棒状化粧料容器
【課題】容器本体に外嵌するキャップの内側に、インナーキャップを組込んで構成される棒状化粧料容器において、容器本体を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋するまでの過程のあいだに第一の摺動抵抗及び第二の摺動抵抗を与えて容器本体の被覆蓋部を凸リブがないすっきりとしたものにする。
【解決手段】インナーキャップ12に、容器本体1を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋姿勢に至るまでの過程のあいだの中途覆蓋姿勢にあって容器本体1が押圧状に摺接することで第一の摺動抵抗を付与する第一凸部12bと、容器本体を覆蓋する直前覆蓋姿勢にあって、前記本体上端部が押圧状に摺接することで前記第一の摺動抵抗よりも大きい第二の摺動抵抗を付与する第二凸部12cとを形成した。
【解決手段】インナーキャップ12に、容器本体1を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋姿勢に至るまでの過程のあいだの中途覆蓋姿勢にあって容器本体1が押圧状に摺接することで第一の摺動抵抗を付与する第一凸部12bと、容器本体を覆蓋する直前覆蓋姿勢にあって、前記本体上端部が押圧状に摺接することで前記第一の摺動抵抗よりも大きい第二の摺動抵抗を付与する第二凸部12cとを形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口紅等の棒状(スティック状)の化粧料を収納するための棒状化粧料容器の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の棒状化粧料容器は、棒状化粧料が収容される容器本体の上端部にキャップを外嵌して覆蓋することになるが、このもののなかには、覆蓋時の安定感を付与するため、キャップを構成するインナーキャップに肉厚部を形成し、該肉厚部を、キャップが全覆蓋する以前の直前位置から全覆蓋する過程で、容器本体上端部の外周面に形成された凸リブが乗り越えることで移動抵抗を付与し、これによってキャップが全覆蓋状態になったことを意識させるようにしたものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特許第3153992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが容器本体上端部は、キャップをはずしたとき露出することになるが、この露出する容器本体上端部の外周面に形成した凸リブもそのまま視認されることになり、高級感に欠けるものとなっていた。その上、該凸リブは外周面側に突出していることから、凸リブの立ち上がり縁部に汚れ(例えば化粧料自体)が溜まり易く、しかもその溜まった汚れが取れにくいものとなって、外観上好ましくないものとなっており、これらに本発明が解決せんとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、棒状化粧料が収容される容器本体と、該容器本体に外嵌して容器本体上側の被覆蓋部を覆蓋する有天筒状のキャップとを備えて構成される棒状化粧料容器において、前記キャップの内側面に、被覆蓋部を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋姿勢に至るまでの覆蓋過程のあいだの中途覆蓋姿勢から少なくとも直前覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで第一の摺動抵抗を付与する第一抵抗部と、直前覆蓋姿勢から全覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで前記第一の摺動抵抗よりも大きい第二の摺動抵抗を付与する第二抵抗部とが形成されていることを特徴とする棒状化粧料容器である。
請求項2の発明は、キャップは、外面を構成するキャップ本体と、該キャップ本体に内嵌され、第一抵抗部および第二抵抗部が形成されたインナーキャップとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料容器である。
請求項3の発明は、第二抵抗部は、第一抵抗部よりも内側への突出量を大きくすることで移動抵抗が第一抵抗部よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の棒状化粧料容器である。
請求項4の発明は、第一抵抗部、第二抵抗部は、インナーキャップの筒天部内側面に形成されていて、容器本体の被覆蓋部先端部外側面が摺接するように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の棒状化粧料容器である。
請求項5の発明は、インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項6の発明は、インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部および第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項7の発明は、インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項8の発明は、インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部、太筒部は何れも円筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の記載の棒状化粧料容器である。
請求項9の発明は、インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部は円筒であり、インナーキャップおよび被覆蓋部の太筒部は角筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項10の発明は、第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器である。
請求項11の発明は、第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部を挟んで左右両側に一対が形成されていることを特徴とする請求項10記載の棒状化粧料容器である。
請求項12の発明は、角筒は四角筒であり、第一抵抗部および/または第二抵抗部が偏寄する角部は、互いに対角位置にある少なくとも一対の角部であることを特徴とする請求項10または11記載の棒状化粧料容器である。
請求項13の発明は、第一抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成され、第二抵抗部は、角筒の隣接角部間の中央部位に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器である。
請求項14の発明は、第一抵抗部と第二抵抗部とは、同一の隣接角部間に形成され、第一抵抗部は、第二抵抗部と角部とのあいだにそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項13記載の棒状化粧料容器である。
請求項15の発明は、角筒は四角筒であり、第一抵抗部と第二抵抗部とが形成される隣接角部間は互いに対向位置にある少なくとも一対の面部であることを特徴とする請求項13または14記載の棒状化粧料容器である。
請求項16の発明は、インナーキャップの第一抵抗部および/または第二抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第一抵抗部および/または第二抵抗部に容器本体が押圧状に摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項2乃至15の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項17の発明は、インナーキャップの少なくとも第二抵抗部が形成される部位には第二抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至16の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項18の発明は、補強部には、少なくとも第二抵抗部の変形代を確保するよう第二抵抗部が補強部からはみ出す部位があることを特徴とする請求項17記載の棒状化粧料容器である。
請求項19の発明は、キャップには、キャップが被覆蓋部を覆蓋する覆蓋過程において、第一抵抗部と第二抵抗部とのあいだに、被覆蓋部が摺接する第三抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項20の発明は、インナーキャップの第三抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第三抵抗部に容器本体が摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項19記載の棒状化粧料容器である。
請求項21の発明は、インナーキャップの第三抵抗部が形成される部位には第三抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項19または20記載の棒状化粧料容器である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明とすることで、容器本体の被覆蓋部をキャップで覆蓋するとき、初めは小さい第一の摺動抵抗、次いで大きい第二の摺動抵抗が付与される状態になって全覆蓋をするものでありながら、これら摺動抵抗は、容器本体がキャップ内側面に形成の第一、第二抵抗部に押圧状に摺接することで付与されるため、容器本体外側面は、凸リブがないすっきりとしたストレート形状にできることになって外観的に優れ、汚れが溜まってしまうこともない。
請求項2の発明とすることで、第一、第二抵抗部があるキャップを簡単に構成することができる。
請求項3の発明とすることで、大きさが異なる第一、第二の摺動抵抗を簡単に付与することができる。
請求項4の発明とすることで、第一、第二抵抗部がともにインナーキャップの筒天部に形成されることになり、第一、第二抵抗部を外部から視認されることのないものとすることができる。
請求項5の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とがそれぞれインナーキャップ内の細筒部と太筒部とに形成されるため、インナーキャップの異なる位置で摺動抵抗を付与することができて、容器本体を外観的に優れたものとしながら、安定した抵抗を付与することができる。
請求項6の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とが共にインナーキャップの太筒部に形成されるため、被覆蓋部の先端が傾斜状であっても確実な第一、第二の摺動抵抗を被覆蓋部に付与することが出来る。
請求項7の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とがそれぞれインナーキャップ内の太筒部と細筒部とに形成されるため、インナーキャップの異なる位置で摺動抵抗を付与することができて、容器本体を外観的に優れたものとしながら、安定した抵抗を付与することができる。
請求項8の発明とすることで、インナーキャップおよび被覆蓋部に形成される細筒部と太筒部とを円筒形状で構成したものであっても、安定した摺動抵抗を付与することができる。
請求項9の発明とすることで、インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部を円筒形状とし、太筒部を角筒としたものであっても、安定した摺動抵抗を付与することができる。
請求項10の発明とすることで、角筒に形成された第一抵抗部および/または第二抵抗部を変形の生じにくいものにすることができる。
請求項11の発明とすることで、角筒に形成された第一抵抗部および/または第二抵抗部が被覆蓋部に対して確りとした摺動抵抗を付与することができる。
請求項12の発明とすることで、角筒に形成された第一抵抗部および/または第二抵抗部が被覆蓋部に対してバランスの良い摺動抵抗を付与することができる。
請求項13の発明とすることで、角筒に第一抵抗部と第二抵抗部をバランス良く配することができて、安定した摺動抵抗を付与することができる。
請求項14の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とが近接位置となるため、キャップを容器本体に覆蓋する際、第一抵抗部における摺動から第二抵抗部における摺動への移行が滑らかに行われ、操作性の良いものとすることができる。また、第一抵抗部と第二抵抗部とは、互いに隣接する角部間に左右対称形に配されるため、バランスの良い摺動抵抗とすることができる。
請求項15の発明とすることで、摺動抵抗をさらにバランス良く配されたものとすることができる。
請求項16の発明とすることで、キャップで覆蓋する際に第一および第二の抵抗を付与する第一および第二抵抗部がありながら、容器本体が第一および第二抵抗部を押圧状に摺接したときの拡開変形をインナーキャップとキャップ本体とのあいだに形成される隙間によって吸収して許容できることになって、容器本体へのキャップの覆蓋をスムーズに行うことができる。
請求項17の発明とすることで、少なくとも拡開変形する第二抵抗部が隙間のある側で補強されることになって、キャップの覆蓋を繰返すことで少なくとも抵抗が大きい第二抵抗部が元の姿勢に戻らなくなってしまうことを防止し、長期に亘って抵抗部としての機能が失われないものとすることができる。
請求項18の発明とすることで、補強部が少なくとも第二抵抗部の拡開変形の邪魔になることを回避して、第二抵抗部において確実にキャップと容器本体とに摺動抵抗を付与することができる。
請求項19の発明とすることで、キャップの内側面にあって容器本体の被覆蓋部が、キャップの第一抵抗部に摺接してから第二抵抗部に摺接するまでのあいだに第三抵抗部に摺接することになって、第三抵抗部が形成された部位の拡開変形を防止することができる。
請求項20の発明とすることで、容器本体をキャップで覆蓋する際に第三の抵抗を付与する第三抵抗部が、容器本体との摺接によって拡開変形したときに該拡開変形をインナーキャップとキャップ本体とのあいだに形成される隙間によって吸収することで許容することができて、インナーキャップの容器本体への覆蓋をスムーズに行うことができる。
請求項21の発明とすることで、拡開変形する第三抵抗部が、キャップの覆蓋を繰返すことで第三抵抗部が拡開変形した状態から元の姿勢に戻らなくなってしまうことを防止し、長期に亘って第三抵抗部としての機能が失われないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】容器本体がキャップに全覆蓋された状態を示す縦断面図である。
