支持する支持体２４が、左右一対の側板２５，２５の間に前後一対のレール２６，２７を横架してなり、該支持体２４が、そのレール２６，２７を、基台ａの左右側板５，５間に横架した前側支持枠３１および後側支持枠３２のローラ３３，３３，３４，３４に往復動自在に支持させてなる請求項１記載の茎葉・土砂類処理装置である。
【００１３】
請求項３記載の本発明は、上記篩い部材２１が、茎葉切断装置Ｃのローラ８……，９……を回転させる動力により往復動する請求項１または２記載の茎葉・土砂類処理装置である。
【００１４】
請求項４記載の本発明は、上記茎葉切断装置Ｃのローラ８……，９……の軸８ａ’に固定されたスプロケット３６との間にチェーン３７を掛け回したスプロケット３８を固定した揺動軸３５に、その軸心とずらして偏心軸３９を設け、この偏心軸３９と篩い部材２１を支持する支持体２４とを揺動ロッド４０により接続した請求項３記載の茎葉・土砂類処理装置である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明は次の効果を奏する。
圃場から根菜類と一緒に掬い上げられた小石や土砂、また、離脱した茎葉等が堆積して根菜類の搬送を停滞させたり、茎葉切断装置に搬送されて茎葉の切断精度を低下さたり、該装置を故障させる事を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【実施例１】
【００１７】
以下本発明の実施例について詳述する。
【００１８】
図１は、圃場の根菜類例えば玉ねぎを収穫し、その茎葉を切断処理する根菜類収穫機全体の概略側面図である。
【００１９】
この根菜類収穫機は、クローラ等の走行装置Ａに基台ａを架設し、その基台ａの前側に掬い上げ装置Ｂを、中央に茎葉切断装置Ｃを、その掬い上げ装置Ｂと茎葉切断装置Ｃの間に茎葉・土砂類処理装置Ｄを、また、上記基台ａの後側に積載装置Ｅを乗載設置している。
【００２０】
上記掬い上げ装置Ｂは、圃場の根菜類を掻き込む羽根１を有する掻込みコンベア２と、掻き込んだ根菜類を掬い上げる掬上げコンベア３と、掬い上げられた根菜類を後側上方に搬送し、上記茎葉・土砂類処理装置Ｄに落下供給する搬送コンベア４とからなるものである。
【００２１】
上記茎葉切断装置Ｃの構成は次のとおりである。
ｃは左右側枠５，５に前枠６と後枠７とを横架してなるローラ列設枠体で、その前枠６と後枠７との間には、周面に螺旋状の突条を有する螺旋ローラ８とこれと対になる平滑ローラ９とが複数組、その軸方向を前後に向けて支承されている。
【００２２】
各螺旋ローラ８の軸８’に固定した連動用スプロケット１０……間には互いにチェーン１０’……が掛け回され、全ての螺旋ローラ８は一斉に回転するようになっている。
また、ローラ列設枠体ｃのほぼ中央に位置する螺旋ローラ８ａの軸８ａ’に固定した駆動用スプロケット１１は、モータ１２の軸に固定したスプロケット１３との間にチェーン１４を掛け回してあり、上記各螺旋ローラ８はこのモータ１２により回転されるようになっている。
また、上記各平滑ローラ９は、対になる各螺旋ローラ８に圧接しているので、従動回転する。
対になる平滑ローラ９と螺旋ローラ８とは互いに対向する部分を下方に、すなわち内向きに回転することによって、根菜類の茎葉を下方に引き込んで挟み込み、切断することができるようにしているものである。
【００２３】
上記茎葉・土砂類処理装置Ｄの構成は次のとおりである。
２１は、複数の棒状体２２を適宜の間隔をおいて横杆２３の側面（後面）に固定した、いわば櫛形の篩い部材である。
上記棒状体２２には、ゴム等の弾性体からなるクッション材（図示を省略した）を嵌め込んである。なお、上記棒状体２２の断面形状は丸状・管状・角状など適宜の形状でよい。
【００２４】
２４は、左右一対の側板２５，２５の間に前後に間隔をおいて平行に横架した断面コ字形のレール２６，２７を横架してなり、上記篩い部材２１を支持する支持体である。
