説明

格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー

【課題】ディスペンサーは移動アセンブリを含み、移動アセンブリは上方弁と下方弁を含み、下方弁は製品を収容するためのリザーバを有する。
【解決手段】少なくとも1つの孔を有する上方弁は、少なくとも1つの孔を有する下方弁に接続される。さらに、下方弁と上方弁はスリーブによって部分的に覆われる。スリーブは形作られた通路を含む。上方弁と下方弁は、形作られた通路に沿って、ディスペンサーが製品を送出する上方位置と、ディスペンサーを収納する下方位置との間を選択的に案内可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、薬品、食品、家庭用品または他の種の製品を分配するための装置がある。このような装置は、通常、外側のハウジングと、異なるタイプの製品を分配するための送出機構と、アプリケータとからなる。例えば、種々の産業において、パウダー、ジェル、クリームまたはローションを塗布するため、装置が用いられる。化粧品および私的ケア産業において、顔や体の部分に口紅、リップクリーム、スキンクリーム、ローション、コンパクトパウダー、ルースパウダー(loose powder)および他の化粧製品を塗布するために、装置が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
典型的に、これらの装置は多くの欠点を有する。例えば、製品は制御された割合で分配されず、装置から多すぎるか少なすぎる量で出てくることがある。他の問題は、所望量の製品が分配されたとき、装置のアプリケータが製品を装置から流出させ続けることである。例えば、特に日中、再塗布のため一つの場所から別の場所に移動したとき、製品が装置から漏れあるいは溢れ出し、無駄な量の製品とユーザーへの汚れに帰結する。他の問題は、ユーザーが(さらなる製品を塗布しないで)アプリケータを使うことを望むとき、アプリケータが一つの位置で延ばされたままでいないことである。したがって、当該分野における改良された装置の要請が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
この概要は、ディスペンサーにおける、格納された弁(encased valve)を備えた移動アセンブリ(moving assembly)の単純化されたコンセプトを紹介するために提供され、それは以下の詳細な説明で詳述される。この概要は、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の本質的要素を特定することを意図せず、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の範囲を決定するのに用いられることを意図しない。
【0005】
本開示は、格納された弁を備えたアセンブリを有するディスペンサーに向けられ、これは、上方位置と下方位置の間の形作られた通路に沿って選択的に案内可能である。本開示はディスペンサーを説明し、ディスペンサーは、上方弁と、製品を収容するためのリザーバを有する下方弁と、形作られた通路を有するスリーブとを含む。上方弁と下方弁のアセンブリは、形作られた通路に沿って、ディスペンサーが製品を送出する上方位置に、またディスペンサーを収納する下方位置に、選択的に案内可能である。さらに、ディスペンサーは、製品を塗布するためのアプリケータを含む。
【0006】
本開示は、格納された弁を備えたアセンブリを有するディスペンサーの他の実施形態に向けられる。アセンブリは、上方弁と、流体通過(flow-through)ガスケットと、製品を収容するためのリザーバを有する下方弁と、形作られた通路を有するスリーブとを含む。上方弁と下方弁はそれぞれガイドピンを含む。代替実施形態において、下方弁または上方弁がそれぞれ静止し続けている間、上方ガイドピンおよび下方ガイドピンのいずれもが、形作られた通路に沿って選択的に案内可能である。ガイドピンは、形作られた通路に沿って選択的に案内可能であり、これは、アセンブリを、製品を送出するか或いはアプリケータを伸長状態に維持するための上方位置と、アプリケータを引っ込めるための下方位置との間を、選択的に可動とする。
【0007】
前述のあるいは以下に述べられる特徴、機能および利点は、種々の実施形態において独立に達成されることができ、あるいはさらに他の実施形態において組み合わされることもあり、これらのさらなる詳細は、以下の説明と図面の参照とともに理解される。
【0008】
詳細な説明は、添付図面の参照とともに説明される。図中、参照番号の左端の数字は、参照番号が最初に現れる図面を特定する。異なる図面での同一の参照番号の使用は、類似のあるいは同一のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーを示す分解図である。
【図2】図1の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面斜視図である。
【図3a】図1の実施形態に従う、キャップ付きで示される、格納された弁を備えた移動アセンブリのA−A線に沿った平面図である。
【図3b】図1の実施形態に従う、キャップ無しで示される、格納された弁を備えた移動アセンブリのA−A線に沿った平面図である。
【図4a】図3のA−A線に沿った、キャップ付きで示される、図1の格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの断面図である。
【図4b】図3のA−A線に沿った、キャップ無しで示される、図1の格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの断面図である。
【図5a】一実施形態に従う、流体通過ガスケットの底面図である。
【図5b】一実施形態に従う、流体通過ガスケットの平面図である。
【図5c】一実施形態に従う、流体通過ガスケットの斜視図である。
【図6】他の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面斜視図である。
【図7a】図6の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面斜視図である。
【図7b】図6の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面斜視図である。
【図8】さらなる他の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーを示す正面図である。