【図2】(A)〜(E)は、キャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図3】(A)、(B)は、インナーキャップの縦断面図および横断面図である。
【図4】(A)、(B)は、インナーキャップの第二の実施の形態を示す縦断面図および横断面図である。
【図5】(A)、(B)は、インナーキャップの第三の実施の形態を示す縦断面図および横断面図である。
【図6】(A)〜(D)は、インナーキャップの第四〜第七の実施の形態を示す縦断面図および底面図である。
【図7】(A)〜(C)は、インナーキャップの第八〜第十の実施の形態を示す縦断面図および底面図である。
【図8】(A)、(B)は、インナーキャップの第十一の実施の形態を示す斜視図および縦断面図である。
【図9】インナーキャップがキャップ本体に内嵌した状態の第十一の実施の形態を示す縦断面図である。
【図10】(A)〜(D)は、インナーキャップの第十二〜第十五の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】(A)、(B)は、インナーキャップの第十六の実施の形態を示す斜視図および底面図である。
【図12】(A)、(B)は、第十六の実施の形態におけるキャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図13】第十七の実施の形態における容器本体の斜視図及びキャップの断面図である。
【図14】(A)、(B)は、第十七の実施の形態における容器本体上部とインナーキャップであって、(A)は覆蓋前および覆蓋後の斜視図、(B)は覆蓋された状態の縦断面図である。
【図15】(A)、(B)は、それぞれ第十七の実施の形態における把持部と第一凸部との関係を示す縦断面図である。
【図16】(A)、(B)は、それぞれ第十七の実施の形態におけるインナーキャップの底面図、X−X断面図である。
【図17】(A)〜(C)は、それぞれ第十八、第十九、第二十の実施の形態を示すインナーキャップの底面図である。
【図18】(A)は、第二十一の実施の形態におけるインナーキャップの底面断面図、(B)は、インナーキャップが容器本体を覆蓋した様子を示す底面断面図、(C)は第二十一の実施の形態の変形例を示すインナーキャップの底面断面図である。
【図19】(A)〜(D)は、第二十一の実施の形態におけるキャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図20】(A)、(B)は、第二十二の実施の形態を示す底面図および縦断面図である。
【図21】(A)〜(C)は、それぞれ第二十三、第二十四、第二十五の実施の形態を示す底面図である。
【図22】(A)〜(C)は、それぞれ第二十六の実施の形態を示す底面図、A−A断面図、B−B断面図である。
【図23】(A)、(B)は、第二十七の実施の形態におけるインナーキャップの底面断面図およびY−Y側面断面図である。
【図24】(A)〜(D)は、第二十七の実施の形態におけるキャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に本発明の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す1は容器本体であって、該容器本体1は、有底筒状の基筒2と、この基筒2の上側に位置して側面が上部に向けて階段状に小径となった段差部3aを有する筒状の袴筒3とを備えて構成されるが、該袴筒3の内周面側には、円筒状の把持筒4が基筒2及び袴筒3に対して縦軸周りに回動自在に組付けられている。
【0008】
一方、基筒2の内側には有底筒状の台座部5が固着されているが、この台座部5の上端部5aは袴筒3と把持筒4とのあいだに挟持される状態で前記段差部3a近傍にまで至るように延設されている。尚、6は台座部5、袴筒3、基筒2を固定するための固定筒である。
また、前記把持筒4の内周面側には、内面に螺旋溝7aが刻設された螺旋筒7が一体的に止着されているが、螺旋筒7の内周面側には、縦軸方向に長いガイド孔8aが穿設された中筒8が嵌着している。この中筒8は、台座部5に固着しており基筒2と一体的に回動するように構成されている。
【0009】
さらに中筒8の内周面側には、前記ガイド孔8aを貫通して螺旋溝7aに係合する突起9aが突設された中皿体9が上下方向移動自在に設けられている。この中皿体9には、棒状化粧料(図示省略)を収容するための収容部9bが形成されている。そして基筒2に対して把持筒4を相対回動させると、中皿体9は、ガイド孔8aに沿って回転規制される状態で突起9aが螺旋溝7aを摺動案内されることにより中筒8内を上下移動するようになっている。
【0010】
一方、10は容器本体1の上端部に外嵌して該容器本体1を覆蓋するためのキャップであって、該キャップ10は、有天筒状をしたキャップ本体11と、該キャップ本体11の内側に抜止め状に止着される有天筒状のインナーキャップ12とを備えて構成されるが、該インナーキャップ12の上部外周面は、キャップ本体11の内周面に対して隙間Sを存するように設定されている。そしてキャップ10は、インナーキャップ12内に把持筒4を内嵌するようにして嵌め込むことで前記覆蓋がなされるようになっている。因みにこのものでは、キャップ10を全覆蓋した場合に、キャップ本体11の開口端11aが前記段差部3aに当接して閉鎖状態となり、この状態では、把持部先端4aはインナーキャップ12の最奥端部12aとは離間する設定になっている。
【0011】
図2に示すように、前記インナーキャップ12は前記把持筒4を遊嵌できる寸法設定、つまりインナーキャップ12の内径は把持筒4の外径よりも少し大きい設定になっているが、インナーキャップ12の内周面には、容器本体1の覆蓋部(被覆蓋部)を覆蓋する際の中途位置(中途覆蓋姿勢)から直前位置(直前覆蓋姿勢)を経て全覆蓋(全覆蓋姿勢)する過程の中途位置から全覆蓋する過程において、把持筒4の先端4aおよび外周面4bが摺接する第一凸部(本発明の第一抵抗部に相当する)12bと、直前位置から全覆蓋する過程において、把持筒4の先端4aおよび外周面4bが摺接する第二凸部(本発明の第二抵抗部に相当する)12cとが突出形成されている。第一凸部12bは、本実施の形態では所定角度を存して対向する一対の凸条が180度の角度を存して対称状に設けられることで都合4本が設けられているが、第二凸部12cは、前記一対の第一凸部12bのあいだに位置するようにして設けられる凸条であって、都合2本が設けられている。この場合に、第二凸部12cは、内径側への突出量を第一凸部12bよりも大きくすることで把持筒4が第一凸部12bを摺動しながら移動するときの移動抵抗(摺動抵抗)よりも大きくなるように設定されている。
【0012】
そしてキャップ10で容器本体1を覆蓋していった場合に、把持筒4の先端4aが第一凸部12bに達するまではインナーキャップ12に遊嵌することになって抵抗のない覆蓋になるが(図2(A)参照)、把持筒4の先端4aが第一凸部12bに到達すると、先端4aが第一凸部12bを外径方向に押しやりながら摺動する状態となって第一の移動抵抗が付与される(図2(B)参照)。この第一の移動抵抗が付与された状態でさらに覆蓋していくと、把持筒4の先端4aが第二凸部12cに達することになるが(図2(C)参照)、そうすると今度は突出量が大きい第二凸部12cを外径方向に押しやりながら摺動する状態となって第一の移動抵抗よりも大きい第二の移動抵抗が付与され(図2(D)参照)、この第二の移動抵抗が付与された状態でさらに覆蓋していくと全覆蓋することになる(図2(E)参照)。前記第二の移動抵抗が付与されることで意図的に覆蓋しようとする覆蓋力(操作力)が大きくなり、これによって全覆蓋したとき、キャップ本体11の開口端11aが段差部3aに衝突することになって「パチン」という軽快な閉鎖音(クリック音)が発生し、キャップ10が全覆蓋状態になったことを手の感覚だけでなく聴覚においても確認できるようになっている。
【0013】
ここで、インナーキャップ12は可撓性がある物質、例えば、低密度ポリエチレンからなり、前記第一、第二の移動抵抗が付与される場合、第一、第二凸部12b、12cは外径方向に押しやられることになってインナーキャップ12は楕円形状に変形して押圧状態を保つことになるが(図3(A)、(B)参照)、この変形は前述したキャップ本体11とのあいだに設けた隙間Sで吸収されるようになっている。さらに第一、第二凸部12b、12cの下端部(覆蓋過程で把持筒先端4aが最初に当接する部分)は円弧状でかつ下端側ほど低くなるように設定されており、これによって容器本体1をキャップ10で覆蓋する際、把持筒先端4aがスムーズに第一、第二凸部12b、12cを押しやって乗り越えられるように設定されている。尚、第二凸部12cのうち、把持筒4の先端4aが摺接する部位である摺接面12dは、周回り方向が内周面に沿って円弧状の凹形状となっている。
【0014】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、キャップ10で容器本体1を覆蓋していく場合に、容器本体1の上端部1a(把持筒4の先端4a)が該キャップ10を構成しているインナーキャップ12に形成の第一凸部12bにまず摺接して小さい第一の移動抵抗が付与され、ついで第二凸部12cに摺接して大きい第二の移動抵抗が付与されることになり、これによって全体としてバランスの取れた大小二段の抵抗を受けつつキャップ10が容器本体1を全覆蓋することになり、安定感がある全覆蓋がなされる。そして全覆蓋する場合に、その直前位置で大きい第二の移動抵抗に抗するよう強い覆蓋力で覆蓋操作するため、その勢いでキャップ本体11の開口端11aが容器本体1側の段差部3aに衝撃的に当接することになって「パチン」という心地よい衝突音が発せられて全覆蓋したことを認識することができる。
【0015】
このように、キャップ10を覆蓋する過程で、小さい第一の移動抵抗と大きい第二の移動抵抗とが段階的に付与されることになって安定したキャップ10の覆蓋ができるものであるが、このものでは、第一、第二凸部12b、12cをインナーキャップ12に形成し、前記覆蓋過程で該第一、第二凸部12b、12cを容器本体1の上端部1aが押圧状に摺接しながら移動することで第一、第二の移動抵抗が付与されることになり、この結果、容器本体の把持筒4に、汚れが溜まりやすい凸リブを形成する必要がなくなってストレート形状にでき、外観がすっきりした高級感にあふれたものにできる。
【0016】
しかもこのものでは、キャップ10が、開口端11aが形成されたキャップ本体11と、該キャップ本体11に内嵌され、前述した第一、第二凸部12b、12cが形成されたインナーキャップ12とから構成されているので、第一、第二凸部12b、12cを簡単に形成することができる。そしてこの場合に、第二凸部12cの突出量を第一凸部12bよりも大きくすることで大きさが異なる第一、第二の摺動抵抗が付与されたものになるため、これらの構成も簡単にできる。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、キャップとしては、容器本体を覆蓋する中途位置から直前位置を経て全覆蓋するまでの過程のあいだの中途位置に少なくともあって前記容器本体1の上端部1aが押圧状に摺接することで第一の移動抵抗を付与する第一抵抗部と、容器本体を覆蓋する直前位置に少なくともあって、前記本体上端部が押圧状に摺接することで前記第一の移動抵抗よりも大きい第二の移動抵抗を付与する第二抵抗部とが形成されているものであればよいのであって、キャップはキャップ本体とインナーキャップとが一体化したものであってもよく、また、第一、第二の移動抵抗を与えるための抵抗部としては、例えば図4、5に示すようなバリエーションとすることが可能である。
【0018】
図4、5において示す第二、第三の実施の形態のものは、第一凸部12bと第二凸部12cの設けられる位置は図3に示す第一の実施の形態と同じであるが、第二凸部12cの容器本体1との摺接面12dは、第一の実施の形態においてはインナーキャップ12の内周面に沿った凹形状であるのに対し、図4のものは第二凸部12cがインナーキャップ12の周回り方向に円弧状の凸形状(扇状)に突出形成されたものであり、また、図5のものは第二凸部12cの摺接面12dがインナーキャップ12の周回り方向に矩形状に突出形成されたものである。
【0019】
さらに、図6(A)に示す第四の実施の形態のものは第一凸部12bと第二凸部12cとがインナーキャップ12の内周面に軸方向に直線状に設けられたものである。図6(B)に示す第五の実施の形態ものは第一凸部12bと第二凸部12cとが周回り方向等角度おきに設けられたものである。図6(C)に示す第六の実施の形態ものは第一凸部12bを軸方向に長い形状とし、第二凸部12cを周方向に長い形状としたものである。図6(D)に示す第七の実施の形態のものは前記図6(A)に示すものと同様、第一、第二凸部12b、12cが軸方向直線状に形成されているが、第二凸部12cの周回り方向の幅が広くなったのものである。
【0020】
さらに、図7(A)に示す第八の実施の形態のものは一対の第一凸部12bに挟まれて形成される第二凸部12cが周回り方向に二分割された山形状になったものである。さらに図7(B)に示す第九の実施の形態のものは、一対の第一凸部12bのあいだに挟まれて形成される第二凸部12cの周囲を切り込んで舌片12eにしたものであって、第二凸部12cが容器本体1の上端部1aに押圧されることで外径方向に退避するときの弾性を第二の移動抵抗として利用したものである。また図7(C)に示す第十の実施の形態のものは、第一凸部12bが軸方向線上であるのに対し、第二凸部12cが周回り方向リング状に形成されたものである。
【0021】
また、図8(A)、(B)に示す第十一の実施の形態のものは、インナーキャップ12の第一、第二凸部12b、12cが形成された面部の外周面部位からインナーキャップ12の外側上部である天井部12fに向けて小径状部12gが傾斜状に面取り形成されており、これによってインナーキャップ12がキャップ本体11に内嵌した状態では、図9に示すように、キャップ本体11の内周面とのあいだに隙間Sが形成される。そして、容器本体1の外周面4bが第一および第二凸部12b、12cに押圧状に摺接したとき、該第一、第二凸部12b、12cは内周面側から外周面側に向けて強制的に膨張する拡開変形をすることになるが、この拡開変形を前記隙間Sが変形代となって吸収することになり、この結果、該第一、第二凸部12b、12cをインナーキャップ12に設けながら、キャップ10の覆蓋操作が損なわれることがない。
【0022】
しかもこのものでは、小径状部12gが形成される面部に、第二凸部12cを補強するための補強リブ12hが上下方向に長い状態で突出形成されていて、キャップ10の覆蓋を繰返すことで抵抗が大きい第二凸部12cが、頻度の高い使用やキャップ覆蓋状態で高温雰囲気下に置かれたことで第二抵抗を付与する姿勢状態に戻らなくなって拡開変形したままの状態(永久変形状態)になってしまうことを防止し、長期に亘って第二凸部12cとしての機能が失われないものとすることができる。
