説明

案件対応漏れ防止システム及び案件対応漏れ防止方法

【課題】共通メールアカウントを多人数で使用する場合の、受信メール対応漏れを防止する案件対応漏れ防止システムを提供する。
【解決手段】案件対応漏れ防止システム10は、メールサーバ11、データベース13、クライアント端末12、管理者端末14から構成され、メールサーバ11にて受信した電子メールは、from、to、subject、body等の各属性に分解されデータベース13に記録されると共に、データベース13に記録するメール判定条件に基づいてユーザを判定し、当該ユーザが使用しているクライアント端末12に対して電子メールを受信した旨のポップアップ表示を行い、電子メールの内容を確認し対応を行うよう指示する。判定されたユーザが不在などで対応できない場合は、その上位グループに対してポップアップ表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日々数十〜数百件の電子メールによる問い合わせを受け付けるようなサポートセンター等において、電子メールの見落としなどに起因する対応漏れの抑制を図ることのできる案件対応漏れ防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客の窓口となる業務を行う際、顧客は代表電話番号に電話をかけ、複数いるオペレータなどのユーザの内空いているユーザに接続し、顧客からの問い合わせ等に応じるシステムが、主に大規模なサポートセンター等で用いられている。しかしながら、電話回線による応対は、時間帯によってひどく混雑し、顧客が任意の時間に電話を行っても、所望の時間に応対を終えることができず、また接続がままならずに応対すら行うことができない場合が多々あった。
【0003】
近年のインターネットの普及により、顧客窓口のあり方も多様化し、多くの企業が電話受付に加えて、電子メールによる顧客対応を行うようになっている。電子メールを用いることで、顧客は内容を電子メールに記載して送信するだけで良く、電話による窓口対応と比較して対応に掛かる間拘束される時間を著しく短縮することができる。
【0004】
通常、電子メールを用いた窓口は、顧客の利便性の向上のために、共通の電子メールアカウントを設け、アクセスルートを一本化し、複数のユーザが当該アカウントにアクセスし、メールを受信して対応を行うが、この方法を用いることで受信メールが多数によって受信されてしまい、何れのユーザが処理しているのかを把握することが困難であった。これを解決するに当たり、特許文献1では、ある窓口が使用するアカウントの受信メールボックスに送信された電子メールが所定の時間未読状態が続いた場合、当該電子メールのSubject(件名)に含まれるキーワードから別のユーザを判定し、該当するユーザに転送する構成が開示されている。本文献によれば、ユーザ不在であっても受信メールが他のユーザに転送されることで、受信メールの対応漏れ防止を図ることができる。
【0005】
また、特許文献2では、受信メールの重要度等によって転送ユーザを決定し、当該転送ユザによって受信メールの受信・開封が行われずに、予め決められた再転送時間を経過した場合、複数のユーザから構成されるグループから重要度に応じたグループを選択し、再転送を行うとともに、グループに対して転送を行う前に受信メールを転送ユーザに対して、転送を行ったことを報知する電子メールを送信する構成が開示されている。本文献は、上記特許文献1と比較して、転送先を複数のユーザとすることで、受信メールの対応漏れ防止を更に強化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−240639号公報
【特許文献2】特開平08−314827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2は、未開封受信メールの転送を目的としており、受信メールの処理自体は転送先のユーザが行わなくてはならず、ユーザが受信メールの処理を忘れてしまったり、処理に時間が掛かっている状態を検知できず、また、第三者から対応状況等を確認することができないため、ユーザが自発的に上長等の管理者に申告しなければそのまま対応漏れを引き起こしてしまう虞があった。
【0008】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、受信メールの一元管理が可能で、且つ電子メールの受信をユーザに報知し、ユーザが対応できない状態の場合、上位のグループに対応するよう報知する案件対応漏れ防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る案件対応漏れ防止システムは、ユーザが個別に管理使用するクライアント端末と、電子メールの送受信を行うメールサーバとから構成され、複数のユーザから構成される1つ以上のグループが共通メールアカウントを用いて、当該共通メールアカウントによって受信した電子メールに記載の事案(以下、単に事案と称呼する)の応対を行うシステムであって、該システムは受信した電子メールを保存するメールデータ管理テーブル、ユーザを管理するユーザ管理テーブル、前記ユーザが個々に所属するグループ及び該グループの上下関係を管理するグループ管理テーブル、受信した電子メールに割り当てるユーザを判定するための条件を管理するメール判定条件管理テーブル、事案の対応状況のうち、少なくとも割り当てられたユーザが自身に無関係であることを示すステータス「関係無」を登録することができるメールステータス管理テーブルを有するデータベースと、ユーザに事案の応対を促すと共にユーザが電子メールの応対ステータスを前記メールステータス管理テーブル登録するためのステータス登録手段を有するポップアップを表示するポップアップ表示手段を備え、前記メールサーバが電子メールを受信した際、電子メールの内容を前記メールデータ管理テーブルに登録すると共に、前記メール判定条件管理テーブルに基づいて対応予定となるユーザを判別し、当該ユーザが使用する前記クライアント端末に当該電子メールの応対を行うよう前記ポップアップ表示手段によってポップアップ表