植物の育成方法
【課題】植物の育成効率を高くすることができる植物の育成方法を提供する。
【解決手段】本実施の形態による植物の育成方法は、光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する。植物の育成方法は、照射する工程(S12)と、切り替える工程(S14)とを備える。照射する工程では、指向性の強い光を植物に照射する。切り替える工程では、植物の成長の度合いを判断する。そして、植物の生長度合いに基づいて、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替える。以上の方法により、植物が受ける光量が向上し、植物の育成効率が向上する。
【解決手段】本実施の形態による植物の育成方法は、光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する。植物の育成方法は、照射する工程(S12)と、切り替える工程(S14)とを備える。照射する工程では、指向性の強い光を植物に照射する。切り替える工程では、植物の成長の度合いを判断する。そして、植物の生長度合いに基づいて、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替える。以上の方法により、植物が受ける光量が向上し、植物の育成効率が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の育成方法に関し、さらに詳しくは、光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する植物の育成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人工光を利用した種々の植物の育成方法が提案されている。
【0003】
国際公開第2008/102762号(特許文献1)には、扁平で且つ指向性が高く、光束密度の均一性の高い光束を形成することができる照明装置を用いた植物育成装置が開示されている([0006]参照)。特許文献1では、光源装置が扁平且つ指向性の高い光束を発し、面出光構造体により植物育成用棚の全面にわたって均一な照明光を照射する(特許文献1の[0056]〜[0057]参照)。
【0004】
実用新案登録3139194号公報(特許文献2)には、複数のLEDからの光を均一に混同して照射する植物育用照射装置が開示されている([0007]参照)。特許文献2では、集光レンズが青色LEDと、赤色LEDとから射出される光をほぼすべて植物に向かって集光する。そして、光混合板が集光された光を混同して植物に光を照射する。(特許文献2の[0021]〜[0023]参照)。
【0005】
特開平4−349822号公報(特許文献3)には、消費電力が少なく、余分な設備が必要なく、また植物の促進段階に合わせ植物を育成することのできる植物育成装置が開示されている([0005]参照)。特許文献3では、反射体の側面にモータが設けられる。モータを回動することにより、各反射体の角度が変化し、照度分布が変化する(特許文献3の[0011]参照)。
【0006】
特開2004−121172号公報(特許文献4)には、植物の育成に際して白色の光源を用いる場合に比較して茎長や下胚軸長を大きくすることができる植物育成照明方法が開示されている([0018]参照)。特許文献4の発明は、400〜800nmの波長領域のエネルギに対する400〜450nmの波長領域のエネルギの割合を0〜10%と小さくして下胚伸長を伸長させ、下胚伸長が所望程度大きくなった後の栽培時期においては、400〜450nmの波長領域のエネルギの割合を10%以上に増加させる。これにより、下胚伸長の成長率が低減し、結果的に下胚伸長に対する下胚軸径の増加率が相対的に大きくなる(特許文献4の[0030]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/102762号
【特許文献2】実用新案登録3139194号公報
【特許文献3】特開平4−349822号公報
【特許文献4】特開2004−121172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、植物が成長すると、その植物の葉の枚数が増える。植物の葉の枚数が増えると、照射される光に対して、各葉が重なり合い、上方の葉と重なった下方の葉には光が当たらない。したがって、植物の育成効率が低くなる。
【0009】
特許文献1〜4は、そのことについて示唆していない。つまり、特許文献1〜4に記載の発明では、植物が成長するにつれて、植物の育成効率が低くなってしまう。
【0010】
本発明の目的は、植物の育成効率を高くすることができる植物の育成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0011】
本発明による植物の育成方法は、光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する植物の育成方法であって、照射する工程と、切り替える工程とを備える。照射する工程は、植物に指向性の強い光を照射する。切り替える工程は、植物の成長の度合いに基づいて、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替える。
【0012】
本発明による植物の育成方法は、植物に指向性の強い光を照射し、植物の成長の度合いに基づいて、植物に照射する光を指向性の弱い光に切り替える。したがって、植物全体が受ける光量が増加するので、植物の育成効率を高くすることができる。
【0013】