そしてこのものでは、補強リブ12hが、第二凸部12cに対して周回り方向に幅狭なものとなっていて、第二凸部12cが補強リブ12hからはみ出すように設定されているから、該第二凸部12cのはみ出し部位に第二凸部12cの変形代が確保されることになって補強リブ12hが第二凸部12cの前記拡開変形の邪魔をすることがなく、第二抵抗を確実に付与することになる。
【0023】
ここで補強部としては、前記補強リブ12hのように、小径状部12g上に一本のみ形成されていて第二凸部12cのみの補強をするものに限定される必要はなく、図10(A)に示す第十二の実施の形態のように、補強リブ12iが複数形成されたものであってもよい。そしてこのものでは、補強リブ12iは、第一、第二凸部12b、12cをそれぞれ補強するように設定されているが、この場合に、第一凸部12bを補強する左右両側のものは上下方向に短くかつ幅狭であり、第二凸部12cを補強する中央側のものは上下方向に長くかつ幅広に形成してある。また図10(B)に示す第十三の実施の形態のものは、複数の補強リブ12jが、インナーキャップ12の周回り方向に長いものになっているが、このものは天井部12fに近い側の補強リブ12jが周回り方向に長いものとなっていて、第一、第二凸部12b、12cを補強しているが、天井部12fから遠い側の補強リブ12jは短いものになっていて第二凸部12bのみを補強するようになっている。また、図10(C)に示す第十四の実施の形態のものは、第一、第二凸部12b、12cに対応して点状の補強突起12kが突出形成されているが、第一凸部12bを補強する補強突起12kは小さく、第二凸部12cを補強する補強突起12kは大きいものに設定されている。さらに図10(D)に示す第十五の実施の形態のものは、前記(C)に示すものとは逆の配置で補強突起12lが設けられたものであり、第二凸部12cを補強する補強突起12lはインナーキャップ12の軸方向に長い楕円形状となっている。
【0024】
このように補強部を形成する場合、該補強部は、抵抗が大きい第二抵抗部を少なくとも補強すればよく、第一抵抗部の補強をするか否かについては任意に設定でき、また補強部の具体的形状や数、位置についても任意に設定することができ、この場合に、補強される抵抗部の拡開変形を邪魔しないよう抵抗部の一部が補強部からはみ出す部位があるように設定して抵抗部の変形代を確保するように設定することが好ましい。
【0025】
また、図11に示す第十六の実施の形態のように、インナーキャップ12を、上側である最奥端部12aに近い側の部位を、本発明のインナーキャップの細筒部であるところの内径の小さい小径部12mに形成し、下側である開口端部12nに近い側の部位を、本発明のインナーキャップの太筒部であるところの内径の大きい大径部12pに形成して構成する一方、インナーキャップ12が覆蓋する容器本体1の被覆蓋部13には、被覆蓋部上側に備えられた把持筒4を、本発明の被覆蓋部の細筒部であるところの小径部13aとし、被覆蓋部下側であり把持筒4の外周面側に備えられた袴筒3を、本発明の被覆蓋部の太筒部であるところの大径部13bとして構成して、第一抵抗部を小径部12mの内径面側に形成し、第二抵抗部を大径部12pに形成したものとして構成してもよい。
【0026】
このものでは、小径部12mのインナーキャップ内周面側かつ最奥部12aに、第一抵抗部である第一凸部12qが軸方向に長く周回り方向適宜角度を存して複数個(本実施の形態では3個)形成され、大径部12pの内周面側に第二抵抗部である半球状の第二凸部12rが周回り方向適宜角度を存して複数個(本実施の形態では3個)形成されている。そして、第二凸部12rは、第一凸部12qよりも容器本体との摺動抵抗が大きくなるよう設定されている(図12(A)参照)。
尚、本実施の形態では、第一凸部12qと第二凸部12rとは、軸方向同一線上とならないように配しているが、第一凸部12qと第二凸部12rの配置はこれに限定されることはなく、また形状も種々なものにすることができる。
また、第一凸部12qおよび第二凸部12rの外周面側とキャップ本体11のあいだには隙間Sが形成され、この隙間Sが、容器本体1が第一凸部12qおよび第二凸部12rに押圧状に摺接したときの拡開変形を許容する変形代となっていることは、第一の実施の形態と同様である。
【0027】
そして、容器本体1に、インナーキャップ12が内嵌したキャップ10を覆蓋していくと、被覆蓋部の小径部13aである把持筒4の先端4aおよび外周面4bがインナーキャップ12の小径部12mに形成の第一凸部12qに押圧状に摺接し、さらにキャップ10を覆蓋していくと、被覆蓋部大径部13bである袴筒3の上端部3bが大径部12pに形成の第二凸部12rに押圧状に摺接する。そして、上端部3bが第二凸部12rを乗り越えることで容器本体1はキャップ10に全覆蓋されることになるが(図12(B)参照)、ここで、第二凸部12rは第一凸部12qよりも抵抗が大きいものになっていることから、第二凸部12rを乗り越えるためには、把持筒4の先端4aが第一凸部12qに摺接するときよりも強い覆蓋力で覆蓋されることになり、これによってキャップ10の下端部が袴筒3に形成された段差部3aに衝撃的に当接することによる「パチン」という衝突音(クリック音)が発生する。
【0028】
このように構成することによって、第一凸部12qである第一抵抗部と第二凸部12rである第二抵抗部とはインナーキャップ12の上下両端に形成されるため、容器本体の外観はすっきりしたものでありながらバランスの良い抵抗とすることができる。
尚、第一凸部12qおよび第二凸部12rが形成された部位の外周面側には、第十一の実施の形態のものと同様に、小径状部12sが上端側に向けて傾斜状に面取り形成されており、このうち、第二凸部12rの外周面側に形成された小径状部12sの面部には、第二凸部12rを補強するための補強リブ12tが突出形成されている。このよう構成することによって頻度の高い使用や高温雰囲気下での使用による永久変形状態を防止するようになっている。
【0029】
また、図13、図14に示す第十七の実施の形態のものは、把持筒15の先端15aが側面視で傾斜状であって、該把持筒15の下側に設けられている袴筒16は、上側が一辺の短い細角筒16aであり、下側が一辺の長い太角筒16bとなっており、該太角筒16bの上面は段差部16cに形成され、キャップ覆蓋時には、該段差部16cにキャップ17の開口端19aが当接することによって、キャップ17の全覆蓋がなされるよう構成されている。この場合、インナーキャップ18は、上側が有天円筒部18aであり、下側が四角筒18bであって、キャップ17で容器本体14を覆蓋する際には、インナーキャップ18の有天円筒部18aが把持筒15に外嵌し、四角筒18bが袴筒16の細角筒16aに外嵌するようになっている。
【0030】
ところで、前記把持筒15の先端15aが傾斜状の容器本体14にあっては、図15に示すように、例えばインナーキャップ18の有天円筒部18aの内側に形成される3つの第一凸部18cが、最奥端部18dから開口端18eに向けて長尺の凸条であって、円周方向互いに120度の角度を存して突出形成されている場合、インナーキャップ18で把持筒15を覆蓋する際に、把持筒15の先端15aが最も高くなっている最上部部位15bに第一凸部18c−1が摺接する場合(図15(A)参照)と、最も低くなっている最下部部位15cに第一凸部18c−1が摺接する場合(図15(B)参照)とでは、第一凸部18と把持筒15の外周面との当接長さが異なる。つまり、最上部部位15bで第一凸部18c−1が摺接した場合は、把持筒外周面に対する第一凸部18c−1の摺接する長さはAであり、第一凸部18c−2および第一凸部18c−3の摺接する長さはそれぞれBである。これに対し、最下部部位15cで第一凸部18c−1が摺接した場合は、把持筒外周面に対する第一凸部18c−1の摺接する長さはCであり、第一凸部18c−2および第一凸部18c−3の摺接する長さはそれぞれDである。このようにインナーキャップ18を把持筒15に覆蓋する際、把持筒15の先端15aの傾斜の向きと第一凸部18cとの周回りの位置関係が異なることによって、把持筒15の周回り方向および軸芯方向の摺動抵抗が異なるものとなり、結果として、容器本体14がインナーキャップ18に形成される第一凸部18cの摺動抵抗のみを受けて覆蓋される場合は、キャップ17が偏った状態で覆蓋されることになる。
【0031】
このように把持筒15の先端15aが傾斜状の容器本体14にあっては、第一凸部18cの把持筒15に対する覆蓋はバランスの悪いものとなるため、第二凸部18fによる袴筒16への摺動によって偏りを補正する必要がある。そこで、図16(A)、(B)に示すように、第二凸部18fを、インナーキャップ18の開口端18eである四角筒18bに形成した。つまり、四角筒18bの内側面に形成される四つの角部18gのうち、2つの互いに対向する角部18gの左右両側であって角部18gに偏寄する位置に第二凸部18fを突出形成させ、該第二凸部18fによって、第一凸部18cよりも大きな摺動抵抗を被覆蓋部に付与するよう構成した。
【0032】
このように構成することで、たとえ把持筒15の先端15aが傾斜状となった容器本体14であって、第一凸部18cでは摺動抵抗に偏りが生じたとしても、インナーキャップの四角筒18bに形成された第二凸部18fによって偏りが補正され、全体としてバランスの取れた摺動抵抗とすることができる。
しかも第二凸部18fが形成される四角筒18bの角部18gは、構造上平面部18hよりも強度的に優れているため、第二凸部18fには第一凸部18cの摺動抵抗よりも強い摺動抵抗を付与し、全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施の形態と同様である。
【0033】
尚、本実施の形態では、把持筒15の先端15aを傾斜状に構成したが、これに限定されることはなく、先端15aが水平状のものであっても同じように実施することができる。この場合は、第一凸部18cによる摺動抵抗の偏りは生じないため、第二凸部18fに偏りの補正という役割を持たせる必要はないが、第一凸部18cと第二凸部18fとをそれぞれインナーキャップ18の上側である有天円筒部18aと下側である四角筒18bとに形成することによって、第一抵抗部と第二抵抗部とが離間した位置に形成されることになり、キャップ17の容器本体14に対する覆蓋をより確りとしたものにすることができる。
また、本実施の形態では、袴筒16が角筒形状の場合においてインナーキャップ18が該袴筒16に対して摺動抵抗を付与するものに構成したが、袴筒16が角筒形状ではなく例えば円筒形状であっても適用することができ、また種々の形状の容器本体に適用が可能である。
【0034】
さらに、第二凸部18fが形成される部位は、互いに対向する角部18gに限定されるものではなく、図17(A)に示す第十八の実施の形態のように、すべての角部18fに形成しても良く、図17(B)に示す第十九の実施の形態のように、これら全ての角部18gの片側端(ここでは角部から見て右側)のみに突出形成したものに構成しても良い。また、図17(C)に示す第二十の実施の形態のように、四角筒18bの平面部18hにあって、やや四角筒18bよりに偏寄した位置に形成しても良く、これらの実施の形態によっても全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施の形態と同様である。
【0035】
また、第二十一の実施の形態として、図18(A)、(B)に示すように、細筒部と太筒部とで構成されるインナーキャップ18の太筒部である四角筒18bに第一凸部18cおよび第二凸部18fが共に形成されたものに構成しても良い。本実施の形態においては、第一凸部18cは、四角筒18bの互いに対角位置にある一対の角部18gにあって、該角部18gの両側かつ該角部18gに偏寄した位置に、四角筒18bの内側に向けて突出形成される。そして、該角部18gと第一凸部18cとのあいだには、それぞれ第一凸部18cより突出量が多い第二凸部18fが同じく四角筒18bの内側に向けて突出形成され、これによって都合4つの第一凸部18c、第二凸部18fが、角部18gを中心に互いに対向して突出形成されている。尚、第二十一の実施の形態の変形例として、四角筒18bに形成される第一凸部18cおよび第二凸部18fを、図18(C)に示されるように対角位置にある各角部18gを挟む状態で対となるように設けたものとして実施してもよいことは勿論である。
【0036】
そして、インナーキャップ18で容器本体14を覆蓋していくと(図19(A)参照)、まず袴筒16に形成される細角筒16aの上側端16dがインナーキャップ18の四角筒18bに形成された第一凸部18cに摺動してインナーキャップ18に第一の摺動抵抗が付与され(図19(B)参照)、ここからさらにインナーキャップ18を覆蓋していくと、四角筒18bは第一凸部18cによって摺動抵抗が付与された状態で第二凸部18fに摺動し、これによって第一の摺動抵抗より強い第二の摺動抵抗が付与される(図19(C)参照)。この第二の摺動抵抗が与えられたとき、第二の摺動抵抗に抗して全覆蓋するための強い覆蓋力が与えられることによって上側端16dは第二凸部18fを一気に乗り越え、この乗り越えによる急激な覆蓋によって、キャップ17の開口端19aが袴筒16の段差部16cに衝撃的に当接し、これによって全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施例と同様である。
【0037】
このように、第一凸部18c、第二凸部18fを太筒部である四角筒18bに形成することにより、細筒部である有天円筒部18aでは摺動抵抗が付与されず、太筒部である下側の四角筒18bで第一、第二の摺動抵抗を付与することになるため、たとえ把持筒15の先端15aが傾斜状の容器本体14であって、把持筒先端15aの傾斜の向きが第一凸部18cに対して周回りの位置関係が異なったとしても、第一および第二の摺動抵抗がそれぞれ変化することなく何れも同じになって、確りとした覆蓋をすることができる。尚、第一、第二凸部18c、18fは、第一凸部18cの下端部が第二凸部18fの下端部よりインナーキャップ18の開口端18eに近くなるように形成されれば良いのであって、形状および数が本実施の形態によって特に限定されるものではない。
【0038】
また、本実施の形態においては、第一凸部18cおよび第二凸部18fを、インナーキャップ18の他の部位よりも強度的に優れた四角筒18bの角部18g近傍に形成したことにより、第一、第二凸部18c、18fの拡開変形を防止できて、確実な摺動抵抗を確保することが出来る。
【0039】
第二十一の実施の形態においては、第一凸部18cおよび第二凸部18fを、共に四角筒18bの角部18gに偏寄した位置に形成したが、必ずしも第一、第二凸部18c、18fを共に角部18gに偏寄させる必要はなく、以下に詳述する第二十二の実施の形態のように形成しても良い。