示を行い、前記ポップアップ表示が行われてから所定の時間が経過してもステータス登録がなされない、又は当該ユーザによって「関係無」のステータスが前記ポップアップ表示によって登録された場合、前記ポップアップ表示手段は当該ユーザが所属するグループ上位のグループを前記グループ管理テーブルから判別し、当該上位グループに所属するユーザが使用するクライアント端末に対し、当該事案に応対するよう促すためのポップアップ表示を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る案件対応漏れ防止システムは、請求項1記載の案件対応漏れ防止システムにおいて、前記クライアント端末から、受信した電子メールのダウンロードの要求を受けた際、当該クライアント端末の電子メールのダウンロードを許可すると共に、電子メールをダウンロードしたユーザをダウンロード履歴情報としてデータベースに蓄積し管理する電子メールダウンロード手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る案件対応漏れ防止システムは、請求項2記載の案件対応漏れ防止システムにおいて、所望の電子メールの削除を行う際に、前記ダウンロード履歴情報に基づいてダウンロードを行ったユーザへ該当電子メールの削除を一括で通知し、該当ユーザのクライアント端末にポップアップ表示を行うダウンロードデータ削除通知手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る案件対応漏れ防止システムは、請求項1から3のいずれか1項記載の案件対応漏れ防止システムにおいて、前記メールステータス管理テーブルは、現在対応中の事案であることを示す「処理中」を登録することができ、電子メールによる事案の受付から所定の時間が経過した場合、応対を行っているユーザが使用するクライアント端末に対してポップアップ表示を行い、再確認を行うフォロー手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る案件対応漏れ防止システムは、請求項1から4の何れか1項記載の案件対応漏れ防止システムにおいて、営業開始時間、営業終了時間及び営業日を管理する営業時間管理手段を備え、電子メールの受信が前記営業開始時間及び前記営業終了時間の間に行われていない場合、前記ポップアップ表示を次回営業開始時間到達まで保留し、営業開始時間となった際に、前記ポップアップ表示を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る案件対応漏れ防止システムは、請求項1から5の何れか1項記載の案件対応漏れ防止システムにおいて、前記クライアント端末からのリクエストに応じて前記クライアント端末に操作画面を表示させ、該操作画面を介して電子メールの対応を行うユーザの変更が可能とする対応ユーザ変更手段を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る案件対応漏れ防止方法は、1乃至複数のユーザが属するグループが階層状に構成され、該グループが共通メールアカウントを用いて、当該共通メールアカウントによって受信した電子メールに記載の事案の応対を行う案件対応方法であって、
メールサーバが受信した電子メールから対応予定となるユーザを判別し、ユーザが使用するクライアント端末に、電子メールを受信したことを報知するポップアップ表示を行い、当該ポップアップ表示を受けたユーザによって当該事案の応対ステータスをデータベースに登録させ、
また、前記ポップアップ表示が行われてから所定の時間が経過してもデータベースに対して応対ステータスの登録がなされない、又はデータベースに対して当該ユーザによって「関係無」のステータスが前記ポップアップ表示によって登録された場合、当該ユーザが所属するグループの上位のグループを判別し、当該上位グループに所属するユーザが使用するクライアント端末に対し、当該事案に応対するよう促すためのポップアップ表示を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載に係る案件対応漏れ防止方法は、請求項7記載の案件対応漏れ防止方法において、ユーザが使用するクライアント端末から、受信した電子メールのダウンロードの要求を受けた際、当該クライアント端末の電子メールのダウンロードを許可すると共に、電子メールをダウンロードしたユーザをダウンロード履歴情報としてデータベースに蓄積し管理することを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る案件対応漏れ防止方法は、請求項8記載の案件対応漏れ防止方法において、所望の電子メールの削除を行う際に、前記ダウンロード履歴情報に基づいてダウンロードを行ったユーザへ該当電子メールの削除を一括で通知し、該当ユーザのクライアント端末にポップアップ表示を行うことを特徴とする
【0018】
請求項10に係る案件対応漏れ防止方法は、請求項7から9の何れか1項記載の案件対応漏れ防止方法において、前記メールステータス管理テーブルは、現在処理中の事案であることを示す「処理中」を登録することができ、電子メールによる事案の受付から所定の時間が経過した場合、応対を行っているユーザが使用するクライアント端末に対してポップアップ表示を行い、再確認を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る案件対応漏れ防止方法は、請求項7から10の何れか1項記載の案件対応漏れ防止方法において、営業開始時間、営業終了時間及び営業日を管理する営業時間管理手段を備え、電子メールの受信が前記営業開始時間及び前記営業終了時間の間に行われていない場合、前記ポップアップ表示を次回営業開始時間到達まで保留し、営業開始時間となった際に、前記ポップアップ表示を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る案件対応漏れ防止方法は、請求項7から11の何れか1項記載の案件対応漏れ防止方法において、前記クライアント端末からのリクエストに応じて前記クライアント端末に操作画面を表示させ、該操作画面を介して電子メールの対応を行うユーザの変更が可能とすることを特徴とする