好ましくは、切り替える工程は、植物に形成された葉の枚数が基準枚数に達した場合、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り換える。
【0014】
この場合、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替えるタイミングを容易に判断することができる。
【0015】
好ましくは、切り替える工程は、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り換えるとき、指向性の強い光を、拡散シートを介して、植物に照射する。
【0016】
この場合、指向性の強い光を、拡散シートを介して、植物に照射するので、指向性の強い光が、指向性の弱い光として植物に照射する。したがって、指向性の強い光を指向性の弱い光に容易に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態による植物育成装置の模式図である。
【図2】図1に示した植物育成装置が備える照明装置を示す模式図である。
【図3】本実施の形態による植物の育成方法を示すフロー図である。
【図4】図1に示した植物育成装置において、指向性の強い光が植物に照射される様子を示す模式図である。
【図5】図1に示した植物育成装置において、指向性の弱い光が植物に照射される様子を示す概略図である。
【図6】1枚の葉に光が照射される様子を示す模式図である。
【図7】図6に示した模式図における各角度に対する光量比を示す図である。
【図8】互いに重なる2枚の葉に光が照射される様子を示す概模式図である。
【図9】図8に示した模式図における各角度に対する総光量比を示す図である。
【図10】図2に示した照明装置の他の例を示す模式図である。
【図11】図2及び図10に示した照明装置の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
[第1の実施の形態]
[植物育成装置の構成及び動作]
図1〜図2を参照して、植物育成装置の構成及び動作を説明する。図1は、植物育成装置1の模式図である。植物育成装置1は、筐体10と、照明装置11と、培養土12とを備える。培養土12には、植物121が植えられている。本例では、植物121として、リーフレタスを用いるが、これに限定されない。植物121として、どんな植物を用いてもよい。照明装置11は、筐体10の天井に配置され、培養土12の上方に配置される。照明装置11は、植物121に光を照射する。なお、図示されていないが、植物育成装置1は、温度調節機及び湿度調節機などを備えていてもよい。
【0020】
図2は、照明装置11を示す模式図である。本例では、照明装置11として、周知のエッジライト型の照明装置を用いる。照明装置11は、LED(Light Emitting Diode)111と、フレーム112と、導光板113と、光学シート114と、透明ガラス板115と、開口部116と、拡散シート117とを備える。
【0021】
LED111は、導光板113の側面に配置される。LED111は、導光板113の側面に光(Light)Lを出射する。光Lは、導光板113の側面から入射し、導光板113内を、図中のA方向に進む。LED111は、図示されていないが、赤色LED(波長が660nm)と、青色LED(波長が450nm)とを備える。本例では、赤色LEDの個数と、青色LEDの個数との比率(R/B比)が、3:1である。このことより、植物121が効率良く光Lを吸収する。フレーム112は、下方が開口する筐体であり、天井には図示しない反射シートが貼付される。
【0022】
導光板113は板状であり、反射シートと対向して、フレーム112の上部に配置される。そのため、導光板113の上面から出射した光Lは、反射シートで反射して、導光板113に戻る。導光板113はさらに、図示されていないが、複数のプリズムを有している。複数のプリズムは、LED111から出射された光Lを全反射し、B方向に導く。
【0023】
光学シート114は、フレーム112内に配置され、導光板113の下方に配置される。光学シート114は、図示されていないが、プリズムを有している。光学シート114は、導光板113から出射された光Lを、さらにB方向側に屈折する。これにより、光Lは、B方向(つまり、照明装置11の下面の法線方向)に略平行に出射する。つまり、照明装置11は、下方に平行光を出射する。光学シート114はたとえば、プリズムシートやレンチキュラレンズシート、マイクロレンズアレイシート等である。
【0024】
上述のとおり、照明装置11は、下方に平行光(Parallel Light)PLを出射する。平行光PLは、強い指向性を有する。透明ガラス板115は、光学シート114の下方に配置され、光学シート114から出射された平行光PLを透過する。
【0025】
開口部116は、フレーム112の側面に形成される。開口部116には、拡散シート117が挿入される。拡散シート117は、開口部116から照明装置11内に挿入される。拡散シート117は、照明装置11に着脱可能である。拡散シート117は、周知の構成を有する。光学シート114から出射された平行光PLは、拡散シート117により拡散する。したがって、拡散シート117は、拡散光(Diffusion Light)DLを出射する。拡散光DLは、光学シート114から出射された平行光PLよりも弱い指向性を有する。
【0026】
照明装置11は、拡散シート117により、平行光PLを、拡散光DLに切り替えることができる。具体的には、拡散シート117がフレーム112に設置されていない場合、照明装置11は下方(照明装置11の下面法線方向)に平行光PLを出射する。一方、拡散シート117がフレーム112に設置されている場合、照明装置11は、拡散光DLを出射する。