【図9a】図8の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面図である。
【図9b】図8の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面図である。
【図10】他の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーを示す正面斜視図である。
【図11a】図10の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面図である。
【図11b】図10の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
概説
本開示の一実施形態は、化粧用ディスペンサーに向けられ、ディスペンサーは、格納された弁を備えたアセンブリを有し、アセンブリを、形作られた通路に沿って選択的に動かす。化粧用ディスペンサーは、リザーバを有する下方弁と、上方弁とのアセンブリを含み、これら弁は、形作られた通路を有するスリーブによって部分的に覆われている。幾つかの実施形態において、アセンブリは、流体通過ガスケットを含んでもよい。格納された弁を備えたアセンブリは、i)ディスペンサーが化粧品を送出する上方位置と、ii)ディスペンサーを格納する下方位置との間を、選択的に移動可能である。上方および下方位置は、形作られた通路に沿っている。形作られた通路は、実質的なL字形状、実質的なY字形状および実質的なフォーク形状を含むことができる。
【0011】
限定的でない例示として、ここで述べられる格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーは、多くの状況と環境で用いられることができる。例えば、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーは、薬品、化粧および私的ケア産業、粉末または液状化粧品、ミネラル製品、食料品、スパイス、カーペット脱臭剤、ベーキングソーダ等のために実施されることができる。例えば、種々の産業で、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーは、粉末製品、ジェル製品、クリーム製品またはローション製品のために用いられることができる。化粧および私的ケア産業において、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーは、口紅、リップクリーム、スキンクリーム、ローション、パウダー、ルースパウダーおよび他の化粧製品を、顔や体の部分に塗布するために使用されることができる。
【0012】
格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー
図1は、一実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー100を示す分解図である。図1は、例示的な、移動アセンブリを有するディスペンサー100を示し、ディスペンサー100はスリーブ102を有し、スリーブ102は、ディスペンサー100の種々の部品を部分的に覆う。幾つかの実施形態において、形作られた通路は、ディスペンサーの移動の案内を助けるため、L字形状、Y字形状、またはフォーク形状を含むことができる。幾つかの例において、スリーブ102は、透明な、或いは実質的に不透明な、或いは半透明な材料から作られることができる。
【0013】
格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー100は、製品を収容するリザーバを備えた下方弁106(a)に取り付けられるエンドキャップ104を含む。幾つかの実施形態において、下方弁106(a)は、リザーバとは別ピースとして構成されることができる。一方、他の実施形態において、下方弁は、ワンピースとして取り付けられたリザーバと共に構成されてもよい。下方弁106(a)の寸法は、限定しないが、少なくとも約20mmから多くとも約60mmの高さ、および少なくとも20mmから多くとも35mmの直径を含む。エンドキャップまたは補充可能キャップ104は、製品をリザーバに保持する。
【0014】
下方弁106(a)は、下方ガイドピン106(b)を含んでもよい。下方弁106(a)は、流体通過ガスケット108を保持するため、下方弁シート106(c)または下方弁の口状部(mouth)を含んでもよい。下方弁シート106(c)は、少なくとも一つの孔と、凹んだ領域を形成するための外周縁部の周りの少なくとも1つ以上のリッジ(うね、隆起部;ridge)とを含む。
【0015】
流体通過ガスケット108の複数の孔は、製品送出のため、下方弁シート106(c)の複数の孔に整列可能である。幾つかの実施形態において、下方弁106(a)は、流体通過ガスケットとは別ピースとして構成されることができる。一方、他の実施形態において、下方弁は、異なった材料で形成され取り付けられた流体通過ガスケットと一緒に構成されることができる。流体通過ガスケット108のさらなる詳細な議論が、図5a、図5bおよび図5cへと続く。
【0016】
ディスペンサー100は上方弁110をも含み、上方弁110は上方ガイドピン111を含む。上方弁110は、上方弁110の上方ガイドピン111を下方弁106(a)の下方ガイドピン106(b)に整列させることにより、下方弁106(a)に接続される。二つのガイドピンの整列の位置において、上方弁110の少なくとも1つの孔は、流体通過ガスケット108と下方弁106(a)との少なくとも1つの孔に、整列されない。それ故、製品送出のための通路はなく、この位置は閉状態と称され得る。
【0017】
ユーザーによる回転中、上方弁110の上方ガイドピン111は、頂部まで移動し、スリーブ102のL字形状の上頂部内に、上方位置まで、案内される。上方ガイドピン111がスリーブ102のL字形状に沿って移動するとき、上方弁110はこの経路に向かって選択的に回転可能である。L字形状への移動は、上方ガイドピン111を、下方ガイドピン106(b)から離れるように不整列とし、または回転させる。しかしながら、この移動は、上方弁110の少なくとも1つの孔を、流体通過ガスケット108の少なくとも1つの孔と下方弁シート106(c)の少なくとも1つの孔(これら2つは既に整列されている)に、整列させる。この整列は、製品送出のための開状態を生じさせる。この上方に上昇された位置および開状態において、アプリケータは、使用のために曝され若しくは隆起される。
【0018】
