説明

植物の雌花の発育不全を減少させる方法

本発明は植物、植物の一部、植物が生育する、又は生育することを目的とする場所、及び/又は植物が生育する種子を少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)で処理することを含む植物中の雌花の発育不全を減少させる方法に関する。さらに、本発明は植物の雌花の発育不全を減少させるための少なくとも1種のストロビルリンの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物、植物の一部、植物が生育している場所、又は植物を生育させようとする場所、及び/又は植物が芽生える種子を少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)で処理することを含む、植物の雌花の発育不全を減少させる方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は植物の雌花の発育不全を減少させるための少なくとも1種のストロビルリンの使用にも関する。本発明の好ましい実施形態は少なくとも1種のストロビルリンの、クルミ(walnut)(ジャグランス・レギア(Juglans regia))の雌花の発育不全を減少させるための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
雌花の発育不全(PFA)は季節の初期の花の損失として理解される。典型的には、PFAは雌花上の過剰な花粉量により誘発され、最終的にはその器官脱離を引き起こす。かかる過剰な花粉量の1つの大きな要因は、雌花と雄花の開花期の重複の度合いであり、それは冬の冷えの蓄積や個々の植物の寿命等の種々のパラメーターに影響される。結果として、実止まり(fruit set)、成長している果実の数及び潜在的な果実の収率(収穫期に残っている果実)が大幅に減少する。多くの植物の中で、クルミ(ジャグランス・レギア)は特に影響を受ける。クルミ属の中で、ジャグランス・レギアのSerr種はその高い堅果品質のために特に経済的に重要であり、チリやその他の世界のクルミの生産地で広範囲にわたって栽培されている。ある季節においては、果実の生産量は、主に2つの要因(果樹園における高い花粉密度による雌花の発育不全(PFA)、及び/又は受粉不足による落花)により低く、農業従事者に大きな経済的損失をもたらす。
【0004】
圃場条件のクルミ果樹園における研究はPFAによる90%までの損失を示す(Rovira and Aleta (1997):Pistillate flower abscission on four walnut cultivars. Acta Hort. (ISHS). 442: 231-234参照)。PFAによる損失は、一般に、受粉不足による損失よりも大きいことも示すことができた(Krueger (2000):Pollination of English walnut: practices and problems. Hortechnology 10: 127-130参照)。
【0005】
最近、アミノエトキシビニルグリシン(AVG)の使用が過剰な花粉による器官脱離の問題を減少させることが報告された(Lemus et al. (2007): Control of pistillate flower abortion in 「Serr」 walnut in Chile by inhibiting ethylene biosynthesis with AVG. Advances in plant ethylene research: Proceedings of the 7th International Symposium on the Plant Hormone Ethylene: 305-307参照)。その他の評価された方法は植物の尾状花序の一部を取り除く目的で木を揺することである(Lemus (2005): Control de la caida de flores en nogal 「Serr」. Tierra Adentro 63: 18-21参照)。1-メチルシクロプロペン(1-MCP)の使用は、PFAを減少させるための別のアプローチとして現在試験されている。
【0006】
しかし、これまでに、先行技術において、植物の雌花の発育不全を減少させるためのストロビルリン(化合物A)の使用を示す情報は見出すことができない。
【0007】
本発明による方法に使用されるストロビルリン(化合物A)は殺菌剤として、植物健康活性を有する化合物として、ある場合には殺虫剤として知られている(例えば、EP-A 178826、EP-A 278595、EP-A 253213、EP-A 254426、EP-A 398692、EP-A 477631、EP-A 628540、EP-A 280185、EP-A 350691、EP-A 460575、EP-A 463488、EP-A 382375、EP-A 398692、WO 93/15046、WO 95/18789、WO 95/24396、WO 95/21153、WO 95/21154、WO 96/01256、WO 97/05103、WO 97/15552、WO 97/06133、WO 01/82701、WO 03/075663、WO 04/043150及びWO 07/104660を参照されたい)。その殺有害生物作用及びそれらを製造する方法は一般に知られている。
【0008】
上記で引用される公報は本発明による方法に使用される活性成分(化合物A)の調製のための合成経路を記載する。
【0009】
別の活性成分(化合物B)及びそれらを製造する方法も一般に知られている。例えば、多くの刊行物の中で、市販の化合物を「The Pesticide Manual、14th Edition、British Crop Protection Council (2006)」に見出すことができる。
【0010】
PFAを減少させるために必要な濃度におけるストロビルリンと植物との優れた適合性(compatibility)は植物の地上部分の処理、さらに、繁殖材料(例えば、種子等)及び土壌の処理を可能にする。
【0011】
本発明による方法において、活性成分は植物により(例えば葉、根又は花により)摂取され、最終的に植物の全体の保護をもたらす。従って、本発明による方法の実施後の保護作用は直接噴霧された植物の一部において見出されるだけでなく、植物全体においても見出される。
【0012】
PFAの問題に加えて、農業従事者は植物の健康を害し、その結果、収率の減少をもたらす種々のその他の問題にも直面する。1つの非常に重大な問題は、例えば、Xanthomonas campestris pv. Juglandis病原菌によるクルミの感染に基づくクルミの葉枯れ病等の細菌に引き起こされる病気の発生である。結果として、クルミの生産者はPFAについてだけでなくクルミ葉枯れ病についても懸念する必要がある。壊滅的な作物の損失及び堅果品質の低下を防止するために、現在、少なくとも2種の異なる化合物( a)Xanthomasの抑制のためのストレプトマイシンサルフェート(Streptomicine sulfate)及び/又はオキシテトラサイクリンクロルヒドレート(Oxitetracicline clorhidrate)等の抗生物質、及びb)アミノエトキシビニルグリシン(AVG))がPFAを減少させるために施用されることが必要である。しかし、これらの抗生物質はヒト及び動物用医薬品における細菌性病原菌に対して使用されるのと同じ作用機構に依存するので、植物保護における抗生物質の使用は多くの国で禁止されている。従って、植物の耐性の増加が好まれ得る。さらに、抗生物質はその分子構造(それらの多くは複雑である)のために高価であり、バイオテクノロジー手法によってのみ生産することができる。さらに、もう一方のAVGの使用もその高いコスト及び使用時点についての順応性の欠如等の様々な不利な点を有する。
【0013】
WO 03/075663は、ストロビルリン(化合物A)は細菌病に対し植物に免疫を与えるために使用することができることを開示している。ストロビルリンで処理されると、植物の免疫系が植物病原性細菌に対する防御を引き起こす。結果として、本発明によるストロビルリン(化合物A)の開花期の施用は細菌抑制(例えば、クルミ葉枯れ病の抑制)とPFA管理に同時に作用し、農業従事者はストロビルリン(化合物A)(好ましくはピラクロストロビン)という1種のみの化合物を使用して一度に両方の問題を解決する新たな手段を得る。これが示し得る利点のいくつかは、一面では、新しい作用形態を付加することによるクルミ葉枯れ病に対するより優れた耐性の操作、及び従来の抗生物質によるプログラムに代わることである。AVGと比較して、この本発明による方法は、AVG施用が実施されなければならない非常に限定された生物季節段階よりも施用時点においてずっと柔軟性があり、従って農業従事者に高い計画非依存性の可能性を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】WO 03/075663
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は前記の課題を解決する、特に植物のPFAを減少させる方法を提供することである。
【0016】
PFAの減少は特に植物、植物の一部及び/又はその生産物(例えば、果実及び堅果)の高い収率及び/又は優れた品質をもたらすので望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことに、我々はこの目的が植物、植物の一部(例えば、花)及び/又は植物繁殖材料を少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)で処理することにより達成されることを見出した。
【0018】