【0027】
[植物の育成方法]
上述の植物育成装置1を用いて、植物121の育成方法について説明する。植物121の成長は、植物121が有する複数の葉が受ける光量に依存する。植物121が受ける光量が多い方が、植物121は成長する。
【0028】
植物121が成長するに従い、葉の枚数も増える。さらに、複数の葉が互いに重なり合う場合もある。葉が互いに重なっていない場合、照明装置11からの光が鉛直方向に進めば、葉が受ける光量は多くなる。一方、葉が重なっている場合、鉛直方向の光は、上方の葉には当たるが、上方の葉と重なる下方の葉には当たらない。この場合、鉛直方向の光よりも、斜め方向に進む光の方が、下方の葉に当たりやすい。したがって、植物121が成長し、葉の数が増えるに従い、平行光PLよりも拡散光DLの方が、植物121により多くの光量を与えることができるようになる。
【0029】
そこで、本実施の形態では、植物の成長の度合いに応じて、照明装置11から出射された光Lを平行光PLから拡散光DLに切り替える。換言すれば、照明装置11から出射された光Lを、下方への指向性の強い光PLから、指向性の弱い光DLへと切り替える。これにより、植物121に多くの光量を与えることができるため、植物121の育成効率が向上する。
【0030】
上述の植物121の育成方法は次のとおりである。図3を参照して、初めに、平行光PLから拡散光DLに切り替える基準として、葉の基準枚数が決定される(ステップS11)。その後、平行光PLが植物121に照射される(ステップS12)。その後、形成された葉の枚数が基準枚数に達しているか否かを判定する(ステップS13)。形成された葉の枚数が基準枚数に達している場合(ステップS13でYES)、平行光PLから、拡散光DLに切り替える(ステップS14)。より詳細な植物の育成方法は、以下に示される。
【0031】
まず、基準枚数が決定される(ステップS11)。具体的には、育成する植物121の種類を特定する。そして、特定された種類に基づいて、基準枚数が決定される。一般的に、植物121の葉は、茎を中心にして螺旋状に形成され、形成された各葉がある周期(フィボナッチ数)毎に重なることが知られている。その周期は、植物121の種類毎にほぼ決まっている。したがって、育成する植物121を特定すると、その植物121の葉が重なる周期を決定することができる。本例では、周期の数×2を、基準枚数とする。植物121がリーフレタスの場合、周期が5となるため、基準枚数は10である。
【0032】
本実施の形態では、特定された植物121の種類に基づいて、基準枚数が決定されているが、これに限定されない。例えば、植物121の種類に関係なく、基準枚数を決定してもよい。例えば、植物121の製造者が、経験則に基づいて、基準枚数を設定してもよい。
【0033】
ステップS11の後、平行光PLが、植物121に照射される(ステップS12)。このとき、照明装置11には、拡散シート117が配置されない。この場合、図4に示すとおり、照明装置11は、平行光PLを植物121に照射する。
【0034】
ステップS12の後、植物121に形成された葉の枚数が基準枚数に達しているか否かを判断する(ステップS13)。植物121に形成された葉の枚数は、以下の方法で算出される。各植物121が有する葉の枚数をカウントする。そして、全ての植物121の葉の総数を得る。葉の総数を植物121の総本数で除した値を、植物121に形成された葉の枚数と定義する。
【0035】
植物121に形成された葉の枚数が基準枚数に達していない場合(ステップS13でNO)、ステップS12に戻る。つまり、平行光PLの照射を継続する。
【0036】
植物121に形成された葉の枚数が基準枚数に達している場合(ステップS13でYES)、照明装置1は、出射している光Lを、平行光PLから、拡散光DLに切り替える(ステップS14)。具体的には、照明装置11の開口部116に、拡散シート117が挿入される。これにより、照明装置11は、図5に示すように、拡散光DLを植物121に照射する。
【0037】
上記のように、照明装置11は、植物121に形成された葉の枚数が基準枚数を満たさない時期(葉の重なりが少ない時期)においては、植物121に、平行光(指向性の強い光)PLを照射し、形成された葉の枚数が基準枚数に達した後の時期(葉の重なりが多い時期)においては、植物121に拡散光(指向性の弱い光)DLを照射する。そのため、植物育成装置1は、植物121の育成効率を高くすることができる。このことは、以下に示すシミュレーションによって推定される。
【0038】
図6を参照して、シミュレーションにより、葉に当たる光量を調査した。具体的には、平行な板状の葉50を想定した。そして、想定された葉に対する光Lの角度θ(0°≦θ≦90°)を変えて、葉50が受ける光量を調べた。図7は、θが90°のときに葉50が受けた光量に対する各角度θにおける光量の比(以下、光量比という)を示した図である。
【0039】
図7を参照して、照射される光Lの角度θが0°から90°に近づくにつれて、葉50の受ける光量が増加した。つまり、角度θが90°に近づくほど、1枚の葉50が受ける光量が増加する。したがって、葉50に垂直な平行光PLが葉50に照射されると、1枚の葉50が受ける光量が最も高くなる。
【0040】
