説明

根菜類収穫機

【課題】
圃場から収穫した作物のひげ根を確実に除去でき、切断刃や切断装置内に土やひげ根が溜まり難い根菜類収穫機を提供する。
【解決手段】
機体左右一側に作物を圃場から引き抜き搬送する引抜搬送装置24を設け、引抜搬送装置24の搬送経路の下方に搬送中の作物のひげ根を切断する切断装置57を設けた根菜類収穫機において、切断装置57の切断部材46を機体左右一側ほど細くなるテーパ状に形成し、切断部材46の機体左右一側端部を機体前後方向の直線状に形成し、切断部材46の搬送方向上手側の非切断作用部46bから搬送方向下手側の切断作用部46aに向かって上方傾斜させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物を圃場から引き抜き、作物のひげ根を除去して収穫する根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の根菜類収穫機としては、引抜搬送装置で搬送中の作物のひげ根を、横方向に回転する一対の回転刃で除去する技術が存在する。(特許文献1)
また、引抜搬送装置で搬送中の作物のひげ根をスリットの入ったカバーに案内し、搬送方向に沿って縦回転する回転刃で除去する切断装置を設ける技術が存在する。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−75618号公報
【特許文献2】特開2007−28992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された根菜類収穫機では、回転刃がひげ根を挟み込めず、ひげ根を逃がしてしまい、作物にひげ根が残ってしまう問題がある。
また、特許文献2に記載された根菜類収穫機では、切断したひげ根や作物に付着していた土等が回転刃の遠心力によって切断装置のカバー内に飛ばされ、ひげ根や土が切断装置の内部に付着して溜まってしまうので、ひげ根や土が取り除きにくく、メンテナンス性が低下するという問題がある。
【0005】
そして、ひげ根や作物に付着していた土が回転刃に付着してしまうことにより、回転刃の切断性能を低下させてしまうという問題や、付着したひげ根や土により、回転刃にかかる負荷が増大して回転軸や回転刃の摩耗が早くなるという問題や、回転刃の中に溜まったひげ根や土が取り除きにくく、メンテナンス性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、これらの問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、機体左右一側に作物を圃場から引き抜き搬送する引抜搬送装置(24)を設け、該引抜搬送装置(24)の搬送経路の下方に搬送中の作物のひげ根を切断する切断装置(57)を設けた根菜類収穫機において、該切断装置(57)の切断部材(46)を機体左右一側ほど細くなるテーパ状に形成し、該切断部材(46)の機体左右一側端部を機体前後方向の直線状に形成し、前記切断部材(46)の搬送方向上手側の非切断作用部(46b)から搬送方向下手側の切断作用部(46a)に向かって上方傾斜する構成としたことを特徴とする根菜類収穫機とした。
【0008】
請求項2記載の発明は、円形の回転部(45)の外周部に前記切断部材(46)を所定角度毎に複数個設けて回転刃(47)を構成し、該切断部材(46)の取付位置から位相をずらして回転刃(47)の取付用の孔部(48h)を形成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記切断装置(57)に駆動装置(52)を設け、該駆動装置(52)の出力軸(52a)に駆動回転体(53)を設け、該駆動回転体(53)から動力を受けて前記回転刃(47)を回転させる従動回転体(50)を該回転刃(47)の回転軸(47a)に設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の根菜類収穫機とした。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記回転刃(47)の左右両側に側壁(43,51)を設け、該側壁(43,51)の左右間で且つ回転刃(47)よりも外周に作物のひげ根が通過する空間部(44s)を形成した案内カバー(44)を設け、該案内カバー(44)に搬送方向下手側を下方傾斜する直線部(44a)を形成し、該直線部(44a)よりも搬送方向下手側に直線部(44a)よりも緩やかな角度で下方傾斜する終端直線部(44b)を形成し、前記空間部(44s)を終端直線部(44b)まで延長したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記側壁(43)の下部に、複数の位置決めマーク(43p)を形成したことを特徴とする請求項4記載の根菜類収穫機とした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明の効果は、切断部材(46)を切断作用部(46a)から非切断作用部(46b)に向かって上方傾斜させて形成したことにより、切断部材(46)の進行方向に沿った風の流れが生じるので、切断部材(46)で切断したひげ根や土を切断部材(46)から生じる遠心力に逆らって切断装置(57)の搬送方向後側まで移動させることができ、切断装置(57)の内部にひげ根や土が付着することが防止されて、メンテナンス性が向上する。
【0013】
また、切断部材(46)が上方傾斜していることにより、切断部材(46)の上端部と切断装置(57)との距離が離間するので、切断部材(46)に付着したひげ根や土が切断装置(57)の内側に押し固められることを防止でき、切断装置(57)の内部にひげ根や土が付着することが防止されて、メンテナンス性が向上する。
【0014】
そして、切断部材(46)をテーパ状に形成し、切断部材(46)の機体左右一側端部を直線状に形成したことによって、切断部材(46)の回転方向への空気の流速がいっそう速くなるので、ひげ根や土をより確実に切断装置(57)の搬送方向後側まで移動させることができ、切断装置(57)の内部にひげ根や土がよりいっそう付着しにくく、メンテナンス性が向上する。
【0015】
請求項2記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転部(45)に所定角度毎に切断部材(46)を配置して回転刃(47)を構成したことにより、回転刃(47)が作物のひげ根に接触する回数が多くなるので、引抜搬送装置(24)に次々と作物が搬送されてきても確実に回転刃(47)をひげ根に切断させることができ、作業者が手作業でひげ根を除去する必要が無くなり、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0016】
また、回転部(47)の取付用の孔部(48h)を、切断部材(46)の取付位置から位相をずらして形成したことにより、回転刃(47)全体にかかる慣性が略均一になり、回転刃(47)がスムーズに回転するので、回転刃(47)がひげ根を切断するタイミングを略一定に保つことができ、ひげ根が切り残されることが防止され、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0017】