上方弁110は取付シート112をも含み、取付シート112はワンピースとして同時成形され、またはこれらは二つの別ピースから形成されてもよい。取付シート112は、図示されるような複数のパイプを含んでもよく、あるいは代替的に、取付シート112にパイプが無くてもよい。他の実施形態において、流体通過ガスケットは上方弁の基部に配置される。
【0019】
前述したように、下方弁106(a)と流体通過ガスケット108と上方弁110とを含むアセンブリは、製品送出のための上方位置に選択的に移動することができる。この開状態は、製品を送出するための開状態で作動すべく、上方弁110の少なくとも1つのパイプまたは孔が、流体通過ガスケットの少なくとも1つの孔に整列し、下方弁シート106(c)の少なくとも1つの孔に整列することを可能にする。アセンブリは、下方位置にも選択的に移動可能であり、これは、閉状態で作動すべく、上方弁110の少なくとも1つの上昇(隆起;raised)部分が、流体通過ガスケットの少なくとも1つの孔および下方弁の少なくとも1つの孔に整列することを可能にする。閉状態は、シールを作ることによって製品の漏れを防止する。
【0020】
幾つかの実施形態において、流体通過ガスケットの少なくとも1つの孔は、上方弁の少なくとも1つの孔に予め整列していてもよい。これらの実施形態において、流体通過ガスケットの少なくとも1つの孔と上方弁とは、開状態のため、下方弁の少なくとも1つの孔に選択的に整列可能である。
【0021】
幾つかの実施形態において、流体通過ガスケットはなくてもよい。流体通過ガスケットがない実施形態において、上方弁の少なくとも1つの孔は、開状態のため、下方弁の少なくとも1つの孔に選択的に整列する。閉状態のため、上方弁110の少なくとも上昇部分が、下方弁の少なくとも1つの孔に選択的に整列する。同様に、この位置は製品漏れを防ぐためのシールを作る。幾つかの実施形態において、上方弁110の上昇部分は、流体通過ガスケットの孔または下方弁の孔に整列し、製品を送出しない閉状態に至る。一方、他の実施形態において、下方弁の上昇部分は、製品を送出しないよう、流体通過ガスケットの孔または上方弁の孔に整列する。
【0022】
この案内可能なメカニズムは、少なくとも約5°から多くとも約180°まで回転する。幾つかの実施形態において、案内可能なメカニズムは、少なくとも約10°から多くとも約90°まで回転する。さらに、流体通過ガスケット108は、製品が、ユーザーの至る所に分配されたりハンドバッグや持ち運び式装置内で散乱すること無く、制御された速度で一時に分配されるのを可能にする。
【0023】
下方弁シート106(c)、流体通過ガスケット108および上方弁110の少なくとも1つの孔は、限定されないが、実質的な円形状、実質的な四角形状または実質的な楕円形状を含む形状を有してもよい。下方弁シート106(c)、流体通過ガスケット108および上方弁110の孔の数は、少なくとも約1から多くとも約5孔までの範囲とすることができる。下方弁シート106(c)、流体通過ガスケット108および上方弁110の孔の寸法は、製品が詰まることなく送出されるのを可能とするのに十分な寸法でかつ適切な開口である。例えば、孔の寸法は、少なくとも約1mmから多くとも約6mmまでの範囲とすることができる。一実施形態において、それぞれの孔は、少なくとも約2.5mmの寸法である。孔の配置は、互いに120°離れて位置された3つの孔からの範囲であってもよい。他の実施形態において、孔の配置は、互いに90°離れて位置された4つの孔からの範囲であってもよい。下方弁シート106(c)、流体通過ガスケット108および上方弁110の孔の形状、数および寸法は、互いに異なっていてもよい。
【0024】
取付シート112の少なくとも一つのパイプは、少なくとも約9mmから多くとも約35mmまでの範囲の長さであってもよく、また、少なくとも約2mmから多くとも約4mmまでの範囲の直径であってもよい。上方弁110の、パイプの数および直径寸法と、上昇部分の数および直径寸法とは、流体通過ガスケット108および下方弁シート106(c)の孔の数および直径寸法と、類似していてもよいし類似していなくてもよい。
【0025】
下方弁106(a)は、エンドキャップ104および上方弁110に、例えば、圧入、スナップ嵌合、接着剤および/または、1以上の係合要素による係合によって、固定されることができる。図示された実施形態において、下方弁106(a)は、上方弁110に接続するためのリブを含んでもよい。
【0026】
スリーブ102、エンドキャップ104、下方弁106(a)、上方弁110および取付シート112は、限定されないが、木、プラスチック、ポリマー、熱可塑性プラスチック、その複合材料、または同種のものから作られることができる。幾つかの実施形態において、スリーブ102、エンドキャップ104、下方弁106(a)、上方弁110および取付シート112は、少なくとも部分的に、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ペンタクロロチオアニソール(PCTA;pentachlorothioanisole)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン、その化合物等の樹脂から作られることができる。
【0027】
格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーは、ディスペンサーを形作られた通路に沿って偶然に動かすのを避けるため、ロック式機構を含んでもよい。例えば、ユーザーがディスペンサーのスリーブまたは他の機構を手動で動かさなければ、ディスペンサーは、上方開状態から下方閉状態へおよび逆方向へ選択的に動かないであろう。便宜のため、用語「格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー」は、「移動アセンブリを有するディスペンサー」または「移動アセンブリ」というバージョンと交換可能に用いられる。
【0028】
移動アセンブリを有するディスペンサーのためのアプリケータおよびキャップ
図1は、取付具114を含む、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー100を示し、取付具114は、取付シート112と上方弁110とに結合される。取付具114は少なくとも1つの孔を含み、この孔は、製品送出用の取付シート112からの少なくとも一つのパイプと選択的に整列可能である。取付具114は、上方弁110の取付シート112のパイプに被さるスリーブとして機能する少なくとも1つの孔を含んでもよい。
【0029】