次に、図8に示すように、鉛直方向に配置され、平面視において、互いに重なる2枚の葉50を想定した。そして、2枚の葉50に照射する光Lの角度θ(0°≦θ≦90°)を変えて、各葉50が受ける光量の和(総光量)を調べた。同様にして、重なっている葉50の枚数が3〜7枚である場合における総光量も調べた。図9は、葉50が1枚であり、角度θが90°のときに葉50が受けた光量(図7を参照)に対する各角度θにおける総光量(総光量比)を示した図である。なお、本シミュレートでは、各葉50の間隔D1と、各葉50の長さL1との比を1:2とした。
【0041】
図9を参照して、葉50の枚数が複数枚(2〜7枚)であり、角度θが90°のときの総光量は、葉50が1枚であり、角度θが90°のときの総光量と同じであった。これは、照射される光Lに対して、複数の葉50が互いに重なるように形成されているので、一番上に形成された葉50のみにしか光Lが照射されないためである。また、複数枚(2〜7枚)の葉50が重なっている場合、角度θが90°よりも小さくなると、総光量が増加した。以上より、複数枚の葉50が重なる場合、下方に進む平行光PLよりも、下方を中心として所定の視野角で拡がる拡散光DLの方が、植物121全体の受ける光量を増加させることができると推定される。
【0042】
上記シミュレーションにより、葉の重なりが少ない時期においては、下方に進む平行光PLを植物121に照射し、葉の枚数が増えて葉の重なりが増えた時期においては、拡散光DLを照射すれば、植物121全体が受ける光量が増加すると推定される。
【0043】
上述の育成方法では、植物121に形成された葉50の枚数が基準枚数に達した場合、植物121に照射する光を平行光PLから拡散光DLに切り替える。基準枚数に基づいて切り替えるため、切り替えるタイミングを容易に判断することができる。
【0044】
[他の実施の形態]
本実施の形態では、平行光PLを拡散光DLに切り替えるとき、照明装置11の開口部116から拡散シート117を挿入する。しかしながら、平行光PLから拡散光DLへの切替方法は、これに限定されない。例えば、平行光PLを植物121に照射する照明装置を備える強指向性植物育成装置と、拡散光DLを植物121に照射する照明装置を備える弱指向性植物育成装置とを準備する。そして、葉の枚数が基準枚数に達したとき、植物121を、強指向性植物育成装置から弱指向性植物育成装置に移動させてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、植物121に形成された葉50の枚数が基準枚数に達しているときに、光Lの指向性を切り替えているが、これに限定されない。例えば、植物121の育成開始時点からの経過時間に基づいて、光Lの指向性を切り替えてもよい。
【0046】
さらに、本実施の形態では、照明装置11として、エッジライト型の照明装置が用いられているが、これに限定されない。例えば、照明装置11として、図10に示す直下型照明装置11Aや、図11に示す直下型照明装置11Bが用いられてもよい。照明装置11A及び11Bは、照明装置11と同様に、拡散シート117を挿入するための開口部116を含む。
【0047】
照明装置11Aは、フレーム112と、複数のLED11Aと、光学レンズ118Aと、透明ガラス板115とを備える。複数のLED111Aは、フレーム112の天井下面に行列状に配置される。各LED111Aの下方には、光学レンズ118Aが配置される。光学レンズ118Aは、平凸レンズであり、その平面がLED111Aと対向する。透明ガラス板115は、光学レンズ118Aの下方に配置され、光L2を透過する。LED111Aが光L2を出射し、レンズ118Aが光L2を屈折することにより、照明装置11Aは、平行光PL2を照明装置11Aの下方(B方向)に出射する。
【0048】
照明装置11Aのフレーム112はさらに、拡散シート117を挿入可能な開口部116を有する。拡散シート117は、光学レンズ118Aと透明ガラス板115との間に配置される。拡散シート117が配置されたとき、平行光PL2は、拡散光DL2になり外部(照明装置11Aの下方)に出射する。
【0049】
照明装置11Bは、フレーム112と、複数のLED111Bと、マイクロレンズアレイシート118Bと、透明ガラス板115とを備える。複数のLED111Bは、フレーム112の天井下面に行列状に配置され、下方に光L3を出射する。マイクロレンズアレイシート118Bの上面には、図示しない反射膜が形成される。反射膜のうち、マイクロレンズの真上に相当する部分には、開口が形成される。マイクロレンズアレイシート118Bは、LED111Bの下方に配置される。LED111Bから出射された光L3は、反射膜の開口からマイクロレンズアレイシート118Bに入射する。そして、マイクロレンズの凸面で屈折して外部に出射する。そのため、照明装置11Bは、照明装置11Bの下方に平行光PL3を出射する。
【0050】
照明装置11Bのフレーム112はさらに、拡散シート117を挿入可能な開口部116を有する。拡散シート117は、マイクロレンズアレイシート118Bと透明ガラス板115との間に配置される。拡散シート117が配置されたとき、平行光PL3は、拡散光DL3になり、外部(照明装置11Aの下方)に出射する。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 植物育成装置
11 照明装置
117 拡散シート
121 植物
L(PL,DL) 光
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の育成方法に関し、さらに詳しくは、光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する植物の育成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人工光を利用した種々の植物の育成方法が提案されている。