請求項3記載の発明の効果は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、回転刃(47)に設けた従動回転体(50)を駆動装置(52)に設けた駆動回転体(53)で回転させることによって、回転刃(47)の回転軸(47a)と駆動装置(52)の出力軸(52a)にかかる法線方向への負荷を軽減でき、回転刃(47)及び駆動装置(52)が破損しにくくなり、耐久性が向上する。
【0018】
請求項4記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加えて、案内カバー(44)にひげ根が通過する空間部(44s)を設けたことにより、ひげ根が回転刃(47)から逃げることを防止でき、確実にひげ根が切断されて作業者が手作業でひげ根を除去する必要が無くなり、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0019】
また、案内カバー(44)の搬送方向下手側に下方傾斜する直線部(44a)を形成したことにより、回転刃(47)と切断装置(57)の搬送方向下手側との距離が長くなるので、回転刃(47)の回転により生じた風で移動してきたひげ根や土を、回転刃(47)のない場所に落下させることができ、切断装置(57)の内側にひげ根や土が溜まることが無く、メンテナンス性が向上する。
【0020】
そして、直線部(44a)よりも緩やかな角度で下方傾斜する終端直線部(44b)を形成し、空間部(44s)を終端直線部(44b)まで延長したことにより、空間部(44s)の終端部が下方傾斜するので、引抜搬送装置(24)で搬送中の作物から土が落下しても、空間部(44s)の終端部に土が溜まることが防止でき、切断装置(57)から土を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
【0021】
請求項5記載の発明の効果は、請求項4記載の発明の効果に加えて、切断装置(57)の側壁(43)の下部に複数の位置決めマーク(43p)を形成したことにより、作物の品種や収穫時期に合わせて切断装置(57)の取り付け位置を適切な位置に変更することができ、確実にひげ根が切断されて作業者が手作業でひげ根を除去する必要が無くなり、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】根菜類収穫機の側面図
【図2】根菜類収穫機の平面図
【図3】根菜類収穫機の背面図
【図4】根菜類収穫機の要部拡大側面図
【図5】根菜類収穫機の要部拡大平面図
【図6】根菜類収穫機の要部拡大図
【図7】回転切断刃の側面図
【図8】尾部切断装置の側面図
【図9】尾部切断装置の要部側面図
【図10】(a)ガイドカバーの正面図、(b)ガイドカバーの背面図
【図11】尾部切断装置の正面図
【図12】選別部の側面図
【図13】尾部切断装置の別実施例の正面図
【図14】尾部切断装置の別実施例の側面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図12に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0024】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
【0025】
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1及び図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
【0026】
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0027】
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
【0028】
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を縦ラグ25aで引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を横ラグ26aで掬い上げる横引起し装置26と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31を設ける。
【0029】
さらに、図4〜図6で示すように、前記引抜フレーム15,15の機体前側下部から機体前後方向おいて略中間位置に亘って左右のソイラフレーム32,32を取り付け、該ソイラフレーム32,32の前側端部に左右の振動アーム33,33の前側端部を取り付ける。そして、前記機体フレーム1の前側にエンジン7の駆動力を受けて回転する振動シャフト34を引抜搬送装置24を設けた側に向けて延出し、該振動シャフト34と該振動アーム33,33の後側端部との間に振動アーム33,33を振動させる側面視V字形状の振動ロッド35を取り付けて伝動装置Gを構成する。機体内側の振動アーム33は、振動ロッド35の下端側に回動自在に取り付ける。
【0030】
そして、前記振動アーム33,33の前後方向の略中央位置に人参の周囲の土を切り解す左右のソイラ37,37を機体前側に向けて取り付け、振動アーム33,33の該ソイラ37,37の基部を取り付けた箇所の内側に人参に付着した土を落とす側面視でU字形状の左右の土落しバー38,38の基部を取り付け、該土落しバー38,38の端部側の作用部を圃場面に対して略水平姿勢に配置して、振動装置36を構成する。
【0031】
なお、振動装置36を振動させる振動シャフト34の回転数は、ミッションケース8の変速動作に連動しない構成とすることによって、走行速度が低速の場合でも振動幅が変わらないので、低速作業時でも高速作業時でも左右のソイラ37,37を同じ幅で振動させることができるので、作業能率が向上するとともに、人参の周囲の土が切り解されて抜き残しが少なくなるので、収穫作業後に抜き残された人参を抜き取る作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0032】
また、該土落しバー38,38はピアノ線などの柔軟性に富み、且つある程度の硬さを有する円柱形の弾性材で構成し、表面をポリ塩化ビニルやスポンジ、ウレタンなどの軟質材でチューブ状に構成するカバー39,39で覆う。
【0033】
なお、該カバー39,39は土落しバー38,38から着脱自在に取り付けておくと、カバー39,39が摩擦等で劣化した際、すぐに交換することができる。また、図8(a),(b)で示すように、チューブ状のカバーの厚みを均等にせず、厚みを変えて偏心する構造のカバー39e,39eとすると、チューブ状のカバー39e,39eを回転させるだけで土落しバー38,38の左右間の距離を変更することができる。
【0034】
さらに、前記土落しバー38,38の左右の間隔を機体前側が最も広く(幅W1)、機体後側に向かうほど狭くなるように形成するとともに、土落しバー38,38の左右幅の最も狭い部分(幅W2)を左右外側方向に曲げて構成する。
【0035】