さらに、少なくとも1種の別の化合物(化合物B)をさらに含む特定の混合物も本発明の方法によるPFA減少効果を示すことも見出された。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による方法の1つの実施形態において、施用されるストロビルリン(化合物A)はピラクロストロビン、オリサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestroburin)、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビン、2-(2-(6-(3-クロロ-2-メチル-フェノキシ)-5-フルオロ-ピリミジン-4-イルオキシ)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミド、3-15メトキシ-2-(2-(N-(4-メトキシ-フェニル)-シクロプロパン-カルボキシミドイルスルファニルメチル)-フェニル)-アクリル酸メチルエステル、メチル (2-クロロ-5-[1-(3-メチルベンジルオキシイミノ)-エチル]ベンジル)カルバメート及び2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-アリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミドからなる群から選択される。
【0020】
本発明による方法の好ましい実施形態において、施用されるストロビルリン(化合物A)はピラクロストロビン、オリサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピリベンカルブ及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される。
【0021】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、施用されるストロビルリン(化合物A)はピラクロストロビンである。
【0022】
本発明による別のさらに好ましい実施形態において、施用されるストロビルリン(化合物A)はアゾキシストロビンである。
【0023】
ストロビルリン(化合物A)からなる群から選択される化合物及び少なくとも1種の化合物(B)からなる群から選択される少なくとも1種の別の化合物をさらに含む各混合物の好ましい実施形態、その好ましい使用及びそれらを使用する方法についての注釈はそれぞれそのままで、又は好ましくは互いに組み合わせて理解されたい。
【0024】
前記のように、本発明は少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)又は少なくとも1種の活性成分(化合物B)をさらに含む農薬混合物の施用を含む、植物のPFAを減少させる方法に関する。
【0025】
本発明による方法の好ましい実施形態においては、以下のものからなる群から選択される少なくとも1種の別の化合物(化合物B)を施用する。
【0026】
(i)フルオピラム、ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、ジメトモルフ、フルオピコリド(ピコベンザミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド、カルプロパミド、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)- 3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(4'-トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、ビキサフェン、N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-フェニル]-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、セダキサン、イソピラザム及びペンチオピラドから選択されるカルボン酸アミド;
(ii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム及びトリアゾキシドから選択されるアゾール;
(iii)ファモキサドン、フルアジナム、シプロジニル、ピリメタニル、フェンプロピモルフ、イプロジオン、アシベンゾラルSメチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、キャプタン、フェンプロピジン、カプタホール及びアニラジンから選択される複素環化合物;
(iv)マンゼブ、メチラム、イプロバリカルブ、マンネブ、プロピネブ、フルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)及びプロパモカルブから選択されるカルバメート及びジチオカルバメート;
(v)チオファネートメチル、クロロタロニル、トリルフルアニド及びフルスルファミドから選択される有機塩素化合物;
(vi)ボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、三塩基性硫酸銅、酸化銅(I)及び塩基性硫酸銅から選択される銅化合物;
(vii)アメトクトラジン、スピロキサミン、シモキサニル、シフルフェナミド、バリフェナール、メトラフェノン、ホセチルアルミニウム及びジチアノンから選択されるもの;
(viii)アミノエトキシビニルグリシン(AVG)、1-メチルシクロプロペン、ビニルグリシン誘導体、ヒドロキシルアミン及びオキシムエーテル誘導体から選択されるエチレン阻害剤。
【0027】
本発明による好ましい実施形態において、農薬混合物は
(1)少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)、及び
(2)少なくとも1種の追加の化合物(化合物B)を含んで施用され、ここで化合物(B)はフルオピラム、ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、ジメトモルフ、フルオピコリド (ピコベンザミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド、カルプロパミド、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(4'-トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、ビキサフェン、N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-フェニル]-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、セダキサン、イソピラザム及びペンチオピラドからなるカルボン酸アミド群(i)から選択される。
【0028】
本発明によるさらに好ましい実施形態において、農薬混合物は
(1)ピラクロストロビン(化合物A)、及び
(2)少なくとも1種の追加の化合物(化合物B)を含んで施用され、ここで化合物(B)はフルオピラム、ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、ジメトモルフ、フルオピコリド(ピコベンザミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド、カルプロパミド、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)- 3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(4'-トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、ビキサフェン、N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-フェニル]-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、セダキサン、イソピラザム及びペンチオピラドからなるカルボン酸アミド群(i)から選択される。
【0029】
本発明による好ましい実施形態において、化合物(B)はボスカリドである。
【0030】
本発明による別の好ましい実施形態において、化合物(B)はN-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(フルキサピロキサド)である。
【0031】
本発明による別の好ましい実施形態において、農薬混合物は
(1)少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)、及び
(2)少なくとも1種の追加の化合物(化合物B)を含んで施用され、ここで化合物(B)はボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、三塩基性硫酸銅、酸化銅(I)及び塩基性硫酸銅からなる群から選択される銅化合物(vi)群から選択される。
【0032】
本発明によるさらに好ましい実施形態において、農薬混合物は
(1)ピラクロストロビン(化合物A)、及び
(2)少なくとも1種の追加の化合物(化合物B)を含んで施用され、ここで化合物(B)はボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、三塩基性硫酸銅、酸化銅(I)及び塩基性硫酸銅からなる群から選択される銅化合物(vi)群から選択される。
【0033】
本発明による特に好ましい実施形態において、化合物(B)はオキシ塩化銅である。
【0034】
本発明の方法による1つの実施形態において、少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)は少なくとも1種の銅化合物(vi)と順番に施用される。
【0035】
本発明による別の好ましい実施形態において、農薬混合物は
(1)少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)、及び
(2)少なくとも1種の追加の化合物(化合物B)を含んで施用され、ここで化合物(B)はアミノエトキシビニルグリシン(AVG)、1-メチルシクロプロペン、ビニルグリシン誘導体、ヒドロキシルアミン及びオキシムエーテル誘導体から選択されるエチレン阻害剤(vii)群からなる群から選択される。
【0036】
本発明によるさらに好ましい実施形態において、農薬混合物は
(1)ピラクロストロビン(化合物A);及び
(2)少なくとも1種の追加の化合物(化合物B)を含んで施用され、ここで化合物(B)はアミノエトキシビニルグリシン(AVG)、1-メチルシクロプロペン、ビニルグリシン誘導体、ヒドロキシルアミン及びオキシムエーテル誘導体から選択されるエチレン阻害剤(vii)群からなる群から選択される。
【0037】
本発明による方法の好ましい実施形態において、化合物(B)はアミノエトキシビニルグリシン(AVG)である。