つまり、図20(A)、(B)に示すように、互いに隣接する角部18gのあいだに形成される隣接角部間である面部18jには、周回り方向(図面で左右方向)中央部位に第二抵抗部である第二凸部18iが形成され、該第二凸部18iと角部18gとのあいだ、つまり、面部18jの中央部位よりも両角部18g側に偏寄した位置には、第一凸部18hがそれぞれ一つずつ形成される。該第一凸部18hは、共に第二凸部18iよりも下端部がインナーキャップ18の開口端18eに近く、かつ第二凸部18iよりも四角筒18bの内側への突出量が少ないものに形成されている。そして、面部18jの対向面である面部18kにも同様にして面部18kの中央部位に第二凸部18iが形成されるとともに、該第二凸部18iと両角部18gとのあいだには、第一凸部18hがそれぞれ一つずつ形成される。このようにして、四角筒18bの内側に都合4つの第一凸部18h、2つの第二凸部18iが形成され、覆蓋過程において、第一凸部18hおよび第二凸部18iが第一、第二の摺動抵抗を順次付与していくことは、前述した第二十一の実施の形態と同様である。
【0040】
尚、本実施の形態におけるインナーキャップには、本発明の第十一の実施の形態であるインナーキャップと同様に、第二凸部18iの補強部である平板状の補強リブ18mが、第二凸部18iが形成された面部18j、18kの外側面に形成されており、これによって摺動抵抗のより強い第二凸部18iが長期の使用や頻度の高い使用或いは高温雰囲気下での使用等によって拡開変形した状態のまま元の姿勢に戻らなくなって機能が失われてしまうことを防止している。
【0041】
ここで、四角筒18bにおける第一凸部18hおよび第二凸部18iが形成される位置は、本実施の形態に限定されるものではなく、第二凸部18iが互いに隣接する角部18gのあいだの面部18jの中央部に形成され、第一凸部18hが角部18gに偏寄した位置に形成されたものであれば良く、例えば、図21(A)に示す第二十三の実施の形態のように、第一凸部18hを、対向する一組の面部である面部18n、18pにそれぞれ2つずつ形成し、第二凸部18iを、対向する他の一組の面部である面部18j、18kにそれぞれ1つずつ形成しても良い。この場合、第一、第二凸部18h、18iは互いに対向位置となるよう配されて形成される。
また、図21(B)に示す第二十四の実施の形態のように、全ての面部18j、18n、18k、18pに第一凸部18h、第二凸部18iを1つずつ形成しても良い。この場合、4つの第一凸部18hは、周回り方向等角度おきに形成される。
さらに、図21(C)に示す第二十五の実施の形態のように、全ての面部18j、18n、18k、18pに第一凸部18hを2つずつ、第二凸部18iを1つずつ形成しても良い。この場合、第一、第二凸部18h、18iは共に四角筒18bの内側において互いに対向位置となるように形成される。
【0042】
ところで、前述した第二十二の実施の形態のように、第一、第二凸部18h、18iを対向する一組の面部18j、18kに形成し、他の一組の面部である面部18n、18pには摺動抵抗を付与するようなものを何も形成しなかった場合、覆蓋過程において容器本体14が第一、第二凸部18h、18iを外方に押し出そうとする力として作用するため、これによって第一、第二凸部18h、18iが形成された面部18j、18kが四角筒18bの外方にむけて拡張してしまい、この拡張に引張られるようにして面部18n、18pが容器本体14に密着するような変形をし、インナーキャップ18の覆蓋時における操作性が悪くなってしまう可能性がある。
このため、図22に示す第二十六の実施の形態のように、第一、第二凸部18h、18iを一組の面部18j、18kだけにそれぞれ形成した場合には、他の一組の面部18n、18pに、四角筒18bの内側に向けて突出する、本発明の第三抵抗部であるところの第三凸部18qを形成するようにして構成した。
ここで第三凸部18qは、四角筒内側への突出量が第一凸部18h、第二凸部18iよりも少なく、また、第三凸部18qの下端部は、第一凸部18hの下端部よりはインナーキャップ18の開口端18eから遠く、第二凸部18hの下端部よりはインナーキャップ18の開口端18eから近い長さに形成されている。
このように第三凸部18qを形成することによって、第一、第二凸部18h、18iに、容器本体14が押圧状に摺接して面部18j、18kが外方へ拡開する方向の力が働いた場合であっても、面部18j、18kに引張られて面部18n、18p全体が容器本体14に密着することなく、第三凸部18qが容器本体14と摺接して面部18n、18pのこれ以上の変形を規制することができると共に、長期使用に基づき塑性変形が発生してキャップ10の完全覆蓋時に発生するクリック音の音量が低下したりクリック音が消失してしまうことがないようにしている。
これによって、インナーキャップ18が容器本体14を覆蓋していく際には、まずインナーキャップ18の第一凸部18hが容器本体に摺接し、次に第二凸部18iに摺接する。このとき、第三凸部18qは、面部18n、18pの変形に応じて容器本体14に摺接し、これによって、四角筒18bが覆蓋の操作性が悪くなる程に拡開変形してしまうことがない。
【0043】
尚、本実施の形態にあっては、インナーキャップ11の第三凸部18qの形成部位とキャップ本体11とのあいだにインナーキャップ18の拡開変形を許容するための隙間Sが形成されていると共に、第三凸部18qが形成される四角筒18bの外側にも平板状の補強リブ18rが形成され、この補強リブ18rによって、第三凸部18qの形成部位における面部18n、18pの外方への拡開変形も防止できるよう配慮されている。
【0044】
さらに、第二十七の実施の形態として、図23(A)、(B)に示すように、第一凸部18cを太筒部である四角筒18bに形成し、第二凸部18fを細筒部である有天円筒部18aの最奥端部18dに形成してもよい。本実施の形態においては、第一凸部18cは四角筒18bの一対の対向する角部18gにあって、該角部18gの両側かつ該角部18gに偏寄した位置にそれぞれひとつずつ形成され、第二凸部18fは有天円筒部18aの最奥端部18dにあって、四角筒18bの角部18gと角部18gとの中間位置に対応する位置に都合4つ形成される。ここで、第二凸部18fは、第一凸部18cよりも強い第二摺動抵抗を把持筒15に付与することが出来る突出量で突出形成されている。
【0045】
尚、第一凸部18cの四角筒18bにおける形成位置、および第二凸部18fの有天円筒部18aの最奥端部18dにおける形成位置は本実施の形態に限定されるものではなく、第一凸部18cが四角筒18bに形成され、第二凸部18fが該最奥端部18dに形成されるものであれば形成位置や形状は任意であってよい。また、第一、第二凸部の数もこれに限定されるものではなく、2つ、或いは3つ等任意の数に形成できることは勿論である。
【0046】
そして、インナーキャップ18で容器本体14を覆蓋していくと(図24(A)参照)、まず袴筒16の細四角筒16aがインナーキャップ18の四角筒18bに形成された第一凸部18cに摺動してインナーキャップ18に第一の摺動抵抗が付与され(図24(B)参照)、ここからさらにインナーキャップ18を覆蓋していくと、インナーキャップ18は、第一凸部18cが袴筒16に摺動することによって摺動抵抗が付与された状態で第二凸部18fが把持筒15の先端15aに摺動し、これによって、第一凸部18cの摺動抵抗よりも強い第二の摺動抵抗が付与される(図24(C)参照)。この第二の摺動抵抗が与えられた状態で全覆蓋するために強い覆蓋力を与えることによって全覆蓋がなされ(図24(D)参照)、この全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施の形態と同様である。
【0047】
本実施の形態におけるこのような構成は、前述したような把持筒15の先端15aが傾斜状の場合には適さないが、先端15aが水平状である場合は、先端15aに第二の摺動抵抗を付与することによって、第一凸部18cである第一抵抗部と第二凸部18fである第二抵抗部とがインナーキャップ18の上下両端に形成されるため、第16の実施の形態と同様に、容器本体の外観をすっきりしたものとしながらバランスの良い抵抗とすることができる。
【0048】
また、前述の第十七から第二十七の実施の形態において、インナーキャップ18と容器本体14との太筒部を四角筒にしたが、これに限定されるものでなく、六角筒、八角筒等の多角筒にしても良く、さらには丸筒にしても本発明を実施することができる。さらにまた、これらのものを実施する場合に、第十一の実施の形態のように、インナーキャップ18の第一凸部18c及び第二凸部18fに対応する位置とキャップ本体19とのあいだに隙間を形成するよう構成して、覆蓋時における第一、第二凸部18c、18fの拡開変形を許容するための変形代を形成することや、該隙間に向けて突出する補強材をインナーキャップ18の外側に設けて、頻度の高い覆蓋によって第一、第二凸部18c、18fが永久変形状態となることを防止するように構成しても良いことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、口紅等の棒状(スティック状)の化粧料を収納するための棒状化粧料容器の技術分野に属するものである。
【符号の説明】
【0050】
1 容器本体
10 キャップ
12b 第一凸部
12c 第二凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、口紅等の棒状(スティック状)の化粧料を収納するための棒状化粧料容器の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の棒状化粧料容器は、棒状化粧料が収容される容器本体の上端部にキャップを外嵌して覆蓋することになるが、このもののなかには、覆蓋時の安定感を付与するため、キャップを構成するインナーキャップに肉厚部を形成し、該肉厚部を、キャップが全覆蓋する以前の直前位置から全覆蓋する過程で、容器本体上端部の外周面に形成された凸リブが乗り越えることで移動抵抗を付与し、これによってキャップが全覆蓋状態になったことを意識させるようにしたものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特許第3153992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが容器本体上端部は、キャップをはずしたとき露出することになるが、この露出する容器本体上端部の外周面に形成した凸リブもそのまま視認されることになり、高級感に欠けるものとなっていた。その上、該凸リブは外周面側に突出していることから、凸リブの立ち上がり縁部に汚れ(例えば化粧料自体)が溜まり易く、しかもその溜まった汚れが取れにくいものとなって、外観上好ましくないものとなっており、これらに本発明が解決せんとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、棒状化粧料が収容される容器本体と、該容器本体に外嵌して容器本体上側の被覆蓋部を覆蓋する有天筒状のキャップとを備えて構成される棒状化粧料容器において、前記キャップの内側面に、被覆蓋部を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋姿勢に至るまでの覆蓋過程のあいだの中途覆蓋姿勢から少なくとも直前覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで第一の摺動抵抗を付与する第一抵抗部と、直前覆蓋姿勢から全覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで前記第一の摺動抵抗よりも大きい第二の摺動抵抗を付与する第二抵抗部とが形成されていることを特徴とする棒状化粧料容器である。
請求項2の発明は、キャップは、外面を構成するキャップ本体と、該キャップ本体に内嵌され、第一抵抗部および第二抵抗部が形成されたインナーキャップとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料容器である。
請求項3の発明は、第二抵抗部は、第一抵抗部よりも内側への突出量を大きくすることで移動抵抗が第一抵抗部よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の棒状化粧料容器である。
請求項4の発明は、第一抵抗部、第二抵抗部は、インナーキャップの筒天部内側面に形成されていて、容器本体の被覆蓋部先端部外側面が摺接するように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の棒状化粧料容器である。
請求項5の発明は、インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項6の発明は、インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部および第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項7の発明は、インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項8の発明は、インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部、太筒部は何れも円筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の記載の棒状化粧料容器である。
請求項9の発明は、インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部は円筒であり、インナーキャップおよび被覆蓋部の太筒部は角筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項10の発明は、第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器である。
請求項11の発明は、第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部を挟んで左右両側に一対が形成されていることを特徴とする請求項10記載の棒状化粧料容器である。
請求項12の発明は、角筒は四角筒であり、第一抵抗部および/または第二抵抗部が偏寄する角部は、互いに対角位置にある少なくとも一対の角部であることを特徴とする請求項10または11記載の棒状化粧料容器である。
請求項13の発明は、第一抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成され、第二抵抗部は、角筒の隣接角部間の中央部位に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器である。
請求項14の発明は、第一抵抗部と第二抵抗部とは、同一の隣接角部間に形成され、第一抵抗部は、第二抵抗部と角部とのあいだにそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項13記載の棒状化粧料容器である。