そして、前記左右のソイラ37,37の前端部に圃場面に垂れている茎葉を掬い上げる左右の掬上突起40,40を先端部が前記横引起し装置26の横ラグ26aよりも前方に位置するように配置する。また、該掬上突起40,40の前側に掬上突起40,40で掬い上げられた茎葉を引抜搬送装置24の挟持始端部に案内する左右の案内バー41,41を、平面視で「ハ」の字型となるように機体後側に向かうほど案内バー41,41同士の左右間隔が小さくなるように取り付ける。
【0036】
なお、該案内バー41,41はピアノ線などの柔軟性に富み、且つある程度の硬さを有する円柱形の弾性材で構成すると、振動幅が大きくなり、茎葉の絡み付き防止効果が向上する。
【0037】
また、図7〜図11で示すように、前記引抜搬送通路Rの下方で且つ土落しバー38,38の後端部よりも後方の掘取フレーム20の機体左右一側(機体外側)にアウターフレーム43を、該アウターフレーム43の下部に後下り傾斜姿勢の長孔43h,43hを形成した接続部43jをボルト等の固定部材43vを介して上下高さ調節自在に取り付け、該アウターフレーム43の機体左右他側(機体内側)に複数のスリット44s…を形成した円弧形状のガイドカバー44を取り付ける。
【0038】
そして、該ガイドカバー44の内側に、複数のスポーク45s…を有し該スポーク45s…以外の部分を扇形に肉抜きした略円形の回転部45と該回転部45の外周部に所定角度ずつ間隔を空けて正面視(または背面視)L字形状の複数の切断刃46…を取り付けて構成した正面視(または背面視)でコの字形状の回転切断刃47を配置する。本実施例では、切断刃46を回転部45に三本、約120度ずつ間隔を空けて設けているが、切断刃46は三本以上に増やしてもよい。その場合、例えば切断刃46を四本設けるのであれば約90度ずつ間隔を空け、六本設けるのであれば約60度ずつ間隔を空けて設けると、切断刃46が等間隔で人参のひげ根に当たるので能率的にひげ根の切除作業が行える。
【0039】
さらに、前記回転部45の内側に、回転部45と略同形状となるように扇形に肉抜きをした取付フランジ48を、切断刃46…を接続した位置から位相をずらした位置に形成した孔部48h…にボルト等の固定部材48vで介して取り付ける。
【0040】
本実施例では、取付フランジ48の孔部48hに取り付ける固定部材48vは、切断刃46を接続した位置からから円周方向に約60度位相をずらして取り付けている。言い換えれば、二つの切断刃46,46の間の略中間位置に、固定部材48vを取り付ける孔部48hを夫々形成している。
【0041】
なお、取付フランジ48を取り付ける固定部材48vの長さや重量を変えたり、ナットやワッシャー(図示せず)の重量や径を変更すると、回転切断刃47はフライホイール効果により慣性力で回転しやすくなり、土質の硬軟や土塊の多少に応じて回転力を調整することができ、作業能率が向上する。
【0042】
そして、回転切断刃47の回転軸47aの機体左右他側(機体内側)端部に円周の内側に無数の歯を有するリングギア50を軸着し、該リングギア50の外周にベアリング49を取り付け、前記ガイドカバー44の機体左右他側(機体内側)にインナーフレーム51を取り付ける。さらに、該回転切断刃47の内側に駆動力を供給する駆動モータ52を、前記インナーフレーム51に固定して設け、該駆動モータ52の出力軸52aの機体左右他側の端部に前記リングギア50に噛み合って回転切断刃47を回転させる駆動力を伝達する伝動ギア53を軸着する。
【0043】
なお、上記駆動モータ52は、平面視では回転切断刃47を引抜搬送装置24の人参の搬送方向と同一方向に、側面視では時計回り(右回り)に回転させる。この駆動モータ52は機体のバッテリから電力を受け、操縦部Bからの操作で駆動する電動モータを用いているが、油圧モータ等を用いてもよい。
【0044】
加えて、変速レバー13の切替による走行速度の変化に合わせて該駆動モータ52の回転数が変化する構成としてもよい。これにより、走行速度を上げて引抜搬送装置24に引抜搬送される人参の数が多くなると駆動モータ52の回転数が増大し、回転切断刃47の回転速度が増加するので、人参のひげ根を確実に切断することができ、作業能率が向上するとともに、ひげ根の切り残しが減少するので、後工程で作業者がひげ根を切除する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
【0045】
また、走行速度を下げると引抜搬送装置24で搬送される人参の数が少なくなるので、回転切断刃47を高速で回転させる必要がなく、駆動モータ52の回転数を少なくできるので、駆動モータ52の出力軸52aや回転切断刃47にかかる負荷が軽減され、耐久力が向上する。
【0046】
さらに、駆動モータ52を、出力軸52aの回転によって発電できる構成とすると、駆動モータ52の回転を停止させた際、回転切断刃47が慣性で回転する際に発電がなされるので、次の駆動時に必要となる電力量を抑えることができる。
【0047】
そして、該駆動モータ52の外周部に駆動モータ52を覆うモータカバー54aを設け、該モータカバー54aの機体左右一側(機体外側)の端部をアウターフレーム43の内側近傍まで接近させる。また該モータカバー54aの上部に側面視逆V字型(山型)の延長カバー54bを取り付ける。
【0048】
なお、延長カバー54bはポリ塩化ビニル(PVC)やゴム等の弾性を有する軟質部材で構成し、延長カバー54bの上端部が切断刃46の内側面に接触する構成とすると、延長カバー54bで切断刃46…の内側面に付着した土を落とすことができ、切断刃46…の切断性能が土の付着で妨げられにくく、人参のひげ根の切断能率が低下することを防止できる。また、延長カバー54bの傾斜角度を鋭角(約30〜60度)とし、外側線部を直線ではなく僅かながら曲線状に形成すると、上方から降り注ぐ土が延長カバー54bの傾斜部を滑り落ちやすく、延長カバー54b上に土が溜まることを防止でき、ひげ根切断装置57の内部に堆積した土を取り除く必要がなく、メンテナンス性が向上する。
【0049】
また、前記切断刃46は、人参の下部のひげ根に接触して切断する切断作用面46aを略直線状に形成し、搬送方向上手側の非切断作用面46bは機体内側から機体外側に向かうに連れて前後幅が狭くなるテーパ状に形成すると共に、L字形状の切断刃46の機体左右一側(機体外側)の端部を回転切断刃47の回転方向に対して略直線状に形成する。
【0050】
さらに、前記切断作用面46aを非切断作用面46bよりも上方に位置させ、切断刃46を非切断作用面46bから切断作用面46aに向かって上方傾斜する構成としている。
また、前記ガイドカバー44の搬送方向下手側に、搬送方向上手側から下手側に向かって下方傾斜する直線部44aを形成し、該直線部44aの搬送方向下手側の端部に、該直線部44aの下方傾斜角度よりも緩やかな下方傾斜角度の終端直線部44bを形成する。そして、複数のスリット44s…を終端直線部44bまで延長する。
【0051】
そして、前記アウターフレーム43とインナーフレーム51との前側上部に、ガイドカバー44の円弧に沿った長穴55,55を夫々切り欠き、該長穴55,55に人参及び人参のひげ根に付着している土等を落とすスクレーパ56の左右両端部を貫入させてボルト等の固定部材56vで取り付ける。該スクレーパ56は長穴の方向に沿って移動可能である。
【0052】
なお、該スクレーパ56はゴム等の弾性体で構成する。