パイプの無い実施形態において、取付具114は、取付シート112の少なくとも1つの孔に整列する少なくとも1つの孔を含むことができる。孔は、少なくとも約1から多くとも約6孔までの範囲の数であることができる。孔は、少なくとも約2mmから多くとも約4mmまでの範囲の直径寸法を有することができる。取付具114の孔の数および直径寸法は、取付シート112の孔またはパイプの数および直径寸法と一致させることができる。
【0030】
取付具114は、アプリケータ116の底部に取り付けられる。アプリケータ116は、限定されないが、製品を塗布するためのブラシ、スポンジまたはパウダーパフを含んでもよい。幾つかの実施形態において、アプリケータは、限定されないが、化粧用パウダー製品、ジェルまたはローション製品、および同種のものを塗布するために使用される。
【0031】
前述したように、ディスペンサー100は、形作られた通路に沿って右上位置に選択的に案内可能である。この上方位置は、アプリケータ116が、製品送出のため隆起或いは露出されるよう、選択的に案内されることを可能にする。また、ディスペンサー100は、形作られた通路に沿って下方位置に選択的に案内可能である。この下方位置は、アプリケータ116が、送出機構を提供しないで、ディスペンサーを格納するため選択的に引き込まれることを可能とする。
【0032】
格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー100は、取り外し可能なキャップ118またはカバーを含んでもよく、これは、ブラシアプリケータ116の頂部に被さるサイズおよび形状とされる。実施形態において、取り外し可能なキャップ118は、スリーブにスナップ嵌合することができる。他の実施形態において、取り外し可能なキャップ118は、スリーブにねじ止めするためのネジを含んでもよい。他の実施形態において、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー100は、透明なプラスチックカバー、スライディングプルアップカバー(a sliding pull up cover)および同種のものを含んでもよい。図示例において、ディスペンサー100は、ディスペンサー100が使用中でないときにブラシアプリケータ116を被包する取り外し可能なキャップ118を含む。他の実施形態において、ディスペンサー100は、取り外し可能なキャップまたはカバーを含まなくてもよい。
【0033】
取り外し可能なキャップ118は、製品を塗布するときに既に利用可能な鏡を有するよう、ユーザーの利便性のため、鏡(図示せず)を含んでもよい。鏡は、少なくとも約2mmから多くとも約8mmの範囲の厚さを有することができる。鏡は、取り外し可能なキャップ118の頂部、側部または内部に位置されることができる。他の実施形態において、ディスペンサー100は鏡を含まなくてもよい。
【0034】
種々の実施形態の特徴が説明されたけれども、他の実施形態において、スリーブ102、エンドキャップ104、下方弁106(a)、上方弁110、取付具114、ブラシアプリケータ116、取り外し可能なキャップ118、および鏡は、ディスペンサー100に収容された製品の塗布に適したいかなる形態でも構成されることができる。例えば、列挙された上記の物品は、あらゆる他の適当な形状と寸法で構成されることができ、また、所定の用途のために望まれる、あらゆる適当な質量、表面仕上げ、および/または表面処理を有することができる。実際、列挙された上記の物品は、ディスク状、楕円、長円、球形、曲線状、台形等の、事実上いかなる望まれる形状でも構成されることができる。
【0035】
移動アセンブリを有するディスペンサーのための形状形態
図2は、図1の実施形態に従う、格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサー200の正面斜視図である。後述は、限定的ではないが、上方位置と下方位置の間の形作られた通路に沿って選択的に案内可能な、製品を分配するための送出機構の例の議論である。上方位置は、製品を送出するための開状態であり、下方位置は、ディスペンサーを収容するための閉状態である。これら位置は、上昇位置および引込位置とも称される。
【0036】
作動は、外部カバー、外部カバーのノブ、ガイドピン、ボタン、回転スリーブ、プルアップスリーブ、および/または他のあらゆる適当な分配機構を回転、押圧、スライド、傾動、またはそうでなければ操作することによって、生じ得る。例は、左右の回転と組み合わせたスライドアップまたはダウン、単一または多数のスライド操作、単一または多数のプッシュ機構、順転または逆転操作、時計回りまたは反時計回り方向、左回りまたは右回り、或いはこれらの逆を用いた、上記の機構と共に実施されることができ、これによりユーザーはディスペンサー200を操作することができる。
【0037】
一実施形態において、ユーザーは、ガイドピンとして機能するボタンを動かす。ボタンは、上方弁に接続された上方ガイドピンに連結されている。上方弁はさらに下方弁に連結されている。ユーザーはボタンを動かし、これはアセンブリを上昇位置または引込位置に選択的に動かす。この実施形態は、製品のための送出通路を画成する開状態と、ディスペンサーを収納する閉状態の間で、選択的に可動であることを含む。
【0038】
他の実施形態が用いられてもよい。例えば、ユーザーは、上方弁が静止している間、下方ガイドピンに連結されたボタンを、形作られた通路に沿って選択的に動かす。
【0039】
図2は、L字形状204に沿って機構を操作するためのボタン202を有したディスペンサー200を示す。ユーザーは、ボタン202を、上方位置または下方位置に選択的に押すことができる。上方弁110に連結されたボタン202は、スリーブ114の逆L字状の中で延び、この通路に沿って案内される。ユーザーによる操作の間、上方弁110に連結されたボタン202は、L字形状に沿って上方位置へと移動する。ボタン202に案内されて、下方弁106(a)、流体通過ガスケットおよび上方弁110を含むアセンブリは、上方位置に移動する。ユーザーがボタン202をL字形状に沿って右上部分に動かすと、上方弁110はこの通路に向かって選択的に回転する。逆L字形状への動作は、ボタン202を、下方ガイドピンから離れるよう不整列にするか、または回転させる。しかしながら、この動作は、上方弁の少なくとも1つの孔を、流体通過ガスケットの少なくとも1つの孔と、下方弁シートの少なくとも1つの孔に、選択的に整列させる(下方弁と流体通過ガスケットはすでに整列されている)。この整列は、製品送出のための開状態を作る。この上方に上昇された位置と開状態において、アプリケータは、使用のために露出または隆起される。さらに他の実施形態において、流体通過ガスケットがアセンブリの一部として無くてもよい。
【0040】