請求項15の発明は、角筒は四角筒であり、第一抵抗部と第二抵抗部とが形成される隣接角部間は互いに対向位置にある少なくとも一対の面部であることを特徴とする請求項13または14記載の棒状化粧料容器である。
請求項16の発明は、インナーキャップの第一抵抗部および/または第二抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第一抵抗部および/または第二抵抗部に容器本体が押圧状に摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項2乃至15の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項17の発明は、インナーキャップの少なくとも第二抵抗部が形成される部位には第二抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至16の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項18の発明は、補強部には、少なくとも第二抵抗部の変形代を確保するよう第二抵抗部が補強部からはみ出す部位があることを特徴とする請求項17記載の棒状化粧料容器である。
請求項19の発明は、キャップには、キャップが被覆蓋部を覆蓋する覆蓋過程において、第一抵抗部と第二抵抗部とのあいだに、被覆蓋部が摺接する第三抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
請求項20の発明は、インナーキャップの第三抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第三抵抗部に容器本体が摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項19記載の棒状化粧料容器である。
請求項21の発明は、インナーキャップの第三抵抗部が形成される部位には第三抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項19または20記載の棒状化粧料容器である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明とすることで、容器本体の被覆蓋部をキャップで覆蓋するとき、初めは小さい第一の摺動抵抗、次いで大きい第二の摺動抵抗が付与される状態になって全覆蓋をするものでありながら、これら摺動抵抗は、容器本体がキャップ内側面に形成の第一、第二抵抗部に押圧状に摺接することで付与されるため、容器本体外側面は、凸リブがないすっきりとしたストレート形状にできることになって外観的に優れ、汚れが溜まってしまうこともない。
請求項2の発明とすることで、第一、第二抵抗部があるキャップを簡単に構成することができる。
請求項3の発明とすることで、大きさが異なる第一、第二の摺動抵抗を簡単に付与することができる。
請求項4の発明とすることで、第一、第二抵抗部がともにインナーキャップの筒天部に形成されることになり、第一、第二抵抗部を外部から視認されることのないものとすることができる。
請求項5の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とがそれぞれインナーキャップ内の細筒部と太筒部とに形成されるため、インナーキャップの異なる位置で摺動抵抗を付与することができて、容器本体を外観的に優れたものとしながら、安定した抵抗を付与することができる。
請求項6の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とが共にインナーキャップの太筒部に形成されるため、被覆蓋部の先端が傾斜状であっても確実な第一、第二の摺動抵抗を被覆蓋部に付与することが出来る。
請求項7の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とがそれぞれインナーキャップ内の太筒部と細筒部とに形成されるため、インナーキャップの異なる位置で摺動抵抗を付与することができて、容器本体を外観的に優れたものとしながら、安定した抵抗を付与することができる。
請求項8の発明とすることで、インナーキャップおよび被覆蓋部に形成される細筒部と太筒部とを円筒形状で構成したものであっても、安定した摺動抵抗を付与することができる。
請求項9の発明とすることで、インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部を円筒形状とし、太筒部を角筒としたものであっても、安定した摺動抵抗を付与することができる。
請求項10の発明とすることで、角筒に形成された第一抵抗部および/または第二抵抗部を変形の生じにくいものにすることができる。
請求項11の発明とすることで、角筒に形成された第一抵抗部および/または第二抵抗部が被覆蓋部に対して確りとした摺動抵抗を付与することができる。
請求項12の発明とすることで、角筒に形成された第一抵抗部および/または第二抵抗部が被覆蓋部に対してバランスの良い摺動抵抗を付与することができる。
請求項13の発明とすることで、角筒に第一抵抗部と第二抵抗部をバランス良く配することができて、安定した摺動抵抗を付与することができる。
請求項14の発明とすることで、第一抵抗部と第二抵抗部とが近接位置となるため、キャップを容器本体に覆蓋する際、第一抵抗部における摺動から第二抵抗部における摺動への移行が滑らかに行われ、操作性の良いものとすることができる。また、第一抵抗部と第二抵抗部とは、互いに隣接する角部間に左右対称形に配されるため、バランスの良い摺動抵抗とすることができる。
請求項15の発明とすることで、摺動抵抗をさらにバランス良く配されたものとすることができる。
請求項16の発明とすることで、キャップで覆蓋する際に第一および第二の抵抗を付与する第一および第二抵抗部がありながら、容器本体が第一および第二抵抗部を押圧状に摺接したときの拡開変形をインナーキャップとキャップ本体とのあいだに形成される隙間によって吸収して許容できることになって、容器本体へのキャップの覆蓋をスムーズに行うことができる。
請求項17の発明とすることで、少なくとも拡開変形する第二抵抗部が隙間のある側で補強されることになって、キャップの覆蓋を繰返すことで少なくとも抵抗が大きい第二抵抗部が元の姿勢に戻らなくなってしまうことを防止し、長期に亘って抵抗部としての機能が失われないものとすることができる。
請求項18の発明とすることで、補強部が少なくとも第二抵抗部の拡開変形の邪魔になることを回避して、第二抵抗部において確実にキャップと容器本体とに摺動抵抗を付与することができる。
請求項19の発明とすることで、キャップの内側面にあって容器本体の被覆蓋部が、キャップの第一抵抗部に摺接してから第二抵抗部に摺接するまでのあいだに第三抵抗部に摺接することになって、第三抵抗部が形成された部位の拡開変形を防止することができる。
請求項20の発明とすることで、容器本体をキャップで覆蓋する際に第三の抵抗を付与する第三抵抗部が、容器本体との摺接によって拡開変形したときに該拡開変形をインナーキャップとキャップ本体とのあいだに形成される隙間によって吸収することで許容することができて、インナーキャップの容器本体への覆蓋をスムーズに行うことができる。
請求項21の発明とすることで、拡開変形する第三抵抗部が、キャップの覆蓋を繰返すことで第三抵抗部が拡開変形した状態から元の姿勢に戻らなくなってしまうことを防止し、長期に亘って第三抵抗部としての機能が失われないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】容器本体がキャップに全覆蓋された状態を示す縦断面図である。
【図2】(A)〜(E)は、キャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図3】(A)、(B)は、インナーキャップの縦断面図および横断面図である。
【図4】(A)、(B)は、インナーキャップの第二の実施の形態を示す縦断面図および横断面図である。
【図5】(A)、(B)は、インナーキャップの第三の実施の形態を示す縦断面図および横断面図である。
【図6】(A)〜(D)は、インナーキャップの第四〜第七の実施の形態を示す縦断面図および底面図である。
【図7】(A)〜(C)は、インナーキャップの第八〜第十の実施の形態を示す縦断面図および底面図である。
【図8】(A)、(B)は、インナーキャップの第十一の実施の形態を示す斜視図および縦断面図である。
【図9】インナーキャップがキャップ本体に内嵌した状態の第十一の実施の形態を示す縦断面図である。
【図10】(A)〜(D)は、インナーキャップの第十二〜第十五の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】(A)、(B)は、インナーキャップの第十六の実施の形態を示す斜視図および底面図である。
【図12】(A)、(B)は、第十六の実施の形態におけるキャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図13】第十七の実施の形態における容器本体の斜視図及びキャップの断面図である。
【図14】(A)、(B)は、第十七の実施の形態における容器本体上部とインナーキャップであって、(A)は覆蓋前および覆蓋後の斜視図、(B)は覆蓋された状態の縦断面図である。
【図15】(A)、(B)は、それぞれ第十七の実施の形態における把持部と第一凸部との関係を示す縦断面図である。
【図16】(A)、(B)は、それぞれ第十七の実施の形態におけるインナーキャップの底面図、X−X断面図である。
【図17】(A)〜(C)は、それぞれ第十八、第十九、第二十の実施の形態を示すインナーキャップの底面図である。
【図18】(A)は、第二十一の実施の形態におけるインナーキャップの底面断面図、(B)は、インナーキャップが容器本体を覆蓋した様子を示す底面断面図、(C)は第二十一の実施の形態の変形例を示すインナーキャップの底面断面図である。
【図19】(A)〜(D)は、第二十一の実施の形態におけるキャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図20】(A)、(B)は、第二十二の実施の形態を示す底面図および縦断面図である。
【図21】(A)〜(C)は、それぞれ第二十三、第二十四、第二十五の実施の形態を示す底面図である。
【図22】(A)〜(C)は、それぞれ第二十六の実施の形態を示す底面図、A−A断面図、B−B断面図である。
【図23】(A)、(B)は、第二十七の実施の形態におけるインナーキャップの底面断面図およびY−Y側面断面図である。
【図24】(A)〜(D)は、第二十七の実施の形態におけるキャップを覆蓋する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に本発明の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す1は容器本体であって、該容器本体1は、有底筒状の基筒2と、この基筒2の上側に位置して側面が上部に向けて階段状に小径となった段差部3aを有する筒状の袴筒3とを備えて構成されるが、該袴筒3の内周面側には、円筒状の把持筒4が基筒2及び袴筒3に対して縦軸周りに回動自在に組付けられている。
【0008】
一方、基筒2の内側には有底筒状の台座部5が固着されているが、この台座部5の上端部5aは袴筒3と把持筒4とのあいだに挟持される状態で前記段差部3a近傍にまで至るように延設されている。尚、6は台座部5、袴筒3、基筒2を固定するための固定筒である。
また、前記把持筒4の内周面側には、内面に螺旋溝7aが刻設された螺旋筒7が一体的に止着されているが、螺旋筒7の内周面側には、縦軸方向に長いガイド孔8aが穿設された中筒8が嵌着している。この中筒8は、台座部5に固着しており基筒2と一体的に回動するように構成されている。
【0009】
さらに中筒8の内周面側には、前記ガイド孔8aを貫通して螺旋溝7aに係合する突起9aが突設された中皿体9が上下方向移動自在に設けられている。この中皿体9には、棒状化粧料(図示省略)を収容するための収容部9bが形成されている。そして基筒2に対して把持筒4を相対回動させると、中皿体9は、ガイド孔8aに沿って回転規制される状態で突起9aが螺旋溝7aを摺動案内されることにより中筒8内を上下移動するようになっている。
【0010】
一方、10は容器本体1の上端部に外嵌して該容器本体1を覆蓋するためのキャップであって、該キャップ10は、有天筒状をしたキャップ本体11と、該キャップ本体11の内側に抜止め状に止着される有天筒状のインナーキャップ12とを備えて構成されるが、該インナーキャップ12の上部外周面は、キャップ本体11の内周面に対して隙間Sを存するように設定されている。そしてキャップ10は、インナーキャップ12内に把持筒4を内嵌するようにして嵌め込むことで前記覆蓋がなされるようになっている。因みにこのものでは、キャップ10を全覆蓋した場合に、キャップ本体11の開口端11aが前記段差部3aに当接して閉鎖状態となり、この状態では、把持部先端4aはインナーキャップ12の最奥端部12aとは離間する設定になっている。
【0011】
図2に示すように、前記インナーキャップ12は前記把持筒4を遊嵌できる寸法設定、つまりインナーキャップ12の内径は把持筒4の外径よりも少し大きい設定になっているが、インナーキャップ12の内周面には、容器本体1の覆蓋部(被覆蓋部)を覆蓋する際の中途位置(中途覆蓋姿勢)から直前位置(直前覆蓋姿勢)を経て全覆蓋(全覆蓋姿勢)する過程の中途位置から全覆蓋する過程において、把持筒4の先端4aおよび外周面4bが摺接する第一凸部(本発明の第一抵抗部に相当する)12bと、直前位置から全覆蓋する過程において、把持筒4の先端4aおよび外周面4bが摺接する第二凸部(本発明の第二抵抗部に相当する)12cとが突出形成されている。第一凸部12bは、本実施の形態では所定角度を存して対向する一対の凸条が180度の角度を存して対称状に設けられることで都合4本が設けられているが、第二凸部12cは、前記一対の第一凸部12bのあいだに位置するようにして設けられる凸条であって、都合2本が設けられている。この場合に、第二凸部12cは、内径側への突出量を第一凸部12bよりも大きくすることで把持筒4が第一凸部12bを摺動しながら移動するときの移動抵抗(摺動抵抗)よりも大きくなるように設定されている。
【0012】