【発明の効果】
【0021】
本発明の案件対応漏れ防止システムによれば、窓口として用いる共通メールアカウント宛に電子メールが送信されると、案件対応漏れ防止システムが当該電子メール(以降受信メールと称呼)をデータベースに記録するとともに、受信メールのユーザを判定する。判定されたユーザが使用するクライアント端末に対して受信メールがある旨のポップアップ表示を行うことで、ユーザにこれを報知し、ユーザに対して処理を指示するが、ユーザが所定の時間処理を行わなかったり、クライアント端末が通信不可能な状態であったりと、ユーザが受信メールの処理を行えないと判断された場合、当該ユーザの上位グループに属する別のユーザ宛に自動的にポップアップ表示を行い、受信メールの対応を促すことができる。
【0022】
また、ユーザは受信メールを自身が使用するクライアント端末にダウンロードすることができ、従前用いられる電子メールと同様の作業性を確保すると共に、不用意なファイルの拡散を防止することができる。また、その際ダウンロード履歴を管理するので、どのユーザが受信メールをダウンロードしたかを容易に把握することができる。
【0023】
また、例えば顧客から電子メール及びそれに添付したファイル等の削除の指示を受けた場合など、関連するファイルの削除が必要な場合、ダウンロード履歴を参照してダウンロードしたユーザを特定し、当該ユーザに削除依頼を一括でポップアップ表示によって通知することで、確実なファイルの削除を行うことができる。
【0024】
また、管理者グループからユーザに対して、案件対応漏れ防止システムを介して受信メールの対応を行うよう要請することができ、ユーザが複数の案件処理によって対応漏れが生じることを防止することができる。
【0025】
また、営業時間外に受信したメールは即時にポップアップ表示処理を行うのではなく、案件対応漏れシステムによってキュー処理がなされ、次回営業時間となった際に、ポップアップ表示によって受信メールの通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例における、案件対応漏れ防止システムを示す概念図である。
【図2】本発明の実施例における、案件対応漏れ防止システムの構成を示すブロック図である。
【図3】同上、案件対応漏れ防止システムの動作概略を示す説明図である。
【図4】同上、案件対応漏れ防止システム全体の動作を示すフローチャートである。
【図5】同上、データベースを構成するメールデータ管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】同上、データベースを構成するユーザ管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】同上、データベースを構成するグループ管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】同上、データベースを構成するメールダウンロード先管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】同上、データベースを構成する送信元判定条件管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】同上、データベースを構成するメール判定条件管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図11】同上、データベースを構成する休業日管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図12】同上、データベースを構成するメールステータス管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図13】同上、データベースを構成する転送履歴管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図14】同上、データベースを構成する転送先管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図15】同上、電子メールを受信した際の案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図16】同上、受信メールのユーザ判定を行う際の案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図17】同上、受信メールを報知するためのポップアップ表示を行う際の案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図18】同上、上位グループに再通知を行う際の案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図19】同上、処理中の受信メールが存在する場合のフォロー処理における案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図20】同上、ユーザによる受信メールのステータス更新処理における案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図21】同上、受信メールの削除処理における案件対応漏れ防止システムの動作を示すフローチャート図である。
【図22】同上、案件対応漏れ防止システムを利用する際の画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1から図22を参照して説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0028】