L字形状は、少なくとも約25mmから多くとも約60mmまでの範囲の長さを有し、少なくとも約3mmから多くとも約10mmまでの範囲の直径を有することができる。異なる実施形態のため、他のガイドの形状、寸法および形態が用いられてもよい。他のものは、限定されないが、実質的なJ字形状、実質的なY字形状、実質的なフォーク形状、実質的に90°から120°まで、その他を含む。しかしながら、他の実施形態において、形状形態の任意の適切な形状、変形または鏡像が用いられることができる。
【0041】
図3aおよび図3bは、図1の実施形態に従う、それぞれキャップ有りおよびキャップ無しでの、格納された弁を備えた移動アセンブリのためのA−A線に沿った平面図である。
【0042】
移動アセンブリを有するディスペンサーのための送出機構
図4aおよび図4bは、図3のA−A線に沿った、それぞれキャップ有りおよびキャップ無しで示される、図1の格納された弁を備えた移動アセンブリを有するディスペンサーの断面図である。図4aの断面図に示されるように、流体通過ディスペンサー400は、下方弁106(a)、流体通過ガスケット108および上方弁110のアセンブリを示す。実施形態において、流体通過ガスケットは、上方位置および下方位置の間を選択的にガイドされながら鉛直方向に移動する。しかしながら、他の実施形態において、流体通過ガスケットは無くてもよい。
【0043】
図4aに示されるのは、どのようにして、製品送出通路が下方弁106(a)のリザーバから延び、複数のパイプに到達するかである。一例において、上方弁110は、開状態で製品送出を可能にする作動機構として機能する。上方弁110は、開状態である上方位置に、形作られた通路に沿って選択的に案内可能である。前述したように、この開状態が、上方弁110の複数のパイプまたは孔を、流体通過ガスケット108の複数の孔および下方弁106(a)の複数の孔に選択的に整列可能とし、これにより製品が、この製品送出通路を通って搬送される。こうして、製品は、下方弁106(a)の複数の孔、流体通過ガスケット108の複数の孔および上方弁110の複数のパイプまたは孔を通って、下方弁106(a)のリザーバから分配される。
【0044】
図4bに示されるのは、下方に選択的に案内される下方弁106および上方弁110のアセンブリと、下方位置に選択的に引っ込められるアプリケータブラシ(図示せず)である。この下方位置はディスペンサーを収納する。また、この下方位置では、送出通路がないため、製品漏れがない。下方への動作は、上方弁110の複数の隆起部分を、流体通過ガスケット108の複数の孔に選択的に整列させ、製品漏れを防止する。この閉状態において、製品送出通路を画成しないことにより、製品漏れがない。
【0045】
移動アセンブリ有するディスペンサーのための流体通過ガスケット
図5a、図5bおよび図5cは、それぞれ、一実施形態に従う、流体通過ガスケットの底面図、平面図および斜視図である。図5aは、流体通過ガスケット500を示し、流体通過ガスケット500は、実質的にディスク形状の本体502を有し、本体502は、頂部側に、頂部隆起中央部分504を有する。頂部隆起中央部分504は、実質的な円形、実質的な四角形または実質的な楕円形とされることができる。この図で、頂部隆起中央部分504は実質的な円形である。
【0046】
図5aは、実質的なディスク形状の本体502に配置された複数の孔506を示す。複数の孔506は、製品送出のため、下方弁106(a)の複数の孔および上方弁110の複数のパイプまたは孔に選択的に整列可能である。流体通過ガスケット500の孔506は、限定されないが、実質的な円形、実質的な四角形または実質的な楕円形を含む形状を有することができる。示されるのは、実質的な円形の孔506である。
【0047】
複数の孔506の寸法は、詰まりの無い製品送出を可能とするのに十分な寸法である。孔の寸法は、パウダー粒子が複数の孔506を通って通過するのを可能にするのに適した開口である。例えば、流体通過ガスケット500の孔506の寸法は、少なくとも約1mmから多くとも約6mmまでの範囲とすることができる。一実施形態において、孔506は、少なくとも約2mmの直径を有する。
【0048】
複数の孔506の数は、開状態での製品送出を可能とするのに十分な数であるが、孔の大きさにある程度依存している。実施形態においては、見られるように3つの孔がある。他の実施形態において、孔は、限定されないが、少なくとも約1つの孔から多くとも約4つの孔まで、含むことができる。
【0049】
孔506の配置は、見られるように、三角形の形態であることができる。他の実施形態において、配置は、種々の形態であってもよく、これは、限定されないが、四角形または円形の形態を含む。一実施形態において、互いに120°間隔で離間された3つの孔があってもよいが、他の実施形態において、互いに90°間隔で離間された4つの孔があってもよい。
【0050】
実質的なディスク形状の本体502は、ディスク形本体502の各側部に環状リング508を含む。一実施形態において、第1の環状リングが、孔を囲んで、下方弁106(a)の口部に一側で接続し、第2の環状リングが、孔を囲んで、上方弁110に外側で接続する。
【0051】
流体通過ガスケット500は外周縁部を含み、外周縁部は、実質的なディスク形状の本体に、複数の平坦側部510と複数の半円側部512とを交互に有している。複数の半円側部512は、種々の実施での作動時に、流体通過ガスケット500を上方弁110または下方弁106(a)に確実に保持する。複数の平坦側部510は、実質的なディスク形の本体502のどの側面にも適用することができる。例えば、平坦側部510は、限定されないが、三角タイプの形式または形態で配置された3つの側面を含んでもよい。半円側面512は、実質的なディスク形の本体502のどの側面にも適用することができる。
【0052】
半円側面512は、三角タイプの形式または形態で配置される。実施形態において、実質的なディスク形状の本体502は、交互の平坦側部510と交互の半円側部512とを含むことができる。半円側部と平坦側部の数は、それぞれ、少なくとも約1から多くとも約4までとすることができる。
【0053】
図5bは、流体通過ガスケットの実質的なディスク形状の本体502の他の側部を示す。流体通過ガスケット500の中央隆起部514は実質的な四角形とされてもよい。中央隆起部514は、限定されないが、実質的な円形、実質的な四角形または実質的な楕円形を含む形状を有することができる。
【0054】