【0038】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、農薬混合物はピラクロストロビンを化合物(A)として、ボスカリド又はアミノエトキシビニルグリシン(AVG)を化合物(B)として含んで施用される。
【0039】
本発明による別の好ましい実施形態において、化合物(B)は1-メチルシクロプロペン(1-MCP)である。
【0040】
本発明の用語において、「混合物」は化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)を含む物理的混合物に限定されず、その使用が時間及び場所的に関連がある化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)のいかなる調製形態をも指す。本発明の1つの実施形態において、「混合物」は1種の化合物(A)及び1種の化合物(B)の物理的混合物を指す。
【0041】
本発明の別の実施形態において、「混合物」は、別々に製剤化されるが、同一の植物に時間的な関係において、(すなわち、同時に又は後で)施用され、後の施用は2種の化合物の組み合わせた作用を可能にする時間間隔を有する、少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)に関する。
【0042】
さらに、本発明による混合物の個々の化合物(例えば、キットの一部又は2成分混合物の一部)をユーザー自身によりスプレータンクで混ぜることができ、別の助剤を適宜加えることができる(タンクミックス)。このことは、3成分混合物が本発明により使用される場合にも適用される。
【0043】
本発明による方法の1つの実施形態において、上記で定義される化合物(A)及び化合物(B)はPFA減少量の相乗的なレベルにおいて、相乗農薬混合物として施用される。
【0044】
好ましくは、全ての前記混合物はピラクロストロビン、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、トリフロキシストロビン及びピコキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種のストロビルリンを化合物(A)として含む。さらに好ましくは、これらの混合物はピラクロストロビン、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビンを化合物(A)として含む。最も好ましくは、これらの混合物はピラクロストロビンを化合物(A)として含む。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態において、農薬混合物はピラクロストロビン及びボスカリドを含んで施用される。
【0046】
前記の全ての混合物も本発明の実施形態である。
【0047】
処理される植物は、一般に、経済的に重要な植物及び/又はヒトにより栽培される植物である。それらは好ましくは、それぞれ天然又は遺伝子組み換え形態である農作物、林業植物、観賞植物及び園芸植物からなる群から選択される。
【0048】
本発明の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物は不完全花(incomplete flower)を有する。従って、本発明による方法の好ましい実施形態において、植物はブナ科(Fagaceae)(オーク科)、カバノキ(birch)科(Betulaceae)又はクルミ科(Juglandaceae)に属する植物からなる群から選択される。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物は林業植物である。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の方法により処理される植物は多年生植物である。
【0051】
本発明による方法の好ましい実施形態において、植物はジャグランス(Juglans)属に属する。ジャグランス属はクルミ科に属する。
【0052】
本発明のさらに好ましい実施形態において、本発明により処理される植物はジャグランス・レギア(Juglans regia)(一般的なクルミ、ペルシャクルミ(Persian walnut)又はセイヨウクルミ(English walnut)としても知られる)及びジャグランス・シギラタ(Juglans sigillata)(テツクルミ(Iron Walnut)としても知られる)からなる群から選択されるジャグランス節に属する。
【0053】
本発明の特に好ましい実施形態において、処理される植物はジャグランス・レギアであり、最も好ましいのはジャグランス・レギア、Serr種(Juglans regia cv. Serr)である。
【0054】
本発明による方法の最も好ましい実施形態において、ジャグランス・レギアはピラクロストロビンで処理される。
【0055】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物はJuglans australis(アルゼンチンクルミ)、Juglans boliviana(ボリビアクルミ、ペルークルミ)、Juglans brasiliensis (ブラジルクルミ)、Juglans californica(カリフォルニアクロクルミ(Black Walnut))、Juglans hindsii(ヒンズクロクルミ(Hinds' Black Walnut))、Juglans hirsuta(ヌエボ・レオンクルミ)、Juglans jamaicensis(西インド諸島クルミ)、Juglans major(アリゾナクロクルミ)、Juglans majorのglabrata変種、Juglans microcarpa Berlandier(テキサスクルミ又はリトルクロクルミ)、Juglans microcarpaのmicrocarpa変種、Juglans microcarpaのstewartii変種、Juglans mollis(メキシコクルミ)、Juglans neotropica(アンデスクルミ)、Juglans nigra(イースタンクロクルミ)、Juglans olanchana(セドロネグロ(Cedro Negro)、ノガルクルミ)、Juglans peruviana(ペルークルミ)、Juglans soratensis、Juglans steyermarkii(グアテマラクルミ)、Juglans venezuelensis(ベネズエラクルミ)からなる群から選択されるジャグランス属のRhysocaryon節に属する。
【0056】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物はJuglans ailantifolia(日本クルミ)及びJuglans ailantifoliaのcordiformis変種(ハートナッツ)からなる群から選択されるジャグランス属のCardiocaryon節に属する。
【0057】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物はJuglans cinerea(バターナッツ)等のジャグランス属のTrachycaryon節に属する。
【0058】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物はJuglans×bixbyi(J.ailantifolia×J.cinerea)、Juglans×intermedia(J.nigra×J.regia)、Juglans×notha(J.ailantifolia×J.regia)、Juglans×quadrangulata(J.cinerea×J.regia)、Juglans×sinensis(J.mandschurica×J.regia)、Juglans×paradox(J.hindsii×J.regia)及びJuglans×royal(J.hindsii×J.nigra) からなる群から選択されるジャグランス属の複合クルミ(hybrid walnut)である。
【0059】
本発明による方法の別の好ましい実施形態において、植物はオーク(Quercus種)からなる群から選択される。Quercus属のオークはブナ科に属する植物である。本発明の好ましい実施形態において、本発明により処理される植物はQuercus rubra、Quercus velutina及びQuercus albaからなる群から選択される。
【0060】
「雌花の発育不全」(PFA)は季節の初期の花の損失として理解される。PFAは、典型的には、雌花上の過剰な花粉量により引き起こされ、最終的にはその器官脱離を引き起こす。
【0061】
「花」は一連の変化した葉により終了する枝の系統であり、生殖のために特化されている。
【0062】
「雌花」は雌しべを有するが、機能的な雄しべを有さない花である。萼片、花弁、雄しべ及び雌しべを有する花は「完全である」と呼ばれ、1つ以上のかかる構造が欠如していると、「不完全花」であると呼ばれる。不完全花はブナ科(オーク科)、カバノキ科及びクルミ科の全てに見出すことができる。
【0063】
「植物」の語は、経済的に重要な植物及び/又はヒトにより栽培される任意の植物として理解される。それらは好ましくは農作物、林業植物、観賞植物及び園芸植物から選択される。本明細書で使用される植物の語は、植物の全ての部分、例えば花、発芽種子、新生苗、草本植生(herbaceous vegetation)さらに、全ての地下部分(例えば、根)及び地上部分を含む土着した木材植物を含む。
【0064】
「多年生植物」の語は2年以上生きる植物、又は3以上の生育期存続し、それぞれの季節の後に枝枯れするか、若しくは連続的に成長する植物として理解されるべきである。その構造及び生育習性について、多年生植物は、例えば冬又は長期にわたる干ばつ等の有害な生育条件下において休眠期を生き延びることを可能にする貯蔵組織のような特定の生育構造体により特徴付けられる。多年生植物はより暖かく、より好ましい気候で連続的に成長する傾向があるが、その成長は季節的気候中の明確な生育期に限定される。例えば、温暖な地域において、多年生植物は1年の暖かい時期に成長し、開花することができるが、冬季間にはその成長は強く制限されるか、又は成長しない。多年生植物は一年生植物と比較して高い競合性を示すので、多くの自然生態系を支配する。これは特に悪い生育条件下において当てはまる。
【0065】