図1に基づいて、案件対応漏れ防止システムの概念を説明する。10は案件対応漏れ防止システムである。案件対応漏れ防止システム10は、外部からの電子メール(以下、単にメールと称呼する)、主に顧客と関連会社からのメールをメールサーバ11が受信した際、当該電子メールをメールヘッダに応じて分解しデータベース13に格納し、応対するに相応しいユーザを自動的に判定して当該ユーザが使用するクライアント端末12が起動している場合当該クライアント端末12にポップアップ表示を行い、判定したユーザのクライアント端末12が起動していない場合は、当該ユーザが所属するグループの上位グループに所属するユーザ宛にポップアップ表示を行い当該メールの応対を促すものである。尚、本実施例において、メールサーバ11には代表電子メールアドレスが設定されており、全てのメールは当該代表電子メールアドレスに送信されるものとする。
【0029】
顧客21または関連会社/部署22(以降、単に関連会社と称呼する)からインターネット30を介してメールサーバ11に問い合わせやクレーム等の電子メールが送信される。メールサーバ11は受信したメールをメールヘッダ(件名や宛先、CC先、送信日時等)毎に分解してデータベース13に格納する。受信メールをデータベース13に格納した後、メール判定条件管理テーブルによって当該受信メールのユーザを判別し、当該ユーザが使用するクライアント端末(12a及び12b)に対してポップアップ表示を行う。このようにして、受信メールをユーザが直接受信するのではなく、案件対応漏れ防止システムを介して外部から受信メールが届いたと通知することで、受信メールの一元管理を行うことができる。また受信メールは案件対応漏れ防止システム1の図示しない記憶領域に移動され、クライアント端末からダウンロード要求があった場合、当該ダウンロードを受け付けると共に、ダウンロードが完了した際に、メールダウンロード先管理テーブルにて該当メールのメールID、ダウンロードを行ったユーザIDを記録する。
【0030】
続いて、案件対応漏れ防止システムの構成について図2に基づいて説明する。案件対応漏れ防止システム10はクライアント端末12に対してメールが着信したことを報知するためのポップアップ表示手段101、電子メールサーバ11から取得した電子メールをダウンロード可能な状態とし、クライアント端末12からのダウンロードリクエストを受けた場合、当該クライアント端末12を記録した後ダウンロードを許可する電子メールダウンロード手段102、顧客の依頼などダウンロードデータを削除しなければならない場合に該当データをダウンロードしたクライアント端末12に削除通知を行うダウンロードデータ削除通知手段103、電子メールが処理中となってから所定の時間が経過しても対応済みとならない場合に担当者が使用するクライアント端末12に対してポップアップ表示を行うフォロー手段104、営業日や営業時間を管理する営業時間管理手段105、電子メールの対応者を他のユーザに変更する対応ユーザ変更手段106を備える。
【0031】
上記構成の案件対応漏れ防止システム10の主たる動作の概要を同じく図2に基づいて説明する。顧客、関連部署、関連会社から案件対応漏れ防止システム10を備えた対応部署(例えばサポートセンター等)の電子メールサーバ11宛に、インターネット30を介して問い合わせの電子メールが送信され、電子メールサーバ11に蓄積される。案件対応漏れ防止システム10は、電子メールサーバ11から電子メールを取得し、当該電子メールに含まれる情報を分解してメール管理データベース13に蓄積し、当該情報から対応するべきユーザを選定し、ポップアップ表示手段101によってユーザが使用するクライアント端末12に対して当該電子メールの対応を促すポップアップ表示を行う。ポップアップ表示から所定の時間が経過するか、当該電子メールが自分の担当ではないという選択をユーザが行った場合、当該電子メールはメール管理データベース13の転送先管理テーブルに記憶された転送先に属するユーザに対してポップアップ表示を行い、当該電子メールの対応者が決定するまでこれを繰り返す。
【0032】
続いて、案件対応漏れ防止システム10の動作を更に詳しく説明する。電子メールを受信した際の案件対応漏れ防止システム10によるポップアップ表示の動作について、図3に基づいて説明する。メールサーバ11にユーザ(ここでは担当者Aとする)宛の電子メールが着信する。当該電子メールはその件名やタイトル、その他の情報の解析及び分解が行われ、メール管理データベース13に登録される。その後、案件対応漏れ防止システム10の定時チェックポップアップ通知がなされていない、即ち「未着手」の電子メールが存在すると判別された場合、解析によって得られた担当者Aが使用するクライアント端末12に対して電子メールが着信したこと報知するポップアップ表示がなされる。表示されたポップアップには、ユーザに当該電子メールの対応状況を案件対応漏れ防止システム10に通知させるためのステータス通知手段(図中における「関係無」、「処理中」、「対応済」の各種ボタン)が設けてあり、何れかのボタンをユーザが操作することで、案件対応漏れ防止システム10に電子メールの対応状況を登録することができる。図3において、担当者Aが当該電子メールのポップアップ表示に対し「関係無」を操作する、若しくはポップアップ表示から所定の時間が経過した場合、案件対応漏れ防止システム10は、メール管理データベース13のメールステータス管理テーブルにおいて、「関係無」として当該電子メールのステータスを、担当者Aの操作時刻を通知時刻として各々更新する。案件対応漏れ防止システム10は、メールステータス管理テーブルに蓄積される電子メールのステータスを「関係無」とされたデータが存在するか定期的に監視し、該当データが存在する場合、例えばユーザ名列に「担当者A」と登録されている場合は、その上位グループ、例えば担当者Aの上司にあたる「担当者B」をユーザ名列に、ステータスを「未着手」として更新する。以降、何れかのユーザによって「処理中」または「対応済」としてステータスが更新されるまで、上記動作を繰り返す。
【0033】
また、ユーザがポップアップ表示にて「対応済」を操作した場合は、メール管理データベースの該当電子メールのステータスを「対応済」とし、案件対応漏れ防止システム10による電子メールデータの監視処理を完了する。
【0034】