図5cは、流体通過ガスケット500の斜視図を示す。流体通過ガスケット500は、エラストマー特性を有することができる材料から作られる。材料は、限定されないが、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル共重合体、スチレン共重合体、オレフィン、エチレンアクリル、塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン(chlorosulfonated polyethylene)、フルオロカーボン、ゴムを含む。一方、他の実施形態において、エラストマー材料は、ブチルゴム、シリコン、ブタジエンゴム、ネオプレン、ニトリル、フロロシリコン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の、比較的柔軟なまたはジェル状の材料からなってもよい。
【0055】
実施形態において、流体通過ガスケットは、下方弁106(a)と一体的に形成される。2つの部品はワンピースとして形成され、しかしながら、流体通過ガスケット500が前述の材料の一つから形成される一方で、下方弁106(a)は、前に論じられた材料のリストから形成される。他の実施形態において、流体通過ガスケットは上方弁と一体的に形成され、それぞれは異なった材料から形成される。
【0056】
種々の実施形態の特徴が説明されたが、他の実施形態において、流体通過ガスケット500は、ディスペンサーに収容された製品の用途に適したあらゆる形態で構成されることができる。例えば、流体通過ガスケット500は、あらゆる他の適切な形状および寸法で構成されてもよく、与えられた用途に望まれるあらゆる適切な孔の数、孔の大きさ、孔の形状を有してもよい。流体通過ガスケット500の孔の寸法、数および形状は、実施形態の間で変えることができる。ディスペンサーと流体通過ガスケット500の製作は、別個の製造プロセス、共同成型プロセス、または他のあらゆる適切な製造プロセスを通じて達成されることができる。
【0057】
異なる形状形態を有する移動アセンブリディスペンサー
図6−11は、移動アセンブリディスペンサーの他の実施形態を示す。これらの移動アセンブリを有するディスペンサーが、図1−4について論じられたディスペンサーの部品および特徴と類似した特徴を有することが理解される。しかしながら、以下の説明は、移動アセンブリディスペンサーの他の実施形態のための異なる特徴に着目する。実施形態は、特別な順序の参照なしに、上方および下方の、第1、第2、第3または第4の位置としての種々の位置に言及し得る。
【0058】
幾つかの実施形態において、下方弁と、上方弁と、形作られた通路を有するスリーブとを有する製品ディスペンサーがある。ユーザーは、例えば上方弁の上方ガイドピンと下方弁の下方ガイドピンとに接続されたスリーブといった機構を動かして、アセンブリを形作られた通路に沿って上方位置または下方位置に動かす。上方位置は、アプリケータを定位置に保持する伸長状態、および/または、製品を送出する開状態を含むことができる。下方位置は、アプリケータを収納する閉状態である。さらに他の実施形態において、上方弁と下方弁の間に位置された流体通過ガスケットが存在し得る。
【0059】
図6は、一実施形態に従う、閉じられた形態での、キャップ600付きで示される移動アセンブリディスペンサーの正面斜視図である。図6に関するこの実施形態において、ディスペンサー600は、L字形状604を有するスリーブ602を含む。この実施形態において、機構は、L字形状604に沿ってスライド上昇および回転するスリーブ602を含む。しかしながら、他の実施形態において、L字形状の変形または対称形があってもよい。
【0060】
図7aおよび7bは、図6の実施形態に従う、開状態での、キャップ700無しで示される移動アセンブリディスペンサーの正面図である。図7aは、下方位置での、移動アセンブリを有するディスペンサー700を示す。この下方位置で、アプリケータは引込位置にある。702で示されるのは、上方弁と下方弁が整列されたことを示す印である。L字形状または通路604は、この通路に沿ってアセンブリが案内移動されることを助ける。図7bは、上方位置または第1位置での、移動アセンブリを有するディスペンサー700を示す。この上方または第1位置で、アプリケータは上昇位置にある。図7bに示されるように、印704は、上方弁が下方弁の印706にもはや整列されていないことを示す。しかしながら、この上方または第1位置において、上方弁の少なくとも一つの孔は下方弁の少なくとも一つの孔に整列され、製品を送出する。流体通過ガスケットを有する幾つかの実施形態において、流体通過ガスケットもまた、製品送出のため、上方弁の少なくとも一つの孔および下方弁の少なくとも一つの孔に整列可能である。
【0061】
図8は、さらに他の実施形態に従う、閉状態での、キャップ800とともに示される移動アセンブリディスペンサーの正面斜視図である。図8に関するこの実施形態において、ディスペンサー800は、Y字形状804に沿って選択的に案内可能なボタン802を含む。Y字形状804に関するメカニズムは、Y字形状の右側または左側へのスライド上昇である。
【0062】
図9aおよび9bは、図8の実施形態に従う、開形態での、キャップなしで示される移動アセンブリディスペンサー900の正面図である。図9aは、ボタン802が、Y字形状804の右部分および左部分を接続する位置902に最初に位置されることを示す。 このボタンの位置902において、ディスペンサーは、製品を送出しない下方位置にある。ここで、アプリケータは引込位置にある。図9bは、ユーザーが、どのようにして、ボタン802をY字形状に沿って(破線で示されるような)左上部分904に選択的に案内するかを示す。この第1位置904で、ディスペンサーは、アプリケータを上昇位置に定位置に保持する伸長状態にある。 図9bは、ユーザーが、ボタン802をY字形状804に沿って右上部分906に選択的に案内することを示す。この第2位置906で、ディスペンサーは、製品を送出する開状態である上方位置にある。この位置906で、上方弁の少なくとも一つの孔は、下方弁の少なくとも一つの孔に選択的に整列可能である。流体通過ガスケットを有する幾つかの実施形態において、流体通過ガスケットもまた、製品送出のため、上方弁の少なくとも一つの孔および下方弁の少なくとも一つの孔に整列可能である。
【0063】
図10は、さらに他の実施形態に従う、閉形態における、キャップ1000付きで示される移動アセンブリディスペンサーの正面図である。この図10に関する実施形態において、ディスペンサー1000は、フォーク形状1004に沿って選択的に案内可能なボタン1002を含む。フォーク形状1004は、1から5までの刃先(prong)を有することができる。この実施形態において、機構は、ディスペンサーのためのフォーク形状に沿った多数のスライド部分を含む。任意の固有の動作が、上方弁と下方弁の孔を整列または非整列にする。この固有の動作は製品の流れを制御する。ある特定の実施形態において、上方弁の少なくとも一つの孔と下方弁の少なくとも一つの孔に整列可能な流体通過ガスケットがある。