「農作物」の語は、その一部(例えば、種子、果実)又は全部が商業規模で収穫又は栽培される、又は飼料、食料、繊維(例えば、綿、麻)、化学的加工品(油、糖)、可燃物(例えば木材、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオマス)もしくは他の化合物の重要な源としての役割を果たす植物として理解されたい。好ましい農作物は、例えば、穀物(cereal)、例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ、ソルガム若しくはコメ、ビート(beet)、例えばテンサイ若しくは飼料用ビート、果実、例えば、仁果類、核果類又はソフトフルーツ、例えば、リンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー若しくはグーズベリー、マメ科植物、例えばレンティル、エンドウ、アルファルファ若しくはダイズ、油脂植物、例えばセイヨウアブラナ、ナタネ、キャノーラ、リンシード、カラシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオマメ、トウゴマ、アブラヤシ、ラッカセイ若しくはダイズ、ウリ科植物、例えば、カボチャ、キュウリ若しくはメロン、繊維植物、例えば、綿、亜麻、麻若しくはジュート、柑橘果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ若しくはマンダリン、野菜、例えば、ホンレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物若しくはパプリカ、クスノキ科植物、例えば、アボカド、シナモン若しくはショウノウ、エネルギー植物及び原料植物、例えば、トウモロコシ、ダイズ、セイヨウアブラナ、キャノーラ(ナタネ油)、サトウキビ若しくはアブラヤシ、トウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、茶、バナナ、ブドウ(テーブルブドウ及びブドウジュース、ブドウのつる)、ホップ、芝生又は天然ゴムノキである。
【0066】
「園芸植物」又は「観賞植物」の語は園芸において、又は観賞目的のために通常使用される植物として理解され、それらは、典型的には庭(圃場ではない)で栽培され、例えば、観賞植物、野菜及び/又は果実の栽培である。観賞植物の例は、膨大な数の観賞植物の中からほんの数種を挙げるだけでも、芝生、ゼラニウム、ペラゴニア(pelargonia)、ペチュニア、ベゴニア及びフクシアである。野菜の例は、膨大な数の野菜の中からほんの数種を挙げるだけでも、ジャガイモ、トマト、コショウ、ウリ科植物、キュウリ、メロン、スイカ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、キャベツ、マメ、エンドウ及びレタス、さらに好ましくはトマト、タマネギ、エンドウ及びレタスである。果実の例は、膨大な数の果実の中からほんの数種を挙げるだけでも、リンゴ、セイヨウナシ、サクランボ、イチゴ、柑橘類、モモ、アンズ、ブルーベリーがある。
【0067】
「林業植物」の語は木、より具体的には造林又は産業用農園において使用される木として理解される。産業用農園は、一般に、林産物(例えば木材、パルプ、紙、ゴムノキ、クリスマスツリー、又はガーデニング目的の若木)の商業生産に役立つ。林業植物の例には、針葉樹(マツ(特にピナス(Pinus)属種)、モミ及びトウヒなど)、ユーカリ、熱帯木(チーク、ゴムノキ、アブラヤシなど)、ヤナギ(Salix)(特にサリックス(Salix)属種)、ポプラ(ハコヤナギ)(特にポプラス(Populus)属種)、ブナノキ(特にファガス(Fagus)属種)、カバノキ、アブラヤシ、オーク及びジャグランス属種がある。
【0068】
一般に、「植物」の語は育種、突然変異誘発又は遺伝子操作によって改変された植物も含む。
【0069】
「遺伝子組換え植物」の語は、組換えDNA技術の使用により、自然環境下において交雑育種、突然変異誘発又は自然組換えによっては容易に取得することが出来ないように遺伝物質が改変されている作物として理解されたい。典型的には、植物の特定の特性を改善するため、1以上の遺伝子が遺伝子組換え植物の遺伝物質中に組み込まれている。こうした遺伝子改変には、これらに限定するものではないが、タンパク質(オリゴペプチド又はポリペプチド)の標的化翻訳後修飾、例えばグリコシル化、あるいはプレニル化、アセチル化又はファルネシル化部分もしくはPEG部分などのポリマー付加による修飾も含まれる。育種、突然変異誘発又は遺伝子操作によって改変されている植物は、例えば、従来の育種法又は遺伝子操作法を行った結果として、特定の種類の除草剤、例えばヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤;アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤、例えばスルホニル尿素(例えば、米国特許第6,222,100号、WO 01/82685、WO 00/26390、WO 97/41218、WO 98/02526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/14357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073を参照)、又はイミダゾリノン(例えば、米国特許第6,222,100号、WO 01/82685、WO 00/26390、WO 97/41218、WO 98/02526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/014357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073を参照);エノールピルビルシキメート-3-ホスフェート合成酵素(EPSPS)阻害剤、例えばグリホサート(例えばWO 92/00377を参照);グルタミン合成酵素(GS)阻害剤、例えばグルホシネート(例えば、EP-A-0242236、EP-A-242246を参照)又はオキシニル除草剤(例えば、米国特許第5,559,024号を参照)の施用に対して耐性となっている。いくつかの栽培植物は、従来の育種法(突然変異誘発法)によって除草剤耐性となっている。例えば、イミダゾリノン系(例えばイマザモックス)に耐性のあるClearfield(登録商標)セイヨウアブラナ(キャノーラ(Canola)、BASF SE、ドイツ)がある。遺伝子操作法は、ダイズ、綿、トウモロコシ、ビート及びアブラナなどの栽培植物を、グリホセートやグルホシネート系などの除草剤に対して耐性にするために使用されており、これらの栽培植物の一部は、RoundupReady(登録商標)(グリホサート耐性、Monsanto、米国)及びLibertyLink(登録商標)(グルホシネート耐性、Bayer CropScience、ドイツ)という商品名で市販されている。
【0070】
さらに「植物」は、組換えDNA技術を使用することにより、次に挙げるような1種以上の殺虫タンパク質の合成能力がある植物を包含する:とりわけ、バチルス属細菌(特にバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来として知られているもの、例えばδ-エンドトキシン類、例えばCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)又はCry9c;植物性殺虫タンパク質(VIP)、例えばVIP1、VIP2、VIP3又はVIP3A;フォトラブダス属の種(Photorhabdus spp.)又はゼノラブダス属の種(Xenorhabdus spp.)などの線虫にコロニーをつくる細菌の殺虫タンパク質;動物によって産生される毒素、例えばサソリ毒、クモ毒、スズメバチ毒、又は他の昆虫に特異的な神経毒;菌類によって産生される毒素、例えばストレプトマイセス(Streptomycetes)毒、植物レクチン、例えばエンドウレクチンもしくはオオムギレクチン;アグルチニン;プロティナーゼ阻害剤、例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン(patatin)、シスタチン又はパパイン阻害剤;リボソーム不活化タンパク質(RIP)、例えばリシン、トウモロコシ-RIP、アブリン、ルフィン(luffin)、サポリン又はブリオジン(bryodin);ステロイド代謝酵素、例えば3-ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤又はHMG-CoA-レダクターゼ;イオンチャネル遮断薬、例えばナトリウムチャネル又はカルシウムチャネル遮断薬;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモンレセプター(ヘリコキニン(helicokinin)レセプター);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ又はグルカナーゼ。本発明においては、これらの殺虫タンパク質又は毒素は、前毒素、ハイブリッドタンパク質、切断型タンパク質又は他の改変型タンパク質としても明らかに理解される。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新たな組合せとして特徴付けられる(例えば、WO 02/015701を参照)。かかる毒素、又はかかる毒素を合成することができる遺伝子組換え植物の別の例は、例えば、EP-A374753、WO 93/007278、WO 95/34656、EP-A 427529、EP-A 451878、WO 03/18810及びWO 03/52073に開示されている。一般に、かかる遺伝子組換え植物の製造方法は当業者に公知であり、例えば上記の刊行物中に記載されている。遺伝子組換え植物に含まれるこれらの殺虫タンパク質は、これらのタンパク質を生成する植物に、節足動物類の全ての分類群、特に甲虫類(鞘翅目)、双翅昆虫類(双翅目)及び蛾類(鱗翅目)並びに線虫類(線虫綱)の有害生物に対する耐性を付与する。