さらに、前記アウターフレーム43の接続部43jに、アウターフレーム43の上下位置を視覚的に判別可能なポイントマーカ43p…を設けることにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根(尾部)を切断するひげ根切断装置57が形成される。
【0053】
なお、ポイントマーカ43pは、アウターフレーム43の接続部43jの後端部を略等間隔に切り欠く、目盛りを刻む、目盛りを塗料で描く、シールを貼る等の方法で形成する。
【0054】
そして、前記引抜搬送装置24の後下部には、左右挟持搬送ベルト18,18によって搬送されてきた人参を引き継ぎ、人参の茎葉部の切断位置を揃える左右位置揃え装置58,58と、該左右位置揃え装置58,58から茎葉部を引き継いで挟持して機体後方まで搬送する左右茎葉搬送装置59,59と、茎葉部を切断する左右切断装置60,60と、該左右切断装置60,60によって切断された茎葉を左右茎葉搬送装置59,59の終端部から圃場に排出する排葉シュータ61とを設けて排葉搬送装置62を構成することにより、収穫部Cが構成される。
【0055】
上記構成により、機体前側に縦引起し装置25と横引起し装置26とを設けたことによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を縦引起し装置25の縦ラグ25aで引き起こし、引き起こされた茎葉を横引起し装置26の横ラグ26aで掬い上げて引抜搬送装置24の挟持搬送始端部に移動させることができ、人参の茎葉が確実に引抜搬送装置24に挟持されて圃場から引き抜かれるので、抜き残される人参が減少し、作業能率が向上する。
【0056】
さらに、ソイラ37,37の先端部の掬上突起40,40に分草体42,42を設け、横引起し装置26が引き継ぎ損なった茎葉を分草体42で掬い上げ、案内バー41,41を介して引抜搬送装置24の挟持始端部に茎葉を案内する構成としたことによって、茎葉がいっそう確実に引抜搬送装置24に挟持されて圃場から引き抜かれるので、抜き残される人参が減少し、作業能率が向上する。
【0057】
また、縦引起し装置25、横引起し装置26や分草体42,42で茎葉を掬い上げることによって、人参を隠していた茎葉を取り除き、収穫する人参の視認性を向上させることができるので、人参の引き抜き位置が合わせやすくなり、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。加えて、分草体42,42は薄い板状の掬上突起40,40の周囲を覆う程度の左右幅であるので、収穫する人参の周囲の視認を妨げない。
【0058】
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
【0059】
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
【0060】
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
さらに、収穫部Cの茎葉切断装置60,60で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ61が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
【0061】
そして、左右のソイラ37,37を振動させる左右の振動アーム33,33に左右の土落しバー38,38の基部を配置したことによって、土落しバー38,38はソイラ37,37とともに機体上下方向に振動するので、人参に付着した土を上下方向に亘って確実に削ぎ落とすことができるとともに、人参本体も振動するので、土落しバー38,38が接触しない部分の土も振動で落とすことができ、選別作業者が人参の傷(割れ、折れ、打ち身、腐りなど)や形状異常(二又、曲がり過ぎ、極小など)を判別しやすくなるため、人参の選別精度が向上する。
【0062】
また、土落しレバー38,38の基部を、振動アーム33,33のソイラ37,37の基部とは反対側に取り付けたことによって、土落しバー38,38が隣接条の、特に未堀側(まだ引き抜いていない側)の人参から離間するので、土落しレバー38,38が未掘側の人参に接触することが防止でき、人参が傷付くことが防止されて商品価値が向上する。加えて、人の手も近付きにくくなるので、安全性が向上する。
【0063】
さらに、土落しバー38,38の端部側の作用部を圃場面に対して略水平姿勢に配置したことによって、引抜搬送装置24で後上り傾斜方向に搬送される人参が土落しバー38,38を通過する際、人参の上端部から下端部までが土落しバー38,38に接触するので、人参に付着した土を上下方向に亘って確実に削ぎ落とすことができるので、選別作業者が人参の傷や形状異常を判別しやすくなるため、人参の選別精度が向上する。
【0064】
また、土落しバー38,38が振動装置36によって振動することにより、特別に振動機構を設ける必要がなく、部品点数が削減されてコストダウンや資源保全が図られるとともに、機体構成が簡潔になり、機体の組み立てやメンテナンスが容易化される。
【0065】
そして、土落しバー38,38の間隔を機体前側が最も広く、機体後側を狭く形成したことによって、人参のように上側の径が下側の径より大きな作物が通過する際、土落しバー38,38の左右間に引っ掛かることなく通過することができるので、人参の収穫作業が中断されることがなく、作業能率が向上する。また、人参に付着していた土を上下方向に亘って確実に落とすことができ、選別作業者が人参の傷や形状異常を判別しやすくなるため、人参の選別精度が向上する。
【0066】
また、土落しバー38,38の後側が狭く形成されたことにより、小径の人参が通過する際、少なくとも土落しバー38,38の最も狭い後端部付近で土落しバー38,38に接触するので、人参に付着していた土を確実に落とすことができ、選別作業者が人参の傷や形状異常を判別しやすくなるため、人参の選別精度が向上する。
【0067】
さらに、土落しバー38,38の左右間の最も狭い部分を左右外側方向に曲げたことによって、土落しバー38,38の後端部が人参に接触せず、丸みのある屈曲部に接触するので、人参が傷付くことが防止されて商品価値が向上する。
【0068】
また、土落しバー38,38をピアノ線などの弾性のある金属で構成したことによって、土落しバー38,38の左右間を左右間隔よりも大径の人参が通過しても、土落しバー38,38は左右外側方向に退避することができるので、人参が詰まって動かなくなり作業が中断されることが防止され、作業能率が向上する。
【0069】
そして、土落しバー38,38にポリ塩化ビニルやスポンジ、ウレタンなどの軟質材のカバー39を夫々設けたことによって、土落しバー38,38の左右間隔と人参の径が同じか或いはそれ以上大径であり、土落しバー38,38が人参の表面に密着する場合に人参に過剰な圧力がかかることを防止できるので、人参が傷付くことが防止されて商品価値が向上する。
【0070】