上記の案件対応漏れ防止のための方法を実現する案件対応漏れ防止システム10の、1通の電子メールの着信に係る動作の概要について図4に基づいて説明する。最初に、受信した電子メールの取り込み処理を行い、分解・解析を行い、データベースに登録する(S401)。続いて、データベースに登録した電子メールデータからユーザを判定し、ポップアップ通知を行う宛先を決定する(S402)。続いて、営業時間管理手段によって現在時刻が営業時間であるかを判別し(S403)、営業時間外であれば処理を中断し、営業時間後に移行の処理を再開する。営業時間内であれば、決定した宛先となるユーザが用いるクライアント端末12に対してポップアップ表示による着信通知を行う(S404)。ポップアップ表示に対するクライアント端末からの回答が「関係無」である場合は転送判定処理を行う(S405)。クライアント端末からの回答が「処理中」であり、所定の時間が経過した場合、フォロー処理を行う(S406)。電子メールに対する対応を終えた後、添付の資料等のファイルの削除依頼があった場合、ユーザへの削除確認処理を行う(S407)。案件対応漏れ防止システム10は、以上の処理を繰り返し行うものである。
【0035】
データベース13によって管理されるメールデータ及び付随する情報の管理のためのテーブル構成の一例について説明する。図5は、受信したメールデータをヘッダの情報(from、to、subject、body等)で分解して格納するためのメールデータ管理テーブルを示している。受信メールには、当該メールを一意に特定するためのIDが付与されメールID列に格納される。メールヘッダに含まれるfrom情報が送信元アドレス列へ、date情報が着信日時列へ、subject情報がメール主題列へ、body情報がメール本文列へ、to情報が宛先アドレス列へ、後述のメール本体をファイルとしてダウンロードする処理の際に用いるメール本体のパスがメール本体パス列へ、宛先アドレスによって判別される送信者の種別が種別列へ、それぞれ格納される。また、後述のユーザ判定処理にて判定されポップアップ表示によって応対要求がなされたグループが通知先一覧列へ、実際に対応を行ったユーザのユーザIDがユーザID列へ格納される。
【0036】
図6はユーザ管理テーブルの構成の一例を示している。ユーザID列には個々を一意に特定するためのユーザIDが付され、ユーザ管理テーブルにはユーザIDに基づいて各種情報が格納される。ユーザID列には先述のユーザIDが格納され、ユーザ名列にはユーザIDに該当するユーザの氏名が格納される。IPアドレス列にはユーザIDに該当するユーザが主として使用するクライアント端末12のIPアドレスが格納される。
【0037】
図7はグループ管理テーブルの構成の一例を示している。所属グループを識別するためのグループ名がグループ名列に格納され、当該グループに属するユーザのユーザIDがユーザID列に格納される。
【0038】
図8はメールダウンロード先管理テーブルの構成の一例を示している。何れの受信メールのダウンロード状況を示すかを特定するためのメールID列、当該受信メールのダウンロード者を特定するためのユーザID列、削除依頼が行われたか否かを示す削除依頼フラグ列、削除状態を示す削除ステータス列、削除依頼フラグが1(削除依頼済み)の場合ダウンロード者にこれを通知した時刻を示す通知時刻列、から構成される。
【0039】
図9は送信元判定条件管理テーブルの厚生の一例を示している。送信元がどのような相手であるかを示す種別列、当該種別に当てはまる条件を示す判定条件列、から構成される。
【0040】
図10はメール判定条件テーブルの構成の一例を示している。受信メールを各グループに自動的に振り分ける際に用いるキーワードを管理するものであり、グループを示すグループ名列と、これに対応する判定条件を格納するキーワード列から構成される。図11は受信メール受付の休業日を管理する休業日管理テーブルである。
【0041】
図12は受信メールの応対状況を管理するメールステータス管理テーブルである。受信メールを一意に特定するメールIDを格納するメールID列、該当受信メールの処理を行うユーザを格納するユーザID列、対応処理に対するフォロー処理を行う予定時刻を格納するフォロー時刻列、処理中の受信メールの状況を格納するステータス列、対応を行うよう指示され転送されたグループを格納するグループ名列から構成される。
【0042】
図13は受信メールの転送履歴を管理する転送履歴管理テーブルである。受信メールを特定するメールID列、転送先グループを示す通知先列、転送先グループにおけるポップアップ表示時刻を示す通知時刻列、から構成される。
【0043】
図14はグループ間における転送先の管理を行う転送先管理テーブルである。転送元となるグループの名称を格納するグループ名列、転送先となるグループの名称を格納する転送先列、ユーザにポップアップ表示を行ってからステータス更新がなされず、ポップアップ表示を転送するための待機時間を格納する転送時間列、から構成される。
【0044】
以上のように構成されるテーブルを備えるデータベースを用いた案件対応漏れ防止システム10の動作について、図15〜22に基づいて説明する。
【0045】
図15はメールを受信した際の案件対応漏れ防止システム10の動作を示すフローチャートである。最初に、受信メールの定時チェックを行う。チェック時間が到達した場合、メールボックスに受信メールがあるか否かを判別する(S1501)。受信メールがある場合、当該受信メールのヘッダ情報から、送信元判定条件管理テーブルに記憶される情報とパターンマッチングを行い、メール送信元の判定を行う(S1502)。判定したメール送信元と分解したメールヘッダ、本文をデータベース13のメールデータ管理テーブルに登録する(S1503)。受信メールを1つのファイルとしてローカルフォルダに保存し、当該ローカルフォルダのパスをメールデータ管理テーブルのメール本体パス列に登録する(S1504)。以上の動作を、受信メールの定時チェックの際に行う。
【0046】