そしてキャップ10で容器本体1を覆蓋していった場合に、把持筒4の先端4aが第一凸部12bに達するまではインナーキャップ12に遊嵌することになって抵抗のない覆蓋になるが(図2(A)参照)、把持筒4の先端4aが第一凸部12bに到達すると、先端4aが第一凸部12bを外径方向に押しやりながら摺動する状態となって第一の移動抵抗が付与される(図2(B)参照)。この第一の移動抵抗が付与された状態でさらに覆蓋していくと、把持筒4の先端4aが第二凸部12cに達することになるが(図2(C)参照)、そうすると今度は突出量が大きい第二凸部12cを外径方向に押しやりながら摺動する状態となって第一の移動抵抗よりも大きい第二の移動抵抗が付与され(図2(D)参照)、この第二の移動抵抗が付与された状態でさらに覆蓋していくと全覆蓋することになる(図2(E)参照)。前記第二の移動抵抗が付与されることで意図的に覆蓋しようとする覆蓋力(操作力)が大きくなり、これによって全覆蓋したとき、キャップ本体11の開口端11aが段差部3aに衝突することになって「パチン」という軽快な閉鎖音(クリック音)が発生し、キャップ10が全覆蓋状態になったことを手の感覚だけでなく聴覚においても確認できるようになっている。
【0013】
ここで、インナーキャップ12は可撓性がある物質、例えば、低密度ポリエチレンからなり、前記第一、第二の移動抵抗が付与される場合、第一、第二凸部12b、12cは外径方向に押しやられることになってインナーキャップ12は楕円形状に変形して押圧状態を保つことになるが(図3(A)、(B)参照)、この変形は前述したキャップ本体11とのあいだに設けた隙間Sで吸収されるようになっている。さらに第一、第二凸部12b、12cの下端部(覆蓋過程で把持筒先端4aが最初に当接する部分)は円弧状でかつ下端側ほど低くなるように設定されており、これによって容器本体1をキャップ10で覆蓋する際、把持筒先端4aがスムーズに第一、第二凸部12b、12cを押しやって乗り越えられるように設定されている。尚、第二凸部12cのうち、把持筒4の先端4aが摺接する部位である摺接面12dは、周回り方向が内周面に沿って円弧状の凹形状となっている。
【0014】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、キャップ10で容器本体1を覆蓋していく場合に、容器本体1の上端部1a(把持筒4の先端4a)が該キャップ10を構成しているインナーキャップ12に形成の第一凸部12bにまず摺接して小さい第一の移動抵抗が付与され、ついで第二凸部12cに摺接して大きい第二の移動抵抗が付与されることになり、これによって全体としてバランスの取れた大小二段の抵抗を受けつつキャップ10が容器本体1を全覆蓋することになり、安定感がある全覆蓋がなされる。そして全覆蓋する場合に、その直前位置で大きい第二の移動抵抗に抗するよう強い覆蓋力で覆蓋操作するため、その勢いでキャップ本体11の開口端11aが容器本体1側の段差部3aに衝撃的に当接することになって「パチン」という心地よい衝突音が発せられて全覆蓋したことを認識することができる。
【0015】
このように、キャップ10を覆蓋する過程で、小さい第一の移動抵抗と大きい第二の移動抵抗とが段階的に付与されることになって安定したキャップ10の覆蓋ができるものであるが、このものでは、第一、第二凸部12b、12cをインナーキャップ12に形成し、前記覆蓋過程で該第一、第二凸部12b、12cを容器本体1の上端部1aが押圧状に摺接しながら移動することで第一、第二の移動抵抗が付与されることになり、この結果、容器本体の把持筒4に、汚れが溜まりやすい凸リブを形成する必要がなくなってストレート形状にでき、外観がすっきりした高級感にあふれたものにできる。
【0016】
しかもこのものでは、キャップ10が、開口端11aが形成されたキャップ本体11と、該キャップ本体11に内嵌され、前述した第一、第二凸部12b、12cが形成されたインナーキャップ12とから構成されているので、第一、第二凸部12b、12cを簡単に形成することができる。そしてこの場合に、第二凸部12cの突出量を第一凸部12bよりも大きくすることで大きさが異なる第一、第二の摺動抵抗が付与されたものになるため、これらの構成も簡単にできる。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、キャップとしては、容器本体を覆蓋する中途位置から直前位置を経て全覆蓋するまでの過程のあいだの中途位置に少なくともあって前記容器本体1の上端部1aが押圧状に摺接することで第一の移動抵抗を付与する第一抵抗部と、容器本体を覆蓋する直前位置に少なくともあって、前記本体上端部が押圧状に摺接することで前記第一の移動抵抗よりも大きい第二の移動抵抗を付与する第二抵抗部とが形成されているものであればよいのであって、キャップはキャップ本体とインナーキャップとが一体化したものであってもよく、また、第一、第二の移動抵抗を与えるための抵抗部としては、例えば図4、5に示すようなバリエーションとすることが可能である。
【0018】
図4、5において示す第二、第三の実施の形態のものは、第一凸部12bと第二凸部12cの設けられる位置は図3に示す第一の実施の形態と同じであるが、第二凸部12cの容器本体1との摺接面12dは、第一の実施の形態においてはインナーキャップ12の内周面に沿った凹形状であるのに対し、図4のものは第二凸部12cがインナーキャップ12の周回り方向に円弧状の凸形状(扇状)に突出形成されたものであり、また、図5のものは第二凸部12cの摺接面12dがインナーキャップ12の周回り方向に矩形状に突出形成されたものである。
【0019】
さらに、図6(A)に示す第四の実施の形態のものは第一凸部12bと第二凸部12cとがインナーキャップ12の内周面に軸方向に直線状に設けられたものである。図6(B)に示す第五の実施の形態ものは第一凸部12bと第二凸部12cとが周回り方向等角度おきに設けられたものである。図6(C)に示す第六の実施の形態ものは第一凸部12bを軸方向に長い形状とし、第二凸部12cを周方向に長い形状としたものである。図6(D)に示す第七の実施の形態のものは前記図6(A)に示すものと同様、第一、第二凸部12b、12cが軸方向直線状に形成されているが、第二凸部12cの周回り方向の幅が広くなったのものである。
【0020】
さらに、図7(A)に示す第八の実施の形態のものは一対の第一凸部12bに挟まれて形成される第二凸部12cが周回り方向に二分割された山形状になったものである。さらに図7(B)に示す第九の実施の形態のものは、一対の第一凸部12bのあいだに挟まれて形成される第二凸部12cの周囲を切り込んで舌片12eにしたものであって、第二凸部12cが容器本体1の上端部1aに押圧されることで外径方向に退避するときの弾性を第二の移動抵抗として利用したものである。また図7(C)に示す第十の実施の形態のものは、第一凸部12bが軸方向線上であるのに対し、第二凸部12cが周回り方向リング状に形成されたものである。
【0021】
また、図8(A)、(B)に示す第十一の実施の形態のものは、インナーキャップ12の第一、第二凸部12b、12cが形成された面部の外周面部位からインナーキャップ12の外側上部である天井部12fに向けて小径状部12gが傾斜状に面取り形成されており、これによってインナーキャップ12がキャップ本体11に内嵌した状態では、図9に示すように、キャップ本体11の内周面とのあいだに隙間Sが形成される。そして、容器本体1の外周面4bが第一および第二凸部12b、12cに押圧状に摺接したとき、該第一、第二凸部12b、12cは内周面側から外周面側に向けて強制的に膨張する拡開変形をすることになるが、この拡開変形を前記隙間Sが変形代となって吸収することになり、この結果、該第一、第二凸部12b、12cをインナーキャップ12に設けながら、キャップ10の覆蓋操作が損なわれることがない。
【0022】
しかもこのものでは、小径状部12gが形成される面部に、第二凸部12cを補強するための補強リブ12hが上下方向に長い状態で突出形成されていて、キャップ10の覆蓋を繰返すことで抵抗が大きい第二凸部12cが、頻度の高い使用やキャップ覆蓋状態で高温雰囲気下に置かれたことで第二抵抗を付与する姿勢状態に戻らなくなって拡開変形したままの状態(永久変形状態)になってしまうことを防止し、長期に亘って第二凸部12cとしての機能が失われないものとすることができる。
そしてこのものでは、補強リブ12hが、第二凸部12cに対して周回り方向に幅狭なものとなっていて、第二凸部12cが補強リブ12hからはみ出すように設定されているから、該第二凸部12cのはみ出し部位に第二凸部12cの変形代が確保されることになって補強リブ12hが第二凸部12cの前記拡開変形の邪魔をすることがなく、第二抵抗を確実に付与することになる。
【0023】
ここで補強部としては、前記補強リブ12hのように、小径状部12g上に一本のみ形成されていて第二凸部12cのみの補強をするものに限定される必要はなく、図10(A)に示す第十二の実施の形態のように、補強リブ12iが複数形成されたものであってもよい。そしてこのものでは、補強リブ12iは、第一、第二凸部12b、12cをそれぞれ補強するように設定されているが、この場合に、第一凸部12bを補強する左右両側のものは上下方向に短くかつ幅狭であり、第二凸部12cを補強する中央側のものは上下方向に長くかつ幅広に形成してある。また図10(B)に示す第十三の実施の形態のものは、複数の補強リブ12jが、インナーキャップ12の周回り方向に長いものになっているが、このものは天井部12fに近い側の補強リブ12jが周回り方向に長いものとなっていて、第一、第二凸部12b、12cを補強しているが、天井部12fから遠い側の補強リブ12jは短いものになっていて第二凸部12bのみを補強するようになっている。また、図10(C)に示す第十四の実施の形態のものは、第一、第二凸部12b、12cに対応して点状の補強突起12kが突出形成されているが、第一凸部12bを補強する補強突起12kは小さく、第二凸部12cを補強する補強突起12kは大きいものに設定されている。さらに図10(D)に示す第十五の実施の形態のものは、前記(C)に示すものとは逆の配置で補強突起12lが設けられたものであり、第二凸部12cを補強する補強突起12lはインナーキャップ12の軸方向に長い楕円形状となっている。
【0024】
このように補強部を形成する場合、該補強部は、抵抗が大きい第二抵抗部を少なくとも補強すればよく、第一抵抗部の補強をするか否かについては任意に設定でき、また補強部の具体的形状や数、位置についても任意に設定することができ、この場合に、補強される抵抗部の拡開変形を邪魔しないよう抵抗部の一部が補強部からはみ出す部位があるように設定して抵抗部の変形代を確保するように設定することが好ましい。
【0025】
また、図11に示す第十六の実施の形態のように、インナーキャップ12を、上側である最奥端部12aに近い側の部位を、本発明のインナーキャップの細筒部であるところの内径の小さい小径部12mに形成し、下側である開口端部12nに近い側の部位を、本発明のインナーキャップの太筒部であるところの内径の大きい大径部12pに形成して構成する一方、インナーキャップ12が覆蓋する容器本体1の被覆蓋部13には、被覆蓋部上側に備えられた把持筒4を、本発明の被覆蓋部の細筒部であるところの小径部13aとし、被覆蓋部下側であり把持筒4の外周面側に備えられた袴筒3を、本発明の被覆蓋部の太筒部であるところの大径部13bとして構成して、第一抵抗部を小径部12mの内径面側に形成し、第二抵抗部を大径部12pに形成したものとして構成してもよい。
【0026】
このものでは、小径部12mのインナーキャップ内周面側かつ最奥部12aに、第一抵抗部である第一凸部12qが軸方向に長く周回り方向適宜角度を存して複数個(本実施の形態では3個)形成され、大径部12pの内周面側に第二抵抗部である半球状の第二凸部12rが周回り方向適宜角度を存して複数個(本実施の形態では3個)形成されている。そして、第二凸部12rは、第一凸部12qよりも容器本体との摺動抵抗が大きくなるよう設定されている(図12(A)参照)。
尚、本実施の形態では、第一凸部12qと第二凸部12rとは、軸方向同一線上とならないように配しているが、第一凸部12qと第二凸部12rの配置はこれに限定されることはなく、また形状も種々なものにすることができる。
また、第一凸部12qおよび第二凸部12rの外周面側とキャップ本体11のあいだには隙間Sが形成され、この隙間Sが、容器本体1が第一凸部12qおよび第二凸部12rに押圧状に摺接したときの拡開変形を許容する変形代となっていることは、第一の実施の形態と同様である。
【0027】
そして、容器本体1に、インナーキャップ12が内嵌したキャップ10を覆蓋していくと、被覆蓋部の小径部13aである把持筒4の先端4aおよび外周面4bがインナーキャップ12の小径部12mに形成の第一凸部12qに押圧状に摺接し、さらにキャップ10を覆蓋していくと、被覆蓋部大径部13bである袴筒3の上端部3bが大径部12pに形成の第二凸部12rに押圧状に摺接する。そして、上端部3bが第二凸部12rを乗り越えることで容器本体1はキャップ10に全覆蓋されることになるが(図12(B)参照)、ここで、第二凸部12rは第一凸部12qよりも抵抗が大きいものになっていることから、第二凸部12rを乗り越えるためには、把持筒4の先端4aが第一凸部12qに摺接するときよりも強い覆蓋力で覆蓋されることになり、これによってキャップ10の下端部が袴筒3に形成された段差部3aに衝撃的に当接することによる「パチン」という衝突音(クリック音)が発生する。
【0028】
このように構成することによって、第一凸部12qである第一抵抗部と第二凸部12rである第二抵抗部とはインナーキャップ12の上下両端に形成されるため、容器本体の外観はすっきりしたものでありながらバランスの良い抵抗とすることができる。
尚、第一凸部12qおよび第二凸部12rが形成された部位の外周面側には、第十一の実施の形態のものと同様に、小径状部12sが上端側に向けて傾斜状に面取り形成されており、このうち、第二凸部12rの外周面側に形成された小径状部12sの面部には、第二凸部12rを補強するための補強リブ12tが突出形成されている。このよう構成することによって頻度の高い使用や高温雰囲気下での使用による永久変形状態を防止するようになっている。
【0029】
また、図13、図14に示す第十七の実施の形態のものは、把持筒15の先端15aが側面視で傾斜状であって、該把持筒15の下側に設けられている袴筒16は、上側が一辺の短い細角筒16aであり、下側が一辺の長い太角筒16bとなっており、該太角筒16bの上面は段差部16cに形成され、キャップ覆蓋時には、該段差部16cにキャップ17の開口端19aが当接することによって、キャップ17の全覆蓋がなされるよう構成されている。この場合、インナーキャップ18は、上側が有天円筒部18aであり、下側が四角筒18bであって、キャップ17で容器本体14を覆蓋する際には、インナーキャップ18の有天円筒部18aが把持筒15に外嵌し、四角筒18bが袴筒16の細角筒16aに外嵌するようになっている。
【0030】