【0003】
国際公開第2008/102762号(特許文献1)には、扁平で且つ指向性が高く、光束密度の均一性の高い光束を形成することができる照明装置を用いた植物育成装置が開示されている([0006]参照)。特許文献1では、光源装置が扁平且つ指向性の高い光束を発し、面出光構造体により植物育成用棚の全面にわたって均一な照明光を照射する(特許文献1の[0056]〜[0057]参照)。
【0004】
実用新案登録3139194号公報(特許文献2)には、複数のLEDからの光を均一に混同して照射する植物育用照射装置が開示されている([0007]参照)。特許文献2では、集光レンズが青色LEDと、赤色LEDとから射出される光をほぼすべて植物に向かって集光する。そして、光混合板が集光された光を混同して植物に光を照射する。(特許文献2の[0021]〜[0023]参照)。
【0005】
特開平4−349822号公報(特許文献3)には、消費電力が少なく、余分な設備が必要なく、また植物の促進段階に合わせ植物を育成することのできる植物育成装置が開示されている([0005]参照)。特許文献3では、反射体の側面にモータが設けられる。モータを回動することにより、各反射体の角度が変化し、照度分布が変化する(特許文献3の[0011]参照)。
【0006】
特開2004−121172号公報(特許文献4)には、植物の育成に際して白色の光源を用いる場合に比較して茎長や下胚軸長を大きくすることができる植物育成照明方法が開示されている([0018]参照)。特許文献4の発明は、400〜800nmの波長領域のエネルギに対する400〜450nmの波長領域のエネルギの割合を0〜10%と小さくして下胚伸長を伸長させ、下胚伸長が所望程度大きくなった後の栽培時期においては、400〜450nmの波長領域のエネルギの割合を10%以上に増加させる。これにより、下胚伸長の成長率が低減し、結果的に下胚伸長に対する下胚軸径の増加率が相対的に大きくなる(特許文献4の[0030]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/102762号
【特許文献2】実用新案登録3139194号公報
【特許文献3】特開平4−349822号公報
【特許文献4】特開2004−121172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、植物が成長すると、その植物の葉の枚数が増える。植物の葉の枚数が増えると、照射される光に対して、各葉が重なり合い、上方の葉と重なった下方の葉には光が当たらない。したがって、植物の育成効率が低くなる。
【0009】
特許文献1〜4は、そのことについて示唆していない。つまり、特許文献1〜4に記載の発明では、植物が成長するにつれて、植物の育成効率が低くなってしまう。
【0010】
本発明の目的は、植物の育成効率を高くすることができる植物の育成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0011】
本発明による植物の育成方法は、光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する植物の育成方法であって、照射する工程と、切り替える工程とを備える。照射する工程は、植物に指向性の強い光を照射する。切り替える工程は、植物の成長の度合いに基づいて、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替える。
【0012】
本発明による植物の育成方法は、植物に指向性の強い光を照射し、植物の成長の度合いに基づいて、植物に照射する光を指向性の弱い光に切り替える。したがって、植物全体が受ける光量が増加するので、植物の育成効率を高くすることができる。
【0013】
好ましくは、切り替える工程は、植物に形成された葉の枚数が基準枚数に達した場合、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り換える。
【0014】
この場合、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替えるタイミングを容易に判断することができる。
【0015】
好ましくは、切り替える工程は、指向性の強い光を指向性の弱い光に切り換えるとき、指向性の強い光を、拡散シートを介して、植物に照射する。
【0016】
この場合、指向性の強い光を、拡散シートを介して、植物に照射するので、指向性の強い光が、指向性の弱い光として植物に照射する。したがって、指向性の強い光を指向性の弱い光に容易に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態による植物育成装置の模式図である。
【図2】図1に示した植物育成装置が備える照明装置を示す模式図である。
【図3】本実施の形態による植物の育成方法を示すフロー図である。
【図4】図1に示した植物育成装置において、指向性の強い光が植物に照射される様子を示す模式図である。
【図5】図1に示した植物育成装置において、指向性の弱い光が植物に照射される様子を示す概略図である。
【図6】1枚の葉に光が照射される様子を示す模式図である。
【図7】図6に示した模式図における各角度に対する光量比を示す図である。
【図8】互いに重なる2枚の葉に光が照射される様子を示す概模式図である。
【図9】図8に示した模式図における各角度に対する総光量比を示す図である。
【図10】図2に示した照明装置の他の例を示す模式図である。
【図11】図2及び図10に示した照明装置の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