さらに、土落しバー38,38が機体フレーム1及び尾部切断装置43よりも機体前側に配置したことによって、人参に付着していた土は振動するソイラ37,37上や圃場に落下するので、機体に付着した土を除去する作業が省略されるので、メンテナンス性が向上すると共に作業者の労力が軽減される。特に、土落しバー38,38の左右を連結していないことにより土はいっそう落下しやすく、また左右を連結していないことにより、土落しバー38,38の角度調節を左右別々に行うことができるので、様々な作業条件に対応することができる。
【0071】
そして、アウターフレーム43の下部の接続部43jに下方傾斜姿勢の長穴43h,43hを設けたことにより、固定部材43vを緩めると長穴43h,43hに沿ってアウターフレーム43を上下位置調節することができるので、収穫する人参の品種や収穫時期、生育状況等の条件の違いに合わせてひげ根切断装置57の上下位置を調節することができ、確実に人参からひげ根が除去されて作業者が手作業でひげ根を取り除く必要が無くなり、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0072】
また、接続部43jにポイントマーク43p…を設けることにより、作業条件に合わせてひげ根切断装置57をどの高さに設定すべきかを視覚的に判断することができ、類似する条件での作業の際にはひげ根切断装置57は略一定の高さに設定されるため、作業能率が向上すると共に、作業者は位置調節を容易に行なえるので、調節作業にかかる時間を短縮できる。
【0073】
さらに、切断回転刃47を構成する回転部45と、切断回転刃47を取り付けるための取付フランジ48とを略扇形に位相を合わせて肉抜きしたことにより、回転切断刃47が回転する際の慣性力が同方向にかかるので、回転切断刃47の回転のバランスが安定し、回転が乱れたりガタ付きが生じたりして人参のひげ根を切り逃すことが防止でき、作業能率が向上する。
【0074】
そして、複数の切断刃46…を所定角度(約120度)ずつ間隔を空けて設けたことにより、切断刃46…が人参のひげ根を切断する機会が増えるので、引抜搬送装置24に次々と人参が搬送されても回転切断刃47がひげ根を切りそこなうことを防止でき、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0075】
また、回転部45に所定角度ごとに切断刃46…を設けたことにより、回転により生じる遠心力が均等にかかるので、回転切断刃47の回転速度が乱れることを防止でき、確実に人参のひげ根を切断できるとともに、回転切断刃47にかかる負荷が略均一となるので、耐久性が向上する。
【0076】
さらに、取付フランジ48に形成する孔部48h…を、回転部45に取り付けた切断刃46…から所定角度(約60度)位相をずらして形成したことにより、回転切断刃47の回転により生じる慣性力が切断刃46…と孔部48h…で略均一に分散されるため、回転切断刃47をスムーズに振動を抑えて回転させることができ、慣性力で回転切断刃47を回転させることができ、回転軸47aにかかる負荷が軽減され、耐久力が向上する。
【0077】
なお、従来の尾部切断装置では、回転切断刃は回転時に生じる振動やひげ根を切断する際の抵抗により、回転軸に強い負荷がかかりやすく、部品寿命が短い、あるいは作業中に破損し作業が中断される等の問題を有していた。
【0078】
そして、回転切断刃47のリングギア50の内周に、駆動モータ52の伝動ギア53を噛み合わせて回転切断刃47を回転させることにより、駆動モータ52の出力軸52aのラジアル方向にかかる負荷を軽減することができ、部品の耐久性が向上する。
【0079】
また、伝動ギア53がリングギア50の内周に位置することにより、ひげ根切断装置57の上下長さが長くなることを防止でき、ひげ根切断装置57をコンパクトに構成できる。
【0080】
さらに、リングギア50の外周が伝動ギア53のカバーを兼ねるので、人参やひげ根に付着していた土等が落下しても、リングギア50と伝動ギア53の間に土が入り込むことを防止でき、リングギア50及び伝動ギア53の歯が土を噛み込んで摩耗することが防止されて耐久性が向上すると共に、リングギア50及び伝動ギア53がスリップすることが無く、回転切断刃47の回転がスムーズになり、人参のひげ根が確実に切断されて作業能率が向上する。
【0081】
そして、駆動モータ52の外周部を覆うモータカバー54aの端部を、アウターフレーム43の内側近傍に接近させたことにより、回転切断刃47の内側に位置する駆動モータ52の円周面及び左右側面全てが覆われるので、駆動モータ52が土に触れることが無く、駆動モータ52の機能低下や破損を防止できる。
【0082】
また、モータカバー54a上に弾性体で構成する延長カバー54bを設けたことにより、いっそう駆動モータ52に土が届くことがなくなり、駆動モータ52の機能低下や破損を防止できる。
【0083】
さらに、延長カバー54bを弾性体で構成したことにより、延長カバー54bは引抜搬送装置24の上下動や機体の走行等による振動を受けて変形しても、振動が停止すれば元の形状に復帰するため、土が延長カバー54b上に溜まることがなく、ひげ根切断装置57のメンテナンス性が向上する。
【0084】
そして、延長カバー54bの上端部が切断刃46…の内側面に接触する構成としたことにより、切断刃46…の内側に土等が溜まっても、延長カバー54bの上端部がスクレーパとして作用してこの土を取り除くことができるので、回転切断刃47の重量バランスが変わらず、スムーズに回転するので、確実に人参のひげ根を切断でき、作業能率が向上する。
【0085】
また、切断刃46の切断作用面46aを略直線状に形成したことにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参が多少左右に揺れるようなことがあっても、切断作用面46aは人参のひげ根に接触して切断することができるので、作業者が後からひげ根を切除する必要が無く、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0086】
そして、切断作用面46aを非切断作用面46bよりも上方に位置させ、切断刃46を非切断作用面46bから切断作用面46aに向かって上方傾斜させたことにより、回転切断刃47の回転に伴いこの上方傾斜部から軸芯方向に向かって風が発生するので、この風で回転切断刃47の遠心力でガイドカバー44に向かって飛ばされる切断されたひげ根や土をひげ根切断装置57の後側へと移動させることができ、ガイドカバー44にひげ根や土が張り付くことを防止され、ひげ根や土を取り除く必要が無くなり、メンテナンス性が向上する。
【0087】
さらに、この上方傾斜部があることにより、人参やひげ根に付着していた土が切断刃46…に付着しても、土は上方傾斜部を滑り落ちるので、切断性の低下や土との摩擦による刃毀れが防止される。
【0088】
また、切断作用面46aを直線状、非切断作用面46bを機体外側ほど狭くなるテーパ状、機体外側の端部を回転方向に対して直線状に形成したことにより、回転切断刃47の回転により発生する風の流速が速くなるので、ひげ根や土をいっそうひげ根切断装置57の後側に送りやすくなり、ガイドカバー44にひげ根や土が張り付くことを防止され、ひげ根や土を取り除く必要が無くなり、いっそうメンテナンス性が向上する。
【0089】
さらに、切断刃46の機体左右一側の端部を直線状に形成したことにより、回転切断刃47自体が送風ファンとして作用するので、駆動モータ52等を送風により冷却でき、長時間の作業時でも異常加熱を起こしにくく、耐久性が向上する。