続いて、受信メールのユーザ判定処理について図16に基づいて説明する。データベース13のメールデータ管理テーブルにユーザ未判定を示す、通知先一覧列が空欄の受信メールがあるかをチェックする(S1601)。ユーザ未判定の受信メールがある場合は、メール主題列及びメール本文列に格納されたデータと、メール判定条件管理テーブルのキーワード列とを照合し、キーワード列に格納された単語がメール主題列及びメール本文列に含まれるか否かを判別する(S1602)。キーワードが含まれている場合、当該キーワードに合致するグループをメールデータ管理テーブルの通知先一覧列に登録する。(S1603)。登録されたキーワードが何れも合致しない場合は、上位グループである「管理者」グループをメールデータ管理テーブルの通知先一覧列に登録する(S1604)。通知先一覧列に登録したグループに所属しているユーザ全員について、ステータスを「未着手」としてメールステータス管理テーブルを更新する(S1605)。
【0047】
次に、受信メールの応対要求をするためのポップアップ表示手段の動作について図17に基づいて説明する。メールステータス管理テーブルにおいて、同一メールIDのレコードを抽出し、それらの中にステータスが「処理中」又は「対応済」であるものが存在せず、更に通知先一覧列が「未着手」、且つフォロー時刻列が空白のレコードが存在するかを判別する(S1701)。S1701にて、当該条件に合致する場合、当該受信メールのユーザのクライアント端末12が通信可能であるか否かを判別する(S1702)。通信可能である場合は、当該受信メールのユーザのクライアント端末12に着信を知らせると共にステータス更新を促すポップアップ表示を行うことで当該受信メールのユーザに応対要求を行い、更にメールステータス管理テーブルの当該受信メールのフォロー時刻列に現在時刻を登録する(S1703)。ユーザのクライアント端末12と通信が出来ない場合は、メールステータス管理テーブルの当該受信メールのステータスを「関係無」に更新する(S1704)。ステップS1701にて、該当するレコードが存在しない場合は、ポップアップ表示処理を終了する。
【0048】
続いて、上記応対要求ポップアップ表示処理のステップS1703の後、ユーザが応対要求に対して「関係無」とした場合、若しくはステップS1704に示すように、ユーザによるポップアップ表示処理がタイムアウトし案件対応漏れ防止システム10によってステータス「関係無」とされた場合の転送先判定処理について図18に基づいて説明する。メールステータス管理テーブルにおいて、同一メールIDのレコードを抽出し、それらの中にステータスが「処理中」又は「対応済」であるものが存在せず、且つフォロー時刻列が空白ではないレコードが存在するかを判別する(S1801)。存在する場合、該当レコードのグループ名列を元に転送先管理テーブルを参照して転送時間を取得し、グループ名列に登録されたグループ毎に、現在時刻からフォロー時刻列を差し引いた値を算出し、当該算出値が転送先管理テーブルの転送時間の値をオーバーしている場合ステータスを「関係無」(タイムアウト状態)に変更する(S1802)。対象となる同一のメールIDのレコードのステータスを参照し、全て「関係無」かを判別する(S1803)。全て「関係無」の場合、メールステータス管理テーブルに登録された同一メールIDのレコードの内、グループ名列の値を一時的に記憶し、当該メールIDのレコードを全て消去する(S1804)。一時的に記憶したグループ名の値をキーとして、転送先管理テーブルのグループ名列の値とマッチングし、転送先列から転送先となるグループを読み込む(S1805)。読み込んだ転送先グループに所属しているユーザ全員をステータス「未着手」、フォロー時刻を空白にし、メールステータス管理テーブルに登録する(S1806)。ステップS1801及びステップS1803にて該当レコードが存在しない場合は処理を終了する。
【0049】
続いて、処理中の受信メールの対応漏れを防止するためのフォロー手段の動作について、図19に基づいて説明する。メールステータス管理テーブルにて、同一メールIDのレコードにステータスが「対応済」のものがなく、且つ「処理中」のものが存在するかを判別する(S1901)。現在時刻が当該受信メールのフォロー時刻列を経過しているかを判別する(S1902)。フォロー時刻を経過している場合、ステータスが「処理中」となっているレコードを参照し、対応中のユーザを指し示すユーザIDをユーザID列から取得し、該当ユーザが使用するクライアント端末12と通信可能か否かを判別する(S1903)。通信可能である場合、ユーザのクライアント端末12に応対の進捗を確認するポップアップ表示を行い、次回のフォロー処理予定時刻をメールステータス管理テーブルに更新登録する(S1904)。ユーザのクライアント端末12と通信が出来ない場合は、メールステータス管理テーブルの当該受信メールのステータスを「関係無」に更新する(S1905)。ステップS1901にて、該当レコードが存在しない場合は、フォロー処理を終了する。
【0050】
前述のユーザ判定処理及びフォロー処理に続く、ユーザの応答処理について、図20に基づいて説明する。案件対応漏れ防止システム10から、ユーザが使用するクライアント端末12に対してステータス応答を求めるポップアップ表示を行う(S2001)。応答を要求されたユーザが使用するクライアント端末によって応答できる状態かを判別する(S2002)。ユーザが応答できる場合、当該受信メールが自分の担当であるか、異なるかを選択する(S2003)。ユーザが自分の担当であると選択した場合、受信メールの対応が完了したか否かを選択する(S2004)。対応が完了している場合は「対応済」のステータスを応答し、データベース13のメールステータス管理テーブルの当該メールステータスを「対応済」として登録する(S2005)。ステップS2002にて、クライアント端末による応答が一定時間行われない場合、メールステータス管理テーブルの当該メールステータスを「関係無」として登録するが、フォロー処理の際は、当該処理は行われない(S2006)。ステップS2003にて、ユーザが自分の担当ではないと選択した場合、メールステータス管理テーブルの当該メールステータスを「関係無」として登録する(S2007)。ステップS2004にて受信メールの対応が完了していない場合、メールステータス管理テーブルの当該メールステータスを「処理中」として登録する(S2008)。