ところで、前記把持筒15の先端15aが傾斜状の容器本体14にあっては、図15に示すように、例えばインナーキャップ18の有天円筒部18aの内側に形成される3つの第一凸部18cが、最奥端部18dから開口端18eに向けて長尺の凸条であって、円周方向互いに120度の角度を存して突出形成されている場合、インナーキャップ18で把持筒15を覆蓋する際に、把持筒15の先端15aが最も高くなっている最上部部位15bに第一凸部18c−1が摺接する場合(図15(A)参照)と、最も低くなっている最下部部位15cに第一凸部18c−1が摺接する場合(図15(B)参照)とでは、第一凸部18と把持筒15の外周面との当接長さが異なる。つまり、最上部部位15bで第一凸部18c−1が摺接した場合は、把持筒外周面に対する第一凸部18c−1の摺接する長さはAであり、第一凸部18c−2および第一凸部18c−3の摺接する長さはそれぞれBである。これに対し、最下部部位15cで第一凸部18c−1が摺接した場合は、把持筒外周面に対する第一凸部18c−1の摺接する長さはCであり、第一凸部18c−2および第一凸部18c−3の摺接する長さはそれぞれDである。このようにインナーキャップ18を把持筒15に覆蓋する際、把持筒15の先端15aの傾斜の向きと第一凸部18cとの周回りの位置関係が異なることによって、把持筒15の周回り方向および軸芯方向の摺動抵抗が異なるものとなり、結果として、容器本体14がインナーキャップ18に形成される第一凸部18cの摺動抵抗のみを受けて覆蓋される場合は、キャップ17が偏った状態で覆蓋されることになる。
【0031】
このように把持筒15の先端15aが傾斜状の容器本体14にあっては、第一凸部18cの把持筒15に対する覆蓋はバランスの悪いものとなるため、第二凸部18fによる袴筒16への摺動によって偏りを補正する必要がある。そこで、図16(A)、(B)に示すように、第二凸部18fを、インナーキャップ18の開口端18eである四角筒18bに形成した。つまり、四角筒18bの内側面に形成される四つの角部18gのうち、2つの互いに対向する角部18gの左右両側であって角部18gに偏寄する位置に第二凸部18fを突出形成させ、該第二凸部18fによって、第一凸部18cよりも大きな摺動抵抗を被覆蓋部に付与するよう構成した。
【0032】
このように構成することで、たとえ把持筒15の先端15aが傾斜状となった容器本体14であって、第一凸部18cでは摺動抵抗に偏りが生じたとしても、インナーキャップの四角筒18bに形成された第二凸部18fによって偏りが補正され、全体としてバランスの取れた摺動抵抗とすることができる。
しかも第二凸部18fが形成される四角筒18bの角部18gは、構造上平面部18hよりも強度的に優れているため、第二凸部18fには第一凸部18cの摺動抵抗よりも強い摺動抵抗を付与し、全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施の形態と同様である。
【0033】
尚、本実施の形態では、把持筒15の先端15aを傾斜状に構成したが、これに限定されることはなく、先端15aが水平状のものであっても同じように実施することができる。この場合は、第一凸部18cによる摺動抵抗の偏りは生じないため、第二凸部18fに偏りの補正という役割を持たせる必要はないが、第一凸部18cと第二凸部18fとをそれぞれインナーキャップ18の上側である有天円筒部18aと下側である四角筒18bとに形成することによって、第一抵抗部と第二抵抗部とが離間した位置に形成されることになり、キャップ17の容器本体14に対する覆蓋をより確りとしたものにすることができる。
また、本実施の形態では、袴筒16が角筒形状の場合においてインナーキャップ18が該袴筒16に対して摺動抵抗を付与するものに構成したが、袴筒16が角筒形状ではなく例えば円筒形状であっても適用することができ、また種々の形状の容器本体に適用が可能である。
【0034】
さらに、第二凸部18fが形成される部位は、互いに対向する角部18gに限定されるものではなく、図17(A)に示す第十八の実施の形態のように、すべての角部18fに形成しても良く、図17(B)に示す第十九の実施の形態のように、これら全ての角部18gの片側端(ここでは角部から見て右側)のみに突出形成したものに構成しても良い。また、図17(C)に示す第二十の実施の形態のように、四角筒18bの平面部18hにあって、やや四角筒18bよりに偏寄した位置に形成しても良く、これらの実施の形態によっても全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施の形態と同様である。
【0035】
また、第二十一の実施の形態として、図18(A)、(B)に示すように、細筒部と太筒部とで構成されるインナーキャップ18の太筒部である四角筒18bに第一凸部18cおよび第二凸部18fが共に形成されたものに構成しても良い。本実施の形態においては、第一凸部18cは、四角筒18bの互いに対角位置にある一対の角部18gにあって、該角部18gの両側かつ該角部18gに偏寄した位置に、四角筒18bの内側に向けて突出形成される。そして、該角部18gと第一凸部18cとのあいだには、それぞれ第一凸部18cより突出量が多い第二凸部18fが同じく四角筒18bの内側に向けて突出形成され、これによって都合4つの第一凸部18c、第二凸部18fが、角部18gを中心に互いに対向して突出形成されている。尚、第二十一の実施の形態の変形例として、四角筒18bに形成される第一凸部18cおよび第二凸部18fを、図18(C)に示されるように対角位置にある各角部18gを挟む状態で対となるように設けたものとして実施してもよいことは勿論である。
【0036】
そして、インナーキャップ18で容器本体14を覆蓋していくと(図19(A)参照)、まず袴筒16に形成される細角筒16aの上側端16dがインナーキャップ18の四角筒18bに形成された第一凸部18cに摺動してインナーキャップ18に第一の摺動抵抗が付与され(図19(B)参照)、ここからさらにインナーキャップ18を覆蓋していくと、四角筒18bは第一凸部18cによって摺動抵抗が付与された状態で第二凸部18fに摺動し、これによって第一の摺動抵抗より強い第二の摺動抵抗が付与される(図19(C)参照)。この第二の摺動抵抗が与えられたとき、第二の摺動抵抗に抗して全覆蓋するための強い覆蓋力が与えられることによって上側端16dは第二凸部18fを一気に乗り越え、この乗り越えによる急激な覆蓋によって、キャップ17の開口端19aが袴筒16の段差部16cに衝撃的に当接し、これによって全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施例と同様である。
【0037】
このように、第一凸部18c、第二凸部18fを太筒部である四角筒18bに形成することにより、細筒部である有天円筒部18aでは摺動抵抗が付与されず、太筒部である下側の四角筒18bで第一、第二の摺動抵抗を付与することになるため、たとえ把持筒15の先端15aが傾斜状の容器本体14であって、把持筒先端15aの傾斜の向きが第一凸部18cに対して周回りの位置関係が異なったとしても、第一および第二の摺動抵抗がそれぞれ変化することなく何れも同じになって、確りとした覆蓋をすることができる。尚、第一、第二凸部18c、18fは、第一凸部18cの下端部が第二凸部18fの下端部よりインナーキャップ18の開口端18eに近くなるように形成されれば良いのであって、形状および数が本実施の形態によって特に限定されるものではない。
【0038】
また、本実施の形態においては、第一凸部18cおよび第二凸部18fを、インナーキャップ18の他の部位よりも強度的に優れた四角筒18bの角部18g近傍に形成したことにより、第一、第二凸部18c、18fの拡開変形を防止できて、確実な摺動抵抗を確保することが出来る。
【0039】
第二十一の実施の形態においては、第一凸部18cおよび第二凸部18fを、共に四角筒18bの角部18gに偏寄した位置に形成したが、必ずしも第一、第二凸部18c、18fを共に角部18gに偏寄させる必要はなく、以下に詳述する第二十二の実施の形態のように形成しても良い。
つまり、図20(A)、(B)に示すように、互いに隣接する角部18gのあいだに形成される隣接角部間である面部18jには、周回り方向(図面で左右方向)中央部位に第二抵抗部である第二凸部18iが形成され、該第二凸部18iと角部18gとのあいだ、つまり、面部18jの中央部位よりも両角部18g側に偏寄した位置には、第一凸部18hがそれぞれ一つずつ形成される。該第一凸部18hは、共に第二凸部18iよりも下端部がインナーキャップ18の開口端18eに近く、かつ第二凸部18iよりも四角筒18bの内側への突出量が少ないものに形成されている。そして、面部18jの対向面である面部18kにも同様にして面部18kの中央部位に第二凸部18iが形成されるとともに、該第二凸部18iと両角部18gとのあいだには、第一凸部18hがそれぞれ一つずつ形成される。このようにして、四角筒18bの内側に都合4つの第一凸部18h、2つの第二凸部18iが形成され、覆蓋過程において、第一凸部18hおよび第二凸部18iが第一、第二の摺動抵抗を順次付与していくことは、前述した第二十一の実施の形態と同様である。
【0040】
尚、本実施の形態におけるインナーキャップには、本発明の第十一の実施の形態であるインナーキャップと同様に、第二凸部18iの補強部である平板状の補強リブ18mが、第二凸部18iが形成された面部18j、18kの外側面に形成されており、これによって摺動抵抗のより強い第二凸部18iが長期の使用や頻度の高い使用或いは高温雰囲気下での使用等によって拡開変形した状態のまま元の姿勢に戻らなくなって機能が失われてしまうことを防止している。
【0041】
ここで、四角筒18bにおける第一凸部18hおよび第二凸部18iが形成される位置は、本実施の形態に限定されるものではなく、第二凸部18iが互いに隣接する角部18gのあいだの面部18jの中央部に形成され、第一凸部18hが角部18gに偏寄した位置に形成されたものであれば良く、例えば、図21(A)に示す第二十三の実施の形態のように、第一凸部18hを、対向する一組の面部である面部18n、18pにそれぞれ2つずつ形成し、第二凸部18iを、対向する他の一組の面部である面部18j、18kにそれぞれ1つずつ形成しても良い。この場合、第一、第二凸部18h、18iは互いに対向位置となるよう配されて形成される。
また、図21(B)に示す第二十四の実施の形態のように、全ての面部18j、18n、18k、18pに第一凸部18h、第二凸部18iを1つずつ形成しても良い。この場合、4つの第一凸部18hは、周回り方向等角度おきに形成される。
さらに、図21(C)に示す第二十五の実施の形態のように、全ての面部18j、18n、18k、18pに第一凸部18hを2つずつ、第二凸部18iを1つずつ形成しても良い。この場合、第一、第二凸部18h、18iは共に四角筒18bの内側において互いに対向位置となるように形成される。
【0042】
ところで、前述した第二十二の実施の形態のように、第一、第二凸部18h、18iを対向する一組の面部18j、18kに形成し、他の一組の面部である面部18n、18pには摺動抵抗を付与するようなものを何も形成しなかった場合、覆蓋過程において容器本体14が第一、第二凸部18h、18iを外方に押し出そうとする力として作用するため、これによって第一、第二凸部18h、18iが形成された面部18j、18kが四角筒18bの外方にむけて拡張してしまい、この拡張に引張られるようにして面部18n、18pが容器本体14に密着するような変形をし、インナーキャップ18の覆蓋時における操作性が悪くなってしまう可能性がある。
このため、図22に示す第二十六の実施の形態のように、第一、第二凸部18h、18iを一組の面部18j、18kだけにそれぞれ形成した場合には、他の一組の面部18n、18pに、四角筒18bの内側に向けて突出する、本発明の第三抵抗部であるところの第三凸部18qを形成するようにして構成した。
ここで第三凸部18qは、四角筒内側への突出量が第一凸部18h、第二凸部18iよりも少なく、また、第三凸部18qの下端部は、第一凸部18hの下端部よりはインナーキャップ18の開口端18eから遠く、第二凸部18hの下端部よりはインナーキャップ18の開口端18eから近い長さに形成されている。
このように第三凸部18qを形成することによって、第一、第二凸部18h、18iに、容器本体14が押圧状に摺接して面部18j、18kが外方へ拡開する方向の力が働いた場合であっても、面部18j、18kに引張られて面部18n、18p全体が容器本体14に密着することなく、第三凸部18qが容器本体14と摺接して面部18n、18pのこれ以上の変形を規制することができると共に、長期使用に基づき塑性変形が発生してキャップ10の完全覆蓋時に発生するクリック音の音量が低下したりクリック音が消失してしまうことがないようにしている。
これによって、インナーキャップ18が容器本体14を覆蓋していく際には、まずインナーキャップ18の第一凸部18hが容器本体に摺接し、次に第二凸部18iに摺接する。このとき、第三凸部18qは、面部18n、18pの変形に応じて容器本体14に摺接し、これによって、四角筒18bが覆蓋の操作性が悪くなる程に拡開変形してしまうことがない。
【0043】
尚、本実施の形態にあっては、インナーキャップ11の第三凸部18qの形成部位とキャップ本体11とのあいだにインナーキャップ18の拡開変形を許容するための隙間Sが形成されていると共に、第三凸部18qが形成される四角筒18bの外側にも平板状の補強リブ18rが形成され、この補強リブ18rによって、第三凸部18qの形成部位における面部18n、18pの外方への拡開変形も防止できるよう配慮されている。
【0044】
さらに、第二十七の実施の形態として、図23(A)、(B)に示すように、第一凸部18cを太筒部である四角筒18bに形成し、第二凸部18fを細筒部である有天円筒部18aの最奥端部18dに形成してもよい。本実施の形態においては、第一凸部18cは四角筒18bの一対の対向する角部18gにあって、該角部18gの両側かつ該角部18gに偏寄した位置にそれぞれひとつずつ形成され、第二凸部18fは有天円筒部18aの最奥端部18dにあって、四角筒18bの角部18gと角部18gとの中間位置に対応する位置に都合4つ形成される。ここで、第二凸部18fは、第一凸部18cよりも強い第二摺動抵抗を把持筒15に付与することが出来る突出量で突出形成されている。
【0045】
尚、第一凸部18cの四角筒18bにおける形成位置、および第二凸部18fの有天円筒部18aの最奥端部18dにおける形成位置は本実施の形態に限定されるものではなく、第一凸部18cが四角筒18bに形成され、第二凸部18fが該最奥端部18dに形成されるものであれば形成位置や形状は任意であってよい。また、第一、第二凸部の数もこれに限定されるものではなく、2つ、或いは3つ等任意の数に形成できることは勿論である。
【0046】
そして、インナーキャップ18で容器本体14を覆蓋していくと(図24(A)参照)、まず袴筒16の細四角筒16aがインナーキャップ18の四角筒18bに形成された第一凸部18cに摺動してインナーキャップ18に第一の摺動抵抗が付与され(図24(B)参照)、ここからさらにインナーキャップ18を覆蓋していくと、インナーキャップ18は、第一凸部18cが袴筒16に摺動することによって摺動抵抗が付与された状態で第二凸部18fが把持筒15の先端15aに摺動し、これによって、第一凸部18cの摺動抵抗よりも強い第二の摺動抵抗が付与される(図24(C)参照)。この第二の摺動抵抗が与えられた状態で全覆蓋するために強い覆蓋力を与えることによって全覆蓋がなされ(図24(D)参照)、この全覆蓋時にクリック音が発生することは他の実施の形態と同様である。