【0090】
そして、ガイドカバー44の搬送方向下手側に、後方に向かって下方傾斜する直線部44aを形成したことにより、ガイドカバー44と回転切断刃47の回転軌跡の距離が離間するので、回転切断刃47の送風により後側に送られたひげ根や土がひげ根切断装置57から下方に落下することを回転切断刃47が妨げることを防止でき、ひげ根や土を取り除く必要が無くなり、メンテナンス性が向上すると共に、回転切断刃47に土やひげ根が付着することを防止でき、切断性の低下や土との摩擦による刃毀れが防止される。
【0091】
また、直線部44aの搬送方向下手側の端部に緩やかな下方傾斜角度の終端直線部44bを形成し、スリット44s…をこの終端直線部44bまで延長したことにより、スリット44s…の終端部が圃場面に対して水平ではなくなるので、スリット44s…の終端部に落下した土や切断されたひげ根が乗って溜まることを防止でき、ひげ根や土を取り除く必要が無くなり、メンテナンス性が向上する。
【0092】
さらに、アウターフレーム43とインナーフレーム51との前側上部に、ガイドカバー44の円弧に沿った長穴55,55を夫々切り欠き、この長穴55,55にスクレーパ56を設けたことにより、このスクレーパ56で回転切断刃47に接触する前に人参に付着した土を削ぎ落とすことができ、いっそう回転切断刃47への土の付着を防止でき、切断性能の低下や刃毀れが防止され、効率よく人参のひげ根を切断できる。
【0093】
なお、スクレーパ56を中心部ほど後退する三日月型に形成すると、人参がスクレーパ56にフィットしやすく、土落しの効率がいっそう向上する。
次に、引継搬送部Dについて説明する。
【0094】
図1〜図3で示すように、前記茎葉切断装置60,60の下方に前後残葉処理フレーム63,63を設け、該前後残葉処理フレーム63,63の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ64,64を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ64,64にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト65を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト65の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト66と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ66を取り付けて、収穫部Cから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体の左右一側から左右他側に搬送する残葉処理装置67を構成する。
【0095】
また、該残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置60,60よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台68を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台68よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ69を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ70を設ける。そして、前記残葉処理装置67よりも機体前側で且つ残葉処理装置67に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ69と汲上搬送従動ローラ70とに汲上搬送ベルト71を無端状に巻回して、前記残葉処理装置67と受け台68とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア72が構成される。
前記残葉処理装置67と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア72とから、汲上搬送部Dが構成される。
【0096】
上記構成により、残葉処理装置67を構成する残葉処理ローラ66が、茎葉切断装置60,60で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア72に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【0097】
また、残葉処理装置67を構成する残葉処理ベルト65をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置60,60で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト66が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
【0098】
そして、残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台68を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア72に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【0099】
次に、選別搬送部Eについて説明する。
図2、図3及び図12で示すように、操縦部Bの後部に左右選別搬送フレーム73,73を取り付け、該左右選別搬送フレーム73,73の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ74を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ74よりも機体後側に選別搬送従動ローラ75を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75との間に選別搬送テンションローラ76を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75と選別搬送テンションローラ76とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト77を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア78が構成される。さらに、該選別コンベア78を始端部が汲上搬送部Dの汲上コンベア72の終端下方に位置するように配置する。
【0100】
また、前記選別搬送従動ローラ75の回転軸にシュータ79を上下回動自在に取り付け、該シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けることによって、選別搬送部Eが構成される。
【0101】
上記のように、シュータ79を上下回動自在に設けたことによって、シュータ79を下方回動させると人参を後述する収容部Fに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器83に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0102】