【0064】
図11aおよび11bは、図10の実施形態に従う、開状態での、キャップ1100なしで示される移動アセンブリディスペンサーの正面図である。図 11aは、フォーク形状1004の左下位置1102に位置されたボタン1002を示す。この位置1102で、ディスペンサー1100は、ブラシを引っ込めて製品流れのない下方位置にある。ここで、アプリケータは引込位置にある。
【0065】
図11bは、ユーザーが、どのようにして、ボタン1102を、ディスペンサー1100のためのフォーク形状の右上部分1104に沿って上方位置に選択的に案内するかを示す。右上部分1104は、図示目的のため、破線で示される。この第1位置1104において、ブラシは上方位置で伸長され、アプリケータは定位置に保持される。ディスペンサー1100は、アプリケータを上昇位置に保持するため伸長状態にあるブラシを有する。この位置1104で、製品は送出されない。
【0066】
図11bは、ユーザーが、どのようにして、ボタン1002を、ディスペンサー1100のためのフォーク形状の中間部分または中間刃先位置1106に沿って上方位置に選択的に案内するかを示す。中間刃先位置1106は、図示目的のため、破線で示される。この第2位置1106において、ディスペンサー1100は上方位置にあり、ブラシは部分的に伸長され、ディスペンサーは、位置1106にあるとき完全に開かれないで、製品を部分的に送出する部分的開状態にある。ディスペンサー1100は、アプリケータを上昇位置に保持するため伸長状態にある。この位置1106で、上方弁の少なくとも一つの孔は、下方弁の少なくとも一つの孔に部分的に選択的に整列可能である。流体通過ガスケットがある幾つかの実施形態において、流体通過ガスケットは、製品送出のため、上方弁の少なくとも一つの孔と下方弁の少なくとも一つの孔とに部分的に選択的に整列可能である。
【0067】
図11bは、ユーザーが、フォーク形状の右上部分または右刃先位置1108に位置されたボタン1002を選択的に案内することも示す。この第3位置1108で、ディスペンサー1100は上方位置にあり、ブラシは完全に伸長され、ディスペンサーは、完全に開かれるよう、製品を送出する完全開状態にある。 この第3位置1108で、上方弁の少なくとも一つの孔は、下方弁の少なくとも一つの孔に選択的に整列可能である。流体通過ガスケットがある幾つかの実施形態において、流体通過ガスケットは、製品送出のため、上方弁の少なくとも一つの孔と下方弁の少なくとも一つの孔に選択的に整列可能である。
【0068】
結論
本発明が、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言葉で説明されたけれども、本発明が、説明された特有の特徴または行為に必ずしも限定されないことが理解されるはずである。どちらかといえば、特有の特徴と行為は、本発明を実施する例示形態として開示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用ディスペンサーであって、
製品を収容するリザーバを有し、少なくとも1つの孔を有する下方弁と、
前記下方弁に接続され、少なくとも1つの孔を有する上方弁と、
前記下方弁と前記上方弁を部分的に覆い、形作られた通路を有するスリーブと、
を備え、
前記下方弁と前記上方弁は、形作られた通路に沿って、i)前記ディスペンサーが製品を送出する上方位置と、ii)前記ディスペンサーを収納する下方位置と、の間で選択的に整列可能であり、
製品を塗布すべく前記上方弁に接続されたアプリケータをさらに備えた、化粧用ディスペンサー。
【請求項2】
前記スリーブの前記形作られた通路が、実質的なJ字形状、実質的なL字形状、実質的なT字形状、実質的なフォーク形状、または実質的なY字形状のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項3】
前記上方弁に配置されたガイドピンをさらに備え、前記ガイドピンは、前記形作られた通路に沿って選択的に案内可能であり、前記上方弁および前記下方弁を、i)前記ディスペンサーが製品を送出するための開状態となる前記形作られた通路に沿った第1位置と、ii)前記ディスペンサーが前記アプリケータを収納するための閉状態となる前記形作られた通路に沿った第2位置との間で選択的に移動させる、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項4】
前記上方弁に配置されたガイドピンをさらに備え、前記ガイドピンは、実質的なL字形状に沿って選択的に案内可能であり、前記上方弁および前記下方弁を、i)前記ディスペンサーが、前記アプリケータを定位置に保持する伸長状態にあり、前記製品を送出するための開状態にある第1位置と、ii)前記ディスペンサーが、前記アプリケータが引き込まれる引込状態であり、前記リザーバ内の前記製品をシールする閉状態にある第2位置との間を選択的に移動させる、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項5】
前記上方弁に配置されたガイドピンをさらに備え、前記ガイドピンは、実質的なY字形状に沿って選択的に案内可能であり、前記上方弁および前記下方弁を選択的に移動させ、前記ガイドピンは、i)前記ディスペンサーが、前記アプリケータを定位置に保持する伸長状態にある第1位置と、ii)前記ディスペンサーが、前記製品を送出するための伸長状態および開状態にある第2位置と、iii)前記ディスペンサーが、前記アプリケータが引き込まれる引込状態にあり、前記リザーバ内の前記製品をシールする閉状態にある第3位置との間で選択的に案内可能である、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項6】
前記上方弁に配置されたガイドピンをさらに備え、前記ガイドピンは、実質的なフォーク形状に沿って選択的に案内可能であり、前記上方弁および前記下方弁を、i)前記ディスペンサーが、前記アプリケータを定位置に保持する伸長状態にある第1位置と、ii)前記ディスペンサーが、前記製品を送出するための伸長状態および部分的開状態にある第2位置と、iii)前記ディスペンサーが、前記製品を送出するための伸長状態および完全開状態にある第3位置と、iv)前記ディスペンサーが、前記アプリケータが引き込まれる引込状態にあり、前記リザーバ内の前記製品をシールする閉状態にある第4位置との間で選択的に移動させる、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項7】