[第1の実施の形態]
[植物育成装置の構成及び動作]
図1〜図2を参照して、植物育成装置の構成及び動作を説明する。図1は、植物育成装置1の模式図である。植物育成装置1は、筐体10と、照明装置11と、培養土12とを備える。培養土12には、植物121が植えられている。本例では、植物121として、リーフレタスを用いるが、これに限定されない。植物121として、どんな植物を用いてもよい。照明装置11は、筐体10の天井に配置され、培養土12の上方に配置される。照明装置11は、植物121に光を照射する。なお、図示されていないが、植物育成装置1は、温度調節機及び湿度調節機などを備えていてもよい。
【0020】
図2は、照明装置11を示す模式図である。本例では、照明装置11として、周知のエッジライト型の照明装置を用いる。照明装置11は、LED(Light Emitting Diode)111と、フレーム112と、導光板113と、光学シート114と、透明ガラス板115と、開口部116と、拡散シート117とを備える。
【0021】
LED111は、導光板113の側面に配置される。LED111は、導光板113の側面に光(Light)Lを出射する。光Lは、導光板113の側面から入射し、導光板113内を、図中のA方向に進む。LED111は、図示されていないが、赤色LED(波長が660nm)と、青色LED(波長が450nm)とを備える。本例では、赤色LEDの個数と、青色LEDの個数との比率(R/B比)が、3:1である。このことより、植物121が効率良く光Lを吸収する。フレーム112は、下方が開口する筐体であり、天井には図示しない反射シートが貼付される。
【0022】
導光板113は板状であり、反射シートと対向して、フレーム112の上部に配置される。そのため、導光板113の上面から出射した光Lは、反射シートで反射して、導光板113に戻る。導光板113はさらに、図示されていないが、複数のプリズムを有している。複数のプリズムは、LED111から出射された光Lを全反射し、B方向に導く。
【0023】
光学シート114は、フレーム112内に配置され、導光板113の下方に配置される。光学シート114は、図示されていないが、プリズムを有している。光学シート114は、導光板113から出射された光Lを、さらにB方向側に屈折する。これにより、光Lは、B方向(つまり、照明装置11の下面の法線方向)に略平行に出射する。つまり、照明装置11は、下方に平行光を出射する。光学シート114はたとえば、プリズムシートやレンチキュラレンズシート、マイクロレンズアレイシート等である。
【0024】
上述のとおり、照明装置11は、下方に平行光(Parallel Light)PLを出射する。平行光PLは、強い指向性を有する。透明ガラス板115は、光学シート114の下方に配置され、光学シート114から出射された平行光PLを透過する。
【0025】
開口部116は、フレーム112の側面に形成される。開口部116には、拡散シート117が挿入される。拡散シート117は、開口部116から照明装置11内に挿入される。拡散シート117は、照明装置11に着脱可能である。拡散シート117は、周知の構成を有する。光学シート114から出射された平行光PLは、拡散シート117により拡散する。したがって、拡散シート117は、拡散光(Diffusion Light)DLを出射する。拡散光DLは、光学シート114から出射された平行光PLよりも弱い指向性を有する。
【0026】
照明装置11は、拡散シート117により、平行光PLを、拡散光DLに切り替えることができる。具体的には、拡散シート117がフレーム112に設置されていない場合、照明装置11は下方(照明装置11の下面法線方向)に平行光PLを出射する。一方、拡散シート117がフレーム112に設置されている場合、照明装置11は、拡散光DLを出射する。
【0027】
[植物の育成方法]
上述の植物育成装置1を用いて、植物121の育成方法について説明する。植物121の成長は、植物121が有する複数の葉が受ける光量に依存する。植物121が受ける光量が多い方が、植物121は成長する。
【0028】
植物121が成長するに従い、葉の枚数も増える。さらに、複数の葉が互いに重なり合う場合もある。葉が互いに重なっていない場合、照明装置11からの光が鉛直方向に進めば、葉が受ける光量は多くなる。一方、葉が重なっている場合、鉛直方向の光は、上方の葉には当たるが、上方の葉と重なる下方の葉には当たらない。この場合、鉛直方向の光よりも、斜め方向に進む光の方が、下方の葉に当たりやすい。したがって、植物121が成長し、葉の数が増えるに従い、平行光PLよりも拡散光DLの方が、植物121により多くの光量を与えることができるようになる。
【0029】
そこで、本実施の形態では、植物の成長の度合いに応じて、照明装置11から出射された光Lを平行光PLから拡散光DLに切り替える。換言すれば、照明装置11から出射された光Lを、下方への指向性の強い光PLから、指向性の弱い光DLへと切り替える。これにより、植物121に多くの光量を与えることができるため、植物121の育成効率が向上する。
【0030】
上述の植物121の育成方法は次のとおりである。図3を参照して、初めに、平行光PLから拡散光DLに切り替える基準として、葉の基準枚数が決定される(ステップS11)。その後、平行光PLが植物121に照射される(ステップS12)。その後、形成された葉の枚数が基準枚数に達しているか否かを判定する(ステップS13)。形成された葉の枚数が基準枚数に達している場合(ステップS13でYES)、平行光PLから、拡散光DLに切り替える(ステップS14)。より詳細な植物の育成方法は、以下に示される。