この支持体２４は、支持板２８，２８と、支持杆２９，２９により、上記篩い部材２１を、上記棒状体２２の先端を後側下方に向け斜めにした状態にして支持している。
上記支持板２８，２８の下端は上記支持体の側板２５，２５に、上端は上記篩い部材２１の横杆２３の左右両端に固定されている。
上記支持杆２９，２９の下端は上記支持体の側板２５，２５に、上端は上記篩い部材２１の横杆２３の左右両端に固定されている
３０は、その前側のレール２７の下側に突出させて固定した揺動ブラケットである。
【００２５】
３１は基台ａの上記左右側板５，５間の、上記茎葉切断装置Ｃの前側の位置に横架した後側支持枠、３２は同じく左右側板５，５間の上記後側支持枠３１の前側に横架した前側支持枠である。
上記後側支持枠３１は、その上側に、上記支持体２４の後側のレール２６に嵌合してこれを支持する回転自在なローラ３３，３３を２つ取り付けてある。
また前側支持枠３２は、上記支持体２４の前側のレール２７に嵌合してこれを支持する回転自在なローラ３４，３４を２つ取り付けている。
３５は、上記螺旋ローラ８ａの軸８ａ’に固定されたスプロケット３６との間にチェーン３７を掛け回したスプロケット３８を固定した揺動軸である。この揺動軸３５には、その軸心とずらした位置に偏心軸３９が設けられている。
【００２６】
篩い部材２１を支持している支持体２４は、そのレール２６を上記後側支持枠３１のローラ３３，３３において支持させ、またレール２７を上記前側支持枠３２のローラ３４，３４に支持させることにより、掬い上げ装置Ａと茎葉切断装置Ｃの間に、根菜類を案内する方向（すなわち掬い上げ装置Ａから茎葉切断装置Ｃに向かう方向）に直交する方向に左右に水平揺動ないし水平振動（往復動）自在に配設され、上記掬い上げ装置Ａから根菜類の供給を受ける上記篩い部材２１を、その棒状体２２の先端を下側にして傾けた状態に支持しており、掬い上げ装置Ｂから落下供給された根菜類を茎葉切断装置Ｃに案内するようになっている。
【００２７】
また、上記偏心軸３９と上記揺動ブラケット３０とが揺動ロッド４０により接続されており、上記支持体２４は、上記モータ１２の回転によりチェーン１４，軸８ａ’，チェーン３７，揺動軸３５、揺動ロッド４０を介して左右に一定振幅内で揺動する。
すなわち、支持体２４は、茎葉切断装置Ｃのローラ８……，９……と共通の動力で往復動する。
なお、支持体２４を、上記ローラ８……，９……を回転させる上記モータ１２とは別に設けたモータにより揺動させるようにしてもよい。
【００２８】
上記篩い部材２１は、支持体２４ごと上記ローラ列設枠体ｃに対して左右揺動するから、根菜類を茎葉切断装置Ｃに案内する際に、上記掬い上げ装置Ｂにより供給された根菜類に付着している土砂や小石だけでなくさらに離脱した茎葉等をも篩い落として排出する。
【００２９】
したがって、茎葉切断装置Ｃの手前で離脱した茎葉等が堆積することを防止するので、根菜類の搬送を滞らせてしまうようなことがない。
また、離脱した茎葉等が茎葉切断装置Ｃに転載されてしまうことを防止するので、これが平滑ローラ９や螺旋ローラ８に巻き付いて切断精度を低下させたり、ローラ８，９を損傷させたり、その回転を止めてしまうことがない。
【００３０】
また、篩い部材２１は左右に揺動するものであるから、根菜類をその左右方向に均等に分散させて、後続の茎葉切断装置Ｃに案内する。
したがって、根菜類を一箇所に偏った状態で供給して茎葉切断装置Ｃにおける茎葉の切断効率を悪化させるようなことが防げる。
なお、篩い部材２１の棒状体２２にはクッション材を嵌め込んであるので、根菜類を傷付けない。
【００３１】
上記積載装置Ｅは、基台ａの後側に設立した左右一対のマスト４１（片方のみ図示）に架設され、上記茎葉切断装置Ｃにおいて茎葉を切断した根菜類を受入するリフト４２と、そのリフト４２により上方に搬送した根菜類をコンテナ４３に案内し投入するためのシュート４４とからなる。