また、シュータ79を上方に回動させると、選別搬送コンベア78の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア78を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア78の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0103】
また、シュータ79を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア78を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア78の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア72の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア78の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
【0104】
さらに、シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席88に座ったままシュータ79を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【0105】
次に、収容部Fについて説明する。
図1〜図3、図12で示すように、前記左右選別搬送フレーム73,73の下部に左右支持フレーム81,81を設け、該左右支持フレーム81,81に伸縮自在なダンパ82の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム73,73の後下部に人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器83を設置する収容容器置台84を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台84にダンパ82の他端を取り付ける。
【0106】
また、該収容容器置台84の後端部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台84や選別搬送コンベア78や右クローラ6Rよりも機体左右他側に機体前後方向に長い人参を収容した収容容器83を積載する収容容器積載台86を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
【0107】
そして、該収容容器積載台86の機体外側に、収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87を取り付け、該支持フレーム87の上に補助作業者が着座する補助作業座席88を取り付ける。そして、前記収容容器積載台86の後部に予備の収容容器83を設置する第2予備収容容器置台89を取り付けて、収容部Fが構成される。
【0108】
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台84に伸縮自在なダンパ82の他端を取り付けていることによって、収容容器83に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台84が下降するため、人参が収容容器83の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器83の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
【0109】
また、収容容器置台84の後部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を設けたことによって、人参が満載された収容容器83が収容容器置台84から取り除かれるとダンパ82が伸びて収容容器置台84が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台85に設置されている収容容器84が収容容器置台84に滑り落ちて設置されるので、収容容器83を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0110】
そして、機体左右外側に収容容器積載台86を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台86を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【0111】
さらに、収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87上に補助作業座席88を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア78に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器83が収容容器積載台86上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
【0112】
また、収容容器積載台86の後部に第2予備収容容器置台89を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器83を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
【0113】
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図13、図14で示すように、ガイドカバー44の内側に円筒形の回転体90を取り付け、該回転体90の機体左右他側から左右一側に向かって複数の切断切欠部91…を等間隔に形成する構成としてもよい。
【0114】
上記構成によれば、回転体90が円筒形であるので、回転体90が回転しても慣性力に偏りが生じにくいため、回転体90の振動が小さくなり、高い慣性力で回転して確実に人参のひげ根を切断することができ、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0115】
また、回転体90を等間隔に切り欠いて切断切欠部91…を構成することにより、切断切欠部91が人参のひげ根に接触する機会が多くなるので、引抜搬送装置24で大量の人参が高速で搬送されてきても、駆動モータ52の出力を上昇させること無くひげ根を切断することができるので、作業能率が向上し、駆動モータ52への負荷を低減され、エネルギーの節約になる。
【0116】
なお、切断切欠部91は、機体左右他側から機体左右一側に向かって右下がり傾斜姿勢に構成すると、機体左右一側から機体左右他側に向かって渦状(スパイラル)の空気の流れを生じさせることができ、切断切欠部91…から回転体90の内部に入り込んだひげ根や土を機体左右他側(機体内側)に送ることができ、他の部材のない場所にひげ根や土を落とすことができ、メンテナンス性が向上する。