1種以上の殺虫タンパク質を合成することができる遺伝子組換え植物は上記の刊行物に記載され、その一部は市販されており、例えば以下のものが挙げられる:YieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を生成するトウモロコシ品種)、YieldGard(登録商標)Plus(Cry1Ab毒素及びCry3Bb1毒素を生成するトウモロコシ品種)、Starlink(登録商標)(Cry9c毒素を生成するトウモロコシ品種)、Herculex(登録商標)RW(Cry34Ab1、Cry35Ab1及び酵素ホスフィノトリシン-N-アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を生成するトウモロコシ品種);NuCOTN(登録商標)33B(Cry1Ac毒素を生成する綿品種)、Bollgard(登録商標)(Cry1Ac毒素を生成する綿品種)、Bollgard(登録商標)II(Cry1Ac毒素及びCry2Ab2毒素を生成する綿品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を生成する綿品種);NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を生成するジャガイモ品種);Syngenta SeedsSAS(France)から市販されているBt-Xtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Bt11(例えばAgrisure(登録商標)CB)並びにSyngenta SeedsSAS(フランス)から市販されているBt176(Cry1Ab毒素及びPAT酵素を生成するトウモロコシ品種)、Syngenta Seeds SAS(フランス)から市販されているMIR604(改変型Cry3A毒素を生成するトウモロコシ品種、WO 03/018810を参照)、Monsanto Europe S.A.(ベルギー)から市販されているMON 863(Cry3Bb1毒素を生成するトウモロコシ品種)、Monsanto Europe S.A.(ベルギー)から市販されているIPC 531(改変型Cry1Ac毒素を生成する綿品種)及びPioneer Overseas Corporation(ベルギー)から市販されている1507(Cry1F毒素及びPAT酵素を生成するトウモロコシ品種)。
【0071】
さらに「植物」は、組換えDNA技術を使用することにより、細菌病原体、ウイルス病原体又は菌類病原体に対する植物の抵抗性又は耐性を高める1種以上のタンパク質を合成する能力のある植物も包含する。かかるタンパク質の例は、いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRタンパク質、例えばEP-A 392225を参照)、植物病害抵抗性遺伝子(例えば、メキシコ野生ジャガイモ(ソラヌム・ブルボカスタヌム:Solanum bulbocastanum)に由来する、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対して作用する抵抗性遺伝子を発現するジャガイモ品種)、又はT4-リゾチーム(例えば、これらのタンパク質を合成することができるジャガイモ品種であって、火傷病菌(エルウィニア・アミロボーラ:Erwinia amylvora)などの細菌に対する抵抗性が高められたもの)である。一般に、かかる遺伝子組換え植物の製造方法は当業者に公知であり、例えば上記の刊行物中に記載されている。
【0072】
さらに「植物」は、組換えDNA技術の使用により、生産性(例えばバイオマス生産、穀粒収穫量、デンプン含量、油含量もしくはタンパク質含量)、乾燥、塩分又は他の成長を抑制する環境要因に対する耐性、あるいはこれらの植物の有害生物及び菌類病原体、細菌病原体又はウイルス病原体に対する耐性を高める、1種以上のタンパク質を合成することができる植物も含む。
【0073】
さらに「植物」は、組換えDNA技術の使用により、特にヒト又は動物の栄養を改善するための、変更された量の含有物又は新たな含有物を含有する作物(例えば、健康を促進する長鎖ω-3脂肪酸又は不飽和ω-9脂肪酸を生産する油料作物、例えば、Nexera(登録商標)のナタネ(DOW Agro Sciences、カナダ))も含む。
【0074】
さらに「植物」は、組換えDNA技術の使用により、特に原料生産を改善するための、変更された量の含有物又は新たな含有物を含有する作物(例えば増加量のアミロペクチンを生産するジャガイモ(例えば、Amflora(登録商標)のジャガイモ(BASF SE、ドイツ))も含む。
【0075】
本発明の用語において、「混合物」は少なくとも2種の活性成分(例えば、1種の化合物(A)及び1種の化合物(B))の組合せを意味する。
【0076】
「少なくとも1種の化合物」の語は1、2、3又はそれよりも多い化合物(例えば、ストロビルリン)として理解される。
【0077】
「相乗的」の語は、本発明による混合物の施用が、少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)の同時(一緒のもしくは別々の)施用又はその連続施用の(数学的観点から)純粋な相加効果を上回ることを意味する。「相乗効果」の語は、特に、コルビーの式(Colby's formula)(Colby, S. R.,「Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」, Weeds, 15, pp.20-22, 1967)により定義されるものを指すとして理解される。
【0078】
「相乗的にPFAを減少させる量」は、本発明による混合物が、少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)の同時(一緒のもしくは別々の)施用又は、少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)の連続施用の(数学的観点から)純粋な相加効果を上回るように、PFAの量を減少させる量で施用することができることを意味する。
【0079】
本発明の用語において、「農業上有用な塩」は特に本発明による化合物の作用に全く悪影響を及ぼさないカチオン及びアニオンであり、例えば、a)好適なカチオン、それらは、特に、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムのイオンであり、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウム及びバリウムのイオン、遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、さらに、アンモニウム(NH4+)及び、1〜4個の水素原子がC1-C4-アルキル、C1-C4-ヒドロキシアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、フェニル又はベンジルに置換されている、置換されたアンモニウムイオンであり、置換されたアンモニウムイオンの例は、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム及びベンジルトリエチルアンモニウムを含み、さらに、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム及びスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムであり、さらに、b)有用な酸付加塩の好適なアニオン、それらは、主に、クロリド、ブロミド、フルオリド、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、ヘキサフルオロケイ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、安息香酸塩、及びC1-C4-アルカン酸のアニオン(好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩及び酪酸塩)である。
【0080】
「BBCH主要成長段階(principal growth stage)」の語は、拡張されたBBCH-スケールを指し、これは、全ての単子葉及び双子葉植物種について植物成長期的に同じような成長段階を同一にコードする方式のことであって、この方式では植物の全体成長周期が明確に認識可能な、また区別可能な長く続く成長期に小区分化されている。BBCH-スケールは10進法のコードシステムを使用し、主要成長段階と二次的成長段階(secondary growth stage)に分けられる。略語BBCHは、農業及び森林に関する連邦生物学研究所(Federal Biological Research Centre for Agriculture and Forestry)(ドイツ)、Bundessortenamt(ドイツ)及び化学工業に由来する。
【0081】
本発明の1つの実施形態において、それぞれの施用は生殖成長期の前に行われる。
【0082】
本発明の好ましい実施形態において、それぞれの施用は生殖成長期中に行われる。
【0083】
本発明の好ましい実施形態において、ストロビルリン(化合物A)又は農薬混合物はGS60(最初の開花)〜GS69(開花の終わり)の範囲のいずれかのBBCH主要成長段階(GS)において施用される。
【0084】
本発明のさらに好ましい実施形態において、ストロビルリン(化合物A)又は農薬混合物は3回施用され、ここで最初の施用はBBCH主要成長段階GS60で行われ、2回目の施用はBBCH主要成長段階GS62で行われ、3回目の施用はBBCH主要成長段階GS65で行われる。
【0085】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)又は農薬混合物は植物の葉及び/又は花に施用される。
【0086】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のストロビルリン又は農薬混合物は植物の開花期中に施用される。
【0087】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)又は農薬混合物は葉施用として施用される。本発明のさらに好ましい実施形態において、少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)又は農薬混合物は植物の花に施用される。
【0088】
本発明による混合物が本発明の方法に使用される場合、植物は同時に(一緒に若しくは別々に)又は後で、少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)及び少なくとも1種の別の化合物(化合物B)で処理される。
【0089】
本発明による方法の好ましい実施形態において、植物は同時に(一緒に若しくは別々に)少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)及び少なくとも1種の別の化合物(化合物B)で処理される。
【0090】