前記下方弁と前記上方弁の間に接続された流体通過ガスケットをさらに備え、前記流体通過ガスケットは、実質的なディスク状のエラストマー本体を有する、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項8】
流体通過ガスケットをさらに備え、前記流体通過ガスケットが、
頂部側における頂部隆起中央部分と底部側における底部隆起中央部分と、
実質的なディスク形状の本体に配置された少なくとも一つの孔であって、製品の送出通路を画成すべく、前記下方弁の前記少なくとも一つの孔と前記上方弁の前記少なくとも一つの孔とに整列可能である孔と、
前記実質的なディスク形状の本体の前記底部側における前記少なくとも一つの孔を取り囲み、前記流体通過ガスケットを前記下方弁に接続する第1の環状リングと、
前記実質的なディスク形状の本体の前記頂部側における前記少なくとも一つの孔を取り囲み、前記流体通過ガスケットを前記上方弁に接続する第2の環状リングと、
外周部であって、前記実質的なディスク形状の本体において交互の複数の平坦側部と複数の半円側部とを有し、前記複数の半円側部が、作動時、前記流体通過ガスケットを定位置に保持する外周部と、
を備える、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項9】
前記流体通過ガスケットの前記少なくとも1つの孔が、実質的な円形状、実質的な四角形状、または実質的な楕円形状を有する、請求項8に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項10】
前記上方弁と前記下方弁が前記上方位置と前記下方位置との間で移動されるとき、前記流体通過ガスケットが垂直に移動する、請求項7に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項11】
前記上方弁が、製品送出のための少なくとも1つのパイプを備える、請求項1に記載の化粧用ディスペンサー。
【請求項12】
ディスペンサーであって、
製品を収容するリザーバを有する下方弁と、
前記下方弁に接続された上方弁であって、前記上方弁と前記下方弁とが、上昇位置と引込位置との間で選択的に移動可能な上方弁と、
前記上方弁と前記下方弁を覆い、形作られた通路を有するスリーブと、
を備え、
前記上方弁と前記下方弁は、前記スリーブの前記形作られた通路に沿って、前記上昇位置と前記引込位置との間で選択的に案内可能であり、
製品を塗布すべく前記上方弁に接続されたアプリケータと、
前記上方弁と前記下方弁の間に介在され、少なくとも一つの孔とエラストマー材料を含む流体通過ガスケットと、
をさらに備えた、ディスペンサー。
【請求項13】
前記上昇位置が、製品を送出する開状態としての使用位置を規定し、前記引込位置が、ディスペンサーを収容する閉状態としての非使用位置を規定する、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記形作られた通路が、実質的なJ字形状、実質的なL字形状、実質的なT字形状、実質的なフォーク形状、または実質的なY字形状のうちの少なくとも一つを有する、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記上方弁に接続されたガイドピンをさらに備え、前記ガイドピンは、前記スリーブの前記形作られた通路において選択的に移動可能である、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項16】
前記形作られた通路の案内可能な位置における前記下方弁と前記上方弁の移動が、前記スリーブを回転させること、またはガイドピンを移動させることの少なくとも一つを含む、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記上方弁に配置されたガイドピンをさらに備え、ユーザーは前記ガイドピンを前記形作られた通路に沿って選択的に移動させ、これが、前記上方弁および前記下方弁を選択的に移動させ、前記ガイドピンが、
iii)前記ディスペンサーが開状態となり、前記アプリケータが製品を送出すべく上昇される、前記形作られた通路に沿った第1位置と、
iv)前記ディスペンサーが閉状態となり、前記アプリケータが引込まれる、前記形作られた通路に沿った第2位置と、
の間で選択的に案内可能である、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項18】
前記流体通過ガスケットが、
頂部隆起中央部分と底部隆起中央部分とを有する実質的なディスク形状の本体と、
前記実質的なディスク形状の本体の底部側における前記少なくとも一つの孔を取り囲む第1の環状リングと、
前記実質的なディスク形状の本体の頂部側における前記少なくとも一つの孔を取り囲む第2の環状リングと、
を備える、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項19】
前記流体通過ガスケットの外周部が、前記実質的なディスク形状の本体において交互の複数の平坦側部と複数の半円側部とを有する、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項20】
形作られた通路を有するディスペンサーであって、
製品を収容するリザーバを有し、少なくとも1つの孔を有する下方弁と、
前記下方弁に接続され、少なくとも1つの孔を有する上方弁と、
前記形作られた通路を有し、前記下方弁と前記上方弁を少なくとも部分的に取り囲むスリーブと、
前記上方弁におけるガイドピンと、
を備え、
前記ガイドピンは、前記形作られた通路に沿って、前記ディスペンサーが製品を送出する開位置へと選択的に案内可能であり、
前記ガイドピンは、前記形作られた通路に沿って、前記ディスペンサーを収納する閉位置へと選択的に案内可能であり、
製品を塗布すべく前記上方弁に接続されたアプリケータをさらに備えた、ディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【公開番号】特開2010−115471(P2010−115471A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42733(P2009−42733)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(508140730)エイチシーティー アジア リミテッド (5)