【0117】
また、円筒形の回転体90の表面を切り起こして、図13のように切断切起し部92…を形成してもよい。
上記構成によれば、切断切起し部92がファンの役目を果たすので、上記の渦状の風の流れをいっそう強めるので、ひげ根や土を回転体90の一側に集めて簡単に取り出すことができ、メンテナンス性が向上する。
【0118】
そして、切断切起し部92の上端部をガイドカバー44の内側近傍を通過する構成とすると、ガイドカバー44の内側に溜まり始めた土やひげ根を切断切起こし部92…で掻き取り、風流方向に送ることができるので、ガイドカバー44に土が詰まって搬送中の人参のひげ根がひげ根切断装置57から逃げることを防止でき、ひげ根が確実に切断されて作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0119】
さらに、機体左右一側(機体外側)のアウターフレーム43に数ヶ所の空気吸入孔93…を形成し、機体左右他側(機体内側)のインナーフレーム51を外周部の枠だけを残して空間とした完全開放状態とする。そして、該インナーフレーム51の機体左右他側に漏斗形状のダクト94を取り付け、該ダクト94の機体左右内側の端部に通風リング95を取り付ける。また、該ダクト94のインナーフレーム51への接続部の近傍下側に、ひげ根や土等の夾雑物を下方に落下させるダストシュート96を取り付ける。
【0120】
さらに、前記通風リング95に空気を通過させるエアホース97の基部を設け、該エアホース97の端部に空気を収束して放出させるエアノズル98を設ける構成としてもよい。
【0121】
上記構成によれば、アウターフレーム43に空気吸入孔93…を設け、インナーフレーム51を完全開放状態としたことにより、回転体90の回転により生じる渦状の空気の流速が速くなり、この風の流れにより機体左右他側に飛ばされるひげ根や土はインナーフレーム51から機体左右他側(機体内側)に飛ばされる。そして、漏斗形状に形成したダクト94に風とひげ根・土等の夾雑物が入り込み、風はダクト94内を通過して通風リング95を通過し、エアホース97に移動する。また、ダクト94のうち、インナーフレーム51に取り付ける側にダストシュート96を設けたことにより、該ダストシュート96の近傍では風の流れが弱まり、ひげ根や土はこのダストシュート96から下方に落下する。
【0122】
従って、回転体90内にひげ根や土を残すことを防止でき、且つひげ根や土を機外に確実に排出できるので、ひげ根や土を取り除く必要が無く、作業能率が向上すると共にメンテナンス性が向上する。
【0123】
そして、エアホース97に入り込んだ空気はエアノズル98に圧搾されるので、搬送中の人参に圧搾空気が当たるようにエアノズル98の先端部を向けておくと、人参に付着した土等をひげ根切断装置57よりも手前で落とすことができる。
【0124】
また、エアノズル98の先端部側を回転可能に構成、あるいは伸縮可能に構成して正面視で左右方向に位置調節可能に構成すると、エアノズル98と人参との距離を適切な距離に調節できるので、人参に付着した土が確実に落ち、選別コンベア78での選別作業時に人参の割れや形状の異常を見つけやすくなり、選別精度が向上する。
【0125】
加えて、土があまり付着していないときは、風を当てず、人参を搬送方向に対して左右方向に揺らさないことにより、人参のひげ根をひげ根切断装置57で確実に切断できるので、作業能率が向上する。
【0126】
図13、図14で示すように、インナーフレーム51の上部に上下方向の長穴を切り欠き、この長穴にノズルステー99をボルト等の固定部材で任意の高さに取り付ける。そして、該ノズルステー99の上下位置を人参の上下長さや土の付着位置に合わせて変更することにより、人参に付着した土を確実に落とすことができ、選別コンベア78での選別作業時に人参の割れや形状の異常を見つけやすくなり、選別精度が向上する。
【符号の説明】
【0127】
24 引抜搬送装置
43 アウターフレーム(側壁)
43p ポイントマーク(位置決めマーク)
44 ガイドカバー(案内カバー)
44a 直線部
44b 終端直線部
44s スリット(空間部)
45 回転部
46 切断刃(切断部材)
46a 切断作用部
46b 非切断作用部
47 回転切断刃(回転刃)
47a 回転軸
48h 孔部
50 リングギア(従動回転体)
51 インナーフレーム(側壁)
52 駆動モータ(駆動装置)
52a 出力軸
53 伝動ギア(駆動回転体)
57 尾部切断装置(切断装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体左右一側に作物を圃場から引き抜き搬送する引抜搬送装置(24)を設け、該引抜搬送装置(24)の搬送経路の下方に搬送中の作物のひげ根を切断する切断装置(57)を設けた根菜類収穫機において、該切断装置(57)の切断部材(46)を機体左右一側ほど細くなるテーパ状に形成し、該切断部材(46)の機体左右一側端部を機体前後方向の直線状に形成し、前記切断部材(46)の搬送方向上手側の非切断作用部(46b)から搬送方向下手側の切断作用部(46a)に向かって上方傾斜する構成としたことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
円形の回転部(45)の外周部に前記切断部材(46)を所定角度毎に複数個設けて回転刃(47)を構成し、該切断部材(46)の取付位置から位相をずらして回転刃(47)の取付用の孔部(48h)を形成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】
前記切断装置(57)に駆動装置(52)を設け、該駆動装置(52)の出力軸(52a)に駆動回転体(53)を設け、該駆動回転体(53)から動力を受けて前記回転刃(47)を回転させる従動回転体(50)を該回転刃(47)の回転軸(47a)に設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の根菜類収穫機。
【請求項4】
前記回転刃(47)の左右両側に側壁(43,51)を設け、該側壁(43,51)の左右間で且つ回転刃(47)よりも外周に作物のひげ根が通過する空間部(44s)を形成した案内カバー(44)を設け、該案内カバー(44)に搬送方向下手側を下方傾斜する直線部(44a)を形成し、該直線部(44a)よりも搬送方向下手側に直線部(44a)よりも緩やかな角度で下方傾斜する終端直線部(44b)を形成し、前記空間部(44s)を終端直線部(44b)まで延長したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項5】
前記側壁(43)の下部に、複数の位置決めマーク(43p)を形成したことを特徴とする請求項4記載の根菜類収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−45325(P2011−45325A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198085(P2009−198085)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】