後の施用は施用される化合物の組み合わせの作用が可能である時間間隔で行われる。好ましくは、少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)の後の施用のための時間間隔は数秒〜3ヶ月、好ましくは数秒〜1ヶ月、さらに好ましくは数秒〜2週間、さらに好ましくは数秒〜3日間、特に1秒〜24時間の範囲である。
【0091】
本明細書において、我々は少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)を含む相乗混合物の同時(一緒の若しくは別々の)施用、又は少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)の連続施用は植物の雌花の発育不全を、個々の化合物の単独施用により達成される雌花の発育不全の減少を超えるレベルにまで減少させることができることを見出した。
【0092】
本発明の用語において、「植物の雌花の発育不全を減少させる」とは、PFAの量を減少させることを指す。この減少は、a)実止まり(fruit set)(%)、b)生育している果実の数(%)及び/又はc)収穫期に残っている果実(%)(果実収率; fruit yield)を測定することにより評価することができる。実止まり、生育している果実及び/又は収穫期に残っている果実の割合が高いほど、それぞれの雌花の発育不全は少ない。
【0093】
本発明の1つの実施形態によると、実止まりの量及び/又は生育している果実の数及び/又は収穫期に残っている果実は、各未処理対照植物において観測されるのと比較して、少なくとも20〜40%、好ましくは41〜80%、さらに好ましくは81〜160%、最も好ましくは161〜200%又はそれよりも多く増加する。
【0094】
本発明による方法の1つの実施形態において、実止まりの量は、各未処理対照植物において観測されるのと比較して少なくとも20〜40%増加する。
【0095】
本発明による方法の別の実施形態において、生育している果実の数は、各未処理対照植物において観測されるのと比較して少なくとも20〜40%増加する。
【0096】
本発明による方法の別の実施形態において、残っている果実の数は各未処理対照植物において観測されるのと比較して少なくとも20〜40%増加する。
【0097】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)又は前記農薬混合物は繰り返し施用される。さらに好ましい実施形態において、施用は2〜10回、好ましくは2〜5回、最も好ましくは3回繰り返される。
【0098】
本発明の好ましい実施形態において、施用は3回繰り返され、それぞれの施用は3〜5日おきに行われる。
【0099】
本発明のさらに好ましい実施形態において、ストロビルリン(化合物A)又は農薬混合物は4日おきに3回施用される。
【0100】
本発明の方法による施用について、施用量は1ヘクタール当り0,01kg〜2,0kgの活性成分であり、植物種により決まる。本発明による方法の好ましい実施形態において、施用量は1ヘクタール当り125g〜750gの活性成分である。本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、施用量は1ヘクタール当り200g〜300gの活性成分である。
【0101】
種子の処理において、一般に、種子1キログラム当り0,001g〜0,1g、好ましくは0,01g〜0,05gの活性成分の量が必要とされる。
【0102】
当然、化合物(A)及び場合によって混合物が施用される場合、少なくとも1種の化合物(A)及び少なくとも1種の化合物(B)は効果的かつ植物毒性でない量で使用される。このことは、望ましい効果を得ることができるが、処理される植物にいかなる植物毒性症状も生じさせない量でそれらが使用されることを意味する。
【0103】
本発明による方法において、本発明による混合物の施用量は0,3g/ha〜2500g/ha、好ましくは5g/ha〜2500g/ha、さらに好ましくは20〜2000g/ha、特に20〜1500g/haであり、化合物の種類によって決まる。
【0104】
本発明による化合物はその生物活性が異なり得る異なる結晶変態で存在し得る。それらも同様に本発明の対象である。
【0105】
植物繁殖材料(好ましくは種子)の処理において、本発明の混合物の施用量は、一般に植物繁殖材料(好ましくは種子)250kg当り0,001〜1000g、好ましくは100kg当り0,01〜500g、特に100kgの植物繁殖材料(好ましくは種子)当り0,1g〜250gである。
【0106】
化合物(A)対化合物(B)の重量比は好ましくは200:1〜1:200、さらに好ましくは100:1〜1:100、さらに好ましくは50:1〜1:50、特に20:1〜1:20である。最も好ましい比は1:10〜10:1である。重量比は混合物中の化合物(A)及び化合物(B)の全重量に関する。
【0107】
ストロビルリン(化合物A)及び農薬混合物は、典型的には少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)又は別の化合物(B)をさらに含む農薬混合物を含む組成物として施用される。
【0108】
組成物のタイプの例は、水溶性又は水和性であり得る懸濁液(SC、OD、FS)、乳剤(EC)、エマルション(EW、EO、ES)、マイクロエマルション(ME)、ペースト、錠剤(pastille)、湿潤性粉末又は粉剤(WP、SP、SS、WS、DP、DS)又は粒剤(GR、FG、GG、MG)、さらに植物繁殖材料(例えば、種子)の処理用のゲル製剤(GF)である。
【0109】
通常、組成物のタイプ(例えば、SC、OD、FS、EC、WG、SG、WP、SP、SS、WS、GF)は希釈して用いられる。DP、DS、GR、FG、GG及びMG等の組成物のタイプは、通常、希釈せずに用いられる。
【0110】
組成物は公知の方法で調製される(US 3,060,084、EP-A 707445(液剤について)、Browning:「Agglomeration」、Chemical Engineering、Dec. 4、1967、147-48、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、4th Ed.、McGraw-Hill、New York、1963、S. 8-57 und ff. WO 91/13546、US 4,172,714、US 4,144,050、US 3,920,442、US 5,180,587、US 5,232,701、US 5,208,030、GB 2,095,558、US 3,299,566、Klingman: Weed Control as a Science (J. Wiley & Sons、New York、1961)、Hance et al.: Weed Control Handbook (8th Ed.、Blackwell Scientific、Oxford、1989) and Mollet、H. and Grubemann、A.: Formulation technology (Wiley VCH Verlag、Weinheim、2001)を参照されたい)。
【0111】
さらに、農薬組成物は農薬組成物に通常の助剤を含むこともできる。使用される助剤は具体的な使用形態及び活性物質によって決まる。好適な助剤の例は、溶媒、固体担体、分散剤又は乳化剤(例えば、別の可溶化剤、保護コロイド、界面活性剤及び接着剤)、有機及び無機増粘剤、殺菌剤、不凍剤、消泡剤、適宜、染料(colorant)及び粘着付与剤(tackifiers)又は結合剤(例えば、種子処理製剤用)である。
【0112】
好適な溶媒は水、有機溶媒、例えば中程度から高沸点の鉱油留分、例えば、ケロシン及びディーゼル油、さらに、コールタール油及び植物又は動物由来の油、脂肪族、環式及び芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン又はその誘導体、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、グリコール、ケトン、例えばシクロヘキサノン及びガンマ−ブチロラクトン、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸及び脂肪酸エステル並びに強極性溶媒、例えば、アミン、例えばN−メチルピロリドンである。
【0113】
固体担体は、鉱物土類(mineral earth)、例えば、シリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム等、粉砕された合成材料、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等、植物起源の製品、例えば、穀粉、樹皮粉、木粉、堅果殻粉等、セルロース粉末並びに他の固体担体である。
【0114】
好適な界面活性剤(アジュバント、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤)は、芳香族スルホン酸、例えばリグノスルホン酸(Borresperse(登録商標)タイプ、Borregaard、ノルウェイ)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel、米国)、ジブチルナフタレンスルホン酸(Nekal(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)及び脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウム塩、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、脂肪アルコールサルフェート及び硫酸化ヘキサ−、ヘプタ−、及びオクタデカノレート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらに、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシ化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシ化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン−亜硫酸廃液、及びタンパク質、変性タンパク質、多糖(例えば、メチルセルロース)、疎水変性デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant、スイス)、ポリカルボキシレート(Sokalan(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマーである。