【0051】
続いて、ユーザによってダウンロードされた受信メールについて、削除の必要性が生じた場合のダウンロードデータ削除通知手段の動作について、図21に基づいて説明する。データベース13の、メールダウンロード先管理テーブルに、削除依頼フラグがオンとなっている受信メールが存在するか否かを判別する(S2101)。削除依頼フラグがオンの受信メールの内、削除ステータスが削除済みか否かを判別し(S2102)、削除済みのものについては、メールダウンロード先管理テーブルから該当レコードを削除し(S2103)、管理者に削除完了通知を送信する(S2104)。管理者は必要に応じて顧客に受信メールの削除が完了したことを通知する等行う。ステップS2102にて削除ステータスが削除済みでないものがある場合は、未通知か、又は前回通知から所定時間が経過しているかを通知時刻列より判別し(S2105)、未通知の場合、又は前回通知から所定時間が経過している場合、対象となるユーザが使用するクライアント端末12に対して削除依頼通知と削除ステータスの応答を求めるポップアップ表示を行い、次回フォロー時刻を通知時刻列に更新登録する(S2106)。
【0052】
続いて、事案の対応にあたるユーザを他のユーザに変更するための対応ユーザ変更手段について、図22に基づいて説明する。図22はメールデータ管理テーブルにて管理される電子メール情報を対応ユーザ変更手段によってWEB画面として生成したものである。対応するユーザ及び対応状況(ステータス)をリストから選択し、対応する更新ボタンを押下することによって、変更した情報をメールデータ管理テーブルに反映することで、変更されたユーザに対してポップアップ表示を行い、該当事案の対応を促すことができる。この画面を例えば上長等の管理者が用いることで、事案の対応状況を一瞥して判断し、対応するユーザの振り替えや長時間放置された事案の処理を再度促すことができるなど、利便性が向上する。
【0053】
以上のような動作を行う案件対応漏れ防止システムによれば、通常用いられる共通メールアカウントによって受信するメールを各ユーザが受信してその内容に応じた対応を行うシステムと比較して、受信メールをデータベースに記録し、キーワードに基づいて対応するに相応しいと思われるユーザを判定し、該当するユーザが使用するクライアント端末にポップアップ表示を行い、対応の状況を登録するので、対応者を案件対応漏れ防止システム10によって一元管理することができる。
【0054】
また、上述したように、対応に相応しいと判定されたユーザが不在であったり、ユーザ自身によって自らの担当ではないと判断されたりした場合、上位グループへのポップアップ表示を行うことで、即座に未対応の受信メールの処理を他のユーザに行うよう求めることができるため、受信メールをそのまま放置したりする虞を低減し、対応漏れを防止することができる。
【0055】
更に、受信メールの対応中のまま所定の時間が経過し、フォロー時刻になった場合、案件対応漏れ防止システム10によって、該当するユーザのクライアント端末12に対して対応中案件の確認メッセージをポップアップ表示することで、ユーザが対応するとした案件を忘れているような場合でも、自動的に警告を行うことで、対応漏れの防止を図ることができる。
【0056】
また、電子メールを送信した顧客から電子メールや添付されたファイル等の削除の依頼等、電子メールの削除の必要が生じた場合においても、ダウンロード履歴をメールダウンロード先管理テーブルにて管理しているので、ダウンロードしたユーザ及びクライアント端末を容易に特定可能であり、ポップアップ表示によって削除を促すことで、電子メールや添付ファイルを有するユーザに確実に削除依頼を通知することができる。
【0057】
以上、本発明の一実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、共通アカウントを2つ用いるケースにおいても、各々の受信メールに対して上述した構成を適用したり、メールアカウントごとにメール判定条件を設定し管理することで、2つのメールアカウントによって受信される電子メールをユーザに振り分けることができ、容易に受信メールの対応漏れの防止を図ることができる。また、転送先のグループを1つとして説明したが、これに限定せずにユーザから複数グループ、あるグループから複数グループへの転送を行うよう構成しても何ら問題無い。また、メール対応状況に関するステータスを「処理中」、「関係無」、「対応済」の3種としたが、これに限定せず、システムを用いる業務の内容に応じて追加し、ステータスに応じた処理を追加しても何ら問題無い。
【符号の説明】
【0058】
10 案件対応漏れ防止システム
11 メールサーバ
12、12a、12b クライアント端末
13 データベース
14、14a 管理者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが個別に管理使用するクライアント端末と、電子メールの送受信を行うメールサーバとから構成され、複数のユーザから構成される1つ以上のグループが共通メールアカウントを用いて、当該共通メールアカウントによって受信した電子メールに記載の事案(以下、単に事案と称呼する)の応対を行うシステムであって、該システムは
受信した電子メールを保存するメールデータ管理テーブル、
ユーザを管理するユーザ管理テーブル、
前記ユーザが個々に所属するグループ及び該グループの上下関係を管理するグループ管理テーブル、
受信した電子メールに割り当てるユーザを判定するための条件を管理するメール判定条件管理テーブル、
事案の対応状況のうち、少なくとも割り当てられたユーザが自身に無関係であることを示すステータス「関係無」を登録することができるメールステータス管理テーブルを有するデータベースと、
ユーザに事案の応対を促すと共にユーザが電子メールの応対ステータスを前記メールステータス管理テーブル登録するためのステータス登録手段を有するポップアップを表示するポップアップ表示手段を備え、