【0031】
まず、基準枚数が決定される(ステップS11)。具体的には、育成する植物121の種類を特定する。そして、特定された種類に基づいて、基準枚数が決定される。一般的に、植物121の葉は、茎を中心にして螺旋状に形成され、形成された各葉がある周期(フィボナッチ数)毎に重なることが知られている。その周期は、植物121の種類毎にほぼ決まっている。したがって、育成する植物121を特定すると、その植物121の葉が重なる周期を決定することができる。本例では、周期の数×2を、基準枚数とする。植物121がリーフレタスの場合、周期が5となるため、基準枚数は10である。
【0032】
本実施の形態では、特定された植物121の種類に基づいて、基準枚数が決定されているが、これに限定されない。例えば、植物121の種類に関係なく、基準枚数を決定してもよい。例えば、植物121の製造者が、経験則に基づいて、基準枚数を設定してもよい。
【0033】
ステップS11の後、平行光PLが、植物121に照射される(ステップS12)。このとき、照明装置11には、拡散シート117が配置されない。この場合、図4に示すとおり、照明装置11は、平行光PLを植物121に照射する。
【0034】
ステップS12の後、植物121に形成された葉の枚数が基準枚数に達しているか否かを判断する(ステップS13)。植物121に形成された葉の枚数は、以下の方法で算出される。各植物121が有する葉の枚数をカウントする。そして、全ての植物121の葉の総数を得る。葉の総数を植物121の総本数で除した値を、植物121に形成された葉の枚数と定義する。
【0035】
植物121に形成された葉の枚数が基準枚数に達していない場合(ステップS13でNO)、ステップS12に戻る。つまり、平行光PLの照射を継続する。
【0036】
植物121に形成された葉の枚数が基準枚数に達している場合(ステップS13でYES)、照明装置1は、出射している光Lを、平行光PLから、拡散光DLに切り替える(ステップS14)。具体的には、照明装置11の開口部116に、拡散シート117が挿入される。これにより、照明装置11は、図5に示すように、拡散光DLを植物121に照射する。
【0037】
上記のように、照明装置11は、植物121に形成された葉の枚数が基準枚数を満たさない時期(葉の重なりが少ない時期)においては、植物121に、平行光(指向性の強い光)PLを照射し、形成された葉の枚数が基準枚数に達した後の時期(葉の重なりが多い時期)においては、植物121に拡散光(指向性の弱い光)DLを照射する。そのため、植物育成装置1は、植物121の育成効率を高くすることができる。このことは、以下に示すシミュレーションによって推定される。
【0038】
図6を参照して、シミュレーションにより、葉に当たる光量を調査した。具体的には、平行な板状の葉50を想定した。そして、想定された葉に対する光Lの角度θ(0°≦θ≦90°)を変えて、葉50が受ける光量を調べた。図7は、θが90°のときに葉50が受けた光量に対する各角度θにおける光量の比(以下、光量比という)を示した図である。
【0039】
図7を参照して、照射される光Lの角度θが0°から90°に近づくにつれて、葉50の受ける光量が増加した。つまり、角度θが90°に近づくほど、1枚の葉50が受ける光量が増加する。したがって、葉50に垂直な平行光PLが葉50に照射されると、1枚の葉50が受ける光量が最も高くなる。
【0040】
次に、図8に示すように、鉛直方向に配置され、平面視において、互いに重なる2枚の葉50を想定した。そして、2枚の葉50に照射する光Lの角度θ(0°≦θ≦90°)を変えて、各葉50が受ける光量の和(総光量)を調べた。同様にして、重なっている葉50の枚数が3〜7枚である場合における総光量も調べた。図9は、葉50が1枚であり、角度θが90°のときに葉50が受けた光量(図7を参照)に対する各角度θにおける総光量(総光量比)を示した図である。なお、本シミュレートでは、各葉50の間隔D1と、各葉50の長さL1との比を1:2とした。
【0041】
図9を参照して、葉50の枚数が複数枚(2〜7枚)であり、角度θが90°のときの総光量は、葉50が1枚であり、角度θが90°のときの総光量と同じであった。これは、照射される光Lに対して、複数の葉50が互いに重なるように形成されているので、一番上に形成された葉50のみにしか光Lが照射されないためである。また、複数枚(2〜7枚)の葉50が重なっている場合、角度θが90°よりも小さくなると、総光量が増加した。以上より、複数枚の葉50が重なる場合、下方に進む平行光PLよりも、下方を中心として所定の視野角で拡がる拡散光DLの方が、植物121全体の受ける光量を増加させることができると推定される。
【0042】
上記シミュレーションにより、葉の重なりが少ない時期においては、下方に進む平行光PLを植物121に照射し、葉の枚数が増えて葉の重なりが増えた時期においては、拡散光DLを照射すれば、植物121全体が受ける光量が増加すると推定される。
【0043】
上述の育成方法では、植物121に形成された葉50の枚数が基準枚数に達した場合、植物121に照射する光を平行光PLから拡散光DLに切り替える。基準枚数に基づいて切り替えるため、切り替えるタイミングを容易に判断することができる。
【0044】
[他の実施の形態]