【0115】
増粘剤(すなわち、組成物の流動性を変性させる化合物(すなわち、静止状態で高粘度であり、攪拌状態で低粘度である))の例は、多糖、有機及び無機粘土、例えば、キサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、米国)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia、フランス)又はVeegum(登録商標)(R.T. Vanderbilt、米国)又はAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp., NJ、米国)である。
【0116】
殺菌剤(bactericide)は組成物の保存及び安定化のために加えることができる。好適な殺菌剤の例はジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマール系の殺菌剤(ICIからのProxel(登録商標)又はThor ChemieからのArcicide(登録商標)RS及びRohm & HaasからのKathon(登録商標)MK)及びイソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノン(Thor ChemieからのActicide(登録商標)MBS)である。
【0117】
好適な不凍剤の例はエチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0118】
消泡剤の例はシリコーンエマルション(例えば、Silikon(登録商標)SRE、Wacker、ドイツ又はRhodorsil(登録商標)、Rhodia、フランス)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物及びその混合物である。
【0119】
好適な着色剤は、水に難溶性である顔料及び水溶性の染料である。挙げることができる例は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108である。
【0120】
粘着付与剤又は結合剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール及びセルロースエーテル(Tylose(登録商標)、Shin-Etsu、日本)である。粉末、散布用材料及び粉剤は、化合物I及び、適宜、別の活性物質と、少なくとも1種の固体担体とを混合又は同時に粉砕することにより調製することができる。粒剤、例えば、被覆粒剤、含浸粒剤及び均一粒剤は、活性物質を固体担体に結合させることにより調製することができる。固体担体の例は鉱物土類、例えば、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム等、粉砕された合成材料、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等、及び植物起源の製品、例えば、穀粉、樹皮粉、木粉及び堅果粉、セルロース粉末並びに他の固体担体である。
【0121】
組成物のタイプの例は:
1.水で希釈する組成物のタイプ
i)水溶性濃縮物(SL、LS)
10重量部の本発明の化合物Iを90重量部の水又は水溶性溶媒に溶解する。或いは、湿潤剤又は他の助剤を加える。水により希釈すると活性物質が溶解する。この方法により、10重量%の活性物質含有量を有する組成物が得られる。
【0122】
ii)分散性濃縮物(DC)
20重量部の本発明の化合物Iを、10重量部の分散剤(例えばポリビニルピロリドン)を加えて、70重量部のシクロヘキサノンに溶解する。水により希釈すると分散液が得られる。活性物質含有量は20重量%である。
【0123】
iii)乳剤(EC)
15重量部の本発明の化合物Iを、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びエトキシ化ヒマシ油(それぞれ5重量部)を加えて、75重量部のキシレンに溶解する。水により希釈するとエマルションが得られる。組成物は15重量%の活性物質含有量を有する。
【0124】
iv)エマルション(EW、EO、ES)
25重量部の本発明の化合物Iを、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びエトキシ化ヒマシ油(それぞれ5重量部)を加えて35重量部のキシレンに溶解する。この混合物を30重量部の水に加え、乳化装置(Ultraturrax)を用いて均一なエマルションへと変換する。水により希釈するとエマルションが得られる。組成物は25重量%の活性物質含有量を有する。
【0125】
v)懸濁液(SC、OD、FS)
撹拌式ボールミル中で、20重量部の本発明の化合物Iを、10重量部の分散剤及び湿潤剤並びに70重量部の水又は有機溶媒を加えて粉砕して、微細な活性物質の懸濁液を得る。水により希釈すると、活性物質の安定な懸濁液が得られる。組成物中の活性物質含有量は20重量%である。
【0126】
vi)水分散性粒剤及び水溶性粒剤(WG、SG)
50重量部の本発明の化合物Iを、50重量部の分散剤及び湿潤剤を加えて微細に粉砕し、工業装置(例えば、射出機、噴霧塔、流動床)を用いて水分散性又は水溶性粒剤を調製する。水により希釈すると活性化合物の安定な分散液又は溶液が得られる。組成物は50重量%の活性物質含有量を有する。
【0127】
vii)水分散性粉末及び水溶性粉末(WP、SP、SS、WS)
75重量部の本発明の化合物Iを、25重量部の分散剤、湿潤剤及びシリカゲルを加えてローターステーターミルで粉砕する。水により希釈すると活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。組成物の活性物質含有量は75重量%である。
【0128】
viii)ゲル(GF)
20重量部の本発明の化合物I、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤湿潤剤及び70重量部の水又は有機溶媒を攪拌式ボールミルで粉砕して活性物質の微細な懸濁液を得る。水により希釈すると、20重量%の活性物質を有する安定な懸濁液が得られる。
【0129】
2.希釈しないで施用するための組成物のタイプ
ix)粉剤(DP、DS)
5重量部の本発明の化合物Iを微粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと十分に混合する。これにより、5重量%の活性物質含有量を有する粉剤組成物が得られる。
【0130】
x)粒剤(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の本発明の化合物Iを微粉砕し、99.5重量部の担体と結合させる。通常の調製方法は、押出、噴霧乾燥又は流動床である。これにより、0.5重量%の活性物質含有量を有する希釈しないで施用するための粒剤が得られる。
【0131】
xi)ULV溶液(UL)
10重量部の本発明の化合物Iを、90重量部の有機溶媒(例えば、キシレン)に溶解する。これにより、10重量%の活性物質含有量を有する希釈しないで施用するための組成物が得られる。
【0132】
一般に、農薬組成物は0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%、最も好ましくは0.5〜90重量%の活性物質を含む。活性物質は90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度で用いられる(NMRスペクトルによる)。
【0133】
水溶性濃縮物(LS)、流動性濃縮物(FS)、乾燥処理用粉剤(DS)、スラリー処理用水分散性粉剤(WS)、水溶性粉剤(SS)、エマルション(ES)、乳剤(EC)及びゲル(GF)は、通常、植物繁殖材料(特に種子)の処理の目的で用いられる。これらの組成物は植物繁殖材料(特に種子)に、希釈して、又は希釈せずに施用することができる。対象の組成物は、すぐに使用可能な調製物において、2〜10倍に希釈後、0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%の活性物質濃度を与える。施用は種蒔きの前又は間に行うことができる。植物繁殖材料(特に、種子)に対し、農薬化合物及びその組成物を施用する、又は処理する方法は、それぞれ当業者に公知であり、粉衣(dressing)、コーティング、ペレット化(pelleting)、散粉(dusting)、植物繁殖材料のソーキング(soaking)及び畝間(in-furrow)施用法を含む。好ましい実施形態において、化合物又はその組成物は、それぞれ、発芽が生じないような方法により、例えば、種子粉衣、ペレット化、コーティング及び散粉により植物繁殖材料に施用される。
【0134】
好ましい実施形態において、懸濁液タイプ(FS)の組成物が種子処理のために使用される。典型的には、FS組成物は1〜800g/lの活性物質、1 200g/lの界面活性剤、0〜200g/lの不凍剤、0〜400g/lの結合剤、0〜200g/lの顔料及び1リットル以下の溶媒(好ましくは水)を含むことができる。
【0135】
活性物質はそのままで又はその組成物の形態で、例えば、直接噴霧可能な溶液、粉末、懸濁液、分散液、エマルション、油分散液、ペースト、散粉用製品、散布用(spreading)材料若しくは粒剤の形態で、散布(spraying)、噴霧(atomizing)、散粉(dusting)、広域散布(spreading)、ブラッシング(brushing)、浸漬(immersing)又は散水(pouring)により使用することができる。使用形態は、完全に意図される目的によって決まり、本発明による活性物質のできる限り微細な分布を確実にするよう意図されている。
【0136】
水性使用形態は、水を添加することによって、エマルション濃縮物、ペースト又は水和剤(噴霧可能な粉末、油分散液)から調製することができる。エマルション、ペースト又は油分散液を調製するために、そのままの又は油若しくは溶媒に溶解された物質を、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤を用いて、水に均一化することができる。或いは、活性物質、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤及び、適宜、溶媒又は油からなる濃縮物を調製することも可能であり、このような濃縮物は、水による希釈に適する。