【0047】
本実施の形態におけるこのような構成は、前述したような把持筒15の先端15aが傾斜状の場合には適さないが、先端15aが水平状である場合は、先端15aに第二の摺動抵抗を付与することによって、第一凸部18cである第一抵抗部と第二凸部18fである第二抵抗部とがインナーキャップ18の上下両端に形成されるため、第16の実施の形態と同様に、容器本体の外観をすっきりしたものとしながらバランスの良い抵抗とすることができる。
【0048】
また、前述の第十七から第二十七の実施の形態において、インナーキャップ18と容器本体14との太筒部を四角筒にしたが、これに限定されるものでなく、六角筒、八角筒等の多角筒にしても良く、さらには丸筒にしても本発明を実施することができる。さらにまた、これらのものを実施する場合に、第十一の実施の形態のように、インナーキャップ18の第一凸部18c及び第二凸部18fに対応する位置とキャップ本体19とのあいだに隙間を形成するよう構成して、覆蓋時における第一、第二凸部18c、18fの拡開変形を許容するための変形代を形成することや、該隙間に向けて突出する補強材をインナーキャップ18の外側に設けて、頻度の高い覆蓋によって第一、第二凸部18c、18fが永久変形状態となることを防止するように構成しても良いことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、口紅等の棒状(スティック状)の化粧料を収納するための棒状化粧料容器の技術分野に属するものである。
【符号の説明】
【0050】
1 容器本体
10 キャップ
12b 第一凸部
12c 第二凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状化粧料が収容される容器本体と、該容器本体に外嵌して容器本体上側の被覆蓋部を覆蓋する有天筒状のキャップとを備えて構成される棒状化粧料容器において、前記キャップの内側面に、被覆蓋部を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋姿勢に至るまでの覆蓋過程のあいだの中途覆蓋姿勢から少なくとも直前覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで第一の摺動抵抗を付与する第一抵抗部と、直前覆蓋姿勢から全覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで前記第一の摺動抵抗よりも大きい第二の摺動抵抗を付与する第二抵抗部とが形成されていることを特徴とする棒状化粧料容器。
【請求項2】
キャップは、外面を構成するキャップ本体と、該キャップ本体に内嵌され、第一抵抗部および第二抵抗部が形成されたインナーキャップとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料容器。
【請求項3】
第二抵抗部は、第一抵抗部よりも内側への突出量を大きくすることで移動抵抗が第一抵抗部よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の棒状化粧料容器。
【請求項4】
第一抵抗部、第二抵抗部は、インナーキャップの筒天部内側面に形成されていて、容器本体の被覆蓋部先端部外側面が摺接するように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の棒状化粧料容器。
【請求項5】
インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項6】
インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部および第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項7】
インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項8】
インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部、太筒部は何れも円筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項9】
インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部は円筒であり、インナーキャップおよび被覆蓋部の太筒部は角筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項10】
第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器。
【請求項11】
第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部を挟んで左右両側に一対が形成されていることを特徴とする請求項10記載の棒状化粧料容器。
【請求項12】
角筒は四角筒であり、第一抵抗部および/または第二抵抗部が偏寄する角部は、互いに対角位置にある少なくとも一対の角部であることを特徴とする請求項10または11記載の棒状化粧料容器。
【請求項13】
第一抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成され、第二抵抗部は、角筒の隣接角部間の中央部位に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器。
【請求項14】
第一抵抗部と第二抵抗部とは、同一の隣接角部間に形成され、第一抵抗部は、第二抵抗部と角部とのあいだにそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項13記載の棒状化粧料容器。
【請求項15】
角筒は四角筒であり、第一抵抗部と第二抵抗部とが形成される隣接角部間は互いに対向位置にある少なくとも一対の面部であることを特徴とする請求項13または14記載の棒状化粧料容器。
【請求項16】
インナーキャップの第一抵抗部および/または第二抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第一抵抗部および/または第二抵抗部に容器本体が押圧状に摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項2乃至15の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項17】
インナーキャップの少なくとも第二抵抗部が形成される部位には第二抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至16の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項18】
補強部には、少なくとも第二抵抗部の変形代を確保するよう第二抵抗部が補強部からはみ出す部位があることを特徴とする請求項17記載の棒状化粧料容器。
【請求項19】
キャップには、キャップが被覆蓋部を覆蓋する覆蓋過程において、第一抵抗部と第二抵抗部とのあいだに、被覆蓋部が摺接する第三抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項20】
インナーキャップの第三抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第三抵抗部に容器本体が摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項19記載の棒状化粧料容器。
【請求項21】
インナーキャップの第三抵抗部が形成される部位には第三抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項19または20記載の棒状化粧料容器。
【請求項1】
棒状化粧料が収容される容器本体と、該容器本体に外嵌して容器本体上側の被覆蓋部を覆蓋する有天筒状のキャップとを備えて構成される棒状化粧料容器において、前記キャップの内側面に、被覆蓋部を覆蓋する中途覆蓋姿勢から直前覆蓋姿勢を経て全覆蓋姿勢に至るまでの覆蓋過程のあいだの中途覆蓋姿勢から少なくとも直前覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで第一の摺動抵抗を付与する第一抵抗部と、直前覆蓋姿勢から全覆蓋姿勢に至るまで前記被覆蓋部が押圧状に摺接することで前記第一の摺動抵抗よりも大きい第二の摺動抵抗を付与する第二抵抗部とが形成されていることを特徴とする棒状化粧料容器。
【請求項2】
キャップは、外面を構成するキャップ本体と、該キャップ本体に内嵌され、第一抵抗部および第二抵抗部が形成されたインナーキャップとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料容器。
【請求項3】
第二抵抗部は、第一抵抗部よりも内側への突出量を大きくすることで移動抵抗が第一抵抗部よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の棒状化粧料容器。
【請求項4】
第一抵抗部、第二抵抗部は、インナーキャップの筒天部内側面に形成されていて、容器本体の被覆蓋部先端部外側面が摺接するように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の棒状化粧料容器。
【請求項5】
インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項6】
インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部および第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項7】
インナーキャップには、細筒部と太筒部とが上下に形成され、被覆蓋部には、細筒部と太筒部とが上下に形成されていて、インナーキャップで被覆蓋部の覆蓋ができるものとし、インナーキャップの太筒部に、被覆蓋部の太筒部が摺接する第一抵抗部が形成され、インナーキャップの細筒部に、被覆蓋部の細筒部が摺接する第二抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項8】
インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部、太筒部は何れも円筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項9】
インナーキャップおよび被覆蓋部の細筒部は円筒であり、インナーキャップおよび被覆蓋部の太筒部は角筒であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項10】
第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器。
【請求項11】
第一抵抗部および/または第二抵抗部は、角筒の角部を挟んで左右両側に一対が形成されていることを特徴とする請求項10記載の棒状化粧料容器。
【請求項12】
角筒は四角筒であり、第一抵抗部および/または第二抵抗部が偏寄する角部は、互いに対角位置にある少なくとも一対の角部であることを特徴とする請求項10または11記載の棒状化粧料容器。
【請求項13】
第一抵抗部は、角筒の角部に偏寄した位置に形成され、第二抵抗部は、角筒の隣接角部間の中央部位に形成されていることを特徴とする請求項9記載の棒状化粧料容器。
【請求項14】
第一抵抗部と第二抵抗部とは、同一の隣接角部間に形成され、第一抵抗部は、第二抵抗部と角部とのあいだにそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項13記載の棒状化粧料容器。
【請求項15】
角筒は四角筒であり、第一抵抗部と第二抵抗部とが形成される隣接角部間は互いに対向位置にある少なくとも一対の面部であることを特徴とする請求項13または14記載の棒状化粧料容器。
【請求項16】
インナーキャップの第一抵抗部および/または第二抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第一抵抗部および/または第二抵抗部に容器本体が押圧状に摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項2乃至15の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項17】
インナーキャップの少なくとも第二抵抗部が形成される部位には第二抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至16の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項18】
補強部には、少なくとも第二抵抗部の変形代を確保するよう第二抵抗部が補強部からはみ出す部位があることを特徴とする請求項17記載の棒状化粧料容器。
【請求項19】
キャップには、キャップが被覆蓋部を覆蓋する覆蓋過程において、第一抵抗部と第二抵抗部とのあいだに、被覆蓋部が摺接する第三抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1記載の棒状化粧料容器。
【請求項20】
インナーキャップの第三抵抗部が形成された部位とキャップ本体とのあいだに隙間が存するように構成し、該隙間が、第三抵抗部に容器本体が摺接することに基づくインナーキャップの拡開変形を許容するための変形代になっていることを特徴とする請求項19記載の棒状化粧料容器。
【請求項21】
インナーキャップの第三抵抗部が形成される部位には第三抵抗部を補強するための補強部が形成されていることを特徴とする請求項19または20記載の棒状化粧料容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−423(P2011−423A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273677(P2009−273677)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000153926)株式会社ヒダン (16)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000153926)株式会社ヒダン (16)
[ Back to top ]