本実施の形態では、平行光PLを拡散光DLに切り替えるとき、照明装置11の開口部116から拡散シート117を挿入する。しかしながら、平行光PLから拡散光DLへの切替方法は、これに限定されない。例えば、平行光PLを植物121に照射する照明装置を備える強指向性植物育成装置と、拡散光DLを植物121に照射する照明装置を備える弱指向性植物育成装置とを準備する。そして、葉の枚数が基準枚数に達したとき、植物121を、強指向性植物育成装置から弱指向性植物育成装置に移動させてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、植物121に形成された葉50の枚数が基準枚数に達しているときに、光Lの指向性を切り替えているが、これに限定されない。例えば、植物121の育成開始時点からの経過時間に基づいて、光Lの指向性を切り替えてもよい。
【0046】
さらに、本実施の形態では、照明装置11として、エッジライト型の照明装置が用いられているが、これに限定されない。例えば、照明装置11として、図10に示す直下型照明装置11Aや、図11に示す直下型照明装置11Bが用いられてもよい。照明装置11A及び11Bは、照明装置11と同様に、拡散シート117を挿入するための開口部116を含む。
【0047】
照明装置11Aは、フレーム112と、複数のLED11Aと、光学レンズ118Aと、透明ガラス板115とを備える。複数のLED111Aは、フレーム112の天井下面に行列状に配置される。各LED111Aの下方には、光学レンズ118Aが配置される。光学レンズ118Aは、平凸レンズであり、その平面がLED111Aと対向する。透明ガラス板115は、光学レンズ118Aの下方に配置され、光L2を透過する。LED111Aが光L2を出射し、レンズ118Aが光L2を屈折することにより、照明装置11Aは、平行光PL2を照明装置11Aの下方(B方向)に出射する。
【0048】
照明装置11Aのフレーム112はさらに、拡散シート117を挿入可能な開口部116を有する。拡散シート117は、光学レンズ118Aと透明ガラス板115との間に配置される。拡散シート117が配置されたとき、平行光PL2は、拡散光DL2になり外部(照明装置11Aの下方)に出射する。
【0049】
照明装置11Bは、フレーム112と、複数のLED111Bと、マイクロレンズアレイシート118Bと、透明ガラス板115とを備える。複数のLED111Bは、フレーム112の天井下面に行列状に配置され、下方に光L3を出射する。マイクロレンズアレイシート118Bの上面には、図示しない反射膜が形成される。反射膜のうち、マイクロレンズの真上に相当する部分には、開口が形成される。マイクロレンズアレイシート118Bは、LED111Bの下方に配置される。LED111Bから出射された光L3は、反射膜の開口からマイクロレンズアレイシート118Bに入射する。そして、マイクロレンズの凸面で屈折して外部に出射する。そのため、照明装置11Bは、照明装置11Bの下方に平行光PL3を出射する。
【0050】
照明装置11Bのフレーム112はさらに、拡散シート117を挿入可能な開口部116を有する。拡散シート117は、マイクロレンズアレイシート118Bと透明ガラス板115との間に配置される。拡散シート117が配置されたとき、平行光PL3は、拡散光DL3になり、外部(照明装置11Aの下方)に出射する。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 植物育成装置
11 照明装置
117 拡散シート
121 植物
L(PL,DL) 光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する植物の育成方法であって、
前記植物に指向性の強い光を照射する工程と、
前記植物の成長の度合いに基づいて、前記指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替える工程とを備える、植物の育成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の植物の育成方法であって、
前記切り替える工程は、
前記植物に形成された葉の枚数が基準枚数に達した場合、前記指向性の強い光を前記指向性の弱い光に切り換える、植物の育成方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の植物の育成方法であって、
前記切り替える工程は、
前記指向性の強い光を前記指向性の弱い光に切り換えるとき、前記指向性の強い光を、拡散シートを介して、前記植物に照射する、植物の育成方法。
【請求項1】
光源からの光を植物に照射することにより植物を育成する植物の育成方法であって、
前記植物に指向性の強い光を照射する工程と、
前記植物の成長の度合いに基づいて、前記指向性の強い光を指向性の弱い光に切り替える工程とを備える、植物の育成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の植物の育成方法であって、
前記切り替える工程は、
前記植物に形成された葉の枚数が基準枚数に達した場合、前記指向性の強い光を前記指向性の弱い光に切り換える、植物の育成方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の植物の育成方法であって、
前記切り替える工程は、
前記指向性の強い光を前記指向性の弱い光に切り換えるとき、前記指向性の強い光を、拡散シートを介して、前記植物に照射する、植物の育成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−55262(P2012−55262A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203310(P2010−203310)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]