上記茎葉切断装置Ｃで茎葉を切断された根菜類は、この積載装置Ｅによってコンテナ４３に投入される。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明の実施例に係る茎葉・土砂類処理装置を搭載した根菜類収穫機の概略側面図である。
【図２】上記茎葉・土砂類処理装置周辺の拡大側面図である。
【図３】その拡大平面図である。
【図４】その拡大正面図である。
【図５】（ａ）は篩い部材および支持体の正面図、（ｂ）はそれらの側面図である。
【図６】（ａ）は前側支持枠と後側支持枠の側面図、（ｂ）はそれぞれの正面図である。
【図７】ローラおよび篩い部材の駆動系統を示した拡大平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
掬い上げ装置と茎葉切断装置の間に、複数の棒状体を間隔をおいて横杆に固定した篩い部材を配設した根菜収穫機の茎葉・土砂類処理装置において、篩い部材が根菜類案内方向に直交する方向に水平に往復動するようにしてなることを特徴とする茎葉・土砂類処理装置。
【請求項２】
上記篩い部材を支持する支持体が、左右一対の側板の間に前後一対のレールを横架してなり、該支持体が、そのレールを、基台の左右側板間に横架した前側支持枠および後側支持枠のローラに往復動自在に支持させてなることを特徴とする請求項１記載の茎葉・土砂類処理装置。
【請求項３】
上記篩い部材が、茎葉切断装置のローラを回転させる動力により往復動することを特徴とする請求項１または２記載の茎葉・土砂類処理装置。
【請求項４】
上記茎葉切断装置のローラの軸に固定されたスプロケットとの間にチェーンを掛け回したスプロケットを固定した揺動軸に、その軸心とずらして偏心軸を設け、この偏心軸と篩い部材を支持する支持体とを揺動ロッドにより接続したことを特徴とする請求項３記載の茎葉・土砂類処理装置。
【請求項１】
掬い上げ装置と茎葉切断装置の間に、複数の棒状体を間隔をおいて横杆に固定した篩い部材を配設した根菜収穫機の茎葉・土砂類処理装置において、篩い部材が根菜類案内方向に直交する方向に水平に往復動するようにしてなることを特徴とする茎葉・土砂類処理装置。
【請求項２】
上記篩い部材を支持する支持体が、左右一対の側板の間に前後一対のレールを横架してなり、該支持体が、そのレールを、基台の左右側板間に横架した前側支持枠および後側支持枠のローラに往復動自在に支持させてなることを特徴とする請求項１記載の茎葉・土砂類処理装置。
【請求項３】
上記篩い部材が、茎葉切断装置のローラを回転させる動力により往復動することを特徴とする請求項１または２記載の茎葉・土砂類処理装置。
【請求項４】
上記茎葉切断装置のローラの軸に固定されたスプロケットとの間にチェーンを掛け回したスプロケットを固定した揺動軸に、その軸心とずらして偏心軸を設け、この偏心軸と篩い部材を支持する支持体とを揺動ロッドにより接続したことを特徴とする請求項３記載の茎葉・土砂類処理装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−１７７４５（Ｐ２００８−１７７４５Ａ）
【公開日】平成２０年１月３１日（２００８．１．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１９１０３２（Ｐ２００６−１９１０３２）
【出願日】平成１８年７月１２日（２００６．７．１２）
【出願人】（０００１３０４５５）株式会社サークル鉄工 (14)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１月３１日（２００８．１．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年７月１２日（２００６．７．１２）
【出願人】（０００１３０４５５）株式会社サークル鉄工 (14)
【Ｆターム（参考）】
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