前記メールサーバが電子メールを受信した際、電子メールの内容を前記メールデータ管理テーブルに登録すると共に、前記メール判定条件管理テーブルに基づいて対応予定となるユーザを判別し、当該ユーザが使用する前記クライアント端末に当該電子メールの応対を行うよう前記ポップアップ表示手段によってポップアップ表示を行い、
前記ポップアップ表示が行われてから所定の時間が経過してもステータス登録がなされない、又は当該ユーザによって「関係無」のステータスが前記ポップアップ表示によって登録された場合、前記ポップアップ表示手段は当該ユーザが所属するグループ上位のグループを前記グループ管理テーブルから判別し、当該上位グループに所属するユーザが使用するクライアント端末に対し、当該事案に応対するよう促すためのポップアップ表示を行うことを特徴とする案件対応漏れ防止システム。
【請求項2】
前記クライアント端末から、受信した電子メールのダウンロードの要求を受けた際、当該クライアント端末の電子メールのダウンロードを許可すると共に、電子メールをダウンロードしたユーザをダウンロード履歴情報としてデータベースに蓄積し管理する電子メールダウンロード手段を備えることを特徴とする請求項1記載の案件対応漏れ防止システム。
【請求項3】
所望の電子メールの削除を行う際に、前記ダウンロード履歴情報に基づいてダウンロードを行ったユーザへ該当電子メールの削除を一括で通知し、該当ユーザのクライアント端末にポップアップ表示を行うダウンロードデータ削除通知手段を備えることを特徴とする請求項2記載の案件対応漏れ防止システム。
【請求項4】
前記メールステータス管理テーブルは、現在対応中の事案であることを示す「処理中」を登録することができ、電子メールによる事案の受付から所定の時間が経過した場合、応対を行っているユーザが使用するクライアント端末に対してポップアップ表示を行い、再確認を行うフォロー手段を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の案件対応漏れ防止システム。
【請求項5】
営業開始時間、営業終了時間及び営業日を管理する営業時間管理手段を備え、電子メールの受信が前記営業開始時間及び前記営業終了時間の間に行われていない場合、前記ポップアップ表示を次回営業開始時間到達まで保留し、営業開始時間となった際に、前記ポップアップ表示を行うことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の案件対応漏れ防止システム。
【請求項6】
前記クライアント端末からのリクエストに応じて前記クライアント端末に操作画面を表示させ、該操作画面を介して電子メールの対応を行うユーザの変更が可能とする対応ユーザ変更手段を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の案件対応漏れ防止システム。
【請求項7】
1乃至複数のユーザが属するグループが階層状に構成され、該グループが共通メールアカウントを用いて、当該共通メールアカウントによって受信した電子メールに記載の事案の応対を行う案件対応方法であって、
メールサーバが受信した電子メールから対応予定となるユーザを判別し、ユーザが使用するクライアント端末に、電子メールを受信したことを報知するポップアップ表示を行い、当該ポップアップ表示を受けたユーザによって当該事案の応対ステータスをデータベースに登録させ、
また、前記ポップアップ表示が行われてから所定の時間が経過してもデータベースに対して応対ステータスの登録がなされない、又はデータベースに対して当該ユーザによって「関係無」のステータスが前記ポップアップ表示によって登録された場合、当該ユーザが所属するグループの上位のグループを判別し、当該上位グループに所属するユーザが使用するクライアント端末に対し、当該事案に応対するよう促すためのポップアップ表示を行うことを特徴とする案件対応漏れ防止方法。
【請求項8】
ユーザが使用するクライアント端末から、受信した電子メールのダウンロードの要求を受けた際、当該クライアント端末の電子メールのダウンロードを許可すると共に、電子メールをダウンロードしたユーザをダウンロード履歴情報としてデータベースに蓄積し管理することを特徴とする請求項7記載の案件対応漏れ防止方法。
【請求項9】
所望の電子メールの削除を行う際に、前記ダウンロード履歴情報に基づいてダウンロードを行ったユーザへ該当電子メールの削除を一括で通知し、該当ユーザのクライアント端末にポップアップ表示を行うことを特徴とする請求項8記載の案件対応漏れ防止方法。
【請求項10】
前記メールステータス管理テーブルは、現在処理中の事案であることを示す「処理中」を登録することができ、電子メールによる事案の受付から所定の時間が経過した場合、応対を行っているユーザが使用するクライアント端末に対してポップアップ表示を行い、再確認を行うことを特徴とする請求項7から9の何れか1項記載の案件対応漏れ防止方法。
【請求項11】
営業開始時間、営業終了時間及び営業日を管理する営業時間管理手段を備え、電子メールの受信が前記営業開始時間及び前記営業終了時間の間に行われていない場合、前記ポップアップ表示を次回営業開始時間到達まで保留し、営業開始時間となった際に、前記ポップアップ表示を行うことを特徴とする請求項7から10の何れか1項記載の案件対応漏れ防止方法。
【請求項12】
前記クライアント端末からのリクエストに応じて前記クライアント端末に操作画面を表示させ、該操作画面を介して電子メールの対応を行うユーザの変更が可能とすることを特徴とする請求項7から11の何れか1項記載の案件対応漏れ防止方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−113238(P2011−113238A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268319(P2009−268319)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【Fターム(参考)】