【0137】
すぐに使用可能な調製物中の活性物質濃度は、比較的広い範囲内で変更することができる。一般に、これらは、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%の活性物質である。
【0138】
活性物質は、極微量法(ULV)に首尾よく使用することもでき、これによって、95重量%超の活性物質を含む組成物を施用することが可能であり、添加剤を含まない活性化合物を施用することさえ可能である。
【0139】
種々のタイプの油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺菌剤(bactericide)、他の殺菌剤及び/又は殺有害生物剤を、活性物質又はこれらを含む組成物に適宜、使用直前に加えることができる(タンクミックス)。これらの薬剤は本発明による組成物と1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で混合することができる。
【0140】
使用することができるアジュバントは、特に有機変性ポリシロキサン、例えばBreak Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えば、Atplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)及びLutensol ON 30(登録商標);EO/POブロックポリマー、例えば、Pluronic RPE 2035(登録商標)及びGenapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えば、Lutensol XP 80(登録商標);並びにナトリウムジオクチルスルホスクシネート、例えばLeophen RA(登録商標)である。
【0141】
本発明による組成物は、その他の活性物質、例えば、除草剤、殺虫剤、成長調節物質、殺菌剤、又は肥料と一緒にプレミックスとして、又は適宜、使用の直前に(タンクミックス)存在することもできる。
【0142】
以下の実施例は限定することなく、本発明を例示する。
【実施例】
【0143】
実施例1
試験をチリのグラネロスにあるクルミ果樹園(ジャグランス・レギア、Serr種)で2008年に行った。試験案は1回の処理に対して3回繰り返して完全に無作為化された。それぞれ、100の雌花を備える特定された枝で繰り返した。実止まり後及び収穫期において残っている果実を数えた。表1は処理及び施用のタイミングを示す。
【表1】

【0144】
2008年の季節条件下で、チリの中央部におけるクルミの雄花及び雌花の開花期間は時間的に大きく一致した。結果として、PFAは非常に高く、エチレンコントロール(control)が行われなかった果樹園における収率に悪影響を与えた。
【0145】
表2は異なる処理において評価される実止まりの割合及び収穫期までに残っている果実を示す。
【表2】

【0146】
表2からわかるように(試験5参照)、クルミ(ジャグランス・レギア、Serr種)の開花期中に施用されたピラクロストロビンは、実止まり(+165%)、成長している小果実の数(+201%)及び収穫期に残っている果実の数(+200%)を、3回施用された場合に大幅に増加させた。結果として、収穫期までの落果は大幅に減少し、著しい収率の増加をもたらした。提供されたデータに基づいて、本発明による方法は植物のPFAを著しく減少させることを見出すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の雌花の発育不全を減少させる方法であって、植物、植物の一部、植物が生育している場所、又は植物を生育させようとする場所、及び/又は植物が芽生える種子を少なくとも1種のストロビルリン(化合物A)で処理することを含む、前記方法。
【請求項2】
施用されるストロビルリン(化合物A)がピラクロストロビン、オリサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビン、2-(2-(6-(3-クロロ-2-メチル-フェノキシ)-5-フルオロ-ピリミジン-4-イルオキシ)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミド、3-15メトキシ-2-(2-(N-(4-メトキシ-フェニル)-シクロプロパン-カルボキシミドイルスルファニルメチル)-フェニル)-アクリル酸メチルエステル、(2-クロロ-5-[1-(3-メチルベンジルオキシイミノ)-エチル]ベンジル)カルバミン酸メチル及び2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-アリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
施用されるストロビルリン(化合物A)がピラクロストロビン、オリサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピリベンカルブ及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
施用されるストロビルリン(化合物A)がピラクロストロビンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(i)フルオピラム、ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、ジメトモルフ、フルオピコリド(ピコベンザミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド、カルプロパミド、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)- 3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(4'-トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、ビキサフェン、N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-フェニル]-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、セダキサン、イソピラザム及びペンチオピラドから選択されるカルボン酸アミド;
(ii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム及びトリアゾキシドから選択されるアゾール;
(iii)ファモキサドン、フルアジナム、シプロジニル、ピリメタニル、フェンプロピモルフ、イプロジオン、アシベンゾラルSメチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、キャプタン、フェンプロピジン、カプタホール及びアニラジンから選択される複素環化合物;
(iv)マンゼブ、メチラム、イプロバリカルブ、マンネブ、プロピネブ、フルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)及びプロパモカルブから選択されるカルバメート及びジチオカルバメート
(v)チオファネートメチル、クロロタロニル、トリルフルアニド及びフルスルファミドから選択される有機塩素化合物;
(vi)ボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、三塩基性硫酸銅、酸化銅(I)及び塩基性硫酸銅から選択される銅化合物;
(vii)アメトクトラジン、スピロキサミン、シモキサニル、シフルフェナミド、バリフェナール、メトラフェノン、ホセチルアルミニウム及びジチアノンから選択されるもの
(viii)アミノエトキシビニルグリシン(AVG)、1-メチルシクロプロペン、ビニルグリシン誘導体、ヒドロキシルアミン及びオキシムエーテル誘導体から選択されるエチレン阻害剤
からなる群から選択される少なくとも1種の別の化合物(化合物B)を施用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ピラクロストロビンを化合物(A)として、ボスカリド又はアミノエトキシビニルグリシン(AVG)を化合物(B)として含む農薬混合物を施用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
施用を植物の開花期中に行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種のストロビルリン又は農薬混合物を植物の葉及び/又は花に施用する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種のストロビルリン又は農薬混合物を繰り返し施用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
施用を3回繰り返し、それぞれの施用を3〜5日おきに行う、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
植物が多年生植物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
植物が不完全花を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
植物がクルミ属に属する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
植物における雌花の発育不全を減少させるための、請求項1に記載の少なくとも1種のストロビルリンの使用。
【請求項15】
雌花の発育不全がクルミ(ジャグランス・レギア)において減少する、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2013−505910(P2013−505910A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530227(P2012−530227)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063767
【国際公開番号】WO2011/036111
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】